JP2008078583A - 描画システム、描画方法、及び帯電検査方法 - Google Patents

描画システム、描画方法、及び帯電検査方法 Download PDF

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健 小柴
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哲郎 中杉
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Abstract

【課題】 ウェハが帯電していても、荷電粒子ビームの照射位置を高い精度で設定可能な描画システムを提供する。
【解決手段】 荷電粒子ビームを発する電子銃101、荷電粒子ビームを偏向させる対物主偏向器113aと対物副偏向器113b、荷電粒子ビームが実際に照射された照射位置を検出する位置検出モジュール23、荷電粒子ビームのターゲット位置及び照射位置の関係を、近似式で近似する近似モジュール140、及び近似式に含まれる係数を用いて、対物主偏向器113aと対物副偏向器113bによる荷電粒子ビームの偏向量を補正する補正モジュール141を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明はリソグラフィ技術に係り、特に、描画システム、描画方法、及び帯電検査方法に係る。
近年、半導体装置の回路パターンの微細化が進み、配線ピッチは100nm以下となりつつある。そのため、半導体装置の製造に用いられるフォトマスクのコスト上昇が問題となっている。特に、多品種少量生産を特徴とするシステム・オン・チップ(SoC)デバイスの製造において、フォトマスクのコスト上昇は深刻な問題である。そこで荷電粒子ビームを用い、ウェハ上に回路パターンをマスクレスで描画する描画装置の実用化が進められている(例えば、特許文献1参照。)。しかしウェハが帯電していると、クーロン反発力により、荷電粒子ビームの照射位置がずれるという問題があった。

特開平9-223475号公報
本発明は、ウェハが帯電していても、荷電粒子ビームの照射位置を高い精度で設定可能な描画システム、描画方法、及び帯電検査方法を提供する。
本願発明の態様によれば、荷電粒子ビームを発する電子銃と、荷電粒子ビームを偏向させる偏向器と、荷電粒子ビームが実際に照射された照射位置を検出する位置検出モジュールと、荷電粒子ビームのターゲット位置及び照射位置の関係を、近似式で近似する近似モジュールと、近似式に含まれる係数に応じて、偏向器による荷電粒子ビームの偏向量を補正する補正モジュールとを備える描画システムが提供される。
本願発明の他の態様によれば、荷電粒子ビームを発するステップと、荷電粒子ビームをターゲット位置に偏向させるステップと、荷電粒子ビームが実際に照射された照射位置を検出するステップと、ターゲット位置及び照射位置の関係を、近似式で近似するステップと、近似式に含まれる係数に応じて、荷電粒子ビームの偏向量を補正するステップとを備える描画方法が提供される。
本願発明のさらに他の態様によれば、荷電粒子ビームでレンズの焦点を被験物に合わせるステップと、対物レンズの光軸方向における、対物レンズから被験物までの光軸方向距離を光学的に計測するステップと、対物レンズの焦点距離及び光軸方向距離が異なる場合、被験物が帯電していると評価するステップとを備える帯電検査方法が提供される。
本発明によれば、ウェハが帯電していても、荷電粒子ビームの照射位置を高い精度で設定可能な描画システム、描画方法、及び帯電検査方法を提供可能である。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお以下の示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部品の配置等を下記のものに特定するものではない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る描画システムは、図1に示すように、荷電粒子ビームを発する電子銃101、荷電粒子ビームを偏向させる対物主偏向器113aと対物副偏向器113b、荷電粒子ビームが実際に照射された照射位置を検出する位置検出モジュール23、荷電粒子ビームのターゲット位置及び照射位置の関係を、近似式で近似する近似モジュール140、及び近似式に含まれる係数に基づいて、対物主偏向器113aと対物副偏向器113bによる荷電粒子ビームの偏向量を補正する補正モジュール141を備える。
描画システムは、コラム100で保護された荷電粒子ビーム照射機構230及び荷電粒子ビーム照射機構230に接続された制御装置300を有する。荷電粒子ビーム照射機構230に含まれる電子銃101は、電子ビーム(EB)等の荷電粒子ビームを発する。電子銃101の加速電圧は、例えば5keVである。電子銃101の下方には、コンデンサレンズ103が配置されている。コンデンサレンズ103を通過することで、電子ビームの電流密度及びケーラー照明条件が調整される。コンデンサレンズ103の下方には成形アパーチャ105が配置されている。成形アパーチャ105は電子ビームの形状を例えば矩形にする。成形アパーチャ105の下方には第1投影レンズ106及び第2投影レンズ107が配置されている。さらに第2投影レンズ107の下方にはキャラクタプロジェクション(CP)アパーチャ108が配置されている。電子ビームで照射して形成される成形アパーチャ105の像は、第1投影レンズ106及び第2投影レンズ107によりCPアパーチャ108上に結像される。CPアパーチャ108は電子ビームの形状をキャラクタパターンに成形する。CPアパーチャ108の下方には、縮小レンズ110及び対物レンズ111が配置されている。縮小レンズ110及び対物レンズ111を通過することにより電子ビームの形状は、例えば1/5に縮小される。対物レンズ111の下方に、電子ビームに感光反応するレジスト膜がスピン塗布されたウェハ12が配置される。レジスト膜はフォトレジスト等からなる。ウェハ12は、シリコン(Si)等からなる。CPアパーチャ108を通過した電子ビームの形状は、縮小レンズ110及び対物レンズ111により縮小され、ウェハ12上のレジスト膜表面で結像する。
コンデンサレンズ103と成形アパーチャ105の間には、ブランキング電極130が配置されている。ウェハ12上のレジスト膜への電子ビームの照射を止める場合、ブランキング電極130はコンデンサレンズ103を通過した電子ビームを成形アパーチャ105上に偏向し、電子ビームがウェハ12上のレジスト膜に到達することを防止する。ブランキング電極130及び成形アパーチャ105でウェハ12上のレジスト膜への電子ビームの照射を止めることにより、ウェハ12上のレジスト膜に照射される電子ビームの照射時間を調整し、照射位置における電子ビームの照射量が調整される。第1投影レンズ106とCPアパーチャ108の間には成形偏向器109a, 109bが配置されている。成形偏向器109a, 109bのそれぞれには、例えばコイルが含まれている。成形偏向器109a, 109bは、第2投影レンズ107を通過した電子ビームを偏向してCPアパーチャ108上における電子ビームの照射位置を制御する。成形偏向器109a, 109bのそれぞれに含まれるコイルに加えられる偏向電圧に応じて、電子ビームの偏向量は変化する。CPアパーチャ108の下方には成形偏向器109c, 109dが配置されている。成形偏向器109c, 109dのそれぞれには、例えばコイルが含まれている。成形偏向器109c, 109dはCPアパーチャ108を通過した電子ビームの進行方向が縮小レンズ110の光軸と平行となるよう偏向する。成形偏向器109c, 109dのそれぞれに含まれるコイルに加えられる偏向電圧に応じて、電子ビームの偏向量は変化する。
