JP2008088545A - 高炉用ベルレス式炉頂装入装置の旋回シュート - Google Patents

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Abstract

【課題】大幅な設備投資を必要とすることなく、装入原料の溢れや目詰まりを起こすことなく、高炉層頂の原料の堆積形状の安定化や特定原料の堆積位置の局所化といった装入物分布を適正化する。
【解決手段】高炉のベルレス式炉頂装入装置用の旋回シュート11である。上部が開放された溝型横断面を有し、横断面の形状と大きさが均一の基端側部分12と、当該基端側部分よりも徐々に横断面が小さくなる先端側部分13の2つの部分から構成される。旋回シュートの先端側部分は、横断面が楕円形の一部で、旋回シュート先端の前記楕円形の鉛直方向の半径R2が、水平方向の半径R1よりも小さくなるように、先端に向かって徐々に形状が変化する。
【効果】旋回駆動装置に対する負荷を軽減できる。また、装入原料の溢れや目詰まりを起こすことなく、旋回シュートの傾斜角に依らず落下幅抑制の効果が得られ、装入物分布の適正化に寄与できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉用ベルレス式炉頂装入装置の旋回シュートに関するものである。
高炉には、鉄源である鉱石と還元材であるコークス(以下、これらの鉱石とコークスを総称して原料と言う。)が、炉頂に設けられた装入装置によって交互に積み重ねた層状に装入される。
そして、炉下部に存する羽口から送風される加熱空気によって羽口前のコークスを燃焼消費させることで、前記装入物が炉頂から徐々に炉内を降下しながら、上昇するガスにより加熱・還元反応して、鉱石は溶融して銑鉄となり、炉下部から排出される。
実際の操業では、前記加熱空気とともに羽口から微粉炭を吹込むなど種々の操業形態があるが、炉頂からの原料装入と羽口からの送風により向流で連続的に操業を行うことが基本的な原理である。
高炉操業において、鉱石の還元反応を効率よく行い、かつ炉内を上昇するガスの通気抵抗を低位に抑制することは重要である。これら高炉内の反応効率や通気抵抗を制御するための操業操作が、高炉炉頂部における鉱石層厚やコークス層厚の制御、及びコークスや鉱石の粒径等の半径方向の分布制御、すなわち装入物分布制御である。
ところで、近年の高炉では、炉頂部に設ける原料装入装置として、ベル式装入装置に代わり、装入物の分布制御の自由度がより大きな旋回シュートを備えたベルレス式装入装置が多く採用されている。その理由は、旋回シュートは、回転数及び鉛直下方に対する傾斜角度の変更によって、ベル式装入装置に比べて多様な装入物分布制御が可能なことによる。
このベルレス式装入装置を備えた高炉では、図13に示すように、炉内に装入される原料はベルトコンベア1により炉頂まで運ばれ、一旦炉頂ホッパー2に貯蔵される。炉頂ホッパー2に貯蔵された原料7は、高炉6への装入の際、炉頂ホッパー2の下部を通過し、集合ホッパー3に移動する。集合ホッパー3に移動した原料7は集合ホッパー3の下部中央に設けた垂直シュート4を落下し、出口に設けた旋回シュート5を通過して、高炉6内に装入される。
その際、原料は、旋回シュート内において重力、遠心力によって炉内半径方向に加速されると共に、旋回シュートの旋回運動により、コリオリ力の作用によって旋回シュート内断面下向に対して角度を有し(振り上がり)ながら移動する。従って、旋回シュートを離脱した原料は、旋回シュート離脱時の位置と速度から決定される軌跡を描いて高炉内に装入される。
しかしながら、高炉操業においては、特許文献1や特許文献2に開示されているように、装入物の層構造形成現象は、炉内ガス流れや炉内原料の降下状況等の外乱因子によって変化を受けるため、不安定化しやすい。特に、ベルレス式装入装置を備えた高炉では、原料を供給する炉頂ホッパーからの原料排出挙動の影響を直接受けるため、いかに装入条件(装入量、装入速度)や原料性状(粒度構成、冷間強度等の物理性状)を一定に管理していても、常に多少のバラツキがある。このため、特に装入面積の小さい炉中心部では、装入原料の層厚の大きな変動として現れる外乱因子となり、不安定性は増す傾向を有する。
特公平7−5941号公報 特許第2828098号公報
