JP2009117060A - 発光装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の有機EL素子のそれぞれが発する光が、所定の強度を維持し、また所定の領域にのみ至り得るような発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、基板(7)上に形成された発光素子(8)と、その素子から発せられた第1光を前記基板の側に向けて反射する反射膜(5)と、基板及び発光素子間に挟まれるように形成され、少なくとも前記第1光と該第1光が前記反射膜で反射した第2光との間、で増幅的干渉が生じるようにその膜厚が調整された発光強度維持膜(301,302,13)と、発光素子の一部を覆うように、当該発光素子と前記発光強度維持膜との間に形成された発光規制膜(303)と、を備える。そして、前記発光規制膜は、少なくとも前記第1光と前記第2光との間、で減衰的干渉が生じるような膜厚をもつ。
【選択図】図3

Description

本発明は、エレクトロルミネセンスにより発光する発光装置及び電子機器に関する。
薄型で軽量な発光源として、OLED(organic light emitting diode)、すなわち有機EL(electro luminescent)素子が注目を集めている。有機EL素子は、有機材料で形成された少なくとも一層の有機薄膜を画素電極と対向電極とで挟んだ構造を有する。
前述の有機EL素子は、典型的には例えば、画像表示装置上の1個の画素を構成する。様々の内容をもつ画像は、これら画素の1つ1つが発光又は非発光することで形作られる。あるいは、いくつかの有機EL素子の1組が、1個の画素を構成する場合もある。そのような1組とは、例えば、赤、緑及び青といった異なる色の光を放つ有機薄膜を各々もつ有機EL素子によって構成され得る。この場合、1個の画素と1個の有機EL素子とは、概念上、一応区別される。
あるいは更に、前述の有機EL素子は、例えば、タンデム方式や4サイクル方式等のラインプリンタ等の画像形成装置用のプリンタヘッドに利用される。この場合、当該プリンタヘッドに搭載された有機EL素子は、感光体ドラムの外表面における静電潜像の形成に関与する。
いずれによせ、前記画像あるいは前記静電潜像の品質を一定程度以上に維持するためには、1個1個の画素、あるいは1個1個の有機EL素子と、それに隣接する画素あるいは有機EL素子との間は明確に区別されていなければならない。
以上述べたような有機EL素子を用いた装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものが知られている。
特開2007−42657号公報
上述のような画像表示装置ないし画像形成装置においては、既述のように、相隣接する有機EL素子間の区別が明確になされていなければならないが、これは、言い換えれば、1個1個の有機EL素子が、所定の強度で、所定の領域に(のみ)光を放つべきであるということを意味する。仮に、画素の放つ光が、所定の領域以外にも至るのであれば、当該の光が、隣接する有機EL素子の放つ光と混合してしまうという場合も生じ得る。そうすると、悪い場合には、画像又は静電潜像上の輪郭表示に影響を与えたり、あるいは、前述のように色別の有機EL素子を備える場合には混色が生じるとかいった不具合が生じる可能性がある。
前述の特許文献1は、「有機EL媒体層へ(の)傷つけを防止」(特許文献1の〔0019〕。かっこ内は加筆。)することを主目的とする技術を開示するが、それに関連して、「絶縁膜」が「発光画素領域を確定する」(特許文献1の〔請求項5〕、あるいは〔0054〕等)技術も開示する。この技術によれば、たしかに、前述の不具合を一定程度解消することが可能ではある。
しかしながら、この特許文献1が開示するのは、「絶縁膜」が「発光画素領域を確定する」ということまでであり、これだけでは、前述の不具合をよりよく解消することはできない。というのも、そもそも、有機EL素子が所定の領域に限り光を放つことが困難であるのは、特許文献1でいうような「絶縁膜」の裏側に存在する前記有機薄膜が発した光や、当該「絶縁膜」の裏側に反射、回折等によって回り込んだ光が、当該「絶縁膜」を透過する、ということがあり得るからである。つまり、単に「絶縁膜」を設けるというだけでは、前述の不具合は解消されないのである。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、複数の有機EL素子のそれぞれが発する光が、所定の強度を維持し、また所定の領域にのみ至り得るような発光装置及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る発光装置は、上述した課題を解決するため、基板と、前記基板上に形成された発光素子と、前記発光素子から発せられた第1光を前記基板の側に向けて反射する反射膜と、前記基板及び前記発光素子間に挟まれるように形成され、少なくとも前記第1光と該第1光が前記反射膜で反射した第2光との間、で増幅的干渉を生じさせるようにその膜厚が調整された発光強度維持膜と、前記発光素子の一部を覆うように、当該発光素子と前記基板との間に形成された発光規制膜と、を備え、前記発光規制膜は、少なくとも当該発光規制膜を透過する前記第1光と前記第2光との間、で減衰的干渉を生じさせるような膜厚をもつ。
本発明によれば、発光素子の一部が、発光規制膜によって覆われているから、発光領域が画定される。
そして、この発光領域から発した光に関しては、増幅的干渉現象が生じるので、その強度は高められ、あるいは維持される。一方、発光領域以外の領域を発した光は(あるいは、発光領域を発した光でも)、発光規制膜を透過してくる光に関しては、減衰的干渉現象が生じるので、その強度は低められる。
