JP2008088422A - 不均化反応を利用した高分子超微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、側鎖官能基の不均化反応により物質変換機能を有した高分子超微粒子を得ることを目的とする。すなわち、本発明はセンサ−、医薬品、化粧品、染料、塗料などの製造に適用できる物質変換機能を有する高分子超微粒子を得ることを目的とする。
【解決手段】酸化還元系を形成する化合物を側鎖官能基として持つブロック共重合体を酸と反応させることにより酸化剤と還元剤としての機能を同時にもつ数十ナノメ−トルの球状高分子超微粒子が得られることを見出した。
【選択図】なし
【解決手段】酸化還元系を形成する化合物を側鎖官能基として持つブロック共重合体を酸と反応させることにより酸化剤と還元剤としての機能を同時にもつ数十ナノメ−トルの球状高分子超微粒子が得られることを見出した。
【選択図】なし
Description
本発明は、各種センサ−、抽出や洗浄、化粧品製造、染色、塗装などの幅広い技術に適用できる、高機能性の高分子超微粒子に関する。
特開平2005−190732とか特開平2005−14419に見られるように、ミセル形成により高分子超微粒子を得る方法は、粒径分布の狭いナノスケ−ルの高分子超微粒子を得る方法として従来から用いられている。しかし、従来法では、高分子を構成するセグメントの単なる溶解性に基づいたものが多く、化学的な物質変換反応によって凝集が促進されるミセル形成法は知られていない。
すなわち、従来のミセル形成法によって得られる高分子超微粒子には、以下のような課題が存在する。
1)合成法が限られている
2)粒子自身が各種機能を有するものではない
3)従って微粒子内での物質変換機能は有しない
4)微粒子内に物質を安定に保持できない
1)合成法が限られている
2)粒子自身が各種機能を有するものではない
3)従って微粒子内での物質変換機能は有しない
4)微粒子内に物質を安定に保持できない
本発明は、側鎖官能基の不均化反応により微粒子が酸化剤と還元剤としての機能を同時に有した高分子超微粒子を得ることを目的とする。すなわち、本発明はセンサ−、医薬品、化粧品、染料、塗料などの製造に適用できる物質変換機能を有する高分子超微粒子を得ることを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、酸化還元系を形成する化合物を側鎖官能基として持つ一般式(1)で表されるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体を特定の酸と反応させることにより酸化剤と還元剤を合わせもつ数十ナノメ−トルの高分子超微粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、下記一般式(1)で表されるブロック共重合体に特定の酸を作用させることにより、該ブロック共重合体が凝集してミセルを形成してなる高分子超微粒子を得ることにより達成される。
一般式(1)
一般式(1)中、R1:エ−テル基、エステル基、もしくは炭酸エステル基、R2:重合開始剤残基、R3:水素原子、アルキル基、アリ−ル基、エ−テル基、エステル基、もしくは炭酸エステル基、m及びn:該ブロック共重合体における各ブロックの重合度
一般式(1)
また本発明の好ましい態様によれば、前記特定の酸がHCl、HNO3、HClO4、HSbF6、HBF4、HPF6のいずれか、もしくはいずれかを含む組成物であることにより、一般式(1)で示されるブロック共重合体が凝集して数十ナノメ−トルのミセルを形成してなる高分子超微粒子が得られることにより達成される。
さらに該ブロック共重合体に上記記載の特定の酸を作用させると、一般式(1)中のR1の官能基に結合しているラジカル性化合物が酸化剤としての機能をもつ1電子酸化体と、還元剤としての機能をもつ1電子還元体に不均化することにより達成される。
本発明では、特定の酸を添加するだけで数十ナノメ−トルの球状の高分子超微粒子を提供することができる。また、従来法と異なり、微粒子内に酸化剤と還元剤を合わせもつので、さまざまな物質変換が可能な超微粒子を製造できるので、従来の製造法の問題点のほとんどを解決することができる。
