JP2008086140A - 過電圧保護装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】過電圧に伴うデバイス等の破壊(又は劣化)を確実に防止する
【解決手段】CPU11は、第1電圧生成回路によって生成された第1直流電圧の電圧値が予め設定された第1の閾値(=絶対定格電圧、ここでは、24V)以上である過電圧状態であるか否かを判定する過電圧判定部111と、過電圧判定部111によって過電圧状態であると判定された期間の長さである過電圧時間を求める期間算出部112と、電源投入時点からの期間算出部112によって求められた過電圧時間に略比例するパラメータ(ここでは、累積値算出部114によって求められた第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値)の累積値に基づいて、遮断スイッチ44及びインターロックスイッチ431に、デバイス等への第1直流電圧の供給を遮断させる遮断制御部115と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、予め設定された第1直流電圧を生成する電源ユニットからデバイスに供給される前記第1直流電圧の過電圧に伴う前記デバイスの損傷を防止する過電圧保護装置及び電子機器に関するものである。特に、複写機、ファクシミリ、インターネットファクシミリ、プリンタ、及び、これらの機能の内の少なくとも1以上の機能を有する複合機に関するものである。
従来、複写機等の電子機器においては、商用電源から供給される交流電圧を用いて、予め設定された直流電圧(例えば、24V)を生成する電源ユニットが配設され、生成された直流電圧がデバイス、駆動部品等に供給されている。従って、電源ユニットによって生成された直流電圧が、所定の閾値電圧(例えば、30V)以上になると、デバイス、駆動部品等が損傷を受ける場合があるため、これを防止するために種々の過電圧保護装置が提案されている。
例えば、デバイス、駆動部品等の絶対定格電圧値を超えた過電圧状態の継続時間を検出し、この継続時間が予め設定された所定時間よりも長い場合には、電源ユニットからの電圧の供給を遮断する電源保護回路が開示されている(特許文献1参照)。
特開平5−252650号公報
しかしながら、上記電源保護回路においては、絶対定格電圧値を超えた過電圧状態を検出して電源ユニットからの電圧の供給を遮断するものの、過電圧状態の継続時間が予め設定された所定時間より設定時間以下である場合には、電源ユニットからの電圧の供給が遮断されることはない。すなわち、上記電源保護回路では、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイス、駆動部品等の破壊(又は劣化)を防止することができない場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、過電圧に伴うデバイス等の破壊(又は劣化)を確実に防止する過電圧保護装置及び電子機器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために請求項1に記載の過電圧保護装置は、予め設定された第1直流電圧を生成する電源ユニットからデバイスに供給される前記第1直流電圧の過電圧に伴う前記デバイスの損傷を防止する過電圧保護装置であって、前記デバイスと前記電源ユニットとの間に介設され、前記デバイスへの前記第1直流電圧の供給を遮断する遮断実行手段と、前記第1直流電圧の電圧値が予め設定された第1の閾値以上である過電圧状態であるか否かを判定する過電圧判定手段と、前記過電圧判定手段によって、前記過電圧状態であると判定された期間の長さである過電圧時間を求める期間算出手段と、電源投入時点からの前記期間算出手段によって求められた過電圧時間に略比例するパラメータの累積値に基づいて、前記遮断実行手段に前記デバイスへの前記第1直流電圧の供給を遮断させる遮断制御手段と、を備えることを特徴としている。
請求項2に記載の過電圧保護装置は、請求項1に記載の過電圧保護装置であって、前記過電圧判定手段が、前記第1直流電圧の電圧値が、前記第1の閾値より大きい予め設定された第2の閾値以上であるか否かを判定し、前記遮断制御手段が、前記過電圧判定手段によって前記第1直流電圧の電圧値が前記第2の閾値以上であると判定された場合に、前記遮断実行手段に前記デバイスへの前記第1直流電圧の供給を遮断させることを特徴としている。
請求項3に記載の過電圧保護装置は、請求項1又は請求項2に記載の過電圧保護装置であって、前記過電圧期間内における、前記第1直流電圧の電圧値と前記第1の閾値との差の積分値を求めると共に、電源投入時点からの前記積分値の累積値を求める累積値算出手段を備え、前記遮断制御手段が、前記累積値が予め設定された第3の閾値以上である場合に、前記遮断実行手段に前記デバイスへの前記第1直流電圧の供給を遮断させることを特徴としている。
