JP2008083245A - 映像投影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光源部からの光をライトパイプに導入し、ライトパイプからの光束をリレーレンズ、光変調素子、投射レンズを通して拡大投射する映像投影装置において、複雑な光学系を使用しないで各構成素子間において光のロスを小さくする。
【解決手段】ライトパイプは、光源部から第1F値の光束として入射面から入射し、第1F値よりも大きい第2F値の光束として射出面から射出するようにして、リレーレンズの高倍率化を防止し、光のロスを少なくして入射側F値の大きな近接投射型の投射レンズを適用できるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子等からなる光変調素子を内蔵し、投影スクリーン等に映像を投射する映像投影装置に関する。
近年、液晶表示素子やDMD(digital maicromirror device)光変調素子等からなる光変調素子を内蔵した映像投影装置が普及している。この種の映像投影装置は持ち運びが手軽であり、机の上等に設置して投影スクリーン等に簡便に映像等を投射することができる。
図4は、従来公知の映像投影装置100の外観図である。映像投影装置100は筐体101、操作パネル103、投射レンズ部102などから構成されている。図5は、映像投影装置100が投影スクリーン117に向けて映像光を投影する状態を表す模式図である。光源112で発光した光は、リフレクタ111により反射集光され、ライトパイプ113の入射面118に集光される。入射面118から導入された光はライトパイプ113の内面において繰り返して反射され、射出面119から光強度分布が略均一化されて射出される。ライトパイプ113から射出された光は拡大レンズ114により拡大されて光変調素子115に照射される。光変調素子115として液晶表示素子やDMDが使用されている。光変調素子115は、図示しないテレビ受像機やPC端末から画像データを入力し、入射光を画像光へ変換する。光変調素子115から射出された画像光は投射レンズ116により投影スクリーン117に拡大投影される。
この種の映像投影装置100においては、光源部から照射される光のロスを少なくして投影スクリーン117へ光の効率を良くして投射できるようにしたい。従って、光源部から集光された光はライトパイプ113内にロスのないようにして導入し、ライトパイプ113から射出される射出光は、光変調素子115の有効映像領域に光のロスがないように照射し、光変調素子115から射出された映像光を、投射レンズ116から光のロスがないように投影スクリーン117へ投射したい。そうすれば、装置を大掛かりにしないで明るい映像が得られ、明るい環境下においても明度や彩度の高い映像を観察することができる。
特許文献1には、光源からの集光された光をライトパイプに漏れなく入力するために、入射光を取り込む入射瞳の面積を光を射出する射出瞳の面積よりも大きくすることが記載されている。これにより、光源から効率よく入射光を集めることができる、というものである。
特許文献2には、ライトパイプを使用した投射器システムが記載されている。特に、断面が円形の形状や多角形の形状のライトパイプが記載されている。集光器とライトパイプの組み合わせは、入射する光ビームの円錐角度を最小化することにより液晶表示素子の性能を強化することができる旨が記載されている。
図6は映像投影装置100の光路を表す説明図である。光源から集光された光はθ1の角度でライトパイプ113に入射する。ライトパイプ113内の光路は光軸126に対して一定の断面積を有し、その光路の外延は光軸に対して平行である。従って、ライトパイプ113の内面においてはθxの角度で入射した光はθxの角度で反射される。即ち、光源から角度θ1で入射した光は同じ角度θ1で射出面119から射出される。従って、ライトパイプ113の射出面119から射出される射出光のF値は、ライトパイプ113に入射した入射光のF値と同じである。なお、ライトパイプ113の射出面119においては光強度が均一化される。
上記図6の構成において、光源からの光は次のような場合にロスが発生する。リフレクタ111から集光された光がライトパイプ113の入射面から外れる場合、また、拡大レンズ114の入射側Fとライトパイプ113の射出面119から射出される光のF値とが一致しない場合、また、拡大レンズ114により結像されるライトパイプ113の射出面119の像が光変調素子115の有効映像領域と一致しない場合、また、投射レンズ116の入射側F値と拡大レンズ114の射出側F値とが一致しない場合等である。