従って、このような変動を吸収し、装入物分布を適正化することが必要である。そこで、近年、高微粉炭比操業や原料の劣質化により炉内通気抵抗は増加傾向にあり、この装入物分布制御の適正化の重要性は益々大きくなっている。
このような装入物分布の適正化のための装入装置として、旋回シュートの先端部に反発板を設ける技術が提案されている。特許文献3には、旋回シュート先端に反発板を設け、原料の落下軌跡を垂直落下に近づけることによって装入物分布の制御性を向上させる方法が開示されている。
実開平5−37948号公報
同様に、特許文献4には、原料の上層流のみに衝突するように、旋回シュート先端に反発板または半分割円錐形状の反発板を設けることで、また特許文献5では、屈曲した反発板または多角形の反発板を旋回シュート先端に設けることで、装入物分布の制御性を向上させる方法が開示されている。更に、特許文献6では旋回シュート先端部に原料が衝突する反発板とその両側に側板を有する補助シュートを設けることで、装入物分布の制御性を向上させる方法が開示されている。
特開平9−249907号公報 特開平11−29805号公報 特開平11−1709号公報
これらの特許文献3〜6で開示された技術によれば、装入物の落下軌跡を制御することができる。
また、非特許文献1には、筒状円錐形の旋回シュートが開示されている。このような旋回シュートでも装入物の落下軌跡を制御することができる。
那須敏幸、「石川島播磨技報」Vol.26(1986)、57〜60頁
しかしながら、前記の技術は、いずれも旋回シュートの先端部に重量物を設けるため、旋回駆動装置に対する負荷が大きく、また旋回シュートの傾斜角度によっては、旋回シュートの先端に設けた反発板に衝突しない場合がある。
また、非特許文献1の技術は、筒状で先細りのために旋回シュート先端の抵抗が大きく、装入速度がある限界を超えると、垂直シュートから旋回シュートへの原料供給部の開口部で原料の溢れや目詰まり等が発生し、装入物分布の制御手段として限界があった。
本発明が解決しようとする問題点は、特許文献3〜6や非特許文献1に開示された技術では、旋回駆動装置に対する機械的な負荷が大きくなり、また旋回シュートの傾斜角度によっては、原料の落下幅が小さくなるように制御できない場合があるという点である。加えて、非特許文献1に開示された技術では、装入速度がある限界を超えると、垂直シュートから旋回シュートへの原料供給部の開口部で原料の溢れや目詰まり等が発生するという点である。
本発明は、前述の問題点を解決すべく、原料の落下軌跡の炉内半径方向の幅(以下、落下幅と言う。)を縮小化することに着目し、旋回シュートの形状について種々検討を重ねた結果に基づいて成されたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
本発明の高炉用ベルレス式炉頂装入装置の旋回シュートは、
大幅な設備投資を必要とすることなく、装入原料の溢れや目詰まりを起こすことなく、高炉層頂の原料の堆積形状の安定化や特定原料の堆積位置の局所化といった装入物分布を適正化するために、
上部が開放された溝型横断面を有し、
横断面の形状と大きさが均一の基端側部分と、当該基端側部分よりも徐々に横断面が小さくなる先端側部分の2つの部分から構成されていることを最も主要な特徴としている。
本発明では、旋回シュートの先端部に反発板等の重量物を設けないので、旋回駆動装置に対する負荷を軽減することができ、コストの低減が達成される。また、本発明では、旋回シュートの先端付近で振り上げ角度抑制と減速機構を有し、装入原料の溢れや目詰まりを起こすことなく、また旋回シュートの傾斜角に依らず落下幅抑制の効果が得ることができ、装入物分布の適正化に寄与できる。
以下、本発明の基本概念を説明した後、本発明を実施するための最良の形態例を、図1〜図12を用いて詳細に説明する。
本発明は、上部が開放された溝型の横断面を有する従来の旋回シュートを、原料が通過する時の原料粒子群の幅について、発明者らが実炉填充調査や模型実験等を行って得た知見に基づいて成されたものである。