請求項4に記載の過電圧保護装置は、請求項3に記載の過電圧保護装置であって、前記過電圧期間における前記第1直流電圧の電圧値の最大値を求める最大値算出手段と、前記累積値算出手段が、前記積分値として、前記最大値から前記第1の閾値を引いた差と前記過電圧時間との積の1/2を求めることを特徴としている。
請求項5に記載の過電圧保護装置は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の過電圧保護装置であって、前記電源ユニットが、前記第1直流電圧未満の電圧値に予め設定された第2直流電圧を生成し、前記過電圧判定手段が、前記第1直流電圧の分圧電圧と、前記第2直流電圧の分圧電圧とが入力される差動増幅器を有することを特徴としている。
請求項6に記載の電子機器は、予め設定された第1直流電圧を生成する電源ユニットと、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の過電圧保護装置を備え、前記電源ユニットから、該電子機器内に配設されたデバイスへ前記第1直流電圧を供給することを特徴としている。
請求項1に記載の過電圧保護装置によれば、第1直流電圧の電圧値が予め設定された第1の閾値以上である過電圧状態であると判定された期間の長さである過電圧時間に略比例するパラメータの電源投入時点からの累積値に基づいて、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、過電圧に伴うデバイスの破壊(又は劣化)を確実に防止することができる。
すなわち、過電圧時間に略比例するパラメータによって、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱の程度が表され、このパラメータの電源投入時点からの累積値に基づいて、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイスの破壊(又は劣化)を防止することができるのである。
請求項2に記載の過電圧保護装置によれば、第1直流電圧の電圧値が、第1の閾値より大きい予め設定された第2の閾値以上であると判定された場合に、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、デバイスの破壊(又は劣化)を更に確実に防止することができる。
例えば、第1の閾値をデバイスの絶対定格電圧(=デバイスを正常に機能させるために設定された電圧=例えば、24V)に設定し、第2の閾値をデバイスのピーク定格電圧(=デバイスの破損を防止するために設定された電圧=例えば、30V)に設定することにより、第1直流電圧の電圧値がピーク定格電圧(例えば、30V)以上であると判定された場合に、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、デバイスの破壊(又は劣化)を更に確実に防止することができるのである。
請求項3に記載の過電圧保護装置によれば、過電圧期間内における、第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値が求められると共に、電源投入時点からの積分値の累積値が予め設定された第3の閾値以上である場合に、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイスの破壊(又は劣化)を更に確実に防止することができる。
すなわち、過電圧期間内における第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値によって、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱の程度が正確に表されるため、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイスの破壊(又は劣化)を更に確実に防止することができるのである。
請求項4に記載の過電圧保護装置によれば、過電圧期間における第1直流電圧の最大値から第1の閾値を引いた差と過電圧時間との積の1/2が、過電圧期間内における第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値として求められるため、簡素な構成で、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイスの破壊(又は劣化)を確実に防止することができる。
