JP2008068264A - 段差曲げ方法およびこれを実施する段差曲げ装置 - Google Patents

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Shinji Mizuno
真治 水野
Yuichi Ishikawa
裕一 石川
Fuminori Yamamoto
文典 山本
Kazuyuki Tsukimori
一如 月森
Masamitsu Nakajima
正光 中島
Katsumi Masaki
勝巳 正木
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Abstract

【課題】薄板材12を任意多数の段差曲げ高さで少なくとも2つの安定した平行関係を持つ段差面を持つ部材に容易迅速に段差曲げすることができるようにすること。
【解決手段】本段差曲げ方法は、薄板材12の一部領域12aと他部領域12bそれぞれの両面を別々の挟み付け部材4,14で隙間無く密接に挟み付ける工程と、段差曲げ加工の開始から終了まで上記挟み付けた状態を保持して両挟み付け部材4,14を段差曲げ方向に平行に相対移動させる工程とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、薄板材を段差曲げする方法およびこの段差曲げを実施する段差曲げ装置に関する。
従来から、図17で示す薄板材30を図18で示すようにP,Qの2箇所で互いに逆方向に折曲げて所定の段差曲げ高さHを有する部材32に段差曲げ加工する技術が提案されている(特許文献1参照)。
このような段差曲げされた部材32は各種産業分野、例えば、半導体製造技術におけるICパッケージのリードフレーム等で利用することができる。
このような段差曲げとしては図19で示す段差曲げ形状に対応した上下一対の金型34,36を採用することができる。
この金型では両金型34,36間に図20で示すように薄板材30を配置し、図21で示すように金型で締め付けて薄板材30を段差曲げすることができる。
しかしながら、この金型では段差曲げが上下一対の金型34,36の締め付けで1回で可能であるものの、段差曲げ高さHを変更する毎に新規に金型を制作する必要があり、金型コストが極めて高くつく。
また、図22で示すV溝38を上面に有する下金型40とこのV溝38に対応した突部42を有する上金型44との間に、図23で示すように薄板材30を入れて折曲げる。
その後、その薄板材30を裏返して図24で示すように下金型40にセットし、図25で示すように上金型44を下金型40に押し込んで薄板材30を段差曲げすることができる。
しかしながら、この従来例では、段差曲げ工程が複数となり、段差曲げ作業にコストがかかる上、段差曲げ高さHを変更する毎に新規に金型を制作する必要があり、金型コストが極めて高くつく。
また、上記特許文献1では1種類の金型で多種類の段差曲げ高さを可能とした技術が開示されているが、段差曲げ高さを変更するために必要な金型の種類が1種類であるとしても、上記従来例と同様、段差曲げ工程が極めて複雑でかつ多すぎており、段差曲げ作業にコストも時間もかかるものである。
特開平5−192711号公報
そこで、本出願人は、段差曲げ装置としては1種類でよく、また、多種の薄板材を任意多数の段差曲げ高さに段差曲げすることができ、かつ、段差曲げ作業が簡単で、時間もかからず、容易迅速に行うことができる段差曲げ方法およびこの方法を実施することができる段差曲げ装置に関して鋭意研究を重ねた。
しかしながら、この研究で課題となったのは、薄板材の一部領域を折曲げ、この一部から所定間隔隔てた他部領域を逆方向に折曲げて、段差曲げする場合に、上記一部領域と他部領域に形成される2つの段差面を平行に保たせることができなかったことである。
したがって、本発明により解決すべき課題は、簡単で安価な段差曲げ工程により、多種の薄板材を任意多数の段差曲げ高さで段差曲げすることが可能で、かつ、少なくとも2つの安定した平行関係を持つ段差面を持つ部材に段差曲げすることを可能とすることである。