垂直シュートからある幅を有した状態で排出された原料は、旋回シュートに達して跳ね返ったり、他の原料粒子と衝突したりする。従って、図2(b)に示すように、旋回シュートの基端付近では原料粒子群の幅は大きくなるが、その後、旋回シュートの先端に向けて移動するにしたがい、横断面が溝型構造のため、一旦、原料粒子群の幅は縮小する。しかしながら、更に旋回シュートの先端側に向けて原料粒子が移動すると、回転半径が増加するに従ってコリオリ力の寄与が大きくなるため、旋回シュート横断面下方の谷部に対する振り上がり運動により原料粒子群の幅は増大する。
従って、発明者らは、旋回シュートにおける原料粒子群の幅が一旦縮小する領域とその後増大する領域の2つを考慮し、後者の増大領域で原料粒子群の幅を縮小することと、旋回シュート離脱時の粒子速度の向きを揃えるような形状について考え、以下の本発明を成立させた。
すなわち、本発明の旋回シュートは、図1に示すように、上部が開放され、鉛直方向に対して左右対称な溝型横断面を有する旋回シュート11において、横断面の形状と大きさが均一の基端側部分12と、当該基端側部分12よりも徐々に断面が小さくなる先端側部分13の2つの部分から構成している。
そして、図1(b)の発明例1では、前記先端側部分13の横断面を楕円形の一部とし、旋回シュート先端の楕円形の鉛直方向半径R2が水平方向半径R1よりも小さくなるように、先端に向かって徐々に形状を変化させている。
また、図1(c)の発明例2では、前記先端側部分13の横断面を、旋回シュート11の基端側部分12の水平方向半径R0を半径とする扇形の一部とし、この扇形の中心角2θpの円周部分13aの両側に、振り上げ角制御部13bを形成した構成で、先端に向かって前記中心角2θpを徐々に減少させている。
図1(b)に示した本発明の旋回シュート11(発明例1)では、先端の楕円形の水平方向半径R1の基端側部分の水平方向半径R0に対する比を0.7以上、1.0以下とすることが望ましい。また、先端の楕円形の鉛直方向半径R2の水平方向半径R1に対する比を0.3以上、0.6以下とすることが望ましい。さらに、先端の楕円形の中心角θeを220°以上、280°以下とすることが望ましい。またさらに、全旋回シュート長さLに対する先端側部分長さL2の無次元長さL2/Lを、0.3以上、0.7以下とすることが望ましい。
また、図1(c)に示した本発明の旋回シュート11(発明例2)では、基端側部分12と先端側部分13の境界における前記中心角2θpを180°とし、先端の中心角2θpを40°〜160°とすることが望ましい。また、先端側部分13に形成した前記振り上げ角制御部13bの高さHpと、前記半径R0に対する比Hp/R0を0.35以上とすることが望ましい。さらに、全旋回シュート長さLに対する先端側部分長さL2の無次元長さL2/Lを、0.3以上、0.7以下とすることが望ましい。
本発明では、前記のような構造の基端側部分12を有することにより、原料粒子が垂直シュートより供給された直後から、原料粒子群の幅が一旦縮小するまでの幅の広い領域では、原料のこぼれや溢れを防止できる。また、溝型構造を利用して原料粒子群の幅を効果的に縮小することが可能になる。
加えて、本発明では、先端側部分13で横断面を楕円形又は扇形の一部とし、旋回シュート先端の断面積を先端に向かって徐々に減少させることで、原料粒子群の経路を局所化させて原料粒子の密度を増加し、原料粒子間の衝突、摩擦により減速させてその幅を縮小する。
また、このような旋回シュート先端横断面形状を採用することで、先端付近において原料粒子はコリオリ力による振り上がり運動が抑制される。また、先端の横断面を楕円形又は扇形の一部とすることで、単に円形で絞った形状に比べて横断面積を大きくとれるので、原料の溢れや目詰まりを起こすことがなく、より効果的に原料落下幅の抑制が可能になる。
以下に、本発明の成立に至った詳細について説明する。
本発明は、模型実験および離散要素法(Discrete Element Method)に基づく数値シミュレーションによって成されたものである。離散要素法に基づく数値シミュレーションは、粒子群の運動について実験結果との間に良好な対応が確認されている計算手法である。
図3は離散要素法に基づく数値シミュレーションによって、炉頂ホッパー2内の原料が集合ホッパー3、垂直シュート4を経て、上部が開放された溝型断面をもつ従来の旋回シュートから装入される時の原料の運動状態を示したものである。