図2に示すように、成形アパーチャ105には矩形の成形開口115が設けられている。成形アパーチャ105を電子ビームで照射することにより、成形開口115の像がCPアパーチャ108上に形成される。CPアパーチャ108上における成形開口115の像の位置は、図1に示す成形偏向器109a, 109bで任意に設定される。図2に示すCPアパーチャ108には複数のキャラクタパターン40a, 40b, 40c, 40d, 40eが設けられている。複数のキャラクタパターン40a〜40eのそれぞれは、半導体集積回路(LSI)等の半導体装置の回路パターンを描画する際に、使用頻度の高い描画パターンに相当する輪郭で囲まれた開口である。図2に示す例では、矩形の成形開口115の像はCPアパーチャ108上のキャラクタパターン40aの周囲に形成される。そのため、キャラクタパターン40aの開口形状により描画パターンに成形された電子ビームがウェハ12上に照射される。電子ビームを校正するための透過孔や、半導体装置の多層膜において異なる膜に設けられるパターンに対応する開口をまとめてCPアパーチャ108に設けてもよい。CPアパーチャ108には、アパーチャ駆動機構29が接続されている。アパーチャ駆動機構29はCPアパーチャ108を移動させることにより、成形開口115の像と複数のキャラクタパターン40a〜40eのいずれかとの重ね合わせを設定する。アパーチャ駆動機構29には、超音波モータ、ピエゾ素子、又は電動モータ等が使用可能である。
成形偏向器109aは、図3に示すように、成形開口115の像が投影されるCPアパーチャ108上の位置に向かって第2投影レンズ107を通過した電子ビームを偏向する。成形偏向器109bは、電子ビームがCPアパーチャ108に垂直に入射するよう、電子ビームを振り戻す。成形偏向器109cは、CPアパーチャ108を通過した電子ビームを縮小レンズ110の光軸に向かって偏向する。成形偏向器109dは、電子ビームの進行方向が縮小レンズ110の光軸と平行となるよう、電子ビームを振り戻す。したがって、電子ビームがCPアパーチャ108の図2に示す複数のキャラクタパターン40a〜40eのいずれを通過した場合でも、成形偏向器109c, 109cによって電子ビームは光軸と平行に縮小レンズ110に向かって進行する。
図1に示す対物レンズ111近傍に、対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bが配置されている。対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bのそれぞれには、例えばコイルが含まれている。対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bは、成形アパーチャ105及びCPアパーチャ108で成形された電子ビームを偏向させ、ウェハ12上のレジスト膜表面の所望の照射位置(ターゲット位置)に、電子ビームの結像位置を設定する。対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bのそれぞれに含まれるコイルに加えられる偏向電圧に応じて、電子ビームの偏向量は変化する。対物副偏向器113bは、例えば電子ビームを50μm偏向する。対物副偏向器113bが電子ビームを偏向可能な副偏向領域を、「サブフィールド」と呼ぶ。対物副偏向器113bは、サブフィールドにおいて電子ビームをターゲット位置に偏向する。対物主偏向器113aは、例えば電子ビームを1.5mm偏向する。対物主偏向器113aが電子ビームを偏向可能な主偏向領域を、「フレーム」と呼ぶ。対物主偏向器113aは、フレームにおいて電子ビームをサブフィールドに偏向する。ここで図4に示すように、ウェハ12が帯電している場合がある。この場合、電子ビームとウェハ12に帯びた電荷とは、クーロン反発する。そのため、対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bを用いて、ウェハ12上のターゲット位置に向けて電子ビームを照射しても、電子ビームはターゲット位置に照射されず、実際には異なる位置に照射される場合がある。
図1に示す対物レンズ111の下方には、ウェハ12を保持するための可動ステージ116が配置されている。可動ステージ116は、対物レンズ111の光軸方向(Z方向)に対して垂直なX-Y方向に移動可能である。可動ステージ116には反射鏡220が配置されている。可動ステージ116を格納する試料室15には、レーザ測長計20が配置されている。レーザ測長計20は反射鏡220に向かってレーザを照射し、可動ステージ116の位置をモニタする。試料室15にはさらに検出器16が配置されている。検出器16は、電子ビームをウェハ12に設けられたアライメントマークもしくは可動ステージ116上にある図示されていない基準マークに照射することにより生じる反射電子及び2次電子を検出する。
制御装置300は、レンズ制御回路119、ブランキングアンプ122、成形偏向アンプ120、及び対物偏向アンプ121を有する。レンズ制御回路119は、コンデンサレンズ103、第1投影レンズ106、第2投影レンズ107、縮小レンズ110、及び対物レンズ111のそれぞれの焦点位置を設定する。ブランキングアンプ122はブランキング電極130に偏向電圧を印加し、ウェハ12上のレジスト膜への電子ビームの照射の開始及び終了を設定することにより、レジスト膜への電子ビームの照射量を調整する。成形偏向アンプ120は成形偏向器109a, 109b, 109c, 109dのそれぞれに偏向電圧を印加し、ウェハ12上のレジスト膜に照射される電子ビームの形状及び寸法を設定する。また成形偏向アンプ120は、描画パターンのサイズ、あるいはCP方式かVSB方式のどちらかを選択するか示すフラグ等によって、CP方式あるいはVSB方式のいずれによって描画パターンを描画するか判定し、使用する成形偏向器109a〜109dを選択する。成形偏向器109a〜109dのそれぞれの偏向電圧は例えば±40Vであり、電子ビームをCPアパーチャ108上で1mm偏向させることが可能である。対物偏向アンプ121は対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bのそれぞれに偏向電圧を印加し、ウェハ12上のレジスト膜上の電子ビームターゲット位置を設定する。
