JP2008087244A - エンボス加工された印刷物の製造方法、及び、エンボス加工された印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンボス加工成形品の作製方法において、高画質なエンボス加工された印刷物の製造方法を提供することである。更に、前記製造方法により得られるエンボス加工された印刷物を提供すること。
【解決手段】(A)活性放射線硬化性インク組成物を用いてインクジェット方式により支持体上に画像を形成する工程、(B)前記画像に活性放射線を照射して前記画像を硬化する工程、(C)硬化した画像上にコーティング加工及び/又はラミネートを行うことにより支持体上に画像及び保護層を有する印刷物を得る工程、並びに(D)前記印刷物をエンボス成形加工する工程を含むことを特徴とするエンボス成形加工された印刷物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エンボス加工された印刷物の製造方法、及び、エンボス加工された印刷物に関する。
今日において、成形加工が施された印刷シート(加飾シート)は様々な用途で使用されている。例えば、電化製品等に使用されるメンブレンスイッチ表面シートは薄プラスチックシート(膜圧約100μmのPET、ポリカーボネート、ポリスチレン等)にイメージが形成された後、スイッチ部分(クリック部分)にクリック感を出すため、エンボス加工が施されている。その他印刷物をマット調にしたり、デザイン上立体感を出したりするため、印刷物をエンボス加工する例が多く見られる。
従来、前記成形加工が施された印刷シート(加飾シート)の印刷方法としては、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷版を使用する印刷方法が用いられてきた。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク(放射線硬化型インクジェット記録用インク)は、紫外線などの放射線の照射によりインク成分の大部分が硬化するため、溶剤系インクと比べて乾燥性にすぐれ、また、画像がにじみにくいことから、種々の基材に印字できる点で優れた方式である。放射線硬化型インクは高感度で硬化し、高画質の画像を形成するインク組成物が求められている。高感度化を達成することにより、活性放射線の照射により高い硬化性が付与されるため、消費電力の低減や活性放射線発生器への負荷軽減による高寿命化などの他、十分な硬化が達成されることにより、未硬化の低分子物質の揮発、形成された画像強度の低下などを抑制することができるなど、種々の利点をも有することになる。また、得られた画像(印刷物)がひび割れや剥離等を起こしにくく、硬化膜の耐衝撃性、柔軟性、基材密着性に富むインク組成物が求められている。硬化膜が高い柔軟性、耐衝撃性、基材密着性を有することで、様々な環境下で長期間印刷物を高画質に保ったまま表示、保管でき、また、印刷物の取り扱いが容易になるなどのメリットがある。
成形加工が施された印刷シート(加飾シート)に適用されるインク組成物は、加工時にインク膜が延伸されるため、高度な硬化膜柔軟性を必要とする。また、成形加工に耐えうる硬化膜強度も必要となる。特許文献1及び特許文献2には、高い柔軟性を有するインク組成物が開示されているが、膜強度が不十分であり、成形加工の際に画像にキズや白抜けが発生したり、延伸に耐えきれずひび割れを発生させてしまうという問題があった。更には、成形時の金型に転写してしまう問題も見られた。
国際公開02/038688号パンフレット 国際公開05/026270号パンフレット
本発明の目的は、エンボス加工成形品の作製方法において、高画質なエンボス加工された印刷物の製造方法を提供することである。更に、前記製造方法により得られるエンボス加工された印刷物を提供することを目的とする。
上記目的は、下記<1>及び<7>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<6>と共に以下に示す。
<1> (A)活性放射線硬化性インク組成物を用いてインクジェット方式により支持体上に画像を形成する工程、(B)前記画像に活性放射線を照射して前記画像を硬化する工程、(C)硬化した画像上にコーティング加工及び/又はラミネートを行うことにより支持体上に画像及び保護層を有する印刷物を得る工程、並びに(D)前記印刷物をエンボス成形加工する工程を含むことを特徴とするエンボス成形加工された印刷物の製造方法、
<2> 前記活性放射線硬化性インク組成物がアクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、及び、N−ビニル基よりなる群から選択された不飽和二重結合基を1つのみ有し、かつ、環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーを組成物中に60重量%以上含有する<1>に記載のエンボス加工された印刷物の製造方法、
<3> 前記活性放射線硬化性インク組成物がN−ビニルラクタム類を含有する<1>又は<2>に記載のエンボス加工された印刷物の製造方法、
<4> 前記活性放射線硬化性インク組成物がオキセタン化合物、オキシラン化合物及びビニルエーテル化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のカチオン重合性モノマーを含有し、かつ、単官能カチオン重合性モノマーを組成物中に30重量%以上含有する<1>に記載のエンボス加工された印刷物の製造方法、
<5> 前記コーティング加工に使用されるコーティング材料が、シリコーン化合物、フッ素化合物及び長鎖アルキル基含有ポリマーよりなる群から選択された少なくとも1つを含有する<1>〜<4>いずれか1つに記載のエンボス加工された印刷物の製造方法、
<6> 前記コーティング加工に使用されるコーティング材料が紫外線硬化型組成物である<1>〜<5>いずれか1つに記載のエンボス加工された印刷物の製造方法、
<7> <1>〜<6>いずれか1つに記載のエンボス加工された印刷物の製造方法により得られた印刷物。
本発明によれば、エンボス加工成形品の作製方法において、高画質なエンボス加工された印刷物の製造方法を提供することができる。更に、前記製造方法により得られるエンボス加工された印刷物を提供することができる。
本発明のエンボス成形加工された印刷物の製造方法は、(A)活性放射線硬化性インク組成物を用いてインクジェット方式により支持体上に画像を形成する工程、(B)前記画像に活性放射線を照射して前記画像を硬化する工程、(C)硬化した画像上にコーティング加工及び/又はラミネートを行うことにより支持体上に画像及び保護層を有する印刷物を得る工程、並びに(D)前記印刷物をエンボス成形加工する工程を含むことを特徴とする。
以下、本発明で使用される活性放射線硬化性インク組成物、コーティング材料、ラミネートフィルム及び支持体について詳細に説明した後、エンボス成形加工された印刷物の製造方法について説明する。
尚、本発明において特定の部分を「基」と称した場合は特に断りのない限り一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。例えば「アルキル基」とは置換又は無置換のアルキル基を意味する。
また、本発明において特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りのない限り単環でも多環でも良く、置換されていても無置換でもよい。例えば「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でもよい。
また、本発明において、オキセタン化合物とオキシラン化合物とを総称して「環状エーテル化合物」ともいう。
(活性放射線硬化性インク組成物)
本発明の成形加工された印刷物の製造方法は、活性放射線硬化性インク組成物(以下、単に「放射線硬化性インク組成物」、「インク組成物」又は「インク」ともいう。)を用いる。
本発明に用いることができるインク組成物としては、ラジカル重合性組成物又はカチオン重合性組成物が好適に使用される。
本発明に用いることができるインク組成物は、活性放射線の照射により硬化可能なインク組成物である。
本発明でいう「活性放射線」とは、その照射により組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができる放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明におけるインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なものが好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物は、重合性モノマーを含有し、着色剤、及び、重合開始剤を含有することが好ましい。また、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。以下、それぞれの成分及びインク組成物の性質について説明する。
(1)重合性モノマー
本発明に用いることができるインク組成物は、少なくとも重合性モノマーを含有する。
本発明に用いることができる重合性モノマーは、付加重合性化合物であることが好ましく、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であることがより好ましい。
また、本発明に用いることができる重合性化合物は、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよく、また、例えば、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを併用してもよい。
<ラジカル重合性化合物>
本発明に用いることができるラジカル重合性化合物としては、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に制限はなく、公知のラジカル重合性化合物を用いることができる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−80675号等の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料が知られている。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能な不飽和結合(好ましくはエチレン性不飽和結合)を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能な不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は目的とする特性を向上するために任意の比率で1種を含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
本発明に用いることができるラジカル重合性化合物としては、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択された不飽和二重結合基を有するラジカル重合性モノマーを好ましく例示できる。
また、ラジカル重合性化合物として、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択された不飽和二重結合基を1つのみ有する単官能ラジカル重合性モノマーを用いることが好ましく、前記単官能ラジカル重合性モノマーは環状構造を有することが好ましい。
本発明において、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択された不飽和二重結合基を1つのみ有し、かつ、環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーをインク組成物中に60重量%以上含有することが好ましい。65重量%以上含有することがより好ましく、70重量%以上含有することが更に好ましい。また、前記ラジカル重合性モノマーは、インク組成物中の95重量%以下であることが好ましく、90重量%以下であることが更に好ましい。前記ラジカル重合性モノマーの含有量が上記範囲内であると、得られる画像の柔軟性が良好であり、また硬化性が良好であるので好ましい。
本発明に用いることができるラジカル重合性化合物としては、N−ビニル基を有する環状モノマーを使用することがより好ましく例示でき、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルラクタム類を使用することがより好ましく、N−ビニルラクタム類を使用することが更に好ましい。
本発明に用いることができるN−ビニルラクタム類の好ましい例として、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008087244
式(I)中、nは1〜5の整数を表し、組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは2〜4の整数であることが好ましく、nが2又は4であることがより好ましく、nが4である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好な硬化性、及び硬化膜の被記録媒体への密着性が得られるので好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。
N−ビニルラクタム類は比較的融点が高い化合物であるため、N−ビニルラクタム類を使用する場合、インク組成物中において40重量%以下の含有率であると、0℃以下の低温下でも良好な溶解性を示し、また、インク組成物又は表面コート用組成物の取り扱い可能温度範囲が広くなり好ましい。
また、本発明に用いることができるラジカル重合性化合物として、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、及び/又は、N−ビニル基を有し、かつ、環状構造を有するモノマーが好ましく例示できる。アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、及び/又は、メタクリルアミド基を有する環状モノマーが更に好ましく例示できる。
環状モノマーとしては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジニル基等の芳香族基、テトラヒドロフルフリル基、ピペリジニル基等の含ヘテロ環状基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基等の炭化水素環状基を有するモノマーが挙げられる。
(メタ)アクリレート基、及び/又は、(メタ)アクリルアミド基を有する環状モノマーとして、好ましくは、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変成クレゾール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−フェニル)エチル(メタ)アクリルアミド、N−ジフェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N−フタルイミドメチル(メタ)アクリルアミド、N−(1,1’−ジメチル−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル))プロピル(メタ)アクリルアミド、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサンが例示できる。
また、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、及び/又は、ビニルエーテル基を有する環状モノマーとして下記に示す(M−1)〜(M−29)も好ましく例示できる。
尚、後述する化学式の一部において、炭化水素鎖を炭素(C)及び水素(H)の記号を省略した簡略構造式で記載する。
Figure 2008087244
Figure 2008087244
また、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、及び/又は、メタクリルアミド基を有する環状モノマーとして下記に示す(N−1)〜(N−28)も好ましく例示できる。
Figure 2008087244
Figure 2008087244
Figure 2008087244
ラジカル重合性モノマーとして必要に応じて、下記非環状単官能モノマーをあわせて使用することもできる。非環状単官能モノマーは比較的低粘度であり、組成物を低粘度化する目的においても好ましく使用できる。ただし、硬化膜のべとつきを抑えることや、成形加工時にキズ等を発生させない高い膜強度を与えるという観点で、下記非環状単官能モノマーが組成物全体に占める割合は、20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
具体的には、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリテトラエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル等が例示できる。
ラジカル重合性モノマーとして必要に応じて、下記多官能モノマーをあわせて使用することもできる。多官能モノマーを含有することで、硬化性に優れ、高い硬化膜強度を有する組成物が得られる。ただし、成形加工に適する硬化膜延伸性を保持する観点で、下記多官能モノマーが組成物全体に占める割合は、15重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
具体的には、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、変性グリセリントリアクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
本発明に用いることができるインク組成物中のラジカル重合性モノマーの総量は、組成物の総量に対し、60〜95重量部であることが好ましく、65〜90重量部であることがより好ましく、70〜90重量部であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適度であるため好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物のラジカル重合性モノマーのうち、少なくとも1つは単官能モノマーであることが好ましく、少なくとも1つは単官能アクリレートであることがより好ましい。単官能モノマーを用いると十分な硬化性に加え、硬化膜柔軟性が十分得られるので好ましい。
重合性モノマーとして単官能ラジカル重合性モノマーを用いる場合、該単官能ラジカル重合性モノマーがインク組成物中に占める割合は、1〜95重量部であることが好ましく、50〜90重量部であることがより好ましく、65〜90重量部であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性、柔軟性に優れ、また、粘度が適度であるため好ましい。
重合性モノマーとして2官能以上のモノマー(多官能モノマー)を有する場合、該2官能以上のモノマーがインク組成物中に占める割合は、0.5〜50重量部であることが好ましく、0.5〜30重量部であることがより好ましく、0.5〜20重量部であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性、柔軟性に優れ、また、粘度が適度であるため好ましい。
<カチオン重合性化合物>
本発明に用いることができるカチオン重合性化合物としては、後述するカチオン重合開始剤から発生するカチオン重合開始種により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているオキシラン化合物(以下、「エポキシ化合物」ともいう。)、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが好ましく挙げられる。また、カチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では400nm以上の可視光波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も、例えば特開平6−43633号、特開平8−324137号の各公報等に公開されている。
エポキシ化合物は、分子内に少なくとも1つのオキシラン基を有する化合物である。エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、脂肪族エポキシドなどが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、例えば、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いることのできる単官能及び多官能のエポキシ化合物を詳しく例示する。
単官能エポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
