JP2008087198A - 露光装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スポット領域のサイズやエネルギの強度のバラツキを抑制する。
【解決手段】露光装置100は、複数の発光素子Eを含む発光装置10と各発光素子Eからの出射光を集光するレンズ44とを具備する。複数の発光素子Eのうちの発光素子EAは、発光素子EAと比較してレンズ44の光軸Aから離間した位置にある発光素子EBよりも最大径が大きい。また、発光素子EAからレンズ44に入射する光のエネルギは、発光素子EBからレンズ44に入射する光のエネルギよりも小さい。
【選択図】図7
【解決手段】露光装置100は、複数の発光素子Eを含む発光装置10と各発光素子Eからの出射光を集光するレンズ44とを具備する。複数の発光素子Eのうちの発光素子EAは、発光素子EAと比較してレンズ44の光軸Aから離間した位置にある発光素子EBよりも最大径が大きい。また、発光素子EAからレンズ44に入射する光のエネルギは、発光素子EBからレンズ44に入射する光のエネルギよりも小さい。
【選択図】図7
Description
本発明は、複数の発光素子を備えた露光装置およびこれを利用した画像形成装置に関する。
複数の発光素子が配列された露光装置を感光体ドラムなどの像担持体の露光に利用した電子写真方式の画像形成装置が従来から提案されている。特許文献1や特許文献2には、所定数を単位として複数の発光素子を区分した各集合(以下「素子群」という)に対向するようにマイクロレンズを配置した構成が提案されている。ひとつの素子群に属する所定数の発光素子からの出射光は、当該素子群に対応したマイクロレンズによって像担持体の表面に結像される。
特開2000−158705号公報
特開2001−205845号公報
ところで、ひとつの素子群に属する各発光素子とマイクロレンズの光軸との位置関係(例えば距離)は発光素子ごとに相違する。したがって、各発光素子からの出射光が像担持体の表面に到達する領域(以下「スポット領域」という)のサイズやスポット領域に付与されるエネルギの強度には、マイクロレンズの収差など様々な事情に起因して発光素子ごとのバラツキが発生し、この結果として解像度や階調といった特性のムラが画像に発生し得るという問題がある。このような事情を背景として、本発明は、スポット領域のサイズやエネルギの強度のバラツキを抑制するという課題の解決を目的としている。
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係る露光装置は、複数の発光素子と各発光素子からの出射光を集光する集光体(例えばレンズ44)とを具備し、複数の発光素子のうち第1発光素子は、複数の発光素子のうち第1発光素子と比較して集光体の光軸から離間した位置にある第2発光素子よりも最大径が大きく、第1発光素子から集光体に入射する光のエネルギは、第2発光素子から集光体に入射する光のエネルギよりも小さい。別の観点からすると、集光体の光軸に近い発光素子ほど、最大径が大きく、かつ、集光体に対する入射光のエネルギが小さい。
以上の構成においては、第1発光素子の最大径が、第1発光素子よりも集光体の光軸から離間した第2発光素子の最大径よりも大きい。したがって、集光体の光軸から離間した発光素子ほどスポット領域のサイズが拡大するという傾向がある場合であっても、第1発光素子と第2発光素子とが同径に形成された構成と比較すると、第1発光素子が形成するスポット領域と第2発光素子が形成するスポット領域とのサイズの相違は実質的に抑制される。さらに、第1発光素子から集光体に入射する光のエネルギは、第2発光素子から集光体に入射する光のエネルギよりも小さい。したがって、集光体の光軸から離間した発光素子が形成するスポット領域ほどエネルギの強度が低いという傾向がある場合であっても、第1発光素子および第2発光素子の各々から集光体に入射する光のエネルギが同等である構成と比較すると、第1発光素子がスポット領域に付与するエネルギの強度と第2発光素子がスポット領域に付与するエネルギの強度との相違は抑制される。
なお、発光素子としては例えば有機発光ダイオード素子が好適に採用される。発光素子の最大径とは、発光素子を挟むように当該発光素子の外周縁に接する互いに平行な2本の直線の間隔の最大値を意味する。発光素子が正円形であれば直径が最大径に相当し、発光素子が長方形であれば対角線長が最大径に相当する。また、発光素子の外形に外接円が画定される場合には当該外接円の直径が最大径である。もっとも、発光素子の形状は任意である。
第1発光素子から集光体に入射する光のエネルギを、第2発光素子から集光体に入射する光のエネルギよりも低くするための構成は任意である。例えば、複数の発光素子が、各々に供給される駆動信号のレベル(電流値や電圧値)に応じた強度で発光する構成においては、第1発光素子に供給される駆動信号のレベルを、第2発光素子に供給される駆動信号のレベルよりも低く設定することで、各発光素子から集光体に入射する光のエネルギを調整することができる。以上の態様の具体例は第1実施形態として後述される。
なお、以上のように発光素子ごとに駆動信号のレベルが相違する構成においては、各発光素子の劣化の程度にバラツキが生じる可能性がある。したがって、各発光素子の劣化の程度のバラツキを充分に抑制する必要がある場合には、第1発光素子からの出射光のエネルギを第2発光素子からの出射光のエネルギよりも低くするための構成として、以下の各態様が好適に採用される。
ひとつの態様に係る露光装置は、第1発光素子と集光体との間に介在して当該第1発光素子からの出射光のエネルギを減少させる減光体を具備する。本態様によれば、駆動信号のレベルの調整を不要としながら、スポット領域のサイズやエネルギの強度のバラツキを抑制することが可能である。減光体としては、第1発光素子の一部と重なり合うように形成されて当該第1発光素子からの出射光を遮光する遮光体や、第1発光素子の一部または全部と重なり合うように形成されて当該第1発光素子からの出射光の一部のみを透過させる半透過体が好適に採用される。以上の態様の具体例は第2実施形態の第1および第2の態様として後述される。