本発明で製造される高分子超微粒子は、該ブロック共重合体の組成比や分子量の選択により粒子の大きさを制御することができる。また、微粒子内でさまざまな物質変換を行うことができるとともに、それによって生成する化合物を微粒子内に安定に保持することが可能である。この技術は、有害物質を微粒子内に取り込むと同時に微粒子内で分解し、さらにそれらを微粒子内に保持して安定に廃棄できるという技術に応用できる。また、不安定で合成や使用が困難な機能性物質に対しても微粒子内で合成し粒子内に保持することで、これらの物質の機能を安定化させることができる。本発明の成果は、触媒、接着、吸着、脱臭、光エネルギ−変換・蓄積、光捕集、磁性、誘電性など、さまざまな機能性物質に応用することが可能である。一方、条件の選択によっては生成する機能性物資を微粒子の外に放出することも可能である。このことから、この高分子超微粒子は医薬や農薬の分野でも重要な技術展開を図る道具として機能することが期待できる。
本発明の高分子超微粒子は前記一般式(1)で表されるブロック共重合体に特定の酸を作用させることにより生成する。すなわち、下記一般式(2)で示されるスチレン誘導体に、ラジカル重合開始剤として過酸化ベンゾイルと重合制御剤としての4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン−1−オキシルを作用させると、下記一般式(3)で示されるポリスチレン誘導体が生成する。該ポリスチレン誘導体にスチレン誘導体を重合させることにより、下記一般式(4)で表されるブロック共重合体が得られる。該ブロック共重合体と4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン−1−オキシルを水素化ナトリウムもしくは水素化カリウム存在下で、溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、もしくはN−メチルピロリドン中で反応させることにより、前記一般式(1)で表されるブロック共重合体が得られる。
一般式(2)
一般式(2)中、R4:ハロベンジル、酸ハロゲン化物、カルボン酸、エステル、もしくは炭酸エステルを有する官能基
一般式(3)
一般式(3)中、R2:開始剤残基、R4:ハロベンジル、酸ハロゲン化物、カルボン酸、エステル、もしくは炭酸エステルを有する官能基、m:該重合体における重合度
一般式(4)
一般式(4)中、R2:開始剤残基、R3:水素原子、アルキル基、アリ−ル基、エ−テル基、エステル基、もしくは炭酸エステル基、R4:ハロベンジル、酸ハロゲン化物、カルボン酸、エステル、もしくは炭酸エステルを有する官能基、m及びn:該ブロック共重合体における各ブロックの重合度
一般式(2)
一般式(3)
一般式(4)
前記一般式(1)で表されるブロック共重合体を溶解させたエ−テル系溶液に特定の酸を室温で添加し、5〜10分間程度撹拌すると本発明の高分子超微粒子が得られる。ここで特定の酸としてはHCl、HNO3、HClO4、HSbF6、HBF4、HPF6のうちのいずれか、もしくはいずれかを含む組成物が用いられる。図2は、該ブロック共重合体が酸との反応で微粒子を形成する反応を示す。
本発明で得られる高分子超微粒子の特徴を以下に列挙する。
1)本発明で得られる高分子超微粒子は数十ナノメ−トルの球状粒子である
2)微粒子内部に酸化剤と還元剤を合わせもつ
3)高分子超微粒子による反応によって生成した化合物を微粒子の内部に安定保持できる
4)高分子超微粒子がブロック共重合体に戻る
1)本発明で得られる高分子超微粒子は数十ナノメ−トルの球状粒子である
2)微粒子内部に酸化剤と還元剤を合わせもつ
3)高分子超微粒子による反応によって生成した化合物を微粒子の内部に安定保持できる
4)高分子超微粒子がブロック共重合体に戻る
前記一般式(1)で表される共重合体でR1がメチレン基、R2がベンゾイル基R3が水素原子であり、m:nの割合がモル比で0.2:0.8であり、重合度mのポリマ−セグメントの分子量が数平均分子量で3万、重合度nのポリマ−セグメントの分子量が数平均5万である共重合体の合成方法を図1を参照しながら説明する。
水素化カルシウム存在下での減圧蒸留によって禁止剤を除いた、前記一般式(2)で示される化合物でR4がクロロベンジル基である4−ビニルベンジルクロリド(1)の19.5グラムと過酸化ベンゾイル(2)の390ミリグラム、および4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン−1−オキシル(3)360ミリグラムを重合管に入れ、脱気後封管する。この混合物を125℃のオイルバス中で5時間重合を行う。この重合管を液体窒素中に入れることにより重合を停止させた後、重合管の封管を切り、重合管に塩化メチレンを注いで重合生成物を塩化メチレンに溶解させる。この重合生成物の塩化メチレン溶液をメタノ−ルに滴下し、沈澱物をろ過により単離する。