制御装置300はステージ駆動回路21をさらに有する。ステージ駆動回路21は可動ステージ116の移動方向及び移動速度を設定する。制御装置300に含まれる位置検出モジュール23は、位置合わせマークからの反射電子及び2次電子の信号を増幅し、ノイズを除去する。さらに位置検出モジュール23はスライスレベルを設定し、信号がスライスレベルを横切った位置を位置合わせマークのエッジとみなすことにより、位置合わせマークを検出する。
例えば位置合わせマークは、可動ステージ116を移動させることにより、図5に示すサブフィールド内の第1の検査位置161に移動される。次に電子ビームでサブフィールドを走査すると、第1の検査位置161に配置された位置合わせマークが図1に示す検出器16及び位置検出モジュール23で検出される。制御装置300に含まれる近似モジュール140は、第1の検査位置161に配置された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された照射位置である第1の検査位置161を取得する。本来、第1の検査位置161をターゲット位置として電子ビームを対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bで偏向すれば、電子ビームは第1の検査位置161を照射するはずである。しかし図4で説明したように、ウェハ12が帯電している場合、第1の検査位置161とは異なる位置をターゲット位置に設定した時に、第1の検査位置161が電子ビームで照射される。したがって、ターゲット位置と実際に照射された照射位置である第1の検査位置161とは必ずしも等しくない。
さらに位置合わせマークは、可動ステージ116を移動させることにより、図5に示すサブフィールド内の第2の検査位置162に移動される。次に電子ビームでサブフィールドを走査すると、第2の検査位置162に移動された位置合わせマークが図1に示す検出器16及び位置検出モジュール23で検出される。近似モジュール140は、第2の検査位置162に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された照射位置である第2の検査位置162を取得する。
以後、位置合わせマークは、可動ステージ116を移動させることにより、図5に示すサブフィールド内の第3の検査位置163、第4の検査位置164、第5の検査位置165、第6の検査位置166、第7の検査位置167、第8の検査位置168、及び第9の検査位置169に順次移動される。近似モジュール140は、第3の検査位置163に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された照射位置である第3の検査位置163を取得する。近似モジュール140は、第4の検査位置164に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置、第5の検査位置165に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置、第6の検査位置166に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置、第7の検査位置167に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置、第8の検査位置168に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置、及び第9の検査位置169に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置も取得する。なお第5の検査位置165は、対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bの偏向中心に位置する。
さらに近似モジュール140は、最小二乗法等により、ターゲット位置と電子ビームが実際に照射された照射位置との関係を、下記(1)式で与えられる近似式で近似する。
XR = A0 + A1XT + A2YT + A3XTYT
YR = B0 + B1XT + B2YT + B3XTYT …(1)
ここでXRは、電子ビームが実際に照射された照射位置のX座標である。YRは、電子ビームが実際に照射された照射位置のY座標である。XTは、電子ビームのターゲット位置のX座標である。YTは、電子ビームのターゲット位置のY座標である。A0, A1, A2, A3, B0, B1, B2, B3のそれぞれは、ウェハ12の帯電によるサブフィールドの形状の乱れを表す係数である。例えばA0及びB0は、電子ビーム光軸のシフト量を表す係数である。A1及びB2は、サブフィールドの大きさが変化した場合の、サブフィールドの元の大きさに対する倍率を表す係数である。例えばA1及びB2が1よりも大きい場合、サブフィールドは元の大きさよりも大きくなる。A2及びB1は、サブフィールドの回転を表す係数である。
制御装置300は、描画評価モジュール302及び補正評価モジュール303をさらに有する。描画評価モジュール302は、ターゲット位置に対する照射位置のズレが、ターゲット位置の補正をせずに回路パターンの描画を実行可能な許容範囲である第1の許容範囲内であるか否かを評価する。例えば、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3のそれぞれの値が、ウェハ12が帯電していない時と比較して第1の許容範囲内であるか否かを評価する。なお、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3の一部のみを評価してもよい。
補正評価モジュール303は、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3のそれぞれの値に基づいて、対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bのそれぞれに含まれるコイルに加える偏向電圧を補正することにより、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3のそれぞれが表すサブフィールドの形状の乱れを補正可能か否かを評価する。例えば補正評価モジュール303は、描画評価モジュール302によって値が第1の許容範囲外と評価された係数が表す形状の乱れは補正不可能であり、値が第1の許容範囲内と評価された場合は補正可能と評価する。あるいは補正評価モジュール303は、描画評価モジュール302が用いた第1の許容範囲よりも範囲が広い許容範囲である第2の許容範囲を設定する。さらに補正評価モジュール303は、第2の許容範囲外と評価された係数が表す形状の乱れは補正不可能であり、値が第2の許容範囲内と評価された係数が表す形状の乱れは補正可能と評価する。
