JP2008078537A - コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】ケース外部からの熱に対してコンデンサ素子が熱劣化し、安定して容量を引き出せないため、ケース外部の熱をコンデンサ素子へ伝えないことを目的とした。
【解決手段】この目的を達成すべく本発明は、有天筒状のケース1と、このケース1内に収納されたコンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2に接続されるとともに、ケース1の下面開口部からケース1外に引き出されたリード線4と、このリード線4が挿通される貫通孔を有するとともに、ケース1の下面開口部を封止する封口部材5を備え、コンデンサ素子2は誘電体フィルムの片面または両面に金属を蒸着することによって金属蒸着電極を形成した一対の金属化フィルムを前記金属蒸着電極が対向するように巻回または積層し、両端面に集電極3を形成したものであって、このコンデンサ素子2の外表面とケース1の内表面との間には隙間を設けるとともにケース1内は真空状態としたものとする。
【選択図】図3
【解決手段】この目的を達成すべく本発明は、有天筒状のケース1と、このケース1内に収納されたコンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2に接続されるとともに、ケース1の下面開口部からケース1外に引き出されたリード線4と、このリード線4が挿通される貫通孔を有するとともに、ケース1の下面開口部を封止する封口部材5を備え、コンデンサ素子2は誘電体フィルムの片面または両面に金属を蒸着することによって金属蒸着電極を形成した一対の金属化フィルムを前記金属蒸着電極が対向するように巻回または積層し、両端面に集電極3を形成したものであって、このコンデンサ素子2の外表面とケース1の内表面との間には隙間を設けるとともにケース1内は真空状態としたものとする。
【選択図】図3
Description
本発明は、温度特性に優れ、過酷な温度環境下でも使用することの出来るフィルタなどに用いられるコンデンサに関するものである。
従来のコンデンサは金属化フィルムを巻回してコンデンサ素子を形成し、これに設けた集電極であるメタリコン電極にリード線を接続したものであって、耐湿性などを確保するためこれらをケースに収納し、樹脂を充填することによって構成されるものであった。
これらはフィルムコンデンサの温度特性と周波数特性に優れた性質を活かしたものであり、熱環境が変化しやすい状況下となる自動車やパソコンでよく用いられていた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特許第2877364号公報
上記従来の構成においては、はんだ実装の際の高温時では、コンデンサ素子が収納されているケース外部からの熱が充填されている樹脂などを介して金属化フィルムを巻回したコンデンサ素子へ伝播してしまうということがあった。
このようにコンデンサ素子に伝わった熱が誘電体となっているフィルムの融点以上であると熱収縮などを起こし、それによってコンデンサとしての機能を損ねてしまう場合があった。
そこで、本発明はケース外部の熱をコンデンサ素子に伝播させないようにすることを目的とするものである。
そしてこの目的を達成するために本発明は、コンデンサ素子をケース内に封止する際にケース内部を真空としたことを特徴とするものである。
本発明のコンデンサは、コンデンサ素子をケース内に封止する際に、ケース内部を真空としているので、ケース外部からの熱が加わった際には、この熱が伝導によって伝播しないのでケース内部の温度上昇を防ぎ、結果として、コンデンサ素子に熱を伝えないようにすることができ、コンデンサとしての信頼性を向上させることが可能となるものである。
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
(実施の形態)
図1に示すケース1は、アルミニウム製で有天筒状に形成されており、ケース1の内周面及び外周面は電気的絶縁を確保するために樹脂膜(図示せず)が設けられている。
図1に示すケース1は、アルミニウム製で有天筒状に形成されており、ケース1の内周面及び外周面は電気的絶縁を確保するために樹脂膜(図示せず)が設けられている。
コンデンサ素子2は図2のごとく、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の誘電体フィルム(図示せず)の表面に非蒸着部分であるマージン部分2a、2bを形成しつつ、アルミニウムなどの金属を蒸着し、蒸着電極2c、2dとし、異常電流が流れた際には蒸着した部分が飛散することによって電気的に切断されるという自己保安機能を有したヒューズ2eを有した金属化フィルムを一対とし、蒸着電極2c、2dが誘電体フィルムを介して対向するように柱状形状に巻回した構成としたものである。
このコンデンサ素子2の両端面にアルミニウム、スズ、銅などの金属を溶融して吹きつける溶射によって図1のように集電極3を形成して電気的に引き出すことができるようになっている。
このコンデンサ素子2の上下に形成された集電極3にそれぞれ接続されたリード線4は、図3に示すようにケース1外方へ電気的に引き出すものであって、ゴム製等の封口部材5を貫通してケース1外方へ引き出されている。
これらのコンデンサ素子2、集電極3、リード線4、封口部材5を前述のケース1に収納し、ケース1の下面開口部で封口部材5の周囲を絞るなどしてこれらをケース1内に封止する。このとき、これらの作業を真空雰囲気中などで行うものとして、コンデンサ素子2、集電極3、リード線4はいずれもケース1の内壁面には接触しないように隙間を設けるようにするとともに、ケース1の内部を真空状態とする。
また、ケース1の外方へ引き出されているリード線4は、封口部材5の下面側に配置された座板6の下面で端子4aを形成することによって、回路基板などへ実装される時には端子4aがリフローによってはんだ付けされる。
このように、ケース1内表面とコンデンサ素子2の外表面との間に隙間を設けるとともにケース1内を真空状態としたことが本実施形態における技術的特徴の一つであり、これによって、従来であれば、周囲の温度変化などがコンデンサ素子2に伝わっていたのに対し、本実施の形態によれば、ケース1とコンデンサ素子2との間に隙間を設け、ケース1内部を真空状態としたことによって熱伝導による伝播を断つこととなり、温度変化に対しても安定して容量などの製品特性を発揮することができ、本来の温度特性と周波数特性に優れた性質のコンデンサとすることができるものである。
さらにこのとき、コンデンサ素子2、集電極3、リード線4、封口部材5をケース1に収納して封止する際に不活性ガス7雰囲気中で行うことによって図4に示すようにケース1とコンデンサ素子2との隙間に不活性ガス7が充填されることとなる。