別の態様に係る露光装置において、第1発光素子は、第2発光素子とは非相似で当該第2発光素子よりも面積が小さい形状に形成される。以上の態様によれば、第1発光素子を第2発光素子よりも小面積とすることで各スポット領域のエネルギの強度の相違が低減されるから、減光体を設置した態様と同様に、駆動信号のレベルの調整は原理的には不要である。なお、以上の態様の具体例は第2実施形態の第3の態様として後述される。
さらに他の態様に係る露光装置において、複数の発光素子の各々は、相対向する電極間に介在する発光層を含み、第1発光素子の発光層は、第2発光素子の発光層よりも膜厚が小さい。以上の態様によれば、発光層の膜厚を発光素子ごとに調整することで各スポット領域のエネルギの強度の相違が低減されるから、やはり駆動信号のレベルの調整は原理的に不要である。なお、以上の態様の具体例は第2実施形態の第4の態様として後述される。
もっとも、以上の各態様によって駆動信号のレベルの調整が不要となるとは言っても、駆動信号のレベルを調整する構成を以上の各態様に追加した構成を本発明の範囲から除外する趣旨ではない。
以上の各態様に係る露光装置は各種の電子機器に利用される。例えば、本発明のひとつの態様に係る画像形成装置は、以上の何れかの態様に係る露光装置と、露光装置による露光で潜像が形成される像担持体(例えば感光体ドラム)と、像担持体の潜像に対する現像剤(例えばトナー)の付加によって顕像を形成する現像器とを具備する。以上の各態様に係る露光装置によれば被露光面に形成されるスポット領域のサイズや形状が均一化されるから、当該露光装置を利用した画像形成装置は、解像度や階調のムラが良好に抑制された高品位な画像を形成することが可能である。
もっとも、本発明に係る露光装置の用途は像担持体の露光に限定されない。例えば、スキャナなどの画像読取装置においては、本発明に係る露光装置を原稿の照明に利用することが可能である。この画像読取装置は、以上の各態様に係る露光装置と、露光装置から出射して読取対象(原稿)で反射した光を電気信号に変換する受光装置(例えばCCD(Charge Coupled Device)素子などの受光素子)とを具備する。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の部分的な構造を示す斜視図である。同図に示すように、画像形成装置は、外周面が被露光面(像形成面)70Aとして機能する感光体ドラム70と、感光体ドラム70を露光することで被露光面70Aに潜像を形成する露光装置100(ラインヘッド)と、露光装置100を駆動する駆動回路50とを具備する。感光体ドラム70は、X方向(主走査方向)に延在する回転軸に支持され、被露光面70Aを露光装置100に対向させた状態で回転する。したがって、被露光面70Aのうち露光装置100に対向する部分は、露光装置100に対してY方向(X方向と直交する方向)に進行する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の部分的な構造を示す斜視図である。同図に示すように、画像形成装置は、外周面が被露光面(像形成面)70Aとして機能する感光体ドラム70と、感光体ドラム70を露光することで被露光面70Aに潜像を形成する露光装置100(ラインヘッド)と、露光装置100を駆動する駆動回路50とを具備する。感光体ドラム70は、X方向(主走査方向)に延在する回転軸に支持され、被露光面70Aを露光装置100に対向させた状態で回転する。したがって、被露光面70Aのうち露光装置100に対向する部分は、露光装置100に対してY方向(X方向と直交する方向)に進行する。
図2は、露光装置100の構造を示す斜視図である。図1と図2とでは露光装置100の上下(Z方向の位置関係)が逆転している。図2に示すように、露光装置100は、発光装置10と遮光部材30とレンズアレイ40とを具備する。発光装置10は、X方向を長手とする姿勢に固定された長方形状の基板12と、基板12のうち感光体ドラム70とは反対側(図2における下方)の表面に形成された複数の発光素子Eとを含む。基板12は、ガラスやプラスチックなどで成形された光透過性の板材である。基板12のうち感光体ドラム70との対向面に遮光部材30が配置され、遮光部材30と感光体ドラム70との間隙にレンズアレイ40が配置される。発光素子Eは、電流(以下「駆動電流」という)の供給によって発光する有機発光ダイオード素子であり、被露光面70Aを露光するための光線を発生する光源として機能する。図1の駆動回路50は、駆動電流の供給によって発光装置10の各発光素子Eを発光させる。
図3は、発光装置10の具体的な構造を示す断面図である。同図に示すように、基板12のうち感光体ドラム70とは反対側の表面には配線要素層14が形成される。配線要素層14は、発光素子Eの光量を制御する能動素子(トランジスタ)や各種の信号を伝送する配線などの導電層と各導電層を電気的に絶縁する絶縁層とが積層された部分である。配線要素層の面上には、発光素子Eの陽極として機能する第1電極21が発光素子Eごとに相互に離間して形成される。第1電極21は、ITO(Indium Tin Oxide)など光透過性の導電材料によって形成される。
第1電極21が形成された基板12の表面には絶縁層23が形成される。絶縁層23は、基板12の表面に垂直なZ方向からみて第1電極21と重なり合う領域に開口部231(絶縁層23を厚さ方向に貫通する孔)が形成された絶縁性の膜体である。第1電極21および絶縁層23は、有機EL(Electroluminescence)材料からなる発光層25に覆われる。発光層25は、例えばスピンコート法などの成膜技術によって複数の発光素子Eにわたって連続に形成される。第1電極21は発光素子Eごとに独立に形成されるから、発光層25が複数の発光素子Eにわたって連続するとは言っても、発光素子Eの光量は、各第1電極21から供給される電流に応じて発光素子Eごとに個別に制御される。もっとも、例えば液滴吐出法(インクジェット法)などの印刷技術によって、発光層25が発光素子Eごとに相互に離間して形成された構成としてもよい。