請求項5に記載の過電圧保護装置によれば、差動増幅器によって、第1直流電圧の分圧電圧と、第2直流電圧の分圧電圧との差が求められるため、過電圧状態であるか否かの判定を容易に実行することができる。
すなわち、例えば、第1直流電圧が第1の閾値である場合の差動増幅器に入力される分圧電圧が、第2直流電圧の分圧電圧と一致するべく分圧抵抗の抵抗値を設定することにより、差動増幅器からの出力が正か否かによって過電圧状態であるか否かの判定を行うことができるのである。
請求項6に記載の電子機器によれば、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の過電圧保護装置を備え、電源ユニットから、該電子機器内に配設されたデバイスへ第1直流電圧が供給されるため、過電圧に伴うデバイスの破壊(又は劣化)を確実に防止することが可能な電子機器を実現することができる。
以下、本発明に電子機器の一例について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る電子機器の概略構成の一例を示すブロック図である。なお、ここでは、電子機器が、プリンタである場合について説明するが、電源ユニットから該装置内に配設されたデバイスへ所定の直流電圧(例えば、24V)を供給する他の画像形成装置(例えば、ファクシミリ、インターネットファクシミリ、複写機、複合機等)である形態でもよいし、また、電子機器が、電源ユニットから電子機器内に配設されたデバイスへ直流電圧を供給する画像形成装置以外の電子機器である形態(例えば、DVD(Digital Versatile Disk)プレイヤ等)でもよい。
図1に示すように、プリンタ100は、制御ユニット1、操作部2、表示部3、電源ユニット4、及び、印刷処理部5を備えている。なお、プリンタ100は、図略のパーソナルコンピュータ(PC)等と通信可能に接続され、パーソナルコンピュータ(PC)等から画像情報を受け付け、受け付けた画像情報に対応する画像を記録紙上に形成するものである。
制御ユニット1は、プリンタ100全体の動作を制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、及び、図略のROM(Read Only Memory)を備えている。
操作部2は、ユーザからの操作入力を受け付けて、受け付けられた操作入力に対応する操作入力情報を生成し、制御ユニット1(CPU11)に出力するものである。操作部2は、例えば、テンキー、スタートボタン等の各種ボタン、及び、表示部3に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)と一体に形成されたタッチパネル等を備えている。
表示部3は、LCD、LED(Light Emitting Diode)等を備え、制御ユニット1(CPU11)からの指示に基づき、設定情報、ガイダンス情報、メッセージ情報等をユーザから視認可能に表示するものである。
電源ユニット4は、商用電源から供給される交流電圧(例えば、100V、60Hz)を用いて、所定の直流電圧(例えば、24V及び5V)を生成し、制御ユニット1、操作部2、表示部3等に供給するものであって、第1電圧生成回路41、第2電圧生成回路42、保護回路43、及び、遮断スイッチ44を備えている。
第1電圧生成回路41は、商用電源から供給される交流電圧から、予め設定された第1直流電圧(例えば、24V)を生成するものである。第2電圧生成回路42は、商用電源から供給される交流電圧から、予め設定された第2直流電圧(例えば、5V)を生成するものである。保護回路43(過電圧判定手段の一部に相当する)は、第1直流電圧の電圧値が予め設定された第1の閾値(ここでは、24V)以上である過電圧状態であるか否かを判定するものである。遮断スイッチ44(遮断実行手段の一部に相当する)は、プリンタ100に配設された増幅器、パワートランジスタ等の各種デバイス、モータ等の駆動部品と、第1電圧生成回路41と、の間に介設され、後述する遮断制御部115によって駆動されるスイッチであって、デバイス等への第1直流電圧(ここでは、24V)の供給を遮断するものである。
印刷処理部5は、記録紙上に電子写真方式で画像(ここでは、パーソナルコンピュータ(PC)等から受け付けた画像情報に対応する画像)を形成するものであって、現像ユニット51、感光ユニット52、及び、定着ユニット53を備えている。現像ユニット51は、感光ユニット52に配設された感光ドラムに形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成するものである。