以下に、単官能ビニルエーテルと多官能ビニルエーテルを詳しく例示する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明に用いることのできるオキセタン化合物は、分子内に少なくとも1つのオキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載されているような公知のオキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明に用いることができるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物であることが好ましい。このような化合物を使用することで、組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、インク組成物又は表面コート用組成物として用いる場合、硬化後の被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
分子内に1〜2個のオキセタン環を有する化合物としては、例えば、下記式(1)〜(3)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2008087244
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基を表す。分子内に2つのRa1が存在する場合、それらは同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。また、Ra2は置換基を有していても良く、置換基としては、1〜6のアルキル基、フッ素原子が挙げられる。
a3は、線状又は分枝状アルキレン基、線状又は分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状又は分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基又はカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基、又は、以下に示す基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
Figure 2008087244
a3が上記多価基である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基を表す。
a5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、又は、C(CH32を表す。
a6は、炭素数1〜4個のアルキル基、又は、アリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、又は、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基であり、mは0〜100の整数である。
Figure 2008087244
式(1)で表される化合物として、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXT−101:東亞合成(株)製)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(OXT−212:東亞合成(株)製)、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン(OXT−211:東亞合成(株)製)が挙げられる。式(2)で表される化合物としては、例えば、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン(OXT−121:東亞合成(株)製)が挙げられる。また、式(3)で表される化合物としては、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(OXT−221:東亞合成(株)製)が挙げられる。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、例えば、下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008087244
式(4)において、Ra1は、前記式(1)におけるのと同義である。また、多価連結基であるRa9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
Figure 2008087244
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表す。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
また、本発明に好適に用いることができるオキセタン化合物の別の態様として、側鎖にオキセタン環を有する下記式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008087244
式(5)において、Ra1及びRa8は前記式におけるのと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217号公報、段落番号0021ないし0084に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に用いることができる。また、特開2004−91556号公報に記載されたオキセタン化合物も本発明に用いることができる。段落番号0022ないし0058に詳細に記載されている。
本発明で使用するオキセタン化合物のなかでも、組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
本発明に用いることのできるカチオン重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、硬化時の収縮を効果的に抑制するといった観点からは、オキセタン化合物とエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、ビニルエーテル化合物とを併用することが好ましい。
本発明において、カチオン重合性モノマーとしてオキセタン化合物、オキシラン化合物及びビニルエーテル化合物よりなる群から選択される少なくとも1つのカチオン重合性モノマーを含有することが好ましく、単官能カチオン重合性モノマー(即ち、単官能オキセタン化合物、単官能オキシラン化合物及び単官能ビニルエーテル化合物の総量)の含有量がインク組成物中の30重量%以上であることが好ましい。35重量%以上であることがより好ましく、40重量%以上であることが更に好ましい。また、95重量%以下であることが好ましく、90重量%以下であることがより好ましい。
単官能カチオン重合性モノマーの含有量が上記範囲内であると、硬化性に優れると共に、得られる画像の柔軟性が良好であり、延伸性に優れるので、成形加工に好適に使用することができるので好ましい。
これらの中でも、単官能オキセタン化合物及び/又は単官能オキシラン化合物を使用することが好ましく、より好ましくは単官能オキセタン化合物を使用することが好ましい。 また、単官能モノマーの中でも、芳香族基、脂環式環状基、含ヘテロ環状基等の環状基を有するモノマーがより好ましい。
本発明において、多官能オキセタン化合物及び/又は多官能オキシラン化合物を用いる場合、多官能オキセタン化合物及び多官能オキシラン化合物の総量は、インク組成物全体に占める割合が25重量%未満であることが好ましい。25重量%未満の割合にて、硬化膜の延伸性に優れるインク組成物が提供できる。
本発明において、カチオン重合性化合物を用いる場合、オキセタン化合物及びオキシラン化合物を含むことが好ましく、多官能オキシラン化合物及び多官能オキセタン化合物を含むことがより好ましい。オキセタン化合物とオキシラン化合物を組成物中に共存させることで、硬化性に優れ、キズ等を生じにくい耐擦過性の高い硬化膜を与える組成物が提供できる。多官能オキセタン化合物及び多官能オキシラン化合物が共存すると更に好ましい。
本発明に用いることのできるカチオン重合性化合物としては、下記に示す環状構造を有するモノマー(C−1)〜(C−24)が好ましく例示できる。
Figure 2008087244
Figure 2008087244
Figure 2008087244
本発明に用いることができるインク組成物中のカチオン重合性モノマーの総量は、組成物の総量に対し、60〜95重量部であることが好ましく、65〜90重量部であることがより好ましく、70〜90重量部であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適度であるため好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物の重合性モノマーのうち、少なくとも1つは単官能モノマーであることが好ましく、単官能オキセタン化合物又は単官能オキシラン化合物であることがより好ましい。単官能モノマーを用いると十分な硬化性に加え、硬化膜柔軟性が十分得られるので好ましい。
重合性モノマーとして単官能カチオン重合性モノマーを用いる場合、該単官能カチオン重合性モノマーがインク組成物中に占める割合は、1〜90重量部であることが好ましく、20〜90重量部であることがより好ましく、30〜90重量部であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性、柔軟性に優れ、また、粘度が適度であるため好ましい。
重合性モノマーとして2官能以上のモノマー(多官能モノマー)を有する場合、該2官能以上のモノマーがインク組成物中に占める割合は、0.5〜50重量部であることが好ましく、0.5〜30重量部であることがより好ましく、0.5〜20重量部であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性、柔軟性に優れ、また、粘度が適度であるため好ましい。
(2)重合開始剤
本発明で用いることができる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を使用することができる。本発明に用いることができる重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併用してもよい。
本発明に用いることのできる重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び活性放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。活性放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。これらの中でも可視光線、紫外線及び電子線が好ましく、より好ましくは紫外線及び電子線であり、更に好ましくは紫外線である。
<ラジカル重合開始剤>
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。本発明におけるラジカル重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
(a)芳香族ケトン類、及び、(e)チオ化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J. P. FOUASSIER J.F.RABEK(1993)、pp.77〜117記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、及び、(e)チオ化合物より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。
ベンゾフェノン化合物としては、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルフェニルスルフィド等が例示できる。また、チオキサントン化合物としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等が例示できる。
また、(a)芳香族ケトンとしては、α−ヒドロキシケトンが好ましく、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等が挙げられる。
これらの中でも、(a)芳香族ケトンとしては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物が特に好ましい。尚、本発明において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物とは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが任意の置換基で置換された化合物を意味するものである。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮しうる範囲で任意に選択することができ、具体的にはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)が例示できる。
また、(b)アシルホスフィン化合物としては、アシルホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、化合物の構造中に式(7)又は式(8)の構造式を有するものが例示できる。
Figure 2008087244
Figure 2008087244
特に、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、式(9)又は式(10)の化学構造を有するものが特に好ましい。
Figure 2008087244
(式中、R6、R7、R8はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
Figure 2008087244
(式中、R9、R10、R11はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物等を使用することができ、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のモノアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することができる。例えば特公昭60−8047号公報、特公昭63−40799号公報に記載のモノアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、イソブチリルメチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、p−三級ブチルベンゾイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−三級ブチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニルジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−(三級ブチル)ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、テレフタロイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、バーサトイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が使用できる。例えば特開平3−101686号、特開平5−345790号、特開平6−298818号に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−工トキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、本発明において、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(Irgacure 819:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(Darocur TPO:チバスペシャルティケミカルズ社製、Lucirin TPO:BASF社製)などが好ましい。
(c)芳香族オニウム塩化合物としては、周期律表の15、16及び17族の元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、又はIの芳香族オニウム塩が含まれる。例えば、欧州特許104143号明細書、米国特許4837124号明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−96514号公報に記載されるヨードニウム塩類、欧州特許370693号、同233567号、同297443号、同297442号、同279210号、及び同422570号の各明細書、米国特許3902144号、同4933377号、同4760013号、同4734444号、及び同2833827号の各明細書に記載されるジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等(例えば、米国特許4,743,528号明細書、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、及び特公昭46−42363号の各公報等に記載されるもので、具体的には1−メトキシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレート等)、更には特公昭52−147277号、同52−14278号、及び同52−14279号の各公報記載の化合物が好適に使用される。活性種としてラジカルや酸を生成する。
(d)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系の化合物が好ましい。
(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(g)ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
(h)ボレート化合物の例としては、米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号の各明細書に記載されている化合物が挙げられる。
(i)アジニウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号、及び特公昭46−42363号の各公報記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
(j)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号の各公報記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
上記チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン等を挙げることができる。
(k)活性エステル化合物の例としては、欧州特許0290750号、同046083号、同156153号、同271851号、及び同0388343号の各明細書、米国特許3901710号、及び同4181531号の各明細書、特開昭60−198538号、及び特開昭53−133022号の各公報に記載されるニトロベンズルエステル化合物、欧州特許0199672号、同84515号、同199672号、同044115号、及び同0101122号の各明細書、米国特許4618564号、同4371605号、及び同4431774号の各明細書、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、及び特開平4−365048号の各公報記載のイミノスルホネート化合物、特公昭62−6223号、特公昭63−14340号、及び特開昭59−174831号の各公報に記載される化合物等が挙げられる。
(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい例としては、例えば、若林ら著、Bull. Chem. Soc. Japan、42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物等を挙げることができる。
また、F. C. Schaefer等によるJ. Org. Chem.、29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物等を挙げることができる。ドイツ特許第2641100号に記載されているような化合物、ドイツ特許第3333450号に記載されている化合物、ドイツ特許第3021590号に記載の化合物群、あるいはドイツ特許第3021599号に記載の化合物群、等を挙げることができる。
<カチオン重合開始剤>
本発明においてカチオン重合性化合物を用いる場合、カチオン重合開始剤を用いることが好ましい。本発明に用いることができるカチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
本発明に好適に用いられるカチオン重合開始剤例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
