JP2008064908A - 画像形成組成物およびそれを用いた感光性平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】 半導体レーザーのような赤外線領域に対して高感度で、現像ラチチュードの広く、耐キズ性、ハイライト再現性、保存性が高い、ポジ型の画像形成組成物を有するポジ型感光性平版印刷版を提供する。
【解決手段】 (A)一般式(I)に示すアルカリ不溶性高分子化合物と、(B)光酸発生剤と、(C)赤外線吸収剤と、(D)酸の作用によりフェノール性水酸基を有する樹脂ポリマー[Polym−OH]および分解シラノール化合物を生成する一般式(II)に示す酸分解性高分子化合物と、(E)アルカリ可溶性樹脂とを含有する画像形成組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、画像形成組成物およびこれを利用した感光性平版印刷版に関する。特にコンピューター等のデジタル信号から直接製版可能であるダイレクト製版用のポジ型平版印刷版用画像形成組成物に関する。
赤外線レーザー用ポジ型平版印刷版は、ノボラック樹脂などのアルカリ可溶性樹脂と赤外光を吸収し熱を発生する光熱変換物質を主な感光層成分とし、赤外線照射により発生した熱によってノボラック樹脂の構造を変化させ、現像液に対する溶解性を増大させ画像形成するダイレクト製版方法(サーマルポジ型)等が開発されている。
このような赤外線レーザー用ポジ型平版印刷版の画像形成能は、感光層表面の赤外線レーザー露光による発熱に依存しているため、支持体近傍では、支持体へ熱が拡散するにつれ、画像形成、即ち感光層の可溶化に用いられる熱量が減少し、低感度となる。したがって、非画像部における感光層の現像抑制能消失効果が充分に得られず、画像部と非画像部との差が小さくなってハイライト再現性が不充分であるという問題があった(特許文献1)。
一方、上記のようなノボラック樹脂の構造変化の差による溶解性の差ではなく、化学反応を利用した赤外線感光性組成物も開示されている。例えば、特許文献2に記載されている記録材料は、赤外線吸収剤、酸発生剤、酸により分解する基を有しアルカリ可溶性バインダーからなるものである。この記録材料は、4−ヒドロキシスチレンを骨格にしたアルカリ可溶性バインダーのため、分子量が小さく、その結果記録材料全体のアルカリ溶解性が高くなる。このため、画像部と非画像部の差がほとんどなく現像ラチチュードが狭く、平版印刷版に適応しない記録材料と言える。さらに、4−ヒドロキシスチレン骨格のため熱耐性が悪いアルカリ可溶性バインダーを含有したこの記録材料は、50℃以上のような高温下で数日間保存されると著しい感度低下が起きる。このため、印刷版として運用するにあたって大きな課題があった。
また、特許文献3には、赤外線吸収剤、光酸発生剤、特定高分子化合物、アルカリ可溶性樹脂とを含有する感光性組成物が開示されている。この感光性組成物は、高感度、現像ラチチュードに優れるものの、ハンドリング時やオートローダー使用時の合紙と感光層との擦れによって、現像時に画像剥離問題が解決されておらず、実運用するために更なる改良の余地があった。
特開平10−268512号公報 特開平11−72919号公報 特開2004−212752号公報
本発明は、上記の諸問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、半導体レーザーのような赤外線領域に対して高感度で、現像ラチチュードが広く、耐キズ性、ハイライト再現性、保存性が高い、ポジ型の画像形成組成物を有するポジ型感光性平版印刷版を提供することにある。
本発明の上記目的は、
(A)下記一般式(I)に示すアルカリ不溶性高分子化合物と、
(B)光酸発生剤と、
(C)赤外線吸収剤と、
(D)酸の作用によりフェノール性水酸基を有する樹脂ポリマー[Polym−OH]および分解シラノール化合物を生成する下記一般式(II)に示す酸分解性高分子化合物と、
(E)アルカリ可溶性樹脂とを含有する画像形成組成物、または該画像形成組成物を支持体上に設けてなる感光性平版印刷版によって達成される。
Figure 2008064908
(上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素またはC1〜C12のアルキル基を表す。上記一般式(I)におけるPは、酸の作用によりフェノール性水酸基が解離可能な保護基を意味する。)
Figure 2008064908
(上記一般式(II)中、2つのR3は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、芳香族炭化水素基、または、芳香族複素環基を表す。R4は、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルボキシル基、アミノ基、スルホンアミド基、フルオロ基、クロル基、または、ブロモ基を表す。Xは、メチレン鎖を表す。nは、0〜20の整数である。Aは、−CONH−又は−NH−を表す。mは、0又は1である。)
我々の知見では、本発明にかかる(A)成分であるアルカリ不溶性高分子化合物と(D)成分である酸分解性高分子化合物を含有することにより、優れた特性を有する画像形成組成物が提供されると考えられる。
すなわち、半導体レーザーのような赤外線が画像形成組成物に照射されると、この光を吸収することで赤外線吸収剤は瞬間的に例えば数百度の熱を生じ得る。その発生する熱等により光酸発生剤は、分解し酸を生じ得る。このように生じた酸により、酸分解性高分子化合物はシリル基(−O−Si−)の部分、アルカリ不溶性高分子化合物は保護基(−O−P−)の部分で分解し、酸分解性高分子化合物からは、生成物としてフェノール性水酸基を有するポリマー[Polym−OH]、および、分解シラノール化合物、一方アルカリ不溶性高分子化合物からは、特定フェノール性水酸基を有するポリマー、および、保護基由来の化合物を生成する。
酸分解性高分子化合物とアルカリ不溶性高分子化合物の分解には、さらに熱も寄与している可能性がある。分解により生じるフェノール性水酸基を有するポリマー、分解シラノール化合物、特定フェノール性水酸基を有するポリマーはアルカリ性の現像液等に対する溶解性が高い。
本発明の画像形成組成物は、いわゆる化学増幅型の反応機構をとることにより、本発明の特定酸分解性高分子化合物は、−O−Si−の構造部位を、アルカリ不溶性高分子化合物は、保護基(−O−P−)の構造部位を有するため、酸分解後には速やかにアルカリ性現像液に可溶化する。その為、低いレーザーエネルギーで照射されても、感光膜全体に均一にアルカリ溶解性を促進させることができ、感光層の大幅な高感度化を実現できる。
一方で、未露光部は、感光層を支持体に乾燥塗布時に、アルカリ可溶性樹脂と酸分解性高分子化合物が分子間相互作用することにより、高い耐キズ性を示しアルカリ現像液にも侵され難い。
また、本発明のアルカリ不溶性高分子化合物を添加すると、明確な論理は分からないが特定アルカリ不溶性高分子同士が感光膜表面層に局在化され、この高分子化合物の持つ高い疎水性とアルカリ耐性を備える感光膜層になると考えられる。そのため、FMスクリーニングで使用されるような小点でも、感光層自体が、高い疎水性とアルカリ耐性を持つために現像再現性に優れると思われる。