制御装置300に含まれる補正モジュール141は、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3のそれぞれの値に基づいて、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3のそれぞれが表すサブフィールドの形状の乱れを補正する。具体的には、ターゲット位置を照射する時に、対物偏向アンプ121が対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bのそれぞれに含まれるコイルに加える偏向電圧を補正し、電子ビームの偏向量を補正する。
制御装置300は、制御モジュール22及びパターン記憶モジュール128をさらに有する。制御モジュール22は、ブランキングアンプ122、成形偏向アンプ120、対物偏向アンプ121、ステージ駆動回路21、及び位置検出モジュール23を制御する。パターン記憶モジュール128は、電子ビームでウェハ12上に描画される回路パターンをCADファイル等で保存する。
次に図6に示すフローチャートを用いて第1の実施の形態に係る描画方法について説明する。
(a) ステップS201で、図1に示す可動ステージ116を移動することにより、ウェハ12上に設けられた位置合わせマークを、図5に示すサブフィールド内の第1の検査位置161に移動させる。次に対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bを用いて電子ビームを偏向させ、サブフィールド内を走査する。第1の検査位置161に移動された位置合わせマークからの反射電子及び2次電子信号を用いて、図1に示す検出器16及び位置検出モジュール23は位置合わせマークを検出する。その後、近似モジュール140は、位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、第1の検査位置161を取得する。
(b) ステップS202で、位置合わせマークを図5に示す第2乃至第9の検査位置162〜169に順次移動させる。図1に示す近似モジュール140は、第2乃至第9の検査位置162〜169のそれぞれに移動された位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、第2乃至第9の検査位置162〜169の関係を取得する。ステップS203で近似モジュール140は、第1乃至第9の検査位置161〜169と、ターゲット位置との関係を上記(1)式で近似し、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3を算出する。
(c) ステップS204で描画評価モジュール302は、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3のそれぞれの値が、第1の許容範囲内であるか否かを評価する。第1の許容範囲内である場合はステップS205に進み、第1の許容範囲外である場合はステップS206に進む。ステップS205に進んだ場合、制御モジュール22はパターン記憶モジュール128から回路パターンを読み出す。次に制御モジュール22は、描画条件を変更せずに対物偏向アンプ121等を制御して、ウェハ12上のレジスト膜に回路パターンを描画する。
(d) ステップS204で係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3の値が、第1の許容範囲外である場合、ステップS206で補正評価モジュール303は、係数それぞれの値が、第2の許容範囲内であるか否かを評価する。第2の許容範囲内である場合はステップS207に進み、第2の許容範囲外である場合はステップS208に進む。ステップS207に進んだ場合、補正モジュール141は、係数A0, A1, A2, A3及び係数B0, B1, B2, B3のそれぞれの値に基づいて、対物偏向アンプ121が対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bに加える偏向電圧を補正する。その後、補正された偏向電圧でレジスト膜に所望の回路パターンを描画する。ステップS208に進んだ場合、描画システムは、帯電により描画が不可能であるとの表示を出力装置等に表示して描画を実行せずに、第1の実施の形態に係る描画方法を終了する。
従来、ウェハ12が帯電している状態で、電子ビームによる回路パターンを描画すると、電子ビームとウェハ12上の帯電電荷とのクーロン反発力により、ターゲット位置からズレた位置に電子ビームが照射されてしまい、回路パターンを正確に描画することができなかった。図7に示す例では、ウェハ12上の回路パターンの設計上の描画位置240a, 240b, 240cに対し、電子ビームの実際の照射位置がクーロン反発により矢印方向にずれている。そのため描画を中断してリワークする必要が生じ、電子ビームリソグラフィ工程のスループット低下要因となっていた。これに対し、第1の実施の形態に係る描画システム及び描画方法によれば、ウェハの帯電による電子ビームの照射位置のターゲット位置に対するズレが、回路パターンの描画前に評価される。さらに、照射位置のズレを補正するように、対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bのそれぞれに加えられる偏向電圧を補正し、電子ビームの偏向量が補正される。そのため、第1の実施の形態に係る描画システム及び描画方法によれば、ウェハ12が帯電していても、ターゲット位置に正確に電子ビームを照射することが可能となる。したがって、レジスト膜表面の設計位置に回路パターンを描画することが可能となる。また、ウェハ上に帯電がある場合に、パターンの描画を行うこと無しに異常を検知することができるため、描画時間及び検査時間を低減することができる。よって、電子ビームリソグラフィ工程のスループットが向上する。
(第2の実施の形態)
図8に示す第2の実施の形態に係る描画システムは、可動ステージ116上にマーク台24をさらに有する。減速電圧を印加可能なマーク台24には、電子ビームを照射することにより検出器16で検出可能な位置合わせマークが設けられている。アースから絶縁された可動ステージ116には、電源25が接続されている。電源25はマーク台24に減速電圧を印加し、マーク台24表面と対物レンズ111との間に減速電界を形成する。
制御装置300は電源制御モジュール304、関係算出モジュール310、及び電位算出モジュール305をさらに有する。電源制御モジュール304は電源25がマーク台24に印加する減速電圧を制御し、マーク台24表面と対物レンズ111との間の減速電界を設定する。例えば電源制御モジュール304で設定される減速電界のうち、最も弱い減速電界を第1の減速電界条件とする。以下、第1の減速電界条件よりも強い減速電界を第2の減速電界条件、第2の減速電界条件よりも強い減速電界を第3の減速電界条件と順次設定する。なお、第1の減速電界条件での減速電界を0としてもよい。
