JP2008079155A - オフセット補償装置並びに無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線通信端末用RFフロントエンド部の周波数変換回路部及びその前段の利得可変増幅回路で発生するDCオフセット電圧をキャンセルする。
【解決手段】周波数変換回路及びその前段の可変利得増幅回路の各入力にDCオフセット電圧補償回路をそれぞれ配設する。まず、可変利得増幅回路を最小利得に設定し、周波数変換回路出力でのキャリアリークが最小になるように、周波数変換回路の入力のDCオフセット電圧補償回路を調整し、次いで、可変利得増幅回路を最大利得に設定し、周波数変換回路出力でのキャリアリークが最小になるように、可変利得増幅回路の入力のDCオフセット電圧補償回路を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば移動体無線通信端末のRFフロントエンド部分において周波数変換を行なう際に発生するDCオフセット電圧を補償するためのオフセット補償装置並びに無線通信装置に係り、特に、ダイレクト・コンバージョン方式により周波数変換を行なう際に発生するDCオフセット電圧を補償するためのオフセット補償装置並びに無線通信装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、送信系において周波数変換回路の入力に発生するDCオフセット電圧を除去するオフセット補償装置並びに無線通信装置に係り、特に、パワー・コントロールを行なう送信系において直流接続される可変利得増幅回路を前段に備えた周波数変換回路の入力に発生するDCオフセット電圧を除去するオフセット補償装置並びに無線通信装置に関する。
携帯電話機や無線LANなど、移動体通信技術が広範に普及している。移動体通信端末のRFフロントエンドは、通常、アナログ・ベースバンド信号を周波数変換器(直交変調器)によりRF帯域にアップコンバートし、バンドパス・フィルタにより帯域制限を掛けた後、さらに可変利得増幅回路により送信電力を増幅するというのが一般的な構成である。また、最近の無線通信機では、ベースバンド信号をアップコンバートする周波数変換器として、ローカル周波数fLOにキャリア周波数を用いて直接周波数変換を行なうというダイレクト・コンバージョン方式が採用されている。例えば、W−CDMA方式の携帯無線端末において、ダイレクト・コンバージョン方式が広く用いられている。
ダイレクト・コンバージョン方式によれば、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルタを用いないため、小型化に適するとともに、原理的にスプリアス周波数を発生させないことから、送・受信機の設計性に優れる。しかしながら、受信系でのダイレクト・コンバージョン方式においては、キャリア周波数とローカル周波数が等しくなるため、ローカル信号の自己ミキシングにより、出力に直流成分すなわちDCオフセット電圧が発生するという問題が指摘されている(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
ローカル信号の自己ミキシングは、図16に示すように、受信機本体からアンテナに向かって漏れ出したローカル信号の一部がアンテナで反射して再び受信機に戻り、ミキサにおいてローカル信号自身と乗算されることによって生じる。あるいは、ローカル信号の一部がアンテナを通じて外部に放出された後、その反射波がアンテナで受信されてローカル信号とミキシングされることもある。
また、DCオフセット電圧が直交変調器の入力に発生する場合、その出力には不要やキャリア周波数成分が発生する。受信系の場合には、ベースバンド段でチャネル選択フィルタにより不要キャリア周波数成分を除去することができるので、大きな問題にはならない。これに対し、送信系では、DCオフセットは、変調度EVM(Error Vector Magnitude)を劣化させるキャリアリークとして問題になる。
そこで、直交変調器入力の差動間にDC電圧をデジタル的に切り替える機能を設け、直交変調器及びその前段の回路で発生するDCオフセット電圧をキャンセルする手法が一般的に用いられている。例えば、図17に示す従来例では、ミキサ回路のトランスコンダクタンス段に流れるバイアス電流を電流切り替え形のDACで調整することにより、等価的にDCオフセット電圧をキャンセルする方法を用いている(例えば、非特許文献2を参照のこと)。
また、ミキサのDCオフセットを検出し、検出されたDCオフセットを校正するDC電圧をミキサの上記入力信号に加算する送信回路について提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
ここで、直交変調器のキャリアリーク・レベルは、DCオフセット電圧レベルと入力変調波信号のCW換算レベルの比と考えることができる。例えば、I及びQパスを考慮して、次式よりキャリアリーク・レベルを求めることができる。
Figure 2008079155
但し、上式(1)において、CLRはCarrier Leakage Ratio(キャリアリーク対信号比、以下、CLRとする)、DC_IはI側の変調器入力での等価DCオフセット電圧レベル、DC_QはQ側の変調器入力での等価DCオフセット電圧レベル、Vin_ampはI側及びQ側それぞれの変調波信号入力レベルのCW換算値の振幅を表している。
上式(1)から分るように、キャリアリーク・レベルを下げておくためには、キャンセル後のDCオフセット電圧レベルを小さく抑える、若しくは、入力変調信号のレベルを大きく保つ必要があることが分かる。前者に関しては、キャリブレーション回路の可変範囲、制御DACのビット数、回路のばらつきなどの制約で決まるもので、DC_I、DC_Qはそれぞれ1mV程度が無難なところであろう。そこで、−35dBcのCLRを確保しようとするならば、上式(1)より、500mVpp相当の変調波信号入力が必要となる。おおよそ、この程度の設計でダイレクト・コンバージョン方式を用いた送信系が従来例として実現されていると考えられる。
ところで、第3世代モバイル通信の国際標準IMT−2000で規定されている無線インタフェース規格の1つとして、W−CDMA(広帯域符号分割多元接続)方式が知られている。この種の通信システムでは、同一の周波数帯域を複数の通信者が共有することから、基地局の遠くの移動局から届く低電力の送信信号が、近くの移動局から届く高電力の送信信号に埋没するという遠近問題が生じる。この問題は、基地局のみならず移動局にも生じ得る。このため、移動局及び基地局からの送信電力を調整する「パワー・コントロール」が不可欠である。
例えば、送信電力のクローズドループ制御が適用される場合には、基地局及び移動局の双方において、受信信号に含まれるTPC(Transfer Power Control:送信電力制御)ビットに基づいて送信電力制御が行なわれる。例えば、基地局側で希望波の受信信号障害波電力比を測定し、ブロックエラーレートBERから求めた目標信号・障害波出力比と受信信号障害波出力比を対比することで電力の増減の判断を行ない、基地局側から移動局への信号の送信フレームにTPCビットを定義して送ることで、電力の上昇・下降を可能にし、基地局近傍の移動局からの送信電力を低下させる送信電力制御装置について提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。
このように送信パワー・コントロールが要求される通信システムでは、送信機側には90dB近い可変レンジを持つ利得増幅が必要とされる。ところが、1つの可変利得増幅回路での可変レンジは30dB程度となることから、3段構成の増幅回路を用いる必要がある。また、高周波でのアイソレーションが困難なことや、上述したキャリアリークの問題から、図17に示すように直交変調器の出力すなわちRF段に3段構成の可変利得増幅器を配設し、直交変調器入力での信号レベルは一定に保ち、直交変調器後の回路ブロックに90dB近い可変利得を持たせて、このパワー・コントロールを行なうことができる。
一方、近年の低消費電力化への要求から、複数段の可変利得増幅をすべて直交変調器後のRF段で行なうのではなく、少なくとも一部を直交変調器前のベースバンド段(以下、BB段)で済ませる構成が望まれている。何故ならば、低周波数領域では寄生容量の影響が小さく、高抵抗を使用することができ、可変利得増幅回路もRF段で構成するよりもBB段で設計する方が低消費電力で実現できるからである。
しかしながら、直交変調器前のBB段に少なくとも一部の可変利得増幅器を配置し、可変利得増幅器入力にDCオフセットが発生すると、利得を切り替える度に直交変調器入力でのDCオフセット成分も変化してしまうことから、、変調度が低下するという問題が発生してしまう。これに対し、直交変調後の高周波数領域では、交流結合により比較的容易にDCオフセットを除去することができる。このため、図18に示したように、直交変調器後に3段構成の可変利得増幅器を配設して、消費電力を犠牲としながら、キャリアリークの問題を回避しながらパワー・コントロールを行なうことが一般的となっている。