このようにして、発光素子から発した光は、所定の強度が維持されるとともに、所定の領域にのみに至ることが可能である
この発明の発光装置では、前記発光規制膜の膜厚は、当該発光規制膜によって覆われない部分における前記第1光及び前記第2光の干渉の結果の光強度に対する、当該発光規制膜によって覆われる部分における前記光強度の割合が、最小となるように、定められる、ように構成してもよい。
この態様によれば、第1光と第2光との間で、同じ減衰的干渉が生じるにしても、上述のような割合が最小となるような減衰的干渉が生じるので、前述した本発明に係る効果は、より実効的に奏される。
この発明の発光装置では、前記発光素子は、第1電極、及び、これに対向する第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極間に挟まれ、電流が流されることで前記第1光を発する発光機能層と、を含み、前記発光規制膜は、電気絶縁性をもち、かつ、前記第1電極及び前記第2電極間に電流が流れないように、これら第1電極及び第2電極の少なくとも一方の一部を覆うように形成されている、ように構成してもよい。
この態様によれば、発光素子は、具体的には例えば、有機EL素子が該当する。そして、電気絶縁性をもつ発光規制膜は、第1電極及び第2電極間に流れる電流を規制することによって、その規制を受けた領域に対応する発光機能層から光が発せられることを規制する。
このように、本態様によれば、発光規制をよりよく行うことができる。
この態様では、前記第1光は、前記第1電極及び前記第2電極間に流れる電流が、前記発光規制膜の形成領域に対応する前記発光機能層に流れることによって発生する第1・発光領域外光を含み、前記第2光は、前記第1・発光領域外光が前記反射膜で反射した第2・発光領域外光を含み、前記減衰的干渉は、少なくとも前記第1・発光領域外光と前記第2・発光領域外光との間で生じる、ように構成してもよい。
この構成では、本来であれば、発光規制膜によって覆われない発光領域のみで発光がなされるべきところ、第1電極及び第2電極間に流れる電流が、発光規制膜によって覆われている領域(即ち、「発光規制膜の形成領域」)に対応する発光機能層に、いわば“漏れ流れる”ことによって、当該発光機能層が発光してしまうことが前提される。しかしながら、本構成では、そのような光(即ち、第1・発光領域外光及び第2・発光領域外光)に関し、減衰的干渉が生じるので、当該光が当該発光装置の外部に漏れ出ようとすることが規制される。要するに、本構成によれば、発光規制が、前述にも増して更に実効的に行われる。
あるいは、前記態様では、前記第1電極及び前記第2電極のいずれか一方は、前記反射膜を兼ねる、ように構成してもよい。
これによれば、第1電極(又は第2電極)でありながら反射膜であるという、2つの機能を1つの膜で実現する高機能膜が存在することにより、両者を別々の膜として用意する場合に比べて、発光装置の構成を簡易化することができる。
また、本発明の発光装置では、前記発光強度維持膜は、複数の層間膜を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、発光強度維持膜が好適に構成され得る。
例えば、当該発光装置が、前記発光素子への通電を司る薄膜トランジスタ(TFT)等を備えるのであれば、前記基板の上には、それを構成する、半導体層、ゲートメタル、ソースメタル等の各種の導電性薄膜を構築する必要がある。そして、これら各種の導電性薄膜間は適正に絶縁されている必要がある。
このような場合に、本態様によれば、複数の層間膜間に前記各種の導電性薄膜を形成していき、かつ、当該層間膜が絶縁性を有するならば、それら各種の導電性薄膜間の絶縁は可能である。また、これと同時に、これら複数の層間膜各々の膜厚の合計が、前述の増幅的干渉を生じさせる膜厚に一致するなら、発光強度維持機能が損ねられることもない(つまり、この場合、前記合計が、「発光強度維持膜」の「膜厚」に一致する、ということになる。)。
このように、本態様によれば、発光強度維持膜を好適に構成することができるのである。
また、本発明の発光装置では、前記発光規制膜は、前記発光強度維持膜に重ねられるようにして形成され、前記減衰的干渉は、前記発光規制膜の膜厚と前記発光強度維持膜の膜厚とを合計した膜厚に基づいて生じる、ように構成してもよい。
この態様によれば、例えば、発光規制膜の膜厚が極端に大きくなる等の不具合が発生せず、発光装置全体の薄型化等を図ることができる。また、本態様は、基板上に発光強度維持膜、発光規制膜等々の積層構造物を構築していく場合に、最も合理的な構造の1つを提供する。
また、本発明の発光装置では、前記発光規制膜の膜厚は、100〜150nmである、ように構成してもよい。
この態様によれば、発光規制膜の膜厚が好適に設定されるため、上述した本発明に係る効果がより実効的に奏される。この下限値及び上限値の限界的意義等については、後の実施の形態の説明の際に触れる。
また、本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した各種の発光装置を備える。
本発明によれば、上述した各種の発光装置を備えてなるので、例えば、当該電子機器がテレビ等の画像表示装置であれば、より高品質の画像を表示することが可能となり、あるいは、当該電子機器がプリンタ等の画像形成装置であれば、感光体ドラム上の静電潜像等の形成をより正確に行うことが可能になる。