この単離した重合生成物を真空中で乾燥させることにより、前記一般式(3)でR4がクロロベンジル基であるポリ(4−ビニルベンジルクロリド)(4)の16.4グラムを得た。次に、このようにして得られた前記一般式(3)でR4がクロロベンジル基であるポリ(4−ビニルベンジルクロリド)(4)2.39グラムとスチレン(5)8.18グラムを重合管に入れ、脱気封管する。この混合物を125℃のオイルバス中で18時間重合させる。この重合管を液体窒素中に入れることで重合を停止させた後、封管を切り塩化メチレンを注ぎ込んで重合生成物を塩化メチレンに溶解させる。この重合生成物の塩化メチレン溶液をメタノ−ルに滴下し、沈澱物をろ過により単離する。この単離した重合生成物を真空中で乾燥させることにより、ポリ(4−ビニルベンジルクロリド)−block−ポリスチレンのジブロック共重合体と未反応のポリ(4−ビニルベンジルクロリド)の混合物を得る。この混合物を、ベンゼンとシクロヘキサンの割合が体積比で10:1である混合溶媒を溶離剤として、フラッシュカラムクロマトグラフィを行うことで未反応のポリ(4−ビニルベンジルクロリド)を除去する。このフラッシュカラムクロマトグラフィによって分取したポリ(4−ビニルベンジルクロリド)−block−ポリスチレンのジブロック共重合体のベンゼン−シクロヘキサン混合溶液をエバポレ−タ−で濃縮後、メタノ−ル中に注いで共重合体を沈澱させる。この沈殿物をろ過により単離し真空乾燥すると、前記一般式(4)で示される共重合体でR2がベンゾイル基、R3が水素原子、R4がクロロベンジル基であるポリ(4−ビニルベンジルクロリド)−block−ポリスチレンのジブロック共重合体(6)9.45を得た。
次に、このポリ(4−ビニルベンジルクロリド)とポリスチレンジブロック共重合体(6)から前記一般式(1)に記載の共重合体を合成する方法について説明する。
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン−1−オキシル(7)543ミリグラムを、水素化カルシウムを脱水剤として減圧蒸留したN,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)5ミリリットルに溶かし、この溶液をアイスバス中で0℃に冷却する。この溶液に水素化ナトリウム(8)153ミリグラムを添加する。この混合物を℃で10分間撹拌後、室温で1時間撹拌する。この混合物を再びアイスバスに中に入れて0℃に冷却する。この混合溶液に、上記の方法によって合成した前記一般式(4)で示される共重合体でR2がベンゾイル基、R3が水素原子、R4がクロロベンジル基であるポリ(4−ビニルベンジルクロリド)−block−ポリスチレンのジブロック共重合体(6)1.00グラムを、蒸留したDMF7ミリリットルに溶かした溶液を滴下する。この反応混合物を0℃で10分間撹拌後、室温で15時間撹拌する。その反応後の混合溶液をメタノ−ル中に滴下して、反応により生成した共重合体を沈殿させる。この沈殿物をろ過により単離し真空乾燥すると、前記一般式(1)で示される共重合体で、R1がオキシメチレン基でR2がベンゾイル基、R3が水素原子である共重合体(9)を893ミリグラム得た。なお、有機溶媒としてのDMFに代えて、N,N−ジメチルアセトアミドやN−メチルピロリドンを用いるようにしてもよい。
水素化カルシウム存在下での減圧蒸留によって禁止剤を除いた、前記一般式(2)で示される化合物でR4がクロロベンジル基である4−ビニルベンジルクロリド(1)の19.5グラムと過酸化ベンゾイル(2)の390ミリグラム、および4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン−1−オキシル(3)360ミリグラムを重合管に入れ、脱気後封管する。この混合物を125℃のオイルバス中で5時間重合を行う。この重合管を液体窒素中に入れることにより重合を停止させた後、重合管の封管を切り、重合管に塩化メチレンを注いで重合生成物を塩化メチレンに溶解させる。この重合生成物の塩化メチレン溶液をメタノ−ルに滴下し、沈澱物をろ過により単離する。この単離した重合生成物を真空中で乾燥させることにより、前記一般式(3)でR4がクロロベンジル基であるポリ(4−ビニルベンジルクロリド)(4)の16.4グラムを得た。次に、このようにして得られた前記一般式(3)でR4がクロロベンジル基であるポリ(4−ビニルベンジルクロリド)(4)2.39グラムとスチレン(5)8.18グラムを重合管に入れ、脱気封管する。この混合物を125℃のオイルバス中で18時間重合させる。この重合管を液体窒素中に入れることで重合を停止させた後、封管を切り塩化メチレンを注ぎ込んで重合生成物を塩化メチレンに溶解させる。