(1)本発明による段差曲げ方法は、薄板材の一部領域と他部領域それぞれの両面を別々の挟み付け部材で隙間無く密接に挟み付ける第1工程と、段差曲げ加工の開始から終了まで上記薄板材の一部領域と他部領域それぞれの両面を隙間無く密接して挟み付けた状態を保持していずれか一方の挟み付け部材を他方の挟み付け部材に対して段差曲げ方向に平行に相対移動させる第2工程とを含むことを特徴とするものである。
上記の場合、両挟み付け部材は相対移動することができればよく、一方の挟み付け部材を固定とし、他方の挟み付け部材のみを移動可能としたり、両挟み付け部材を共に逆方向に移動可能としてもよい。あるいは、両挟み付け部材を同じ方向に移動させると共に、その移動速度を異ならせる態様も含む。
上記隙間無く密接とは例えば挟み付け部材の両挟み付け面による薄板材の両面に対する挟み付け力を強くして隙間無く密接させる状態や、挟み付け部材の両挟み付け面の摩擦係数を小さく例えば鏡面程度にして滑り易い状態で隙間無く密接させる状態を含む。
本発明によると、例えば薄板材の一部領域を一方の挟み付け部材で強く挟み付けて固定し薄板材の他部領域を他方の挟み付け部材で弱い力で挟み付けた状態で両挟み付け部材を段差曲げ高さに対応して相対移動させることにより段差曲げすることができるので、所望の段差曲げ作業が簡単で時間もかかることなく容易迅速に行うことができる。
この場合、薄板材の一部領域を一方の挟み付け部材で強く挟み付けて固定し薄板材の他部領域を他方の挟み付け部材で弱い力で挟み付けるのは、隙間無く密着させた状態で一方の挟み付け部材の両面間で薄板材が滑らない様にする為である。したがって、この意味からすると、段差曲げ中に一方の挟み付け部材の両面が薄板材の両面に滑らないように隙間無く密着してさえいれば、一方の挟み付け部材の挟み付け力と他方の挟み付け部材の挟み付け力とを同等とすると共に、例えば、薄板材に位置決め穴を空けておき、その位置決め穴に一方の挟み付け部材側に固定した位置決めピンを入れて、薄板材を保持して滑らないようにしても良い。
さらに、段差曲げ開始から段差曲げ終了までの過程で両挟み付け部材で薄板材の一部領域と他部領域それぞれを隙間無く密接した状態で相対移動するので薄板材の一部領域の両面それぞれの折曲起点での曲げ形状と、薄板材の他部領域の両面それぞれの折曲起点での曲げ形状とが対称な同形状を保ちつつ段差曲げされて当該一部領域と他部領域それぞれに段差曲げ高さが異なる段差面を形成するので、段差曲げ完了後の薄板材は、その一部領域の段差面と他部領域の段差面との平行度が保たれる。
(2)本発明の段差曲げ方法の好適な一態様は、いずれか一方の挟み付け部材で薄板材の一部領域の両面を隙間無く密接に挟み付け固定し、他方の挟み付け部材で薄板材の他部領域の両面を上記一方の挟み付け部材の挟み付け力よりも弱い挟み付け力で隙間無く密接に挟み付けて段差曲げ方向に平行に相対移動させることである。
(3)本発明の段差曲げ方法のさらに好適な一態様は、第2工程で一方の挟み付け部材を他方の挟み付け部材に対して段差曲げ方向に平行に相対移動させる距離を段差曲げ高さに対応して設定することである。
この態様では、その両挟み付け部材の平行な相対移動距離を任意に設定すれば薄板材を任意の段差曲げ高さで段差曲げすることができる。そのため、1種類の薄板材を種々の段差曲げ高さの段差曲げ部材に形成することができる。
このような段差曲げ方法では、対向する一対の部材において、一方の部材を段差曲げして両部材の対向距離を変更する場合に容易に対応することができる。
例えば、一対の接点部材を備え、接点部材を段差曲げして両接点部材の接点間隔が設定されるスイッチがある。このようなスイッチにおいて、接点間隔を変更する場合、両挟み付け部材で接点部材の両端を挟み付けて当該両挟み付け部材の相対移動距離を所望の段差曲げ高さに対応して設定するだけで、その段差曲げ高さに対応した接点部材を製作することができる。
その他、この段差曲げ方法では、1種類の薄板材から任意の段差曲げ高さの部材に成形することができるので種々の産業分野においてその利用価値は高い。
