JP2008065203A - クリーニング装置、並びに、これを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニング装置、並びに、これを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】高い除去性能を維持しつつも、ブレード捲れが発生したり感光体の駆動に過大な負荷を与えたりといった不具合の発生を抑制する。
【解決手段】感光体回転軸方向に長尺なブレード31におけるその長尺方向に延びる当接辺を感光体10の表面に押しつけて感光体表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、感光体表面上における当接辺が当接する当接部分Pの法線Nよりも感光体表面移動方向下流側でクリーニング枠体33に支持され、ブレードが感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体から受けたときにブレード全体が感光体表面から離れる向きへ変位し得るようにブレードを保持する保持機構32,34,38と、ブレードが感光体表面から離れる向きとは逆向きの弾性力をブレードに与える圧縮バネ39を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置、並びに、これを備える複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
この種の画像形成装置としては、電子写真方式のものやインクジェット方式のものなど種々のものが知られており、表面移動部材を備えているものが多い。例えば、電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム等の潜像担持体(像担持体)、中間転写ベルト等の中間転写体(像担持体)、紙搬送ベルト等の記録材搬送部材などの表面移動部材を備えたものが知られている。また、インクジェット方式の画像形成装置では、紙搬送ベルト等の記録材搬送部材などの表面移動部材を備えたものが知られている。一般に、このような表面移動部材の表面に不要な付着物が付着すると種々の不具合を引き起こすことから、その付着物を表面移動部材の表面から除去するクリーニング手段が必要となる。このクリーニング手段としては、構成が簡単でかつ付着物の除去性能にも優れていることから、ポリウレタンゴム等の弾性部材からなるクリーニングブレード(押し付け部材)を表面移動部材の表面に押しつけて付着物を除去するブレード方式のものが広く利用されている。
ブレード方式のクリーニング装置としては、従来から、トレーリング方式とカウンタ方式の2つの方式が知られている。以下、電子写真方式の画像形成装置における感光体用のクリーニング装置を例に挙げて、各方式のクリーニング装置について説明する。
図10(a)は、従来のトレーリング方式のクリーニング装置を示す説明図である。
このクリーニング装置では、ドラム状の感光体(表面移動部材)10の表面移動方向Aに対して直交する感光体回転軸方向に沿って長尺な弾性部材からなるクリーニングブレード231が、その長尺方向に延びる一辺(以下「当接辺」という。)を感光体10の表面に押しつけられた構成となっている。トレーリング方式では、クリーニングブレード231の当接辺が当接する感光体表面上の当接部分Pの法線Nよりも、感光体表面移動方向上流側で装置本体に支持されたブレードホルダ(保持部材)232により、クリーニングブレード231が保持される。本明細書において「トレーリング方式」とは、押し付け部材を保持する保持機構の装置本体に対する支持部が、押し付け部材の当接辺が当接する表面移動部材の表面上の当接部分の法線よりも、表面移動部材表面移動方向上流側に位置するものをいうものとする。
図10(b)は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置を示す説明図である。
このクリーニング装置も、感光体の表面移動方向Aに対して直交する感光体回転軸方向に長尺な弾性部材からなるクリーニングブレード231が、その長尺方向に延びる当接辺を感光体10の表面に押しつけられた構成になっている。カウンタ方式では、クリーニングブレード231の当接辺が当接する感光体表面上の当接部分Pの法線Nよりも、感光体表面移動方向下流側で装置本体に支持されたブレードホルダ232により、クリーニングブレード231が保持される。本明細書において「カウンタ方式」とは、押し付け部材を保持する保持機構の装置本体に対する支持部が、押し付け部材の当接辺が当接する表面移動部材の表面上の当接部分の法線よりも、表面移動部材表面移動方向下流側に位置するものをいうものとする。
カウンタ方式は、トレーリング方式よりも当接圧を高く設定できるため、トレーリング方式に比べて除去性能が高いという利点があり、広く利用されている(特許文献1)。
詳しく説明すると、トレーリング方式の場合、当接圧を高く設定すべくクリーニングブレード231を大きな力で押しつけると、クリーニングブレード231が反ってしまって、クリーニングブレード231の当接辺に対して感光体表面移動方向上流側に位置するクリーニングブレードの上流側面231aが感光体表面に当たってしまう腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード231と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード231を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、除去性能が低下することになる。これに対し、カウンタ方式の場合、当接圧を高く設定すべくクリーニングブレード231を大きな力で押しつけても、摩擦力がクリーニングブレードの反りに抗して働くので、クリーニングブレード231の反りが少ない。そのため、クリーニングブレード231を大きな力で押しつけても腹当たり現象が生じにくく、小さい当接面積に対して大きな押しつけ力を付与することができる。よって、高い当接圧を実現でき、高い除去性能が得られる。
特開2001−312191号公報
ところが、クリーニングブレード231と感光体表面との間の摩擦力が感光体10の回転駆動中に高まったとき、トレーリング方式のクリーニングブレード231はその垂直抗力を逃がす向きに反る(撓む)ことができるのに対し、カウンタ方式のクリーニングブレード231は垂直抗力を逃がす向きには反ることができない。そのため、クリーニングブレード231と感光体表面との間の摩擦力が高まったときに、ブレード捲れが発生したり、感光体の駆動に過大な負荷を与えたりといった深刻な不具合が発生し得る。
特に、近年の電子写真方式の画像形成装置では、小粒径で球形をなしたトナー、特に重合トナーを用いることが多くなり、このようなトナーを除去するためには高い除去性能が必要となる。そのため、カウンタ方式のクリーニング装置を採用し、そのクリーニングブレードの当接圧をなるべく高く設定することで、十分な除去性能を確保する必要がある。このような状況下においては、感光体の回転駆動中にクリーニングブレードと感光体表面との間の摩擦力に変動が生じたときに発生し得る摩擦力の最大値は上昇するので、ブレード捲れが発生したり、感光体の駆動に過大な負荷を与えたりといった不具合が発生しやすい。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、高い除去性能を維持しつつも、ブレード捲れが発生したり感光体の駆動に過大な負荷を与えたりといった不具合の発生を抑制し得るクリーニング装置、並びに、これを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面移動部材の表面移動方向に対して直交する方向に長尺な押し付け部材におけるその長尺方向に延びる一辺を該表面移動部材の表面に押しつけて、該表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、上記表面移動部材の表面上における上記一辺が当接する当接部分の法線よりも該表面移動部材の表面移動方向下流側で装置本体に支持され、該押し付け部材が該表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときに該押し付け部材全体が該表面移動部材の表面から離れる向きへ変位し得るように該押し付け部材を保持する保持機構と、該押し付け部材が該表面移動部材の表面から離れる該向きとは逆向きの弾性力を該押し付け部材に与える弾性力付与手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記弾性力付与手段は、バネにより発生する弾性力を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のクリーニング装置において、上記表面移動部材の表面上の上記当接部分における法線に対して該表面移動部材の表面移動方向上流側に傾斜した仮想軸周りで、上記押し付け部材の上記一辺が揺動自在となる構成を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のクリーニング装置において、上記弾性力付与手段が付与する弾性力は、上記表面移動部材の表面に対して上記押し付け部材を該表面移動部材の表面移動方向上流側へ押し付ける向きの成分を有しており、該弾性力付与手段は、該押し付け部材の長尺方向の互いに異なる複数箇所に該弾性力をそれぞれ付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4のクリーニング装置において、上記弾性力付与手段が付与する弾性力は、上記表面移動部材の表面移動開始時に上記押し付け部材が該表面移動部材から該表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を受けることで該弾性力に抗して該押し付け部材全体が該表面移動部材の表面から離れる向きへ変位できる強さに設定されていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5のクリーニング装置において、上記弾性力付与手段の弾性力は、上記押し付け部材が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときの該押し付け部材の最大変位量が5[mm]以下となるように設定されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6のクリーニング装置において、上記押し付け部材により加えられる上記表面移動部材の表面上における上記当接部分の法線方向の押しつけ力を高める付勢手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のクリーニング装置において、上記押し付け部材が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときの該押し付け部材の変位量の上限を規制する変位規制手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のクリーニング装置において、上記押し付け部材は、23[℃]における反発弾性が30%以下である弾性部材であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9のクリーニング装置において、上記押し付け部材は、上記一辺を境に隣接する2つの面のうち、上記表面移動部材の表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が、該表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも、該一辺に対して直交する方向の長さが長い弾性部材であり、該一辺に対して直交する方向に該上流側面が伸びて該上流側