より具体的に説明する。投影される映像光を明るくするためには、光源112の発光強度を大きくすれば良い。しかし、光源の発光強度を大きくしようとすると光源112の形状が大きくなり、光のロスを少なくしてライトパイプ113の入射面118に入射させるためにはライトパイプ113の径を大きくしなければならず、ライトパイプ113の体積が増加する。更に、拡大レンズ114によりライトパイプ113の射出面119の形状が拡大されて光変調素子115の有効映像領域に合致させる必要があるが、ライトパイプ113の径が大きくなるに従い、光変調素子115の有効表示面積も大きくする必要がある。
また、光変調素子115から射出される映像光のF値は、投射レンズ116の入射側のF値と一致させる必要がある。即ち、投射レンズ116の入射側のF値よりも光変調素子115から射出される映像光のF値が小さい場合には、投射レンズ116により拡大投射される映像光は光変調素子115に表示された画像の一部しか投射することができず、F値が大きい場合には拡大投射されるべき映像が十分に拡大されず、画像周辺が暗くなる「けられ」を生ずる、という不都合が発生する。なお、光変調素子115は入射光を単に透過する、又は反射する素子であることから、光変調素子115から射出される映像光のF値は拡大レンズ114の射出側のF値と一致する。
特開2002−62585号公報 特開2002−529769号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれにも、上記光源から入射した光を、光のロスを極力低減して投影するための各構成要素の条件について、具体的に記載されていない。
本発明においては上記課題を解決するために以下の手段を講じた。
請求項1に係る発明においては、発光した光が集光された光束として射出する光源部と、前記集光された光束を入射面から入射し、導光して射出面から光束を射出するライトパイプと、前記射出された光束を伝達するリレーレンズと、前記リレーレンズからの光束を入射して映像光へ変換する光変調素子と、前記光変調素子からの映像光を拡大投射する投射レンズとを備えた映像投影装置において、前記ライトパイプは、前記光源部から第1F値の光束として前記入射面から入射し、前記第1F値よりも大きい第2F値の光束として前記射出面から射出することを特徴とする映像投影装置とした。
請求項2に係る発明においては、前記ライトパイプの光軸に直行する平面と前記ライトパイプ内の光路とが交差する前記光路の横断面は、入射側から射出側にかけて末広状に拡大することを特徴とする請求項1に記載の映像投影装置とした。
請求項3に係る発明においては、前記ライトパイプ内の光路の外延は、前記ライトパイプの光軸に対して0.9°〜2.0°の範囲のテーパー角を有することを特徴とする請求項2に記載の映像投影装置とした。
請求項4に係る発明においては、前記ライトパイプ内の光路の外延は、前記ライトパイプの光軸に対して1.3°〜1.7°の範囲のテーパー角を有することを特徴とする請求項3に記載の映像投影装置とした。
請求項5に係る発明においては、前記ライトパイプは、透光性材料を用いた中実パイプであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像投影装置とした。
請求項6に係る発明においては、前記光源部の前記第1F値が0.9〜1.1であり、前記ライトパイプの射出側の前記第2F値が1.2〜1.6であり、前記光変調素子の映像光射出側の第3F値が3.1〜4.2であり、前記投射レンズの入射側は前記第3Fを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の映像投影装置とした。
請求項7に係る発明においては、前記投射レンズは、投射側の半画角が40°以上の広角レンズであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の映像投影装置とした。
請求項8に係る発明においては、前記光源部から入射する光束のうち前記ライトパイプの光軸に対して最大角度を有する光は、前記ライトパイプの内面において少なくとも2回繰り返して反射されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の映像投影装置とした。
