JP2008081543A - 無溶剤型ウレタン系塗料 - Google Patents

無溶剤型ウレタン系塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】 無溶剤で粘度が低く、溶剤型塗料と同等の耐久性を有するウレタン系塗料を提供する。
【解決手段】 ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオールを主成分とするポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含有する2液型ウレタン組成物からなり、前記ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との25℃における混合粘度が1,000mPa・s以下である無溶剤型ウレタン系塗料に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオールとして多分岐ポリエーテルポリオールを用いたウレタン組成物からなる無溶剤型ウレタン系塗料に関する。
土木建築分野の常温硬化型塗料として、従来、有機溶剤系塗料が用いられてきた。一方、近年、環境問題から、揮発性有機溶剤の使用量の低減が強く求められている。この要求を応えるために、様々な水性塗料が開発されているが、有機溶剤系塗料と同等の耐久性を保持するには困難を極めている。
そこで、従来よりポリイソシアネートとビニル系重合体を含有する水分散性ポリイソシアネート組成物と水または活性水素含有基を有する水性樹脂を含んでなる土木建築物用トップコート用水性塗料が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかし前記水性塗料は、水性でありながら硬い硬化塗膜、高い耐水性を保持しているものの、架橋密度が低いことから耐摩耗性が悪く、製品寿命が短いという問題を抱えている。
特開2003−34772号公報
本発明の課題は、無溶剤で粘度が低く、溶剤型塗料と同等の耐久性を有するウレタン系塗料を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオールとして特定の多分岐ポリエーテルポリオールを含むウレタン系塗料を用いると、有機溶剤を用いなくとも塗料レベルの粘度を保ち、硬度、耐摩耗性を始めとした耐久性に優れた塗膜を形成できることを見いだすに及んで、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオールを主成分とするポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含有する2液型ウレタン組成物からなり、前記ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との25℃における混合粘度が1,000mPa・s以下である無溶剤型ウレタン系塗料を提供するものである。
本発明の無溶剤型ウレタン系塗料は、良好な塗膜外観、表面硬度に加え、優れた耐摩耗性を有する。また有機溶剤を用いないことから、環境に優しく塗膜物性に優れた無溶剤型ウレタン系塗料を提供することが出来る。
以下本発明をさらに好ましい例を用いて詳細に説明する。

本発明に使用するポリオール(A)の主成分として用いられる多分岐ポリエーテルポリオールは、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られるものである。
かかる多分岐ポリエーテルポリオールは、官能基が分子表面上に配向し、球状に近い構造をとるようになるため、分子間の凝集エネルギーが高くなるものと推定している。
また、多分岐ポリエーテルポリオールの「多分岐」とは、分岐した先で更に分岐する分子構造を意味するものである。
ここで、本発明に使用するヒドロキシアルキルオキセタン(a1)としては、例えば、下記一般式(1)で表される構造を有するものが例として挙げられる。
Figure 2008081543
ここで、一般式(1)中、Rは、メチレン基、エチレン基、若しくはプロピレン基であり、一方、Rは、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシアルキル基、又は炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基を表す。また、炭素原子数1〜8のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、及び2−エチルヘキシル基が挙げられ、炭素原子数1〜5のアルコキシアルキル基の例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基が挙げられる。また、炭素原子数1〜3のヒドロキシアルキル基の例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、及びヒドロキシプロピル基が挙げられる。
かかる一般式(1)で表されるヒドロキシアルキルオキセタン(a1)の中でも、慣性半径がより小さくなり粘度の低減に効果的であり、また硬化物の硬度も高くなる点から、Rがメチレン基であり、かつ、Rが炭素原子数1〜7のアルキル基である化合物が好ましく、とりわけ3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、及び3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンが好ましい。
次に、上記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と開環重合反応させる1官能性エポキシ化合物(a2)としては、例えば、オレフィンエポキサイド、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