面の対向面が縮むような該押し付け部材の反りを規制する反り規制部材を、該押し付け部材における上流側面の対向面に固着し、上記保持機構は、該反り規制部材を介して該押し付け部材を保持することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10のクリーニング装置において、上記反り規制部材は、上記表面移動部材の表面に近接する側の端部が、上記押し付け部材の上記対向面における上記下流側面との境界辺と同じ位置か、該境界辺よりも上記表面移動部材の表面に近い位置まで延びるように、構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のクリーニング装置において、上記表面移動部材の表面に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、上記像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記像担持体と上記クリーニング装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13又は14の画像形成装置において、上記像担持体は無機微粒子を含有した保護層を有するものであることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置おいて、上記保護層のバインダー樹脂が架橋構造を有することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項16の画像形成装置において、上記バインダー樹脂の構造中に電荷輸送部位を有することを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、表面移動部材である記録材搬送部材の表面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記記録材搬送部材上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項18の画像形成装置において、上記記録材搬送部材と上記クリーニング装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項13、14、15、16、17、18、19又は20の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、体積平均粒径が3[μm]以上8[μm]以下であり、かつ、個数平均粒経に対する体積平均粒経の比率が1.00以上1.40以下であるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項13、14、15、16、17、18、19、20又は21の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、形状係数SF−1及びSF−2が100以上180以下であるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、長軸r1に対する短軸r2の比率(r2/r1)が0.5以上1.0以下であり、短軸r2に対する厚さr3の比率(r3/r2)が0.7以上1.0以下であり、r1≧r2≧r3の関係を満たすトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤及び離型材を含むトナー組成物を有機溶媒に溶解及び/又は分散させて有機溶媒組成物を作成し、樹脂微粒子が存在する水系媒体に該有機溶媒組成物を分散させ、架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、表面移動部材である記録材搬送部材の表面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該記録材搬送部材と該記録材搬送部材上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、表面移動部材の表面上における当接部分の法線よりも表面移動部材表面移動方向下流側で装置本体に支持された保持機構により押し付け部材を保持するカウンタ方式を採用する。よって、トレーリング方式に比べて当接圧を高く設定することができる。
ところで、当接圧を高めに設定すると、表面移動部材の表面移動中に押し付け部材と表面移動部材の表面との間の摩擦力に変動が生じたときに発生し得る摩擦力の最大値が上昇する。ここで、摩擦力が何らかの原因で瞬間的に高まると、押し付け部材が表面移動部材から受ける表面移動部材表面移動方向下流側に向かう力が急激に大きくなり、押し付け部材の当接辺を表面移動部材表面移動方向下流側へ変位させる力が急激に大きくなる。そして、この力が、これに抗する力(通常は押し付け部材の反りの復元力)よりも大きくなると、ブレード捲れが発生する。したがって、当接圧を高めに設定して、発生し得る摩擦力の最大値が上昇すると、表面移動部材表面移動方向下流側へ変位させる力が押し付け部材の反りの復元力よりも大きくなる頻度が高くなるので、ブレード捲れの発生頻度が高まる。
また、カウンタ方式の場合、押し付け部材を保持する保持機構が支持される装置本体の支持部と、押し付け部材の当接辺が当接する表面移動部材表面上の当接部分との距離は、押し付け部材の当接辺が表面移動部材表面移動方向下流側へ変位するほど短くなる。そのため、押し付け部材の当接辺が表面移動部材表面移動方向下流側へ変位するほど、装置本体の支持部と表面移動部材表面上の当接部分との間で挟まる押し付け部材が受ける圧縮力が高まり、その反力によって押し付け部材と表面移動部材との間の当接圧が上昇する。そして、当接圧の上昇により押し付け部材と表面移動部材の表面との間の摩擦力が上昇すると表面移動部材の駆動負荷が上昇する。したがって、当接圧を高めに設定して、発生し得る摩擦力の最大値が上昇すると、表面移動部材に過大な駆動負荷を与えるような過大な摩擦力の発生頻度が高くなるので、表面移動部材に過大な駆動負荷を与える頻度が高まる。
本発明においては、押し付け部材は、押し付け部材が表面移動部材表面移動方向下流側に向かう力を表面移動部材から受けたとき、押し付け部材全体が表面移動部材の表面から離れる向きへ変位し得るように保持機構によって保持されており、その向きとは逆向きの弾性力が弾性力付与手段により押し付け部材へ付与される構成になっている。なお、押し付け部材として弾性部材を用いる場合、弾性力付与手段の弾性力はその弾性部材の圧縮弾性力よりも小さいものを用いる。このような構成においては、当接圧を高めに設定した場合、表面移動部材の表面移動中に押し付け部材と表面移動部材の表面との間の摩擦力が上昇し、押し付け部材の当接辺が表面移動部材表面移動方向下流側へ変位したとしても、押し付け部材が表面移動部材の表面から離れる方向へ逃げることができる。よって、表面移動部材の表面移動中に押し付け部材と表面移動部材の表面との間の摩擦力に変動が生じたときに発生し得る摩擦力の最大値は、従来のカウンタ方式に比べて小さくなる。その結果、ブレード捲れの発生頻度が低くなり、また、表面移動部材に過大な駆動負荷を与える頻度も低くなる。
以上、本発明によれば、高い除去性能を得るために当接圧を高く設定しても、ブレード捲れが発生したり感光体の駆動に過大な負荷を与えたりといった不具合の発生頻度を低く抑えることができるので、高い除去性能を維持しつつもこのような不具合の発生を抑制できるという優れた効果が奏される。
以下、本発明を、画像形成装置としてのプリンタに適用した一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態におけるプリンタを示す概略構成図である。
プリンタ100は、フルカラー画像を形成するものであって、画像形成部120及び給紙部130とから主として構成されている。なお、以下の説明において、添え字Y,C,M,Bkは、それぞれ、イエロー用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示すものである。
画像形成部120には、図中左側から順に、イエロートナー用のプロセスカートリッジ121Y、シアントナー用のプロセスカートリッジ121C、マゼンタトナー用のプロセスカートリッジ121M、ブラックトナー用のプロセスカートリッジ121Bkが設けられている。これらのプロセスカートリッジ121Y,121C,121M,121Bkは、略水平方向に並べて配置されている。
二次転写装置160には、複数の支持ローラに掛け渡された中間転写体である無端状の中間転写ベルト162と、一次転写ローラ161Y,161C,161M,161Bkと、二次転写ローラ165とから主に構成されている。中間転写ベルト162は、各プロセスカートリッジ121Y,121C,121M,121Bkの上方で、各プロセスカートリッジに設けられる表面移動部材としての像担持体である潜像担持体としてのドラム状感光体10Y,10C,10M,10Bkの表面移動方向に沿って配置されている。中間転写ベルト162は、感光体10Y,10C,10M,10Bkの表面移動に同期して表面移動する。また、各一次転写ローラ161Y,161C,161M,161Bkは、中間転写ベルト162の内周面側に配置されており、これらの一次転写ローラにより中間転写ベルト162の下側に位置する外周面(表面)が各感光体10Y,10C,10M,10Bkの外周面(表面)に弱圧接している。
各感光体10Y,10C,10M,10Bk上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト162に転写する構成及び動作は、各プロセスカートリッジ121Y,121C,121M,121Bkについて実質的に同一である。ただし、カラー用の3つのプロセスカートリッジ121Y,121C,121Mに対応した一次転写ローラ161Y,161C,161Mについてはこれらを上下に揺動させる図示しない揺動機構が設けられている。揺動機構は、カラー画像が形成されないときに感光体10Y,10C,10Mに中間転写ベルト162を接触させないように動作する。
二次転写装置160は、プリンタ100の本体から着脱自在に構成されている。具体的には、プリンタ100の画像形成部120を覆っている図2中の紙面手前側の前カバー(不図示)を開き、二次転写装置160を図2中の紙面奥側から手前側へスライドさせることで、プリンタ100の本体から二次転写装置160を取り外すことができる。二次転写装置160をプリンタ100の本体に装着する場合には、取り外し作業とは逆の作業をすればよい。
なお、中間転写ベルト162における二次転写ローラ165よりも表面移動方向下流側であってプロセスカートリッジ121Yの上流側には、二次転写後の残留トナー等の付着物を除去するためのクリーニング装置を設けてもよい。この場合、このクリーニング装置についても後述する感光体用のクリーニング装置と同様の構成を採用してもよい。このクリーニング装置は、中間転写ベルト162と一体に支持された状態で二次転写装置160に設けるとよい。
二次転写装置160の上方には、各プロセスカートリッジ121Y,121C,121M,121Bkに対応したトナーカートリッジ159Y,159C,159M,159Bkが略水平方向に並べて配置されている。
また、プロセスカートリッジ121Y,121C,121M,121Bkの下方には、帯電された感光体10Y,10C,10M,10Bkの表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する露光装置140が配置されている。
また、露光装置140の下方には、給紙部130が配置されている。給紙部130には、記録材としての転写紙を収容する給紙カセット131及び給紙ローラ132が設けられており、レジストローラ対133を経て中間転写ベルト162と二次転写ローラ165との間の二次転写ニップ部に向けて所定のタイミングで転写紙を給送する。