更に、この特定アルカリ不溶性高分子化合物は樹脂の持つ耐熱性と、アルカリ可溶性樹脂と酸分解性高分子化合物が分子間相互作用するため、高湿度や長期の高温保存でも変化しないと考えられる。
本発明によれば、半導体レーザーのような赤外線領域に対して高感度で、現像ラチチュードが広く、耐キズ性、ハイライト再現性、保存性が高い、現像後検版性が良いポジ型の画像形成組成物を有するポジ型感光性平版印刷版を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明にかかる画像形成組成物および感光性平版印刷版は、
(A)上記一般式(I)に示すアルカリ不溶性高分子化合物と、
(B)光酸発生剤と、
(C)赤外線吸収剤と、
(D)上記一般式(II)に示す酸分解性高分子化合物と、
(E)アルカリ可溶性樹脂とを含有する。
本発明の画像形成組成物の各成分については以下に詳しく説明する。
本発明に用いられる(A)成分であるアルカリ不溶性高分子化合物は、例えばフェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素と、N−メチロールアクリルアミドを酸触媒下で縮合反応させて得られる高分子化合物を保護基で保護されることによって容易に合成することができる。また、市販品を用いることもできる。特に限定されるものではないが、下記式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素又はC1〜C12のアルキル基であり、好ましくは、C1〜C4のアルキル基である。具体的には、R1およびR2として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。なお、アルカリ不溶性高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは1000以上であり、更に好ましくは1500〜10万の範囲である。
Figure 2008064908
(上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素またはC1〜C12のアルキル基を表す。Pは、上記一般式(I)におけるフェノール性水酸基が酸の作用にて解離可能な保護基を意味する。)
保護基Pとして好ましいものは、ビニルフェノール基礎と応用(丸善石油化学(株)研究所編)に記載されている一般的な保護基を使用出来る。例えばtert−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、メチル基、エチル基、ブチル基、アセチル基等が挙げられる。
これら保護基Pの導入方法としては、例えば、前駆体であるN−置換アクリルアミド単位を有する重合体を溶媒に溶解し、これに保護基Pに対応する化合物、例えばジ炭酸ジ−tert−ブチル、3、4−ジヒドロ−2H−ピラン、エチルビニルエーテル、無水酢酸等を添加し、室温〜150℃で、30分〜20時間反応させて、水洗、乾燥を経て得ることができる。また、N−置換アクリルアミドに保護基に対応する化合物を反応させ、得られた反応物を重合させてもよい。
本発明において、アルカリ不溶性高分子化合物の添加量は、画像形成組成物の全固形分に対して好ましくは0.1〜20重量%、より好ましい下限は、0.2重量%、より好ましい上限は、10重量%である。添加量が0.1重量%未満の場合は、アルカリ耐性が悪くなりやすく、20重量%を超えるとアルカリ現像性が低下しやすい。
本発明で用いる(B)成分である光酸発生剤は、本発明の組成物が近赤外または赤外光で照射される場合に、酸を発生し得る化合物であり、光酸発生剤として用いられる各種の公知化合物およびそれらの混合物が利用できる。例えば、光酸発生剤として、ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム、およびヨードニウムのBF4 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -塩などが好ましい。
また、その他の光酸発生剤として、有機ハロゲン化合物を使用することができる。有機ハロゲン化合物は、近赤外および赤外線露光による画像形成における感度および画像形成組成物の保存性の面で好ましい。該有機ハロゲン化合物として、ハロゲン置換アルキル基を有するトリアジン類およびハロゲン置換アルキル基を有するオキサジアゾール類が好ましく、ハロゲン置換アルキル基を有するs−トリアジン類が特に好ましい。具体的には、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
本発明において、光酸発生剤の添加量は、画像形成組成物の全固形分に対して好ましくは0.1〜20重量%、より好ましい下限は、0.2重量%、より好ましい上限は、10重量%である。添加量が0.1重量%未満の場合は、感度が悪くなりやすく、20重量%を超えると画像形成組成物を溶解する溶剤に溶けづらくなりやすい。
本発明において、(C)成分である赤外線吸収剤は、近赤外または赤外線(好ましくは波長700nm以上2500nm以下、さらに好ましくは波長700nm以上1300nm以下の光)の照射により熱を発生する光熱変換機能を有する物質である。赤外吸収剤は、その発生する熱により、光酸発生剤を速やかに分解し、酸を発生し易くするために用いる。本発明に用いられる赤外線吸収剤として、波長700nm以上に吸収を持つ赤外吸収色素、カーボンブラック、磁性粉等を使用することができる。特に好ましい赤外線吸収剤は、波長700nm〜850nmに吸収ピークを有し、ピークでモル吸光係数εが105以上である赤外吸収色素である。
上記赤外吸収色素として、シアニン系色素、スクアリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、アントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、分子間CT色素等が好ましい。
これらの色素は、公知の方法によって合成することができる。また、以下のような市販品を用いることもできる。
日本化薬株式会社:IR750(アントラキノン系),IR002,IR003(アルミニウム系),IR820(ポリメチン系),IRG022,IRG033(ジインモニウム系),CY−2,CY−4,CY−9,CY−10,CY−20
その他、ハネウェル社、アクゾノーブル社、株式会社日本感光色素、住友化学工業株式会社、昭和電工等の各社からも、上記色素は市販されている。以下、本発明に好ましく用いられる赤外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2008064908
本発明において、赤外線吸収剤の添加量は、画像形成組成物の全固形分に対し好ましくは0.5〜10重量%、より好ましい下限は、0.6重量%、より好ましい上限は、7重量%である。添加量が0.5重量%未満の場合は、感度が遅くなりやすく、7重量%を超えると、露光部の現像性が低下しやすい。