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本発明に用いることができるインク組成物において、重合開始剤の総使用量は、それぞれ、重合性モノマーの総使用量に対して、好ましくは0.01〜35重量%、より好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1.0〜15重量%の範囲である。0.01重量%以上であると、インク組成物を十分硬化させることができ、35重量%以下であると、硬化度が均一な硬化膜を得ることができる。
また、本発明に用いることができるインク組成物に後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、それぞれ、増感剤に対して、重合開始剤:増感剤の重量比で、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは50:1〜1:50、更に好ましくは20:1〜1:5の範囲である。
(3)着色剤
本発明に用いることができるインク組成物は、着色剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。本発明に用いることができる着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
<顔料>
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤或いはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、
黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、
白色顔料としては、PigmentWhite 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
<油溶性染料>
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の重量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に使用可能な前記油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に使用可能な前記油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
本発明に適用可能な前記油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料或いはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。
また、着色剤として油溶性染料を使用する際、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明に使用することができる着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に当該インク内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又は本発明に使用する重合性モノマーのような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性モノマーのような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。尚、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性モノマーは、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
これらの着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
尚、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
インク組成物中における着色剤の含有量は色、及び、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.01〜30重量%であることが好ましい。
(4)分散剤
着色剤の分散を行う際に分散剤を添加することが好ましい。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、好ましくは高分子分散剤を用いることが好ましい。
高分子分散剤としては、DisperBYK−101、DisperBYK−102、DisperBYK−103、DisperBYK−106、DisperBYK−111、DisperBYK−161、DisperBYK−162、DisperBYK−163、DisperBYK−164、DisperBYK−166、DisperBYK−167、DisperBYK−168、DisperBYK−170、DisperBYK−171、DisperBYK−174、DisperBYK−182(以上BYKケミー社製)、EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(以上エフカアディティブ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ製)等の高分子分散剤;ソルスパース(Solsperse)3000,5000,9000,12000,13240,13940,17000,24000,26000,28000,32000,36000,39000,41000,71000などの各種ソルスパース分散剤、(アビシア社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)楠本化成社製「ディスパロン KS−860,873SN,874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
また、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000,12000、ソルスパース22000(アビシア社製)等の顔料誘導体もあわせて使用することができる。
組成物中における分散剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物又は表面コート用組成物全体の重量に対し、それぞれ0.01〜5重量%であることが好ましい。
(5)界面活性剤
本発明に用いることができるインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加することが好ましい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
尚、前記界面活性剤の代わりに有機珪素化合物、有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機珪素化合物、有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機珪素化合物としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイルが含まれる。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、それぞれ0.0001〜1重量%であることが好ましい。
(6)その他の成分
また、インク組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、増感剤、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
<増感剤>
本発明に用いることができるインク組成物には、特定の活性放射線を吸収して上記重合開始剤の分解を促進させるために増感剤を添加してもよい。増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸或いは塩基を生成する。
本発明に用いることができる増感剤としては、増感色素を用いることが好ましい。
好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
より好ましい増感色素の例としては、下記式(IX)〜(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008087244
式(IX)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、L2は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2008087244
式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IX)に示したものと同義である。
Figure 2008087244
式(XI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 2008087244
式(XII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−、−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
Figure 2008087244
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は=NR67を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す(E−1)〜(E−20)が挙げられる。
Figure 2008087244
Figure 2008087244
インク組成物中における増感剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、それぞれ0.05〜4重量%であることが好ましい。
<共増感剤>
本発明に用いることができるインク組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
インク組成物中における共増感剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、それぞれ0.05〜4重量%であることが好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明において、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、インク組成物に紫外線吸収剤を添加することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.5〜15重量%であることが好ましい。
<酸化防止剤>
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<褪色防止剤>
本発明に用いることができるインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<導電性塩類>
本発明に用いることができるインク組成物には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
<溶剤>
本発明に用いることができるインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
本発明に用いることができる溶剤としては、重合性粒子の内部構造に樹脂を用いている場合、その樹脂の溶解度パラメータの値(SP値)と用いる溶剤の溶解度パラメータの値との差が、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し、それぞれ0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
<高分子化合物>
本発明に用いることができるインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。
高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子化合物の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが例示できる。
(インク組成物の物性)
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、より好ましくは3〜13mPa・sである。本発明に用いることができるインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な支持体(被記録媒体)を用いた場合でも、被記録媒体中への組成物浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。更に液滴着弾時の滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物の25℃における表面張力は、それぞれ20〜35mN/mであることが好ましい。より好ましくは23〜33mN/mである。ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど様々な支持体(被記録媒体)へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで35mN/m以下が好ましい。
(コーティング材料)
本発明において、コーティング加工を行う工程に使用するコーティング材料としては溶剤型コーティング材料及び紫外線硬化型コーティング材料のいずれも使用することができる。これらの中でも、コーティング材料が紫外線硬化型コーティング材料、即ち紫外線硬化型組成物であることが好ましい。以下、それぞれについて説明する。
(1)溶剤型コーティング材料
溶剤型コーティング材料として、樹脂を溶剤に希釈及び/又は溶解したものを使用することができる。
<樹脂>
溶剤型コーティング材料に使用する熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、マレイン酸等との共重合体;非晶性ポリエステル、天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム等の各種合成ゴム;アルキルアクリレート重合体、ポリエチレン(高密度、中密度、低密度)、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、結晶性共重合ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル又はこれらの共重合体;アタクチックポリメタクリル酸メチル、アタクチックポリスチレン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、などが挙げられる。
これらの中でも、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、二軸延伸ポリプロピレン〔PP(OPP)〕、エチレンと他のモノマーとを共重合させたポリエチレン共重合体及びポリプロピレン樹脂のいずれかが好ましい。前記他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、などが好ましい。
前記エチレンと他のモノマーとを共重合させたポリエチレン共重合体としては、例えば、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレン・アクリル酸コポリマー(EAA)、エチレン・メタアクリル酸コポリマー(EMAA)、エチレン・メチルアクリレートコポリマー(EMA)、エチレン・エチルアクリレートコポリマー(EEA)、エチレン・メチルメタアクリレートコポリマー(EMMA)、アイオノマー、などが挙げられる。
前記樹脂の数平均分子量は、10,000〜300,000が好ましく、40,000〜200,000がより好ましい。前記数平均分子量が、10,000以上であると、コーティング層(保護層)の強度が良好であるので好ましい。また、数平均分子量が30,000以下であると、良好なエンボス加工性が得られるので好ましい。
また、以下の熱硬化性樹脂も好適に用いることができる。熱硬化性樹脂は、熱により硬化する樹脂で一液型と二液型があり、アルキッド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などがある。
具体的には、ポリオール系樹脂(あるいはポリアミン系樹脂、又はポリカルボン酸系樹脂)と、ポリイソシアネート樹脂とを、塗工直前に混合して用いるウレタン系(あるいはポリアミン系、又はポリカルボン酸系)の二液硬化型熱硬化型樹脂液を使用することができる。
上記ウレタン系の二液硬化型樹脂液は、水酸基(−OH)を有するアルキッド樹脂、アクリル樹脂、セルロース系誘導体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等のポリオール樹脂、あるいはアミノ基(−NH2)を有するポリアミン、カルボキシル基(−COOH)を有するポリカルボン酸等の活性水素をもつ樹脂と、イソシアネート基(−NCO)をもつポリイソシアネート樹脂とを、塗工に使用する以前(例えば直前に)混合して一液として用いるものであり、塗工後において、上記二液硬化型熱硬化型樹脂液は、水酸基(−OH)とイソシアネート基(−NCO)との架橋重合反応により常温にて重合硬化して乾燥するものである。
またその他の二液硬化型熱硬化型樹脂液としては、水酸基(−OH)を有するアルキッド樹脂、アクリル樹脂あるいはニトロセルロース、ポリビニルアルコール等の樹脂を、ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体に混合し、その後にイソシアネート基(−NCO)を有するポリイソシアネート樹脂(トリレンジイソシアネート樹脂、又はメチレンジイソシアネート樹脂、又はヘキサメチレンジイソシアナート樹脂、又はその他のポリイソシアネート類)を混合したクリア樹脂を使用することが適当である。
尚、上記二液硬化型熱硬化型樹脂液において、水酸基(−OH)を有するアルキッド樹脂、アクリル樹脂、セルロース系誘導体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等のポリオール樹脂、あるいはアミノ基(−NH2)を有するポリアミン、カルボキシル基(−COOH)を有するポリカルボン酸等の活性水素をもつ樹脂と、ポリイソシアネート樹脂又はポリイソシアネート樹脂を主体とする樹脂との配合率は、柔軟性を付与するために、例えばポリオール樹脂95〜80重量部に対して、ポリイソシアネート樹脂又はポリイソシアネート樹脂を主体とする樹脂5〜20重量部(好ましくは10〜14重量部)程度にて配合することが好ましい。あるいは、ポリオール樹脂:ポリイソシアネート樹脂又はポリイソシアネート樹脂を主体とする樹脂=3:2、1:1、若しくは1:2のモル比にて配合するのが適当であるが、本発明においては柔軟性が得られる範囲であれば特に限定はしない。
<溶剤>
前記樹脂を溶解及び/又は希釈する溶剤としては、特に限定されないが、一般的にインキ用溶剤として使用されるアミド系溶剤、エステル、ケトン、エーテル、炭化水素系溶剤が使用でき、これらの混合物も使用できる。溶媒として代表的なものは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、γ−ブチロラクトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、イソプロパノール等のエーテル系溶剤、アルコール系溶剤、更に、トルエン、キシレン、フェノール、キシレノール、クロロフェノール等の芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、イソプロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のケトン系溶剤、エステル系溶剤を挙げることができ、これらは、単独あるいは2成分以上の混合溶媒として用いることができる。
樹脂と溶剤との比率は、10:90〜90:10の範囲であることが好ましく、以下の塗工工程に適切な粘度となるように適宜調整することが好ましい。コーティング材料は、スプレー、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷,フレキソ印刷等の工業的方法により塗工することができる。更に、乾燥後の塗布膜厚は、通常、画像保護性、加工性等の観点から5〜50μmの範囲が適当である。
<離型剤>
また、金型との離型性をもたせるために,各種離型剤を含有することが望ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、シリコーン粒子、ポリエチレンワックス粒子、等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて添加することができる。
前記保護層における離型剤の含有量は、0.05〜20重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。離型剤の含有量が上記範囲内であると、良好な離型性が得られるので好ましい。
(2)紫外線硬化型コーティング材料
本発明において、コーティング材料は紫外線硬化型コーティング材料(紫外線硬化型組成物又は、コーティング組成物ともいう)であることが好ましい。