また、二次転写ニップ部の出口側には、定着装置90が配置されており、この定着装置90の転写紙搬送方向下流側には、排紙ローラ及び排紙された転写紙を収納する排紙収納部135が配置されている。
図3は、本プリンタに設けられるプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
なお、各プロセスカートリッジの構成はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、Bkを省略して、プロセスカートリッジの構成及び動作について説明する。
プロセスカートリッジ121は、感光体10と、感光体10の周りに配置されたクリーニング装置30、帯電装置40及び現像装置50とを備えている。
クリーニング装置30は、感光体10の回転軸方向に長尺な弾性部材であるクリーニングブレード(以下、単に「ブレード」という。)31におけるその長尺方向に延びる一辺(当接辺)を感光体10の表面に押しつけて、感光体表面上の転写残トナー等の不要な付着物を除去する。本実施形態において、ブレード31の材料としては、他の弾性材料に比べて感光体10に対する摩耗性及び自身の耐摩耗性に優れていることからポリウレタンゴムを使用している。クリーニング装置30についての詳細な説明は後述する。
なお、クリーニング装置30には潤滑剤塗布装置を設けてもよい。特に、本実施形態では、いわゆる球形トナーを使用し、これをブレード31でクリーニングする必要があるため、高い荷重をかけてブレード31を感光体10に圧接する。そのため、ブレード磨耗及び感光体10の膜削れが大きくなる。感光体10の表面に潤滑剤を塗布することによって、ブレード31の磨耗、感光体10の膜削れを抑制することが可能である。また、後述するように放電を用いた帯電装置40によって感光体10を帯電する場合には、放電によって感光体表面が徐々に改質し、表面エネルギーが高くなる。この場合、球形トナーのクリーニング不良が発生しやすくなるため、潤滑剤を塗布することによって感光体表面の改質を抑制することによって、球形トナーのクリーニング性を経時に渡って維持することが出来る。
潤滑剤塗布装置としては、固形潤滑剤と、固形潤滑剤を支持する潤滑剤支持部材と、固形潤滑剤と感光体10との両方に接触して回転する潤滑剤塗布用のブラシローラとで構成されたものを利用できる。このような潤滑剤塗布装置では、ブラシローラにより固形潤滑剤から削り取った粉末状の潤滑剤をブラシローラにより感光体10の表面に塗布する。また、そのブラシローラよりも感光体表面移動方向下流側に、感光体10の表面に当接するように引き伸ばし部材を配置してもよい。この引き伸ばし部材は、その先端部が感光体10の表面に当接する状態で支持され、感光体10の表面に塗布された潤滑剤を均してその厚さを均一にするためのものである。引き伸ばし部材としては、ウレタンゴムブレードなどの弾性体や、弾性ローラなどを感光体に対して適切な圧力で当接させればよい。なお、潤滑剤塗布装置の他の例としては、粉末状の潤滑剤の剤溜りを感光体10の表面に対向配置してその潤滑剤を感光体10の表面に供給するものも利用できる。
潤滑剤の塗布位置は、感光体10の表面移動方向に対してブレード31の当接部分の上流側に配置してもよいが、ブレード31によって除去されるトナーと共に潤滑剤が除去されてしまうことがあり、感光体表面に均一に潤滑剤の膜を形成することができないおそれがある。よって、潤滑剤の塗布位置は、ブレード31の当接部分の下流側であって帯電装置40の上流側に配置するのがよい。この場合、トナー除去後の感光体表面に潤滑剤を塗布することになるため、均一に塗布することが可能である。
潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛のようなラメラ結晶紛体を使用すると好適である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。この作用が低摩擦係数化に効果があると考えられる。その他にも、各種の脂肪酸塩、ワックス、シリコンオイル等他の物質を潤滑剤として用いることも可能である。脂肪酸としてはウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンダデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、アラキドン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸などが挙げられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの金属との塩が挙げられる。
帯電装置40は、感光体10に当接するように配置された帯電ローラ41と、この帯電ローラ41に当接して回転する帯電ローラクリーナ42とから主として構成されている。
現像装置50は、感光体10の表面にトナーを供給して静電潜像を可視像化するものであり、現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ51と、現像剤収容部に収容された現像剤を攪拌する攪拌スクリュー52と、攪拌された現像剤を現像ローラ51に供給する供給スクリュー53とから主として構成されている。
以上のような構成を有する4つのプロセスカートリッジ121は、それぞれ単独でサービスマンやユーザにより着脱・交換が可能となっている。また、プリンタ100から取り外した状態のプロセスカートリッジ121については、感光体10、帯電装置40、現像装置50、クリーニング装置30が、それぞれ単独で新しい装置との交換が可能に構成されている。なお、プロセスカートリッジ121は、クリーニング装置30で回収した転写残トナーを回収する廃トナータンクを備えていてもよい。この場合、更に、プロセスカートリッジ121において廃トナータンクが単独で着脱・交換が可能な構成とすれば利便性が向上する。
次に、本プリンタ100の動作について説明する。
プリント命令を受け付けたら、まず、感光体10を図中矢印Aの方向に回転させ、帯電装置40の帯電ローラ41によって感光体10の表面を所定の極性に一様帯電させる。帯電後の感光体10に対し、露光装置140は、入力されたカラー画像データに対応して光変調された例えばレーザビーム光を色ごとに照射し、これによって各感光体10の表面にそれぞれ各色の静電潜像を形成する。各静電潜像に対し、現像装置50の現像ローラ51から各色の現像剤を供給し、各色の静電潜像を各色の現像剤で現像し、各色に対応したトナー像を形成して可視像化する。次いで、一次転写ローラ161にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することにより転写電界を形成し、一次転写ローラ161で中間転写ベルト162を弱圧接することで一次転写ニップを形成する。これらの作用により、各感光体10上のトナー像は中間転写ベルト162上に効率よく一次転写される。中間転写ベルト162上には、各感光体10で形成された各色のトナー像が互いに重なり合うように転写され、積層トナー像が形成される。
中間転写ベルト162上に一次転写された積層トナー像は、給紙カセット131内に収容されている転写紙が給紙ローラ132とレジストローラ対133を経て所定のタイミングで給送され、二次転写ローラ165にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することにより転写電界を形成し、転写紙に転写される。転写紙上に二次転写された積層トナー像は定着装置90に送られ、熱及び圧力で定着される。定着された転写紙は、排紙ローラによって排紙収納部135に排出、載置される。一方、一次転写後の各感光体10上に残留する転写残トナーは、クリーニング装置30のブレード31によって掻き取られ、除去される。
次に、本発明の特徴部分であるクリーニング装置30について詳しく説明する。
図1は、クリーニング装置30の主要部を感光体10の回転軸方向(Y方向)から見たときの説明図である。
図4は、クリーニング装置30の主要部を示す斜視図である。
本実施形態において、クリーニング装置30は、ブレード31を保持する剛性材料で形成されたブレードホルダ32を備えている。ブレードホルダ32は、感光体10の回転軸方向に直交する断面に沿って切断したときの断面形状が略L字状であり、略水平方向(図3中左右方向)に伸びる水平部32Aの上面(感光体表面移動方向上流側に向いた面)にブレード31が固着されている。なお、固着の方法は、接着でもよいし、ホットメルトでもよいし、その他の方法でもよい。本実施形態において、ブレードホルダ32の水平部32Aは、ブレード31が反るのを規制する反り規制部材として機能する。
ブレードホルダ32は、略鉛直方向(図3中上下方向)に伸びる鉛直部32Bを有している。この鉛直部32Bの下端側(感光体表面移動方向下流側の部分)は、略鉛直方向へスライド可能なように、ブレードブラケット38に支持されている。ブレードブラケット38の下端部(感光体表面移動方向下流側の端部)は、クリーニング装置30の枠体33に設けられた支軸34に回動可能に軸支されている。本実施形態では、感光体10の表面上におけるブレード31の当接辺が当接する当接部分Pの法線Nよりも感光体表面移動方向下流側でクリーニング装置30の枠体(装置本体)35の支軸34に支持されたブレードブラケット38及びブレードホルダ32の鉛直部32Bにより、水平部32Aを介してブレード31を保持した構成となっている。すなわち、本実施形態のクリーニング装置30は、カウンタ方式を採用し、ブレードホルダ32の鉛直部32B及びブレードブラケット38が保持機構として機能する。
また、ブレードブラケット38の上端部(感光体表面移動方向上流側の端部)と、ブレードホルダ32の水平部32Aとの間には、弾性力付与手段としての圧縮バネ39が配置されている。ブレードブラケット38の上端部とブレードホルダ32の水平部32Aとの間は、圧縮バネ39の弾性力により互いに離間する方向の力が働く。このとき、ブレードブラケット38は、その下端部が枠体33の支軸34に支持されていて鉛直方向へ変位できない構成になっている。よって、この圧縮バネ39の弾性力によりブレードホルダ32の水平部32Aは鉛直方向上方へ付勢される。この弾性力により、図1に示すように、ブレード31を感光体10の表面に押しつけていない状態で、ブレード31の下流側面31bにおける感光体表面移動方向上流側部分と、感光体10の表面における当接部分Pの接線Nの表面移動方向下流側部分とのなす角(以下「当接角」という。)θが約15[°]となる方向から、ブレード31を感光体表面に向けて当接させることができる。なお、当接角θは、5[°]以上50[°]以下の範囲内で適宜設定される。当接角θが5[°]よりも小さく設定することは感光体周りの配置レイアウト上困難であり、当接角θが50[°]よりも大きく設定すると十分な除去性能が得られなくなる可能性が高くなるからである。なお、当接角θの更に好ましい範囲は7〜40°の範囲である。
図4に示すように、ブレード31の長尺方向の互いに異なる複数箇所、本実施形態では3箇所に、それぞれ弾性力を付与するために、圧縮バネ39が3つ設けられている。これにより、比較的弾性力の小さな圧縮バネ39であっても十分な弾性力を得ることができる。
また、クリーニング装置30は、ブレード31により加えられる感光体10の表面上における当接部分Pの法線方向の押しつけ力を高める付勢手段としてのスプリング36を備えている。本実施形態において、スプリング36は2つ設けられており、各スプリング36はブレード31の長尺方向(感光体回転軸方向)の中心点からその長尺方向端部に向けて110[mm]離れた位置にそれぞれ設けられている。スプリング36の一端はブレードホルダ32の水平部32Aの端部に接続されており、他端は弾性力調整手段としての調整ネジ37に接続されている。この調整ネジ37は、クリーニング装置30の枠体33に設けられたネジ孔に係合している。調整ネジ37を使って押しつけ力を調整する場合、クリーニング装置30の枠体33の外部から切り欠き穴を介して調整棒を差し込み、調整ネジ37を回転させることでスプリング長を調整する。