特開2006−229669号公報 WO97/50197 Anuj Batra,"03267r1P802−15_TG3a−Multi−band−OFDM−CFP−Presentation.ppt",pp.17,July2003. G.Brena et.al.著"Carrier Leakage Suppression in Direct−Conversion WCDMA Transmitters"(ISSCC2003 Digest)
本発明の目的は、パワー・コントロールを行なう送信系において周波数変換回路の入力に発生するDCオフセット電圧を好適に除去することができる、優れたオフセット補償装置並びに無線通信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、パワー・コントロールを行なう送信系において、少なくとも一部の可変利得増幅を周波数変換前のベースバンド段で行なって低消費電力化を図る回路構成を備えるとともに、利得を切り替える度に変化するDCオフセット電圧を好適に除去することができる、優れたオフセット補償装置並びに無線通信装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、直流接続される可変利得増幅回路を前段に備えた周波数変換回路に適用され、前記周波数変換回路の入力に発生するDCオフセット電圧を補償するためのオフセット補償装置であって、
前記可変利得増幅回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第1のDCオフセット電圧補償手段と、
前記周波数変換回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第2のDCオフセット電圧補償手段と、
前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を保持する第1の調整設定保持手段と、
前記第2のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を保持する第2の調整設定保持手段と、
前記可変利得増幅回路の利得がほぼ最小となる条件において、前記周波数変換器の出力でのキャリアリーク・レベルが最小となるように前記第2のDCオフセット電圧補償回路を調整し、該調整した際の設定を前記第2の調整設定保持手段に保持した後、前記可変利得増幅回路の利得がほぼ最大となる条件において、前記周波数変換回路の出力でのキャリアリーク・レベルが最小となるように前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整し、該調整した際の設定を前記第1の調整設定保持手段に保持する調整制御手段と、
を具備することを特徴とするオフセット補償装置である。
W−CDMA方式の携帯無線端末では、アナログ・ベースバンド信号からRF帯域にアップコンバートする際にダイレクト・コンバージョン方式が広く用いられている。この場合、回路に用いるトランジスタ、抵抗素子のミスマッチ等によりDCオフセットが発生し、キャリアリークの原因となって変調度を劣化させるという問題がある。
一方、W−CDMA方式などの通信システムでは、送信パワー・コントロールを実現するために、送信機には90dB近い可変レンジを持つ利得増幅が要求される。この場合、1つの可変利得増幅回路での可変レンジは30dB程度となることから、3段構成の増幅回路を用いなければならない。
ここで、可変利得増幅回路をRF段ではなくBB段で設計する方が低消費電力で実現できることから、複数段の可変利得増幅の少なくとも一部を直交変調器前のBB段で済ませる構成が望ましいと考えられる。しかしながら、利得を切り替える度に直交変調器入力でのDCオフセット成分が変化することから、直交変調器前に利得可変機能を持たせるとキャリアリークにより変調度が低下するという問題が生じる。このため、複数段の可変利得増幅をすべて直交変調器後のRF段で行ない、キャリアリークの問題を回避しながらパワー・コントロールを行なうことが一般的であり、消費電力を犠牲にしているのが実情である。
これに対し、本発明では、前記可変利得増幅回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第1のDCオフセット電圧補償手段と、前記周波数変換回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第2のDCオフセット電圧補償手段を備え、調整制御手段がこれらDCオフセット電圧補償手段を調整するための手順を制御するとともに、前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を第1の調整設定保持手段に保持し、前記第2のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を第2の調整設定保持手段に保持するように構成されている。
調整制御手段は、まず、可変利得増幅回路の利得が最小となる設定において、周波数変換回路出力でのキャリアリークが最小になるように、周波数変換回路の入力に位置する第2のDCオフセット電圧補償回路を調整する。すなわち、BB段の可変利得増幅回路の入力段の影響を除去して、その出力段において周波数変換回路入力で発生するDCオフセット成分の調整を行なう。そして、調整が行なわれた設定内容は、第2の設定保持手段に保持される。
次いで、調整制御手段は、BB段の可変利得増幅回路の利得が最大となる設定において、周波数変換回路出力でのキャリアリークが最小になるように、可変利得増幅回路の入力に位置する第1のDCオフセット電圧補償回路を調整する。すなわち、BB段の可変利得増幅回路の入力段の影響を考慮しながら、DCオフセットの調整を行なう。そして、第1の設定保持手段に設定が保持される。
このように、本発明によれば、可変利得増幅回路の利得を最小にしてその入力段の影響を除去して、周波数変換回路入力で発生するDCオフセット電圧の調整を行なった後に、可変利得増幅回路の利得を最大にしてその入力段の影響を考慮しながらDCオフセット電圧の調整を行なうので、2箇所に設置したDCオフセット電圧の調整を独立して制御することができる。よって、可変利得増幅回路をBB段に配設することにより低消費電力化を図ることができるとともに、キャリアリークの問題を回避することができる。
ここで、前記第1及び第2の調整設定手段は、一度保持した設定内容を、当該装置の電源電圧をオフした後も保持する記憶機能を備えていても良い。このような場合、DCオフセット電圧補償手段による調整作業回数を削減することができる。また、前記第1及び第2の調整設定手段に対して、一度保持した設定内容を、当該装置の電源電圧をオフした後も保持するタイミングを指示する記憶トリガ信号供給手段をさらに備えていてもよい。前記第1及び第2のDCオフセット電圧補償手段の試調整を行なう機会を設けて、最終的な設定と判断したときに記憶とリガ信号を供給することで、最適な設定を記憶することができる。
また、前記調整制御手段に対して前記第1及び第2のDCオフセット電圧補償手段の調整タイミングを供給して、調整期間を通知する調整タイミング信号供給手段をさらに備えていてもよい。例えば、周波数変換回路の出力段において発生するDCオフセット電圧に経時変化があるような場合には、調整タイミング信号を用いて、再調整作業を適宜行なうようにすれば、最適なキャリアリーク特性を継続的に得ることができる。
また、本発明に係るオフセット補償装置は、前記周波数変換回路の出力におけるキャリアリークを検出するキャリアリーク検出手段と、前記キャリアリーク検出手段が検出したキャリアリークをキャリア周波数と等価な周波数であるローカル信号でダウン・コンバートする第2の周波数変換回路と、該ダウン・コンバートされたDC電圧を検出するDC電圧レベル検出手段をさらに備えていても良い。このような場合、第1並びに第2のDCオフセット電圧補償手段の調整を行なう際に、DC電圧レベル検出手段でモニタするDC電圧の大小関係を指標として調整することができ、調整作業の手間が大幅に改善される。
また、本発明に係るオフセット補償装置は、前記DC電圧レベル検出手段により検出されたDC電圧を保存するDC電圧レベル保存手段と、前記DC電圧レベル保存手段に保存されている以前のDC電圧レベルと、前記DC電圧レベル検出手段により新たに検出されたDC電圧レベルとを比較するDC電圧レベル比較手段と、前記DC電圧レベル比較手段による比較結果に基づいて極性を判定し、該判定結果を前記調整制御手段に供給する極性判定手段をさらに備えていても良い。このような場合、第1並びに第2のDCオフセット電圧補償手段の調整を開始してから極性の反転が判定されるまで調整作業を継続すればよく、キャリアリーク特性を最適設定に調整するための手順を自動化することが可能となる。また、調整タイミング信号供給手段をさらに備えることにより、DCオフセット電圧に経時変化があっても、調整タイミング信号を用いて、再調整作業を適宜行ない、最適なキャリアリーク特性を継続的に得ることができる。