発光層25の表面は、発光素子Eの陰極として機能する第2電極27に覆われる。第2電極27は、複数の発光素子Eにわたって連続する光反射性の導電膜である。発光層25は、第1電極21から第2電極27に流れる駆動電流に応じた強度で発光する。発光層25から第1電極21側への出射光と第2電極27の表面における反射光とは、図3に白抜の矢印で示すように第1電極21と基板12とを透過して感光体ドラム70側に出射する。第1電極21と第2電極27との間に絶縁層23が介在する領域に電流は流れないから、発光層25のうち絶縁層23と重なり合う部分は発光しない。すなわち、図3に示すように、第1電極21と発光層25と第2電極27との積層のうち開口部231の内側に位置する部分が発光素子Eとして機能する。したがって、Z方向からみたときの発光素子Eの位置や形態(サイズや形状)は開口部231の位置や形態に応じて決定される。
図2のレンズアレイ40は、各発光素子Eからの出射光を被露光面70Aに向けて集光する手段であり、XY平面に沿ってアレイ状に配列された複数のレンズ44(両凸レンズ)を含む。図4は、図1におけるIV−IV線からみた断面図(XZ平面の断面図)である。図4に示すように、レンズアレイ40は、光透過性の材料(例えばガラス)で形成された平板状の基体42と、基体42のうち感光体ドラム70とは反対側の表面に配列された複数のレンズ部441と、基体42のうち感光体ドラム70との対向面に配列された複数のレンズ部442とを含む。レンズ部441およびレンズ部442は、屈折率が基体42と同等な光透過性の材料によって略円形状に形成される。ひとつのレンズ部441は基体42を挟んでひとつのレンズ部442に対向する。Z方向に重なり合うレンズ部441およびレンズ部442と両者間に充填された基体42とによってひとつのレンズ44(マイクロレンズ)が構成される。レンズ部441およびレンズ部442の各々の中心を連結した直線がレンズ44の光軸Aである。
図5は、レンズアレイ40の各レンズ44と発光装置10の各発光素子Eとの関係を示す平面図である。同図においてはZ方向からみた各レンズ44の外形(レンズ部441やレンズ部442の周縁)が二点鎖線で図示されている。図5に示すように、レンズアレイ40を構成する複数のレンズ44はレンズ群GL1〜GL3に区分される。レンズ群GLj(jは1≦j≦3を満たす整数)に属する複数のレンズ44は、各々の光軸AがX方向の直線LXjと交差するようにX方向に配列する。直線LX1〜LX3は相互に間隔PYをあけてY方向に並列する。
各レンズ44のX方向の位置はレンズ群GL1〜GL3の各々で相違する。すなわち、レンズ群GL2の各レンズ44の光軸Aはレンズ群GL1の各レンズ44の光軸Aから距離PXだけX方向の正側に位置し、レンズ群GL3の各レンズ44の光軸Aはレンズ群GL2の各レンズ44の光軸Aから距離PXだけX方向の正側に位置する。すなわち、レンズ群GL1〜GL3の各レンズ44はピッチPXで配列する。
図5に示すように、発光装置10が備える複数の発光素子Eは、所定数(本形態では8個)を単位として複数の素子群Gに区分される。複数の素子群Gの各々は別個のレンズ44に対応する。図5に示すように、ひとつの素子群Gに属する各発光素子Eは、当該素子群Gに対応したレンズ44とZ方向に重なり合う。さらに詳述すると、レンズ群GLjのレンズ44に対向する素子群Gは、各々の中心が直線LXj上に位置するようにX方向に配列する8個の発光素子Eの集合である。
図4に示すように、遮光部材30は、発光装置10とレンズアレイ40との間隙にて基板12と基体42とに密着した状態に固定された遮光性の板材である。図2および図4に示すように、遮光部材30のうちZ方向からみてレンズアレイ40の各レンズ44と重なり合う領域には、当該遮光部材30を厚さ方向(Z方向)に貫通する貫通孔32が形成される。貫通孔32はレンズ部441と略同径である。
図4に破線で示すように、ひとつの素子群Gの各発光素子Eから出射して基板12を透過した光線は、貫通孔32の内側を進行するとともに当該素子群Gに対応したレンズ44(レンズ部441)に入射する。そして、基体42を透過してレンズ44(レンズ部442)から出射した光線は、当該レンズ44の作用によって集光しながら進行して感光体ドラム70の被露光面70Aで結像する。
駆動回路50は、直線LX1〜LX3の各々に沿う素子群Gの各発光素子E(すなわち発光装置10が備える総ての発光素子E)からの出射光によって画像のひとつのラインに相当する潜像が被露光面70Aに形成されるように各発光素子Eの発光の時期を制御する。すなわち、直線LX1に沿う各発光素子E(すなわちレンズ群GL1に対向する各発光素子E)と直線LX2に沿う各発光素子Eと直線LX3に沿う各発光素子Eとが以上の順番で順次に発光することで潜像のひとつのラインが形成され、感光体ドラム70の回転に並行して同様の動作が反復されることで被露光面70Aには複数のラインからなる潜像が形成される。
さらに詳述すると、直線LX1上の素子群Gの各発光素子Eと直線LX2上の素子群Gの各発光素子Eとは、被露光面70AがY方向に沿って図5の距離PYだけ進行する時間長の間隔をあけて順次に発光する。同様に、直線LX2上の素子群Gの各発光素子Eと直線LX3上の素子群Gの各発光素子Eとは、被露光面70AがY方向に沿って図5の距離PYだけ進行する時間長の間隔をあけて順次に発光する。したがって、被露光面70Aのうち直線LX1〜LX3の各々に沿う素子群Gの各発光素子Eからの出射光が到達するスポット領域はX方向に沿って直線状に配列する。なお、以上の手順は例示に過ぎず、各発光素子Eを発光させる順番や時期は適宜に変更される。
ところで、ひとつの素子群Gの各発光素子EはX方向に配列するから、レンズ44の光軸Aからの距離は発光素子Eごとに相違する。一方、レンズ44の光学的な特性(例えば集光特性)は主として光軸Aからの距離に応じて変動する。したがって、ひとつの素子群Gにおいて各発光素子Eが同じ形態(サイズおよび形状)で等間隔に配列する構成(以下「対比例」という)においては、被露光面70Aのうちひとつの発光素子Eが照射するスポット領域のサイズやスポット領域に付与されるエネルギの強度が、レンズ44の光軸Aからの距離に応じて発光素子Eごとにバラつく。