ここで、感光体10の表面に対するブレード31の押しつけ力の調整について説明する。
図5は、ブレード31の押しつけ力の測定装置を示す説明図である。この測定装置200は、実際には、市販のセンサ用コンディショナ「WGA−710B(共和電業製)」及び組み合わせられるロードセル「LMA−A−20N(共和電業製)」である。この測定装置200は、ロードセル201を3つ備えており、各ロードセル201は、半円筒形状のセル台202の上に、ブレード31の長尺方向中心点と、その中心点から長尺方向両端に向けて140[mm]離れた2地点の合計3箇所でそれぞれ固定されている。また、ロードセル201には、感光体10と同じ曲率半径の曲面を有する治具203が載せられる。この治具203は、ブレード31の長尺方向に沿って3つ並べて配置され、各治具203の底面中心に各ロードセル201にそれぞれセットされる。
ブレード31は、治具203との位置関係が感光体10との位置関係と同じ関係となるように、測定装置200にセットされる。
測定装置200を用いて感光体10の表面に対するブレード31の押しつけ力を調整する場合、上記プリンタ100においてクリーニング装置30が組み付けられた状態のプロセスカートリッジ121に、感光体10に代えて上記測定装置200を取り付ける。具体的には、感光体10の駆動軸を支持するための支持部を利用して、3つのロードセルが固定されたセル台202及び3つの治具203をプロセスカートリッジ121に取り付ける。このとき、クリーニング装置30のブレード31の当接辺とロードセル201とを結ぶ仮想線が治具の底面に対して垂直になるように、セットする。そして、各治具203を介して加えられた荷重を各ロードセル201で検出し、測定装置200に接続されたセンサ用コンディショナ204に表示される値を見ながら、調整ネジ37を調節してブレード31の押しつけ力を調整する。
なお、測定に際しては、事前に、規定の重りを各治具203の上に載せ、センサ用コンディショナ204に表示されるそれぞれの値が同じ値になるように設定したり、センサ用コンディショナ204に表示される値が治具203による荷重をキャンセルした値となるように設定したりする必要があることは言うまでもない。
ブレード31の押しつけ力がブレード長尺方向において均一となるように荷重バランスを調整する場合、本実施形態では、センサ用コンディショナ204に表示される各ロードセル201の値のバラツキが±10[g]以内となるように、2つのスプリング36の調整ネジ37を回転して調節する。
ブレード31の押しつけ力を調整する場合、本来的にはブレード31と感光体10の表面との当接圧が目標とする値となるように調整すべきであるが、ブレード31と感光体10の表面との当接幅(ニップ幅)は測定が困難であることから、一般には、線圧が目標とする値となるように調整される。ここで、「線圧」とは、ブレード31と感光体10の表面との当接部に働く感光体回転軸方向の単位長さ当たりの力を意味する。具体的な線圧の求め方は、センサ用コンディショナ204に表示される各ロードセル201の値を合算した総荷重を、ブレード31の長尺方向長さT3で除算して得られる値を線圧[N/cm]。
ブレード31と感光体10の表面との当接幅は、ブレード31の反りが大きいほど長くなり、また、ブレード自体の変形が大きいほど長くなる。本実施形態のクリーニング装置30では、上述のようにブレードホルダ32の水平部32Aによってブレード31の反りが規制され、そのブレード31の反りは、ほとんど発生せず、図10(b)に示した従来のカウンタ方式を採用するクリーニング装置におけるブレードの反りと比較すると無視できる程である。したがって、本実施形態のクリーニング装置30において、当接幅は主としてブレード自体の感光体表面移動方向における弾性変形(圧縮変形)のみによって依存する。よって、本実施形態のクリーニング装置30では、図10(b)に示した従来のカウンタ方式を採用するクリーニング装置に比べて、その当接幅を短くすることができる。よって、従来のカウンタ方式のクリーニング装置と同程度の線圧でブレード31を押しつけても、その当接圧は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも高まる。逆に言えば、従来のカウンタ方式のクリーニング装置と同程度の当接圧を得るときに必要となるブレード31の押しつけ力は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも小さくて済む。なお、本実施形態における当接幅は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置を用いた場合の当接幅に対してかなり短くなっていることが予測される。したがって、この予測に立てば、従来のカウンタ方式のクリーニング装置における線圧よりもかなり小さな線圧でも、このクリーニング装置と同程度の当接圧を実現でき、同程度の除去性能を発揮し得るものと考えられる。
なお、スプリング36等の付勢手段は、必ずしも設ける必要はなく、ブレードホルダ32の水平部32Aの端部をこのような付勢手段を介さずにクリーニング装置30の枠体33に接続するようにしてもよい。ただし、この場合、ブレードホルダの鉛直部32Bがブレードブラケット38に対してスライドする際に、ブレードホルダ32の水平部32Aの端部が枠体33に対してそのスライド方向へ変位可能に構成する必要がある。
本実施形態において、弾性力付与手段を構成する3つの圧縮バネ39による弾性力は、ブレード31と感光体10の表面との間で最大静止摩擦力よりも小さい摩擦力が発生したときに圧縮バネ39が縮むことができる程度の弾性力に設定するのが好ましい。これにより、感光体10の駆動開始時にブレード31と感光体10の表面との間で発生する最大静止摩擦力によりブレード31が支軸34に向かう大きな力を受けたとき、圧縮バネ39が縮んでブレード31がブレードホルダ32とともにブレードブラケット38に対してスライドし、感光体10の表面から離れる方向へ変位することができる。これにより、ブレード31と感光体10の表面との間の当接圧が過度に高まりやすい感光体10の駆動開始時において、当接圧を逃がすことができ、当接圧が過度に高まるのを抑制することができる。
また、3つの圧縮バネ39による弾性力は、ブレード31が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときのブレード31の最大変位量が5[mm]以下となるように設定するのが好ましい。ブレード31があまり大きく変位する構成とすると、ブレード31の当接角θが予定範囲を超えて大きくなりすぎるおそれがある。ブレード31の当接角θが予定範囲を超えて大きくなりすぎると、定常的な当接圧が増大する結果、感光体10の表面を強く摩耗したり、感光体10の定常的な駆動負荷が増大したりするおそれがある。
なお、ブレード31の最大変位量が5[mm]以下となるように3つの圧縮バネ39による弾性力を設定した場合でも、予期しない突発的な摩擦力の上昇により、ブレード31が5[mm]を越えて変位する場合も考えられる。圧縮バネ39が縮む方向にブレード31が変位すると、スプリング36の付勢力によりブレード31が支軸34を回動中心にして回動し、感光体表面上の当接部分Pが感光体表面移動方向下流側へズレる。ブレード31の変位量が小さければ、圧縮バネ39の弾性力により当初の当接部分まで戻ることができるが、ブレード31の変位量が大きいと圧縮バネ39の弾性力では当初の当接部分まで戻ることができなくなるおそれがある。これは、ブレード31の変位量が大きいほど、感光体表面上の当接部分Pが感光体表面移動方向下流側へズレる量が多くなり、これにより当接角θが大きくなるので、圧縮バネ39の弾性力における当接部分Pの法線方向成分が増大する結果、摩擦力が増大するためである。
よって、予期しない突発的な摩擦力の上昇が発生しても、当初の当接部分Pに戻ることができるように、ブレード31が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときのブレード31の変位量の上限を規制する変位規制手段を設けるのが好ましい。変位規制手段としては、例えば、ブレードホルダ32の水平部32Aに当接するストッパを枠体33に設けたものが挙げられる。
また、本実施形態において、ブレード31は、感光体回転軸方向(Y方向)に長尺な直方体形状の部材である。そして、図1に示すように、当接辺を境に隣接する2つの面31a,31bにおける当接辺に対して直交する方向の長さT1,T2(図4参照)が、感光体表面移動方向下流側に位置する下流側面31bの長さT2よりも感光体表面移動方向上流側に位置する上流側面31aの長さT1の方が長く形成されている。なお、ブレード31の形状は、当接辺を境に隣接する2つの面31a,31bを有する形状であって感光体回転軸方向にわたって感光体表面上の付着物を十分に除去し得るような形状であれば、このような直方体形状でなくても、あらゆる立体形状のものを利用できる。なお、ブレード31の各外周面は、必ずしも平面である必要はなく、湾曲面であってもよい。
ここで、感光体10が表面移動したときに圧縮変形する向きのブレード長さ(圧縮方向長さ)が短いほど、その弾性変形量は少なくなる。そして、ブレード31の圧縮方向長さは、およそブレード31の下流側面31bの感光体表面移動方向長さT2に相当する長さとなる。本実施形態のT2と、図10(b)に示す従来のカウンタ方式を採用するクリーニング装置のT2とを比較すると、本実施形態の方が従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも遙かに短い。したがって、弾性変形量だけ比較しても、本実施形態のクリーニング装置30は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも少ない。このことからも、本実施形態のクリーニング装置30における当接幅が、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも短くなることがわかる。
なお、本実施形態のように直方体形状のブレード31を用いる場合、各辺の長さT1,T2,T3の大小関係は、T3>T1≧T2を満たすように構成するのが好ましい。より好ましくは、T2は、1[mm]以上でT1の1/2以下とするのがよい。1[mm]以下にすると異音が発生しやすくなる。なお、ブレード31の材質として、最近注目されている低反発弾性材料を用いたり、JISA硬度の高い材料・材質等を選択したりすれば、その好適範囲が広がることも予想される。なお、本実施形態のブレード31における各辺の長さは、T1=12[mm]、T2=4[mm]、T3=325[mm]であるが、当然これに限られるものではない。