また、上述したようなオフセット補償装置は、直流接続される可変利得増幅回路を前段に備えた周波数変換回路だけでなく、直流接続される可変利得増幅回路を前段に備えた直交変調器に対しても同様に適用することができる。
本発明に係るオフセット補償装置は、例えば、W−CDMA方式などの送信パワー・コントロールを必要とする無線通信装置の送信系に適用することができる。この種の送信機には90dB近い可変レンジを持つ利得増幅が要求され、1つの可変利得増幅回路での可変レンジは30dB程度となることから、3段構成の増幅回路を用いなければならない。
したがって、ベースバンド信号をアップコンバートする直交変調器の入力側すなわちBB段に少なくとも1つの可変利得増幅回路を直流接続し、残りの可変利得増幅回路を直交変調器の出力側すなわちRF段に交流接続することにより、低消費電力化を図る。そして、上述したように、BB段の可変利得増幅回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第1のDCオフセット電圧補償手段と、前記周波数変換回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第2のDCオフセット電圧補償手段を備え、調整制御手段がこれらDCオフセット電圧補償手段を調整するための適切な手順を制御することによって、最適なキャリアリーク特性を得ることができる。
本発明によれば、パワー・コントロールを行なう送信系において周波数変換回路の入力発生するDCオフセット電圧を好適に除去することができる、優れたオフセット補償装置並びに無線通信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、パワー・コントロールを行なう送信系において、少なくとも一部の可変利得増幅を周波数変換前のベースバンド段で行なって低消費電力化を図る回路構成を備えるとともに、利得を切り替える度に変化する周波数変換回路入力でのDCオフセット電圧を好適に除去することができる、優れたオフセット補償装置並びに無線通信装置を提供することができる。
本発明によれば、直交変調器及びその前段の可変利得増幅回路の各入力にDCオフセット電圧補償回路がそれぞれ配設され、まず、可変利得増幅回路を最小利得に設定して周波数変換回路出力でのキャリアリークが最小になるように周波数変換回路の入力のDCオフセット電圧補償回路を調整し、次いで、可変利得増幅回路を最大利得に設定して周波数変換回路出力でのキャリアリークが最小になるように可変利得増幅回路の入力のDCオフセット電圧補償回路を調整するという、特定の調整手順を実施することにより、利得を切り替える度に変化するDCオフセット電圧を好適に除去することができる。したがって、多段構成となる可変利得増幅回路の少なくとも一部をBB段に配置して、低消費電力化を図ることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
W−CDMA方式などの通信システムでは、送信パワー・コントロールが要求されており、送信機は90dB程度の可変レンジの利得増幅を実現するためには複数段の可変増幅回路を用いる必要がある。可変利得増幅回路をRF段ではなくBB段で設計する方が低消費電力で実現できることから、複数段の可変利得増幅の少なくとも一部を直交変調器前のBB段で済ませる構成が望ましい。
ここで、90dBの要求可変範囲のうち、3分の1に相当する30dBの可変範囲をBB段で行なう際のキャリアリークの問題について考察してみる。
まず、DCオフセット電圧補償回路を直交変調器の入力側に設け、DCオフセット電圧をキャンセルした後の直交変調器入力での換算DCオフセット電圧はI、Qそれぞれ1mV固定であると仮定する。
利得が最大となる場合には、500mVppの変調波信号レベルが得られるので、−35dBのCLRが得られる。ところが、BB段の可変増幅回路の利得を絞った場合(すなわち、最小出力時)には、直交変調器入力での変調波信号レベルは15.8mVppとなり、CLRは30dB劣化し、−5dBとなる。通常、最小出力時の変調度は、最大出力時と同等の値を要求される訳ではなく、最小出力時はキャリアリークが−20dB程度得られていれば問題ないと思料される。よって、制御DACのビット数を増やすなどの対応で、DCオフセット電圧補償回路の分解能を改善可能と考えられる。最小出力時に−20dBのCLRを得るために要求されるDCオフセット電圧をキャンセルした後の変調器入力での換算DCオフセット電圧は、0.5mV程度となる。この場合、最大出力時には−50dB程度のCLRが得られることになる。
但し、以上の説明は、DCオフセット電圧をキャンセルした後の変調器入力での換算DCオフセット電圧が一定の場合に限り成立し、直交変調器入力でのDCオフセット電圧が変化する場合には成立しないことを留意しなければならない。例えば、最大出力時に、直交変調器出力でのキャリアリークのレベルが最小になるようにDCオフセット電圧補償回路を調整した場合、直交変調器入力で発生する等価DCオフセット電圧とBB段の可変利得増幅回路で発生するDCオフセット電圧成分を加算したものがキャンセルされている。一方、この状態でBB段の可変利得増幅回路の利得を絞っていくと、BB段入力で発生するDCオフセット電圧成分の影響は、直交変調器入力では絞った利得分だけ小さくなり、最適に調整したつもりのキャリアリーク・レベルが絞った利得分以上に劣化するという問題が生じる。すなわち、BB段の可変利得増幅回路の利得を切り替える度に、直交変調器入力に含まれるDCオフセット電圧成分が変化し、これがキャリアリークの原因となる。
次に、直交変調器入力ではなく、BB段の可変利得増幅回路入力のみでDCオフセット電圧キャンセルを行なう構成について説明する。直交変調器で発生するDCオフセット電圧成分をBB段可変利得増幅回路入力に換算する場合、BB段可変利得増幅回路の持つ利得で割る操作が加わるので、最小出力と最大出力時のキャンセルすべきDCオフセット電圧レベルが大きく変化することが容易に推測される。つまり、この構成でのDCオフセット電圧キャンセルも事実上難しいことが分かる。
要するに、BB段の可変利得増幅回路の利得を切り替える度に、直交変調器入力に含まれるDCオフセット電圧成分が変化し、これがキャリアリークの原因となる。DCオフセット電圧補償回路を直交変調器入力に設ける場合には、DCオフセット電圧をキャンセルした後の変調器入力での換算DCオフセット電圧が一定となるという条件下でしかDCオフセット電圧キャンセルを実現することはできない。また、BB段の可変利得増幅回路のみでDCオフセット電圧キャンセルを行なう場合には、最小出力と最大出力時のキャンセルすべきDCオフセット電圧レベルが大きく変化することから、DCオフセット電圧キャンセルは困難である。
そこで、本発明では、無線通信装置などが90dBの要求可変範囲のうち3分の1に相当する30dBの可変範囲を周波数変調前のBB段で行なう構成、すなわち、周波数変換回路及びその前段に可変利得増幅回路を直流接続する構成をとる場合において、周波数変換回路の入力及び可変利得増幅回路の入力の少なくとも2箇所に独立制御可能なDCオフセット電圧補償回路を備えるとともに、各々のDCオフセット電圧補償回路にそれぞれ調整後の設定を保持する手段を搭載するようにしている。
そして、各々のDCオフセット電圧補償回路の調整は、以下の2つの手順により実行される。
まず、可変利得増幅回路の利得が最小となる設定において、周波数変換回路出力でのキャリアリークが最小になるように、周波数変換回路の入力に位置する第2のDCオフセット電圧補償回路を調整する。すなわち、BB段の可変利得増幅回路の入力段の影響を除去して、その出力段において周波数変換回路入力で発生するDCオフセット成分の調整を行なう。このとき調整が行なわれた設定内容は、第2の設定保持手段に保持される。
次いで、BB段の可変利得増幅回路の利得が最大となる設定において、周波数変換回路出力でのキャリアリークが最小になるように、可変利得増幅回路の入力に位置する第1のDCオフセット電圧補償回路を調整する。すなわち、BB段の可変利得増幅回路の入力段の影響を考慮しながら、DCオフセットの調整を行なう。このとき調整が行なわれた設定内容は、第1の設定保持手段に設定が保持される。
このように、本発明によれば、周波数変換回路及びその前段に可変利得増幅回路を直流接続する構成をとる場合において、可変利得増幅回路の利得を最小にしてその入力段の影響を除去してDCオフセット電圧の調整を行なった後に、可変利得増幅回路の利得を最大にしてその入力段の影響を考慮しながらDCオフセット電圧の調整を行なうので、2箇所に設置したDCオフセット電圧の調整を独立して制御することができる。よって、可変利得増幅回路をBB段に配設することにより低消費電力化を図ることができるとともに、キャリアリークの問題を回避することができる。
図1には、本発明の一実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に直流接続された可変利得増幅回路の構成を示している。図示の回路は、例えば無線通信装置の送信系のRFフロントエンド部に相当する。