本発明に用いられる(D)成分である酸分解性高分子化合物は、例えばフェノール性水酸基を有する樹脂ポリマー[Polym−OH]と、特定シランカップリング剤とを付加反応させて合成することができる。この反応は、以下の条件で行うと好ましい。すなわち、溶媒として、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等が好ましい。溶媒の量は、樹脂ポリマー1gあたり、10〜200gが好ましい。また、特定シランカップリング剤の量は、樹脂ポリマーが有する水酸基1モルあたり、0.5〜100モルが好ましい。また、反応温度は、50〜150℃が好ましい。このようにして得られる酸分解性高分子化合物は、例えば、溶媒を分留することで、精製することができる。なお、酸分解性高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは、1000以上であり、さらに好ましくは、1500〜30万の範囲である。
上記特定シランカップリング剤としては、各種の公知の合成方法によって合成できる。また、市販品も用いることができる。例えば、東レ・ダウコーニング社、東京化成社、信越化学工業社より購入可能なフェネチルトリメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、(p−メチルフェネチル)メチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、ジ(p−トリル)ジメトキシシランジフェニルメチルエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルメチルジクロロシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルジメチルクロロシラン等が好ましい。
上記フェノール性水酸基を有する樹脂ポリマー[Polym−OH]に関して、各種の公知の合成法によって合成できる。その際、ヒドロキシル基の存在位置は、特に限定されず、主鎖の芳香族環に直接結合していてもよいし、側鎖の一部であってもよい。また、市販品を使用しても良い。なお、樹脂ポリマーの重量平均分子量は、共に、好ましくは、1000以上であり、さらに好ましくは、1500〜30万の範囲である。上記フェノール性水酸基を有する樹脂ポリマーは、具体的には、クレゾールホルムアルデヒド樹脂{例えば、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂とp−クレゾールホルムアルデヒド樹脂の混合、フェノール/クレゾール(クレゾールとしては例えば、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾールとp−クレゾールの混合,またはm−クレゾールとo−クレゾールの混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂など}、レゾール型フェノール樹脂類、ピロガロール・アセトン樹脂、ポリビニルフェノール、ビニルフェノールとスチレンの共重合体、ビニルフェノールとメタクリル酸メチルの共重合体、t−ブチル置換ポリビニルフェノール樹脂、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミドとの共重合体、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドとの共重合体、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドとの共重合体等が好ましい。
上記樹脂ポリマーへの、特定なシランカップリング剤の導入率は、5〜100%が好ましい。導入率が5%未満では、露光部と未露光部との現像液に対する溶解性の差(コントラスト)が悪くなる場合がある。なお、導入率とは、樹脂ポリマーの有する水酸基のうち、特定シランカップリング剤が結合したものの占める割合を言う。以下、本発明に好ましく用いられる酸分解性高分子化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2008064908
Figure 2008064908
Figure 2008064908
Figure 2008064908
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本発明で使用される酸分解性高分子化合物は、1種または2種以上混合して用いてもよい。これら酸分解性高分子化合物の添加量は、画像形成組成物の全固形分に対して好ましくは1〜60重量%、より好ましい下限は、1.5重量%、より好ましい上限は、60重量%である。添加量が1重量%未満の場合は、露光部と未露光部との現像液に対する溶解性の差(コントラスト)が悪くなる場合があり、60重量%を超えると感度が悪くなる場合がある。
本発明において、(E)成分であるアルカリ可溶性樹脂は、樹脂合成時の残留モノマーが10重量%以下で、軟化点が120℃〜190℃の高分子アルカリ可溶性ノボラック樹脂が特に好ましい。残留モノマーを10重量%以下に減らすことによってプレートクリーナー等に含有されている溶剤に侵され難くなり、更に軟化点が120℃〜190℃の範囲にある高耐熱性ノボラック樹脂を採用することによって、本発明の画像形成組成物(D)成分である酸分解性高分子化合物と感光層塗布時に容易に分子間相互作用し、アルカリ現像液耐性が向上し現像ラチチュードが広がるものと推測される。残留モノマーの好ましい下限は、0重量%である。軟化点が190℃を超えると、画像形成組成物を溶解する溶剤に溶けづらくなる。上記軟化点は、一般に溶液粘度試験方法(細管粘度計法)により測定し得られる値である。
上記高分子アルカリ可溶性ノボラック樹脂として、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ノボラック樹脂、クレゾール・トリオキサン樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮合体樹脂(特開昭55‐57841号公報参照)、p−置換フェノールとフェノール、またはクレゾールとホルムアルデヒドの共重縮合体樹脂(特開昭55−127553号公報参照)等が好ましい。
これらのアルカリ可溶性樹脂は、公知の方法によって合成することができる。また、以下のような市販品を用いることもできる。
CKM−2400(モノマー含有率1%以下、軟化点150℃)(昭和高分子社製)、CKM−2432(モノマー含有率0%、軟化点130℃)(昭和高分子社製)、BRM−565(モノマー含有率5%以下、軟化点130℃)(昭和高分子社製)、CRM−957A(モノマー含有率7%以下、軟化点140℃)(昭和高分子社製)、REZ−958(モノマー含有率1%以下、軟化点160℃)(昭和高分子社製)、RT−95(モノマー含有率5%以下、軟化点170℃)(岐阜セラック社製)、その他、群栄化学工業社製、住友ベークライト社製、日立化成株式会社製等の各社からも販売されている。