図6は、対比例の構成におけるスポット領域のサイズ(直径)やスポット領域内に付与されるエネルギの強度と発光素子Eの位置との関係を模式的に示すグラフである。同図の横軸は発光素子Eの位置を示す。位置X1がレンズ44の光軸Aに最も近く、位置X4に向かうほどレンズ44の光軸Aから遠ざかる。また、同図の縦軸に示されたスポット領域の直径(スポット径)とエネルギの強度とは、位置X1にある発光素子Eに対応したスポット領域の直径および強度が「1」となるように正規化されている。
レンズ44の集光性能は光軸Aから離間した位置ほど低下するから、対比例の構成においては、図6に示すように、レンズ44の光軸Aから離間した発光素子Eのスポット領域ほど直径が拡大するとともにエネルギの強度が低下する。以上のようにスポット領域のサイズやエネルギの強度にバラツキがあると、被露光面70Aに形成される潜像(さらには用紙に形成される顕像)の解像度や階調に素子群Gごとの周期的なムラが発生する可能性がある。以上の問題を解決するために、本形態においては、被露光面70Aのスポット領域のサイズやエネルギの強度が均一化されるように、各発光素子Eの形態(特にサイズ)や各発光素子からの出射光のエネルギがレンズ44の光軸Aからの距離に応じて個別に選定される。
図7は、ひとつの素子群Gに属する各発光素子E(E1〜E4)の具体的な形態を示す平面図である。同図に示すように、ひとつの素子群Gの8個の発光素子Eは、相互に隣接する各発光素子Eの中心の間隔が距離pxとなるようにX方向に配列する(すなわちピッチpxで配列する)。図7に示すように、各発光素子Eのサイズ(直径D1,D2,D3,D4)は、レンズ44の光軸Aから離間した発光素子Eほど減少する(D1>D2>D3>D4)。すなわち、発光素子E2の直径D2は、光軸Aに近い発光素子E1の直径D1よりも小さく、発光素子E3の直径D3は直径D2よりも小さい。また、光軸Aから最も離間した発光素子E4の直径D4は素子群Gのなかで最小となる。各発光素子Eの直径(D1,D2,D3,D4)は、図3の絶縁層23に形成される開口部231のサイズに応じて制御される。
図8は、本形態におけるスポット領域のサイズとスポット領域に付与されるエネルギの強度とを発光素子Eごとに模式的に示すグラフである。同図の縦軸に示されたスポット領域の直径(スポット径)とエネルギの強度とは、図6と同様に、位置X1にある発光素子Eが形成するスポット領域の直径およびエネルギの強度が「1」となるように正規化されている。
図7に示したように本形態においては光軸Aから離間した発光素子Eほど小径に形成される一方、光軸Aから離間した発光素子Eのスポット領域ほどレンズ44の作用によって直径が拡大する(図6参照)。したがって、素子群Gの総ての発光素子Eが同径に形成された構成と比較すると、本形態によれば、図8に示すように、各発光素子Eが実際に被露光面Eに形成するスポット領域の直径の相違は抑制される。換言すると、被露光面70Aに形成される各スポット領域のサイズが均一化されるように各発光素子Eの直径が選定される。
一方、同じ階調が指定された各発光素子Eに同等の駆動電流が供給されるとすれば、理想的にはレンズ44に対する入射光のエネルギは各発光素子Eで同一になるはずであるが、実際には発光素子Eの周辺部における発光パワーの低下などの影響で、サイズが小さい発光素子E(すなわち光軸Aから離間した発光素子E)ほどレンズ44に対する入射光のエネルギは低くなる。これに加え、光軸Aから離間した発光素子Eからの出射光のエネルギほどレンズ44の特性(収差)に起因して強度が低下する。したがって、単に発光素子Eの直径の調整によって各スポット領域のサイズを均一化しただけでは、被露光面70Aの各スポット領域に付与されるエネルギの強度の差異が図6の場合と比較して拡大するという問題がある。そこで、本形態においては、各発光素子Eから出射してレンズ44(レンズ部441)に入射する光のエネルギが、光軸Aに近い発光素子Eほど低い強度とされる。
さらに詳述すると、本形態の駆動回路50は、図7に示すように、各発光素子Eに同じ階調が指定された場合であっても、光軸Aに近い発光素子Eに供給される駆動電流ほど低い電流値に設定する。すなわち、発光素子E2に供給される駆動電流は発光素子E1の駆動電流よりも電流値が高く、発光素子E3に供給される駆動電流は発光素子E2の駆動電流よりも電流値が高い。そして、光軸Aから最も離間した発光素子E4に供給される駆動電流は素子群Gのなかで最大となる。
各発光素子Eからレンズ44に入射した光のエネルギの強度は光軸Aから離間するほど当該レンズ44の通過中に低下するから、本形態によれば、素子群Gの総ての発光素子Eに同じ電流値の駆動電流が供給される構成と比較すると、図8に示すように被露光面70Aの各スポット領域に付与されるエネルギの相違が低減される。換言すると、各スポット領域に付与されるエネルギが均一化されるように各発光素子Eの駆動電流の電流値が選定される。
以上に説明したように、本形態においては、ひとつの素子群Gに属する各発光素子Eの直径や出射光のエネルギ(駆動電流の電流値)を光軸Aからの距離に応じて個別に選定することで各スポット領域のサイズとエネルギとが均一化されるから、画像形成装置が形成する画像(顕像)の解像度や階調のムラを抑制することが可能である。しかも、絶縁層23に形成される開口部231の位置や形態を制御するという簡便な方法によって以上の効果が得られるという利点もある。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態においては、光軸Aに近い発光素子Eほどレンズ44への入射光のエネルギが低くなるように駆動電流の電流値を制御することで、各スポット領域内のエネルギの強度を均一化する構成を例示した。しかし、特に有機発光ダイオード素子などの発光素子Eは高い電流密度の駆動電流が供給されるほど劣化が進行する。したがって、第1実施形態の構成においては、光軸Aから離間した発光素子E(すなわち電流密度の高い駆動電流が供給される発光素子E)ほど劣化が進行する場合がある。また、光軸Aからの距離が相違する各発光素子Eには電流密度の異なる駆動電流が継続的に供給されるから、各発光素子Eの特性のバラツキは経時的に拡大し得る。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態においては、光軸Aに近い発光素子Eほどレンズ44への入射光のエネルギが低くなるように駆動電流の電流値を制御することで、各スポット領域内のエネルギの強度を均一化する構成を例示した。しかし、特に有機発光ダイオード素子などの発光素子Eは高い電流密度の駆動電流が供給されるほど劣化が進行する。したがって、第1実施形態の構成においては、光軸Aから離間した発光素子E(すなわち電流密度の高い駆動電流が供給される発光素子E)ほど劣化が進行する場合がある。また、光軸Aからの距離が相違する各発光素子Eには電流密度の異なる駆動電流が継続的に供給されるから、各発光素子Eの特性のバラツキは経時的に拡大し得る。