紫外線硬化型コーティング材料としては、公知のラジカル重合性及びカチオン重合性コーティング材料を使用することができる。
紫外線硬化型コーティング材料としては、重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマー並びに光重合開始剤を含む紫外線硬化型組成物が例示できる。
<重合性モノマー>
〔ラジカル重合性モノマー〕
紫外線硬化型コーティング材料として、ラジカル重合性モノマーを好適に用いることができ、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択される不飽和二重結合基を1つのみ有し、かつ、環状構造を有する基を少なくとも1つ有する単官能ラジカル重合性モノマーをより好適に用いることができる。
本発明に用いることができるラジカル重合性モノマーとして下記式(R−1)で表されるエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
Figure 2008087244
上記式(R−1)において、R1は水素原子、又は、メチル基を表す。
1は、式(R−1)に示すエチレン性不飽和二重結合に(−C(O)O−)又は(−C(O)NH−)が結合した第1の二価の連結基を示し、この第1の二価の連結基に単結合、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(O)O−若しくは−OC(O)−)、アミド結合(−C(O)NH−若しくは−NHC(O)−)、カルボニル結合(−C(O)−)、分岐を有していてもよい炭素数20以下のアルキレン基、又は、これらを組み合わせた第2の二価の連結基が結合してもよく、第1の二価の連結基のみ又は第2の二価の連結基を有する場合はエーテル結合、エステル結合及び炭素数20以下のアルキレン基を有するものが好ましい。
2は少なくとも1つ以上の環状構造を有する基であり、単環芳香族基及び多環芳香族基を含む芳香族基、並びに、シクロアルカン骨格、アダマンタン骨格及びノルボルネン骨格を有する脂環式炭化水素基を表す。上記の芳香族基及び脂環炭化水素基の環状構造には、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
式(R−1)中、R2で表される芳香族基として好ましいものは、単環芳香族であるフェニル基、フェニレン基のほか、2〜4つの環を有する多環芳香族基であり限定されるものではないが、具体的には、ナフチル基、ナフチジイル基、ナフチトリイル基、アントリル基、アントリジイル基、アントリトリイル基、1H−インデニル基、1H−インデンジイル基、1H−インデントリイル基、9H−フルオレニル基、9H−フルオレンジイル基、9H−フルオレントリイル基、1H−フェナレニル基、1H−フェナレンジイル基、1H−フェナレントリイル基、フェナントレニル基、フェナントレンジイル基、フェナントレントリイル基、トリフェニレニル基、トリフェニレンジイル基、トリフェニレントリイル基、ピレニル基、ピレンジイル基、ピレントリイル基、ナフタセニル基、ナフタセンジイル基、ナフタセントリイル基、テトラフェニル基、テトラフェンジイル基、テトラフェントリイル基、ビフェニレニル基、ビフェニレンジイル基、ビフェニレントリイル基、as−インダセニル基、as−インダセンジイル基、as−インダセントリイル基、s−インダセニル基、s−インダセンジイル基、s−インダセントリイル基、アセナフチレニル基、アセナフチレンジイル基、アセナフチレントリイル基、フルオランテニル基、フルオランテンジイル基、フルオランテントリイル基、アセフェナントリレニル基、アセフェナントリレンジイル基、アセフェナントリレントリイル基、アセアントリレニル基、アセアントリレンジイル基、アセアントリレントリイル基、クリセニル基、クリセンジイル基、クリセントリイル基、プレイアデニル基、プレイアデンジイル基、プレイアデントリイル基等が挙げられる。
これらの芳香族基は、O、N、S等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基であってもよい。具体的には、フリイル基、フランジイル基、フラントリイル基、チオフェニイル基、チオフェンジイル基、チオフェントリイル基、1H−ピローリイル基、1H−ピロールジイル基、1H−ピロールトリイル基、2H−ピローリイル基、2H−ピロールジイル基、2H−ピロールトリイル基、1H−ピラゾーリイル基、1H−ピラゾールジイル基、1H−ピラゾールトリイル基、1H−イミダゾーリイル基、1H−イミダゾールジイル基、1H−イミダゾールトリイル基、イソオキサゾーリイル基、イソオキサゾールジイル基、イソオキサゾールトリイル基、イソチアゾーリイル基、イソチアゾールジイル基、イソチアゾールトリイル基、2H−ピラニイル基、2H−ピランジイル基、2H−ピラントリイル基、2H−チオピラニイル基、2H−チオピランジイル基、2H−チオピラントリイル基、ピリジイル基、ピリジンジイル基、ピリジントリイル基、ピリダジニイル基、ピリダジンジイル基、ピリダジントリイル基、ピリミジニイル基、ピリミジンジイル基、ピリミジントリイル基、ピラジニイル基、ピラジンジイル基、ピラジントリイル基、1,2,3−トリアゾーリイル基、1,2,3−トリアゾールジイル基、1,2,3−トリアゾールトリイル基、1,2,4−トリアゾーリイル基、1,2,4−トリアゾールジイル基、1,2,4−トリアゾールトリイル基等の単環芳香族複素環基が挙げられる。
また、チアントレニイル基、チアントレンジイル基、チアントレントリイル基、イソベンゾフラニイル基、イソベンゾフランジイル基、イソベンゾフラントリイル基、イソクロメニイル基、イソクロメンジイル基、イソクロメントリイル基、4H−クロメニイル基、4H−クロメンジイル基、4H−クロメントリイル基、キサンテニイル基、キサンテンジイル基、キサンテントリイル基、フェノキサチイニイル基、フェノキサチインジイル基、フェノキサチイントリイル基、インドリジニイル基、インドリジンジイル基、インドリジントリイル基、イソインドーリイル基、イソインドールジイル基、イソインドールトリイル基、インドーリイル基、インドールジイル基、インドールトリイル基、インダゾーリイル基、インダゾールジイル基、インダゾールトリイル基、プリニイル基、プリンジイル基、プリントリイル基、4H−キノリジニイル基、4H−キノリジンジイル基、4H−キノリジントリイル基、イソキノリイル基、イソキノリジイル基、イソキノリトリイル基、キノリイル基、キノリジイル基、キノリトリイル基、フタラジニイル基、フタラジニンジイル基、フタラジントリイル基、ナフチリジニイル基、ナフチリジンジイル基、ナフチリジントリイル基、キノキサリニイル基、キノキサリンジイル基、キノキサリントリイル基、キナゾリニイル基、キノゾリンジイル基、キノゾリントリイル基、シンノリニイル基、シンノリンジイル基、シンノリントリイル基、プテリジニイル基、プテリジンジイル基、プテリジントリイル基、カルバゾーリイル基、カルバゾールジイル基、カルバゾールトリイル基、β−カルボリニイル基、β−カルボリンジイル基、β−カルボリントリイル基、フェナントリジニイル基、フェナントリジンジイル基、フェナントリジントリイル基、アクリジニイル基、アクリジンジイル基、アクリジントリイル基、ペリミジニイル基、ペリミジンジイル基、ペリミジントリイル基、フェナントロリニイル基、フェナントロリンジイル基、フェナントロリントリイル基、フェナジニイル基、フェナジンジイル基、フェナジントリイル基、フェノチアジニイル基、フェノチアジンジイル基、フェノチアジントリイル基、フェノキサジニイル基、フェノキサジンジイル基、フェノキサジントリイル基、ピロリジニイル基(pyrrolizinyl基)、ピロリジンジイル基(pyrrolizindiyl基)、ピロリジントリイル基(pyrrolizintriyl基)等の多環芳香族複素環基が挙げられる。
上記の芳香族基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、炭素数30以下の置換基を1又は2以上有していてもよい。例えば無水フタル酸や無水フタルイミドのように芳香族基が有する2以上の置換基でO、N、S等のヘテロ原子を含む環状構造を形成してもよい。
また、式(R−1)のR2は脂環式炭化水素基でもよい。また、O、N、Sなどのヘテロ原子を含む脂環式炭化水素基を有する基でもよい。
脂環式炭化水素基は、炭素数3〜12のシクロアルカン類を有する基でもよい。
上記O、N、Sなどのヘテロ原子を含む脂環式炭化水素基は、具体的には、ピロリジニイル(pyrrolidinyl)基、ピロリジンジイル(pyrrolidindiyl)基、ピロリジントリイル(pyrrolidintriyl)基、ピラゾリジニイル基、ピラゾリジンジイル基、ピラゾリジントリイル基、イミダゾリジニイル基、イミダゾリジンジイル基、イミダゾリジントリイル基、イソオキサゾリジニイル基、イソオキサゾリジンジイル基、イソオキサゾリジントリイル基、イソチアゾリジニイル基、イソチアゾリジンジイル基、イソチアゾリジントリイル基、ピペリジニイル基、ピペリジンジイル基、ピペリジントリイル基、ピペラジニイル基、ピペラジンジイル基、ピペラジントリイル基、モルフォリニイル基、モルフォリンジイル基、モルフォリントリイル基、チオモルフォリニイル基、チオモルフォリンジイル基、チオモルフォリントリイル基、ジアゾーリイル基、ジアゾールジイル基、ジアゾールトリイル基、トリアゾーリイル基、トリアゾールジイル基、トリアゾールトリイル基、テトラゾーリイル基、テトラゾールジイル基、テトラゾールトリイル基などが例示できる。
これらの脂環式炭化水素基及びヘテロ単環を有する脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、更に置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくはO、N、S等のヘテロ原子を含む複素環基、又は、二価の置換基としてオキシ基(=O)であることが好ましい。
また、式(R−1)のR2は、下記式(R−I)に示すアダマンタン骨格を有する基又は(R−II)に示すノルボルネン骨格を有する脂環式炭化水素基でもよい。
Figure 2008087244
式(R−I)又は式(R−II)におけるR3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表し、各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。また、q個存在するR3、及び、r個存在するR4はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
q個存在するR3、及び、r個存在するR4は、それぞれ独立に一価又は多価の置換基であってもよく、一価の置換基として水素原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、チオール基、シロキサン基、更に置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくは複素環基、又は、二価の置換基としてオキシ基(=O)であることが好ましい。
3の置換数qは0〜5の整数を表し、また、R4の置換数rは0〜5の整数を表す。
また、式(R−I)におけるアダマンタン骨格中の一炭素原子をカルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよく、式(R−II)におけるノルボルネン骨格中の一炭素原子をエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよい。
式(R−II)に示すノルボルネン骨格は式(R−III)に示すような環状炭化水素構造を有していてもよい。式(R−III)におけるnは、環状炭化水素構造を表し、その両端はノルボルネン骨格の任意の位置で置換していてもよく、単環構造であっても、多環構造であってもよく、また、前記環状炭化水素構造として炭化水素結合以外に、カルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)を含んでいてもよい。
Figure 2008087244
前記式(R−III)で表される環状構造としては、式(R−IV)、式(R−V)又は式(R−VI)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2008087244
式(R−IV)、式(R−V)及び式(R−VI)中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を表し、kは1〜6の整数を表し、s、t及びuはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR5、t個存在するR6、及び、u個存在するR7はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
式(R−1)のX1は、式(R−IV)、式(R−V)又は式(R−VI)における下記に示す各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。
式(R−IV)、式(R−V)又は式(R−VI)におけるR5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を表し、式(R−IV)、式(R−V)又は式(R−VI)における下記各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。R5、R6及びR7における置換基は、式(R−I)〜式(R−III)のR3及びR4における置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Figure 2008087244
また、紫外線硬化型コーティング材料に用いることができるラジカル重合性モノマーとして、前述したインク組成物に用いることができるラジカル重合性モノマーも好適に用いることができ、好ましい範囲も同様である。
紫外線硬化型コーティング材料としてアクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択される不飽和二重結合基を1つのみ有し、かつ、環状構造を有する基を少なくとも1つ有する単官能ラジカル重合性モノマーを用いる場合、前記単官能ラジカル重合性モノマーを60重量%以上含有することが好ましく、60〜90重量%含有することがより好ましく、60〜85重量%含有することが更に好ましい。上記の数値の範囲内であると、変形に追随し得る高度な延伸性を有し、硬化性に優れ、成形加工時にキズ、金型への張り付きがなく、ひび割れや画像抜け等を発生させない擦過性の強い硬化膜形成が可能となる。
紫外線硬化型コーティング材料としてN−ビニルラクタム類を用いる場合、N−ビニルラクタム類を紫外線硬化型コーティング材料全体の10重量%以上含有することが好ましく、10〜40重量%含有することがより好ましく、10〜35重量%含有することが更に好ましい。N−ビニルラクタム類の使用量が上記の数値の範囲内であると、硬化性、硬化膜柔軟性、硬化膜の支持体への密着性に優れる。また、N−ビニルラクタム類は比較的融点が高い化合物である。N−ビニルラクタム類が40重量%以下の含有率であると、0℃以下の低温下でも良好な溶解性を示し、紫外線硬化型コーティング材料の取り扱い可能温度範囲が広くなり好ましい。
〔カチオン重合性モノマー〕
(a)単官能オキセタン化合物及び単官能オキシラン化合物
本発明において、オキセタン基を1つのみ有する単官能カチオン重合性モノマーを単官能オキセタン化合物、オキシラン基を1つのみ有する単官能カチオン重合性モノマーを単官能オキシラン化合物ともいう。
本発明に用いるカチオン重合性コーティング組成物には、高極性単官能オキセタン化合物及び/又は高極性単官能オキシラン化合物(以下、これらを単に「高極性環状エーテル化合物」ともいう。)を用いることができる。
高極性環状エーテル化合物とは、極性の高い高極性環状エーテル化合物であり、分子内に高極性基を有する高極性環状エーテル化合物である。本発明においてコーティング組成物が高極性単官能環状エーテル化合物を含有すると、良好な分散性を得ることができるので好ましい。
高極性環状エーテル化合物は1種類を単独で用いることができるし、2種以上を併用して用いてもよい。また、高極性単官能オキセタン化合物のみを用いることもできるし、高極性単官能オキシラン化合物のみを用いることもできるし、両化合物を併用することもできる。
尚、本発明にて使用される高極性単官能化合物としては、分子のlogP値(オクタノール/水分配係数)が1.0未満の化合物であることが好ましく、低極性単官能化合物としては、分子のlogP値が1.0以上の化合物が挙げられる。
本発明において、高極性基とはエステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよい、アミノ基、ウレタン結合、アミド結合、ウレア結合、ビスフェノキシ結合、含窒素環状化合物基、含酸素環状化合物基及びアルキレングリコール構造等の高極性基を含有する官能基を示す。
アルキレングリコール構造としては、エチレングリコール鎖、プロピレングリコール鎖、テトラエチレングリコール鎖等のアルキレングリコール鎖及び、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、ポリテトラエチレングリコール鎖等のポリアルキレングリコール鎖が挙げられる。
高極性単官能オキセタン化合物及び高極性単官能オキシラン化合物は、環状エーテル構造を1つ有する。具体的には、反応性や入手容易性の観点から、下記に示す構造が好ましく例示できる。尚、波線部は他の構造との結合部位である。
Figure 2008087244
高極性環状エーテル化合物における環状エーテル構造は、導入可能な場合にはエーテル環上に更に置換基を有していてもよい。
該置換基は、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、アミノ基が挙げられる。これらの置換基は、可能な場合には、前記置換基が更に前記置換基で置換されていてもよい。また、2つの置換基が連結し環構造を形成していてもよく、環状エーテル構造以外の他の構造部分と連結し環構造を形成していてもよい。
本発明に用いることができる高極性環状エーテル化合物は、上記環状エーテルを含む部分構造と、下記式(I)で表される部分構造とをそれぞれ1つその分子構造内に有していてもよい。
Figure 2008087244
式(I)中、X1は単結合、分岐を有していてもよい炭素数5以下のアルキレン基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、アミド結合、ウレア結合、ビスフェノキシ結合、アルキレングリコール構造を有する基、又はこれらの基を2以上組み合わせた高極性基を含有する二価の連結基を示す。
式(I)に示す構造は、環状エーテル(オキセタン環又はオキシラン環)中の任意の炭素原子にアルキレン基等の連結基を介して連結することが好ましい。
前記式(I)で表される部分構造中、R1は、アルキル基、単環芳香族基及び多環芳香族基を含む芳香族基、並びに、シクロアルカン骨格、アダマンタン骨格及びノルボルナン骨格よりなる群から選択される構造を有する脂環式炭化水素基、又はこれらの基を2以上組み合わせた基を表す。上記の芳香族基及び脂環炭化水素基の環状構造には、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
1で表されるアルキル基は、炭素原子数2〜12のアルキル基が好ましく挙げられ、炭素原子数2〜8であることがより好ましく、炭素原子数2〜6であることが更に好ましい。具体的には、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が好ましく挙げられる。
1で表されるシクロアルカン骨格を有する基は、炭素原子数4〜12のシクロアルカンが好ましく挙げられ、炭素原子数4〜8であることがより好ましく、炭素原子数5〜7であることが更に好ましい。具体的には、シクロヘプチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、ビシクロ環基、アダマンチル基及びノルボルニル基等から水素原子を1個除した基が好ましく挙げられる。
1で表される芳香族基は、炭素原子数6〜18の芳香族基であることが好ましく、炭素原子数6〜12であることがより好ましく、炭素原子数6〜8であることが更に好ましい。具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等の基から水素原子を1個除した基が好ましく挙げられ、フェニル基から水素原子を1個除した基であることがより好ましい。また、R1は、これらの基を2以上組み合わせた基であってもよく、ベンジル基から水素原子を1個除した基であることがより好ましい。
1は、置換基を有していてもよい。
該置換基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基及びアミノ基が挙げられる。
1は、置換基を有さないアルキレン基、置換基を有さないシクロアルキレン基、又は、置換基を有さないアリーレン基であることが特に好ましい。
高極性環状エーテル化合物の総酸素原子数が3個以上であることが好ましく、3〜7個であることがより好ましい。総酸素原子数が3以上であると良好な分散安定性を与えることができる。
