JP2008086360A - 針状体の製造方法及び針状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】先端角およびその高さを容易に制御可能とし、高い精度でアレイ状に一体成型することの出来る針状体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の針状体の製造方法は、透明基板側からレジスト層を露光することで、高度な位置合わせの必要が無く、エッチングで設けられた溝の部分に対応するレジスト層のみに選択的に露光することが出来る。このため、露光に際して厳密なアライメントを必要とせず、簡便に針状体を製造することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細な針状体の製造方法及び針状体に関するものである。
皮膚上から薬剤を浸透させ体内に薬剤を投与する方法である経皮吸収法は、人体に痛みを与えることなく簡便に薬剤を投与することが出来る方法として用いられているが、薬剤の種類によっては経皮吸収法では投与が困難な薬剤が存在する。これらの薬剤を効率よく体内に吸収させる方法として、ミクロンオーダーの無数の針状体(マイクロニードルとも称する)を用いて皮膚を穿孔し、皮膚内に直接薬剤を投与する方法が注目されている。この方法によれば、投薬用の特別な機器を用いることなく、簡便に薬剤を皮下投薬することが可能となる(特許文献1参照)。
この際に用いる針状体の形状は、皮膚を穿孔するための十分な細さと先端角、および皮下に薬液を浸透させるための十分な長さを有していることが必要とされ、針状体の直径は数μmから100μm、針状体長さは皮膚の最外層である角質層を貫通し、かつ神経層へ到達しない長さ、具体的には数十μmから数百μm程度のものであることが望ましいとされている。また、針状体を構成する材料としては、仮に破損した針状体が体内に残留した場合でも、人体に悪影響を及ぼさない材料であることが必要であり、この材料としては医療用シリコン樹脂や、マルトース、ポリ乳酸、デキストラン等の生分解材料が有望視されている(特許文献2参照)。
このような微細構造を低コストかつ大量に製造するためには、射出成型法、インプリント法、キャスティング法等に代表される転写成型法が有効であるが、いずれの方法においても成型を行うためには所望の形状を凹凸反転させた金型が必要であり、針状構造体のようなアスペクト比(構造体の直径に対する高さ、もしくは深さの比率)が高く、針状構造体先端部の先鋭化が必要である構造体を形成するためには、その製造工程が非常に複雑となる。
この針状構造体作製方法として、例えば、シリコンウェハ等の単結晶材料の結晶面方位ごとのエッチングレート差を利用した異方性ウェットエッチングを行うことにより、針状構造体の先端の先鋭化を実現しているが、高アスペクト比の針状構造体形状を得るために、高精度のアライメントを有するダイシング、針状構造体側壁保護膜の形成、多種の薬液処理等の工程が必要となる。また、先端部の先鋭化には、異方性ウェットエッチングの厳密な時間制御が必要となり、各工程に高度な加工技術が必要となる(特許文献3参照)。
また、露光マスクを移動させながら、露光し、露光量を変化させて針状構造体の先端角を制御する方法(特許文献4参照)や、薬液を用いたウェットエッチングとプラズマエッチングを組み合わせた方法(特許文献5参照)等、様々な方法が発案されている。
特許文献等は以下の通り。
米国特許第6,183,434号明細書 特開2005−154321号公報 特開2002−79499号公報 特開2005−246595号公報 特開2002−239014号公報
針状体を均一なテーパー角度で形成する場合、針状体は角錐または円錐形状となるので、針の長さと先端角度は、どちらか一方の値を決めると、他方の値も決定する。しかしながら、上述の通り薬剤供給の効率および被験者の痛みの観点から針状体の長さは決定されるべきであり、また針状体の先端角度は皮膚の貫通性や針状体の強度によって決定されなければならない。したがって、針状体は所望の先端角度を有し、先端角度によらず、所望の長さを有することが望ましい。