発明者らは、この数値シミュレーションによって、図2(a)に示した、基端側から先端側まで同一の大きさの半円筒形の、従来の旋回シュート使用時において、旋回シュート内の粒子位置と原料の落下幅の関係について考察した。ここで、数値シミュレーションに使用した旋回シュートの大きさは下記表1に示す通りである。
図4は前記従来の旋回シュート内における原料の振り上げ角の説明とその分布を示したものである。従来の旋回シュートの基端側では、溝型構造の作用によって、垂直シュートより供給された直後から原料粒子群の幅が一旦縮小するが、先端側ではコリオリ力の作用により旋回方向と逆に原料は振り上がり、先端においてほぼ30°〜90°の範囲の振り上げ角をもつ。
図5は前記従来の旋回シュートから離脱した原料の運動状態を、振り上げ角の大小で区別して示したものである。図5より、原料の旋回シュート先端での振り上げ角が大きい原料ほど到達距離は大きく、この原料の旋回シュート先端での振り上げ角のバラツキが落下幅の支配因子と考えられる。従って、原料の旋回シュート先端での振り上げ角のバラツキを抑制することによって、原料の落下幅を抑制することが可能と考えられる。
発明者らは、このような現象を勘案し、旋回シュート内の原料の振り上げ角のバラツキの抑制と溢れや目詰まりを防止するため、上述した本発明の旋回シュートを成立させたのである。
次に、本発明の有効性を模型実験および離散要素法に基づく数値シミュレーションにより検証した結果を説明する。下記表2、3に示すような旋回シュートについて模型実験を行ない、この系について離散要素法に基づく数値シミュレーションを行なった。
図6は本発明の旋回シュートと従来の旋回シュートについての装入物原料のストックレベルにおける落下幅の結果を示した図である。図6より、本発明の旋回シュートを使用した場合は、従来の旋回シュートを使用した場合に比べて有意に装入物原料の落下幅を抑制できていることが分かる。ここで、装入物原料の落下幅は下記数式1の定義に基づくものとした。なお、ストックレベルとは、装入物原料が落下到達する装入物面の高さである。
次に、実機高炉における本発明の旋回シュートの最適化を図るべく、旋回シュートの先端形状を下記表4〜表14に示すように変更して離散要素法に基づく数値シミュレーションを行なった。
実機高炉においては、炉内半径方向に数100mm単位での装入物の分布制御が要求されるため、表1に示す従来の旋回シュートの落下幅に対して、2割減少を基準として本発明の効果の有意性を判断した。
先ず、旋回シュート11の先端側部分13を楕円の一部とした発明例1(図1(b))の結果について説明する。
図7は、表4〜表6に記載した発明例1の旋回シュート先端での鉛直方向半径R2の水平方向半径R1に対する比(R2/R1)と旋回シュート11から装入される原料の落下幅の関係を示した図である。
旋回シュート先端の半径比(R2/R1)を小さくし過ぎると、コリオリ力による振り上げ角が大きくなり、旋回シュート先端での原料粒子の速度の向きが揃わなくなったり、先端に到達するまでに離脱したりするため原料落下幅は増加する。
一方、前記半径比(R2/R1)を大きくし過ぎると、従来の半円筒状の旋回シュートの形状に近づいてその効果が小さくなる。前記数値シミュレーションの結果では、旋回シュート先端の半径比(R2/R1)は、0.3以上、0.6以下の場合に有意な効果が得られた。
また、旋回シュート先端における楕円形の水平方向半径R1の基端側部分の水平方向半径R0に対する比(R1/R0)も、小さくし過ぎるとコリオリ力による振り上げ角が大きくなり、旋回シュート先端での原料粒子の速度の向きが揃わなくなる。また、先端に到達するまでに離脱したりして原料落下幅が増加する。前記数値シミュレーションの結果では、前記比(R1/R0)は、0.7以上、1.0以下の場合に有意な効果が得られた。
次に、表7及び表8に記載した発明例1の旋回シュート先端断面における中心角θeと装入物の落下幅の関係を図8に示す。
中心角が180°ではコリオリ力による振り上がりにより、一部の原料粒子は180°を超えるため先端に到達するまでに離脱する。しかしながら、更に中心角を増加させると、先端に到達するまで原料粒子の離脱を防止できるため落下幅は減少する。中心角が220°を超えると有意な効果が得られる。