以下、本発明に好ましく用いることができる具体例〔例示化合物(1)〜(60)〕を挙げるが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。尚、下記例示化合物の一部において、炭化水素鎖を炭素(C)及び水素(H)の記号を省略した簡略構造式で記載する。また、後述する化合物においても簡略構造式で記載することがある。
Figure 2008087244
Figure 2008087244
Figure 2008087244
Figure 2008087244
本発明において、カチオン重合性コーティング組成物には、低極性単官能オキセタン化合物及び/又は低極性単官能オキシラン化合物(以下、これらを単に「低極性環状エーテル化合物」ともいう。)を用いることができる。
低極性環状エーテル化合物とは、極性の低いオキセタン又はオキシラン化合物であり、より詳しくは、分子内に高極性基のないオキセタン又はオキシラン化合物である。
本発明に用いることができる低極性単官能環状エーテル化合物は、分子内の酸素原子の総数が1つ又は2つであり、オキセタン環又はオキシラン環以外の分子構造が、炭化水素鎖のみ、又は、炭化水素鎖及び1つのエーテル結合で構成されている化合物であることが好ましい。
低極性環状エーテル化合物は、環状エーテル構造を1つ有しており、反応性や入手容易性の観点から下記に示す構造が好ましく例示できる。
Figure 2008087244
前記環状エーテル構造は、導入可能な場合には置換基を有していてもよい。
該置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基及びフェニル基等が例示できる。
これら置換基は、可能な場合には、前記置換基が更に前記置換基で置換されていてもよい。また、2つ以上の置換基が連結し環構造を形成していてもよく、環状エーテル構造以外の他の構造部分と連結し環構造を形成していてもよく、例えばアダマンタン骨格やノルボルナン骨格に上記環状エーテル構造を有する構造でもよい。ただし、1つの分子内にオキセタン構造及びオキシラン構造が合計2つ以上形成されることはない。
本発明に用いることができる低極性環状エーテル化合物は、上記環状エーテルを含む部分構造に更に下記式(II)で表される部分構造とをそれぞれ1つその分子構造内に有していてもよい。式(II)に示す構造は、上記環状エーテル中の任意の炭素原子にアルキレン基等の連結基を介して連結することが好ましい。また、式(II)に示す部分構造は、低極性単官能オキセタン化合物中、又は、低極性単官能オキシラン化合物中に1個含まれていてもよいし、2個以上含まれていてもよい。
Figure 2008087244
式(II)中、X2は単結合、エーテル結合、分岐を有していてもよい炭素数20以下のアルキレン基、又はこれらを組み合わせた二価の連結基を示す。X2にエーテル結合を含む場合は式(II)中にエーテル結合を1つのみ含む。
式(II)中、R2は、アルキル基、シクロアルカン骨格、アダマンタン骨格及びノルボルナン骨格よりなる群から選択される構造を含む脂環式炭化水素基、又は、単環芳香族基及び多環芳香族基よりなる群から選択される構造を含む芳香族基を表し、本発明においては置換基を有していてもよい炭素数1以上のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4以上の脂環式炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい芳香族基であることが好ましい。
2で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい炭素数1以上のアルキル基が挙げられる。また、炭素数30以下であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基及びn−ステアリル基等が例示できる。
2で表される脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよい炭素数4以上の脂環式炭化水素基が挙げられる。また、炭素数30以下であることが好ましい。具体的には、シクロヘプチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基及びビシクロ環基、アダマンチル基及びノルボルニル基等が例示できる。
2で表される芳香族基としては、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜18の芳香族基が好ましく挙げられ、炭素原子数6〜12であることがより好ましく、炭素原子数6〜8であることが更に好ましい。具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基及びp−ノニルフェニル基等が例示できる。
以下、本発明に用いることができる低極性単官能オキセタン化合物又は低極性単官能オキシラン化合物の好ましい具体例〔例示化合物(1)〜(63)〕を挙げるが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 2008087244
Figure 2008087244
Figure 2008087244
Figure 2008087244
Figure 2008087244
本発明において、高極性環状エーテル化合物と低極性環状エーテル化合物との使用比率は任意でありコーティング組成物の分散性等を考慮して必要に応じて選択できる。本発明においては低極性環状エーテル化合物を好ましく用いることができる。
(b)多官能オキセタン化合物及び多官能オキシラン化合物
本発明に用いることができるコーティング組成物は、多官能オキセタン化合物又は多官能オキシラン化合物(以下、これらを単に「多官能環状エーテル化合物」ともいう。)を含有することができる。
多官能オキセタン化合物とは、同一分子内にオキセタン環を2つ以上有する化合物である。本発明において、多官能オキセタン化合物は、1種類を単独で使用することもできるし、2種以上を併用して使用することもできる。
多官能オキセタン化合物は、オキセタン環を分子内に2つ以上有するが、2〜6つ有することが好ましく、2〜4つ有することがより好ましい。分子内に有するオキセタン環の数が上記範囲内であると、良好な硬化性、硬化膜の柔軟性が得られる。
分子内に2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(1)、(2)で示される化合物が例示できる。
Figure 2008087244
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基を表す。分子内に2つのRa1が存在する場合、それらは同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a3は、線状又は分枝状アルキレン基、線状又は分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状又は分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基又はカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基、又は、以下に示す基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
Figure 2008087244
a3が上記多価基である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基を表す。
a5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、又は、C(CH32を表す。
a6は、炭素数1〜4個のアルキル基、又は、アリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、又は、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基であり、mは0〜100の整数である。
Figure 2008087244
式(1)で表される化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン(OXT−121:東亞合成(株)が好ましく例示できる。また、式(2)で表される化合物としては、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(OXT−221:東亞合成(株))が好ましく例示できる。
分子内に3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(3)で示される化合物が例示できる。
Figure 2008087244
式(3)において、Ra1は、前記式(1)におけるのと同義である。また、多価連結基であるRa9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
Figure 2008087244
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表す。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
また、本発明に好適に用いることができるオキセタン化合物の別の態様として、側鎖にオキセタン環を有する下記式(4)で示される化合物が例示できる。
Figure 2008087244
式(4)において、Ra1及びRa8は前記式におけるのと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
このようなオキセタン環を有する化合物については、特開2003−341217号公報、段落番号0021ないし0084に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に用いることができる。また、特開2004−91556号公報に記載されたオキセタン化合物も本発明に用いることができる。段落番号0022ないし0058に詳細に記載されている。
多官能オキシラン化合物とは、同一分子内にオキシラン環を2つ以上有する化合物である。本発明において、多官能オキシラン化合物は、1種類を単独で使用することもできるし、2種以上を併用して使用することもできる。
本発明において、多官能オキシラン化合物は、分子内にオキシラン環を2つ以上有するが、2〜6つ有することが好ましく、2〜4つ有することがより好ましい。分子内に有するオキシラン環の数が上記範囲内であると、良好な硬化性と、良好な硬化膜の柔軟性が得られるため好ましい。
多官能オキシラン化合物としては、多官能芳香族オキシラン化合物、多官能脂環式オキシラン化合物、多官能脂肪族オキシラン化合物などが挙げられ、芳香族オキシラン化合物としては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
多官能脂環式オキシラン化合物としては、少なくとも2個のシクロへキセン環又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。また、シクロヘキサジエン環又はシクロペンタジエン環等のシクロアルカジエン環を有する化合物をエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンジオキサイド、シクロペンテンジオキサイド含有化合物も例示できる。
多官能脂肪族オキシラン化合物としては、例えば、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いることのできる多官能オキシラン化合物を詳しく例示する。
例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらの多官能オキシラン化合物のなかでも、多官能芳香族オキシラン化合物及び多官能脂環式オキシラン化合物が、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に多官能脂環式オキシラン化合物が好ましい。
本発明において、コーティング組成物中に、オキセタン化合物及びオキシラン化合物を含むことが好ましく、多官能オキシラン化合物、及び多官能オキセタン化合物を含むことがより好ましい。オキセタン化合物とオキシラン化合物をコーティング組成物中に共存させることで、硬化性に優れ、成形加工プロセスの際に金型への剥離性が高く、キズ等を生じにくい耐擦過性の高い硬化膜を与えるコーティング組成物が提供できる。多官能オキセタン化合物、及び、多官能オキシラン化合物が共存すると更に好ましい。
本発明においては、多官能オキセタン化合物及び多官能オキシラン化合物の総量がコーティング組成物全体に占める割合が25重量%未満であることが好ましい。25重量%未満の割合にて、硬化膜の延伸性に優れるコーティング組成物が提供できる。
(c)単官能ビニルエーテル化合物
本発明に用いるコーティング組成物には、単官能ビニルエーテル化合物を用いることができる。本発明に用いることができる単官能ビニルエーテル化合物として、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
以下に、単官能ビニルエーテル化合物を詳しく例示する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられ、中でもシクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルを好ましく用いることができる。
(d)多官能ビニルエーテル化合物
本発明に用いるインク組成物には、多官能ビニルエーテル化合物を用いることができる。本発明に用いることができる多官能ビニルエーテル化合物として、ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。
以下に、単官能ビニルエーテルと多官能ビニルエーテルを詳しく例示する。
多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられ、中でもトリエチレングリコールジビニルエーテルを好ましく用いることができる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明において、単官能モノマーの含有率がカチオン重合性コーティング組成物全量に対して30重量%以上であることが好ましく、更に好ましくは40〜80重量%であり、特に好ましくは50〜70重量%である。上記の数値の範囲であると、硬化性に優れ、成形加工時の硬化膜の延伸性に優れるコーティング組成物を提供できる。
単官能モノマーの中でも、単官能オキシラン化合物、又は単官能オキセタン化合物を少なくとも1種含有することがより好ましく、特に好ましくは、単官能オキセタン化合物である。単官能モノマーの中でも、芳香族基、脂環式炭化水素基、N、S、O等のヘテロ原子を含む環状構造を有するモノマーがより好ましい。
本発明において用いることができるカチオン重合性コーティング組成物は、多官能オキセタン化合物、及び/又は多官能オキシラン化合物を含有し、前記多官能オキセタン化合物、及び/又は多官能オキシラン化合物の総量が前記インク組成物全体の25重量%未満であることが好ましい。更に、コーティング組成物が多官能オキセタン化合物を含有し、前記オキセタン化合物の総量がコーティング組成物全体の15重量%未満であることがより好ましい。
上記の数値の範囲であると、硬化性、硬化膜の延伸性に優れるコーティング組成物を提供することができるので好ましい。
<オリゴマー及びポリマー>
本発明においては、オリゴマーや、ポリマーを併せて使用することができる。ここでオリゴマーとは分子量(分子量分布を有するものに関しては、重量平均分子量)が2,000以上の化合物を意味し、ポリマーとは、分子量(分子量分布を有するものに関しては、重量平均分子量)が10,000以上の化合物を意味する。該オリゴマー、ポリマーはラジカル重合性基を有していても良く、有していなくてもよい。該オリゴマー、ポリマー1分子中に有するラジカル重合性基が4以下(分子量分布を有する化合物に関しては、含まれる分子全体の平均で4以下)であると、柔軟性に優れたコーティング組成物が得られ好ましい。また、最適な粘度に調整するという意味でも好適に使用できる。
〔ラジカル重合性オリゴマー及び/又はポリマー〕
ラジカル重合型コーティング材料には(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性オリゴマーを添加することができる。上記の化合物としては、分子の末端又は側鎖にアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するオリゴマーである。該オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型、ノボラック型、脂環系など)、ポリブタジエン(メタ)アクリレートなど、及びこれらの混合物が挙げられる。
エンボス加工に適応する延伸性を考慮し、好ましくはビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート及び/又はウレタン(メタ)アクリレートが例示できる。
〔カチオン重合性オリゴマー及び/又はポリマー〕
カチオン重合型コーティング材料には、カチオン重合性基を有するオリゴマー及び/又はポリマーを添加することができる。上記のオリゴマー、ポリマーとしては、エポキシ樹脂、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物、スピロオルソエステル、ビシクロオルソエステル、スピロオルソカーボネート等が挙げられる。
エポキシ樹脂は大きく芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂に分けられ、脂肪族エポキシ樹脂は更に脂環式エポキシ樹脂、脂鎖式エポキシ樹脂に分類できる。
芳香族エポキシ樹脂は、少なくとも1個の芳香環を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルである。その具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物又はビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド)付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって合成されるグリシジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹脂類等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂は、脂環構造を有するエポキシ化合物である。その具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等が挙げられる。
脂鎖式エポキシ樹脂は、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルである。その具体例としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって合成されるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
<重合開始剤>
〔ラジカル重合開始剤〕
紫外線硬化型コーティング材料が重合性モノマーとしてラジカル重合性モノマーを使用する場合には、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
紫外線硬化型コーティング材料に用いることができる重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を使用することができ、前述したインク組成物におけるラジカル重合開始剤を例示でき、好ましい範囲も同様である。紫外線硬化型コーティング材料に用いることができるラジカル重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
紫外線硬化型コーティング材料において、ラジカル重合開始剤の総使用量は、ラジカル重合性モノマーの総使用量に対して、好ましくは0.01〜35重量%、より好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1.0〜15重量%の範囲である。
〔カチオン重合開始剤〕
紫外線硬化型コーティング材料に用いることができる重合開始剤としては、公知のカチオン重合開始剤を使用することができ、前述したインク組成物におけるカチオン重合開始剤を例示でき、好ましい範囲も同様である。紫外線硬化型コーティング材料に用いることができるカチオン重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
紫外線硬化型コーティング材料において、カチオン重合開始剤は、カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部の範囲で用いることができる。
<離型剤>
紫外線硬化型コーティング材料には、エンボス加工時の金型との離型性をもたせるために,各種離型剤を含有することが望ましい.