また、エッチングで針状体の型を一括成形する場合、針状体の胴体部に対応するパターンのアスペクト比が非常に高くなるため、基板のエッチングに寄与するイオンやラジカルが、針状体先端部に対応するパターンまで到達しづらくなる(以下、ローディング効果と呼称する)。このため、先端部を先鋭化することが難しい。
また、露光を行う工程を有する従来の針状体の製造方法においては、露光マスクと基板との間に位置合わせ(以下、アライメントと呼称する)が高度に必要であった。特に、アレイ状に針状体が並ぶ構造体を製造する際には、アライメントがわずかにズレただけで、所望する構造体を得ることは出来ない。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、先端角およびその高さを容易に制御可能とし、高い精度でアレイ状に一体成型することの出来る針状体の製造方法及び針状体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、遮光層と、透過層とを備えた基板に、前記基板の遮光層側から穿孔パターンを形成する工程と、前記基板の遮光層側にレジスト層を設ける工程と、前記基板の透過層側から光を入射し、レジスト層に露光を行う工程と、前記レジスト層に現像処理を行う工程と、前記レジスト層側から針状体材料を充填する工程と、前記針状体材料を離型する工程とを備えたことを特徴とする針状体の製造方法である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の針状体の製造方法であって、遮光層にアレイ状のパターニングを行うことを特徴とする針状体の製造方法である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2のいずれかに記載の針状体の製造方法であって、基板と露光光の相対角度が異なる露光を、複数回行うことを特徴とする針状体の製造方法である。ここで、複数回とは、複数の露光光を照射し、一度に露光する方法、露光光を複数のレンズ等で調整して疑似的に多方向から一括照射する様にする方法、連続露光、疑似拡散光などの場合も含むものとする。
請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれかに記載の針状体の製造方法で作製した針状体を母型とし、前記母型から複製版を作り、転写加工成形を行うことを特徴とする針状体の製造方法である。
請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれかに記載の針状体の製造方法により製造された針状体である。
本発明の針状体の製造方法は、遮光層と、透過層とを備えた基板に、前記基板の遮光層側から穿孔パターンを形成する工程と、前記基板の遮光層側にレジスト層を設ける工程と、前記基板の透過層側から光を入射し、レジスト層に露光を行う工程と、前記レジスト層に現像処理を行う工程と、前記レジスト層側から針状体材料を充填する工程と、前記針状体材料を離型する工程とを備えたことを特徴とする。
このとき、基板に穿孔パターンを設ける工程において、穿孔パターンの形状を制御することにより、製造される針状体の先端部の形状を制御することができ、続くレジスト層を形成する工程において、レジスト層の厚みを制御することにより、製造される針状体の長さを制御することが出来る。つまり、針状体の先端形状を決定する工程と、針状体の長さを決定する工程とを個別に行うことが出来るため、針状体の先端形状と長さを精度良く制御することが出来る。よって、針状体の形状および寸法を任意に設計し、製造することが可能となる。特に、針状体の先端形状を決定する工程を独立して行うことが出来るため、針状体先端部の形状、角度を、ローディング効果の影響を考慮せずに、設計し、製造することが出来、先端部を先鋭化することが可能となる。
また、透過層側からレジスト層を露光することで、高度な位置合わせの必要が無く、穿孔パターンの部分に対応するレジスト層のみに選択的に露光することが出来る(自己整合露光)。このため、露光に際して厳密なアライメントを必要とせず、簡便に針状体を製造することが可能となる。
また、本発明の針状体の製造方法は、遮光層にアレイ状のパターニングを行うことを特徴とする。