以下では、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、これらの図面及びそれ以外の図面で以下に参照する各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に異ならせてある場合がある。
図1は、発光装置10を光ヘッド(発光装置)として用いる画像形成装置の部分的な構成を示す斜視図である。同図に示すように、この画像形成装置は、発光装置10、集束性レンズアレイ15、感光体ドラム110、及び制御部CUを含む。
このうち発光装置10は、図1中長手方向に沿って配列された複数の有機EL素子(発光素子)を備える。これら有機EL素子の各々は、図1中下方に向けて光を出射する(図中破線参照)。この光は、すぐ後に述べる集束性レンズアレイ15に入射する。なお、この発光装置10についてのより詳細な構成については、後に改めて述べる。
集束性レンズアレイ15は発光装置10と感光体ドラム110との間に配置される。集束性レンズアレイ15は、各々の光軸を発光装置10に向けた姿勢でアレイ状に配列された多数の屈折率分布型レンズを含む。発光装置10の各有機EL素子からの出射光は集束性レンズアレイ15の各屈折率分布型レンズを透過したうえで感光体ドラム110の外表面に到達する。
なお、この集束性レンズアレイ15としては、具体的には例えば、日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)を用いることができる(セルフォック:SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)。これを用いれば、発光装置10からの光は、感光体ドラム110の上で、正立等倍結像する。
感光体ドラム110は略円柱形状をもつ。その中心軸には、回転軸が備えられている。感光体ドラム110は、この回転軸を中心として記録材(被転写媒体)が搬送される方向である副走査方向に回転する(図中の矢印参照)。なお、回転軸の延在方向は、主走査方向に一致する。
このような感光体ドラム110及び前記の発光装置10は、当該感光体ドラム110の回転タイミングと発光装置10の各有機EL素子の発光タイミングとの間に所定の関係が成立するように、制御される。例えば、主走査方向に沿っては、形成しようとする画像の1ライン分の明暗に応じて、各有機EL素子の発光・非発光が制御され、副走査方向に沿っては、1ライン分の画像に関する感光工程が完了した後に感光体ドラムが所定の角度だけ回転するように、当該感光体ドラムの回転が制御される。このようにして、感光ドラム110の外表面には、所望の画像に応じた潜像(静電潜像)が形成される。
制御部CUは、いずれも図示しない、CPU(Central Process Unit)、必要な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)、及び当該画像形成装置を運用する上で必要なプラグラム等を格納するROM(Read Only Memory)等を備える。前述の感光体ドラム110の回転タイミングと発光装置10の発光タイミングとの同期も、この制御部CUによってはかられる。
そのほか、当該制御部CUは、本実施形態に係る画像形成装置を構成する各種要素が調和的に動作するように、当該各種要素の動作を司る。
前述の発光装置10は、より詳細には、図2に示すような平面構造を持つ。図2において、発光装置10は、素子基板7、有機EL素子8、駆動回路11及びカバー基板12を備えている。
このうち素子基板7は、同図に示すように、平面視して略長方形状をもつ板状の部材である。この素子基板7は、例えばガラスや石英、プラスチックなどの透光性材料で作られる。
この素子基板7の上には、複数の有機EL素子8及び複数の駆動回路11等が形成されている。なお、図2において示されている有機EL素子8の数、及び、駆動回路11の数は、単なる一例を示しているに過ぎない。図2に示す当該の数は、図面の見易さや紙面の大きさ等の都合によって定められているのであって、実際の装置を必ずしも反映するものではない。
有機EL素子8は、相互に対向する2つの電極、及び、これら2つの電極間に少なくとも有機発光層を含む発光機能層を備えている(いずれも図2において不図示。後に図3を参照して説明する。)。前記2つの電極のうち一方の電極には、共通線16が接続され、他方の電極には駆動素子を介して電源線14が接続される(「駆動素子」は図2において不図示。後に図3を参照して説明する。)。
駆動回路11は、有機EL素子8を駆動する。この駆動回路11は、より具体的には例えば、1以上の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を含む。この場合、そのうちの1つが前記の駆動素子に該当する。この点については、後に図3を参照して説明する。
カバー基板12は、素子基板7と同様、平面視して略長方形状をもつ板状の部材である。ただし、このカバー基板12は、素子基板7に比べて、その平面視した場合の面積が一回り小さい。カバー基板12は、素子基板7上の有機EL素子8及び駆動回路11を覆うように設置されるが、前者の面積が後者のそれよりも一回り小さいため、素子基板7には余剰の領域が生じる。この領域には、例えば前記駆動回路11に電源等を供給する入出力端子等が設けられる。
このカバー基板12は、有機EL素子8に対して水分が浸入することを防止する機能をもつ。なお、このような機能は素子基板7においてもまた果たしえる。結局、有機EL素子8は、図2の紙面を貫く方向に沿って、素子基板7及びカバー基板12双方によって挟み込まれる状態におかれることで、水分、あるいはその他の埃等の進入という観点からみて、ほぼ完全に封止される。