(4)本発明による段差曲げ装置は、薄板材の一部領域の両面を隙間無く密接して挟み付ける第1挟み付け部材と、薄板材の他部領域の両面を上記第1挟み付け部材の挟み付け力よりも弱い挟み付け力で隙間無く密接して挟み付ける第2挟み付け部材と、を備え、上記両挟み付け部材を段差曲げ加工の開始から終了まで上記隙間無く密接に挟み付けた状態を保持して段差曲げ方向に平行に相対移動させることができるようになっていることを特徴とするものである。
本発明では、1種類の段差曲げ装置により、薄板材をきわめて簡単容易にかつ迅速に段差曲げすることができる。特に、本発明では薄板材から平行度が保たれた段差面を備えた部材に段差曲げすることができる。
(5)本発明の段差曲げ装置の好適な一態様は、上記第1挟み付け部材を第2挟み付け部材に対して平行に相対移動可能とすることである。
(6)本発明の段差曲げ装置のさらに好適な一態様は、上記薄板材の段差曲げ高さに対応して上記両挟み付け部材の上記相対移動距離を任意に設定可能とすることである。この態様では、1つの薄板材から段差曲げ高さが異なる部材に段差曲げすることができるため、従来のように段差曲げ高さが異なる毎に新規に金型を製作する必要がなくなり、金型コストを大幅に低減することができる。また、段差曲げ工程が挟み付け工程と相対移動させる工程との単純な工程だけで済み、従来のような複雑な工程でなくなり、工程コストの低減を実現することができる。
(7)本発明のさらに好適な一態様は、上記任意に設定した相対移動距離に応じて上記両挟み付け部材を段差曲げ方向に平行に相対移動させる制御を行う制御装置、を備えることである。
(8)上記(7)の制御装置は、好ましくはシーケンサまたはパーソナルコンピュータにより構成することである。
なお、本発明の段差曲げ装置のさらに好適な一態様は、上記制御装置が、相対移動距離を任意に設定することができる設定部と、上記両挟み付け部材を段差曲げ方向に、任意の距離分、平行に相対移動させることができる駆動部と、上記設定部で設定した相対移動距離分だけ上記駆動部を制御して両挟み付け部材を相対移動させる制御部と、を備えることである。この態様では、設定部で相対移動距離、すなわち、段差曲げ高さを任意に設定すると、制御部により、駆動部を駆動制御して薄板材を所望の段差曲げ高さで段差曲げすることができる。
本発明のさらに好適な一態様は、上記第1挟み付け部材を1つとし、上記第2挟み付け部材を複数とすることである。この態様では、薄板材に複数の段差曲げを行うことができるようになり、例えば、パッケージ本体から多数のリード端子を備えるICパッケージにおいて、それら多数のリード端子をパッケージ本体に対して段差曲げする場合に、一度に段差曲げすることができるようになる。
本発明によれば、薄板材を任意多数の段差曲げ高さで少なくとも2つの安定した平行関係を持つ段差面を持つ部材に容易迅速に段差曲げすることができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る段差曲げ方法を説明する。
図1ないし図6は、本発明の実施の形態に係る段差曲げ方法の実施に用いる段差曲げ装置を示す。この段差曲げ装置の概略構成を説明する。
装置台2上に第1挟み付け部材4が配備されている。第1挟み付け部材4は上下一対のクランプ6,8から構成されている。両クランプ6,8は互いの対向面(挟み付け面)を対向させて上下に配置されており、第1駆動部10により上側のクランプ6が上下方向に駆動されて薄板材12の一部領域12aの両面を隙間無く密接に挟み付けて固定することができるようになっている。
薄板材12の材質は金属であるが、これに限定されず、樹脂でもよい。また、金属は弾性限界が小さい材料、例えば脆性材料が好ましいが、これに限定されない。また、薄板材12の板厚は1mm以下の板材に限定されず、これを超える例えば数mm程度以上の板材も含むことができる。
装置台2上には第2挟み付け部材14が配備されている。第2挟み付け部材14は上側のパンチ16と下側のダイ18とから構成されている。このパンチ16とダイ18は第2駆動部20により個別に上下方向に移動して薄板材12の他部領域12bを隙間無く密接に挟み付けることができるようになっている。