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、シリコーン粒子、ポリエチレンワックス粒子、等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて添加することができる。
前記保護層における離型剤の含有量は、0.05〜20重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
これらの中でも、紫外線硬化型コーティング材料に対しては、以下のシリコーン化合物、フッ素含有化合物及び長鎖アルキル基含有ポリマーが離型剤として好適に用いられ、シリコーン化合物、フッ素含有化合物及び長鎖アルキル基含有ポリマーよりなる群から選択された少なくとも1つを含有することが好ましい。
〔シリコーン化合物〕
シリコーン化合物としては,以下の(a)〜(c)が挙げられる。
(a)分子末端、又は側鎖にアクリロイル基、メタクリロイル基、又はビニル基を有する含シリコーン化合物
(b)分子末端、又は側鎖にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する含シリコーン樹脂と(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、脂肪酸ビニルエステルからなる群から選ばれる単量体の1種又は2種以上の混合物との共重合体であるシリコーン含有共重合体
(c)シリコーン界面活性剤
(a)分子末端又は側鎖に、アクリロイル、メタクリロイル基又はビニル基を有する含シリコーン化合物(主にポリジアルキルシロキサン)としては,具体的には特公昭51−42961号、同54−6512号、同57−57096号、同58−53656号公報等に開示されているような化合物であり、商品名では、FM0711、FM0721、FM0725、PS583(以上、チッソ(株))、KNS−50002、KNS−5100、KNS−5200、KNS−5300、KP−600、X−62−7052、X−62−7100、X−62−7112、X−62−7140、X−62−7144、X−62−7153、X−62−7157、X−62−7158、X−62−7166、X−62−7168、X−62−7177、X−62−7180、X−62ー7181、X−62−7192、X−62−7200、X−62−7203、X−62−7205、X−62−7931、KM−875、X−62−7296A/B、X−62−7305A/B、X−62−7028A/B、X−62−5039A/B、X−62−5040A/B(以上、信越化学工業(株))、RC149、RC300、RC450、RC802、RC710、RC715、RC720、RC730(以上、ゴールドシュミット社)、EBECRYL350、EBECRYL1360(以上、ダイセルUCB(株))などが挙げられる。更に長鎖アルキル基を含有するアクリレートあるいはメタクリレートのシリコーン変性化合物も好適に用いることができる。
(b)分子末端、又は側鎖にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する含シリコーン樹脂と(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、脂肪酸ビニルエステルからなる群から選ばれる単量体の1種又は2種以上の混合物との共重合体であるシリコーン含有共重合体は、上記の分子末端又は側鎖に、アクリロイル基、メタクリロイル基又はビニル基を有するシリコーン樹脂と以下のメタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、脂肪酸ビニルエステルから選ばれる単量体の1種又は2種以上を共重合することが特に好ましい。
例えば(メタ)アクリル酸メチル〔(メタ)アクリル酸メチルとはメタアクリル酸メチル又はアクリル酸メチルのことをいう。以下同様。〕(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの低級アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの高級(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどの脂肪酸ビニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらの単量体のうちから、1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
また、コーティング組成物との混和性を損なわない程度に、他のビニル型単量体を共重合することができる。
更に好ましい形態としては,特許第2680342号記載の共重合体が、コーティング組成物との混和性が良好であり好ましい.
これらの共重合体の具体例としては、モディパーFS700、FS710、FS720、FS730、FS770(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
(c)シリコーン界面活性剤としては、公知のシリコーン界面活性剤が挙げられ、ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部にポリエーテル基を導入したものが挙げられる。変性シリコーンオイルの中には、ポリエーテル変性シリコーンオイル以外にも、メチルスチレン変性シリコーンオイル、オレフィン変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、などの各種有機基を導入した変性シリコーンオイルがあるが、紫外線硬化物表面の面状が柚子肌状の粗面となったり、凝集して白濁する場合があるので、ポリエーテル変性シリコーンオイルを使用することが好ましい。また、面状が良好でも所望の剥離性能を発揮しない場合があるので、ポリエーテル変性シリコーンオイルを使用することが好ましい。
また,ポリエーテル変性シリコーンオイルは25℃における粘度が100〜2,000mm2/sであるシリコーン樹脂であることが好ましい。粘度が100mm2/s以上であると、面状が柚子肌となることがないので好ましい。また、2,000mm2/s以下であると、白濁が生じないので好ましい。
更に本発明において使用するポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、HLB(value of hydrophile and liophile balance:オイルの親水性・疎水性バランスを数値的に示したもの)が11.0以下であることが、組成物への相溶性、親和性の点から望ましい。
〔フッ素含有化合物〕
フッ素含有化合物としては,以下の(a)〜(c)が例示できる。
(a)分子末端、又は側鎖にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する含フッ素樹脂
(b)分子末端、又は側鎖にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する含フッ素樹脂と(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、脂肪酸ビニルエステルからなる群から選ばれる単量体の1種又は2種以上の混合物との共重合体であるフッ素含有共重合体
(c)フッ素含有界面活性剤
(a)分子末端、又は側鎖にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する含フッ素樹脂としては、特開平5−8345号公報、段落0009〜段落0010、特開2005−179613号公報、段落0058に記載された化合物を使用することができる。
具体的には、下記式(1)で表される化合物が例示できる。
CH2=CR1COOR2f・・・(1)
式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、
2は、−Cp2P−、−C(Cp2P+1)H−、−CH2C(Cp2p+1)H−、又は−CH2CH2O−を表し、
fは、−Cn2n+1、−(CF2nH、−(CF2pOCn2ni2i+1、−(CF2pOCm2mi2iH、−N(Cp2p+1)COCn2n+1、又は−N(Cp2p+1)SO2n2n+1を表す。
但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。
式(1)で表されるフッ素樹脂として具体的には、例えば、
CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2、CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
715CON(C25)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2
25SO2N(C37)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF32CF(CF26(CH23OCOCH=CH2
(CF32CF(CF210(CH23OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF24CH(CH3)OCOC(CH3)=CH2
CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2、C25(CH2CH2O)2CH2OCOC=CH2、(CF32CFO(CH25OCOCH=CH2
CF3(CF24OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C25CON(C25)CH2OCOCH=CH2
CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2、H(CF26C(C25)OCOC(CH3)=CH2
H(CF28CH2OCOCH=CH2、H(CF24CH2OCOCH=CH2、H(CF26CH2OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2
25SO2N(C25)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2
25SO2N(C25)C(C25)HCH2OCOCH=CH2
等が例示できる。これらの単量体のうちから、1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
1が水素原子である化合物の商品名としてはビスコート3F、ビスコート4F、ビスコート8F、ビスコート17F(以上,大阪有機化学工業(株))、EF−125M(三菱金属(株))、AE800、AE1014、Hoe T 3605(ヘキストジャパン(株))などがある。
1がメチル基である化合物の商品名としてはビスコート3MF、ビスコート4MF、ビスコート8MF、ビスコート17MF(以上,大阪有機化学工業(株))、EF−135M(三菱金属(株))、MAE−600、MAE−1014、MAE−800、Hoe T 3606(ヘキストジャパン(株))などがある。
(b)分子末端、又は側鎖にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する含フッ素樹脂と(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、脂肪酸ビニルエステルからなる群から選ばれる単量体の1種又は2種以上の混合物との共重合体であるフッ素含有共重合体としては特許第2680342号公報、第5ページ、第10列に記載の化合物が挙げられる。
具体的には、上記式(1)で表される化合物と以下のメタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸、アルリル酸エステル、脂肪酸ビニルエステルから選ばれる単量体の1種又は2種以上を共重合することが特に好ましい。
例えば(メタ)アクリル酸メチル〔(メタ)アクリル酸メチルとはメタアクリル酸メチル又はアクリル酸メチルのことをいう。以下同様。〕、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの低級アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの高級(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどの脂肪酸ビニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらの単量体のうちから、1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
また、コーティング材料との混和性を損なわない程度に、他のビニル型単量体を共重合することができる。
フッ素含有共重合体の具体例としては、モディパーF220、F600、F2020、F3035(日本油脂(株)製)、ダイアロマーFF203、FF204(大日精化製)等が挙げられる。
(c)フッ素含有界面活性剤としては、特開2000−186228に記載されているフッ素含有界面活性剤が例示できる。フッ素含有界面活性剤はイオン性の点においてアニオン性、カチオン性及びノニオン性の3種類に分類されるが、アニオン性及びカチオン性のものは活性エネルギー線硬化性化合物との相溶性が悪く、ノニオン性が好ましい。
ノニオン性フッ素含有界面活性剤としては分子中にフッ化炭素系化合物(パーフルオロ基)と有機化合物とを併せ持つ化合物、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF−142D、メガファックF−144D、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−815、ディフェンサMCF−300、ディフェンサMCF−312、ディフェンサMCF−323、住友スリーエム(株)製のフロラードFC−170C、フロラードFC−430、フロラードFC−431等が挙げられる。
紫外線硬化型コーティング材料は、スプレー、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知の工業的方法により塗工することができる。
紫外線硬化型コーティング材料を使用する場合は、塗工後に紫外線照射を行う。照射方法は特に限定されないが、紫外線光源としては、低圧ないしは高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ又はカーボン・アーク灯等を使用できる。
紫外線の照射ピーク波長は200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましい。
また、照射する紫外線量は特に限定されないが、10〜4,000mW/cm2で硬化させることが好ましく、20〜2,500mW/cm2で硬化させることがより好ましい。
紫外線の照射条件及び照射方法は、公知の方法を使用することができ、光源を走査することにより行うこともできるし、駆動を伴わない光源により硬化させることもできる。
(ラミネート加工フイルム)
本発明において、ラミネート工程に使用されるラミネート加工フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、特開2005−234021号公報に記載のラミネート加工フィルムが例示できる。
具体的には、(1)画像層側の面に接着剤層を有する樹脂フィルム、(2)転写型の樹脂フィルム、などが好適に用いられる。
(1)画像層側の面に接着剤層を有する樹脂フィルム
前記(1)の態様のフィルムとしては、ラミネート加工フィルム自体が加熱加圧処理により溶融し、接着可能であれば、樹脂フィルムの表面及び裏面の区別なく画像層の表面と重ね合わせて用いることができるが、例えば、ラミネート加工フィルムの画像層側の面に接着剤層を有するフィルムが好ましい。
前記ラミネート加工フィルムにおける接着層表面と、画像層表面とを重ね合わせて加熱加圧処理(ラミネート)を行う。
上記のように接着剤層を設けることにより、ラミネート温度を低くすることができたり、高速化が図れる。また、画像層と保護層との接着力を高くすることが可能である。
ラミネート加工フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂を延伸したものなどが好適であり、特に、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、などが挙げられる。
尚、前記基材フィルムには、樹脂以外の成分として、各種安定剤、各種充填剤、その他の混合可能成分を任意の割合で含有させることができる。
(2)転写型の樹脂フィルム
前記(2)の態様の転写型の樹脂フィルムとしては、前記樹脂フィルムと前記接着層との間に転写保護層を少なくとも形成したものが好ましい。前記転写型の樹脂フィルムの層構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、樹脂フィルム/転写保護層/接着層、樹脂フィルム/剥離層/転写保護層/接着層、などが好適に挙げられる。この場合、前記ラミネートフィルムにおける画像接着面と反対側の層が基材フィルムとなることが好ましい。
前記転写型の樹脂フィルムの厚みは、50μm以下であることが好ましく、40μm以下がより好ましく、5〜40μmが更に好ましい。前記厚みが、50μm以下であると、加工性に優れ、また熱容量が適切で温度が上昇しやすく、樹脂フィルムの柔軟性が良好であり、エアーボイド、段差などの欠陥が生じることがないので好ましい。
前記転写型の樹脂フィルムは、画像層側の表面と、ラミネートフィルムにおける接着層表面とを重ね合わせた後、加熱加圧処理を行うことによって、前記転写保護層が画像層側の表面に接着層を介して転写される。次いで、前記樹脂フィルムと前記転写保護層との界面から樹脂フィルム、又は前記剥離層と前記転写保護層との界面から前記樹脂フィルム及び剥離層を剥離することにより、転写保護層が最表面に現れる。上記のように転写保護層を設けることにより、該転写保護層に様々な配合剤(例えば、UV防止剤、着色剤、マット剤等)を含有させることができ、目的に応じた機能を容易に付与することができる。
前記転写保護層は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、などを含有していることが好ましい。
前記転写保護層は、エンボス加工時の金型との離型性及び樹脂フィルムとの離型性を向上させる目的で、離型剤を含有することが好ましい。前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、シリコーン粒子、ポリエチレンワックス粒子、等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて添加することができる。
前記転写保護層又は剥離層における離型剤の含有量は、0.05〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
前記転写保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常40μm以下が好ましい。
前記接着剤層は、熱溶融ポリマーを含有することが好ましい。