感光ユニット52は、感光ドラムを備え、まず、感光ドラムの表面が帯電ローラによって略均一に帯電され、次に、図略のレーザビーム走査ユニットによって、静電潜像が形成され、更に、現像ユニット51によって、トナーが付着されてトナー像が形成され、感光ドラムに形成されたトナー像を記録紙に転写するものである。定着ユニット53は、感光ユニット52で感光ドラムから記録紙に転写されたトナー像を、加熱ローラ対によって記録紙を挟持して搬送することにより、トナー像を溶融して固着させ、記録紙に定着するものである。
図2は、図1に示す保護回路43の一例を示す回路図及びその動作特性を示すグラフである。(a)が、図1に示す保護回路43の一例を示す回路図であり、(b)が、保護回路43の動作特性を示すグラフである。保護回路43は、インターロックスイッチ431及び差動増幅器432を備えている。
インターロックスイッチ431(遮断実行部の一部に相当する)は、差動増幅器432の破損(又は劣化)を防止するべく差動増幅器432に入力されることを遮断するスイッチであって、後述する遮断制御部115によって駆動されるスイッチである。
差動増幅器432は、第1電圧生成回路41からの直流電圧の分圧電圧と、第2電圧生成回路42からの直流電圧の分圧電圧とが入力されるものであって、第1電圧生成回路41からの直流電圧が過電圧状態であるか否かの判定を行うものである。ここでは、分圧抵抗R1及びR2は、それぞれ、20kΩ、4kΩに設定されており、分圧抵抗R3及びR4は、それぞれ、1kΩ、4kΩに設定されている。
第1電圧生成回路41からの直流電圧の分圧電圧は、差動増幅器432に入力されると共に、CPU11のA/Dポートを介して、後述する最大値算出部113に入力されるものである(図3参照)。また、差動増幅器432の出力は、CPU11のタイマポートを介して後述する過電圧判定部111、及び、期間算出部112に入力されるものである(図3参照)。
(b)に示すように、差動増幅器432の出力電圧は、第1電圧生成回路41からの直流電圧に比例して増大し、第1電圧生成回路41からの直流電圧が24Vである場合に、0Vが出力される。そこで、後述する過電圧判定部111(及び期間算出部112)では、差動増幅器432からの出力が正か否かによって過電圧状態であるか否かの判定を容易に行うことができるのである。
図3は、本発明に係る過電圧保護装置の主要部の一例を示す構成図である。CPU11は、機能的に、過電圧判定部111、期間算出部112、最大値算出部113、累積値算出部114、及び、遮断制御部115を備えている。ここでは、CPU11が、図略のROMに予め格納された制御プログラムを読み出して実行することにより、過電圧判定部111、期間算出部112、最大値算出部113、累積値算出部114、及び、遮断制御部115等の機能部として機能するものである。
また、図1に示すRAM12、図略のROMに格納された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に格納され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
過電圧判定部111(過電圧判定手段の一部に相当する)は、図1に示す第1電圧生成回路41によって生成された第1直流電圧の電圧値が予め設定された第1の閾値(=絶対定格電圧、ここでは、24V)以上である過電圧状態であるか否かを判定するものである。ここでは、過電圧判定部111は、差動増幅器432からの入力電圧が、0V以上であるか否かによって過電圧状態であるか否かを判定するものである。
また、過電圧判定部111は、図1に示す第1電圧生成回路41によって生成された第1直流電圧の電圧値が、第1の閾値(=絶対定格電圧、ここでは、24V)より大きい予め設定された第2の閾値(=ピーク定格電圧、ここでは、30V)以上であるか否かを判定するものである。なお、絶対定格電圧とは、デバイス等の破損を防止するために設定された電圧であり、ピーク定格電圧とは、デバイス等の破損を防止するために設定された電圧である。
期間算出部112(期間算出手段に相当する)は、過電圧判定部111によって、過電圧状態であると判定された期間の長さである過電圧時間を求めるものである。
最大値算出部113(最大値算出手段に相当する)は、過電圧期間における第1直流電圧の電圧値の最大値を求めるものである。
累積値算出部114(累積値算出手段に相当する)は、過電圧期間内における、第1直流電圧の電圧値と第1の閾値(ここでは、24V)との差の積分値を求めると共に、電源投入時点からの積分値の累積値を求めるものである。ここでは、累積値算出部114は、積分値として、期間算出部112によって求められた過電圧時間と、最大値算出部113によって求められた最大値から第1の閾値(ここでは、24V)を引いた差との積の1/2を求めるものである。
