JP2008073139A - 角質等除去部材、角質等除去具、および角質等除去部材の製法 - Google Patents

角質等除去部材、角質等除去具、および角質等除去部材の製法 Download PDF

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Abstract

【課題】老化した角質をはぎ取る機能に優れ、毛穴に奥深く入り込んだ汚れも掻き出すことが可能な角質等除去部材を提供する。
【解決手段】角質等除去部材1は、弾性材料により形成され、表面には皮膚に押し当てて擦るための擦り面5を有している。擦り面5は、研磨面が無数の砥粒より成る研磨材の前記研磨面を転写して形成された不規則な凹凸面より成るもので、擦り面5に対して背面の側で指先に固定するベルト3,4を一体に備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、主として顔面の皮膚に押し当てて擦ることにより、老化した角質、毛穴に入り込んだ皮膚の汚れ、脂肪など(以下「角質等」という。)を除去するのに用いられる角質等除去部材と、その角質等除去部材が用いられた角質等除去具と、角質等除去部材を製作するための製法とに関する。
洗顔や化粧落としには、洗顔石鹸やクレンジング剤を用いた手洗いが一般的である。しかし、そのような手洗いでは、老化した角質や毛穴に入り込んだ汚れを取り除くことは困難である。そこで、多数の柔軟な突起から成るブラシ部を備えたシリコン樹脂製のクレンジングパッドが提案された(例えば、特許文献1参照)。このクレンジングパッドは、クレンジング剤を顔面に馴染ませた後、ブラシ部を当てて擦ることにより、角質等を除去するものである。
実用新案登録第3105374号公報
しかしながら、上記のクレンジングパッドは、ブラシ部を構成する突起が太く、先端部が丸いため、皮膚に蓄積した老化した角質をはぎ取りにくく、毛穴に奥深く入り込んだ汚れを取り除くことができない。突起を細くすれば、老化した角質をはぎ取る機能や、毛穴に入り込んだ汚れを掻き出す機能を増すことができるが、型成形では、細い突起を型成形するための金型の製作が困難であるため、突起を細くするには限界がある。
この発明は、上記した問題に着目してなされたもので、老化した角質をはぎ取る機能に優れ、毛穴に奥深く入り込んだ汚れも掻き出すことが可能な角質等除去部材、およびその角質等除去部材が用いられた角質等除去具を提供するとともに、角質等の除去機能が高められた角質等除去部材を容易に製作できる角質等除去部材の製法を提供することを目的とする。
この発明による角質等除去部材は、全体が弾性材料により形成され、表面には皮膚に押し当てて擦るための擦り面を有している。前記擦り面は、研磨面が無数の砥粒より成る研磨材の前記研磨面を転写して形成された不規則な凹凸面より成るものである。
この発明の角質等除去部材を用いて洗顔や化粧落としを行うには、洗顔石鹸を顔全体に馴染ませ、擦り面を皮膚に押し当てて擦る。この場合、擦り面は研磨材の無数の砥粒より成る研磨面を転写して形成された不規則かつ微細な凹凸面になっているので、皮膚に蓄積した老化した角質は凸部に引っ掛かっるようにしてはぎ取られ、また、毛穴の奥深くに入り込んだ汚れは毛穴に凸部が入り込むことによって掻き出される。
この発明の角質等除去部材は、種々の態様に製作し得るが、例えば、薄板状とする場合は、手持ち操作が可能なように、前記擦り面に対して背面の側に指先で保持することが可能な取っ手が一体に設けられる。また、取っ手に代えて、前記擦り面に対して背面の側で指先に固定するベルトを一体に備えたものであってもよい。
なお、角質等除去部材の摺り面は、円形、楕円形、ハート形など、その外形はなんら限定されない。また、取っ手やベルトの形態も任意である。
角質等除去部材をそれ単独で用いる場合には、上記した取っ手やベルトのような手持ち操作を可能とする手段を一体に設けるのが望ましいが、単なる薄板状に形成する場合は、その角質等除去部材を手持ち操作が可能なホルダーで保持するなどして角質等除去具を構成するとよい。
上記した皮膚に押し当てて擦るための擦り面を有する角質等除去部材を製作するには、この発明においては、下型の型穴内に研磨面が無数の砥粒より成る研磨材を前記研磨面を上に向けて置き、型穴内の前記研磨材の研磨面上に弾性材料を載せた後、下型の型穴を上型により閉じて加圧し、加硫成型を行う。これにより、前記擦り面が前記研磨材の研磨面を転写して形成された不規則な凹凸面より成る角質等除去部材を製作するものである。