この場合、第1挟み付け部材4による薄板材12の一部領域12aの両面の挟み付け力は強く、第2挟み付け部材14による薄板材12の他部領域12bの両面の挟み付け力は弱く設定されている。
この設定は、第1駆動部10、第2駆動部20により行うことができる。
例えば第1駆動部10ではモータと歯車とで第1挟み付け部材を駆動して強い挟み付け力で薄板材12の一部領域12aの両面を挟み付け固定する。
例えば第2駆動部20ではエアシリンダ等のダンパにより弱い挟み付け力で薄板材12の他部領域12bの両面を挟み付ける。
次に図1ないし図6を参照して動作を説明する。
まず、図1で示すように薄板材12の一部領域12aを第1挟み付け部材4の下側クランプ8のクランプ面上に載置した状態で両クランプ6,8間に配置すると共に薄板材12の他部領域12bを第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16との間に配置する。
次いで、図2で示すように第1挟み付け部材4の上側クランプ6を第1駆動部10で下降駆動して両クランプ6,8で薄板材12の一部領域12aの両面を隙間が無い密接状態で挟み付け固定する。この挟み付け力は薄板材12が移動することができない程度に強く設定された力である。
一方、第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16を第2駆動部20で昇降移動させて薄板材12の他部領域12bの両面をダイ18とパンチ16とで弱い力で隙間が無い密接状態で挟み付ける。
ここで第1挟み付け部材4の挟み付け力は、第2挟み付け部材14を上昇させても薄板材12の一部領域12aを固定することができる程度の力である。
第2挟み付け部材14の挟み付け力は薄板材12の他部領域12bがダイ18とパンチ16との対向面間を滑り動くことができる程度の力である。したがって、ダイ18とパンチ16の対向面の面粗さは鏡面でも構わない。また、薄板材12の他部領域12bはダイ18とパンチ16の両対向面に隙間が無い密接状態で横滑りすることができるようになっている。
ここで、薄板材12の一部領域12aの内周側両縁部のうち上側を折曲起点A,下側を折曲起点Bとし、薄板材12の他部領域12bの外周側両縁部のうち上側を折曲起点C,下側を折曲起点Dとする。
次いで、図3で示すように、第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16を、それらが薄板材12の他部領域12bの両面を隙間無く密接した状態で、上方向に一体に同期上昇させる。この上昇移動により、薄板材12は段差曲げされる。
この場合、薄板材12の一部領域12aは第1挟み付け部材4の両クランプ6,8で隙間無く密接して固定された状態で折曲げられる。
一方、薄板材12の他部領域12bは第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16との間で隙間無く密接して挟み付けられた状態で折曲げられる。
そのため、図3の円で囲む部分を拡大して示すように、薄板材12の一部領域12aの上側折曲起点Aは縮み側に曲げ変形し、下側折曲起点Bは伸び側に曲げ変形する。薄板材12の他部領域12bの上側折曲起点Cは伸び側に曲げ変形し、下側折曲起点Dは縮み側に曲げ変形する。
以上の曲げ変形の形状は、薄板材12の一部領域12a側と薄板材12の他部領域12bとで対称であり、同一の曲げ変形である。これが、実施の形態の段差曲げの特徴である。同一の曲げ変形になるのは、段差曲げ加工の開始から終了まで第1挟み付け部材4の両クランプ6,8と、第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16とが薄板材12の一部領域12a側と他部領域12bに対して隙間無く密接して挟み付けた状態を保持して両挟み付け部材4,14を段差曲げ方向に平行に相対移動させることによる。この特徴に対して図17ないし図25で示す従来では実施の形態の段差曲げとは相違している。
次いで、図4で示すように、第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16を第2駆動部20で昇降させて、第2挟み付け部材14による薄板材12の他部領域12bの挟み付けを解除する。