図示の回路構成は、例えば、W−CDMA方式の携帯無線端末の送信機において、アナログ・ベースバンド信号をRF信号に周波数変調するために適用することができる。W−CDMA方式などの送信パワー・コントロールが不可欠となる通信システムに適用される場合、90dB近い可変レンジを持つ利得増幅が必要とされ、図示したBB段に配置された可変利得増幅回路の他に、例えば周波数変換回路の出力側すなわちRF段にも2個の図示しない可変利得増幅回路が配設される。
同図に示すように、周波数変換回路101の前段に利得可変機能を持つ可変利得増幅回路102が直流接続されている。可変利得増幅回路102の入力に第1のDCオフセット電圧補償回路103を備えるとともに、周波数変換回路101の入力に第2のDCオフセット電圧補償回路104を備えている。さらに、第1のDCオフセット電圧補償回路103は調整の設定を保持するための手段である第1の調整設定保持手段105を持ち、第2のDCオフセット電圧補償回路104は調整の設定を保持するための手段である第2の調整設定保持手段106を持つ。
第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104の調整手順として、調整制御手段107は、まず、可変利得増幅回路102の利得が最小になるように制御し、周波数変換回路101の出力でのキャリアリーク・レベルが最小になるように第2のDCオフセット電圧補償回路104を調整する。すなわち、BB段の可変利得増幅回路102の入力段の影響を除去して、周波数変換回路101の入力でのDCオフセット電圧の調整を行なう。そして、第2の調整設定保持手段106に設定を保持する作業を行なう。
次いで、調整制御手段107は、可変利得増幅回路102の利得が最大になるように制御し、周波数変換回路101の出力でのキャリアリーク・レベルが最小になるように第1のDCオフセット電圧補償回路103を調整する。すなわち、BB段の可変利得増幅回路102の入力段の影響を考慮しながら、周波数変換回路101の入力に換算されたDCオフセット電圧の調整を行なうことに相当する。そして、第1の調整設定保持手段105に設定を保持するよう制御を行なう。
このような調整手順を通して得られるキャリアリーク・レベルの算出方法について説明する。
まず、最小出力、すなわち可変利得増幅回路102の利得が最小のときは、第1のDCオフセット電圧補償回路103の調整分解能をDC_LSB_1、第2のDCオフセット電圧補償回路104の調整分解能をDC_LSB_2、可変利得増幅回路102入力の信号振幅をVin_amp、可変利得増幅回路102の利得をGminとすると、下式(2)によってキャリアリーク・レベルを計算することができる。
Figure 2008079155
次いで、最大出力、すなわち可変利得増幅回路の利得が最大のときは、可変利得増幅回路102の利得をGmaxとすると、下式(3)によってキャリアリーク・レベルを計算することができる。
Figure 2008079155
よって、要求されるキャリアリーク対信号比CLRGmin及びCLRGmaxから、必要となるDCオフセット電圧レベルDC_LSB_1及びDC_LSB_2を満たすよう、第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104を設計すればよい。
例えば、可変利得増幅回路102の最小利得Gminが−30dB、その最大利得Gmaxが0dB、変調波信号入力レベルのCW換算値の振幅Vin_ampが0.25V(=500mVpp)という条件の下で、CLRGmin<−20dB、CLRGmax<−40dBを満たすためには、DC_LSB_1として1.25mV以下、DC_LSB_2として0.5mV以下の調整分解能をそれぞれ持つ第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104を用意できればよいことが分かる。
但し、上式(2)及び(3)が成立するためには、まず、最小出力すなわち可変利得増幅回路102の利得が最小となるときに第2のDCオフセット電圧補償回路104を調整し、次いで、最大出力すなわち可変利得増幅回路102の利得が最大となるときに第1のDCオフセット電圧補償回路103を調整するという手順を持つことが重要である。調整制御手段107は、このような調整手順を実施するように制御する。
ここで、上述とは逆の調整手順、すなわち、まず可変利得増幅回路102の利得を最大にした最大出力時に、第1のDCオフセット電圧補償回路103を調整し、次いで可変利得増幅回路102の利得を最小にした最小出力時に第2のDCオフセット電圧補償回路104を調整するという手順で調整される場合について考えてみる。第2のDCオフセット電圧補償回路104が調整される前の周波数変換回路101の入力でのDCオフセット電圧をDC_mixとすると、第1のDCオフセット電圧補償回路103は、可変利得増幅回路102入力でのDCオフセット電圧及びDC_mixの可変利得増幅回路102入力での入力換算レベルを同時にキャンセルすることになる。次いで、可変利得増幅回路102の利得を最小にした最小出力時に第2のDCオフセット電圧補償回路104を調整した場合、DC_mixはDC_LSB_2に変化してしまう。このため、既に調整を行なった第1のDCオフセット電圧補償回路103の設定は最適点から大きくずれてしまうことになる。つまり、再度、可変利得増幅回路102の利得を最大にした場合、所望のキャリアリーク特性が得られないことになる。
以上から、図1に示したRFフロントエンド部の回路構成において、調整制御手段107においてDCオフセット電圧を調整する手順の重要性が理解できよう。まず、可変利得増幅回路102の利得が最小になるように制御し、周波数変換回路101の出力でのキャリアリーク・レベルが最小になるように第2のDCオフセット電圧補償回路104を調整する。そして、第2の調整設定保持手段106に設定を保持する作業を行なう。次いで、可変利得増幅回路102の利得が最大になるように制御し、周波数変換回路101の出力でのキャリアリーク・レベルが最小になるように第1のDCオフセット電圧補償回路103を調整し、第1の調整設定保持手段105に設定を保持するよう制御を行なう。
図1に示した回路構成によれば、可変利得増幅回路及び周波数変換回路部の低消費電力化を図るとともに、キャリアリークの問題を回避することが可能である。
図2には、本発明の他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。調整制御手段110による調整手順に従って得られた第1のDCオフセット電圧補償回路103の設定、及び第2のDCオフセット電圧補償回路104の設定を不揮発的に保持するように構成されていることが図1に示した回路構成との主な相違点である。
図示の回路構成では、第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104の調整後の設定をそれぞれ保存する手段として、第1の記憶機能付き調整設定保持手段108及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段109を備えている。
これら第1の記憶機能付き調整設定保持手段108及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段109は、EEPROM(Electrically Eracable & Programmable ROM)などの不揮発メモリを代表とする記憶可能な手段で構成することができ、一度調整した内容は意図的に再調整を行なうまでの期間、電源をオフしても保持しておくことが可能である。したがって、図2に示した回路構成によれば、DCオフセット電圧補償回路の調整作業回数を削減することができる。
図3には、本発明のさらに他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104の調整、並びに、第1の調整設定保持手段105及び第2の調整設定保持手段106への保持を行なうタイミングを指示する手段として、調整タイミング信号供給手段112を備えていることが、図1に示した回路構成との主な相違点である。
使用方法や制御方法によって、各DCオフセット電圧補償の設定が時間的に変化するような用途には、動作時に最適な状態を維持できるように、この調整タイミング信号供給手段112からの調整タイミング信号を用いた再調整の作業を調整制御手段111に追加することができる。したがって、図3に示した回路構成によれば、発生するDCオフセット電圧に経時変化があるような場合に、調整タイミング信号を用いて適宜再調整を行ない、最適なキャリアリーク特性を得ることができる。
図4には、本発明のさらに他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。周波数変調した後の段においてキャリアリーク・レベルに対応するDC電圧レベルをモニタしてDCオフセット電圧の補償を行なうようにしたことが、図1に示した回路構成との主な相違点である。