本発明に用いられる高分子アルカリ可溶性ノボラック樹脂は、単独でも2種以上混合して用いてもよい。添加量は、画像形成組成物の全固形分に対して好ましくは20〜99重量%、さらに好ましくは25〜98重量%である。添加量が20重量%未満の場合は、画像形成が悪くなる場合があり、99重量%を超えると耐薬品性が悪くなる場合がある。
また、本発明に用いられる感光層において、上記以外のノボラック樹脂を含有しても良い。添加量は、画像形成組成物の全固形分に対して好ましくは0〜20重量%、より好ましい上限は、10重量%である。添加量が20重量%を超えると、耐刷性、耐薬品性が悪くなりやすい。
また、本発明に用いられる感光層において、ノボラック樹脂と下記アルカリ可溶性アクリル系共重合体を混合すると現像ラチチュードの面でさらに好ましい。該アクリル系共重合体の添加量は、ノボラック樹脂に対して好ましくは5〜40重量%、より好ましい下限は、6重量%、より好ましい上限は、35重量%である。添加量が5重量%未満の場合は、耐薬品性、耐刷性が悪くなる場合があり、50重量%を超えると、画像形成性が悪くなる場合がある。
このようなアルカリ可溶性アクリル系共重合体樹脂として、下記(1)〜(10)から選ばれるモノマーの共重合体であって、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性アクリル系共重合体が好ましい。
(1)フェノール性水酸基を有するモノマー。例えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、p−イソプロペニルフェノール、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレートである。
(2)スルホンアミド基を有するモノマー。例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミドである。
(3)活性イミド基を有するモノマー。例えばN−(4−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(4−トルエンスルホニル)アクリルアミドである。
(4)脂肪族水酸基を有するモノマー。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートである。
(5)α,β−不飽和カルボン酸。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
(6)アリル基を有するモノマー。例えば、アリルメタクリレート、N−アリルメタクリルアミドである。
(7)アルキルアクリレート類またはアルキルメタクリレート類。例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、グリシジルメタクリレートである。
(8)アクリルアミド類またはメタクリルアミド類。例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−へキシルアクリルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド類、またはメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−へキシルメタクリルアミド、N−シクロへキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミドである。
(9)スチレン類。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン等である。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ−ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
さらに、上記アクリル系共重合体は、上記モノマーと共重合し得る上記以外のモノマーをさらに共重合させたものであってもよい。また、上記アクリル系共重合体は、上記モノマーの共重合によって得られるアクリル系共重合体を、例えばグリシジルメタクリレート等によって修飾したものであってもよい。
本発明の画像形成組成物の着色を目的として、ロイコ系色素と油溶性染料および/または塩基性染料とを混合添加することで感度低下を損なうことなく良好なる画像視認性(画像検版性)を実現することができる。詳細は不明だが、ロイコ系色素または油溶性染料および/または塩基性染料などを単独で視認性良好な必要量を添加すると、高い溶解抑止効果が生じ、そのため著しい感度低下、保存性の低下が起きる。更に、ロイコ色素を単独で充分な画像視認性を再現するために必要量分だけ添加した場合には、化合物の構造式から推測されるように過剰の有機酸を添加した状況と同じようになると考えられ、耐薬品性やアルカリ耐性が大幅に減少する。そのため、極少量の添加量にとどまり目的とする着色効果、画像視認性効果が少ない。しかしながら、本発明における画像形成組成物にロイコ系色素と油溶性染料および/または塩基性染料とを添加した場合には、高い溶解抑止効果を示すものの、(D)成分である酸分解性高分子化合物の分解時に、アルカリ溶解性が高い分解シラノール化合物が発生するために、現像時には感度低下することなく、高感度で充分な画像視認性(画像検版性)を有することができる。
本発明に用いられるロイコ系色素として、例えば3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,6,6’−トリス(ジメチル−アミノ)スピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチル−インドール−3−イル)フタリド等が好ましい。
これらのロイコ系色素の添加量は、画像形成組成物の全固形分中に占める割合は、0.05〜20重量%が好ましい。より好ましい下限は、0.1重量%、より好ましい上限は、15重量%、さらに好ましい上限は、10重量%である。
本発明に用いられる油溶性染料および/または塩基性染料として、例えば、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー、エチルバイオレット、ローダミンB、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工業社製)、オイルブルー613(オリエント化学工業社製)、オイルグリーン等が挙げられる。
これらの染料の添加量は、画像形成組成物の全固形分に対して好ましくは0.05〜5.0重量%であり、より好ましい下限は、0.1重量%、より好ましい上限は、4.0重量%である。0.1重量%未満であると、画像形成層の着色が不充分で画像が見づらくなる場合があり、5.0重量%を超えると、現像後の非画像部に染料が残りやすくなるので好ましくない。
さらに、本発明の画像形成組成物より形成された感光層には、感光層の感脂性を向上するために親油性の樹脂を添加することができる。
上記親油性の樹脂として、例えば、特開昭50−125806号公報に記載されているような、炭素数3〜15のアルキル基で置換されたフェノール類とアルデヒドの縮合物、またはt−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが使用可能である。