また、本実施形態のブレード31は、ポリウレタンゴムを素材とし、JISA硬度でおよそ75°のものを使用している。もちろん、ブレード31の材質や硬度はこれに限らず、適宜選択される。また、ブレード31としては、低反発弾性材料、具体的には23[℃]における反発弾性が30%以下である弾性部材を用いれば、スティックスリップ運動が抑制されるので好適である。反発弾性を30%以下とする理由としては、次の2つがある。一つは、球形トナーをクリーニングするためには、ブレード31の当接辺における振動が少ない方がよいということである。もう一つは、ブレード31の磨耗に対して、反発弾性率が低い方が良いからである。従来、粉砕トナーをクリーニングする際には、ブレード31によって、ブレード31の当接辺に接触したトナーを跳ね飛ばすという作用があったため、反発弾性率が低い場合には跳ね飛ばし効果が十分に働かないという問題があった。しかしながら、球形トナーの場合には、トナーを跳ね返す前に、ブレードをすり抜けてしまうため、跳ね飛ばし効果は作用しない。むしろ、反発弾性が高く、ブレード31の当接辺が感光体10に対して微小振動しやすい場合には、かえって球形トナーのすり抜けを助長してしまうことが分かっている。一方、反発弾性が低い方が、ブレード31の磨耗に対して有利であることが分かっている。すなわち、繰り返しの作像過程において、ブレード31は、感光体10との摺擦によって徐々に磨耗していく。ブレード31の磨耗の発生メカニズムは、ブレード自身のスティックスリップ運動の結果、ブレード31を構成する高分子(例えばポリウレタンゴム)が引裂かれ、疲労破壊する結果、磨耗が発生すると考えている。このような場合には、ブレード31の当接辺の一部が切れ、そこからトナーのすり抜けが発生する。これに対し、反発弾性を低くした場合には、ブレード自身のスティックスリップ運動が抑制されるため、繰り返しの作像工程を経た後でも、ブレード先端部分の累積振動回数が高反発弾性ブレードに比べて少ないため、疲労破壊も抑制される。その結果として、繰り返しの作像工程を経ても、ブレード磨耗が進行せず、長期にわたってクリーニング性能が維持されることになる。
また、本実施形態のブレードホルダ32は、鉄を主成分とする金属材料で形成されたものを用いており、感光体10の回転駆動中に感光体10からブレード31が力を受けてもひずみを十分に抑制できる十分な剛性を備えている。
本実施形態において、ブレード31は、図4に示すように、その上流側面31aの対向面全体がブレードホルダ32の水平部32Aに対して固着されている。本実施形態では、固着方法として、接着剤による接着方法を採用しているが、両面テープで固着する方法やホットメルト法などの他の固着方法を採用してもよい。このようにブレード31の上流側面31aの対向面全体がブレードホルダ32の水平部32Aに固着されており、かつ、上述したようにブレードホルダ32が十分な剛性を備えていることから、本実施形態では、ブレード31を感光体10の表面に押しつけた状態で感光体10を回転駆動しても、ブレード31の反りは実質的には発生しない。
このようにブレード31の反りは実質的には発生しないことにより、次のような効果が得られる。
すなわち、環境変動に対するロバスト性が向上する。詳しくは、ブレードの自由長部分が長い場合のようにブレードの反りが発生する構成においては、温湿度によってブレード31の反りによる力が変化する。例えば、高温高湿環境下でブレードを反ったまま放置すると塑性変形してしまい、ヘタリという現象が起こる。こうなると、感光体10の表面に対するブレードの当接圧が低下して、クリーニング性が低下し、クリーニング不良が発生するおそれがある。したがって、ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態では、環境変動に対するロバスト性が向上する。
また、ブレードの反りが発生するということは、ブレードが反るだけの自由度をもっていることである。ブレードの自由度が大きいと、カウンター方式の場合、ブレードと感光体との摩擦力が高まったときにブレードめくれという深刻な不具合を発生しやすい。ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態によれば、ブレードめくれが防止される。
更に、感光体の起動トルクを低減できる。詳しくは、上述しているように、ブレードの反りが発生するということは、ブレードが反るだけの自由度をもっているということである。感光体の駆動開始時は摩擦力が大きいため、ブレードの自由度が大きいと瞬間的に大きく変形してトルクが増大してしまう。ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態によれば、感光体の駆動開始時のトルク増大を低減することができる。
本実施形態において、感光体10の表面に近接する側の水平部32Aの端部すなわち鉛直部32Bと連結する水平部32Aの端部は、図1に示すように、ブレード31の上流側面31aの対向面(接着面)における下流側面31bとの境界辺と同じ位置となるようにしているが、水平部32Aの上記端部がブレード31の上記境界辺よりも感光体10の表面に近い位置まで延びるようにしても、ブレード31の実質的な反りは同様に発生しない。
また、水平部32Aの上記端部は、必ずしもブレード31の上記境界辺まで延びている必要はなく、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺には届かない位置までしか延びていなくてもよい。すなわち、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺よりも水平部32Aの上記端部の方が感光体表面から離れた構成としてもよい。この場合、水平部32Aの上記端部を上記境界辺よりも感光体表面からどの程度まで離すことが許容されるかは、ブレード31の硬度や、ブレード31と感光体10の表面との間の摩擦係数などによって決まってくる。その許容範囲は、例えば、線圧が0.790[N/cm]となるようにブレード31を感光体10の表面に押しつけたときの当接部における感光体表面移動方向長さ(当接幅)が50[μm]以下となる範囲を判断の目安とすることができる。なお、水平部32Aの上記端部と上記境界辺との距離は、ブレード31の下流側面31bの長さT2の1/4程度までは許容されるものと推測される。更に確認すれば、T2の1/2〜同程度までは許容される可能性がある。
また、本実施形態では、ブレード31の接着面全体に接着剤を塗ってブレード31をブレードホルダ32の水平部32Aに接着しているが、ブレード31の接着面の一部にだけ接着剤を塗ってブレード31をブレードホルダ32の水平部32Aに接着するようにしてもよい。ただし、ブレードホルダ32の水平部32Aとブレード31における上流側面31aの対向面(接着面)とが互いに重なり合う領域のうち、少なくとも感光体10の表面に近接する側の端部領域については固着処理を施すことが望ましい。この端部領域においてブレードホルダ32の水平部32Aとブレード31とをきちんと固着しておけば、感光体10の回転駆動中にブレード31と感光体表面との間の摩擦力が何らかの要因で変化してもブレード31のバタツキを安定して防止することができる。これは、他の固着方法であっても同様である。
以上のように、本実施形態においては、ブレード31が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときにブレード全体が感光体10の表面から離れる向きへ変位することができる。これにより、高い除去性能を得るために当接圧を高めに設定した場合、感光体10の駆動中にブレード31と感光体10の表面との間の摩擦力が上昇し、感光体10の当接辺が感光体表面移動方向下流側へ変位したとしても、ブレード31が感光体10の表面から離れる方向へ逃げることができる。よって、感光体10の駆動中にブレード31と感光体10の表面との間の摩擦力に変動が生じたときに発生し得る摩擦力の最大値は、従来のカウンタ方式に比べて小さくなる。その結果、感光体10に過大な駆動負荷を与える頻度が低くなる。
特に、本実施形態においては、上述したようにブレード31の圧縮方向長さが従来のカウンター方式のものに比べて短い。そのため、仮に本実施形態のようにブレード全体が感光体10の表面から離れる向きへ変位可能に構成していないとしたら、感光体10の駆動中にブレード31と感光体10の表面との間に大きな摩擦力が発生してブレード31が支軸34に向かう大きな力を受けたとき、その力によりブレード31自体が圧縮変形できる度合いが従来のカウンター方式のものに比べて小さい。そのため、ブレード31と感光体10の表面との間に生じ得る当接圧は、従来のカウンター方式のものに比べて高くなり、よって感光体10に過大な駆動負荷を与える頻度が高くなる。したがって、本実施形態のようにブレード全体が感光体10の表面から離れる向きへ変位可能に構成することで、感光体10に過大な駆動負荷を与える頻度を少なくすることは、上述したようにブレード31の圧縮方向長さが短い構成においては有用である。
もちろん、図6に示すように、従来のカウンター方式のブレード231が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときにブレード全体が感光体10の表面から離れる向きへ変位し得るように構成してもよい。このような構成においては、感光体10に過大な駆動負荷を与える頻度を少なくすることができる上、ブレード捲れの発生頻度も少なくできる。なお、図6に示すブレード31は、例えば、上流側面31aの長さT1を2[mm]とし、下流側面31bの長さT2を14[mm]とし、JISA硬度は70°とする。
また、感光体10の表面上の当接部分Pにおける法線Nに対して感光体表面移動方向上流側に傾斜した仮想軸周りでブレード31の当接辺が揺動自在となる構成を有するようにしてもよい。具体的には、例えば、図7に示すように、ブレードホルダ32の鉛直部32B上に回転軸32Cを設け、ブレードブラケット38に回転軸32Cが入り込む長孔38Aを設けるようにして、回転軸32Cの周りでブレード31の当接辺が揺動自在な構成とする。このような構成とすることで、ブレード31のブレードホルダ32への固着精度が悪い等が原因で感光体回転軸方向に対してブレード31の当接辺が傾いた場合でも、その傾きを自動的に調整することができる。このような構成において、圧縮バネ39はブレード31の長尺方向中央部に対応する一箇所に配置するようにしてもよいが、図7に示すように複数箇所に設ければブレードの姿勢を安定して保つことができる。なお、本構成においては長孔38Aの内壁で回転軸32Cの変位を規制できるので、上述した変位規制手段と同様の機能を有する。
次に、本実施形態のプリンタにおいて使用される感光体10について説明する。
球形トナーをクリーニングするためには、従来の粉砕トナーをクリーニングする際にブレード31に付与してきた荷重に比べ、大きな荷重を付加しなければならない。その結果、感光体10の磨耗が従来より進むために、感光体10の耐磨耗性を向上させることが望まれる。以下、本実施形態で使用する感光体の一例を示す。
図8は、本実施形態に使用する感光体10の一例を示す断面図である。
本実施形態に用いられる感光体10は負帯電性の有機感光体であり、直径30[mm]のドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。基層としての導電性支持体50上に、絶縁層である下引き層51が設けられている。そして、その上に感光層としての電荷発生層(CGL)52、電荷輸送層(CTL)53が設けられている。さらにその上に表面保護層(FR)54が積層されている。
<導電性支持体50>
導電性支持体としては、体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すものを用いることができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
次に感光層について説明する。
感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層構成の場合から述べる。
<電荷発生層52>
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ、これらは有用に用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることも可能である。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上、あるいは下引き層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
電荷発生層には、必要に応じて結着樹脂中に上記電荷発生物質を分散させることができる。用いることができる結着樹脂の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5[μm]程度が適当であり、好ましくは0.1〜2[μm]である。