本発明に係る映像投影装置は、発光した光を集光して光束として射出する光源部と、この光源部からの光束を入射面から入射して射出面から射出するライトパイプと、このライトパイプからの光束を伝達するリレーレンズと、このリレーレンズにより伝達された光束を入射して映像光へ変換する光変調素子と、光変調素子からの映像光を拡大投射する投射レンズを備えており、特に、ライトパイプは光源部から入射した光束のF値を拡大させてリレーレンズへ射出するようにした。これにより、リレーレンズの拡大倍率を低下させて、リレーレンズと投射レンズとの間のF値を複雑な光学系を使用することなく容易に整合させることができる、という利点を有する。
また、ライトパイプの光軸に直行する面内におけるライトパイプの光路の断面積を、入射側から射出側にかけて末広状に拡大させて、入射面の面積よりも射出面の面積を増加させることにより、複雑な光学系を使用することなく、ライトパイプへの入射光に対するライトパイプからの射出光のF値を拡大させることができる、という利点を有する。
また、ライトパイプの光路の外延、即ちライトパイプの内反射面は、ライトパイプの光軸に対して0.9°〜2.0°の範囲、より好ましくは1.3°〜1.7°の範囲のテーパー角を有するようにした。これにより、光源部から入射したF値が1の光束を、射出面から射出するF値が1.2〜1.6、より好ましくは1.3〜1.5の範囲内の光束にすることができるので、リレーレンズを適切な倍率に設定することができ、光のロスを低減させることができる。
また、ライトパイプを中実パイプとすることにより、ライトパイプの外形表面における全反射を利用することができるので、ライトパイプ内の反射による光のロスを低減させることができる、という利点を有する。
また、光源部の第1F値を0.9〜1.1とし、ライトパイプの射出側の第2F値を1.3〜1.4とし、光変調素子の映像光の射出側の第3F値を3.0〜4.0とし、投射レンズの入射側を前記第3F値とした。これにより、投射レンズやリレーレンズを複雑な構成にすることなく光のロスを低減させることができる、という利点を有する。
また、投影レンズは投射側の半画角が40°以上を有する広角レンズとした。これにより、狭い環境で投影装置を使用する場合でも、大きく拡大投影することができる、という利点を有する。その他本発明の効果は各実施の形態の説明において説明する。
図1は、本発明の実施の形態を表す映像投影装置1のブロック図である。映像投影装置1は、光を発生する光源部2と、この光源部2からの光を導光して略均一な面分布の光束を射出するライトパイプ5と、映像信号に応じて多数の微小なライトバルブを制御して入射光を映像光へ変換する光変調素子である液晶表示素子10と、この液晶表示素子10にライトパイプ5から射出された光束を導くリレーレンズ9と、液晶表示素子10からの映像光を拡大して投射する投射レンズ11とから構成されている。なお、光変調素子として透過型の液晶表示素子10としたが、これを反射型の液晶表示素子や反射型のDMD光変調素子を用いることができる。
光源部2は、光源4と、この光源4からの光を集光するリフレクタ3とから構成されている。光源4としてはハロゲンランプや水銀ランプ、あるいは、発光ダイオードなどを使用する。リフレクタ3は、非球面形状を有し、光源4からの発光をライトパイプ5の入射面15に集光する。リフレクタ3から集光される光束のF値(レンズの焦点距離をfとし、焦点からレンズを見る見込み角をθとした場合に、F=f/2sin(θ))は0.75〜1.5、好ましくは0.9〜1.1の範囲の値を有する。従って、角度θf1は42°〜20°の範囲、好ましくは34°〜27°の範囲となる。リフレクタ3から集光される光束のF値が小さくなるに従い、ライトパイプ5の入射面15から入射する光のロスが大きくなり、F値が大きくなるに従い、点光源として光が入射されるため、射出面16から射出される射出光の均一性が得られ難くなるためである。
リフレクタ3から反射集光される光の集光点はできるだけ小さくしてライトパイプ5の入射面15に照射されるようにすることが望ましい。そのためには光源4を点光源とする必要があるが、発光強度を大きくしようとすると光源4の外形は大きくなり、実際には1点に集光させることができない。従って、ライトパイプ5の入射面15に照射された光束を内部に入力することができるように、ライトパイプ5の入射面15はある程度の大きさの面積を有するようにする。光源部2から入射する光をライトパイプ5内に導くために、入射面15の口径又は一辺の長さを3mm〜10mmの範囲の大きさに設定する。
なお、ライトパイプ5は、四角柱状或いは円柱状に形成されている。或いは内部を空洞とした四角筒状或いは円筒状に形成されている。特に、ライトパイプ5の断面を四角形の形状とすれば液晶表示素子10との間の形状のマッチングが容易となり、光のロスを低減することができる。材質は光学ガラス或いは透明な樹脂が使用される。四角柱状或いは円柱状の外面は鏡面研磨されている。四角筒状或いは円筒状の内面は鏡面研磨もしくは金や銀、アルミニュームで蒸着された金属反射膜が形成されている。