この重合生成物の塩化メチレン溶液をメタノ−ルに滴下し、沈澱物をろ過により単離する。この単離した重合生成物を真空中で乾燥させることにより、ポリ(4−ビニルベンジルクロリド)−block−ポリスチレンのジブロック共重合体と未反応のポリ(4−ビニルベンジルクロリド)の混合物を得る。この混合物を、ベンゼンとシクロヘキサンの割合が体積比で10:1である混合溶媒を溶離剤として、フラッシュカラムクロマトグラフィを行うことで未反応のポリ(4−ビニルベンジルクロリド)を除去する。このフラッシュカラムクロマトグラフィによって分取したポリ(4−ビニルベンジルクロリド)−block−ポリスチレンのジブロック共重合体のベンゼン−シクロヘキサン混合溶液をエバポレ−タ−で濃縮後、メタノ−ル中に注いで共重合体を沈澱させる。この沈殿物をろ過により単離し真空乾燥すると、前記一般式(4)で示される共重合体でR2がベンゾイル基、R3が水素原子、R4がクロロベンジル基であるポリ(4−ビニルベンジルクロリド)−block−ポリスチレンのジブロック共重合体(6)9.45を得た。
次に、このポリ(4−ビニルベンジルクロリド)とポリスチレンジブロック共重合体(6)から前記一般式(1)に記載の共重合体を合成する方法について説明する。
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン−1−オキシル(7)543ミリグラムを、水素化カルシウムを脱水剤として減圧蒸留したN,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)5ミリリットルに溶かし、この溶液をアイスバス中で0℃に冷却する。この溶液に水素化ナトリウム(8)153ミリグラムを添加する。この混合物を℃で10分間撹拌後、室温で1時間撹拌する。この混合物を再びアイスバスに中に入れて0℃に冷却する。この混合溶液に、上記の方法によって合成した前記一般式(4)で示される共重合体でR2がベンゾイル基、R3が水素原子、R4がクロロベンジル基であるポリ(4−ビニルベンジルクロリド)−block−ポリスチレンのジブロック共重合体(6)1.00グラムを、蒸留したDMF7ミリリットルに溶かした溶液を滴下する。この反応混合物を0℃で10分間撹拌後、室温で15時間撹拌する。その反応後の混合溶液をメタノ−ル中に滴下して、反応により生成した共重合体を沈殿させる。この沈殿物をろ過により単離し真空乾燥すると、前記一般式(1)で示される共重合体で、R1がオキシメチレン基でR2がベンゾイル基、R3が水素原子である共重合体(9)を893ミリグラム得た。なお、有機溶媒としてのDMFに代えて、N,N−ジメチルアセトアミドやN−メチルピロリドンを用いるようにしてもよい。
次に、上記の方法で合成した前記記載の一般式(1)で示される共重合体で、R1がオキシメチレン基、R2がベンゾイル基、R3が水素原子である共重合体9の不均化反応によるミセル形成について、図2を参照しながら説明する。
上記の方法で得られた前記記載の一般式(1)で示される共重合体でR1がオキシメチレン基、R2がベンゾイル基、R3が水素原子、m:nの比がモル比で0.2:0.8であり、重合度mのポリマ−セグメントの分子量が数平均分子量で3万、重合度nのポリマ−セグメントの分子量が数平均5万である共重合体9の6ミリグラムを、溶媒としての1,4−ジオキサン3.5ミリリットルに溶解し、シリンジを用いてミクロポ−ラスフィルタ−を通して不純物をろ過によって取り除く。この共重合体溶液に、重量濃度で35〜37%の濃塩酸34マイクロリットルを1,4−ジオキサン2ミリリットルに溶解させた溶液を、マイクロシリンジを使って8マイクロリットルずつ、総計で80マイクロリットルになるまで添加すると、直径が約55ナノメ−トルの球状ミセルを得る。球状ミセルが形成されたことの確認は、ヘリウム−ネオンを光源とする動的光散乱測定の動的流体力学的直径に対する散乱強度分布図(図3)および透過型電子顕微鏡写真(図4)により行った。前記共重合体9が前記記載の側鎖官能基の塩酸による不均化によってミセルを形成したことの証明は、前記記載の共重合体9の側鎖官能基である2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン−1−オキシルが不均化によって生成するオキソアミニウムクロリドを紫外可視分光光度計により検出したことで行った。このミセル形成における紫外可視分光スペクトルの変化を図5に示す。
また、本発明によれば、センサ−や特殊塗料、化粧品組成物、薬物輸送組成物としての用途が見込まれる。