ここで、使用しうるオレフィンエポキサイドは、具体例として、プロピレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、1−ペンテンオキサイド、1−ヘキセンオキサイド、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシドデカン、シクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、シクロドデセンオキシド、スチレンオキシド、及び、フッ素原子数1〜18のフロロアルキルエポキシド等が挙げられる。
グリシジルエーテル化合物は、具体例として、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、i−プロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、i−ブチルグリシジルエーテル、n−ペンチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル−グリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、アリールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−メチルフェニルグリシジルエーテル、4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、4−メトキシフェニルグリシジルエーテル、及び、1〜18のフッ素原子数を有するフロロアルキルグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエステル化合物は、具体例として、グリシジルアセテート、グリシジルプロピオネート、グリシジルブチレート、グリシジルメタクリレート、及びグリシジルベンゾエート等が挙げられる。
これらの中でも、特に高い塗膜強度が得られ、かつ分子量が小さくなる点からオレフィンエポキサイドが好ましく、とりわけプロピレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、1−ペンテンオキサイド、又は1−ヘキセンオキサイドが好ましい。
ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)とを原料成分として開環重合反応させる方法としては、例えば次の方法が挙げられる。
すなわち、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)とを、モル基準で、(ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)/1官能性エポキシ化合物(a2)=1/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/3となる割合で混合し、これらをパーオキサイドフリーの有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−i−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、t−アミノメチルエーテル、又はジオキソランで、原料成分/有機溶剤の質量比が1/1〜1/5、好ましくは1/1.5〜1/2.5となる割合で溶解する。
次いで得られた溶液を−10℃〜−15℃になるまで撹拌しながら冷却し、次いで、重合開始剤を単独で、或いは溶液状態で、0.1〜1時間、好ましくは0.3〜0.5時間かけて滴下する。ここで、重合開始剤は、原料モノマーの全質量に対して0.01〜1質量%、好ましくは0.075〜0.3質量%なる割合で使用できる。また、重合開始剤を溶液状態で使用する場合、当該溶液中の重合開始剤の濃度は、1〜90質量%、特に25〜50質量%であることが好ましい。
次いで、この重合溶液を25℃になるまで撹拌し、次いで、リフラックスする温度まで加熱し、0.5〜3時間かけて原料成分を全て反応するまで反応を行う。原料モノマーの転化率は、GC、NMR、又はIRスペクトルによって確認することによって制御することができる。
重合後、得られた前記多分岐ポリエーテルポリオールは、前記重合開始剤と当量の水酸化アルカリ水溶液、ナトリウムアルコキシッドやカリウムアルコキシド等の添加、攪拌によって中和する。中和した後、濾過し、溶媒で目的物を抽出した後、減圧下に溶媒を留去することにより、目的とする多分岐ポリエーテルポリオールを得ることができる。
上記の方法で得られる多分岐ポリエーテルポリオールは、その分子構造中に1級水酸基(H1)と2級水酸基(H2)とを有しており、かつ、前記多分岐ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が1,500〜2,500、水酸基価が200〜300mg・KOH/gであることが好ましい。
これらを満足すると、有機溶剤を用いることなく、25℃における混合粘度が1,000mPa・s以下の塗料が得られ、硬度、耐摩耗性にも優れた硬化物が得られる。
ここでいう混合粘度とは、ポリオールとイソシアネートとをイソシアネート当量と水酸基当量の比率0.9〜1.2となる割合で、25℃において混合し、10分以内にBM型粘度計(ローターNo.4、60rpm)にて測定した粘度のことをいう。
数平均分子量(Mn)及び水酸基価は上記値範囲内であれば好ましく使用できるが、効果を最大限得るには、数平均分子量2,000〜2,500、水酸基価240〜280であるのが更に好ましい。
更に、本発明の多分岐ポリエーテルポリオールは、分子構造中に1級水酸基(H1)のみならず、2級水酸基(H2)をも有している。
1分子中の前記2級水酸基(H2)の数は、可使時間と硬化物硬度とのバランスの点から、全水酸基数に対して30〜60%が好ましく、さらに40〜50%となる割合であることが特に好ましい。本発明のポリオールの全水酸基数は、好ましくは4以上、さらに好ましくは4〜20である。