<電荷輸送層53>
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25[μm]以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5[μm]以上が好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
次に感光層が単層構成の場合について述べる。
感光層は、前述の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを導電性支持体50上ないし下引き層51上に塗布、乾燥することによって形成できる。電荷輸送物質を含有させずに、電荷発生物質と結着樹脂とから構成してもよい。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに50〜150重量部であればより好ましい。
感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25[μm]程度が適当である。
<下引き層51>
本実施形態に係る感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。また、これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
下引き層の膜厚は0〜5[μm]が適当である。
<保護層54>
感光体の最表面層に機械的磨耗を防止するために保護層54を設けることも可能である。例えば耐磨耗性を向上させるためにアモルファスシリコンで表面コートした感光体や、電荷輸送層のさらに表面にアルミナや酸化スズ等を分散させた最表面層を設けた有機感光体などを用いる事もできる。
以上説明したように、本実施形態に用いることができる感光体1の構成は特定の構成に限定されるものではない。導電性支持体の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層のみを設けた1層構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層を設け、その上に更に保護層を設けた構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とを積層し、その電荷輸送層の上に保護層を設けた構成や、導電性支持体の上に電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層とを積層し、その電荷発生層の上に保護層を設けた構成など、種々の層構成を有する感光体に適用可能である。
また、保護層のバインダー構成として、架橋構造からなる保護層も有効に使用される。架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上記反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効な手段である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、保護層としての機能を十分に発現することが可能となる。電荷輸送能を有する反応性モノマーとしては、同一分子中に電荷輸送性成分と加水分解性の置換基を有する珪素原子とを少なくとも1つずつ以上含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とヒドロキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とカルボキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とエポキシ基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とイソシアネート基とを含有する化合物等が挙げられる。これら反応性基を有する電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。さらに好ましくは、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することができる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。また本発明においては、熱または光を用いて正孔輸送性化合物の重合または架橋を行うが、熱により重合反応を行う際には、熱エネルギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要となる場合があるが、より低い温度で効率よく反応を進行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。光により重合させる場合は、光として紫外線を用いることが好ましいが、光エネルギーのみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光重合開始剤が併用される。この場合の重合開始剤とは、主には波長400nm以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の活性種を生成し、重合を開始させるものである。なお、本発明においては、上述した熱及び光重合開始剤を併用することも可能である。このように形成した網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
感光体10の一実施例としては、メチルトリメトキシシラン182部、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン40部、2−プロパノール225部、2%酢酸106部、アルミニウムトリスアセチルアセトナート1部を混合し、保護層用の塗布液を調製する。この塗布液を前記電荷輸送層の上に塗布・乾燥し、110℃、1時間の加熱硬化を行い、膜厚3μmの保護層を形成する。
他の実施例としては、正孔輸送性化合物を30部、アクリルモノマー及び光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)0.6部を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し、表面保護層用塗料を調製する。この塗料をスプレーコーティング法により先の電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用いて500[mW/cm2]の光強度で30秒間硬化させることによって、膜厚5μmの表面保護層を形成する。
次に、本実施形態のプリンタにおいて使用される帯電装置40について説明する。
帯電装置40としては、従来よりコロナ放電を利用したコロナ帯電方式を用いるものがあった。コロナ帯電方式は、チャージワイヤを被帯電体に近接して配設し、チャージワイヤに高電圧を印加することにより、チャージワイヤと被帯電体との間にコロナ放電を起こし、これによって被帯電体を帯電するものである。しかしながら、コロナ帯電方式の場合には、コロナ放電に伴いオゾンや窒素酸化物(NOx)などの放電生成物質が発生する。放電生成物質は、感光体方面に画像形成の際に悪影響を及ぼす硝酸又は硝酸塩の膜を形成する恐れがあるため、できればその発生を回避したいところである。そこで、近年ではコロナ帯電方式に代えて放電生成物質の発生が少なく、低電力で帯電ができる接触帯電方式又は近接帯電方式の開発が盛んである。これらの方式は、ローラ、ブラシ、又はブレード等の帯電部材を感光体等の被帯電体に接触又は近接して対向させ、帯電部材に電圧を印加することによって被帯電体の表面を帯電させるものである。この方式によれば、コロナ帯電方式に比して、放電生成物質の発生が少なく低電力化を実現することができるため有用性が高い。また、大掛かりな帯電装置を必要としないため装置の小型化が可能であり、装置の小型化が望まれているニーズに合致する。そこで、本実施形態においては、上記のような低電力化、低ハザード化、小型化のニーズを達成する一例として、非接触ローラ帯電方式を用いた例を示す。
また、球形トナーを用いた場合、上記のように、従来の粉砕トナーに比べてクリーニング不良が発生しやすい。本実施形態のように球形トナーのブレードクリーニングを可能とした構成であっても、万が一クリーニング不良が発生した場合、非接触ローラ帯電方式であれば、クリーニング不良トナーが帯電装置に付着することがないため、帯電異常による異常画像の発生が起きないという利点がある。本実施形態に係る帯電装置は非接触となるよう近接させて対向配置した帯電部材である帯電ローラ41による交流印加放電により感光体を帯電せしめている。
なお、接触させて対向配置した帯電部材による交流印加放電により感光体を帯電せしめる方法がある。この方法を適用する場合には、感光体表面と帯電部材との接触性を向上させ、かつ感光体に機械的ストレスを与えない弾性部材を用いることが好ましい。ただし、弾性部材を用いると、帯電ニップ幅が広くなり、これに起因して帯電ローラ側に保護物質が付着しやすくなることがある。よって、被帯電体の高耐久化には非接触により帯電させる方が有利である。
図9は、本実施形態における帯電装置40を感光体10の回転軸方向に対して直交する方向から見たときの説明図である。
帯電装置40は、帯電ローラ41、スペーサ43、スプリング44、電源45とからなる。帯電ローラ41には、軸部41aとローラ部41bとがある。このうちローラ部41bは、感光体10に対向して感光体表面を帯電する機能を担っており、軸部41aの回転によって回動可能なように構成されている。帯電ローラ表面の帯電部41bが感光帯表面に対して微小な間隙で対向配置するよう帯電ローラ41に間隙保持部材であるスペーサ43を設けている。このスペーサ43により、感光体10の表面のうち画像が形成される画像形成領域に対向する部分は感光体10と非接触となるよう配設されている。ローラ部41bの長手方向(感光体回転軸方向)の寸法は、感光体10の画像形成領域よりも長く設定されており、感光体10の非画像形成領域にスペーサ43を当接せしめることにより、上記微小なギャップGを形成している。このスペーサ43を介して帯電ローラ41は、感光体表面に連れまわって回転するようになっている。微小ギャップGは、帯電ローラ部41bと感光体10との最近接部が1〜100[μm]となるように構成されている。この最近接距離は、30〜65[μm]であることがさらに好ましい。本実施形態では、50[μm]となるように配設した。
軸部41aには、帯電ローラ41を感光体10の表面へ向けて押圧するためのスプリング44が取り付けられている。これにより、微小ギャップGを精度良く維持することが可能となる。帯電ローラ41は、帯電用の電源45が接続されており、感光体10の表面と帯電ローラ41の表面との間の微小ギャップGにおいて、交流印加放電により感光体10の表面を均一に帯電せしめる。本実施形態では、直流成分であるDC電圧に交流成分であるAC電圧が重畳された交番電圧が帯電ローラ41のローラ部41bへ印加されるようになっている。交番電圧を用いることにより、微小ギャップGの変動に起因する帯電電位のバラツキなどの影響が抑制され、均一な帯電が可能となる。
帯電ローラ41は、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、この芯金の外周面上に形成された抵抗調整層とから構成される。本実施形態では、帯電ローラ41の直径を10[mm]とした。帯電ローラ41の表面は、例えばゴム部材などの既知の材料を用いることができるが、樹脂材料で構成することがより好ましい。ゴム部材を用いると、ゴムの吸水や、たわみの発生により、感光体10との微小ギャップGを維持することが困難となるからである。作像条件によっては帯電ローラ41の中央部のみが感光体表面に突発的に接触する可能性がある。このような局所的、突発的な帯電ローラ41の感光体10への接触による感光体表面層の乱れに対応することは困難である。したがって、非接触帯電方式により感光体を帯電する場合には、帯電ローラと感光体との微小ギャップGを均一に維持することができる硬質の材料を用いることがより好ましい。