本発明の画像形成組成物には、さらに必要に応じて、感度を向上させる目的で、環状酸無水物、フェノール類、有機酸類を併用することもできる。環状酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。
フェノール類として、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3’’,4’’−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等が好ましい。
また、有機酸類として、特開昭60−88942号公報、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボン酸類などが好ましく、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の環状酸無水物、フェノール類、有機酸類が画像形成組成物の全固形分中に占める割合は、0.05〜20重量%が好ましく、より好ましい下限は、0.1重量%、より好ましい上限は、15重量%、さらに好ましい上限は、10重量%である。
また本発明における画像形成組成物には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。非イオン界面活性剤の好適例として、ソルビタントリステアレ−ト、ソルビタンモノパルミテ−ト、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性界面活性剤の好適例として、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業社製)等が挙げられる。上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤が、画像形成材料の全固形分中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましい下限は、0.1重量%である。
本発明に係る感光性平版印刷版は、上記画像形成組成物の各成分を適当な溶媒に溶解させ、支持体上に塗布し乾燥することにより製造することができる。このときの、画像形成材料の濃度は、好ましくは、1〜50重量%、より好ましい下限は、5重量%、より好ましい上限は、30重量%である。
上記溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、メチレンクロライド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン等が好ましい。これら溶媒は、単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
上記画像形成組成物を含む溶媒の支持体への塗布は、従来公知の方法、例えば回転塗布、押し出し塗布、ワイヤーバー塗布、ロール塗布、エアーナイフ塗布、ディップ塗布およびカーテン塗布等で行うことができる。塗布する量は、用途により異なるが、固形分として0.5〜5.0g/m2が好ましい。
乾燥温度としては、好ましくは30〜180℃、より好ましくは50〜150℃が採用される。乾燥処理は、好ましくは10秒〜2時間行うことが好ましい。また、このように感光層が塗布され、乾燥させて得られた平版印刷版をエージングさせることが好ましい。エージングは、さらに30〜100℃の温度条件下で1〜168時間、好ましくは3〜96時間保持することで行うことができる。エージング効果としては、本発明の特定酸分解性高分子化合物とアルカリ可溶性樹脂との間に、より強固な結合が生じ、強靭な感光層が形成され、その結果、耐キズ性、現像ラチチュードの向上につながる。
上記支持体として、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、もしくは鋼等の金属板や、クロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、もしくは鉄等がメッキもしくは蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム、もしくはガラス板や、樹脂が塗布された紙や、親水化処理されたプラスチックフィルムが挙げられる。
本発明を感光性平版印刷版に適用するとき、上記支持体として、ブラシまたはボール研磨したアルミニウム板、ブラシ研磨した後、陽極酸化処理を施したアルミニウム板、電解研磨した後、陽極酸化を施したアルミニウム板、または、これらを組み合わせた処理を施したアルミニウム板が特に好ましい。
このように前処理を施したアルミニウム板に、さらに、例えば、ケイ酸アルカリ、リン酸ソーダ、弗化ナトリウム、弗化ジルコニウム、アルキルチタネート、もしくはトリヒドロキシ安息香酸等の単独もしくは混合液による化成処理や、熱水溶液への浸漬もしくは水蒸気浴などによる封孔処理や、酢酸ストロンチウム、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、もしくは安息香酸カルシウム等の水溶液による被覆処理や、ポリビニルピロリドン、ポリアミンスルホン酸、ポリビニルフォスフォン酸、ポリアクリル酸、もしくはポリメタクリル酸等による表面もしくは裏面被覆処理を後処理として行うこともできる。
さらに、上記支持体として、特開平10−297130号公報に記載の表面処理を施したアルミニウム支持体等も使用することができる。
本発明の画像形成組成物に、活性光線を照射するためのレーザー光源として、近赤外から赤外線領域に発振波長を有する固体または半導体レーザー光が好ましい。
本発明の画像形成組成物の現像に用いる現像液として、水系アルカリ現像液が好適である。水系アルカリ現像液として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の水溶液が挙げられる。
上記のアルカリ水溶液には、さらに界面活性剤を添加することができる。上記界面活性剤として、陰イオン界面活性剤あるいは両性界面活性剤を使用することができる。
上記イオン界面活性剤として、例えば炭素数が8から22のアルコールの硫酸エステル類(例えばポリオキシエチレンアルキルサルフェートソーダ塩)、アルキルアリールスルホン酸塩類(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンドデシルフェニルサルフェートソーダ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホンソーダ、ナフタレンスルホンソーダのホルマリン縮合物)、ソジウムジアルキルスルホクシネート、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルリン酸エステルなどを用いることができる。また、両性界面活性剤として、例えばアルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型活性剤が好ましい。さらに上記のアルカリ水溶液中には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシウム等の水溶性亜硫酸塩を添加することもできる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に示すが、本実施例は本発明を限定するものでない。