まお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
上記の方法で得られた前記記載の一般式(1)で示される共重合体でR1がオキシメチレン基、R2がベンゾイル基、R3が水素原子、m:nの比がモル比で0.2:0.8であり、重合度mのポリマ−セグメントの分子量が数平均分子量で3万、重合度nのポリマ−セグメントの分子量が数平均5万である共重合体9の6ミリグラムを、溶媒としての1,4−ジオキサン3.5ミリリットルに溶解し、シリンジを用いてミクロポ−ラスフィルタ−を通して不純物をろ過によって取り除く。この共重合体溶液に、重量濃度で35〜37%の濃塩酸34マイクロリットルを1,4−ジオキサン2ミリリットルに溶解させた溶液を、マイクロシリンジを使って8マイクロリットルずつ、総計で80マイクロリットルになるまで添加すると、直径が約55ナノメ−トルの球状ミセルを得る。球状ミセルが形成されたことの確認は、ヘリウム−ネオンを光源とする動的光散乱測定の動的流体力学的直径に対する散乱強度分布図(図3)および透過型電子顕微鏡写真(図4)により行った。前記共重合体9が前記記載の側鎖官能基の塩酸による不均化によってミセルを形成したことの証明は、前記記載の共重合体9の側鎖官能基である2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン−1−オキシルが不均化によって生成するオキソアミニウムクロリドを紫外可視分光光度計により検出したことで行った。このミセル形成における紫外可視分光スペクトルの変化を図5に示す。
また、本発明によれば、センサ−や特殊塗料、化粧品組成物、薬物輸送組成物としての用途が見込まれる。
まお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の高分子超微粒子および製造方法は、特に、センサ−や特殊塗料、化粧品組成物、薬物輸送組成物としての用途が見込まれる高分子ナノ粒子材料として利用可能である。
Claims (6)
- 前記特定の酸がHCl、HNO3、HClO4、HSbF6、HBF4、HPF6のうちのいずれか、もしくはいずれかを含む組成物である請求項1に記載の高分子超微粒子。
- 前記一般式(1)で示されるブロック共重合体にHCl、HNO3、HClO4、HSbF6、HBF4、HPF6のうちのいずれか、もしくはいずれかを含む組成物を作用させることにより形成する、粒径が1〜100ナノメ−トルの高分子超微粒子。
- 請求項3に記載の高分子微粒子を得る際、一般式(1)で示されるブロック共重合体における各セグメントの重合度mおよびnを変えることにより、粒径を調節する高分子超微粒子の製造方法。
- 前記一般式(1)で示されるブロック共重合体に、特定の酸を作用させると、当該ブロック共重合体中の官能基R1に結合しているラジカル性化合物が、酸化剤としての機能をもつ1電子酸化体と、還元剤としての機能をもつ1電子還元体に不均化することを特徴とする高分子超微粒子。
- 前記特定の酸がHCl、HNO3、HClO4、HSbF6、HBF4、HPF6のうちのいずれか、もしくはいずれかを含む組成物である請求項5に記載の高分子超微粒子。
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JP2007229170A JP2008088422A (ja) | 2006-09-07 | 2007-09-04 | 不均化反応を利用した高分子超微粒子の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010248283A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-04 | Toyohashi Univ Of Technology | 共重合体及び共重合体微粒子の製造方法 |
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2007
- 2007-09-04 JP JP2007229170A patent/JP2008088422A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010248283A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-04 | Toyohashi Univ Of Technology | 共重合体及び共重合体微粒子の製造方法 |
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