このように不活性ガス7を充填することによって、熱伝導を遮るだけでなく、熱輻射を遮ることも可能である。特にケース1内部を常に高い真空状態で保つことは困難であり、不活性ガス7を充填しておけば、経時変化や温度変化によってケース1内部へ水分を多く含んだ大気などが侵入して酸化劣化を引き起こすといったことを防ぐことも可能であるので、温度変化に対してより安定した特性を発揮することが出来るものである。
そもそも、リフローなどのはんだ実装によって周囲の温度が上昇した際の瞬間的な熱は、ケース1や端子4aを介してコンデンサ素子2に伝播していたところ、本実施の形態によれば、真空状態や不活性ガス7の充填によってこれらの伝播を遮ることができるので、リフロー時などの外部から伝えられた瞬間的な熱をコンデンサ素子2へ伝播させることはなくなるものである。
特に不活性ガス7を窒素ガスやアルゴンガスとすることによって、液体のコンデンサ素子2へ悪影響を考慮することなく、ケース内部の温度上昇を防いでコンデンサ素子2に熱を伝えないようにすることが可能となるものである。充填された不活性ガス7の成分については分析装置などによってその種類の特定も可能である。
また、本実施の形態においてはコンデンサ素子2を構成する金属化フィルムは誘電体フィルムの片面に蒸着電極2c、2dを形成し、これらが対向するように巻回したものとしたが、金属化フィルムの一方を誘電体フィルムの両面に蒸着電極を形成した場合は他方を蒸着電極が形成されていない誘電体フィルムのみを用いて一対とし、蒸着電極が対向する様に巻回するものとする。これによって、温度特性と周波数特性に優れたコンデンサとすることが出来るものである。
さらに、本実施の形態においてコンデンサ素子2は金属化フィルムを巻回したものとしたが、金属化フィルムを積層し、端面を切断するなどして、集電極3を形成したものであってもよいものとする。これによって、四角形状のコンデンサ素子2を形成することが出来、丸型に比べてスペースに対する効率を向上させることができる。
なお、コンデンサ素子2を構成している誘電体フィルムはポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイドとすることによって、電位傾度の高いコンデンサとすることが可能である。
また、誘電体フィルムとして、紫外線硬化性のアクリル樹脂モノマーを硬化しフィルム状に形成したもの、或いはこのアクリル樹脂をフィルム状に形成したものとポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド等の異種の誘電体フィルムとの複合体とすることも可能で、この場合、耐熱性の高いアクリル樹脂を誘電体フィルムの全て或いは一部とすることによってコンデンサの耐熱性を更に向上させることができる。
また、ケース1の内部が真空状態であるか否かは特に初期状態でのコンデンサの封止を解いた際に大気圧復帰の音や状態によって確認することが可能である。
以上のように、本発明によるコンデンサによれば、周囲の温度変化に対して安定して容量を引き出すことのできるコンデンサとすることができるので、温度変化の激しい、自動車やパソコンなどのフィルタ回路などに有用である。
1 ケース
2 コンデンサ素子
3 集電極
4 リード線
4a 端子
5 封口部材
6 座板
7 不活性ガス
2 コンデンサ素子
3 集電極
4 リード線
4a 端子
5 封口部材
6 座板
7 不活性ガス
Claims (4)
- 有天筒状のケースと、このケース内に収納されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の両端面に接続されるとともに、前記ケースの下面開口部からケース外に引き出されたリード線と、このリード線が挿通される貫通孔を有するとともに、前記ケースの下面開口部を封止する封口部材を備え、前記コンデンサ素子は誘電体フィルムの片面または両面に金属を蒸着することによって金属蒸着電極を形成した一対の金属化フィルムを前記金属蒸着電極が対向するように巻回または積層し、両端面に集電極を形成したものであって、このコンデンサ素子の外表面と前記ケースの内表面との間には隙間を設けるとともに前記ケース内は真空状態としたコンデンサ。
- 前記誘電体フィルムはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイドのいずれか一つである請求項1に記載のコンデンサ。
- 有天筒状のケースと、このケース内に収納されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に接続されるとともに、前記ケースの下面開口部からケース外に引き出されたリード線と、このリード線が挿通される貫通孔を有するとともに、前記ケースの下面開口部を封止する封口部材を備え、前記コンデンサ素子は誘電体フィルムの片面または両面に金属を蒸着することによって金属蒸着電極を形成した一対の金属化フィルムを前記金属蒸着電極が対向するように巻回または積層し、両端面に集電極を形成したものであって、前記コンデンサ素子と前記ケースの間に不活性ガスを充填したコンデンサ。
- 前記誘電体フィルムはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイドのいずれか一つである請求項3に記載のコンデンサ。
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JP2006258558A JP2008078537A (ja) | 2006-09-25 | 2006-09-25 | コンデンサ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10536048B2 (en) * | 2013-03-25 | 2020-01-14 | Ntn Corporation | Method for manufacturing sintered bearing, sintered bearing, and vibration motor equipped with same |
-
2006
- 2006-09-25 JP JP2006258558A patent/JP2008078537A/ja active Pending
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US10536048B2 (en) * | 2013-03-25 | 2020-01-14 | Ntn Corporation | Method for manufacturing sintered bearing, sintered bearing, and vibration motor equipped with same |
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