以上の問題を解決するために、本形態(以下に例示する第1から第4の態様)においては、発光素子Eやこれに関わる要素の形態を光軸Aからの距離に応じて選定することで、レンズ44に対する入射光のエネルギを光軸Aに近い発光素子Eほど低い強度に調整する。以下の各態様によれば、同じ階調が指定された場合の駆動電流の電流値を発光素子Eごとに変化させることなく、各スポット領域内のエネルギの強度を均一化することが可能である。
<B−1:第1の態様>
図9は、第1の態様に係る発光装置10の構成を示す断面図と発光素子Eの平面図である。図9においては、レンズ44の光軸Aに近い発光素子EA(例えば図7の発光素子E1〜E3)と、発光素子EAと比較して光軸Aから離間した位置にある発光素子EB(例えば図7の発光素子E4)とが代表的に図示されている。第1実施形態と同様に光軸Aに近い発光素子Eほど大径である(DA>DB)。
図9は、第1の態様に係る発光装置10の構成を示す断面図と発光素子Eの平面図である。図9においては、レンズ44の光軸Aに近い発光素子EA(例えば図7の発光素子E1〜E3)と、発光素子EAと比較して光軸Aから離間した位置にある発光素子EB(例えば図7の発光素子E4)とが代表的に図示されている。第1実施形態と同様に光軸Aに近い発光素子Eほど大径である(DA>DB)。
図9に示すように、本形態に係る発光装置10の配線要素層14は遮光体151を含む。遮光体151は、能動素子や配線といった配線要素層14の要素と同層から形成された遮光性の膜体である。遮光体151は、発光素子EAとこれに対応するレンズ44との間に介在し、Z方向からみて発光素子EAと部分的に重なり合う。さらに詳述すると、遮光体151は、図9の平面図に示すように、発光素子EAよりも小径の略円形状であって発光素子EAと同心に(すなわち中心が直線LXi上に位置するように)配置される。光軸Aに近い発光素子Eと重なり合う遮光体151ほど大きいサイズに形成される。ただし、図9に示すように、光軸Aから最も離間した発光素子EBと重なり合う領域に遮光体151は形成されない。
図10の特性CAは、発光素子EAからの出射光がレンズ44を透過して照射されることで被露光面70Aに付与されるエネルギの強度の分布である。同様に、図10の特性CBは、発光素子EBからの出射光がレンズ44を透過して被露光面70Aに付与するエネルギの強度の分布である。エネルギの強度が所定の閾値TH(例えばピーク値の5%)を上回る領域がスポット領域SP(SPA,SPB)である。発光素子EAは発光素子EBよりも大径であるから、図8を参照して説明したように、発光素子EAが形成するスポット領域SPAと発光素子EBが形成するスポット領域SPBとは略等しいサイズ(直径)となる。
発光素子EAには遮光体151が重なるから、発光素子EAのうち中心側の部位からの出射光は、遮光体151に遮光されてレンズ44には到達しない。すなわち、発光素子EAのうちZ方向からみて遮光体151の外周縁の外側の部位(円環状の領域)からの出射光のみがレンズ44に入射する。したがって、図10の特性CAに示すように、スポット領域SPA内のエネルギは、発光素子EAの中心(光軸A)に対応した位置XCの強度がその周囲よりも低くなるように分布する。一方、発光素子EBからの出射光は遮光体151に遮光されずにレンズ44に入射するから、スポット領域SPB内のエネルギは、発光素子EBの中心に対応した位置XCの強度が最大値となるように分布する。
以上のように発光素子EAからの出射光は遮光体151によって減光される。すなわち、第1実施形態と同様に、光軸Aに近い発光素子Eほどレンズ44への入射光のエネルギは低くなるから、発光素子EAが被露光面70Aに付与するエネルギの総和(図10の斜線部の面積S1)と発光素子EBが付与するエネルギの総和(図10の斜線部の面積S2)との相違は低減される。したがって、本態様においても、各スポット領域のサイズとエネルギとの均一化によって画像のムラを抑制することが可能である。
なお、遮光体151の形状は任意に変更される。例えば、図11の部分(a)や部分(b)に示すようにひとつの方向(X方向やY方向)に沿って発光素子Eを直線状に横断する形状に遮光体151を形成してもよいし、同図の部分(c)に示すように十字型の遮光体151を形成してもよい。また、図11の部分(d)や部分(e)に示すように遮光体151を多角形状に形成してもよい。さらに、発光素子EAによる出射光のエネルギが発光素子EBからの出射光のエネルギよりも低くなるのであれば、発光素子EBと重なり合うように遮光体151を形成してもよい。
<B−2:第2の態様>
図12は、第2の態様に係る発光装置10の構成を示す断面図と発光素子Eの平面図である。図12においては、図9と同様に、光軸Aに近い発光素子EAと光軸Aから離間した発光素子EBとが図示されている。第1実施形態と同様に、光軸Aに近い発光素子Eほど大径である。したがって、各スポット領域のサイズは均一化される。
図12は、第2の態様に係る発光装置10の構成を示す断面図と発光素子Eの平面図である。図12においては、図9と同様に、光軸Aに近い発光素子EAと光軸Aから離間した発光素子EBとが図示されている。第1実施形態と同様に、光軸Aに近い発光素子Eほど大径である。したがって、各スポット領域のサイズは均一化される。