第2の実施の形態においては、位置合わせマークは、可動ステージ116を移動させることにより、図9に示すメインフィールド801中の第1のサブフィールド802内の第1の検査位置811に移動される。次に、対物主偏向器113aを用いてメインフィールド801中の第1のサブフィールド802の中心に電子ビームを偏向し、対物副偏向器113bで第1のサブフィールド802内の第1の検査位置811に電子ビームを偏向させて走査すると、第1の検査位置811に配置された位置合わせマークが図8に示す検出器16及び位置検出モジュール23で検出される。制御装置300に含まれる近似モジュール140は、第1の検査位置811に配置された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された照射位置である第1の検査位置811を取得する。
第1の実施の形態における図4で説明したように、ウェハ12が帯電している場合、第1の検査位置161とは異なる位置をターゲット位置に設定した時に、第1の検査位置161が電子ビームで照射される。したがって、ターゲット位置と実際に照射された照射位置である第1の検査位置161とは必ずしも等しくない。第2の実施の形態における第1の検査位置811に配置された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された照射位置である第1の検査位置811についても同様である。
さらに位置合わせマークは、可動ステージ116を移動させることにより、図9に示す第1のサブフィールド802内の第2の検査位置812に移動される。次に電子ビームでサブフィールドを走査すると、第2の検査位置812に移動された位置合わせマークが図8に示す検出器16及び位置検出モジュール23で検出される。近似モジュール140は、第2の検査位置812に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された照射位置である第2の検査位置812を取得する。
以後、位置合わせマークは、可動ステージ116を移動させることにより、図9に示すサブフィールド内の第3の検査位置813、第4の検査位置814、第5の検査位置815、第6の検査位置816、第7の検査位置817、第8の検査位置818、及び第9の検査位置819に順次移動される。近似モジュール140は、第3の検査位置813に移動された位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された照射位置である第3の検査位置813を取得する。以降同様に第9の検査位置819までの位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された検査位置を取得する。なお第5の検査位置815は、対物副偏向器113bの偏向中心に位置する。
サブフィールド802の位置合わせマーク検出が全て完了した後に、対物主偏向器113aで電子ビームをサブフィールド803に偏向して、サブフィールド802同様に、サブフィールド803内の9つの位置に位置合わせマークを移動させて、順次マーク検出実施し、位置合わせマークが検出された時の電子ビームのターゲット位置と、電子ビームで実際に照射された検査位置を取得する。
近似モジュール140は、最小二乗法等により、サブフィールド内のターゲット位置と電子ビームが実際に照射された照射位置との関係を、下記(2)式で与えられる近似式で近似する。
XR SF = A0 SF + A1 SFXT SF + A2 SFYT SF + A3 SFXT SFYT SF
YR SF = B0 SF + B1 SFXT SF + B2 SFYT SF + B3 SFXT SFYT SF …(2)
ここでXR SFは、サブフィールド内において電子ビームが実際に照射された照射位置のX座標である。YR SFは、電子ビームが実際に照射された照射位置のY座標である。XT SFは、電子ビームのターゲット位置のX座標である。YT SFは、電子ビームのターゲット位置のY座標である。A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SFのそれぞれは、サブフィールドの形状の乱れを表す係数である。例えばA0 SF及びB0 SFは、電子ビーム光軸のシフト量を表す係数である。A1 SF及びB2 SFは、サブフィールドの大きさが変化した場合の、サブフィールドの元の大きさに対する倍率を表す係数である。例えばA1 SF及びB2 SFが1よりも大きい場合、サブフィールドは元の大きさよりも大きくなる。A2 SF及びB1 SFは、サブフィールドの回転を表す係数である。
また、メインフィールド内の位置と電子ビームが実際に照射された照射位置との関係を、下記(3)式で与えられる近似式で近似する。
XR MF = A0 MF + A1 MFXT MF + A2 MFYT MF + A3 MF(XT MF)2 + A4 MFXT MFYT MF + A5 MF(YT MF)2
+ A6 MF(XT MF)3 + A7 MF(XT MF)2YT MF + A8 MFXT MF(YT MF)2 + A9 MF(YT MF)3
YR MF = B0 MF + B1 MFXT MF + B2 MFYT MF + B3 MF(XT MF)2 + B4 MFXT MFYT MF + B5 MF(YT MF)2
+ B6 MF(XT MF)3 + B7 MF(XT MF)2YT MF + B8 MFXT MF(YT MF)2 + B9 MF(YT MF)3 …(3)
ここでXR MFは、メインフィールド内において電子ビームが実際に照射された照射位置のX座標である。YR MFは、電子ビームが実際に照射された照射位置のY座標である。XT MFは、電子ビームのサブフィールドターゲット位置のX座標である。YT MFは、電子ビームのサブフィールドターゲット位置のY座標である。A0 MF〜A9 MF, B0 MF 〜B9 MFのそれぞれは、メインフィールドの形状の乱れを表す係数であり、3次項までを含む。
メインフィールド内の複数サブフィールド位置での近似計算を行うことによって、メインフィールド内ターゲット座標(XT MF, YT MF)に依存した、サブフィールド形状の近似式(4)を導出できる。
XR SF = A0 SF(XT MF, YT MF) + A1 SF(XT MF, YT MF)XT SF
+ A2 SF(XT MF, YT MF)YT SF + A3 SF(XT MF, YT MF)XT SFYT SF
YR SF = B0 SF(XT MF, YT MF) + B1 SF(XT MF, YT MF)XT SF
+ B2 SF(XT MF, YT MF)YT SF + B3 SF(XT MF, YT MF)XT SFYT SF …(4)
近似式(4)の各係数は、例えばメインフィールド内ターゲット座標(XT MF, YT MF)の1次関数で関係付けられる。第2の実施の形態においては(4)式を導出して、メインフィールド内の各サブフィールドの形状歪みを補正する近似式を表現しているが、メインフィールド内ターゲット座標(XT MF, YT MF)におけるサブフィールドの形状歪みを補正する近似式を個別にまたはある領域に対して保持してもよい。