多分岐ポリエーテルポリオール中の全水酸基数に対する2級水酸基(H2)数の割合は、多分岐ポリエーテルポリオールをトリフロロ酢酸エステル化した後に、19F−NMRで測定することにより特定することができる。
本発明に用いられるウレタン組成物は、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)との二液型硬化性組成物である。また当該ポリオール(A)中に、前記多分岐ポリエーテルポリオールを用いることを特徴としている。
本発明では、ポリオール(A)の構成成分として、さらに、硬化塗膜の高伸び率を保持できる点から、活性水素を有する官能基が2個以上存在する活性水素化合物(a3)を含むことが好ましい。
かかる活性水素化合物(a3)とは、公知慣用のエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、トリメチロールプロパン等の単鎖ポリオール類、これら単鎖ポリオール類とアルキレンオキサイド類(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等)を重合させたポリアルキレンエーテルポリオール類あるいはフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、ヘット酸、コハク酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸と前述の単鎖グリコール類とのエステル化反応によって得られるポリエステルポリオール類、ポリオール類にイプシロンカプロラクトンを付加重合させたポリオールやポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂、天然油及びその誘導体等を挙げることができる。上記化合物は単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いても良い。
これらのうち、仕上がり性の点で、疎水性の高い天然油及びその誘導体を用いることが好ましい。また、さらに発泡の少ない高外観の塗膜を得ることができる点で、水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルを用いることが好ましい。
前記活性水素を有する官能基が2個以上存在する活性水素化合物(a3)は、塗膜伸び率の点で、ポリオール(A)中70重量%以下であることが好ましい。
また、このポリオール(A)の全水酸基数は4以上であり、塗膜強度、伸び率のバランスの点で、全水酸基数は4〜20であることがさらに好ましい。
次に、本発明に使用するウレタン組成物におけるポリイソシアネート(B)について説明する。
前記ポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、一部をカルボジイミド化されたジフェニルメタン
ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ノルボルネンジイソアシネート、水添キシリレンジイソシアネ
ート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネー
ト等の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネ
ートが挙げられる。これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
これらのうち、低粘度、耐候性の点から脂環族ジイソシアネートが好ましく、耐
摩耗性の点からノルボルネンジイソシアネートがさらに好ましい。
本発明に用いられるウレタン組成物は、前記ポリオール(A)、前記ポリイソシアネート(B)に、更に可塑剤、充填材、顔料及び必要に応じてその他各種の添加剤を加えることにより、本発明の無溶剤型ウレタン系塗料を調製することが出来る。
かかる可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤やトリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等の燐酸エステル系可塑剤、天然油脂およびその誘導体の脂肪酸エステル系が挙げられる。これらのうち、環境ホルモン、減粘効果の点から、脂肪酸エステル系可塑剤が好ましい。
前記充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、カオリン、硅そう土、ガラスバルーン等の無機化合物の粉粒体が挙げられる。その添加量は、組成物中に好ましくは5〜70であり、より好ましくは10〜60重量%である。
前記顔料としては、酸化チタンを始めとする諸顔料類を混合し練肉せしめたり、分散顔料類や加工顔料類などを混合せしめたりして、いわゆるエナメル塗料として使用することもできるし、またアルミ粉を分散したメタリック塗料として、あるいはこのような顔料類を使用しない、いわゆるクリヤーと量としても使用することもできる。
また、顔料分散方法は、サンドミル等様々な方法により行うことができ、その際の塗装にあたっては、スプレー、刷毛又はローラーなどの、いわゆる公知慣用な種々の手段を利用し適用することができる。
前記添加剤の例としては、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、タレ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤のような、通常、当業界において、公知慣用のようなものとなっているような、種々の塗料用添加剤類を、慣用量使用することができる。
さらに必要に応じ、ジブチルチンジラウレートまたはジブチルチンジアセテートの如き有機金属化合物や各種アミン類などの硬化触媒を始め、重油または芳香族炭化水素の如き石油系希釈剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で使用してもよい。