次いで、図5で示すように、第1駆動部10で第1挟み付け部材4のクランプ6を上昇させることにより薄板材12の一部領域12aの挟み付けを解除する。
最後に、図6で示すように、実施の形態の段差曲げ装置から薄板材12を取り出す。
以上により、実施の形態の段差曲げ装置においては、1種類の段差曲げ装置により、薄板材12を段差曲げすることができる。
特に、両挟み付け部材4,14を薄板材12の段差曲げ高さ方向に相対的に平行移動させるだけで、薄板材12を段差曲げすることができるので段差曲げ作業がきわめて簡単で時間もかかることなく容易迅速に行うことができる。
そして、段差曲げ完了後に段差曲げ装置から薄板材12を取り出しても、薄板材12の一部領域12aと他部領域12bそれぞれに対応する段差面同士の平行度が保たれる。この両段差面同士の平行度が保たれる詳しい理由はさらに後述する。
上記段差曲げは、第2挟み付け部材14の段差曲げ高さ方向の平行移動距離を設定することにより、1種類の薄板材12から種々の段差曲げ高さの薄板材12を形成することができる。例えば、図7(a)は段差曲げ高さH1、図7(b)は段差曲げ高さH2、図7(c)は段差曲げ高さH3の各薄板材12を示す。なお、上記では段差曲げ高さを説明の理解のためH1,H2,H3の3種類で説明したが、段差曲げ高さをそれ以上の段階で任意に設定することができることは勿論である。なお、この段差曲げ高さを任意に設定することが可能であるから、その段差曲げ角度も任意に設定することができる。
この段差曲げ高さは、手動制御あるいは自動制御により任意に設定することができる。手動制御としては、第1、第2駆動部10,20をユーザが手動操作で駆動することにより第1挟み付け部材4に対して第2挟み付け部材14をユーザ操作で段差曲げ高さ方向に適宜の目盛りを参照しつつ平行移動させることにより可能である。自動制御としては、例えば、シーケンサ(登録商標)やパーソナルコンピュータにより設定することもできる。
図7(d)を参照してシーケンサにより段差曲げ高さを設定する方法の一例を説明すると、例えば、第1、第2駆動部10,20を、それぞれモータで構成する。そしてこれら両駆動部10,20を駆動制御する制御装置22を設ける。
この制御装置22は、例えば第1、第2駆動部10,20を駆動制御して第1、第2挟み付け部材4,14の挟み付け動作をシーケンス制御する制御部22aと、シーケンスプログラムが格納されているプログラムメモリ22bと、段差曲げ高さのデータ(例えば段差曲げ高さを制御モータの回転量を示すパルス数ないしはステップ数で決めることができるデータ)を格納するデータメモリ22cと、段差曲げ高さを設定する設定部22dとで構成する。シーケンサでは、シーケンス制御の内容の設定あるいは変更のフレキシビリティをもたせることができる点から好ましい。シーケンス制御とは予め定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御のことである。そしてシーケンサはシーケンス制御専用のマイクロコンピュータを利用した制御装置のことである。
そして、ユーザにより段差曲げ指令が入力されると、制御部22aがシーケンスプログラムに従い、両駆動部10,20を駆動し、これにより第1、第2挟み付け部材4,14が上昇や下降動作を行うことにより薄板材12の段差曲げが行われる。この場合、データメモリ22cに格納された段差曲げ高さに従って第2駆動部20の制御モータの回転量をパルス数ないしはステップ数で制御する。これにより、第2挟み付け部材14は、薄板材12の一部領域12aを挟み付けた状態で、第1挟み付け部材4で挟み付けられている薄板材12の他部領域12bに対して、段差曲げ高さに対応して上昇させる。これにより、薄板材12は任意の段差曲げ高さに段差曲げされる。