関係算出モジュール310は、減速電圧と、近似式(4)のサブフィールド歪み係数との相関関係を表す式である第1相関関係式を算出する。ここで、第1相関関係式はひとつのサブフィールドに対する関係式でもよい。また関係算出モジュール310は、減速電圧と、近似式(3)のメインフィールド歪み係数との相関関係を表す式である第2相関関係式を算出する。
電位算出モジュール305は、第1相関関係式に係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SFのそれぞれの値を代入し、ウェハ12の帯電電圧を算出する。また電位算出モジュール305は、第2相関関係式に係数A0 SF〜A9 SF, B0 SF〜B9 SFのそれぞれの値を代入してウェハ12の帯電電圧を算出することもできる。
制御装置300には、データ記憶装置400が接続されている。データ記憶装置400は近似式記憶モジュール401及び関係式記憶モジュール402を有する。近似式記憶モジュール401は、近似モジュール140が算出する近似式を保存する。関係式記憶モジュール402は、関係算出モジュール310が算出する第1相関関係式及び第2相関関係式を保存する。図8に示す描画システムのその他の構成要素は図1と同様であるので、説明は省略する。
次に図10及び図11に示すフローチャートを用いて第2の実施の形態に係る描画方法について説明する。
(a) 図10のステップS301で図8に示す電源制御モジュール304は、内部カウンタ"L"を1に設定する。ステップS302で電源制御モジュール304は、電源25がマーク台24に与える減速電圧を、第1の減速電界条件に従って設定する。ステップS303で、メインフィールド内の第1番目のサブフィールド検査位置に対物主偏向器113aによって電子ビームを偏向する。ステップS304で第1番目のサブフィールド内の第1番目の検査位置に位置合わせマークが移動されるように、ステージを移動させる。ステップS305で、第1の検査位置に配置された位置合わせマークからの反射電子及び2次電子信号を用いて、図8に示す検出器16及び位置検出モジュール23は位置合わせマークを検出する。その後、近似モジュール140は、位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、第1の検査位置161を取得する。
(b) ステップS306で、マーク台24上に設けられた位置合わせマークを第2乃至第9の検査位置に順次移動させる。近似モジュール140は、第Lの減速電界条件において第2乃至第9の検査位置のそれぞれに移動された位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、第2乃至第9の検査位置の関係を取得する。
(c) 対物主偏向器113aによって偏向された第1のサブフィールド内の全ての検査位置でのマーク検出が終了すると、ステップS307で、位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、第2乃至第9の検査位置に関する情報に基づいて、第1のサブフィールド形状に関する近似式を求めて、係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SFを算出する。近似モジュール140は、これらの係数を、対物主偏向器113aを用いて第1のサブフィールドに電子ビームが偏向されたときの、対物副偏向器113bを用いた場合の近似式として、近似式記憶モジュール401に保存する。
(d) そしてステップS308で、対物主偏向器113aを用いて第2のサブフィールドに電子ビームを偏向して、マーク台24上に設けられた位置合わせマークを第2のサブフィールド内の全ての検査位置に移動させて、近似モジュール140により検査位置のそれぞれに移動された位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、それぞれの検査位置の関係を取得する。
(e) 対物主偏向器113aによって偏向された第2のサブフィールド内の全ての検査位置でのマーク検出が終了すると、ステップS307で、位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、第2乃至第9の検査位置に関する情報に基づいて、第2のサブフィールド形状に関する近似式を求めて、係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SFを算出する。近似モジュール140は、これらの係数を、対物主偏向器113aを用いて第2のサブフィールドに電子ビームが偏向されたときの、対物副偏向器113bを用いた場合の近似式として、近似式記憶モジュール401に保存する。このステップの繰り返し(ステップS303〜S308)を、所定のサブフィールド分実行する。検査対象となるサブフィールドは、メインフィールド内の全てのサブフィールドである必要は無く、近似式(3)の演算に必要な数のサブフィールドについて検査実施すればよい。
(f) メインフィールド内の所定のサブフィールド形状に関する近似式が全て算出されると、ステップS309で、メインフィールドの形状に関する近似式(メインフィールド形状歪み補正式)を算出する。ここで、式(3)のA0 SF〜A9 SF, B0 SF〜B9 SFが算出される。サブフィールド内の演算同様、メインフィールド内ターゲット座標(XT MF, YT MF)と、マーク検出された位置座標(XR MF, YR MF)を使った最小自乗法により近似式を算出する。ここで、メインフィールド内ターゲット座標(XT MF, YT MF)は、例えば、サブフィールドの中心の検査位置座標であり、マーク検出された位置座標(XR MF, YR MF)は、サブフィールドの中心の検査位置に対するマーク検出結果座標である。算出された近似式は近似式記憶モジュール401に保存される。
(g) 次に、ステップS310で、メインフィールド内ターゲット座標(XT MF, YT MF)に依存したサブフィールド形状に関する近似式、式(4)の係数を算出する。
(h) ステップS311で電源制御モジュール304は、内部カウンタ"L"に1を加える。ステップS312で電源制御モジュール304は、内部カウンタ"L"の値が予め設定された最大値より大か、否か判断する。内部カウンタ"L"の値が最大値以下である場合、ステップS302に戻る。内部カウンタ"n"の値が最大値より大である場合、ステップS312に進む。ステップS313で関係算出モジュール310は、減速電圧と、係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SFのそれぞれとの相関関係式を算出する。関係算出モジュール310は、相関関係式を関係式記憶モジュール402に保存する。
(i) 図11では、ウェハ表面の帯電量を検出して、補正描画するフローを示す。まず、可動ステージ116にウェハ12を配置する。ステップS501で、サブフィールド内の第1番目の検査位置に位置合わせマークが移動されるように、ステージを移動させる。ステップS502で、第1の検査位置に配置された位置合わせマークからの反射電子及び2次電子信号を用いて、図8に示す検出器16及び位置検出モジュール23は位置合わせマークを検出する。その後、近似モジュール140は、位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、第1の検査位置を取得する。