図12に示すように、配線要素層14は半透過体152を含む。半透過体152は、入射光を部分的に透過させて残余の成分を反射または吸収する性質(半透過反射性)の膜体であり、能動素子や配線といった配線要素層14の要素を形成するための導電膜を充分に薄く成膜することで形成される。半透過体152は、発光素子EAとこれに対応するレンズ44との間に介在し、Z方向からみて発光素子EAの全体と重なり合う。これに対し、光軸Aから最も離間した発光素子EBと重なり合う領域に半透過体152は形成されない。
以上の構成において、発光素子EAからの出射光は、半透過体152を通過することでレンズ44への入射前に減光されるのに対し、発光素子EBからの出射光は、半透過体152による減光を経ることなくレンズ44に入射する。すなわち、第1実施形態と同様に、光軸Aに近い発光素子Eほどレンズ44への入射光のエネルギは低くなるから、各発光素子Eが形成するスポット領域内のエネルギの相違は低減される。したがって、本態様においても、各スポット領域のサイズとエネルギとの均一化によって画像のムラを抑制することが可能である。
なお、図12においては半透過体152が発光素子EAの全体を覆う構成を例示したが、発光素子EAと部分的に重なり合うように半透過体152を形成した構成も採用される。また、光軸Aに近い発光素子Eと重なり合う半透過体152ほど半透過体152の透過率が低下する(すなわちレンズ44に入射する光量が減少する)ように半透過体152の特性を発光素子Eごとに調整してもよい。さらに、発光素子EAによる出射光のエネルギが発光素子EBからの出射光のエネルギよりも低くなるのであれば、発光素子EBと重なり合うように半透過体152を形成してもよい。
<B−3:第3の態様>
図13は、光軸Aに近い発光素子EAと光軸Aから離間した発光素子EBとの外形を示す平面図である。本形態においては、光軸Aに近い発光素子Eほど、最大径が大きく、かつ面積(さらに詳細には発光層25からの放射光が実際に出射する領域の面積)が小さくなるように、各発光素子Eの平面的な形状が選定されている。すなわち、図13に例示するように、発光素子EAは、最大径DAを発光素子EBの最大径DBよりも長い寸法に確保しながら面積が発光素子EBよりも小さくなるように、発光素子EBとは非相似な形状に形成される。さらに詳述すると、発光素子EBは正円形であるのに対し、発光素子EAは、相互に直交する方向を長手とする各長方形を交差させた十字型である。最大径は、ひとつの図形を挟んで当該図形の外周縁に接する平行線の間隔の最大値として定義される。したがって、正円形である発光素子EBの最大径DBは当該円形の直径であり、発光素子EAの最大径DA(DA>DB)は、相互に交差する各長方形の対角線長である。
図13は、光軸Aに近い発光素子EAと光軸Aから離間した発光素子EBとの外形を示す平面図である。本形態においては、光軸Aに近い発光素子Eほど、最大径が大きく、かつ面積(さらに詳細には発光層25からの放射光が実際に出射する領域の面積)が小さくなるように、各発光素子Eの平面的な形状が選定されている。すなわち、図13に例示するように、発光素子EAは、最大径DAを発光素子EBの最大径DBよりも長い寸法に確保しながら面積が発光素子EBよりも小さくなるように、発光素子EBとは非相似な形状に形成される。さらに詳述すると、発光素子EBは正円形であるのに対し、発光素子EAは、相互に直交する方向を長手とする各長方形を交差させた十字型である。最大径は、ひとつの図形を挟んで当該図形の外周縁に接する平行線の間隔の最大値として定義される。したがって、正円形である発光素子EBの最大径DBは当該円形の直径であり、発光素子EAの最大径DA(DA>DB)は、相互に交差する各長方形の対角線長である。
発光素子Eの最大径はスポット領域の実質的なサイズを決定するひとつの主要な要因となる。すなわち、発光素子Eの最大径が大きいほどスポット領域の実質的なサイズが大きくなるという傾向がある。本態様においては発光素子EAの最大径DAが発光素子EBの最大径DBよりも大きいから、光軸Aから離間した発光素子Eほどスポット領域のサイズが拡大するというレンズ44の作用と相俟って、第1実施形態と同様に、発光素子EAが形成するスポット領域と発光素子EBが形成するスポット領域とのサイズの相違は抑制される。換言すると、各発光素子Eの最大径は、各スポット領域の実質的なサイズが均一化されるように光軸Aからの距離に応じて設定される。
一方、発光素子EAは発光素子EBよりも小面積であるから、発光素子EAからレンズ44に入射する光のエネルギの総和は、発光素子EBからレンズ44に入射する光のエネルギの総和よりも小さい。すなわち、第1実施形態と同様に、光軸Aに近い発光素子Eほどレンズ44への入射光のエネルギは低くなるから、各発光素子Eが形成するスポット領域内のエネルギの相違は低減される。換言すると、各発光素子Eの面積は、各スポット領域内のエネルギが均一化されるように光軸Aからの距離に応じて設定される。
以上のように、本態様においても、各スポット領域のサイズとエネルギとが均一化されるから、画像形成装置が出力する画像のムラを抑制することが可能である。なお、各発光素子Eの形態は図13の例示から適宜に変更される。
<B−4:第4の態様>
本態様においては、第1実施形態と同様に、光軸Aに近い発光素子Eほど大径とすることで各スポット領域のサイズが均一化される。さらに、各スポット領域内のエネルギが均一化されるように、各発光素子Eの発光層25の膜厚が光軸Aからの距離に応じて決定される。
本態様においては、第1実施形態と同様に、光軸Aに近い発光素子Eほど大径とすることで各スポット領域のサイズが均一化される。さらに、各スポット領域内のエネルギが均一化されるように、各発光素子Eの発光層25の膜厚が光軸Aからの距離に応じて決定される。
図14は、発光層25の膜厚と、所定の駆動電流を供給したときに発光素子Eからの出射する光のエネルギの強度との関係を模式的に示すグラフである。同図に示すように、発光素子Eからの出射光のエネルギは、発光層25の膜厚が大きいほど増大する。