図示の回路構成では、キャリアリーク検出手段113と、ダウン・コンバータ114と、ローパス・フィルタ115と、DC電圧レベル検出手段116をさらに備えている。ダウン・コンバータ114は、検出したキャリアリーク成分をキャリア周波数と等価な周波数であるローカル信号でダウン・コンバートし、キャリアリーク・レベルに対応するDCレベルへの変換を行なう。ローパス・フィルタ115は、ダウン・コンバータ114の出力で発生する高調波成分を低減する目的で設けられている。そして、DC電圧レベル検出手段116のDCレベルが小さくなるようにモニタしながら、第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104を調整する。すなわち、DCオフセット電圧補償回路103、104の調整の際に、モニタするDCオフセット電圧の大小関係を指標にして調整作業を行なうので、正確に調整することができるとともに、調整作業が簡素化され手間が大幅に改善する。
図5には、本発明のさらに他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。図示の回路構成では、DC電圧レベル保存手段118と、DC電圧レベル比較手段119と、極性判定手段120をさらに備え、DCオフセット電圧の調整開始から最適設定に調整するための手順を自動化するように構成されていることが、図4に示した回路構成との主な相違点である。
調整制御手段117は、例えば、各DCオフセット電圧補償回路103、104の制御を5ビットで行なうとすると、“00000”から“11111”をカウント・アップ、あるいは、“11111”から“00000”までカウント・ダウンするよう制御を行なう。
各制御ビット状態において検出されたDCレベルは、DC電圧レベル比較手段119で比較された後、DC電圧レベル電圧保存手段118に上書きする形で保存される。これにより、各制御ビット状態の前・後のDC電圧レベルの比較が可能となる。この比較の結果から極性判定手段120で極性の判定を行ない、極性が変ったと判断した時点で調整制御手段117に信号を送る。調整制御手段117は、その信号に基づき、カウント・アップ、あるいは、カウント・ダウンの動作を止め、その制御ビット状態を各調整設定保持手段105、106に保存するよう制御を行なう。
極性判定手段120での極性が変化する点で最適な調整が行なわれることは、次のことから明らかである。周波数変換回路101の入力での換算DCオフセット電圧が0mVの場合がキャリアリークのない理想状態である。つまり、キャリアリークが発生するのは、“正”あるいは“負”の極性を持つ有限な値のDCオフセット電圧を持つ場合であり、このDCオフセット電圧をDCオフセット補償回路103、104で順次調整してキャンセルしていくと、キャリアリークが完全にキャンセルされる状態の前後で、DC電圧レベル検出手段116の極性は反転する筈である。
そこで、極性が反転する点で調整を止めることにより、キャリアリークが完全にキャンセルされる状態に非常に近い設定で調整を行なうことができる。これにより、調整制御手段117が、制御ビットのカウント・アップあるいはカウント・ダウンを開始した後、自動で調整を行なうことができる。
図6には、本発明のさらに他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。図示の回路構成では、調整タイミング信号供給手段122をさらに備え、調整タイミング信号を用いて調整制御手段121に調整期間を通知し、その期間内に自動で第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104の調整を行なうように構成されていることが、図5に示した回路構成との主な相違点である。
調整制御手段121は、調整タイミング信号供給手段122から送られてくる調整タイミング信号を用いて、調整のための制御ビットのカウント・アップ、あるいはカウント・ダウンを開始し、各DCオフセット電圧補償回路103、104の自動調整を行なう。
これにより、発生するDCオフセット電圧に経時変化があるような場合には、調整タイミング信号を適宜用いて自動で再調整を行ない、最適なキャリアリーク特性を得ることができる。また、例えば電源投入時にDCオフセット補償期間を設け、この期間中に制御タイミング信号を送ることにより、電源投入の度に、各DCオフセット電圧補償回路103、104が最適な状態に調整されることになる。
図7には、本発明のさらに他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。図示の回路構成では、電源電圧をオフにした後もDCオフセット電圧補償回路103、104の設定内容を第1及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段108、109に不揮発的に保持するが、記憶トリガ信号供給手段124をさらに備えて試調整を行なう機会を設けるように構成されていることが、図2に示した回路構成との主な相違点である。
第1の記憶機能付き調整設定保持手段108及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段109への書き込みが1度しか許されないとする。このような場合、第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104を調整した後、第1のDCオフセット電圧補償回路103及び第2のDCオフセット電圧補償回路104の試調整を行なう。そして、調整結果が最適であることを確認した後、記憶トリガ信号供給手段124からのトリガ信号を使って、第1の記憶機能付き調整設定保持手段108及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段109への書き込みを行なうことで、確実な調整作業が可能となる。
各DCオフセット電圧補償回路103、104には試調整を行なう機会が与えられるが、最終的な設定と判断した際にのみ、記憶トリガ信号供給手段124から記憶トリガ信号を供給して、最適な設定内容を各記憶機能付き調整設定保持手段108、109に記憶させることができる。このような試調整作業は、例えば製品出荷前の工場などで行なうことができる。
図8には、本発明の一実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。
同図に示すように、I軸信号用周波数変換回路201の前段に利得可変機能を持つI軸信号用可変利得増幅回路207が配設されるとともに、Q信号用周波数変換回路202の前段に利得可変機能を持つQ信号用可変利得増幅回路208が配設されている。そして、I信号用周波数変換回路201、Q信号用周波数変換回路202、局部発振器203、2分周回路204、及び加算回路205で直交変調器206が構成されている。
I信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の入力に第1のDCオフセット電圧補償回路209を備えるとともに、I信号用周波数変換回路201及びQ信号用周波数変換回路202の入力に第2のDCオフセット電圧補償回路210を備えている。さらに、第1のDCオフセット電圧補償回路209は、調整の設定を保持するための手段である第1の調整設定保持手段211を備え、第2のDCオフセット電圧補償回路210は、調整の設定を保持するための手段である第2の調整設定保持手段212を備えている。
図示の実施形態では、第1のDCオフセット電圧補償回路209及び第2のDCオフセット電圧補償回路210の調整手順として、調整制御手段213は、まず、I信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の利得を最小になるように制御し、直交変調器206の出力でのキャリアリーク・レベルが最小になるように第2のDCオフセット電圧補償回路210のI側の調整を行なう。続いて、直交変調器206の出力でのキャリアリーク・レベルが最小になるように第2のDCオフセット電圧補償回路210のQ側の調整を行なう。すなわち、BB段の可変利得増幅回路207、208の入力段の影響を除去して、直交変調器206の入力に発生するDCオフセット電圧の調整を行なう。そして、第2の調整設定保持手段212にこれらの設定を保持する作業を行なう。
次いで、調整制御手段213は、I信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の利得を最大になるように制御し、直交変調器206の出力でのキャリアリーク・レベルが最小になるように第1のDCオフセット電圧補償回路209のI側の調整を行なう。続いて、直交変調器206の出力でのキャリアリーク・レベルが最小になるように第1のDCオフセット電圧補償回路209のQ側の調整を行なう。すなわち、BB段の可変利得増幅回路207、208の入力段の影響を考慮しながら、直交変調器206の入力に換算されたDCオフセット電圧の調整を行なうことに相当する。そして、第1の調整設定保持手段211に設定を保持するよう制御を行なう。
このような調整手順を通して得られるキャリアリーク・レベルの算出方法について説明する。