ライトパイプ5は、光源部2から第1F値の光束を入射面15において入射して、この第1F値よりも大きな第2F値の光束をその射出面16から射出する。例えば、光源部2から入射する集光された光束のF値が0.9〜1.1である場合に、射出面16から射出する光束の第2F値を1.2〜1.6へ拡大させる。より好ましくは、第2F値を1.3〜1.5に拡大させる。このようにライトパイプ5によりF値を拡大させることにより、リレーレンズ9の倍率を低下させることができる。ライトパイプ5は、入射光のF値を拡大させるために、ライトパイプ5の中心を通る光軸13に垂直な面を通過することができる光の有効光路面積を、ライトパイプの入射面15から射出面16に向けて拡大する形状とする。具体的には、ライトパイプ5内において光を反射する反射面を、入射面から射出面に向けてテーパー角を設ける。ライトパイプ5の断面が四角形である場合には、4つの反射面のすべてを光軸13に対して傾斜させる。或いは、対向する2つの反射面のいずれか一方を光軸13に対して傾斜させるようにしてもよい。
ライトパイプ5から射出した光束は、リレーレンズ9に入射し、拡大されて液晶表示素子10に照射される。リレーレンズ9は、入射光束を導く第1レンズ6と、第1レンズ6によりライトパイプ5の射出面16が結像される位置に設けた絞り7と、フィールドレンズである第2レンズ8とから構成されている。なお、上記リレーレンズ9の構成は一例である。リレーレンズ9全体を1つのレンズとして考えて、リレーレンズ9に角度θf2の光束が入射し、この光束のF値を第2F値とし、リレーレンズ9から角度θf3の光束が射出し、この光束のF値を第3F値とし、リレーレンズ9の倍率をMとして、M=θf2/θf3=第3F値/第2F値の関係を有する。
この場合に、ライトパイプ5の射出面16の形状、例えば射出面16の直径のM倍が概ね液晶表示素子10の有効映像領域の直径となるように設定する。このように設定することにより、光のロスを最小限に低減させることができる。ライトパイプ5の射出面16の直径をM倍したときに液晶表示素子10の有効映像領域の直径よりもはみ出して大きくなる場合には、そのはみ出し部分の光が有効利用されないことになり、光のロスが発生する。また、その逆にライトパイプ5の射出面16の直径が液晶表示素子10の有効映像領域の直径よりも小さくなる場合には、液晶表示素子10に表示された画像の周辺部分は暗くなり、投射画像のけられが生ずる、という不具合が発生する。
液晶表示素子10に照射されたリレーレンズ9からの光束は、液晶表示素子10の多数の微小なライトバルブにより映像光へ変換されて投射レンズ11に照射される。液晶表示素子10の各微小なライトバルブは、入射した光の光量を変化させるのみなので、光束の開き角度θf3をそのまま維持して投射レンズ11へ射出する。従って、上記の不具合が発生しないようにするためには、液晶表示素子10から射出される映像光、即ちリレーレンズ9から射出される光束の第3F値と、投射レンズ11の入射側のF値とを一致させる必要がある。
投射レンズ11は、近接投射用の投射レンズである。例えば、投射レンズ11として投射側の映像光の半画角が40°以上の広角レンズとする。このような近接投射用の投射レンズは収差を低減したパンフォーカスレンズを使用する必要がある。そのため、投射レンズ11の入射側F値は3.0以上に設定する必要がある。液晶表示素子10ではF値は変更されない。従って、リレーレンズ9の射出側のF値も3.0以上に設定して、リレーレンズ9の射出側のF値と投射レンズ11の入射側のF値(第3F値)とを一致させる。
また、投射レンズ11の半画角が40°を超える広角レンズにおいては、縮小側にテレセントリック性が要求される。しかし、広角化自体が難しいことと歪曲収差や倍率色収差を補正することは容易でない。一般的には広角レンズは前群と後群に分かれており、対称性が著しく崩れている。そのために特にテレセントリック性が要求される場合は歪曲収差や倍率収差の補正を困難にしている。そこで、投射レンズ11の入射側F値は概ね4以下に設定してこれら収差補正の困難性を緩和させることが望ましい。
以上をまとめると、ライトパイプ5は光源部2から集光された光をできるだけロスのないように取り込む。そのために、入射面15の直径は3mm〜10mmの大きさにする。投射レンズ11の入射側F値とリレーレンズ9の射出側F値とを一致させて、光のロスを小さくし、かつ、液晶表示素子10に表示された映像にけられを無くして拡大投射されるようにする。また、リレーレンズ9の倍率Mは、ライトパイプ5の射出面16の直径をM倍したときにちょうど液晶表示素子10の有効映像領域の直径となるように設定する。また、同時にリレーレンズ9の射出側F値(第3F値)の1/M倍がライトパイプ5の射出側F値と一致するように、光源部2からの入射光F値(第1F値)、及び、ライトパイプ5のテーパー角を設定する。