本態様においては、光軸Aに近い発光素子Eほど膜厚が小さくなるように発光層25が形成される。例えば、図14に示すように、発光素子EAの発光層25の膜厚TAは、発光素子EAと比較して光軸Aから離間した位置にある発光素子EBの発光層25の膜厚TBよりも小さい。したがって、同じ電流値の駆動電流が供給された場合であっても、発光素子EAからの出射光のエネルギIAは、発光素子EBからの出射光のエネルギIBよりも低い。すなわち、第1実施形態と同様に、光軸Aに近い発光素子Eほどレンズ44への入射光のエネルギは低くなるから、各発光素子Eが形成するスポット領域内のエネルギの相違は低減される。したがって、本態様においても、各スポット領域のサイズとエネルギとの均一化によって画像のムラを抑制することが可能である。
以上に例示した第1ないし第4の態様によれば、同じ階調が指定された場合の駆動電流の電流値を発光素子Eごとに相違させる必要はない。したがって、第1実施形態と比較して、電流値の相違に起因した発光素子Eの特性のバラツキやその経時的な拡大を抑制することが可能である。もっとも、第1実施形態の問題点を本形態が解消し得るとは言っても、各発光素子Eに供給される電流値が制御される構成を以上の各態様に追加した構成を本発明の範囲から除外する趣旨ではない。すなわち、以上の各態様に係る条件を満たすように各発光素子Eやこれに関わる要素(遮光体151や半透過体152)を形成したうえで、各発光素子Eに供給される駆動電流の電流値を調整する構成は当然に採用される。この構成によれば、各発光素子Eに供給される駆動電流の電流値の相違を第1実施形態と比較して抑制しながら、各スポット領域に付与されるエネルギを確実に均一化できるという利点がある。
<C:変形例>
以上の各形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
以上の各形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)変形例1
発光素子Eの配列の態様は任意である。例えば、以上の形態においてはひとつの素子群Gに属する複数の発光素子Eが単列に配列する構成を例示したが、各素子群G内において複数の発光素子Eを複数列(例えば二列かつ千鳥状)に配列した構成も採用される。また、レンズ44の配列数も任意であり、単列または4列以上に配列された構成としてもよい。
発光素子Eの配列の態様は任意である。例えば、以上の形態においてはひとつの素子群Gに属する複数の発光素子Eが単列に配列する構成を例示したが、各素子群G内において複数の発光素子Eを複数列(例えば二列かつ千鳥状)に配列した構成も採用される。また、レンズ44の配列数も任意であり、単列または4列以上に配列された構成としてもよい。
(2)変形例2
発光素子Eの形態(サイズや形状)を決定する要素は絶縁層23の開口部231に限定されない。例えば、第1電極21の形状に応じて発光素子Eの形態を決定してもよい。また、以上の各形態においてはボトムエミッション型の発光装置10を例示したが、トップエミッション型の発光装置を採用してもよい。さらに、遮光体151や半透過体152が配線要素層14の要素とは別個に形成された構成も採用される。もっとも、以上の各形態のように遮光体151や半透過体152が配線要素層14の要素と同層から形成される構成によれば、各々を独立に形成する場合と比較して、発光装置10の製造工程の簡素化や製造コストの低減が実現される。
発光素子Eの形態(サイズや形状)を決定する要素は絶縁層23の開口部231に限定されない。例えば、第1電極21の形状に応じて発光素子Eの形態を決定してもよい。また、以上の各形態においてはボトムエミッション型の発光装置10を例示したが、トップエミッション型の発光装置を採用してもよい。さらに、遮光体151や半透過体152が配線要素層14の要素とは別個に形成された構成も採用される。もっとも、以上の各形態のように遮光体151や半透過体152が配線要素層14の要素と同層から形成される構成によれば、各々を独立に形成する場合と比較して、発光装置10の製造工程の簡素化や製造コストの低減が実現される。
(3)変形例3
有機発光ダイオード素子は発光素子の例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子など様々な発光素子を以上の各形態における有機発光ダイオード素子に代えて採用することが可能である。
有機発光ダイオード素子は発光素子の例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子など様々な発光素子を以上の各形態における有機発光ダイオード素子に代えて採用することが可能である。
<D:応用例>
本発明に係る露光装置100を利用した電子機器(画像形成装置)の具体的な形態を説明する。
図15は、以上の形態に係る露光装置100を採用した画像形成装置の構成を示す断面図である。画像形成装置は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であり、以上の形態に係る4個の露光装置100(100K,100C,100M,100Y)と、各露光装置100に対応する4個の感光体ドラム70(70K,70C,70M,70Y)とを具備する。図1に示したように、ひとつの露光装置100は、当該露光装置100に対応した感光体ドラム70の被露光面70A(外周面)と対向するように配置される。なお、各符号の添字「K」「C」「M」「Y」は、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各顕像の形成に利用されることを意味している。
本発明に係る露光装置100を利用した電子機器(画像形成装置)の具体的な形態を説明する。
図15は、以上の形態に係る露光装置100を採用した画像形成装置の構成を示す断面図である。画像形成装置は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であり、以上の形態に係る4個の露光装置100(100K,100C,100M,100Y)と、各露光装置100に対応する4個の感光体ドラム70(70K,70C,70M,70Y)とを具備する。図1に示したように、ひとつの露光装置100は、当該露光装置100に対応した感光体ドラム70の被露光面70A(外周面)と対向するように配置される。なお、各符号の添字「K」「C」「M」「Y」は、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各顕像の形成に利用されることを意味している。