まず、最小出力、すなわちI信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の利得が最小のときは、第2のDCオフセット電圧補償回路210のI側及びQ側の調整分解能をそれぞれDC_LSB_I2、DC_LSB_Q2、I信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の入力の信号振幅をVin_amp、I信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の最小利得をGminとすると、下式(4)よりキャリアリーク・レベルを計算することができる。
Figure 2008079155
但し、上式(4)において、DC_LSB_1及びDC_LSB_2はそれぞれ下式の通りとする。
Figure 2008079155
Figure 2008079155
次いで、最大出力、すなわちI信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の利得が最大のときは、第1のDCオフセット電圧補償回路209のI側及びQ側の調整分解能をそれぞれDC_LSB_I1、DC_LSB_Q1、I信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の利得をGmaxとすると、下式(7)によってキャリアリーク・レベルを計算することができる。
Figure 2008079155
よって、要求されるキャリアリーク対信号比CLRGmin及びCLRGmaxから、必要となるDC_LSB_1、DC_LSB_2を満たすよう、第1のDCオフセット電圧補償回路209及び第2のDCオフセット電圧補償回路210を設計すれば良い。
例えば、I信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の最小利得Gminが−30dB、I信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の最大利得Gmaxが0dB、変調波信号入力レベルのCW換算値の振幅Vin_ampが0.25V(=500mVpp)という条件下で、CLRGmin<−20dB、CLRGmax<−40dBを満たすためには、DC_LSB_1として1.75mV以下、DC_LSB_2として0.7mV以下の調整分解能を持つ第1のDCオフセット電圧補償回路209及び第2のDCオフセット電圧補償回路210を用意できれば良いことが分かる。
但し、上式(4)及び(7)式が成立するためには、調整制御手段213が、まず、最小出力すなわちI信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の利得が最小となるときに第2のDCオフセット電圧補償回路210が調整され、次いで、最大出力すなわちI信号用可変利得増幅回路207及びQ信号用可変利得増幅回路208の利得が最大のときに第1のDCオフセット電圧補償回路209が調整される手順を持つことが重要である(図1に示した実施形態と同様)。
図8に示した回路構成によれば、可変利得増幅回路及び直行変調器部の低消費電力化を図るとともに、キャリアリークの問題を回避することが可能である。
図9には、本発明の他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。調整制御手段216による調整手順に従って得られた第1のDCオフセット電圧補償回路209の設定、及び第2のDCオフセット電圧補償回路210の設定を不揮発的に保持するように構成されていることが図8に示した回路構成との主な相違点である。
図示の回路構成では、第1のDCオフセット電圧補償回路209及び第2のDCオフセット電圧補償回路210の調整後の設定を保存する手段として、第1の記憶機能付き調整設定保持手段214及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段215を備えている。
これら第1の記憶機能付き調整設定保持手段214及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段215は、不揮発メモリを代表とする電源をオフしても記憶可能な手段で構成され、一度調整した内容は意図的に再調整を行なうまでの期間、保持しておくことが可能である。したがって、図9に示した回路構成によれば、DCオフセット電圧補償回路の調整作業回数を削減することができる。
図10には、本発明のさらに他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。第1のDCオフセット電圧補償回路209及び第2のDCオフセット電圧補償回路210の調整、並びに、第1の調整設定保持手段211及び第2の調整設定保持手段212への保持を行なうタイミングを指示する手段として、調整タイミング信号供給手段218を備えていることが、図8に示した回路構成との主な相違点である。
使用方法や制御方法によって、各DCオフセット電圧補償の設定が時間的に変化するような用途には、動作時に最適な状態を維持できるように、この調整タイミング信号供給手段218を用いた再調整の作業を調整制御手段217に追加することができる。したがって、図10に示した回路構成によれば、発生するDCオフセット電圧に経時変化があるような場合に、調整タイミング信号を用いて適宜再調整を行ない、最適なキャリアリーク特性を得ることができる。
図11には、本発明のさらに他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。ベースバンド信号を直交変調した後の段においてキャリアリーク・レベルに対応するDC電圧レベルをモニタしてDCオフセット電圧の補償を行なうようにしたことが、図8に示した回路構成との主な相違点である。
図示の回路構成では、キャリアリーク検出手段220と、ダウン・コンバータ221と、ローパス・フィルタ222と、DC電圧レベル検出手段223と、2分周回路219をさらに備えている。ダウン・コンバータ221は、検出したキャリアリーク成分をキャリア周波数と等価な周波数であるローカル信号でダウン・コンバートし、キャリアリーク・レベルに対応するDCレベルへの変換を行なう。ローパス・フィルタ222は、ダウン・コンバータ221の出力で発生する高調波成分を低減する目的で設けられている。そして、DC電圧レベル検出手段223のDCレベルが小さくなるようにモニタしながら、第1のDCオフセット電圧補償回路209及び第2のDCオフセット電圧補償回路210を調整することができる。すなわち、DCオフセット電圧補償回路209、210の調整の際に、モニタするDCオフセット電圧の大小関係を指標にして調整作業を行なうので、正確に調整することができるとともに、調整作業が簡素化され手間が大幅に改善する。
図12には、本発明のさらに他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。図示の回路構成では、DC電圧レベル保存手段225と、DC電圧レベル比較手段226と、極性判定手段227をさらに備え、DCオフセット電圧の調整開始から最適設定に調整するための手順を自動化するように構成されていることが、図11に示した回路構成との主な相違点である。
調整制御手段224は、例えば、各DCオフセット電圧補償回路209、210の制御を5ビットで行なうとすると、“00000”から“11111”をカウント・アップ、あるいは、“11111”から“00000”までカウント・ダウンするよう制御を行なう。
各制御ビット状態において検出されたDCレベルは、DC電圧レベル比較手段226で比較された後、DC電圧レベル電圧保存手段225に上書きする形で保存される。これにより、各制御ビット状態の前・後のDC電圧レベルの比較が可能となる。この比較の結果から極性判定手段227で極性の判定を行ない、極性が変ったと判断した時点で調整制御手段224に信号を送る。調整制御手段224は、その信号に基づき、カウント・アップあるいはカウント・ダウンの動作を止め、その制御ビット状態を各調整設定保持手段211、212に保存するよう制御を行なう。
極性判定手段120での極性が変化する点で調整を止めることにより、キャリアリークが完全にキャンセルされる状態に非常に近い設定で調整を行なうことができるのは、図5に示した回路構成の場合と同様である。これにより、調整制御手段224が、制御ビットのカウント・アップあるいはカウント・ダウンを開始した後、自動で調整を行なうことができる。
図13には、本発明のさらに他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。図示の回路構成では、調整タイミング信号供給手段229をさらに備え、調整タイミング信号を用いて調整制御手段228に調整期間を通知し、調整制御手段228はその期間内に自動で各DCオフセット電圧補償回路209、210の自動調整を行なうように構成されていることが、図12に示した回路構成との主な相違点である。