このようなカバー基板12は、例えばガラス、あるいは適当な金属材料から作られる。
なお、これら素子基板7及びカバー基板12からなる、発光装置10全体の大きさは、例えば、その長さ(図2でいえばその左右方向の長さ)が330〜350mm、幅(図2でいえばその上下方向の長さ)が10〜30mm、厚さ(図2でいえばその紙面垂直方向の長さ)が1〜5mm、等とされて好適である。この具体例によれば、前記記録材(被転写媒体)のサイズが“A3サイズ”である場合にも対応可能である。
上述の発光装置10は、より詳細には、素子基板7上に、図3に示すような積層構造物50をもつ。この図3において、当該積層構造物50は、素子基板7から順に、半導体層1、ゲート絶縁膜300、ゲートメタル3、第1層間絶縁膜301、信号線6及び中継線61、第2層間絶縁膜302、画素電極13、第3層間絶縁膜303、発光機能層18、及び対向電極5を含む。
既述の駆動素子9は、上述の各要素のうち半導体層1、ゲート絶縁膜300、及びゲートメタル3を含む。半導体層1におけるソース領域には、コンタクトホール361を介して信号線6が接続されており、ドレイン領域には、コンタクトホール362を介して中継線61が接続されている。なお、コンタクトホール361及び362は、いずれも第1層間絶縁膜301を貫通するようにして形成されている。
このように、本実施形態においては、駆動素子9は、その具体的形態として薄膜トランジスタという形をとる。
なお、図2を参照して説明した駆動回路11は、いま述べた駆動素子9を含むほか、図3には示されないその他の容量素子や配線等の各種の回路素子を含む。
また、有機EL素子8は、画素電極13、発光機能層18及び対向電極5を含む。
このうち画素電極13は、コンタクトホール363を介して、前述の中継線61に接続されている。これにより、画素電極13は、駆動素子9に電気的に接続される。なお、コンタクトホール363は、第2層間絶縁膜302を貫通するようにして形成されている。
発光機能層18は、画素電極13上に、素子基板7の全面を覆うかのようにして形成されている。この発光機能層18は、少なくとも有機発光層を含み、この有機発光層は正孔と電子が結合して発光する有機EL物質から構成されている。本実施形態では、有機EL物質は高分子材料であって、例えば、その材料は、インクジェット法、ディスペンサ法などの液体供給方法で供給される。発光機能層18を構成する他の層として、電子ブロック層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層及び正孔ブロック層の一部又は全部を備えていてもよい。
本実施形態では、この発光機能層18は、一様に赤色光を発する。
対向電極5は、発光機能層18を挟んで画素電極13と対向するように形成される。また、対向電極5は、光を反射する機能をもつ。対向電極5で反射された光は、素子基板7の側に向けて進行する。対向電極5は、その反射性能をよりよく発揮するため、光反射性能の比較的高い材料から作られているとよい。例えば、アルミニウムや銀等を利用することができる。
このような構成を持つ有機EL素子8は、画素電極13及び対向電極5間に所定の電流が流れることで、光L1及びL2を発する。以下、これらの光L1及び光L2に分けて説明を行う。
光L1は、図示するように、有機発光層内の一点で発し、そのまま素子基板7の方に向かう光(以下、「第1光」という。)L11と、前記一点で発し、対向電極5で反射した後、素子基板7の方に向かう光(以下、「第2光」という。)L12と、を含む。これら第1光L11又は第2光L12は、積層構造物50及び素子基板7を透過しながら図中下側に向かって進行する(図1も参照)。このように、発光機能層18から発せられた光は、第1基板10が存在する側に進行するようになっているので、本実施形態の発光装置10は、いわゆるボトムエミッション型である。
ここで、前記の第1光L11及び第2光L12が、積層構造物50を透過するようになっていることから、これら第1光L11及び第2光L12間、あるいは第1光L11又は第2光L12のうち積層構造物50内の適当な界面で適当回数反射を繰り返した光間等では、干渉が生じる。この点に関し、何らの対策をも施さない場合は、前記各種の光間で減衰的干渉が生じる結果、最終的に、素子基板7の図3中下面から出射する光の強度が著しく低下する、という不具合が生じかねない。
そこで、本実施形態では、前記積層構造物50を透過する前記各種の光間で、増幅的干渉が生じるように、当該積層構造物50を構成する各層の材料への配慮を払いながら、その膜厚が調整されている。ここで「増幅的干渉」とは、基本的には、素子基板7を出射する地点において、前記各種の光それぞれの波の位相が揃っているような場合に生じる干渉を意味している。これによれば、前記各種の光は互いに強めあう関係におかれるので、出射光の強度が一定程度以上に維持され得ることになる。
このような「増幅的干渉」を生じさせるためには、一般的には、前述の事項から、利用しようとする光の波長の整数倍が、当該光が透過する光学的距離に一致すればよい。なお、ここでいう光学的距離は、当該の波長及び積層構造物50を構成する各層の材料の相違(即ち、屈折率の相違)に基づいて求められる。より具体的に、ある層の物理的厚さがdであり、その屈折率がnであれば、その光学的距離はndである。
図4には、前述の「増幅的干渉」を生じさせるのに好ましい、積層構造物50の膜厚構成例が示されている。この図4では、光L1の透過に関係する、第1層間絶縁膜301、第2層間絶縁膜302、及び画素電極13が、それぞれ、SiN、SiO及びITO(Indium Tin Oxide)からなるとして、それらの膜厚がそれぞれ、110nm、120nm及び80nmと定められている。