[酸分解性高分子化合物PS−1の合成]
フェノール性水酸基を含有する樹脂ポリマーとして、マルカリンカーCST70(ビニルフェノール:スチレン=7:3)(丸善石油化学社製)(0.26g)およびシランカップリング剤としてフェネチルトリメトキシシラン(0.34g:理論導入率100%)をヘキサン(10ml)中に混合させ、70℃で1時間加熱攪拌を行った後、ヘキサンを分留して、酸分解性高分子化合物PS−1を得た。なお、IRスペクトルにより−Si−O−に起因するピークが新たに出現した。ここから、所望の反応が行われたことが確認された。また、本明細書において、理論導入率100%とは、シランカップリング剤の量が、ポリマーの有する水酸基に対して化学量論的に当量であることをいう。
[酸分解性高分子化合物PS−2の合成]
フェノール性水酸基を含有する樹脂ポリマーとして、マルカリンカーCST70(ビニルフェノール:スチレン=7:3)(丸善石油化学社製)(0.26g)およびシランカップリング剤としてフェニルジメチルエトキシシラン(0.27g:理論導入率100%)をヘキサン(10ml)中に混合させ、100℃で1時間加熱攪拌を行った後、ヘキサンを分留して、酸分解性高分子化合物PS−2を得た。なお、IRスペクトルにより−Si−O−に起因するピークが新たに出現した。ここから、所望の反応が行われたことが確認された。
[酸分解性高分子化合物PS−3の合成]
フェノール性水酸基を含有する樹脂ポリマーとして、マルカリンカーCST70(ビニルフェノール:スチレン=7:3)(丸善石油化学社製)(0.26g)およびシランカップリング剤としてN−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(0.39g:理論導入率100%)をヘキサン(10ml)中に混合させ、70℃で1時間加熱攪拌を行った後、ヘキサンを分留して、酸分解性高分子化合物PS−3を得た。なお、IRスペクトルにより−Si−O−に起因するピークが新たに出現した。ここから、所望の反応が行われたことが確認された。
[酸分解性高分子化合物PS−4の合成]
フェノール性水酸基を含有する樹脂ポリマーとして、マルカリンカーCST70(ビニルフェノール:スチレン=7:3)(丸善石油化学社製)(0.26g)およびシランカップリング剤としてp−アミノフェニルトリメトキシシラン(0.32g:理論導入率100%)をヘキサン(10ml)中に混合させ、70℃で1時間加熱攪拌を行った後、ヘキサンを分留して、酸分解性高分子化合物PS−4を得た。なお、IRスペクトルにより−Si−O−に起因するピークが新たに出現した。ここから、所望の反応が行われたことが確認された。
[比較用酸分解性高分子化合物(1)の合成]
フェノール性水酸基を含有する樹脂ポリマーとして、マルカリンカーCST70(ビニルフェノール:スチレン=7:3)(丸善石油化学社製)(0.215g)およびシランカップリング剤として2−ニトロベンジル−6−(トリメトキシシリル)へキシルエーテル(0.45g:理論導入率100%)をヘキサン(10ml)中に混合させ、70℃で1時間加熱攪拌を行った後、ヘキサンを分留して、比較用酸分解性高分子化合物(1)を得た。なお、IRスペクトルにより−Si−O−に起因するピークが新たに出現した。ここから、所望の反応が行われたことが確認された。
Figure 2008064908
[アルカリ不溶性高分子化合物(1)の前駆体合成]
[合成1−1]
温度計、攪拌機および還流冷却機を備えたセパラブルフラスコに、2,6−キシレノール100g、イオン交換水150g、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩0.05g、N−メチロールアクリルアミド107.6g、シュウ酸4.0gを仕込み、60℃で1時間反応後、更にシュウ酸2.0gを加え、65℃で5時間反応した。水洗、濾過、乾燥を経て、白色粉末153.8gを得た。反応前後のIRを測定した結果、生成物においてはアミド結合由来の1700cm-1の特性吸収およびアクリロイル基由来の980cm-1の特性吸収を有することを確認した。
[合成1−2]
次に、温度計、攪拌機および還流冷却機を備えたセパラブルフラスコに、合成1で得た白色粉末100g、N,N−ジメチルアセトアミド100g、重合開始剤としてパーブチルZ(日本油脂株式会社製)10gを仕込み、140℃で4時間反応した。水洗、アセトン洗浄、乾燥を経て褐色粉末の(上記前駆体)重合体を30.6gを得た。ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ[GPC]での重量平均分子量は7350であった。反応前後のIRを測定した結果、重合体においてはアクリロイル基由来の980cm-1の特性吸収が消失していることを確認した。
[アルカリ不溶性高分子化合物(1)の合成]
温度計、攪拌機および還流冷却機を備えたセパラブルフラスコに、上記[合成1−2]で得た褐色粉末の重合体15.0g、テトラヒドロフラン150mlを仕込み、溶解した。溶解後、ジ炭酸ジ−tert−ブチル16g、N,N−ジメチルアミノピリジン0.02gを添加し、50℃で6時間反応した。水洗、乾燥を経て、目的物である淡褐色粉末の重合体(アルカリ不溶性高分子化合物(1))22.1gを得た。ポリスチレンを標準とするGPCでの重量平均分子量は10900であった。
[比較用アルカリ不溶性高分子化合物(1)の合成]
4−ジメチルアミノピリジン0.4gをポリ(4−ヒドロキシスチレン)(Mw=4500)をプロピレングリコールモノメチルエーテル800mlに入れた溶液に加えた。次いで、攪拌を続けながら、ジ炭酸ジ−tert−ブチル94gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル100mlに入れた溶液として、30分間かけて滴下して加えた。滴下して加え終わった後、室温でさらに1時間攪拌することにより、反応を完了させた。反応溶液を水の中に強く攪拌しながら少量ずつ注ぎ込み、重合体を濾別し、真空中、50℃で乾燥させることにより、重合体(比較用アルカリ不溶性高分子化合物(1))を得た。
[アルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)の合成]