上記の充填材、添加物等は必要に応じて単独あるいは組み合わせて好ましく使用され得る。これらの充填材、添加剤等は、主にポリオール(A)に、常法によりあらかじめ練り合わせて使用することができる。
本発明のウレタン系塗料は、特に問題の無い限り、様々な塗布方法や用途に使用できる。例えば、ポリオール(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び必要に応じて充填材やその他の添加剤を所定の混合比で混合(常温)し、可使時間内に基材に塗布して硬化させる方法が挙げられる。塗布方法としては、各塗料の粘度に対応して、コテ、ハケ、ローラー、レーキ、スプレーなどで塗布することが出来る。また、本発明の塗料は基材に塗布した後、約6〜24時間程度で硬化する。
基材としては、例えばコンクリート、モルタルなどの建築、土木等に一般的に用いられているもの、または金属、木材、合成高分子系の敷物、例えばPVC製のタイル、シートまたはゴム製のタイル、シート或いはこれらに類似するタイル、シート状のものが接着剤で基材に貼られているもの等が挙げられる。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また本文中「部」とあるのは、質量部を示すものである。
なお、参考例1〜2中の多分岐ポリエーテルポリオール中の全水酸基数に対する2級水酸基(H2)の割合は、多分岐ポリエーテルポリオールをトリフロロ酢酸エステル化した後に、19F−NMRによって測定した。
合成例1
<多分岐ポリエーテルポリオール(a−1)の合成>
リフラックスコンデンサー、マグネット式攪拌棒、温度計を具備した250ml三口フラスコ中で、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン 11.6g(0.1モル)と、プロピレンオキサイド 11.6g(0.2モル)とを、50mlの乾燥シクロヘキサンに溶解し、次いで、このフラスコを10℃のアイスバスで冷却した。
次いで、HPF 0.76g(モノマー成分に対して0.25モル%)の60質量%水溶液を10mlのジエチルエーテルに溶解し、これを一度にフラスコに加えた。その後、反応混合物は直ちに白濁した。HPFを加えて1時間内に、反応温度は36℃に上昇した。次いで、該反応混合物はオイルバスで54〜60℃に1時間加熱し、更に、室温で一晩攪拌した。
次いで、前記開始剤は、NaOMe0.3gの30質量%メタノール溶液を加えて失活させた。次いで、この白濁した反応混合物をpH6になるまで4時間攪拌した。
反応混合物の下層の白濁層を分離し、シクロヘキサンを完全に除去した後、透明で低粘性の多分岐ポリエーテルポリオール(a−1)18.7gを得た。収率79%であった。この多分岐ポリエーテルポリオール(a−1)は、Mn=2,160、Mw 6,310、OHV=224mgKOH/gであり、プロトンNMRから、モル基準で3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン:プロピレンオキサイド=1:1.9であることが判明した。また、全水酸基数に対する2級水酸基(H2)数の割合は、45.0%であった。
合成例2
<多分岐ポリエーテルポリオール(a−2)の合成>
リフラックスコンデンサー、マグネット式攪拌棒、温度計を具備した2リットル三口フラスコ中で、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン 348g(3モル)と、プロピレンオキサイド 348g(6モル)とを、乾燥かつ過酸化物フリーの1リットルのジエチルエーテルに溶解し、次いで、このフラスコを−14℃のアイスバスで冷却した。
次いで、HPF 5.5gの60質量%水溶液を10分間滴下した。反応混合物は僅かに白濁した。次いで、室温で一晩反応させ、翌朝、透明な反応混合物を3時間還流した。次いで、前記開始剤は、NaOMe9gの30質量%メタノール溶液を加えて失活させた。濾過した後、減圧下でバス温度75℃でジエチルエーテルを除去した。ジエチルエーテルを完全に除去した後、多分岐ポリエーテルポリオール(a−2)667gを得た。収率89%であった。
この多分岐ポリエーテルポリオール(a−2)は、Mn=1,640、Mw=3,810、OHV=268mg・KOH/gであり、プロトンNMRから、モル基準で3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン:プロピレンオキサイド=1:1.9であることが判明した。また、全水酸基数に対する2級水酸基(H2)数の割合は、41.0%であった。
合成例3
<多分岐ポリエーテルポリオール(a−3)の合成>
リフラックスコンデンサー、マグネット式攪拌棒、温度計を具備した500mlの三口フラスコ中で、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン 69.6g(0.6モル)と、プロピレンオキサイド 104.4g(1.8モル)とを、乾燥かつ過酸化物フリーの250mlのジエチルエーテルに溶解し、次いで、このフラスコを−10℃のアイスバスで冷却した。
次いで、HPF 1.46gの60質量%水溶液を10分間滴下した。反応混合物は僅かに白濁した。次いで、室温で一晩反応させ、翌朝、透明な反応混合物を4時間還流した。その後、樹脂溶液からジエチルエーテル300mlを留去し、生成物をKOH2.8gと水400mlからなる水溶液で洗浄した。
単離した有機層は、次いで、非イオン水400mlで2回洗浄し、再度、ジエチルエーテルを除去し、低粘性の透明多分岐ポリエーテルポリオール(a−3)163.2gを得た。収率94%であった。
この多分岐ポリエーテルポリオール(a−3)は、Mn=2,750、Mw=5,630、OHV=188mg・KOH/gであり、プロトンNMRから、モル基準で3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン:プロピレンオキサイド=1:2.9であることが判明した。また、全水酸基数に対する2級水酸基(H2)数の割合は、46.3%であった。