具体的に説明する。投射レンズ11の入射側F値が3.1〜4.2の範囲である場合には、リレーレンズ9の射出側F値(第3F値)を略同じF値に設定し、リレーレンズ9の入射側F値(第2F値)を3.1/M〜4.2/Mに設定する。例えば、リレーレンズ9の倍率Mを2.6とすれば、リレーレンズ9に入射する光束の入射側F値(第2F値)は略1.2〜1.6となる。光源部2から集光される光のF値(第1F値)が0.9〜1.1の範囲にある場合、ライトパイプ5はこのF値(第1F値)の光を入射して略1.2〜1.6のF値(第2F値)へ変換して射出するようにする。後に詳細に説明するが、この変換を行うために、ライトパイプ5の光路の外延をライトパイプ5の光軸13に対して0.9°〜2.0°傾斜させればよい。そして、液晶表示素子10の直径が例えば15mmである場合には、ライトパイプ5の射出面16の直径を15mm/M=5.7mmとする。そして、光軸13に対して光路の外延のテーパー角が0.9°の場合にはライトパイプの入射面の直径を4.7mmに、テーパー角が2.0°の場合にはライトパイプの入射面の直径を3.2mmにする。また、光軸13に対する光路の外延のテーパー角が例えば1.5°である場合には、ライトパイプ5の入射面の直径を約4mmとすればよい。
このように設定することにより、ライトパイプ5は入射面15において光源部2から集光された光をロスを少なくしてライトパイプ5内に取り込むことができ、射出面16から射出される光束をロスを少なくして液晶表示素子10の有効映像領域に照射し、投射レンズ11から拡大投射することができる。
なお、光変調素子として透過型の液晶表示素子10を使用した例を説明したが、これを反射型のDMD光変調素子や、反射型液晶表示素子を使用することができる。DMD光変調素子を使用する場合には、光源部2とライトパイプ5の間、又は、ライトパイプ5とリレーレンズ9の間の光路にカラーホイールを設置する。また、リレーレンズ9から照射された光束はDMD光変調素子により反射されて、その反射光が投射レンズ11に入射するように各素子を配置する。カラーホイールを回転させて、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の光をDMD光変調素子に時分割して照射する。DMD光変調素子はRの色の光が照射されている期間にRの色に対応する画像を表示させ、Gの色の光が照射されている期間にGの色に対応する画像を表示させ、Bの色の光が照射されている期間にBの色に対応する画像を表示させ、時間混色にフルカラー画像を投影表示する。また、光変調素子として反射型液晶表示素子を使用する場合には、図1に示すブロック図において、リレーレンズ9から液晶表示素子10に照射された光束は透過せずに反射され、その反射光が投射レンズ11を通すように構成すればよい。
図2は(a)は、矩形形状を有する中空(内部が空気)ライトパイプ5aの、長手方向の断面図であり、図2(b)は矩形形状を有する中実(内部が透光性材料)ライトパイプ5bの、長手方向の断面図である。図2(a)においては、ガラス材料からなる中空ライトパイプ5aの内表面17には金属アルミニュームの反射膜がコーティングされている。中空ライトパイプ5aの上下の内表面17は、その光軸13に対して末広状にテーパー角δの傾き角を有している。中空ライトパイプ5a又は5bが円筒状の形状を有する場合には、内周面は光軸13に対してテーパー角δの傾き角を有する。中空ライトパイプ5a又は5bが四角筒状の形状を有する場合には、光軸13に対して上面及び下面の中心線がテーパー角δの傾き角を有し、両側面も同様である。
図2(a)は、断面が矩形状の中空ライトパイプ5aである。光源部2から角度θf1で入射した光束は中空ライトパイプ5aの入射面15において、角度α1で入射する。内部が空洞であることからθf1=α1となる。そして上部内面において1回目の反射により、反射光は光軸13に対して(α1−2δ)の角度となる。中空ライトパイプ5aの内面で3回反射された光は、光軸13に対して(α1−6δ)の角度となる。従って、射出面16からは角度θf2=α1−6δの角度で射出する。例えば、角度θf1が30°、第1F値が1.0の入射光が中空ライトパイプ5aに入射し、中空ライトパイプ5aの側面のテーパー角δが1.5°、その内面において3回反射されるとする。この場合、上記式より角度θf2は21°となり、第2F値は1.4となる。従って、第1F値1.0で入射した入射光は第2F値1.4の射出光へ変換される。