遮光層にアレイ状のパターニングを行い、穿孔パターンを形成し、針状体材料を充填することで、複数の針状体がアレイ状に並んだ構造体を形成することが出来る。このとき、針状体材料をレジスト層表面にまで形成することで、アレイ状に配列された針状体およびシート状の支持部を容易に一体成形し、製造することが可能となる。
また、本発明の針状体の製造方法は、透明基板と露光光の相対角度が異なる露光を複数回行うことを特徴とする。
これにより、先端部の形状を変更することなく支柱部根元部の径を変更することが出来る。このため、刺突の際に大きな応力がかかる根元部が補強された形状の針状体を製造することができ、刺突の際に折れにくいという効果を奏する針状体を製造することが可能となる。
また、続く転写加工成形の工程において、針状体材料を離型する際に、製造される針状体の根元部にかかる大きな応力が分散されるため、転写された針状体の離型性が向上するという効果を奏する。
また、本発明の針状体の製造方法は、作製した針状体を母型とし、前記母型から複製版を作り、転写加工成形を行うことを特徴とする。
これにより、様々な材料に製造された針状体の形状を転写することが出来る。このため、例えば、生体適合樹脂(医療用シリコン樹脂や、マルトース、ポリ乳酸、デキストラン等)に転写することで、生体に低負荷の材料を用いた針状体を製造することが可能となる。また、一体成形された機械的強度の高い複製版を作成することにより、同一の複製版で多量の針状体を製造することが出来るため、生産コストを低くし、生産性を高めることが可能となる。
以下、本発明の針状体の製造方法の一例について図1を用いて説明を行う。
まず、基板(101)を用意する(図1(a)参照)。この際に用意する基板は遮光層(102)と光透過層(103)の2層からなるものであり、遮光層は光透過層をエッチングする際のエッチングマスク及び、その後のリソグラフィー工程での遮光マスクとしての役割を担う。このため遮光層はそれ自体が加工可能であること、及びその後のリソグラフィーで十分な遮光性が得られることが必要となる。光透過層はウェットエッチング、もしくはドライエッチングにより加工され、最終的には針状構造体の先端部となるため、光透過層に必要な特性としては所望の形状に加工する手段があること、及びその後のリソグラフィー工程で十分な光量が確保可能な光透過性を有することが必要である。用意する基板としては、これらの特性を満たすものであれば良く、例えばフォトマスク用として一般的に用いられるブランクスは石英状にCrを形成したものが挙げられ、このブランクスを基板として用いる場合、石英を光透過層、Crを遮光層として用いることが出来る。
<穿孔パターンを形成する工程>
次に、基板上に遮光層及び光透過層のパターニング用のエッチングマスク(104)を形成する。エッチングマスクとしては、遮光層及び光透過層とのエッチング選択比(加工対象のエッチングレートに対するエッチングマスク自体のエッチングレート)が得られるものであれば良く、遮光層自体が光透過層の加工時にエッチングマスクとして機能する場合は、エッチングマスク(104)は遮光層のパターニング用としてのみ用いることも可能である。このエッチングマスクを用いて針状構造体の先端部を形成するための穿孔パターン(105)を形成する(図1(b)参照)。
針状体先端部の形状に対応する穿孔パターンの加工法としては、
(1)まず、開口径の小さいレジストパターンをエッチングマスクとしてエッチングを行った後に、より大きい開口径のレジストパターンをエッチングマスクとして多段エッチングを行う方法や、
(2)露光マスクにグラデーションをつける、所謂、グレーマスクを用いてレジストパターン自体にテーパーを形成し、エッチングする方法、
等も用いることが出来る。
また、穿孔パターンの形成方法として、YAGレーザーやフェムト秒レーザー等の直接加工により穿孔パターンを形成する場合には、エッチングマスク(104)を形成することなく直接穿孔パターンを形成しても良い。
本発明では、針状体先端部となる穿孔パターンを独立して加工することが出来るため、針状体の型を一括成形する場合に比べ、針状体先端部の加工を容易に行うことが可能となる。
<基板の遮光層側にレジスト層を設ける工程>