なお、この図4に関しては、以下の各点につき注意を要する。
(1) 本発明にいう「発光強度維持膜」は、前述した、あるいはこの図4に示した、第1層間絶縁膜301、第2層間絶縁膜302及び画素電極13という複数の層間膜の一体が該当する。つまり、これらそれぞれの膜厚の合計値が、本発明にいう「発光強度維持膜」の「膜厚」に該当する。
(2) 図4に示す数値を求める前提として、本実施形態においては、既に述べたように、利用しようとする光が赤色光であることが前提とされている。
(3) 図4では、発光機能層18が有機発光層及び正孔注入層から構成される場合において、これら各層の膜厚の適正化例についても示されている。
(4) 図4では、対向電極5がアルミニウムから作られている場合において、その膜厚の適正化例についても同時に示されている。このように対向電極5の膜厚を適正化しておくことの意義は、当該対向電極5の素子基板7に対向する側の界面で反射する光(即ち、図3に示すように反射する光)と、当該対向電極5を透過しつつ素子基板7に対向しない側の界面で反射した後、再び対向電極5を透過する光との間の干渉についても考慮に入れられることにある。
次に、光L2について説明する。
この光L2もまた、図3に示すように、有機発光層内の一点で発し、そのまま素子基板7の方に向かう光L21と、前記一点で発し、対向電極5で反射した後、素子基板7の方に向かう光L22とを含むという点について、前記光L1と変わりはない。
この光L2が、前記光L1と相違するのは、積層構造物50を構成する第3層間絶縁膜303との関係においてである。ここで第3層間絶縁膜303は、図3に示すように、有機EL素子8の一部、とりわけその構成要素たる画素電極13の一部を覆うように、当該画素電極13の上に形成されている。これにより、第3層間絶縁膜303は、その形成領域の範囲内において画素電極13及び対向電極5間に電流が流れることを防止し、もって当該形成領域に対応する発光機能層18における発光現象が生じるのを防止する。
このように、発光領域RL(図3参照)が規制されるならば、図2に示した、相隣接する有機EL素子8間の画定が明確になされ、また、両者各々が発する光の混合等が防止される。
そして、光L2とは、図3に示すように、この第3層間絶縁膜303の形成領域に対応する発光機能層18内で発生した光である(これとは逆に、光L1とは、第3層間絶縁膜303の形成領域以外の領域に対応する発光機能層18内で発生した光、である。)。このような光L2は、前述した第3層間絶縁膜303の機能によれば、本来発生してはならない光である。しかしながら、光L1を発生させるための、画素電極13及び対向電極5間に流れる所定の電流は、図3中左右方向にいわば漏れるかのようにして、第3層間絶縁膜303の形成領域に対応する発光機能層18にも流れ得る。光L2は、そのようないわば“漏れ電流”によって発生する光である(ただし、光L2と光L1とは、いずれも発光機能層18から発する光であるという点で本質的な相違があるわけではなく、その意味で、両者の区別はいわば便宜的になされているに過ぎないという側面をもつ。)。
このような光L2は、光L1と同様、素子基板7外へと出射する。すなわち、当該光L2は、図3に示すように、積層構造物50及び素子基板7を透過しながら図中下側に向かって進行する。なお、第3層間絶縁膜303があったとしても、光は、その内部を透過する。
このように発光領域RL以外の領域(以下、「制限領域」ということがある。)から光が出射してくることだけでも問題があるが、本実施形態では加えて次のような問題も生じる。すなわち、本実施形態では、前述のように、積層構造物50を構成する各層の膜厚は、光L1に関する増幅的干渉が生じるように調整されているのであるから、このような増幅的干渉は、光L2に関しても(より正確には、前記の光L21及び光L22の間、あるいはこれら光L21又は光L22のうち積層構造物50内の適当な界面で適当回数反射を繰り返した光の間等で)同様に生じ得る。そうすると、制限領域から出てきた光でありながら、その強度が必要以上に大きくなってしまうおそれがあるのである。
そこで、本実施形態では、前記第3層間絶縁膜303を透過する前記各種の光間で、減衰的干渉が生じるように、当該第3層間絶縁膜303の材料への配慮を払いながら、その膜厚が定められる。ここで「減衰的干渉」とは、基本的には、素子基板7を出射する地点において、前記各種の光それぞれの波の位相が一定程度ずれているような場合に生じる干渉を意味している。これによれば、前記各種の光は互いに弱めあう関係におかれるので、出射光の強度が一定程度低められ得ることになる。
このような「減衰的干渉」を生じさせるためには、一般的には、前述の事項から、利用しようとする光の波長の整数倍と、当該光が透過する光学的距離とが一定程度ずれていればよい。この「ずれ」の程度は、好適には、素子基板7を出射する地点において、ある光の波長の“山頂”が位置する場合に、それに干渉する光の波長の“谷底”が対応するという関係が満たされるように、定められているとよい。その場合、各種の界面で光が反射する時、当該光に位相変化が生じることにも考慮を払うとなお好適である。
図5には、第3層間絶縁膜303の膜厚が変化する場合において、前記制限領域における光強度の、前記発光領域RLの光強度に対する割合(以下、「発光強度比」という。)がどのように変化していくかが示されている。この図5により、前述の「減衰的干渉」を生じさせるのに好ましい、第3層間絶縁膜303の膜厚をみつけることができる。