なお、図示はしないが後者のパーソナルコンピュータにより段差曲げ高さを設定する方法の一例を説明すると、例えば、第1駆動部10、第2駆動部20を、それぞれ制御モータで構成する。そしてこれら両駆動部10,20を駆動制御する制御装置を、パーソナルコンピュータで構成する。パーソナルコンピュータは、段差曲げを制御する制御部と、段差曲げ動作制御のためのプログラムが格納されているプログラムメモリと、段差曲げ高さのデータを格納するデータメモリと、段差曲げ高さを設定する設定部等を備える。
ユーザにより段差曲げ指令が入力されると、制御部は、プログラムメモリのプログラムに従い、設定部で設定されデータメモリに格納されている段差曲げ高さデータに基づいて第1、第2駆動部10,20を制御して第1、第2挟み付け部材4,14を上昇や下降させることにより薄板材12の段差曲げを制御すると共に設定部で設定された段差曲げ高さに対応したパルス数ないしはステップ数で、第2駆動部20を構成するモータを駆動して第2挟み付け部材14の上昇位置を制御する。この制御により、第2挟み付け部材14は、薄板材12の一部領域12aを挟み付けた状態で、第1挟み付け部材4で挟み付けられている薄板材12の他部領域12bに対して、段差曲げ高さに対応して上昇させる。これにより、薄板材12は任意の段差曲げ高さに段差曲げされ。パーソナルコンピュータによる場合、薄板材12から段差曲げした部材を量産する際の製造価格低減化の点から好ましい。
もちろん、上記駆動部10,20はモータ以外の駆動装置で構成することができる。
次に、図8ないし図15を参照して、実施の形態の段差曲げ装置により、薄板材12の一部領域12aと薄板材12の他部領域12bそれぞれに形成した段差面が互いに平行に保たれる理由を説明する。
図8は、第1挟み付け部材4で薄板材12の一部領域12aの両面に隙間無く密接した状態で挟み付けしている状態を示す。この状態では薄板材12の他部領域12bは第2挟み付け部材14で挟み付けられていない。
次に、図9で示すように、第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16の対向間隔を狭めて薄板材12の他部領域12bを折曲げる。この場合の第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16による薄板材12の他部領域12b両面の挟み付けは、薄板材12の他部領域12bの両面とダイ18とパンチ16の両対向面との間に隙間が存在していて、薄板材12の他部領域12bの両面にダイ18とパンチ16とが密接しておらず隙間が存在している。
図9では、薄板材12の一部領域12aと薄板材12の他部領域12bがそれぞれ折曲げられているが、薄板材12の一部領域12aの折曲起点A、Bに対して、薄板材12の他部領域12bの折曲起点C、Dは対称ではなく、曲げ変形形状が相違している。
次いで、図10で示すように薄板材12の他部領域12bの両面を両スライド部材のスライド面で挟み付けて薄板材12の一部領域12aと薄板材12の他部領域12bそれぞれを折曲げる。
最後に、図11で示すように、薄板材12をクランプ機構とスライド機構とから取出した場合、薄板材12の他部領域12bの段差面がスプリングバックして仮想線から実線のごとくその先端が折れ下がっている。すなわち、薄板材12の両段差面は平行度が無い状態となっている。
このように薄板材12の両段差面が平行度が保つことができないのは、図9で薄板材12の一部領域12aの折曲起点A、Bに対して、薄板材12の他部領域12bの折曲起点C、Dは対称ではなく、曲げ変形の形状が相違していることにより、スプリングバックが偏在することに原因する。
これに対して実施の形態について図12ないし図15を参照して説明する。実施の形態では、まず、図12で示すように、薄板材12が折曲げられていない平板の状態で第1挟み付け部材4と第2挟み付け部材14それぞれで薄板材12の一部領域12aと薄板材12の他部領域12bそれぞれを挟み付けている。
この挟み付けの状態では、第1挟み付け部材4の両クランプは薄板材12の一部領域12aの両面に隙間が無い状態で密接しており、第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16は薄板材12の他部領域12bの両面に隙間が無い状態で密接している。