次に、穿孔パターン形成後の基板上にレジスト層(106)を形成する(図1(c)参照)。このレジストは感光することにより溶媒に対する溶解速度が向上する、いわゆるポジ型レジストである。このレジスト膜厚が針状構造体の支柱部の高さとなるため、レジスト膜厚を制御することで最終的な針状構造体の高さを制御することが可能となる。この際のレジスト層は所望の膜厚を形成することが可能であれば良く、形成方法はスピンコート法、スプレーコート法、スリットコート法等の一般的なコート方法で形成することが可能である。またレジスト層として使用する材料は、いわゆるポジ型のものであれば良く、例えば、レジストの代わりに感光性のドライフィルムを遮光層上に張り合わせて用いることも可能である。
<レジスト層に露光を行う工程>
次に、前記レジスト層を基板の透過層側より全面露光(107)することでレジスト層
(106)のパターニングを行う(図1(d)参照)。このレジストパターンの開口部(108)が針状構造体の支柱部となる。前述の通り、露光マスクは光透過層上に形成されている遮光層となる。このためパターニングは遮光層上に形成された開口部により自己整合的に位置あわせがなされるため、通常の重ね露光時に必要となるパターンのアライメントを行う必要がなく、簡便かつ高精度な露光を行うことが可能となる。
また、基板と露光光の相対角度が異なる露光を、複数回行ってもよい。
ここで、相対角度とは、露光光の進入方向に対して基板が成す角度(図2(a)参照)であり、基板、露光光のどちらか一方もしくは両方を傾けることにより、変更することが出来る。また、複数回露光とは、相対角度が異なる露光の積算露光を指すものとする。従って、複数回露光では、例えば基板側に相対角度が一定の速度で変化するような回転機構を設け、基板を回転させながら連続的に露光を行う場合や、擬似拡散光等の相対角度が異なる露光光を一括で露光する場合も複数回露光に含むものとする。
これにより、図2の様に露光時に基板に一定の角度を持たせる(201)ことで(図2(a)参照)、レジストの開口をテーパー形状(202)とすることが可能となるため(図2(b)参照)、先端部の形状を変更することなく支柱部根元の径を変更することができ、これにより最終的に形成される針状構造体の機械強度を向上させることも可能である。
<レジスト層に現像処理を行う工程>
次に、現像処理を行い、針状構造体成型用金型(109)を得る(図1(e)参照)。このとき、現像処理の方法としては、選択したレジスト層に対応した適宜公知の方法を用いることが出来る。
<針状体材料を充填する工程>
次に、針状構造体成型用金型(109)に針状体材料を充填する(図示せず)。
このとき、針状体材料の材質および充填方法は特に制限されず、選択した材料に対して好適な方法を適宜選択することが出来る。
例えば、針状体材料として、ニッケルや銅などの金属または合金を用いる場合、針状体材料の充填方法としては、めっき法、PVD法、CVD法などを好適に適用することが出来る。
また、針状体材料として、シリコン、石英、アルミナ等の無機化合物を用いる場合、針状体材料の充填方法としてはPVD法、CVD法、焼結法を好適に用いることが出来る。
また、針状体材料として、ポリエチレン、ポリカーボネート、PET等の有機化合物を用いる場合、針状体材料の充填方法としてインプリント法、ホットエンボス法、射出成形法およびキャスティング法が好適に用いることが出来る。
ここで、針状体材料として医療用シリコン樹脂や、マルトース、ポリ乳酸、デキストラン等の生体適合性材料を選択すれば、生体用途に適用可能な針状体を製造することが出来る。
また、後述する針状体材料を針状構造体成型用金型(109)から剥離する工程において、針状体材料の剥離性を向上させるために、針状体材料の形成前に、針状構造体成型用金型(109)の表面上に離型効果を増すための離型層を形成してもよい(図示せず)。
離型層としては、例えば広く知られているフッ素系の樹脂を用いることが出来る。
また、離型層の形成方法としては、PVD法、CVD法、スピンコート法、ディップコート法等の薄膜形成手法を好適に用いることができる。
<針状体材料を離型する工程>
次に、針状体材料と針状構造体成型用金型(109)を分離する工程を実施する。
針状体材料と針状構造体成型用金型(109)に物理的な剥離力を加えて剥離し、針状体110を得る(図1(f)参照)。