なお、この図5では、積層構造物50を構成する各層(第3層間絶縁膜303を除く。)の膜厚が、図4のように調整済みであることが前提とされている。また、かかる図5のような結果は、理論的、経験的(実験的)、あるいはシミュレーション等によって得られる。
この図5によれば、第3層間絶縁膜303の膜厚の変化に連れて、発光強度比は、周期的に変化していく様子がわかる。そして、膜厚が120nmのとき、発光強度比は最小になる。つまり、このとき、制限領域から出射しようとする前述した各種の光間では、減衰的干渉が最も効果的に生じているのである。ちなみに、この減衰的干渉は、第3層間絶縁膜303の膜厚に加えて、前述した「発光強度維持膜」、即ち第1層間絶縁膜301、第2層間絶縁膜302及び画素電極13それぞれの膜厚を併せた膜厚をもつ、いわば「発光強度減殺膜」によって生じさせられている、と考えることも可能である(つまり、この「発光強度減殺膜」の一部が、本発明にいう「発光強度維持膜」によって構成されていると考えるのである。)。
なお、図5をみるとわかるように、発光強度比が0.3以下となるのは、第3層間絶縁膜303の膜厚が概ね100〜150nm程度にあるときである。発光強度比は、低ければ低い程好ましい、ということは当然いえるが、現実にこれを0とすることは殆ど不可能に近いことを考えると、制限領域における光強度を、発光領域における光強度の30%以下にするという目標は、相隣接する有機EL素子8間の明確な区別を実現するという大きな目的を達成するためには、現実的な目標として一定程度好適である。前記の膜厚の範囲(100〜150nm)は、その「30%以下」を実現しうるのであるから、前記膜厚120nmが最好適であるのは格別、次善の策としては、第3層間絶縁膜303の膜厚は当該範囲内におさめられるのが好ましい。
図6は、第3層間絶縁膜303の膜厚を120nmにした場合における1画素分の発光強度プロファイルを示している。この図6において、実線で示すプロファイルPr1は、発光領域RL内では一定の発光強度を維持するとともに、この発光領域RLの両端に接続する制限領域内では、その発光が殆ど抑制されていることがわかる。
ちなみに、図6において、破線で示すプロファイルPr2は、前述のような膜厚調整を行わない場合、より具体的には当該膜厚が50nmである場合の発光強度を示している(図5も参照。「50nm」とは、図5では横軸の最左端の値に一致し、発光強度比が約0.6である場合に該当する。)。このプロファイルPr2とプロファイルPr1とを比較するとわかるように、後者は前者に比べて、制限領域における発光強度のみが著しく低下していることがわかる。また、発光領域RLの直径φ1が40μmである場合、これらプロファイルPr1及びPr2に関する裾の広がりφ2及びφ3は、それぞれ、φ2≒40μm(即ち、φ1≒φ2)、φ3≒45μmである。このように、プロファイルPr1は、プロファイルPr2に比べて、光が届く領域の拡大をも防止する。
以上説明したように、本実施形態に係る発光装置10によれば、以下に記す効果が奏される。
すなわち、本実施形態によれば、一方で、発光領域RLにおける増幅的干渉が生じるように、第1層間絶縁膜301等を含む発光強度維持膜の膜厚が調整されるとともに、他方で、制限領域における減衰的干渉が生じるように、第3層間絶縁膜303の膜厚が調整されることから、前記発光強度比は、極めて低くなる。これは言い換えると、相隣接する有機EL素子8間の画定が明確になされ、それら各々から発する光間の混合等を生じさせるおそれを極めて低減することを意味する。
要するに、本実施形態によれば、複数の有機EL素子8の各々から発した光の強度を維持しながら、当該光を所定の領域のみに至らせることが可能となるのである。
これにより、本実施形態に係る画像形成装置によれば(図1参照)、感光体ドラム110の上に極めて正確に静電潜像を形成することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明に係る発光装置は、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形が可能である。
(1) 上述した実施形態では、既述のように、図5は図4を前提とし、図4は発光機能層18から発せられる光が赤色光であることを前提としているが、本発明は、かかる形態に限定されない。本実施形態が赤色光を前提としているのは、感光体ドラム110の外表面に静電潜像を形成するのに赤色光が好適であるという事情に基づいてのことであり、発光領域から出射する光強度を維持しつつ、制限領域から出射しようとする光を減衰させる、という本発明の基本的思想に照らせば、その光が、緑色光であっても、青色光であっても、あるいは白色光であっても何ら特別な問題は生じない。要するに、本発明は、どのような色を持つ光に対しても、その適用が可能である。
(2) 上述の実施形態では、発光装置10が、1列に並ぶ複数の有機EL素子8をもち(図2参照)、かつ、当該発光装置10が画像形成装置(プリンタ)の光ヘッドに適用される例(図1参照)について説明しているが、本発明は、かかる形態にも限定されない。「発光装置」は、例えばマトリクス状に配列された複数の有機EL素子をもち、かつ、当該発光装置が画像表示装置上の画像構成に必要な照明装置として利用されてよい。
(3) 上述の実施形態では、図3において積層構造物50の最上層が対向電極5とされているが、この対向電極5の上には更に、エポキシ樹脂等からなる充填材、SiON、SiO等からなる封止膜、アクリル樹脂等からなる平坦化膜、等々の各種の膜が備えられてよい。このうち封止膜は、有機EL素子8等を水分及び酸素の進入から保護する。