遮断制御部115(遮断制御手段に相当する)は、電源投入時点からの期間算出部112によって求められた過電圧時間に略比例するパラメータ(ここでは、累積値算出部114によって求められた積分値)の累積値に基づいて、遮断スイッチ44及びインターロックスイッチ431に、デバイス等への第1直流電圧の供給を遮断させるものである。具体的には、遮断制御部115は、累積値算出部114によって求められた累積値が予め設定された第3の閾値(例えば、30V・sec)以上である場合に、遮断スイッチ44及びインターロックスイッチ431に、デバイス等への第1直流電圧の供給を遮断させるものである。
また、遮断制御部115は、過電圧判定部111によって第1直流電圧の電圧値が第2の閾値(=ピーク定格電圧、ここでは、30V)以上であると判定された場合に、遮断スイッチ44及びインターロックスイッチ431に、デバイス等への第1直流電圧の供給を遮断させるものである。
図4は、累積値算出部114の動作の一例を示す波形図である。(a)は、図1に示す第1電圧生成回路41によって生成された第1直流電圧の波形図であり、(b)は、過電圧判定部111によって過電圧状態であると判定された期間内の超過電圧(=第1直流電圧−の第1の閾値)の波形図であり、(c)は、累積値算出部114によって算出される積分値(=過電圧時間×最大値×1/2)を示す波形図である。
(a)に示すように、第1直流電圧が絶対定格電圧AV以上である場合に、過電圧判定部111によって過電圧状態であると判定される。なお、第1直流電圧がピーク定格電圧PV以上である場合(図のピーク点P3の時点)には(図のピーク点P3の時点では)、遮断制御部115によって、遮断スイッチ44及びインターロックスイッチ431を介して、デバイス等への第1直流電圧の供給が遮断される。
(b)に示すように、累積値算出部114によって、過電圧期間内における第1直流電圧の電圧値と第1の閾値(ここでは、24V)との差(=超過電圧)の積分値(図の斜線部)が求められる。ここでは、(c)に示すように、累積値算出部114は、積分値として、期間算出部112によって求められた過電圧時間T1(T2)と、最大値算出部113によって求められた最大値P1(P2)から第1の閾値(ここでは、24V)を引いた差(=超過電圧ΔP1、ΔP2)との積を求めるものである。
図5は、本発明に係る過電圧保護装置(CPU11)の動作の一例を示すフローチャートである。まず、過電圧判定部111によって第1電圧生成回路41により生成された第1直流電圧の電圧値がピーク定格電圧(ここでは、30V)以上であるか否かの判定が行われる(S101)。ピーク定格電圧以上であると判定された場合(S101でYES)には、遮断制御部115によって、遮断スイッチ44等を介してデバイス等への第1直流電圧の供給が遮断され(S109)、処理が終了される。
ピーク定格電圧未満であると判定された場合(S101でNO)には、過電圧判定部111によって、第1電圧生成回路41により生成された第1直流電圧の電圧値が絶対定格電圧(ここでは、24V)以上であるか否かの判定が行われる(S103)。絶対定格電圧未満であると判定された場合(S103でNO)には、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。絶対定格電圧以上であると判定された場合(S103でYES)には、累積値算出部114によって、最大値から絶対定格電圧(ここでは、24V)を引いた差と過電圧時間との積の1/2が積分値として求められ、累積データとして保存される(S105)。
そして、遮断制御部115によって、ステップS105において求められた積分値の累積値が、第3の閾値(ここでは、30V・sec)以上であるか否かの判定が行われる(S107)。第3の閾値未満であると判定された場合(S107でNO)には、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。第3の閾値以上であると判定された場合(S107でYES)には、遮断制御部115によって、遮断スイッチ44等を介してデバイス等への第1直流電圧の供給が遮断され(S109)、処理が終了される。
このようにして、第1直流電圧の電圧値が予め設定された第1の閾値(=絶対定格電圧、ここでは、24V)以上である過電圧状態であると判定された期間の長さである過電圧時間に略比例するパラメータ(ここでは、第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値)の電源投入時点からの累積値に基づいて、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、過電圧に伴うデバイスの破壊(又は劣化)を確実に防止することができる。