(j) ステップS503で、マーク台24上に設けられた位置合わせマークを第2乃至第9の検査位置に順次移動させる。近似モジュール140は、第2乃至第9の検査位置のそれぞれに移動された位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、第2乃至第9の検査位置の関係を取得する。
(k) サブフィールド内の全ての検査位置でのマーク検出が終了すると、ステップS504 で、位置合わせマークが検出された時のターゲット位置と、検査位置に関する情報に基づいて、サブフィールド形状に関する近似式を求めて、係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SFを算出する。近似モジュール140は、これらの係数を、対物副偏向器113bを用いた場合の近似式として、近似式記憶モジュール401に保存する。
(l) 次に、ステップS505で、電位算出モジュール305は、関係式記憶モジュール402から第1相関関係式を読み出す。次に電位算出モジュール305は第1相関関係式に係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SFのそれぞれの値を代入し、ウェハ12の帯電電圧を算出する。ステップS506で、予め定めたウェハ表面電圧限界値とS505で求めたウェハ12の帯電電圧を比較して、描画を継続するか判断する。ウェハ12の帯電電圧が限界値を超えている場合は、描画続行不可能と判断し、描画停止終了する。
(m) 一方、描画継続判断の場合、ステップS507で、電位算出モジュール305は第1、第2相関関係式の減速電圧を表す変数にウェハ12の帯電電圧を代入し、サブフィールド形状及びメインフィールド形状の補正を行う近似式を、算出されたウェハ12の表面電圧に対応する係数に補正する。補正モジュール141は、電位算出モジュール305が算出した係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SF及びA0 SF〜A9 SF, B0 SF〜B9 SFのそれぞれの値に基づいて、対物偏向アンプ121が対物主偏向器113a・対物副偏向器113bに加える偏向電圧を補正する。
(n) 最後に、ステップS508で、補正された偏向電圧でレジスト膜に回路パターンを描画し、第2の実施の形態に係る描画方法を終了する。
以上示した第2の実施の形態に係る描画システム及び描画方法によれば、予めステップS301乃至ステップS313で、減速電圧と、係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SF及びA0 SF〜A9 SF, B0 SF〜B9 SFの相関関係式が算出されており、描画前に1つまたは少数のサブフィールドの検査を行って係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SFを算出することによって、相関関係式を用いてウェハの表面電位を算出することができる。これにより、ウェハの帯電を考慮した高精度な偏向位置補正が短時間の描画前オーバーヘッド時間を用いて可能になる。また、ウェハ12上の帯電量が予め設けた基準値を超えている場合は、描画を実行せずにシーケンスを終了する。これにより、無駄な描画及び検査を省略してリワークを行うことができ、実質的なスループット向上を達成することができる。
(第3の実施の形態)
図12に示す第3の実施の形態に係る描画システムの制御装置300は、焦点合わせモジュール320、計測モジュール321、及び焦点評価モジュール322をさらに備える。焦点合わせモジュール320は、対物レンズ111を通過した電子ビームの焦点を、被験物としてのウェハ12上の位置合わせマークに合わせる。具体的には、焦点合わせモジュール320はステージ駆動回路21を制御し、図13に示すウェハ12に設けられた位置合わせマーク112を、図12に示す対物レンズ111の光軸上に移動させる。さらに焦点合わせモジュール320は対物偏向アンプ121を制御し、電子ビームでウェハ12上を走査する。ここで図13に示すようにウェハ12が帯電していると、ウェハ12に帯電している電荷と電子ビームとがクーロン反発する。そのため位置検出モジュール23は、例えば図14に示すように、エッジがぼやけた位置合わせマーク112を検出する。そこで電子ビームがウェハ12を走査している間、図12に示す焦点合わせモジュール320はレンズ制御回路119を制御し、対物レンズ111の焦点を変化させる。位置検出モジュール23が検出する位置合わせマーク112のエッジが最もシャープになった時に、焦点合わせモジュール320は対物レンズ111を通過した電子ビームの焦点が、位置合わせマーク112に合ったと認識する。
第3の実施の形態に係る描画システムは、試料室15内部に、レーザ等の検査光をウェハ12上に照射する検査光源61、及びウェハ12上で反射された検査光を受光する受光素子62をさらに有する。ここでウェハ12が帯電している場合でも、検査光は電子ビーム等の荷電粒子ビームと異なり、ウェハ12に帯電している電荷とクーロン反発することはない。検査光源61及び受光素子62は、計測モジュール321に接続されている。計測モジュール321は受光素子62が受光した検査光を解析し、対物レンズ111の光軸方向における、対物レンズ111から位置合わせマーク112までの光軸方向距離を光学的に計測する。
焦点評価モジュール322は、電子ビームで焦点合わせされた対物レンズ111の焦点距離と、計測モジュール321で光学的に計測された対物レンズ111から位置合わせマーク112までの光軸方向距離との差を算出する。ここでウェハ12が帯電していなかった場合、電子ビームで焦点合わせされた対物レンズ111の焦点距離と、光学的に計測された光軸方向距離とは等しくなる。しかし図13に示すようにウェハ12が帯電していると、焦点距離は光学的に計測された光軸方向距離よりも長くなったり、短くなったりする。したがって焦点評価モジュール322は、算出された差が予め設定された焦点評価用の許容範囲外である場合は、ウェハ12が帯電していると評価する。図12に示す描画システムのその他の構成要素は、図1と同様であるから、説明は省略する。
次に図15に示すフローチャートを用いて第3の実施の形態に係る帯電検査方法について説明する。
(a) ステップS701で図13に示す位置合わせマーク112を、図12に示す可動ステージ116を移動させることにより、対物レンズ111の光軸上に配置する。ステップS702で、対物レンズ111の焦点を変化させながら、対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bで電子ビームを偏向させ、位置合わせマーク112を走査する。この時、ウェハ12が帯電していると、図13に示すように、電子ビームとウェハ12に帯電した電荷とがクーロン反発する。