この場合、第1挟み付け部材4の両クランプは薄板材12の一部領域12aに強い力で密接しており、第2挟み付け部材14のダイ18とパンチ16は薄板材12の他部領域12bに弱い力で密接している状態である。
そして、図13で示すように段差曲げ加工開始から終了に至る過程で薄板材12の他部領域12bの両面に隙間が無い状態で密接した状態で両挟み付け部材4,14で挟み付けて第2挟み付け部材14を上昇させると、薄板材12は上述したようにその一部領域12aと他部領域12bそれぞれの折曲起点A,Bと、C,Dとは互いに対称な同形状で折曲げられる。
そのため図14で曲げ変形が完了して薄板材12を取り出すと、薄板材12は図15で示すように薄板材12の一部領域12aと他部領域12bそれぞれの段差面の平行度を保った状態になっている。この場合、スプリングバックが起こっても、薄板材12の一部領域12aと薄板材12の他部領域12bは共に同じ曲げ変形で対称であるため、スプリングバックはバランスされる結果、薄板材12の一部領域12aと他部領域12bそれぞれの段差面の平行度は保たれることになる。
なお、図16(a)(b)(c)で示すように、第1挟み付け部材4の周囲に複数の第2挟み付け部材14a,14bを配備することができる。図16(a)は薄板材12を第1挟み付け部材4の下側クランプ8に載置した状態を示し、図16(b)は第1挟み付け部材4と第2挟み付け部材14a,14bで薄板材12を挟み付けた状態を示し、図16(c)は第1挟み付け部材4と第2挟み付け部材14a,14bで薄板材12を段差曲げした状態を示す。
この場合の薄板材12としては、例えば、ICパッケージのリードフレームであり、このリードフレームにおいてパッケージ本体となるフレーム領域を第1挟み付け部材4の両クランプ6,8で隙間無く密接した状態で挟み付け固定し、リード端子となる複数のフレーム領域を周囲の第2挟み付け部材14a,14bで隙間無く密接した状態で挟み付け、次いで、第2挟み付け部材14a,14bを第1挟み付け部材4に対して平行に相対移動させることにより、パッケージ本体に対して段差曲げしたリード端子を備えたICパッケージを得ることができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
図1は本発明の実施形態に係る段差曲げ方法の実施に用いる段差曲げ装置を薄板材12が配置されている状態で示す図である。 図2は同段差曲げ装置を2つの挟み付け部材で薄板材を挟み付けている状態で示す図である。 図3は同段差曲げ装置を2つの挟み付け部材で薄板材を段差曲げ加工している状態で示す図である。 図4は同段差曲げ装置を段差曲げ終了後、第2挟み付け部材での薄板材の挟み付けを解除した状態で示す図である。 図5は同段差曲げ装置を段差曲げ終了後両挟み付け部材での薄板材の挟み付けを解除した状態で示す図である。 図6は同段差曲げ装置を段差曲げ終了後、薄板材を取り出す状態で示す図である。 図7(a)は段差曲げ高さH1、図7(b)は段差曲げ高さH2、図7(c)は段差曲げ高さH3の各薄板材12を示す図、図7(d)は段差曲げ制御装置のブロック図である。 図8は本出願人が考案した別の段差曲げ装置を薄板材が配置されている状態で示す図である。 図9は上記別の段差曲げ装置を2つの挟み付け部材で薄板材を挟み付けて段差曲げしている途中状態を示す図である。 図10は上記別の段差曲げ装置を2つの挟み付け部材で薄板材を段差曲げ加工した状態を示す図である。 図11は上記別の段差曲げ装置で段差曲げされた薄板材を示す図である。 図12は実施形態の段差曲げ装置を両挟み付け部材で薄板材を挟み付けている状態で示す図である。 図13は実施形態の段差曲げ装置を2つの挟み付け部材で薄板材を段差曲げしている途中状態で示す図である。 図14は実施形態の段差曲げ装置を2つの挟み付け部材で薄板材を段差曲げ加工した状態で示す図である。 図15は実施形態の段差曲げ装置で段差曲げされた薄板材を示す図である。 図16は他の実施形態の段差曲げ装置を示す図である。 図17は薄板材を示す図である。 図18は段差曲げされた薄板材を示す図である。 図19は薄板材を段差曲げする金型を示す図である。 図20は薄板材を金型に配置した状態を示す図である。 図21は薄板材を金型で段差曲げした状態を示す図である。 図22は従来の段差曲げ装置を示す図である。 図23は従来の段差曲げ装置により薄板材を曲げ変形した状態を示す図である。 図24は従来の段差曲げ装置に薄板材を裏返して配置した状態を示す図である。 図25は従来の段差曲げ装置に薄板材を裏返した状態で曲げ変形した状態を示す図である。