すなわち、過電圧時間に略比例するパラメータ(ここでは、第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値)によって、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱の程度が表され、このパラメータの電源投入時点からの累積値に基づいて、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイスの破壊(又は劣化)を防止することができるのである。
また、第1直流電圧の電圧値が、第1の閾値より大きい予め設定された第2の閾値(=ピーク定格電圧、ここでは、30V)以上であると判定された場合に、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、デバイスの破壊(又は劣化)を更に確実に防止することができる。
例えば、第1の閾値をデバイスの絶対定格電圧(=デバイスを正常に機能させるために設定された電圧=例えば、24V)に設定し、第2の閾値をデバイスのピーク定格電圧(=デバイスの破損を防止するために設定された電圧=例えば、30V)に設定することにより、第1直流電圧の電圧値がピーク定格電圧(例えば、30V)以上であると判定された場合に、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、デバイスの破壊(又は劣化)を更に確実に防止することができるのである。
更に、過電圧期間内における、第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値が求められると共に、電源投入時点からの積分値の累積値が予め設定された第3の閾値以上である場合に、デバイスへの第1直流電圧の供給が遮断されるため、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイスの破壊(又は劣化)を更に確実に防止することができる。
すなわち、過電圧期間内における第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値によって、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱の程度が正確に表されるため、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイスの破壊(又は劣化)を更に確実に防止することができるのである。
加えて、過電圧期間における第1直流電圧の最大値から第1の閾値を引いた差と過電圧時間との積の1/2が、過電圧期間内における第1直流電圧の電圧値と第1の閾値との差の積分値として求められるため、簡素な構成で、過電圧状態の累積に伴って発生する発熱等に起因したデバイスの破壊(又は劣化)を確実に防止することができる。
また、差動増幅器432によって、第1直流電圧の分圧電圧と、第2直流電圧の分圧電圧との差が求められるため、過電圧状態であるか否かの判定を容易に実行することができる。
すなわち、例えば、第1直流電圧が第1の閾値(=絶対定格電圧、ここでは、24V)である場合の差動増幅器432に入力される分圧電圧(ここでは、4V)が、第2直流電圧(ここでは、5V)の分圧電圧(ここでは、4V)と一致するべく分圧抵抗の抵抗値を設定することにより、差動増幅器432からの出力が正か否かによって過電圧状態であるか否かの判定を行うことができるのである。
なお、本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、電子機器がプリンタ100である場合について説明したが、その他の、配設該装置内に配設されたデバイスに直流電圧が供給される電子機器である形態でもよい。例えば、モータ(ハードディスク、光ディスク等のスピンドルモータ、又は、エアコンのファンモータ)に直流電圧を供給する電子機器(HDD(Hard Disk Drive)、エアコン、DVDプレイヤ等)である形態でもよい。
(B)本実施形態では、累積値算出部114が、第1直流電圧の電圧値と第1の閾値(ここでは、24V)との差の積分値を求めると共に、電源投入時点からの積分値の累積値を求める場合について説明したが、累積値算出部114が、電源投入時点からの過電圧時間に略比例する他のパラメータの累積値を求める形態でもよい。例えば、累積値算出部114が、電源投入時点からの過電圧時間の累積値を求める形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。