調整制御手段228は、調整タイミング信号供給手段229から送られてくる調整タイミング信号を用いて、調整のための制御ビットのカウント・アップあるいはカウント・ダウンを開始し、各DCオフセット電圧補償回路209、210の自動調整を行なう。
これにより、発生するDCオフセット電圧に経時変化があるような場合には、調整タイミング信号を適宜用いて自動で再調整を行ない、最適なキャリアリーク特性を継続的に得ることができる。また、例えば、電源投入時にDCオフセット補償期間を設け、この期間中に制御タイミング信号を送ることにより、電源投入の度に、各DCオフセット電圧補償回路209、210が最適な状態に調整されることになる。
図14には、本発明のさらに他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示している。図示の回路構成では、記憶トリガ信号供給手段231をさらに備え、電源電圧をオフにした後もDCオフセット電圧補償回路の設定内容を不揮発的に保持するとともに、試調整を行なう機会を設けるように構成されていることが、図9に示した回路構成との主な相違点である。
第1のDCオフセット電圧補償回路209及び第2のDCオフセット電圧補償回路210を調整した後、第1の記憶機能付き調整設定保持手段215及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段216への書き込みが1度しか許されないとする。このような場合、第1のDCオフセット電圧補償回路209及び第2のDCオフセット電圧補償回路210の試調整を行なう。そして、調整結果が最適であることを確認した後、記憶トリガ信号供給手段231からのトリガ信号を使って、第1の記憶機能付き調整設定保持手段215及び第2の記憶機能付き調整設定保持手段216への書き込みを行なうことで、確実な調整作業が可能となる。
各DCオフセット電圧補償回路209、210には試調整を行なう機会が与えられるが、最終的な設定と判断した際にのみ、記憶トリガ信号供給手段231から記憶トリガ信号を供給して、最適な設定内容を各記憶機能付き調整設定保持手段215、216に記憶させることができる。
図15には、図8〜図14のいずれかに示した直交変調器及びその前段に直流接続する可変利得増幅回路を用いて構成される無線通信装置の構成例を示している。
[背景技術]の欄でも説明したように、送信パワー・コントロールが要求される通信システムでは、送信機側には90dB近い可変レンジを持つ利得増幅が必要とされ、例えば3段以上の可変利得増幅回路が必要となる。従来は、可変利得増幅回路を直交変調器の前段に配置すると、可変利得増幅回路の入力に発生するDCオフセット電圧が、利得を切り替える度に直交変調器入力でのDCオフセット成分を変化させてしまうことから、変調度が低下してしまうという問題があった。
これに対し、図8〜図14にそれぞれ示した直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路によれば、直交変調器及びその前段の可変利得増幅回路の各入力にDCオフセット電圧補償回路がそれぞれ配設されている。そして、まず可変利得増幅回路を最小利得に設定して直交変調器出力でのキャリアリークが最小になるように直交変調器の入力のDCオフセット電圧補償回路を調整し、次いで、可変利得増幅回路を最大利得に設定して直交変調器出力でのキャリアリークが最小になるように可変利得増幅回路の入力のDCオフセット電圧補償回路を調整するという、特定の調整手順を実施することにより、利得を切り替える度に変化するDCオフセット電圧を好適に除去することができる。言い換えれば、多段構成となる可変利得増幅回路の少なくとも一部をBB段に配置して、低消費電力化を図ることができる。
なお、その他の送受信機構成自体は一般的なものでよいので、ここでは詳細な説明を省略する。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、W−CDMAなどの送信パワー・コントロールが必要となる無線通信装置に適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。送信パワー・コントロールが必要とされるW−CDMA以外の通信システムで動作する無線通信装置や、送信パワー・コントロールを必要としないその他の通信システムに利用される無線通信装置、あるいはデータ信号の周波数変換と可変利得増幅をともに行なうさまざまな電気電子機器に対しても、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係る周波数変換回路及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図9は、本発明の他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図10は、本発明の他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図11は、本発明の他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図12は、本発明の他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図13は、本発明の他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図14は、本発明の他の実施形態に係る直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路の構成を示した図である。 図15は、図8〜図14のいずれかに示した直交変調器及びその前段に用いる可変利得増幅回路を用いて構成される無線通信装置の構成例を示した図である。 図16は、ローカル信号の自己ミキシングが発生する様子を示した図である。 図17は、ミキサ回路のトランスコンダクタンス段に流れるバイアス電流を電流切り替え形のDACで調整して等価的にDCオフセット電圧をキャンセルする回路構成例(従来技術)を示した図である。 図18は、直交変調器後に3段構成の可変利得増幅器を配設した送信機構成例を示した図である。
符号の説明
101…周波数変換回路
102…可変利得増幅回路
103…第1のDCオフセット電圧補償回路
104…第2のDCオフセット電圧補償回路
105…第1の調整設定保持手段
106…第2の調整設定保持手段
107、110、111、117、121、123…調整制御手段
108…第1の記憶機能付き調整設定保持手段
109…第2の記憶機能付き調整設定保持手段
112、122…調整タイミング信号供給手段
113…キャリアリーク検出手段
114…ダウン・コンバータ
115…ローパス・フィルタ
116…DC電圧レベル検出手段
118…DC電圧レベル保存手段
119…DC電圧レベル比較手段
120…極性判定手段
124…記憶トリガ信号供給手段
201…I軸信号用周波数変換回路
202…Q軸信号用周波数変換回路
203…局部発振器
204…2分周回路
205…加算回路
206…直交変調器
207…I軸信号用可変利得増幅回路
208…Q軸信号用可変利得増幅回路
209…第1のDCオフセット電圧補償回路
210…第2のDCオフセット電圧補償回路
211…第1の調整設定保持手段
212…第2の調整設定保持手段
213、216、217、224、228、230…調整制御手段
214…第1の記憶機能付き調整設定保持手段
215…第2の記憶機能付き調整設定保持手段
218…調整タイミング信号供給手段
219…2分周回路
220…キャリアリーク検出手段
221…ダウン・コンバータ
222…ローパス・フィルタ
223…DC電圧レベル検出手段
225…DC電圧レベル保存手段
226…DC電圧レベル比較手段
227…極性判定手段
229…調整タイミング信号供給手段
231…記憶トリガ信号供給手段

Claims (15)

  1. 直流接続される可変利得増幅回路を前段に備えた周波数変換回路に適用され、前記周波数変換回路の入力に発生するDCオフセット電圧を補償するためのオフセット補償装置であって、
    前記可変利得増幅回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第1のDCオフセット電圧補償手段と、
    前記周波数変換回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第2のDCオフセット電圧補償手段と、
    前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を保持する第1の調整設定保持手段と、
    前記第2のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を保持する第2の調整設定保持手段と、