前記熱溶融ポリマーとしては、加熱により溶融して画像層側の表面と接着可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂;エチレン共重合体(例えば、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタアクリル酸共重合体、メチル無水マレイン酸三元共重合体等のエチレン/アクリル酸系共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン共重合体等);プロピレン/ブテン共重合体、メタアクリル酸メチル共重合体、SBR共重合体、NBR共重合体、などが挙げられる。
尚、前記接着層は、更に必要に応じて、その他の添加剤を含有することができる。また、取り扱い性、マシン内の搬送性の向上を図るため接着層上に保護層を設け、該保護層をラミネート前に取り除いてラミネートすることもできる。
(支持体)
本発明に用いることができる支持体は、特に限定はなく、成形加工に適した公知の被記録媒体を用いることができる。
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、オレフィン系熱化塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリエステル系熱化塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン9、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化ビニリデン、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート樹脂等を例示できる。
上記アクリル系樹脂は、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等の樹脂〔但し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味〕を単体又は2種以上の混合物で用いることができる。
なかでも、成形加工が容易なことや仕上がり成形印刷物の諸耐性が優れている点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、硬化塩化ビニル、ポリスチレンなどが好ましく例示でき、成形加工が容易なことや真空成形等によって製作された成形品の諸耐性が優れている点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートやポリエステルがより好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートが最も好ましい。
また、本発明の成形加工された印刷物の製造方法には、アート紙、コート紙、普通紙等の紙支持体、アルミ版、ステンレス版等の金属支持体も好適に用いることができる。
本発明に用いることができる支持体の形状としては、成形加工が可能である限り、特に限定ないが、シート状であることが好ましい。シート状の支持体を用いる場合、その厚みは、支持体の材質や成形加工条件にもよるが、厚さが50μm〜1,000μmのものが好ましく、70μm〜800μmのものがより好ましく、100〜500μmのものが更に好ましい。
また、支持体は複数の材質を複合して製造されたものであってもよく、例えば、シート状の支持体を用いる場合、単層、或いは異種の樹脂を2層以上積層した積層体の何れであってもよい。
支持体は、必要に応じ適宜、添加剤を添加することができる。添加剤としては、表面光沢、融点等の熱的挙動に支障を来さない範囲で、各種添加剤を適量添加し得る。例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル補捉剤等の光安定剤、シリコーン樹脂、ワックス等の滑剤、着色剤、可塑剤、熱安定剤、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤等である。
(エンボス加工された印刷物の製造方法)
本発明のエンボス加工された印刷物の製造方法は、(A)活性放射線硬化性インク組成物を用いてインクジェット方式により支持体上に画像を形成する工程、(B)前記画像に活性放射線を照射して前記画像を硬化する工程、(C)硬化した画像上にコーティング加工及び/又はラミネートを行うことにより支持体上に画像及び保護層を有する印刷物を得る工程、並びに(D)前記印刷物をエンボス成形加工する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明のエンボス成形加工された印刷物は、本発明の上記エンボス加工された印刷物の製造方法により得られる。
以下、それぞれの工程について説明する。
(A)活性放射線硬化性インク組成物を用いてインクジェット方式により支持体上に画像を形成する工程
インクジェット方式は、インク等の微小な液滴を再現性よく形成して飛ばし、所望の場所にその液滴を着地させる方式である。
インクジェット方式を用いて画像を形成するには、以下に述べるインクジェット記録装置を好適に用いることができる。
尚、本発明において画像とは、文字、図形、表、写真を含む光学的情報であって、白黒、モノカラー、フルカラーのいずれであってもよい。
<インクジェット記録装置>
本発明に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明の成形印刷物の製造方法の(A)工程及び(B)工程における支持体上へのインク組成物及び表面コート用組成物の吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インク組成物や表面コート用組成物等をそれぞれ含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前の供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4000×4000dpi、より好ましくは400×400〜1600×1600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。尚、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、前記インク組成物及び表面コート用組成物のように放射線硬化型インク組成物は、吐出される組成物を一定温度にすることが望ましいことから、供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いる組成物の吐出は、インク組成物及び表面コート用組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物及び表面コート用組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に前記インク組成物及び表面コート用組成物として、25℃における粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
放射線硬化型インク組成物及び放射線硬化型表面コート用組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、吐出時の組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
(B)前記画像に活性放射線を照射して前記画像を硬化する工程
前記(B)工程においては、画像に活性放射線を照射して硬化を行う。
支持体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、インク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能にラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。本発明において、電子線及び紫外線を使用することが好ましく、紫外線を使用することがより好ましい。
活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることが更に好ましい。
また、本発明におけるインク組成物の重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。従って、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、更に好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
尚、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cm2である。
本発明に用いることができるインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、液滴着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このように液滴着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、支持体に着弾した液滴が硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な支持体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明に適用することができる。
上述したような方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な支持体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。尚、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明に用いることができるインク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、支持体表面に画像を形成することができる。
(カラー画像)
本発明のエンボス成形加工された印刷物の製造方法に用いることができるインク組成物は、1種単独で用いても、2種以上を用いてカラー画像を形成してもよい。
本発明のエンボス成形加工された印刷物の製造方法に用いるインク組成物としては、複数色のインク組成物を含んでいることが好ましく、フルカラー画像を形成するために、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及び、イエローインク組成物を含んでいることがより好ましく、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、イエローインク組成物、ブラックインク組成物、及び、ホワイトインク組成物を含んでいることが更に好ましい。
(C)硬化した画像上にコーティング加工及び/又はラミネートを行うことにより支持体上に画像及び保護層を有する印刷物を得る工程
保護層は、画像上の一部に形成しても良く、また、画像全体に形成してもよい。また、保護層は印刷物全体に設けられていても良く、また一部に設けられていてもよい。例えば、成形加工時に金型に接する画像部分、又は、変形度の高い部分に特化して保護層を設けてもよい。また、保護層を2層以上形成してもよい。
また、保護層は、画像面積に対して10%以上の網点面積でコートすることもでき、その場合には50%以上であることがより好ましい。網点面積とは、保護層を設けたエリア内にドットが均一に分散した状態における、ドット面積の総和を表す。
コーティング加工及びラミネート加工については、上述した通りである。
(D)前記印刷物をエンボス成形加工する工程
印刷物をエンボス成形加工する装置としては、公知の装置を使用することができ、前記インクジェット記録装置と一体の装置であっても、別の装置であってもよい。
<エンボス加工>
エンボス加工は、印刷物等を図柄や文字等の任意の形状にくぼませて立体感を出す加工のことであり、例えば、ローラーやプレス機等を用いて加工することができる。
エンボス加工の一例としては、ホット・コールドプレス法が挙げられ、特開10−199360号公報に記載の方法等を参照することができる。
ホット・コールドプレス法によるエンボス成形装置の一例を以下に示す。
該エンボス成形装置は、下部定盤(下定盤)と上部定盤(上定盤)が相互に接近離隔可能に配置されている。そして、下部定盤上にはプレート型ヒータが固定されており、上部定盤の下面にもプレート型ヒータが固定されている。これにより、支持体を加熱しながらホットプレスを行うことができる。このホットプレス機において、その下定盤上のプレート型ヒータに、所定のエンボス形状に倣う凸部を有する金型を取付け、上定盤の下面に固定されたヒータに接触するように、前記凸部に整合する形状の凹部を有する金型を取付ける。そして、画像を形成した支持体を配置し、この支持体と凹部金型との間にクッションシートを配置して、上定盤を下降させる等して上定盤と下定盤との間で支持体及びクッションシートをプレスする。このホットプレス工程における加圧力は例えば30トンであり、プレート型ヒータによる加熱温度は例えば170℃である。そして、上定盤を下定盤に押圧し、支持体及びクッションシートを金型間で挟圧し、このホットプレスを約3分間保持する。支持体は金型を介してヒータにより加熱され、熱変形により複数個の凸部が形成される。次いで、この支持体及びクッションシートを金型間に挟持したまま、ヒータを具備しない内部水冷型定盤間に配置し、例えば加圧力30トン、保持時間約3分の条件で内部水冷型定盤により押圧し、コールドプレスする。これにより、支持体はホットプレスにより熱変形した凸形状が保持され、エンボス加工を施した成形印刷物が得られる。加圧力及び加熱温度は、用いる印刷物の材質や加工形状等の条件に応じ、適宜調整することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
尚、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
本発明で使用したラジカル重合性組成物の素材は下記に示す通りである。
(顔料)
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−335 D(マゼンタ顔料、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・タイペークCR60−2(ホワイト顔料、石原産業社製)
(モノマー)
・ファンクリル512A(FA−512A、日立化成社製)
Figure 2008087244
・NKエステルAMP−10G(フェノキシエチルアクリレート、新中村化学社製)
・N−ビニルカプロラクタム(NVC、ISP社製)
・SR489D(トリデシルアクリレート、サートマー社製)
(その他)
・Solsperse32000(分散剤、Noveon社製)
・Solsperse36000(分散剤、Noveon社製)
・First cure ST−1(重合禁止剤、Chem First社製)
・Lucirin TPO(光重合開始剤、BASF社製)
・ベンゾフェノン(光重合開始剤、和光純薬社製)
・Irgacure 184(光重合開始剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・Byk 307(界面活性剤、BYK Chemie社製)
・Firstcure ITX(増感剤、Chem First社製)
本発明で使用したカチオン重合性組成物の素材は下記に示す通りである。
(顔料)
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−335 D(マゼンタ顔料、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・タイペークCR60−2(ホワイト顔料、石原産業社製)
(分散剤)
・Solsperse32000(Noveon社製)
・Solsperse36000(Noveon社製)
(モノマー)
・OXT−221(東亞合成(株)製)
Figure 2008087244
・Cylacure UVR6105(Dow Chemical社製)
Figure 2008087244
・OXT−211(東亞合成(株)製)
Figure 2008087244
・OXT−212(東亞合成(株)製)
Figure 2008087244
(重合開始剤)
・CPI−100P(スルホニウム塩、サンアプロ社製)
Figure 2008087244
・ジブトキシアントラセン(川崎化成社製)
(界面活性剤)
Byk 307(BYK Chemie社製)
以下、ラジカル重合性組成物用ミルベースの作製を行った。
(シアンミルベースAの調製)
IRGALITE BLUE GLVOを300重量部と、Actilane 421を600重量部と、Solsperse32000を100重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
(マゼンタミルベースBの調製)
CINQUASIA MAGENTA RT−335 Dを300重量部と、Actilane 421を600重量部と、Solsperse32000を100重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(イエローミルベースCの調製)
NOVOPERM YELLOW H2Gを300重量部と、Actilane 421を600重量部と、Solsperse32000を100重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(ブラックミルベースDの調製)
SPECIAL BLACK 250を300重量部と、Actilane 421を600重量部と、Solsperse32000を100重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで7時間分散を行った。
(ホワイトミルベースEの調製)
タイペークCR60−2を500重量部と、NKエステルAMP−10Gを450重量部と、Solsperse36000を50重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
以下、カチオン重合性組成物用ミルベースの作製を行った。
(シアンミルベースFの調製)
IRGALITE BLUE GLVOを300重量部と、OXT−212を600重量部と、Solsperse32000を100重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで3時間分散を行った。
(マゼンタミルベースGの調製)
CINQUASIA MAGENTA RT−335 Dを300重量部と、OXT−212を600重量部と、Solsperse32000を100重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(イエローミルベースHの調製)
NOVOPERM YELLOW H2Gを300重量部と、OXT−212を600重量部と、Solsperse32000を100重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(ブラックミルベースIの調製)
SPECIAL BLACK 250を300重量部と、OXT−212を600重量部と、Solsperse32000を100重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで5時間30分間分散を行った。