(C)本実施形態では、遮断制御部115が、累積値算出部114によって求められた累積値が第3の閾値以上である場合に、デバイスへの第1直流電圧の供給を遮断させる場合について説明したが、遮断制御部115が、遮断制御部115が、累積値算出部114によって求められた累積値が予め設定された第3の閾値(例えば、30V・sec)未満の第4の閾値(例えば、20V・sec)以上である場合に、まず、表示部3に警報(例えば、「デバイスが加熱しています。しばらくお待ちください」等のメッセージ)を表示させ、その後、累積値算出部114によって求められた累積値が第3の閾値以上である場合に、デバイスへの第1直流電圧の供給を遮断させる形態でもよい。この場合には、更に利便性が向上される。
は、本発明に係るプリンタの概略構成の一例を示すブロック図である。 は、図1に示す保護回路の一例を示す回路図及びその動作特性を示すグラフである。 は、本発明に係る過電圧保護装置の主要部の一例を示す構成図である。 は、累積値算出部の動作の一例を示す波形図である。 は、本発明に係る過電圧保護装置(CPU)の動作の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
100 プリンタ
1 制御ユニット
11 CPU
111 過電圧判定部(過電圧判定手段の一部)
112 期間算出部(期間算出手段)
113 最大値算出部(最大値算出手段)
114 累積値算出部(累積値算出手段)
115 遮断制御部(遮断制御手段)
4 電源ユニット
41 第1電圧生成回路
42 第2電圧生成回路
43 保護回路
431 インターロックスイッチ(遮断実行手段の一部)
432 差動増幅器(過電圧判定手段の一部)
44 遮断スイッチ(遮断実行手段の一部)

Claims (6)

  1. 予め設定された第1直流電圧を生成する電源ユニットからデバイスに供給される前記第1直流電圧の過電圧に伴う前記デバイスの損傷を防止する過電圧保護装置であって、
    前記デバイスと前記電源ユニットとの間に介設され、前記デバイスへの前記第1直流電圧の供給を遮断する遮断実行手段と、
    前記第1直流電圧の電圧値が予め設定された第1の閾値以上である過電圧状態であるか否かを判定する過電圧判定手段と、
    前記過電圧判定手段によって、前記過電圧状態であると判定された期間の長さである過電圧時間を求める期間算出手段と、
    電源投入時点からの前記期間算出手段によって求められた過電圧時間に略比例するパラメータの累積値に基づいて、前記遮断実行手段に前記デバイスへの前記第1直流電圧の供給を遮断させる遮断制御手段と、
    を備えることを特徴とする過電圧保護装置。
  2. 前記過電圧判定手段は、前記第1直流電圧の電圧値が、前記第1の閾値より大きい予め設定された第2の閾値以上であるか否かを判定し、
    前記遮断制御手段は、前記過電圧判定手段によって前記第1直流電圧の電圧値が前記第2の閾値以上であると判定された場合に、前記遮断実行手段に前記デバイスへの前記第1直流電圧の供給を遮断させることを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護装置。
  3. 前記過電圧期間内における、前記第1直流電圧の電圧値と前記第1の閾値との差の積分値を求めると共に、電源投入時点からの前記積分値の累積値を求める累積値算出手段を備え、
    前記遮断制御手段は、前記累積値が予め設定された第3の閾値以上である場合に、前記遮断実行手段に前記デバイスへの前記第1直流電圧の供給を遮断させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過電圧保護装置。
  4. 前記過電圧期間における前記第1直流電圧の電圧値の最大値を求める最大値算出手段と、
    前記累積値算出手段は、前記積分値として、前記最大値から前記第1の閾値を引いた差と前記過電圧時間との積の1/2を求めることを特徴とする請求項3に記載の過電圧保護装置。
  5. 前記電源ユニットは、前記第1直流電圧未満の電圧値に予め設定された第2直流電圧を生成し、
    前記過電圧判定手段は、前記第1直流電圧の分圧電圧と、前記第2直流電圧の分圧電圧とが入力される差動増幅器を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の過電圧保護装置。
  6. 予め設定された第1直流電圧を生成する電源ユニットと、
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載の過電圧保護装置を備え、
    前記電源ユニットから、該電子機器内に配設されたデバイスへ前記第1直流電圧を供給することを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103326320A (zh) * 2013-06-09 2013-09-25 常熟市九洲电器设备有限公司 一种电机过压保护的方法

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