<帯電ローラ表層>
帯電ローラ41の表面が硬質な材料としては、例えば、以下のようなものを用いることができる。抵抗調整層として、高分子型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びその共重合体等)により形成し、抵抗調整層の表面を硬化剤により硬化皮膜処理されたものなどである。硬化皮膜処理は、例えば、イソシアネート含有化合物を含む処理溶液に抵抗調整層を浸漬させることにより行うことができる。あるいは、抵抗調整層の表面に改めて硬化処理皮膜層を形成してもよい。
次に、本実施形態のプリンタにおいて使用されるトナーについて説明する。
本実施形態のクリーニング装置30によれば、高い除去性能を実現し得ることから、平均円形度が0.93以上1.00以下のトナーを除去する用途にも実用化できる。本明細書において、円形度aはL0/L(L0は粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を示し、Lは粒子の投影像の周囲長を示す。)で得られる値をいう。円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体5との接触面積が小さいために転写性に優れる。一方、円形度の高いトナーはブレード方式のクリーニングでは感光体10とブレード31の隙間に入り込み、すり抜けやすい。しかしながら、本実施形態のクリーニング装置30によればクリーニングすることができ、異常画像を抑えることができる。また、ブレード31の寿命をのばすことができる。
また、トナーの体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある小粒径で粒径分布も狭いトナーを使用する場合であっても良好なクリーニング性が得られる。トナーは粒径分布を狭くすることで、帯電分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像ができ、また、転写率を高くすることができる。このような小粒径トナーはトナーの外添剤微粒子等の含有率が相対的に高くなる傾向にあるため、これらがトナーから脱離してクリーニングブレード31をすり抜けやすい。しかしながら、本実施形態のクリーニング装置30によれば、クリーニングすることができ、異常画像を抑えることができる。また、ブレード31の寿命をのばすことができる。
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)・・・式(2)
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、球形トナーは、ブレード31をすり抜けやすいが、しかしながら、本実施形態のクリーニング装置30によればクリーニング不良が抑制され、地汚れを防ぐことができるので、帯電ローラ41の汚れによる異常画像を抑えることができる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
本実施形態で使用するトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、例えば以下の方法により測定することができる。すなわち、トナーを平滑な測定面上に均一に分散付着させ、該トナーの粒子100個について、カラーレーザー顕微鏡「VK−8500」(キーエンス社製)により500倍に拡大して、該100個のトナー粒子の長軸r1(μm)、短軸r2(μm)、厚さr3(μm)を測定し、それらの算術平均値から求めることができる。
本実施形態に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEGVP2036、コピーチャージNXVP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
(トナーの製造方法)
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
以上、本実施形態におけるクリーニング装置30は、表面移動部材である感光体10の表面移動方向に対して直交する方向(感光体回転軸方向)に長尺な押し付け部材としてのブレード31におけるその長尺方向に延びる一辺(当接辺)を感光体10の表面に押しつけて感光体表面上の付着物を除去するクリーニング装置である。このクリーニング装置30は、感光体10の表面上における当接辺が当接する当接部分Pの法線Nよりも感光体表面移動方向下流側で装置本体である枠体33に支持され、ブレード31が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときにブレード全体が感光体10の表面から離れる向きへ変位し得るようにブレード31を保持する保持機構32,34,38と、ブレード31が感光体10の表面から離れる向きとは逆向きの弾性力をブレード31に与える弾性力付与手段としての圧縮バネ39を有する。これにより、上述したように、高い除去性能を得るために高い当接圧に設定しても、ブレード捲れの発生頻度や感光体10の駆動に過大な負荷を与える頻度を低減できる。
特に、本実施形態では、上記弾性力付与手段としてバネにより発生する弾性力を付与するものを用いていることから、簡易な構成を実現できる。
また、本実施形態では、図7に示したように、感光体10の表面上の当接部分Pにおける法線Nに対して感光体表面移動方向上流側に傾斜した仮想軸に相当する回転軸32Cの周りで、ブレード31の当接辺が揺動自在となる構成となっている。これにより、感光体回転軸方向に対してブレード31の当接辺が傾いた場合でも、その傾きを自動的に調整することができる。
この場合、圧縮バネ39が付与する弾性力が、感光体10の表面に対してブレード31を感光体表面移動方向上流側へ押し付ける向きの成分を有しており、圧縮バネ39によりブレード31の長尺方向の互いに異なる複数箇所に弾性力をそれぞれ付与する構成とすれば、ブレードの姿勢を安定して保つことができる。
また、本実施形態では、圧縮バネ39が付与する弾性力は、感光体10の駆動開始時にブレード31が感光体10から感光体表面移動方向下流側に向かう力を受けることで当該弾性力に抗してブレード全体が感光体10の表面から離れる向きへ変位できる強さに設定されている。これにより、ブレード31と感光体10の表面との間の当接圧が過度に高まりやすい感光体10の駆動開始時において当接圧を逃がすことができ、当接圧が過度に高まるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、圧縮バネ39の弾性力は、ブレード31が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときのブレード31の最大変位量が5[mm]以下となるように設定されている。これにより、ブレード31の当接角θが予定範囲を超えて大きくなるのを抑制できる。その結果、定常的な当接圧が増大する事態を防ぎ、感光体10の表面を強く摩耗したり、感光体10の定常的な駆動負荷が増大したりするのを抑制できる。
また、本実施形態では、ブレード31により加えられる感光体10の表面上における当接部分Pの法線方向の押しつけ力を高める付勢手段としてのスプリング36を有する。これにより、十分に高い当接圧を容易に実現できる。
また、本実施形態において、上述したように、ブレード31が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときのブレード31の変位量の上限を規制する変位規制手段を設けてもよい。この場合、予期しない突発的な摩擦力の上昇が発生しても、ブレード31の当接辺は当初の当接部分Pに戻ることができるようになる。
また、本実施形態において、ブレード31は、23[℃]における反発弾性が30%以下である弾性部材である。これにより、上述したようにブレード31の摩耗が抑制される。
また、本実施形態において、ブレード31は、上記当接辺を境に隣接する2つの面31a,31bのうち、感光体表面移動方向上流側に位置する上流側面31aの方が感光体表面移動方向下流側に位置する下流側面31bよりも、当接辺に対して直交する方向の長さが長いものである。また、上流側面31aが当接辺に対して直交する方向に伸びる向きにブレード31が反るのを規制する反り規制部材であるブレードホルダ32の水平部32Aを、ブレード31における上流側面31aの対向面に固着している。このような構成を採用すれば、上述したように、従来のカウンタ方式のクリーニング装置の場合と同程度の当接圧を維持しつつも当接幅を短くできるので、高い当接圧を実現できるなどの効果が得られる。
特に、本実施形態では、ブレードホルダ32の水平部32Aは、感光体10の表面に近接する側の端部が、ブレード31の上記対向面(固着面)における上記下流側面31bとの境界辺と同じ位置まで延びるように構成されている。これにより、ブレード31の自由長部分が無くなるので、ブレード31の反りを有効に規制できる。
また、本実施形態において、感光体10の表面に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を設けても良い。
なお、上述した実施形態においては、感光体用のクリーニング装置30を例に挙げて説明したが、本発明は、本実施形態のプリンタ100だけでなく、あらゆる画像形成装置における表面移動部材用のクリーニング装置として利用可能である。したがって、例えば、一つの感光体と複数(例えば4色)の現像装置とを有し、各現像装置を順次回転させることで各色のトナー像を感光体に作像し、そのトナー像を最終的に転写紙へ転写して画像形成を行う画像形成装置にも適用できるし、モノクロ用の画像形成装置にも適用できる。また、プリンタに限らず、複写機、ファクシミリあるいは複数の機能を有する複合機などのクリーニング装置として利用可能である。なお、画像形成装置は、電子写真方式でもインクジェット方式でも他の方式でも、要は、表面に付着した付着物を除去することが必要となる表面移動部材を備えた画像形成装置であれば、その表面移動部材用のクリーニング装置として適用可能である。また、除去する付着物が、トナー、紙紛、金属粉等のあらゆる粉体のほか、現像液などの液体であっても、本発明は同様に適用できる。
また、本発明は、感光体用のクリーニング装置だけでなく、感光体以外の表面移動部材、例えば中間転写ベルト162の表面に付着した転写残トナー等の付着物を除去するためのクリーニング装置にも適用できる。また、感光体や中間転写ベルトのような像担持体に限らず、表面に記録材を担持してこれを搬送する記録材搬送部材の表面に付着したトナーや紙粉などの付着物を除去するためのクリーニング装置にも適用できる。そのほか、本発明は、表面に付着した付着物を除去することが必要となるあらゆる表面移動部材用のクリーニング装置に適用できる。もちろん、その表面移動部材は、ドラム状のものであってもベルト状のものであってもよく、表面が移動する部材であればどのようなものであってもよい。ただし、ベルト状の表面移動部材用のクリーニング装置の場合、そのベルトを支持する支持ローラとブレードとの間にベルトを挟み込むようにクリーニング装置を配置するのが一般的であるが、ベルト内周面側に平板部材等のバックアップ部材を配置し、そのバックアップ部材とブレードとの間にベルトを挟み込むようにクリーニング装置を配置するようにしてもよい。また、本実施形態のようにクリーニング対象が感光体10の場合、その感光体は、有機感光体でも、非晶質シリコン系感光体でも、有機感光体表面に架橋構造を有するバインダー樹脂からなる保護層が設けられた感光体でもよく、あらゆる感光体に対するクリーニング装置として本発明は適用可能である。クリーニング対象が中間転写ベルト162の場合、その中間転写ベルトは、耐熱性・伸縮性を考慮したポリイミド系の中間転写ベルトでも、ポリエチレン系材料を用いた中間転写ベルトでも、フッ素系・ゴム系の中間転写ベルトでも、よく、あらゆる中間転写ベルトに対するクリーニング装置として本発明は適用可能である。