針状体材料と針状構造体成型用金型(109)の密着性が強いために、物理的な剥離力による両者の分離が困難な場合は、針状体材料と針状構造体成型用金型(109)のエッチング選択性の違いを利用したエッチング法によって、針状構造体成型用金型(109)のみを選択的に除去してもよい。
以上より、先端形状および長さの制御が容易な微細な針状体を製造することが出来る。本発明の針状体の製造方法は針状体の先端形状を決定する工程と、針状体の長さを決定する工程とを個別に行うことが出来るため、針状体の先端形状と長さを精度良く制御することが出来る。このため、針状体の形状および寸法を任意に設計し、製造することが可能となる。これにより、所望の先端形状を有し、且つ所望の長さを有する針状体を、容易に作製することが出来る。
<針状体の転写加工成形>
以下、図3を用いて、針状体の転写加工成形について説明を行う。
前記製造した針状体(110)を母型とし、鋳型層(301)を形成し、複製版(302)を形成する。
まず、針状体(110)が形成された面に、複製版(302)を形成するための鋳型層(301)を形成する(図3(a))。
このとき、針状構造体成型用金型(109)を形成する際は、形状の加工方法によって材質の制限があったが、複製版(302)を形成する場合の材質の制限は大きく緩和されるという利点がある。
このため、鋳型層(301)の材質については、特に制限されず、複製版として機能するだけの形状追従性、後述する転写加工成形における転写製、耐久性および離型性を考慮した材質を選択することが出来る。
例えば、鋳型層(301)の材質としてニッケルを用いても良い。この場合、ニッケル膜の形成方法としては、メッキ法、PVD法、CVD法などが挙げられる。
次に、針状体(110)と鋳型層(301)を分離し、複製版(302)を得る(図3(b))。
針状体(110)と鋳型層(301)を分離する方法としては、前述した針状構造体成型用金型(109)と針状体(110)を分離する場合と同様に、物理的な剥離力による分離または選択性エッチング法を用いることが出来る。
次に、複製版(302)に針状体材料を充填する(図3(c))。
針状体材料は特に制限されないが、生体適合性材料である医療用シリコン樹脂や、マルトース、ポリ乳酸、デキストラン等を用いることで、生体に適用可能な針状体を形成出来る。
針状体材料の充填方法についての制限は無いが、生産性の観点から、インプリント法、ホットエンボス法、射出成形法、押し出し成形法およびキャスティング法を好適に用いることが出来る。
次に、針状体材料を複製版(302)から離型し、転写成形された針状体(303)を得る(図3(d))。
このとき、複製版(302)の剥離性を向上させるために、針状体材料の充填前に、複製版(302)の表面上に離型効果を増すための離型層を形成してもよい(図示せず)。
離型層としては、例えば広く知られているフッ素系の樹脂を用いることが出来る。
また、離型層の形成方法としては、PVD法、CVD法、スピンコート法、ディップコート法等の薄膜形成手法を好適に用いることができる。
以上より、針状体の転写加工成形を実施することが出来る。一体成形された機械的強度の高い複製版を作成することにより、同一の複製版で多量の針状体を製造することが出来るため、生産コストを低くし、生産性を高めることが可能となる。
以下に実施例に基づき発明の詳細について説明する。
はじめに基板を用意した。基板は一般的なフォトマスク用ブランクスとして用いられている一辺が150mm、厚みが6.35mmの石英である。この石英上に遮光層としてDCマグネトロンスパッタ法により厚み300nmのCr層を形成した。この際のスパッタ圧力は0.25Pa、投入電力は1000Wである。
次に、このクロム上にエッチングマスクとして東京応化製ポジ型レジストOFPR−50cpを膜厚1μmとしてコートし、フォトリソグラフィー法により一辺が50μmの正方形開口パターンを形成した。このレジストパターンをエッチングマスクとして、過塩素酸及び硝酸第二セリウムアンモニウムの混合溶液を用いてクロムをエッチングし、1辺が50μmの正方形開口のクロムパターンを形成した。クロムパターニング形成後、有機溶媒にてOFPRを除去し、クロムパターンの寸法を測定したところクロムの正方形開口パターンの寸法は1辺の長さが51μmであった。