図2(b)は、断面が矩形状の中実ライトパイプ5bである。中実ライトパイプ5bは透明なガラスからなり、外部の空気よりも高い屈折率を有する。そのため、中実ライトパイプ5bの表面18に斜めに入射した光は全反射され、上下表面においてこれが繰り返されて光が進む。図2(a)と同様に、中実ライトパイプ5bの上辺及び下辺は、光軸13に対してテーパー角δを有する。そのために、光軸13に対して角度α1で進む光は1回目の全反射で光軸13に対してα1−2δの角度となり、2回目の全反射でα1−4δの角度で進む。例えば、テーパー角δを1.5°、中実ライトパイプ5bの屈折率を1.46、光源部2から入射する角度θf1を30°とする。すると、入射した光のα1は20°となり、2回全反射した光はα1−4δ=14°となる。この光は射出面16において再度屈折され、θf2=20.7の角度で射出する。この射出光の第2F値は約1.46である。従って、第1F値1.0で入射した入射光は第2F値1.46の射出光へ変換される。
ライトパイプ5が中空の場合と中実の場合では次の相違点がある。中空ライトパイプ5aの場合には、その内面に反射膜を形成しなければならない。ライトパイプ5aは内径が例えば数mm、長さが約30mmの大きさを有する。このような小さな中空の内面に反射率の高い反射膜を形成するのは難しい。また、銀等の反射膜を形成しても、反射面において多少光が吸収、透過されるので、光のロスが生ずる。これに対して、中実のライトパイプ5bの場合には、内面において全反射されるので、反射による光のロスは少ない。その反面、ライトパイプ5b内を進む光の光軸13に対する角度が浅くなるために、同じ反射回数を得ようとすると、ライトパイプ5の長さがより長くなり、また、屈折率の値の分だけ光路長が長くなる。しかし、ライトパイプ5b内を進む光の光軸13に対する角度が浅いため、少ない反射回数で大きくF値を変換することができる。その結果、中実ライトパイプ5bを使用するほうがコスト的に、また小型化の点で有利である。
ライトパイプ5は、入射面15から入射した光を射出面16において面分布のできるだけ均一な射出光として射出するようにしたい。本発明者の実験によれば、ライトパイプ5内面において2回以上反射が繰り返されることにより、射出面16における射出光の面分布が比較的に均一になることが確認された。
例えば、上記図2(a)に示す中空ライトパイプ5aの場合に、入射面15において、光軸13から上辺の内表面17までの距離d1を2mmとし、射出面16において、光軸13から上辺の内表面17までの距離d2を2.84mmとし、中空ライトパイプ5aの長さLを32mmとすれば、テーパー角δは1.5°とすることができる。入射面15において一辺が4mmの大きさを有するので、光源部2からの入射光を光のロスを少なくして内部に導入することができる。また、中空ライトパイプ5aの射出面16は一辺が5.68mmの大きさを有するので、リレーレンズ9の倍率Mが2.6である場合には、液晶表示素子10の表示有効面の一辺を約15mmとすればよい。
次に、上図2(b)に示す中実ライトパイプ5bの場合に、入射面15において、光軸13から上辺の表面18までの距離d1を2mmとし、射出面16において、光軸13から上辺の表面18までの距離d2を2.71mmとし、中実ライトパイプ5bの長さLを27mmとすれば、テーパー角δは1.5°とすることができる。入射面15において一辺が4mmの大きさを有するので、光源部2からの集光された光をロスを少なくして取り込むことができる。また、射出面16において一辺が5.42mmの大きさを有するので、リレーレンズ9の倍率Mを2.6倍として、液晶表示素子10の表示有効面の一辺を約14mmとすればよい。このように、中実ライトパイプ5bを使用することにより、中空ライトパイプ5aに対して、長さLを32mmから27mmへ短くしても同様の効果を得ることができる。
以上の説明において、テーパー角δを1.5°とした例について説明したが、これに限定されない。投射レンズ11は、その入射側F値が大きな値をとるに従い、ライトパイプ5の射出面16における光強度分布が投影像に反映されやすくなる。ライトパイプ5の射出面16における光強度分布は理想的な均一分布とはならないので、投射レンズ11の入射側F値はあまりに大きくすることができない。また、既に説明したように、投射レンズ11の収差補正の困難性を緩和させるためにも、投射レンズ11の入射側F値はあまりに大きくすることは好ましくない。一方、その入射側F値が小さな値をとるに従い、投射像の焦点深度が浅くなる。これらの点を考慮すると、投射レンズ11の入射側Fは概ね3〜4の範囲が好適である。