しかしながら、中心角を大きくし過ぎると、上部の開放された領域付近に存在する粒子同士が接触を起こして粒子配列を乱し、中心角が240°〜260°の間で落下幅の極小値を示した。また、この中心角を大きくし過ぎると壁面摩擦の影響が大きくなるため、装入速度(原料の体積流速)によっては溢れや目詰まりの可能性が高くなるため、上部の開放領域をできるだけ大きくとることが必要である。前記数値シミュレーションの結果によれば、旋回シュート先端断面中心角は220°〜280°の間で選択すれば有意な効果が得られることが分かった。
次に、表9及び表10に記載した発明例1の旋回シュート先端形状変更開始位置を変更した時の装入物の落下幅の関係を図9に示す。
発明例1の旋回シュートの先端側部分を長くとるほど装入物の落下幅は減少し、先端側部分の無次元長が0.3を超えると有意な効果が得られる。しかしながら、先端側部分を長くし過ぎる、すなわち先端側部分の無次元長が0.5付近を超えると基端側部分での原料幅減少効果が十分でなくなるため、原料の落下幅の低減効果は飽和傾向にあることが分かる。従って、前記数値シミュレーションの結果によれば、発明例1の旋回シュートの先端側部分の無次元長L2/Lは0.3〜0.7とすれば有意な効果が得られることが分かった。
以上の表4〜表10及び図7〜図9の結果より、図1(b)に示した発明例1のような、楕円形の一部とした旋回シュート先端形状を適当に選択することによって、コリオリ力の作用による原料の落下幅の増加を抑制する効果が得られることが分かった。
次に、旋回シュート11の先端側部分13を扇形の一部とした発明例2(図1(c))の結果について説明する。
図10は、表11及び表12に記載した発明例2の旋回シュート先端における扇形の円周部の中心角2θpと旋回シュート11から装入される原料の落下幅の関係を示した図である。
旋回シュート先端における前記中心角2θpを小さくし過ぎると、原料粒子はコリオリ力によって振り上げ角制御部に沿って旋回シュートの横断面上側に広がり、旋回シュート先端での原料粒子の離脱点や速度の向きが揃わなくなったり、上部から一部が溢れやすくなって原料落下幅は増加する。
一方、前記中心角2θpを大きくし過ぎると、従来の半円筒状の旋回シュートの形状に近づいてその効果が小さくなる。前記数値シミュレーションの結果では、旋回シュート先端の前記中心角2θpは、80°〜160°の場合に有意な効果が得られた。
また、旋回シュート先端側部分の無次元長L2/Lが大きくなるほどその効果は大きくなる。このことは表13に記載した条件での数値シミュレーション結果(図11)に示すように、旋回シュート先端の前記中心角2θpが120°のときの前記比(L2/L)と旋回シュートから装入される原料の落下幅の関係においてもみられる。このことから、前記比(L2/L)を0.33以上とすれば、有意な効果が得られることが分かる。
しかしながら、旋回シュート先端側部の横断面を楕円形の一部とした発明例1の場合と同様に、先端側部分を長くし過ぎる、すなわち先端側部分の無次元長が0.5付近を超えると、基端側部分での原料幅減少効果が十分でなくなり、原料の落下幅の低減効果は飽和する。従って、前記数値シミュレーションの結果によれば、発明例2における旋回シュートの先端側部分の無次元長は0.3〜0.7とすれば有意な効果が得られることが分かった。
図12は、表14に記載した発明例2の旋回シュート先端側部分における振り上げ角制御部の高さHpと、旋回シュート基端側の水平方向半径R0との比(Hp/R0)と旋回シュートから装入される原料の落下幅の関係を示した図である。
前記比(Hp/R0)を小さくし過ぎると、振り上った原料粒子の一部はせき止められず、旋回シュート先端に達するまでに旋回シュートから離脱するため、原料落下幅の抑制効果は小さくなる。前記数値シミュレーションの結果では、前記比(Hp/R0)は、0.35以上、1.0以下の場合に有意な効果が得られた。
以上の表11〜表14及び図10〜図12の結果より、図1(c)に示した発明例2のような、扇形の一部とした旋回シュート先端形状を適当に選択することによって、コリオリ力の作用による原料の落下幅の増加を抑制する効果が得られることが分かった。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