図15に示すように、駆動ローラ711と従動ローラ712とには無端の中間転写ベルト72が巻回される。4個の感光体ドラム70は、相互に所定の間隔をあけて中間転写ベルト72の周囲に配置される。各感光体ドラム70は、中間転写ベルト72の駆動に同期して回転する。
各感光体ドラム70の周囲には、露光装置100のほかにコロナ帯電器731(731K,731C,731M,731Y)と現像器732(732K,732C,732M,732Y)とが配置される。コロナ帯電器731は、これに対応する感光体ドラム70の被露光面70Aを一様に帯電させる。この帯電した被露光面70Aを各露光装置100が露光することで静電潜像が形成される。各現像器732は、静電潜像に現像剤(トナー)を付着させることで感光体ドラム70に顕像(可視像)を形成する。
以上のように感光体ドラム70に形成された各色(黒・シアン・マゼンタ・イエロー)の顕像が中間転写ベルト72の表面に順次に転写(一次転写)されることでフルカラーの顕像が形成される。中間転写ベルト72の内側には4個の一次転写コロトロン(転写器)74(74K,74C,74M,74Y)が配置される。各一次転写コロトロン74は、これに対応する感光体ドラム70から顕像を静電的に吸引することによって、感光体ドラム70と一次転写コロトロン74との間隙を通過する中間転写ベルト72に顕像を転写する。
シート(記録材)75は、ピックアップローラ761によって給紙カセット762から1枚ずつ給送され、中間転写ベルト72と二次転写ローラ77との間のニップに搬送される。中間転写ベルト72の表面に形成されたフルカラーの顕像は、二次転写ローラ77によってシート75の片面に転写(二次転写)され、定着ローラ対78を通過することでシート75に定着される。排紙ローラ対79は、以上の工程を経て顕像が定着されたシート75を排出する。
以上に例示した画像形成装置は有機発光ダイオード素子を光源として利用しているので、レーザ走査光学系を利用した構成よりも装置が小型化される。なお、以上に例示した以外の構成の画像形成装置にも露光装置100を適用することができる。例えば、ロータリ現像式の画像形成装置や、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラム70からシートに対して直接的に顕像を転写するタイプの画像形成装置、あるいはモノクロの画像を形成する画像形成装置にも露光装置100を利用することが可能である。
なお、露光装置100の用途は像担持体の露光に限定されない。例えば、露光装置100は、原稿などの読取対象に光を照射する照明装置として画像読取装置に採用される。この種の画像読取装置としては、スキャナ、複写機やファクシミリの読取部分、バーコードリーダ、あるいはQRコード(登録商標)のような二次元画像コードを読む二次元画像コードリーダがある。
100……露光装置、10……発光装置、12……基板、14……配線要素層、151……遮光体、152……半透過体、21……第1電極、23……絶縁層、231……開口部、25……発光層、27……第2電極、30……遮光部材、32……貫通孔、40……レンズアレイ、44……レンズ、A……光軸、50……駆動回路、70……感光体ドラム、70A……被露光面。
Claims (8)
- 複数の発光素子と前記各発光素子からの出射光を集光する集光体とを具備し、
前記複数の発光素子のうち第1発光素子は、前記複数の発光素子のうち前記第1発光素子と比較して前記集光体の光軸から離間した位置にある第2発光素子よりも最大径が大きく、
前記第1発光素子から前記集光体に入射する光のエネルギは、前記第2発光素子から前記集光体に入射する光のエネルギよりも小さい
露光装置。 - 前記複数の発光素子は、各々に供給される駆動信号のレベルに応じた強度で発光し、
前記第1発光素子に供給される駆動信号のレベルは、前記第2発光素子に供給される駆動信号のレベルよりも低い
請求項1に記載の露光装置。 - 前記第1発光素子と前記集光体との間に介在して当該第1発光素子からの出射光のエネルギを減少させる減光体を具備する
請求項1に記載の露光装置。 - 前記減光体は、前記第1発光素子の一部と重なり合うように形成されて当該第1発光素子からの出射光を遮光する遮光体である
請求項3に記載の露光装置。 - 前記減光体は、前記第1発光素子の一部または全部と重なり合うように形成されて当該第1発光素子からの出射光の一部のみを透過させる半透過体である
請求項3に記載の露光装置。 - 前記第1発光素子は、前記第2発光素子とは非相似で当該第2発光素子よりも面積が小さい形状に形成される
請求項1に記載の露光装置。 - 前記複数の発光素子の各々は、相対向する電極間に介在する発光層を含み、
前記第1発光素子の発光層は、前記第2発光素子の発光層よりも膜厚が小さい
請求項1に記載の露光装置。 - 請求項1から請求項7の何れかに記載の露光装置と、
前記露光装置による露光で潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体の潜像に対する現像剤の付加によって顕像を形成する現像器と
を具備する画像形成装置。
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JP2020116833A (ja) * | 2019-01-24 | 2020-08-06 | コニカミノルタ株式会社 | 光書き込み装置 |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006267584A patent/JP2008087198A/ja not_active Withdrawn
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