そこで、投射レンズ11の入射側F値、即ち第3F値が3.1〜4.2である場合に、光のロスを低減させるための他の構成要素の条件を求める。まず、光源部2から集光される光の第1F値を1.0、リレーレンズ9の倍率Mを2.6に固定する。また、ライトパイプ5は中空型のライトパイプとする。例えば、ライトパイプ5の内表面17のテーパー角δが0.9°の場合は、ライトパイプ5から射出される光束の第2F値は約1.2であり、リレーレンズ9から射出され、投射レンズ11に入射する光束の第3F値は約3.1となる。この場合、ライトパイプ5の入射面15の一辺の長さを4mmとすれば、射出面16の対応する辺の長さは約5mmとなり、液晶表示素子10の対応する辺の長さを約13mmとすればよい。同様に、テーパー角δが2°の場合は、第2F値が約1.6、第3F値が約4.2となる。この場合、入射面15の一辺の長さを4mmとすれば、射出面16の対応する辺の長さは約5.8mmとなり、液晶表示素子10の対応する辺の長さを約15.2mmとすればよい。まとめると、投射レンズ11の入射側F値(第3F値)が3.1〜4.2の場合には、ライトパイプ5のテーパー角δを0.9°〜2°の範囲に設定するのが好ましい。更に、ライトパイプ5の入射面15の一辺の長さを4mmとすれば、射出面16の対応する長さは約5.0mm〜5.8mmとなり、従って液晶表示素子10の対応する辺の長さは13mm〜15.2mmの範囲とすればよい。
また、投射レンズ11が近接投射の場合、入射側F値(第3F値)は3.4〜3.8がより好適な範囲となる。ライトパイプ5のテーパー角δを1.3°に設定すれば第2F値が約1.3、第3F値が約3.4となり、テーパー角δを1.7°に設定すれば第2F値が約1.5、第3F値が約3.8となる。従って、この場合には、ライトパイプ5のテーパー角δを1.3°〜1.7°の範囲に設定するのが好ましい。また、ライトパイプ5の入射面15の一辺の長さを4mmとすれば、射出面16の対応する長さは約5.5mm〜5.7mmとなり、従って液晶表示素子10の対応する辺の長さは14.2mm〜14.9mmの範囲とすればよい。なお、上記の条件は、リレーレンズ9の倍率Mを2.6に固定して得られる値であるが、これを2.6から変化させることにより、上記第3F値はさらに調整することができる。
次に、ライトパイプ5を中実型のライトパイプとする。例えば、ライトパイプ5の内表面17のテーパー角δが0.9°の場合は、ライトパイプ5から射出される光束の第2F値は約1.2であり、リレーレンズ9から射出され、投射レンズ11に入射する光束の第3F値は約3.2となる。この場合、ライトパイプ5の入射面15の一辺の長さを4mmとすれば、射出面16の対応する辺の長さは約4.9mmとなり、液晶表示素子10の対応する辺の長さを約12.6mmとすればよい。同様に、テーパー角δが2°の場合は、第2F値が約1.7、第3F値が約4.3となる。この場合、入射面15の一辺の長さを4mmとすれば、射出面16の対応する辺の長さは約6.0mmとなり、液晶表示素子10の対応する辺の長さを約15.6mmとすればよい。まとめると、投射レンズ11の入射側F値(第3F値)が3.2〜4.3の場合には、ライトパイプ5のテーパー角δを0.9°〜2°の範囲に設定するのが好ましい。更に、ライトパイプ5の入射面15の一辺の長さを4mmとすれば、射出面16の対応する長さは約4.9mm〜6.0mmとなり、従って液晶表示素子10の対応する辺の長さは12.6mm〜15.6mmの範囲とすればよい。
更に、投射レンズ11が近接投射の場合には、投射レンズ11の入射側F値は3.4〜3.8が好適な範囲となる。ライトパイプ5のテーパー角δを1.2°に設定すれば第2F値が約1.3、第3F値が約3.4となり、テーパー角δを1.5°に設定すれば第2F値が約1.5、第3F値が約3.8となる。従って、投射レンズ11が近接投射レンズを使用する場合には、ライトパイプ5のテーパー角δを1.2°〜1.5°の範囲に設定するのが好ましい。この場合、ライトパイプ5の入射面15の一辺の長さを4mmとすれば、射出面16の対応する長さは約5.1mm〜5.4mmとなり、従って液晶表示素子10の対応する辺の長さは13.1mm〜14.1mmの範囲とすればよい。この結果、中空型に対して中実型のライトパイプ5は、同一の投射レンズ11を使用する場合に、液晶表示素子10の有効映像領域の面積を小さくすることができる、という利点を有する。