本発明の旋回シュートの構造を説明する図で、(a)は正面図、(b)(c)は右側面図である。 (a)は従来の旋回シュートの斜視図、(b)は従来の旋回シュート内の原料粒子群の幅の概念図である。 離散要素法に基づく数値シミュレーションによって、従来の旋回シュートから装入される時の原料の運動状態を示した図で、(a)は炉頂ホッパーから垂直シュートまでを示した図、(b)は垂直シュートを経て旋回シュートから装入されるまでを示した図である。 (a)は旋回シュート内における原料の振り上げ角の説明図、(b)は従来の旋回シュート内における原料の振り上げ角の分布を示した図である。 従来の旋回シュートから離脱した原料の運動状態を、振り上げ角の大小で区別して示した図である。 本発明の旋回シュートと従来の旋回シュートについての装入物原料の落下幅の結果を示した図である。 表4〜表6に記載した発明例1の旋回シュート先端の鉛直方向半径R2の水平方向半径R1に対する比(R2/R1)と旋回シュートから装入される原料の落下幅の関係を示す図である。 表7及び表8に記載した発明例1の旋回シュート先端断面における中心角θと装入物の落下幅の関係を示す図である。 表9及び表10に記載した発明例1の旋回シュート先端形状変更開始位置を変更した時の装入物の落下幅の関係を示す図である。 発明例2の旋回シュート先端における扇形の円周部の中心角2θpと旋回シュートから装入される原料の落下幅の関係を示した図である。 表13に記載した発明例2の旋回シュート先端形状変更開始位置を変更した時の装入物の落下幅の関係を示す図である。 表14に記載した発明例2の旋回シュート先端側部分における振り上げ角制御部の高さHpと、旋回シュート基端側の水平方向半径R0との比(Hp/R0)と旋回シュートから装入される原料の落下幅の関係を示した図である。 ベルレス式高炉装入装置の概略説明図である。
符号の説明
6 高炉
11 旋回シュート
12 基端側部分
13 先端側部分
13a 扇形の円周部分
13b 振り上げ角制御部

Claims (5)

  1. 高炉のベルレス式炉頂装入装置用の旋回シュートであって、
    上部が開放された溝型横断面を有し、
    横断面の形状と大きさが均一の基端側部分と、当該基端側部分よりも徐々に横断面が小さくなる先端側部分の2つの部分から構成されていることを特徴とする高炉用ベルレス式炉頂装入装置の旋回シュート。
  2. 前記旋回シュートの先端側部分は、
    横断面が楕円形の一部で、旋回シュート先端の前記楕円形の鉛直方向の半径R2が、水平方向の半径R1よりも小さくなるように、先端に向かって徐々に形状が変化することを特徴とする請求項1に記載の高炉用ベルレス式炉頂装入装置の旋回シュート。
  3. 前記旋回シュート先端における楕円形の、
    水平方向半径R1の基端側部分の水平方向半径R0に対する比R1/R0を、0.7以上、1.0以下とし、
    鉛直方向半径R2の水平方向半径R1に対する比R2/R1を、0.3以上、0.6以下とし、
    前記旋回シュート先端における楕円形の中心角θeを、220°以上、280°以下とし、
    全旋回シュート長さLに対する先端側部分長さL2の無次元長さL2/Lを、0.3以上、0.7以下とすることを特徴とする請求項2に記載の高炉用ベルレス式炉頂装入装置の旋回シュート。
  4. 前記旋回シュートの先端側部分は、
    横断面が扇形の一部で、
    この扇形の中心角2θpの円周部分の両側に振り上げ角制御部を形成すると共に、前記中心角2θpが先端に向かって徐々に減少するようになされていることを特徴とする請求項1に記載の高炉用ベルレス式炉頂装入装置の旋回シュート。
  5. 前記旋回シュートの基端側部分と先端側部分の境界における前記中心角2θpを180°とし、前記旋回シュートの先端における前記中心角2θpが40°〜160°となるように、先端に向かって徐々に前記中心角2θpを小さくすると共に、
    振り上げ角制御部の高さHpと旋回シュート基端側部分の水平方向半径R0の比Hp/R0を0.35以上、
    全旋回シュート長さLに対する先端側部分長さL2の無次元長さL2/Lを、0.3以上、0.7以下とすることを特徴とする請求項4に記載の高炉用ベルレス式炉頂装入装置の旋回シュート。
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