このCr層上に形成した開口パターンをエッチングマスクとして、フルオロカーボンガスと酸素の混合ガスを用いた共有結合プラズマエッチングを行い、石英上に穿孔パターンを形成した。同一プロセスにて作製した石英穿孔パターンの断面形状を測定したところ、深さ150μmの穿孔パターンが形成されていた。また、最終的な針状構造体先端部となる穿孔パターン最深部の角度は約21°であった。
次に、この基板上にレジスト層として東京応化製ポジ型レジストLA−900をスピンコート法により形成した。この際のLA−900の膜厚は100μmであった。このレジ
スト層を基板のCr開口パターンを露光マスクとして裏面側から全面露光し、有機アルカリを用いて現像を行い、針状構造体の支柱部となる開口寸法51μm、高さ100μmのレジストパターンを完成させた。
このレジストパターンを形成した基板をもとにNi電鋳法により凹凸反転させた第一複製版を作製した。この際のシード層はDCマグネトロンスパッタ法により形成したNi層の膜厚は30nmであり、電解メッキは一般的に用いられているスルファミン酸ニッケル浴にてメッキ処理を行った。さらに、作製した第一複製版の表面を酸素プラズマ処理により表面酸化させた後に、再度、電解Niメッキを行い凹凸反転させた第二複製版を作製した。
この第二複製版を用いマルトース、デキストラン、ポリ乳酸を材料としてインプリント法により転写成型したところ、各材料にてシリコン原版と同様の直径約50μm、高さ約250μm、先端角度約21°の針状構造体、いわゆる針状構造体が形成されていることを確認した。
本発明の針状体の製造方法は、アレイ状に配列された微細な針状体およびシート状の支持部を一体成形するのに適しており、医療のみならず、MEMSデバイス、創薬、化粧品など様々な分野に用いることが期待できる。
本発明における製造方法を示す断面工程図である。 本発明における基板と露光光の相対角度が異なる露光を行う製造方法を示す断面工程図である。 本発明における転写加工成形を用いた製造方法を示す図である。
符号の説明
101、201・・・基板
102・・・遮光層
103・・・透過層
104・・・光透過層のパターニング用のエッチングマスク
105・・・穿孔パターン
106・・・レジスト層
107・・・針状構造体支柱部形成用レジスト層の露光
108・・・レジストパターンの開口部
109、209・・・針状構造体成型用金型
110、303・・・針状体
301・・・鋳型層
302・・・複製版

Claims (5)

  1. 微細な針状体の製造方法において、
    遮光層と、透過層とを備えた基板に、前記基板の遮光層側から穿孔パターンを形成する工程と、
    前記基板の遮光層側にレジスト層を設ける工程と、
    前記基板の透過層側から光を入射し、レジスト層に露光を行う工程と、
    前記レジスト層に現像処理を行う工程と、
    前記レジスト層側から針状体材料を充填する工程と、
    前記針状体材料を離型する工程と
    を備えたことを特徴とする針状体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の針状体の製造方法であって、
    遮光層にアレイ状のパターニングを行うこと
    を特徴とする針状体の製造方法。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の針状体の製造方法であって、
    基板と露光光の相対角度が異なる露光を、複数回行うこと
    を特徴とする針状体の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の針状体の製造方法で作製した針状体を母型とし、
    前記母型から複製版を作り、
    転写加工成形を行うこと
    を特徴とする針状体の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の針状体の製造方法により製造された針状体。
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