図3は、ライトパイプ5の外観図及び射出面の平面図を表す。図3(a)は、円筒状の中空ライトパイプ5cと、その射出面16cの形状を表す。図3(b)は、円筒状の中実ライトパイプ5dと、その射出面16dの形状を表す。図3(c)は、四角形の中空ライトパイプ5eと、その射出面16eの形状を表す。射出面の長辺Lxeと短辺Lyeとの間の比を4:3としている。液晶表示素子10の表示有効面の形状と一致させて、光のロスを減少させるためである。図3(d)は、四角形の中実ライトパイプ5fと、その射出面16fの形状を表す。長辺Lxfと短辺Lyfの間の比を16:9として、液晶表示素子10の表示有効面の形状と一致させる。なお、四角形のライトパイプの場合には、少なくともその射出面16の形状を、表示素子の有効映像領域の形状と相似形の形状とすればよい。また、上記のライトパイプは、いずれも入射面側から射出面にかけて末広状に光路面が拡大する。
本発明の実施の形態に係る映像投影装置の模式的ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る映像投影装置に使用するライトパイプの長手方向の断面図である。 本発明の実施の形態に係る映像投影装置に使用するライトパイプの外観図である。 従来公知の映像投影装置の概観図である。 従来公知の映像投影装置の映像光を投影する状態を表す模式図である。 従来公知の映像投影装置の光路を表す説明図である。
符号の説明
1 映像投影装置
2 光源部
3 リフレクタ
4 光源
5 ライトパイプ
9 リレーレンズ
10 液晶表示素子
11 投射レンズ
12 光源部の光軸
13 ライトパイプの光軸

Claims (8)

  1. 発光した光が集光された光束として射出する光源部と、前記集光された光束を入射面から入射し、導光して射出面から光束を射出するライトパイプと、前記射出された光束を伝達するリレーレンズと、前記リレーレンズからの光束を入射して映像光へ変換する光変調素子と、前記光変調素子からの映像光を拡大投射する投射レンズとを備えた映像投影装置において、
    前記ライトパイプは、前記光源部から第1F値の光束として前記入射面から入射し、前記第1F値よりも大きい第2F値の光束として前記射出面から射出することを特徴とする映像投影装置。
  2. 前記ライトパイプの光軸に直行する平面と前記ライトパイプ内の光路とが交差する前記光路の横断面は、入射側から射出側にかけて末広状に拡大することを特徴とする請求項1に記載の映像投影装置。
  3. 前記ライトパイプ内の光路の外延は、前記ライトパイプの光軸に対して0.9°〜2.0°の範囲のテーパー角を有することを特徴とする請求項2に記載の映像投影装置。
  4. 前記ライトパイプ内の光路の外延は、前記ライトパイプの光軸に対して1.3°〜1.7°の範囲のテーパー角を有することを特徴とする請求項3に記載の映像投影装置。
  5. 前記ライトパイプは、透光性材料を用いた中実パイプであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像投影装置。
  6. 前記光源部の前記第1F値が0.9〜1.1であり、前記ライトパイプの射出側の前記第2F値が1.2〜1.6であり、前記光変調素子の映像光射出側の第3F値が3.1〜4.2であり、前記投射レンズの入射側は前記第3F値を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の映像投影装置。
  7. 前記投射レンズは、投射側の半画角が40°以上の広角レンズであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の映像投影装置。
  8. 前記光源部から入射する光束のうち前記ライトパイプの光軸に対して最大角度を有する光は、前記ライトパイプの内面において少なくとも2回繰り返して反射されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の映像投影装置。
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JP2016126250A (ja) * 2015-01-07 2016-07-11 株式会社リコー 生サラダ用ライスペーパーの製造方法
JP2019159287A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 株式会社リコー 照明光学系ユニット

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