なお、ここで説明した様々な応用例においては、上記実施形態で説明した感光体用のクリーニング装置30の構成をほとんどそのまま利用でき又はその応用例に応じて適宜修正したものを利用できる。
実施形態に係るプリンタのクリーニング装置の主要部を感光体回転軸方向から見たときの説明図。 同プリンタを示す概略構成図。 同プリンタに設けられるプロセスカートリッジを示す概略構成図。 同クリーニング装置の主要部を示す斜視図。 同クリーニング装置に設けられるブレードの押しつけ力の測定装置を示す説明図。 同クリーニング装置に設けられるブレードの他の例を示す説明図。 同クリーニング装置の変形例を示す説明図。 同プリンタに使用する感光体の一例を示す断面図。 同プリンタに使用する帯電装置を感光体回転軸方向に対して直交する方向から見たときの説明図。 (a)は従来のトレーリング方式のクリーニング装置を示す説明図。(b)は従来のカウンタ方式のクリーニング装置を示す説明図。
符号の説明
10Y,10C,10M,10Bk 感光体
30 クリーニング装置
31 クリーニングブレード
31a 上流側面
31b 下流側面
32 ブレードホルダ
32A 水平部
32B 鉛直部
32C 回転軸
33 枠体
34 支軸
36 スプリング
37 調整ネジ
38 ブレードブラケット
38A 長孔
39 圧縮バネ
40 帯電装置
120 画像形成部
121Y,121C,121M,121Bk プロセスカートリッジ
130 給紙部
140 露光装置
160 二次転写装置
162 中間転写ベルト
165 二次転写ローラ
200 測定装置
201 ロードセル
202 セル台
203 治具
204 センサ用コンディショナ
231 クリーニングブレード
232 ブレードホルダ

Claims (26)

  1. 表面移動部材の表面移動方向に対して直交する方向に長尺な押し付け部材におけるその長尺方向に延びる一辺を該表面移動部材の表面に押しつけて、該表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、
    上記表面移動部材の表面上における上記一辺が当接する当接部分の法線よりも該表面移動部材の表面移動方向下流側で装置本体に支持され、該押し付け部材が該表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときに該押し付け部材全体が該表面移動部材の表面から離れる向きへ変位し得るように該押し付け部材を保持する保持機構と、
    該押し付け部材が該表面移動部材の表面から離れる該向きとは逆向きの弾性力を該押し付け部材に与える弾性力付与手段を有することを特徴とするクリーニング装置。
  2. 請求項1のクリーニング装置において、
    上記弾性力付与手段は、バネにより発生する弾性力を付与するものであることを特徴とするクリーニング装置。
  3. 請求項1又は2のクリーニング装置において、
    上記表面移動部材の表面上の上記当接部分における法線に対して該表面移動部材の表面移動方向上流側に傾斜した仮想軸周りで、上記押し付け部材の上記一辺が揺動自在となる構成を有することを特徴とするクリーニング装置。
  4. 請求項3のクリーニング装置において、
    上記弾性力付与手段が付与する弾性力は、上記表面移動部材の表面に対して上記押し付け部材を該表面移動部材の表面移動方向上流側へ押し付ける向きの成分を有しており、
    該弾性力付与手段は、該押し付け部材の長尺方向の互いに異なる複数箇所に該弾性力をそれぞれ付与するものであることを特徴とするクリーニング装置。
  5. 請求項1、2、3又は4のクリーニング装置において、
    上記弾性力付与手段が付与する弾性力は、上記表面移動部材の表面移動開始時に上記押し付け部材が該表面移動部材から該表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を受けることで該弾性力に抗して該押し付け部材全体が該表面移動部材の表面から離れる向きへ変位できる強さに設定されていることを特徴とするクリーニング装置。
  6. 請求項1、2、3、4又は5のクリーニング装置において、
    上記弾性力付与手段の弾性力は、上記押し付け部材が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときの該押し付け部材の最大変位量が5[mm]以下となるように設定されていることを特徴とするクリーニング装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6のクリーニング装置において、
    上記押し付け部材により加えられる上記表面移動部材の表面上における上記当接部分の法線方向の押しつけ力を高める付勢手段を有することを特徴とするクリーニング装置。
  8. 請求項7のクリーニング装置において、
    上記押し付け部材が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときの該押し付け部材の変位量の上限を規制する変位規制手段を有することを特徴とするクリーニング装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のクリーニング装置において、
    上記押し付け部材は、23[℃]における反発弾性が30%以下である弾性部材であることを特徴とするクリーニング装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9のクリーニング装置において、
    上記押し付け部材は、上記一辺を境に隣接する2つの面のうち、上記表面移動部材の表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が、該表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも、該一辺に対して直交する方向の長さが長い弾性部材であり、
    該一辺に対して直交する方向に該上流側面が伸びて該上流側面の対向面が縮むような該押し付け部材の反りを規制する反り規制部材を、該押し付け部材における上流側面の対向面に固着し、
    上記保持機構は、該反り規制部材を介して該押し付け部材を保持することを特徴とするクリーニング装置。
  11. 請求項10のクリーニング装置において、
    上記反り規制部材は、上記表面移動部材の表面に近接する側の端部が、上記押し付け部材の上記対向面における上記下流側面との境界辺と同じ位置か、該境界辺よりも上記表面移動部材の表面に近い位置まで延びるように、構成されていることを特徴とするクリーニング装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のクリーニング装置において、
    上記表面移動部材の表面に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を有することを特徴とするクリーニング装置。
  13. 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、
    上記像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13の画像形成装置において、
    上記像担持体と上記クリーニング装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項13又は14の画像形成装置において、
    上記像担持体は無機微粒子を含有した保護層を有するものであることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項15の画像形成装置おいて、
    上記保護層のバインダー樹脂が架橋構造を有することを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項16の画像形成装置において、
    上記バインダー樹脂の構造中に電荷輸送部位を有することを特徴とする画像形成装置。
  18. 表面移動部材である記録材搬送部材の表面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    上記記録材搬送部材上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項18の画像形成装置において、
    上記記録材搬送部材と上記クリーニング装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、
    上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項13、14、15、16、17、18、19又は20の画像形成装置において、
    上記画像を構成するトナーとして、体積平均粒径が3[μm]以上8[μm]以下であり、かつ、個数平均粒経に対する体積平均粒経の比率が1.00以上1.40以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項13、14、15、16、17、18、19、20又は21の画像形成装置において、
    上記画像を構成するトナーとして、形状係数SF−1及びSF−2が100以上180以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  23. 請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22の画像形成装置において、
    上記画像を構成するトナーとして、長軸r1に対する短軸r2の比率(r2/r1)が0.5以上1.0以下であり、短軸r2に対する厚さr3の比率(r3/r2)が0.7以上1.0以下であり、r1≧r2≧r3の関係を満たすトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  24. 請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23の画像形成装置において、
    上記画像を構成するトナーとして、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤及び離型材を含むトナー組成物を有機溶媒に溶解及び/又は分散させて有機溶媒組成物を作成し、樹脂微粒子が存在する水系媒体に該有機溶媒組成物を分散させ、架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  25. 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、
    上記クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  26. 表面移動部材である記録材搬送部材の表面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該記録材搬送部材と該記録材搬送部材上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、
    上記クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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