また、以上は素子基板7側の積層構造物に関して述べているが、発光装置全体としてみれば、このような積層構造物に加えて、素子基板に対向する別の基板を備えるとともに、この別の基板の上に前記積層構造物とは別の積層構造物を備えるような構造をもっていてもよい。この別の積層構造物は、例えば、当該別の基板を基準として、その上に向かって順に、カラーフィルタ、遮光膜及オーバーコート層、等々の各種の膜を備え得る。この場合、例えば、素子基板7上の積層構造物の最上層と、前記別の基板上の積層構造物の最上層とが向かい合わせになるようにして貼り合わされて、発光装置全体が構成される、ということになる。
<応用>
次に、本発明に係る有機EL装置を適用した電子機器について説明する。
<画像形成装置>
以上の各態様に係る発光装置は、電子写真方式を利用した画像形成装置における像担持体に潜像を書き込むためのライン型の光ヘッドとして利用され得る。画像形成装置の例としては、プリンタ、複写機の印刷部分及びファクシミリの印刷部分がある。図7は、発光装置10をライン型の光ヘッドとして用いた画像形成装置の一例を示す縦断面図である。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像形成装置である。
この画像形成装置では、同様な構成の4個の有機ELアレイ10K,10C,10M,10Yが、同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの露光位置にそれぞれ配置されている。有機ELアレイ10K,10C,10M,10Yは、以上に例示した何れかの態様に係る発光装置10である。
図7に示すように、この画像形成装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122とが設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
この中間転写ベルト120の周囲には、外周面に感光層を有する4個の感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが互いに所定の間隔をおいて配置される。添え字K,C,M,Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、有機ELアレイ10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)が配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ10(K,C,M,Y)は、感光体ドラムの帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。各有機ELアレイ10(K,C,M,Y)は、複数の発光素子Pの配列方向が感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、上記の複数の発光素子Pによって感光体ドラムに光を照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされ、この結果としてフルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
次に、本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態について説明する。図8は、発光装置10をライン型の光ヘッドとして用いた他の画像形成装置の縦断面図である。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリ現像式のフルカラー画像形成装置である。図8に示す画像形成装置において、感光体ドラム165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリ式の現像ユニット161、有機ELアレイ167、中間転写ベルト169が設けられている。
コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。有機ELアレイ167は、以上に例示した各態様の発光装置10であり、複数の発光素子Pの配列方向が感光体ドラム165の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、これらの発光素子Pから感光体ドラム165に光を照射することにより行う。
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166及びテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、有機アレイ167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、有機アレイ167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム165が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
画像形成装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近及び離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
以上のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再び定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