(ホワイトミルベースJの調製)
タイペークCR60−2を500重量部と、OXT−212を450重量部と、Solsperse36000を50重量部とを撹拌混合し、顔料インクを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで3時間分散を行った。
(粘度測定方法)
本実施例における粘度測定は、B型粘度計:Brookfield LVDV-I(Brookfield社製)を用い、25℃条件下で、ローターの回転数10rpm〜30rpmで粘度測定を行った。
(インク組成物の作製)
〔ラジカルインク1の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は18mPa・sであった。
(シアン色インク組成物)
・シアンミルベースA 6.0部
・N−ビニルカプロラクタム 25.0部
・ファンクリル512A 35.4部
・NKエステルAMP−10G 20.0部
・First cure ST−1 0.05部
・Lucirin TPO 8.5部
・ベンゾフェノン 3.0部
・Irgacure 184 2.0部
・Byk 307 0.05部
〔ラジカルインク2の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、マゼンタ色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は18mPa・sであった。
(マゼンタ色インク組成物)
・マゼンタミルベースA 12.0部
・N−ビニルカプロラクタム 25.0部
・ファンクリル512A 29.4部
・NKエステルAMP−10G 20.0部
・First cure ST−1 0.05部
・Lucirin TPO 8.5部
・ベンゾフェノン 3.0部
・Irgacure 184 2.0部
・Byk 307 0.05部
〔ラジカルインク3の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、イエロー色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は18mPa・sであった。
(イエロー色インク組成物)
・イエローミルベースA 12.0部
・N−ビニルカプロラクタム 25.0部
・ファンクリル512A 29.4部
・NKエステルAMP−10G 20.0部
・First cure ST−1 0.05部
・Lucirin TPO 8.5部
・ベンゾフェノン 3.0部
・Irgacure 184 2.0部
・Byk 307 0.05部
〔ラジカルインク4の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、ブラック色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は22mPa・sであった。
(ブラック色インク組成物)
・ブラックミルベースA 6.0部
・N−ビニルカプロラクタム 30.0部
・ファンクリル512A 50.4部
・First cure ST−1 0.05部
・Lucirin TPO 8.5部
・ベンゾフェノン 3.0部
・Irgacure 184 2.0部
・Byk 307 0.05部
〔ラジカルインク5の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、ホワイト色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は24mPa・sであった。
(ホワイト色インク組成物)
・ホワイトミルベースE 31.0部
・N−ビニルカプロラクタム 18.0部
・ファンクリル512A 26.4部
・NKエステルAMP−10G 10.0部
・First cure ST−1 0.05部
・Lucirin TPO 8.5部
・ベンゾフェノン 3.0部
・Irgacure 184 2.0部
・Byk 307 0.05部
・Firstcure ITX 1.0部
〔ラジカルインク6の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は14mPa・sであった。
(シアン色インク組成物)
・シアンミルベースA 6.0部
・N−ビニルカプロラクタム 25.0部
・SR489D 55.4部
・First cure ST−1 0.05部
・Lucirin TPO 8.5部
・ベンゾフェノン 3.0部
・Irgacure 184 2.0部
・Byk 307 0.05部
〔ラジカルインク7の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は23mPa・sであった。
(シアン色インク組成物)
・シアンミルベースA 6.0部
・ファンクリル512A 65.4部
・NKエステルAMP−10G 15.0部
・First cure ST−1 0.05部
・Lucirin TPO 8.5部
・ベンゾフェノン 3.0部
・Irgacure 184 2.0部
・Byk 307 0.05部
〔カチオンインク1の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は30mPa・sであった。
(シアン色インク組成物)
・シアンミルベースF 6.0部
・OXT−221 11.0部
・UVR6105 9.9部
・OXT−211 60.0部
・CPI−100P 12.0部
・ジブトキシアントラセン 1.0部
・Byk 307 0.1部
〔カチオンインク2の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、マゼンタ色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は33mPa・sであった。
(マゼンタ色インク組成物)
・マゼンタミルベースG 12.0部
・OXT−221 11.0部
・Cylacure UVR6105 11.9部
・OXT−211 52.0部
・CPI−100P 12.0部
・ジブトキシアントラセン 1.0部
・Byk 307 0.1部
〔カチオンインク3の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、イエロー色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は34mPa・sであった。
(イエロー色インク組成物)
・イエローミルベースH 12.0部
・OXT−221 11.0部
・Cylacure UVR6105 11.9部
・OXT−211 52.0部
・CPI−100P 12.0部
・ジブトキシアントラセン 1.0部
・Byk 307 0.1部
〔カチオンインク4の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、ブラック色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は31mPa・sであった。
(ブラック色インク組成物)
・ブラックミルベースI 6.0部
・OXT−221 11.0部
・Cylacure UVR6105 9.9部
・OXT−211 51.9部
・CPI−100P 12.0部
・ジブトキシアントラセン 1.0部
・Byk 307 0.1部
〔カチオンインク5の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、ホワイト色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は36mPa・sであった。
(ホワイト色インク組成物)
・ホワイトミルベースJ 30.0部
・OXT−221 10.0部
・Cylacure UVR6105 8.9部
・OXT−211 40.0部
・CPI−100P 10.0部
・ジブトキシアントラセン 1.0部
・Byk 307 0.1部
〔カチオンインク6の作製〕
以下の成分を、高速水冷式撹拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インクを得た。粘度は30mPa・sであった。
(シアン色インク組成物)
・シアンミルベースF 6.0部
・OXT−221 11.0部
・UVR6105 9.9部
・OXT−212 60.0部
・CPI−100P 12.0部
・ジブトキシアントラセン 1.0部
・Byk 307 0.1部
《インクジェット画像記録方法》
次に、5つのピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録実験装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度2,100mW/cm2、に集光し、被記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、画像に照射される積算光量を6,000mJ/cm2となるようにした。紫外線ランプには、HAN250NL ハイキュア水銀ランプ(ジーエス・ユアサ コーポレーション社製)を使用した。尚、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記方法により、硬化膜の平均膜圧が12μmとなるようなA4サイズの支持体(HK31−WF:膜厚125μm、PET、東山フイルム社製)にラジカルインクのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインク(ラジカルインク1〜4)を用いてカラー画像印刷物1を作製した。カラー画像1の描画部上にラジカルホワイトインク(ラジカルインク5)を用いて上記方法により、硬化膜の平均膜圧が12μm画像部全面にベタ印刷を行いカラー画像2を作製した。
また、カチオンインクのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインク(カチオンインク1〜4)を用いてカラー画像印刷物3を作製した。カラー画像3の描画部上にカチオンホワイトインク(カチオンインク5)をもちいて、ベタ印刷を行いカラー画像4を作製した。
更に、カラー画像2において、ラジカルインク1の代わりにラジカルインク6を使用した以外は同様にしてカラー画像5を作製し、ラジカルインク1の代わりに7を使用した以外は同様にしてカラー画像6を作製した。また、カラー画像4において、カチオンインク1の代わりにカチオンインク6を使用した以外は同様にしてカラー画像7を作製した。
(実施例1)
<コーティング材料の調製・溶剤型コーティング剤(1)の調製>
ウレタン樹脂(Noveon社製 Estane 5715) 25.0部
メチルセロソルブアセテート 65.0部
シクロヘキサノン 7.5部
消泡剤(EFKA 2020、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.0部
シリコーンオイル(KF−96、信越シリコーン社製) 2.5部
上記のコーティング材料を高速水冷式撹拌機により撹拌し、250メッシュスクリーンにより印刷物上に全面スクリーン印刷した。
スクリーン印刷後に、80℃で5分間乾燥させて以下のエンボス加工用サンプルとした。
(実施例2)
実施例1の溶剤型コーティング剤(1)のシリコーンオイルを除いた溶剤型コーティング剤(2)を用いて実施例1と同様にエンボス加工用サンプルを作製した。
(実施例3)
<コーティング材料の調製・紫外線硬化型コーティング剤(1)の調製>
ウレタンアクリレート 27.0部
(第一工業製薬製 ニューフロンティア R−1213)
N−ビニルカプロラクタム 22.0部
ファンクリル512A 27.9部
NKエステルAMP−10G 10.0部
First cure ST−1 0.05部
Irgacure 184 10.0部
Byk 307 0.05部
EBECRYL350(シリコーンアクリレート、ダイセルUCB社製) 3.0部
上記のコーティング材料を高速水冷式撹拌機により撹拌し、350メッシュスクリーンにより印刷物上に全面スクリーン印刷した。
スクリーン印刷後に、UV照射装置(日本電池製:メタルハライドランプ、120W/cm)を使用して、積算光量120mJ/cm2になるように調整し照射して以下のエンボス加工用サンプルとした。
(実施例4)
実施例3の紫外線硬化型コーティング剤(1)のEBECRYL350を除いた紫外線硬化型コーティング剤(2)を用いて実施例2と同様にエンボス加工用サンプルを作製した。
(実施例5)
<ラミネートフィルム(1)の調製>
厚みが25μmのポリプロピレンフィルム(東レ株式会社製、熱変形温度(荷重=4.6kgf/cm2)=120℃)上に、下記組成の転写保護層用塗布液をバーコーターを用いて、固形分が5g/m2となるように塗布し、乾燥して転写保護層を形成した。該転写保護層上に、下記組成の接着層用塗工液をバーコーターを用いて、固形分が5g/m2となるように塗布し、乾燥して接着層を設けてラミネートフィルム(1)を作製した。
−転写保護層用塗工液の組成−
コアシェルスチレンアクリルラテックス 100部
(星光化学社製;HE−1335、固形分45重量%、ソープフリー型、Tg(コア/シェル)=−41℃/107℃、質量比(コア/シェル)=1/1)
カルナバワックス 15部
(中京油脂社製;セロゾール524、固形分30質量%、ソープフリー型、軟化温度=+83℃)
シリカ粒子 1部
イオン交換水 34部
−接着層用塗工液の組成−
ポリエステルラテックス 100部
(ユニチカ社製;KZA−7049、固形分30質量%、Tg=48℃)
ポリエチレンオキサイド(分子量約25万) 0.4部
アニオン界面活性剤 0.01部
(AOT、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム)
イオン交換水 50部
インクジェット画像表面と、ラミネートフィルム(1)の接着層表面とを重ね合わせてローラ設定温度130℃、ローラ間圧力15kgf/cm2、線速8mm/secの条件で加熱加圧処理(ラミネート)を行った。ラミネートフィルム(1)はラミネート後、基材フィルムを剥離し、転写保護層が表面に出るようにして以下のエンボス加工用サンプルとした。
(実施例6)
<ラミネートフィルム(2)の作製>
厚みが25μmのポリプロピレンフィルム(東レ株式会社製、熱変形温度(荷重=4.6kgf/cm2)=120℃)上に、下記組成の接着層用塗工液をバーコーターを用いて、固形分が5g/m2となるように塗布し、乾燥して接着層を設け、接着層の反対側の表面に下記組成の表面保護層塗工液をバーコーターを用いて、固形分が5g/m2となるように塗布し、乾燥して保護層を設けてラミネートフィルム(2)を作製した。
−接着層用塗工液の組成−
ポリエステルラテックス 100部
(ユニチカ社製;KZA−7049、固形分30質量%、Tg=48℃)
ポリエチレンオキサイド(分子量約25万) 0.4部
アニオン界面活性剤 0.01部
(AOT、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム)
イオン交換水 50部
−表面保護層用塗工液の組成−
コアシェルスチレンアクリルラテックス 100部
(星光化学社製;HE−1335、固形分45質量%、ソープフリー型、Tg(コア/シェル)=−41℃/107℃、質量比(コア/シェル)=1/1)
カルナバワックス 15部
(中京油脂社製;セロゾール524、固形分30質量%、ソープフリー型、軟化温度=+83℃)
シリカ粒子 1部
イオン交換水 34部
インクジェット画像表面と、ラミネートフィルム(2)の接着層表面とを重ね合わせてローラ設定温度130℃、ローラ間圧力15kgf/cm2、線速8mm/secの条件で加熱加圧処理(ラミネート)を行い以下のエンボス加工用サンプルとした。
(実施例7)
実施例4のラミネートフィルム(2)の表面保護層を設けないラミネートフィルム(3)を用いて実施例4と同様にエンボス加工用サンプルを作製した。
(比較例1)
上記のコーティング加工、ラミネート加工を行わずにエンボス加工用サンプルとした。
(エンボス加工プロセス評価方法)
25℃条件下、作成した印刷物を図1に示すステンレス製凹金型と凸型金型の間に挟み、プレス機MIZUHOA型ハンドパワー(松下電動工具社製)をもちいて、加重150kgを5秒間加え、エンボス加工を行った。画像のエンボスされた部分にひび割れ、白抜けが生じていないか、また金型への付着物の有無を目視で観察を行った。また、エンボス加工後に表面の傷つきの有無を目視で観察した。結果を表1に示す。
尚、評価基準は、以下の通りである。
<エンボス加工試験>
○:ひび割れ、白抜けが全く見られない
△:ひび割れがわずかに見られる
×:画像の一部又はコーティング材料/ラミネートフィルムが金型に転写し一部白抜け又はムラが発生
<傷つき>
○:表面に傷がみられない
△:画像部又は、コーティング膜の表面の一部に傷が見られる
×:表面に多数の傷が見られる又はコーティング材料/ラミネートフィルムの透明度が低下し白く見える部分がある。
Figure 2008087244
エンボス加工テストに使用した凸金型及び凹凸金型の概略図である。

Claims (7)

  1. (A)活性放射線硬化性インク組成物を用いてインクジェット方式により支持体上に画像を形成する工程、
    (B)前記画像に活性放射線を照射して前記画像を硬化する工程、
    (C)硬化した画像上にコーティング加工及び/又はラミネートを行うことにより支持体上に画像及び保護層を有する印刷物を得る工程、並びに
    (D)前記印刷物をエンボス成形加工する工程を含むことを特徴とする
    エンボス成形加工された印刷物の製造方法。
  2. 前記活性放射線硬化性インク組成物がアクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、及び、N−ビニル基よりなる群から選択された不飽和二重結合基を1つのみ有し、かつ、環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーを組成物中に60重量%以上含有する請求項1に記載のエンボス加工された印刷物の製造方法。
  3. 前記活性放射線硬化性インク組成物がN−ビニルラクタム類を含有する請求項1又は2に記載のエンボス加工された印刷物の製造方法。
  4. 前記活性放射線硬化性インク組成物がオキセタン化合物、オキシラン化合物及びビニルエーテル化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のカチオン重合性モノマーを含有し、かつ、単官能カチオン重合性モノマーを組成物中に30重量%以上含有する請求項1に記載のエンボス加工された印刷物の製造方法。
  5. 前記コーティング加工に使用されるコーティング材料が、シリコーン化合物、フッ素化合物及び長鎖アルキル基含有ポリマーよりなる群から選択された少なくとも1つを含有する請求項1〜4いずれか1つに記載のエンボス加工された印刷物の製造方法。
  6. 前記コーティング加工に使用されるコーティング材料が紫外線硬化型組成物である請求項1〜5いずれか1つに記載のエンボス加工された印刷物の製造方法。
  7. 請求項1〜6いずれか1つに記載のエンボス加工された印刷物の製造方法により得られたエンボス加工された印刷物。
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