符号の説明
2 装置台
4 第1挟み付け部材
6,8 クランプ
10 第1駆動部
12 薄板材
12a 一部領域
12b 他部領域
14 第2挟み付け部材
16 パンチ
18 ダイ
20 第2駆動部

Claims (8)

  1. 薄板材の一部領域と他部領域それぞれの両面を別々の挟み付け部材で隙間無く密接に挟み付ける第1工程と、
    段差曲げ加工の開始から終了まで上記薄板材の一部領域と他部領域それぞれの両面を隙間無く密接して挟み付けた状態を保持していずれか一方の挟み付け部材を他方の挟み付け部材に対して段差曲げ方向に平行に相対移動させる第2工程と、
    を含むことを特徴とする薄板材の段差曲げ方法。
  2. 第1工程では、いずれか一方の挟み付け部材で薄板材の一部領域の両面を隙間無く密接に挟み付け固定し、他方の挟み付け部材で薄板材の他部領域の両面を上記一方の挟み付け部材の挟み付け力よりも弱い挟み付け力で隙間無く密接に挟み付け、
    第2工程では上記挟み付け状態を保持して段差曲げ方向に平行に相対移動させる、ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材の段差曲げ方法。
  3. 第2工程では一方の挟み付け部材を他方の挟み付け部材に対して段差曲げ方向に相対的に平行移動させる距離を段差曲げ高さに対応して設定する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の薄板材の段差曲げ方法。
  4. 薄板材の一部領域の両面を隙間無く密接して挟み付ける第1挟み付け部材と、
    薄板材の他部領域の両面を上記第1挟み付け部材の挟み付け力よりも弱い挟み付け力で隙間無く密接して挟み付ける第2挟み付け部材と、
    を備え、
    上記両挟み付け部材を段差曲げ加工の開始から終了まで上記隙間無く密接して挟み付けた状態を保持して段差曲げ方向に平行に相対移動させることができるようになっている、ことを特徴とする段差曲げ装置。
  5. 上記第1挟み付け部材を第2挟み付け部材に対して相対的に平行移動可能とした、ことを特徴とする請求項4に記載の段差曲げ装置。
  6. 上記薄板材の段差曲げ高さに対応して上記両挟み付け部材の上記相対移動距離を任意に設定可能とした、ことを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の段差曲げ装置。
  7. 上記任意に設定した相対移動距離に応じて上記両挟み付け部材を段差曲げ方向に平行に相対移動させる制御を行う制御装置、を備えたことを特徴とする請求項6に記載の段差曲げ装置。
  8. 上記制御装置は、シーケンサまたはパーソナルコンピュータにより構成した、ことを特徴とする請求項7に記載の段差曲げ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009218147A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Omron Corp スイッチの製造方法
CN102658336A (zh) * 2012-05-30 2012-09-12 苏州旭创精密模具有限公司 一种s形折弯弹簧模
CN103350131A (zh) * 2013-07-12 2013-10-16 四川电力建设三公司 卷板机压制钢梯踏步的方法
JP2014217228A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 本田技研工業株式会社 捻り曲げ装置

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