参考例1
<ポリオール(A−1)の調製>
前記合成例1で得られた多分岐ポリエーテルポリオール(a−1)500部とユーリックH−35(ヒマシ油トリグリセライド:伊藤製油(株)製)500部を混合し、平均水酸基当量が292のポリオール(A−1)を得た。
参考例2
<ポリオール(A−2)の調製>
前記合成例2で得られた多分岐ポリエーテルポリオール(a−2)500部とユーリックH−35(ヒマシ油トリグリセライド:伊藤製油(株)製)500部を混合し、平均水酸基当量が262のポリオール(A−2)を得た。
参考例3
<ポリオール(A−3)の調製>
前記合成例3で得られた多分岐ポリエーテルポリオール(a−3)500部とユーリックH−35(ヒマシ油トリグリセライド:伊藤製油(株)製)500部を混合し、平均水酸基当量が322のポリオール(A−3)を得た。
実施例1
30cm×30cmのスレート板上に、プライアデックT−117(湿気硬化型ウレタンプライマー:大日本インキ化学工業(株)製)を0.2kg/m塗布し乾燥させた後、プライアデックHF−3500(汎用ウレタン床材:大日本インキ化学工業(株)製)を1.0kg/m塗布した。硬化後、参考例1にて調製したポリオール(A−1)にフローレンAC−303HF(消泡剤:共栄社化学(株)製)をポリオール(A−1)に対し0.5重量%、チヌビン326(紫外線吸収剤:チバスペシャリティケミカルズ(株)製)をポリオールに対し0.3重量%、SCAT−52A(スズ触媒:三共有機合成(株)製)をポリオールに対し0.05重量%添加し、コスモネートNBDI(ノルボルネンジイソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製)をイソシアネート当量と水酸基当量の比率1.15となる割合にて撹拌混合し、0.2kg/m塗布した。この試験体に対し、塗膜外観、混合粘度、鉛筆硬度、耐摩耗性試験を実施した。結果を第1表に示す。
実施例2
ポリオール成分として、参考例2にて調整したポリオール(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。
比較例1
ポリオール成分として、参考例3にて調整したポリオール(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。
比較例2
プライアデックHF−3500上に塗布する塗料として、カラートップU(有機溶剤系汎用塗料:エービーシー商会(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。
Figure 2008081543
<塗膜外観>
前記実施例で得られる塗料を、プライアデックHF−3500上に0.2kg/m塗布した際の表面の発泡状態を目視で評価した。
<混合粘度>
100mlビーカー内で各塗料の二液成分を1分間混合した後に、そのビーカーを25℃の恒温水槽につけ、BM型粘度計を用いて、No.4ローター60回転にて、混合してから5分後の粘度を測定した。
<鉛筆硬度>
各硬度の鉛筆を用いて、塗膜外観評価に使用した塗膜表面をひっかき、傷が出来る硬度の鉛筆を調査した。(JISK5400に準拠)
<耐摩耗性>
30cm×30cmのスレート板に、各塗料を0.2kg/m塗布し、硬化後10cm×10cmの大きさにカッティングした。この塗膜をテーパー摩耗試験機にて、摩耗輪CS−17、荷重1kg、1000サイクルの条件下で摩耗試験を行い、その塗膜の摩耗減量を測定した。(JISK5600に準拠)

Claims (7)

  1. ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオールを主成分とするポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含有する2液型ウレタン組成物からなり、前記ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との25℃における混合粘度が1,000mPa・s以下である無溶剤型ウレタン系塗料。
  2. 前記多分岐ポリエーテルポリオールが、その分子構造中に1級水酸基(H1)と2級水酸基(H2)とを有しており、かつ1,500〜2,500の数平均分子量(Mn)及び200〜300mg・KOH/gの水酸基価を有する請求項1記載の無溶剤型ウレタン系塗料。
  3. 前記多分岐ポリエーテルポリオールが、前記1官能性エポキシ化合物(a2)に対しヒドロキシアルキルオキセタン(a1)[(a1)/(a2)]を1/1〜1/3のモル比で反応させて得られるものであり、1官能性エポキシ化合物(a2)が、オレフィンエポキサイドであり、かつその分子構造中に2級水酸基(H2)数が、全水酸基数に対して30〜60%である請求項1又は2記載の無溶剤型ウレタン系塗料。
  4. 前記ポリイソシアネート(B)が、脂環式炭化水素構造含有ジイソシアネートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の無溶剤型ウレタン系塗料。
  5. 前記ポリオール(A)中、活性水素を有する官能基が2個以上存在する活性水素化合物(a3)が70重量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の無溶剤型ウレタン系塗料。
  6. 前記ポリオール(A)の全水酸基数が4以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の無溶剤型ウレタン系塗料。
  7. 前記活性水素化合物(a3)が、水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルである請求項1〜6のいずれか1項に記載の無溶剤型ウレタン系塗料。



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