攪拌機、冷却管を備えた500mlの四つ口フラスコに、試薬A〔N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド18.7g、アクリロニトリル17.2g、メタクリル酸メチル5g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート6.5gおよびジメチルアセトアミド108g〕を入れ20分ほど窒素置換した。次に油浴で73℃に加温してから、試薬B〔2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.25g〕を加え2時間攪拌した。この反応混合物にさらに、試薬C〔N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド18.7g、アクリロニトリル17.2g、メタクリル酸メチル5g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート6.5gおよびジメチルアセトアミド108gおよび2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.25g〕の混合物を2時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後さらに2時間ほど73℃で攪拌し、濃度30重量%のアルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)を得た。
以下のように、支持体を作製した。厚さ0.24mmのアルミニウム(材質1050)をアルカリ脱脂した後、パーミストンの水懸濁液をかけながらナイロンブラシで表面を研磨し、よく水洗した。次いで、70℃、15重量%水酸化ナトリウム水溶液を5秒間かけ流し、表面を3g/m2エッチングした後、さらに水洗を行い、次いで、1N塩酸浴中で200クーロン/dm2で電解粗面化処理を行った。引き続き水洗した後、15重量%水酸化ナトリウム水溶液で表面を再度エッチングし、水洗を行った後、20重量%の硝酸水溶液に浸漬して、デスマットした。次いで、15重量%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行って、2.0g/m2の酸化皮膜を形成し、水洗の後、50℃の2重量%のフッ化カリウム溶液で後処理し、水洗、乾燥した。
[実施例1]
得られたアルミニウム支持体上に以下の感光液1を乾燥後の膜厚が2.0g/m2になるように0.2mmバーを用いて塗布し、100℃で7分間乾燥して平版印刷版を得た。
(感光液1)
(A)特定アルカリ不溶性高分子化合物(1):(0.03g)
(B)光酸発生剤:2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(0.021g)
(C)赤外線吸収剤:下記シアニン系化合物(IR−2)(0.1g)
(D)酸分解性高分子化合物PS−1:(0.215g)
(E)アルカリ可溶性樹脂:特定ノボラック樹脂(RT−95)(モノマー含有率5%以下、軟化点170℃(岐阜セラック社製)(2.8g)
:ノボラック樹脂(PSF−2807)(群栄化学社製)(0.25g)
:アルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)(1.0g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.05g)
ロイコ色素:3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(0.05g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルセロソルブ(20ml/5ml)
Figure 2008064908
シアニン化合物(IR−2)
[実施例2]実施例1と同じ支持体上に以下の感光液2を乾燥後の膜厚が2.0g/m2になるように0.2mmバーを用いて塗布し、100℃で7分間乾燥して平版印刷版を得た。
(感光液2)
(A)特定アルカリ不溶性高分子化合物(1):(0.03g)
(B)光酸発生剤:2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(0.021g)
(C)赤外線吸収剤:上記シアニン系化合物(0.1g)
(D)酸分解性高分子化合物PS−2:(0.215g)
(E)アルカリ可溶性樹脂:特定ノボラック樹脂(RT−95)(モノマー含有率5%以下、軟化点170℃(岐阜セラック社製)(2.8g)
:ノボラック樹脂(PSF−2807)(群栄化学社製)(0.25g) :アルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)(1.0g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.05g)
ロイコ色素:3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(0.05g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルセロソルブ(20ml/5ml)
[実施例3]
実施例1と同じ支持体上に以下の感光液3を乾燥後の膜厚が2.0g/m2になるように0.2mmバーを用いて塗布し、100℃で7分間乾燥して平版印刷版を得た。
(感光液3)
(A)特定アルカリ不溶性高分子化合物(1):(0.03g)
(B)光酸発生剤:2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(0.021g)
(C)赤外線吸収剤:上記シアニン系化合物(IR−2)(0.1g)
(D)酸分解性高分子化合物PS−3:(0.215g)
(E)アルカリ可溶性樹脂:特定ノボラック樹脂(RT−95)(モノマー含有率5%以下、軟化点170℃(岐阜セラック社製)(2.8g)
:ノボラック樹脂(PSF−2807)(群栄化学社製)(0.25g) :アルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)(1.0g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.05g)
ロイコ色素:3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(0.05g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルセロソルブ(20ml/5ml)
[実施例4]
実施例1と同じ支持体上に以下の感光液4を乾燥後の膜厚が2.0g/m2になるように0.2mmバーを用いて塗布し、100℃で7分間乾燥して平版印刷版を得た。
(感光液4)
(A)特定アルカリ不溶性高分子化合物(1):(0.03g)
(B)光酸発生剤:2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(0.021g)
(C)赤外線吸収剤:上記シアニン系化合物(IR−2)(0.1g)
(D)酸分解性高分子化合物PS−4:(0.215g)
(E)アルカリ可溶性樹脂:特定ノボラック樹脂(RT−95)(モノマー含有率5%以下、軟化点170℃(岐阜セラック社製)(2.8g)
:ノボラック樹脂(PSF−2807)(群栄化学社製)(0.25g) :アルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)(1.0g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.05g)