上記した角質等除去部材およびその製法において、「研磨面が無数の砥粒より成る研磨材」とは、紙、布、薄板などの表面に研磨のための無数の砥粒(研磨剤)が固着された、主としてシート状や板状のものをいい、サンドペーパー(研磨紙)や研磨布が典型例であるが、必ずしもこれに限られるものではない。サンドペーパーや研磨布では、砥砂として、炭化珪素、アルミナ、ジルコニアなどが用いられている。
「弾性材料」としては、柔軟性や肌触りの面からシリコンゴム(シリコン樹脂)が好適であるが、天然ゴム、ウレタンゴムなどを用いることもできる。
この発明によると、皮膚に押し当てて擦るための擦り面が、研磨材の無数の砥粒より成る研磨面を転写して形成された不規則な凹凸面より成るから、老化した角質をはぎ取る機能と毛穴に奥深く入り込んだ汚れを掻き出す機能とが高められ、角質等を容易に除去することができる。
また、この発明の製法によると、型成形に際して、金型の型穴内に研磨材を研磨面を上に向けて置くだけで、角質等の除去機能が高められた角質等除去部材を容易に製作することができる。
図1は、この発明の一実施例である角質等除去部材1の外観を示している。
図示例の角質等除去部材1は、シリコンゴムによって薄板状に形成されたもので、肌当て部2を挟んで両側に帯状のベルト3,4が一体に形成されている。肌当て部2は、外形が長円形をなし、一方の表面が皮膚に押し当てて擦るための擦り面5になっている。擦り面5は、図2に示すように、不定形状の凸部5aと凹部5bとが連続する不規則な凹凸面より成るものである。この凹凸面は、研磨面が無数の砥粒より成るサンドペーパーなどの研磨材の前記研磨面を転写して形成されたもので、各砥粒に対応する部分が凹部5b、砥粒間の隙間に対応する部分が凸部5aとなる。
なお、この実施例では、肌当て部2の片面にのみ擦り面5を設けているが、これに限らず、両面に擦り面を設けることもできる。
前記ベルト3,4は、図3および図4に示すように、それぞれ肌当て部2の背面側に湾曲させかつ先端部を連結することにより、肌当て部2との間に2本の指f1,f2(人差し指と中指または中指と薬指)を挿入することが可能な大きさの空間sを形成するものである。一方のベルト3の先端部寄りの表面には2個の係合突起6A,6Bが一体形成され、他方のベルト4の先端部寄りには3個の係合孔7A〜7Cが開設されている。各係合突起6A,6Bは係合孔7A〜7Cの内径にほぼ一致する軸部8を有し、軸部8の先端に軸部8より大径の頭部9が一体形成されている。
各係合孔7A〜7Cは、ベルト4の表面の開口縁に沿ってリング状の突縁10が周設されており、その突縁10の内側に前記係合突起6A,6Bの頭部9が嵌り込んで係合する嵌合部11が形成されている。2個の係合突起6A,6Bは、指の太さに合わせて3個の係合孔7A〜7Cのうちの2個の係合孔7A,7Bまたは7B,7Cに係合させる。
図5は、他の実施例にかかる角質等除去部材1の構成を示している。
図示例の角質等除去部材1は、肌当て部2の外形がハート形状であり、肌当て部2の表面は、サンドペーパーなどの研磨材の研磨面を転写して形成された不規則な凹凸面より成る擦り面5になっている。その擦り面5に対して背面の側には指先で保持することが可能な取っ手12が一体に設けられている。なお、擦り面5の凹凸面は第1の実施例と同様であり、ここでは説明を省略する。
上記の各実施例は、角質等除去部材1をそれ単独で用いるものであり、そのために、ベルト3,4や取っ手12のような手持ち操作を可能とする手段が一体に設けてあるが、図7に示すように、角質等除去部材1を単なる薄板状のものに形成する場合は、その角質等除去部材1を手持ち操作が可能なホルダー13で保持するようにして角質等除去具14を構成する。
図示例の角質等除去具14は、ハンドル状のホルダー13の先端部に平坦な保持面15を有し、その保持面15に両面粘着テープ16を用いて角質等除去部材1を貼着したものである。なお、角質等除去部材1は、適時新しいものと交換することが可能である。
また、ホルダー13の先端部にモータ駆動される回転体(図示せず)を設け、その回転体の表面に角質等除去部材1を保持することもできる。そのような実施例によれば、角質等除去部材1の擦り面5を皮膚に押し当てるだけで、皮膚表面を擦ることができる。
図8は、上記した構成の角質等除去部材1を製作する手順を示している。
同図の裁断工程は、シリコンゴムより成るシート状の原材料を一定量毎に裁断する工程である。上記の原材料は、ポリマーと加硫剤と顔料とを加えたものを混ぜ合わせて練り込んだ後、所定の幅、厚み、長さのシート状に整形してポリエチレンシートにくるんである。この実施例で使用するポリマーは、シリコンゴム(商品名「TSE221−5U」、ジーイー東芝シリコーン株式会社製)を用いている。