図7及び図8に例示した画像形成装置は、発光素子を露光手段として利用しているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。なお、以上に例示した以外の電子写真方式の画像形成装置にも本発明の発光装置を採用することができる。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムから直接シートに顕像を転写するタイプの画像形成装置や、モノクロの画像を形成する画像形成装置にも本発明に係る発光装置を応用することが可能である。
また、本発明に係る発光装置は、上述のような「画像形成装置」に、その適用範囲は限定されない。例えば、前記画像形成装置等の電子機器以外の各種の電子機器における照明装置としても、本発明に係る発光装置は採用される。このような電子機器としては、例えば、ファクシミリ、複写機、複合機、プリンタなどが挙げられる。これらの電子機器には、複数の発光素子を面状に配列した発光装置が好適に採用される。
本発明の発光装置を光ヘッドとして含む画像形成装置の一部の構成を示す斜視図である。 図1の発光装置の平面図である。 図2のXX´断面図である。 図2に示す各層の膜厚構成例を示す図である。 図2の第3層間絶縁膜303の膜厚の変化に応じて、発光領域における光強度に対する制限領域における光強度の割合(発光強度比)がどのように変化していくか示すグラフである。 図2の第3層間絶縁膜303の膜厚を120nmにした場合における1画素分の発光強度プロファイルを示すグラフである。 画像形成装置の一例を示す縦断面図である。 画像形成装置の別例を示す縦断面図である。
符号の説明
10……発光装置、7……素子基板、12……カバー基板、8……有機EL素子(発光素子)、9……駆動素子、11……駆動回路、14……電源線、16……共通線、1……半導体層、3……ゲートメタル、6……信号線、361,362,363……コンタクトホール、13……画素電極、5……対向電極(反射膜)、18……発光機能層、300……ゲート絶縁膜、301……第1層間絶縁膜、302……第2層間絶縁膜、303……第3層間絶縁膜(発光規制膜)、L1,L2……光、RL……発光領域、RR……制限領域

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された発光素子と、
    前記発光素子から発せられた第1光を前記基板の側に向けて反射する反射膜と、
    前記基板及び前記発光素子間に挟まれるように形成され、少なくとも前記第1光と該第1光が前記反射膜で反射した第2光との間、で、増幅的干渉を生じさせるようにその膜厚が調整された発光強度維持膜と、
    前記発光素子の一部を覆うように、当該発光素子と前記基板との間に形成された発光規制膜と、
    を備え、
    前記発光規制膜は、少なくとも当該発光規制膜を透過する前記第1光と前記第2光との間、で減衰的干渉を生じさせるような膜厚をもつ、
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光規制膜の膜厚は、
    当該発光規制膜によって覆われない部分における前記第1光及び前記第2光の干渉の結果の光強度に対する、当該発光規制膜によって覆われる部分における前記光強度の割合が、最小となるように、
    定められる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光素子は、
    第1電極、及び、これに対向する第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極間に挟まれ、電流が流されることで前記第1光を発する発光機能層と、
    を含み、
    前記発光規制膜は、電気絶縁性をもち、かつ、
    前記第1電極及び前記第2電極間に電流が流れないように、これら第1電極及び第2電極の少なくとも一方の一部を覆うように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記第1光は、
    前記第1電極及び前記第2電極間に流れる電流が、前記発光規制膜の形成領域に対応する前記発光機能層に流れることによって発生する第1・発光領域外光を含み、
    前記第2光は、
    前記第1・発光領域外光が前記反射膜で反射した第2・発光領域外光を含み、
    前記減衰的干渉は、
    少なくとも前記第1・発光領域外光と前記第2・発光領域外光との間で生じる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記第1電極及び前記第2電極のいずれか一方は、前記反射膜を兼ねる、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の発光装置。
  6. 前記発光強度維持膜は、複数の層間膜を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記発光規制膜は、前記発光強度維持膜に重ねられるようにして形成され、
    前記減衰的干渉は、
    前記発光規制膜の膜厚と前記発光強度維持膜の膜厚とを合計した膜厚に基づいて生じる、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記発光規制膜の膜厚は、100〜150nmである、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光装置を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
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