    前記可変利得増幅回路の利得がほぼ最小となる条件において、前記周波数変換器の出力でのキャリアリーク・レベルが最小となるように前記第2のDCオフセット電圧補償回路を調整し、該調整した際の設定を前記第2の調整設定保持手段に保持した後、前記可変利得増幅回路の利得がほぼ最大となる条件において、前記周波数変換回路の出力でのキャリアリーク・レベルが最小となるように前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整し、該調整した際の設定を前記第1の調整設定保持手段に保持する調整制御手段と、
    を具備することを特徴とするオフセット補償装置。
  2. 前記第1及び第2の調整設定手段は、一度保持した設定内容を、当該装置の電源電圧をオフした後も保持する記憶機能を備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のオフセット補償装置。
  3. 前記調整制御手段に対して前記第1及び第2のDCオフセット電圧補償手段の調整タイミングを供給する調整タイミング信号供給手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のオフセット補償装置。
  4. 前記周波数変換回路の出力におけるキャリアリークを検出するキャリアリーク検出手段と、
    前記キャリアリーク検出手段が検出したキャリアリークをキャリア周波数と等価な周波数であるローカル信号でダウン・コンバートする第2の周波数変換回路と、
    該ダウン・コンバートされたDC電圧を検出するDC電圧レベル検出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のオフセット補償装置。
  5. 前記DC電圧レベル検出手段により検出されたDC電圧を保存するDC電圧レベル保存手段と、
    前記DC電圧レベル保存手段に保存されている以前のDC電圧レベルと、前記DC電圧レベル検出手段により新たに検出されたDC電圧レベルとを比較するDC電圧レベル比較手段と、
    前記DC電圧レベル比較手段による比較結果に基づいて極性を判定し、該判定結果を前記調整制御手段に供給する極性判定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のオフセット補償装置。
  6. 前記調整制御手段に対して前記第1及び第2のDCオフセット電圧補償手段の調整タイミングを供給する調整タイミング信号供給手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のオフセット補償装置。
  7. 前記第1及び第2の調整設定手段に対して、一度保持した設定内容を、当該装置の電源電圧をオフした後も保持するタイミングを指示する記憶トリガ信号供給手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載のオフセット補償装置。
  8. 直流接続される可変利得増幅回路を前段に備えた直交変調器に適用され、前記直交変調器の入力に発生するDCオフセット電圧を補償するためのオフセット補償装置であって、
    前記可変利得増幅回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第1のDCオフセット電圧補償手段と、
    前記直交変調器の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第2のDCオフセット電圧補償手段と、
    前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を保持する第1の調整設定保持手段と、
    前記第2のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を保持する第2の調整設定保持手段と、
    前記可変利得増幅回路の利得がほぼ最小となる条件において、前記直交変調器の出力でのキャリアリーク・レベルが最小となるように前記第2のDCオフセット電圧補償回路を調整し、該調整した際の設定を前記第2の調整設定保持手段に保持した後、前記可変利得増幅回路の利得がほぼ最大となる条件において、前記直交変調器の出力でのキャリアリーク・レベルが最小となるように前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整し、該調整した際の設定を前記第1の調整設定保持手段に保持する調整制御手段と、
    を具備することを特徴とするオフセット補償装置。
  9. 前記第1及び第2の調整設定手段は、一度保持した設定内容を、当該装置の電源電圧をオフした後も保持する記憶機能を備えている、
    ことを特徴とする請求項8に記載のオフセット補償装置。
  10. 前記調整制御手段に対して前記第1及び第2のDCオフセット電圧補償手段の調整タイミングを供給する調整タイミング信号供給手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項8に記載のオフセット補償装置。
  11. 前記直交変調器の出力におけるキャリアリークを検出するキャリアリーク検出手段と、
    前記キャリアリーク検出手段が検出したキャリアリークをキャリア周波数と等価な周波数であるローカル信号でダウン・コンバートする周波数変換回路と、
    該ダウン・コンバートされたDC電圧を検出するDC電圧レベル検出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のオフセット補償装置。
  12. 前記DC電圧レベル検出手段により検出されたDC電圧を保存するDC電圧レベル保存手段と、
    前記DC電圧レベル保存手段に保存されている以前のDC電圧レベルと、前記DC電圧レベル検出手段により新たに検出されたDC電圧レベルとを比較するDC電圧レベル比較手段と、
    前記DC電圧レベル比較手段による比較結果に基づいて極性を判定し、該判定結果を前記調整制御手段に供給する極性判定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のオフセット補償装置。
  13. 前記調整制御手段に対して前記第1及び第2のDCオフセット電圧補償手段の調整タイミングを供給する調整タイミング信号供給手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項12に記載のオフセット補償装置。
  14. 前記第1及び第2の調整設定手段に対して、一度保持した設定内容を、当該装置の電源電圧をオフした後も保持するタイミングを指示する記憶トリガ信号供給手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項9に記載のオフセット補償装置。
  15. 少なくとも送信系において、
    ベースバンド信号をアップコンバートする直交変調器と、
    前記直交変調器の入力側に直流接続されるベースバンド段の可変利得増幅回路と、
    前記直交変調器の出力側に交流接続されるRF段の可変利得増幅回路と、
    前記ベースバンド段の可変利得増幅回路の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第1のDCオフセット電圧補償手段と、
    前記直交変調器の入力におけるDCオフセット電圧を補償する第2のDCオフセット電圧補償手段と、
    前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を保持する第1の調整設定保持手段と、
    前記第2のDCオフセット電圧補償手段を調整した際の設定を保持する第2の調整設定保持手段と、
    前記ベースバンド段の可変利得増幅回路の利得がほぼ最小となる条件において、前記直交変調器の出力でのキャリアリーク・レベルが最小となるように前記第2のDCオフセット電圧補償回路を調整し、該調整した際の設定を前記第2の調整設定保持手段に保持した後、前記ベースバンド段の可変利得増幅回路の利得がほぼ最大となる条件において、前記直交変調器の出力でのキャリアリーク・レベルが最小となるように前記第1のDCオフセット電圧補償手段を調整し、該調整した際の設定を前記第1の調整設定保持手段に保持する調整制御手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012085100A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Nec Casio Mobile Communications Ltd 無線通信装置およびキャリアリーク低減方法
US8368477B2 (en) 2009-11-19 2013-02-05 Samsung Electronics Co., Ltd Receiver including an LCD tank filter and method thereof
JP2018050238A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 ルネサスエレクトロニクス株式会社 可変利得増幅器、方法、および受信装置

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