図8の型抜き工程は、角質等除去部材1の擦り面5を形成するためのサンドペーパーなどのシート状の研磨材を前記した肌当て部2の擦り面5の形状に合わせてポンチで型抜きする工程である。上記のシート状の研磨材は、紙、布などのシートの表面に無数の砥粒を接着剤により付着させたもので、例えば、砥粒として炭化珪素が用いられたサンドペーパー(商品名「トダディスク」のP80(粒度)、戸田研磨工業株式会社製)を用いることができる。
図8の準備工程は、加硫成型に先立ち、金型20(図9に示す)の準備を行うための工程である。図示の金型20は、下型21と上型22とから成り、下型21の上面には角質等除去部材1をかたどった型穴23が形成されている。型穴23は、角質等除去部材1の肌当て部2を型形成するための第1の型穴部23aと、ベルト3,4を型成形するための第2の型穴部23b,23cとから成り、各型穴部23b,23cには、係合孔7A〜7Cを成形するための孔成形部24と、係合突起6A,6Bを成形するための突起成形部25とがそれぞれ設けられている。
この準備工程では、金型20を所定の温度(例えば165℃〜170℃)に加熱し、下型21の型穴23の第1の型穴部23a内に、前記型抜き工程で得られた長円形状のシート状の研磨材30を研磨面31を上に向けて置き、型穴21の内面および研磨材30の研磨面31に離型剤を塗布する。
なお、図示例の金型20は、下型21に1個の型穴23を設けたものであるが、下型21に複数個の型穴が形成された金型を用いれば同時に複数の角質等除去部材1を成形することもできる。この場合は、全ての型穴にそれぞれ研磨材を配置することは勿論である。
つぎの加硫成型工程では、型穴23内の研磨材30の研磨面31上に、シリコンゴムを裁断して得られた弾性材料40を載せた後、下型21の型穴23を上型22により閉じ、その上から所定時間(例えば6分)だけプレス機で加圧することにより加硫成型を行う。この加硫成型工程により、研磨材30の研磨面31が成型品の肌当て部2の表面に転写されることになり、擦り面5が研磨材30の無数の砥粒より成る研磨面31を転写して形成された不規則な凹凸面より成る角質等除去部材1が製作される。
最終の仕上工程は、成型完了後に金型20より取り出した成型品から研磨材30を剥がし取った後、周縁に生じたバリを取り除いて整形するものである。この場合、成型品は弾性体であるので、凹凸面の凸部5aを破損せずに成型品より研磨材30を剥離することができる。
この発明の一実施例である角質等除去部材の外観を示す斜視図である。 図1のA−A線に沿う拡大断面図である。 ベルトを連結した状態を示す一部を破断した正面図である。 角質等除去部材の使用方法を示す正面図である。 他の実施例である角質等除去部材の外観を示す斜視図である。 図5のB−B線に沿う断面図である。 角質等除去部材を用いて構成した角質等除去具の構成を示す側面図である。 この発明の一実施例である角質等除去部材の製法を示すブロック図である。 図8の製法に用いられる金型の構成と研磨材の設置状態とを示す斜視図である。
符号の説明
1 角質等除去部材
3,4 ベルト
5 擦り面
5a 凸部
5b 凹部
12 取っ手
13 ホルダー
20 金型
21 下型
22 上型
23 型穴
30 研磨材
31 研磨面

Claims (5)

  1. 全体が弾性材料により形成され、表面には皮膚に押し当てて擦るための擦り面を有し、前記擦り面は、研磨面が無数の砥粒より成る研磨材の前記研磨面を転写して形成された不規則な凹凸面より成る角質等除去部材。
  2. 前記擦り面に対して背面の側に指先で保持することが可能な取っ手が一体に設けられている請求項1に記載された角質等除去部材。
  3. 前記擦り面に対して背面の側で指先に固定するベルトを一体に備えたものである請求項1に記載された角質等除去部材。
  4. 請求項1に記載された角質等除去部材が手持ち操作が可能なホルダーにより保持されて成る角質等除去具。
  5. 表面に皮膚に押し当てて擦るための擦り面を有する角質等除去部材を製作する方法であって、下型の型穴内に研磨面が無数の砥粒より成る研磨材を前記研磨面を上に向けて置き、型穴内の前記研磨材の研磨面上に弾性材料を載せた後、下型の型穴を上型により閉じて加圧し、加硫成型を行うことにより、前記擦り面が前記研磨材の研磨面を転写して形成された不規則な凹凸面より成る角質等除去部材を製作することを特徴とする角質等除去部材の製法。
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