(b) ステップS703で位置検出モジュール23は、位置合わせマーク112を検出する。ここでウェハ12が帯電していると、図14に示すように、位置合わせマーク112のエッジがぼやけて検出される。ステップS704で焦点合わせモジュール320は、位置合わせマーク112のエッジが最もぼやけていない時に、対物レンズ111の焦点が位置合わせマーク112に合ったと認識する。
(c) ステップS705で検査光源61から検査光を位置合わせマーク112に照射し、受光素子62で位置合わせマーク112で反射された検査光を受光する。なお、検査光はウェハ12が帯電していても、クーロン反発しない。計測モジュール321は、受光素子62が受光した検査光を解析して、対物レンズ111の光軸方向における、対物レンズ111から位置合わせマーク112までの光軸方向距離を計測する。
(d) ステップS706で焦点評価モジュール322は、ステップS704で焦点合わせされた対物レンズ111の焦点距離と、ステップS705で光学的に計測された光軸方向距離との差を算出する。次に焦点評価モジュール322は、算出された差が予め設定された許容範囲外である場合、ウェハ12が帯電していると評価し、第3の実施の形態に係る帯電検査方法を終了する。
以上示した帯電検査方法によれば、図12に示す描画システムでウェハ12上に回路パターンを描画する前に、ウェハ12が帯電しているか否かを検査することが可能となる。またウェハ12が帯電している場合は、図6、図10、図11に示した描画方法で描画することにより、ウェハ12が帯電していても、回路パターンを設計位置に描画することが可能となる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば実施の形態に係る描画システムは、単独で回路パターンの描画を実行してもよい。あるいはマスクを用いる露光装置と共同して、ミックスアンドマッチ方式により回路パターンの描画を実行してもよい。また補正モジュール141は、係数A0 SF, A1 SF, A2 SF, A3 SF, B0 SF, B1 SF, B2 SF, B3 SF及びA0 SF〜A9 SF, B0 SF〜B9 SFのそれぞれの値に対して、対物偏向アンプ121が対物主偏向器113a及び対物副偏向器113bに加える偏向電圧の補正量を予めマップとして記憶しておいてもよい。以上示したように、本発明の技術的範囲は上記の説明からは妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る描画システムを示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る成形アパーチャとCPアパーチャとの関係を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る描画システムの荷電粒子ビーム照射機構を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る描画システムの対物レンズ近傍を拡大して示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウェハ上の検査位置を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る描画方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るウェハの模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る描画システムを示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウェハ上の検査位置を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る描画方法を示す第1のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る描画方法を示す第2のフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る描画システムを示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るウェハの断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るウェハの断面画像である。 本発明の第3の実施の形態に係る帯電検査方法を示すフローチャートである。
符号の説明
16…検出器
23…位置検出モジュール
101…電子銃
113a…対物主偏向器
113b…対物副偏向器
116…可動ステージ
140…近似モジュール
141…補正モジュール
230…荷電粒子ビーム照射機構

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを発する電子銃と、
    前記荷電粒子ビームを偏向させる偏向器と、
    前記荷電粒子ビームが実際に照射された照射位置を検出する位置検出モジュールと、
    前記荷電粒子ビームのターゲット位置及び前記照射位置の関係を、近似式で近似する近似モジュールと、
    前記近似式に含まれる係数に応じて、前記偏向器による前記荷電粒子ビームの偏向量を補正する補正モジュール
    とを備えることを特徴とする描画システム。
  2. 荷電粒子ビームを発するステップと、
    前記荷電粒子ビームをターゲット位置に偏向させるステップと、
    前記荷電粒子ビームが実際に照射された照射位置を検出するステップと、
    前記ターゲット位置及び前記照射位置の関係を、近似式で近似するステップと、
    前記近似式に含まれる係数に応じて、前記荷電粒子ビームの偏向量を補正するステップ
    とを備えることを特徴とする描画方法。
  3. 前記偏向させるステップは、前記荷電粒子ビームを偏向させる偏向器に偏向電圧を加えるステップを備えることを特徴とする請求項2に記載の描画方法。
  4. 前記補正するステップは、前記偏向電圧を補正するステップを備えることを特徴とする請求項3に記載の描画方法。
  5. 荷電粒子ビームでレンズの焦点を被験物に合わせるステップと、
    前記レンズの光軸方向における、前記レンズから前記被験物までの光軸方向距離を光学的に計測するステップと、
    前記レンズの焦点距離及び前記光軸方向距離が異なる場合、前記被験物が帯電していると評価するステップ
    とを備えることを特徴とする帯電検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010153456A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Nuflare Technology Inc 荷電粒子ビーム描画装置および方法

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