ロイコ色素:3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(0.05g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルセロソルブ(20ml/5ml)
[比較例1]
実施例1と同じ支持体上に下記画像形成組成物を、実施例1と同様に塗布、乾燥して平板印刷板を得た。
(感光液5)
(A)比較用アルカリ不溶性高分子化合物(1):(0.03g)
(B)光酸発生剤:2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(0.021g)
(C)赤外線吸収剤:上記シアニン系化合物(0.1g)
(D)酸分解性高分子化合物PS−1:(0.215g)
(E)アルカリ可溶性樹脂:特定ノボラック樹脂(RT−95)(モノマー含有率5%以下、軟化点170℃(岐阜セラック社製)(2.8g)
:ノボラック樹脂(PSF−2807)(群栄化学社製)(0.25g) :アルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)(1.0g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.05g)
ロイコ色素:3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(0.05g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルセロソルブ(20ml/5ml)
[比較例2]
実施例1と同じ支持体上に下記画像形成組成物を、実施例1と同様に塗布、乾燥して平版印刷版を得た。
(感光液6)
(A)特定アルカリ不溶性高分子化合物(1):(0.03g)
(B)光酸発生剤:2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(0.021g)
(C)赤外線吸収剤:上記シアニン系化合物(0.1g)
(D)比較用酸分解性高分子化合物(1):(0.215g)
(E)アルカリ可溶性樹脂:特定ノボラック樹脂(RT−95)(モノマー含有率5%以下、軟化点170℃(岐阜セラック社製)(2.8g)
:ノボラック樹脂(PSF−2807)(群栄化学社製)(0.25g) :アルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)(1.0g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.05g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルセロソルブ(20ml/5ml)
[比較例3]
実施例1と同じ支持体上に下記画像形成組成物を、実施例1と同様に塗布、乾燥して平版印刷版を得た。
(感光液7)
(A)特定アルカリ不溶性高分子化合物(1):(0.03g)
(B)光酸発生剤:2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(0.021g)
(C)赤外線吸収剤:上記シアニン系化合物(IR−2)(0.1g)
(D)酸分解性高分子化合物PS−4:(0.215g)
(E)アルカリ可溶性樹脂:特定ノボラック樹脂(RT−95)(モノマー含有率5%以下、軟化点170℃(岐阜セラック社製)(2.8g)
:ノボラック樹脂(PSF−2807)(群栄化学社製)(0.25g) :アルカリ可溶性アクリル系共重合体(1)(1.0g)
ロイコ色素:3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(0.2g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルセロソルブ(20ml/5ml)
次にこのようにして得られた各平版印刷版を、波長830nmの半導体レーザー(クレオ社製:Trendsetter 800QTM)を用いて、各種の露光エネルギーで200線、1〜99%の網点画線を画像露光し、次いで、岡本化学工業社製(TD−4)1:7希釈のアルカリ現像液で、自動現像機PK−910IIで液温30℃にて12秒間現像した。
次に以下の各評価を行い、その結果を表1に示す。
(1)感度の評価として、上記自動現像機で現像した印刷版の非画像部(露光部)をインキングした時に、非画像部に汚れが発生しなくなるまでの最低露光量で判断した。
(2)現像ラチチュードの評価として、上記各平版印刷版を上記(1)で判断した最低露光量にて露光した後、上記アルカリ現像液中に浸漬し、画像部(未露光部)が消滅するまでの時間を測定した。
(3)ハイライトの再現性評価として、各平版印刷版を上記半導体レーザーを用いて、上記(1)で判断した各平版印刷版の最低露光量の1.3倍の露光エネルギーにて、FMスクリーニング(Staccato 20)画像を照射し、上記自動現像機で同条件で現像した。
<評価基準>
◎ :1%の網点が再現される。
△ :1%の網点のエッジが欠ける。
× :1%の網点が消失。
(4)耐キズ性の評価として、版材の上に合紙(三菱製紙販売(株)製三菱NCRスーパー上用紙)を重ね200gの分銅にて加重したまま感光層を故意に擦る。その後、上記現像液中で30℃、20秒間オーバー現像し感光層溶解の具合でキズ強度評価をした。
<評価基準>
◎ :変化なし
△ :感光層光沢低下
× :感光層剥離
(5)保存性の評価として、各平版印刷版を、40℃、70%湿度の恒温槽にて5日間強制保存する。その後、波長830nmの半導体レーザー(クレオ社製:Trendsetter 800QTM)を用いて、上記(1)で求めた最低露光量にて照射し、上記自動現像機PK−910IIで液温30℃にて12秒間現像した。
<評価基準>
◎ :強制保存前と同露光量で現像可能でインキングしても非画像部が汚れない。感度低下が発生しない。
× :強制保存前と同露光量で現像した場合、現像不良が生じ汚れる。感度低下が生じる。
(6)検版性(画像視認性)の評価として、各平版印刷版を、上記(1)で求めた最低露光量にて照射し、上記自動現像機PK−910IIで液温30℃にて12秒間現像した後、画像部と非画像部のシアン濃度差をエス・ディ・ジー株式会社製ccDOTメーターにて測定した。その時、シアン濃度差をΔDとして0.9以上を◎、0.8以下を×とした。
<評価基準>
◎ :ΔD≧0.9
× :ΔD≦0.8
Figure 2008064908
表1から明らかなように、本発明にかかる平版印刷版は、半導体レーザーのような赤外線領域に対する感度が高く、現像ラチチュードが大きく、ハイライト再現性、耐キズ性、保存性、さらに検版性に優れている印刷版である。

Claims (3)

  1. (A)下記一般式(I)に示すアルカリ不溶性高分子化合物と、
    (B)光酸発生剤と、
    (C)赤外線吸収剤と、
    (D)酸の作用によりフェノール性水酸基を有する樹脂ポリマー[Polym−OH]および分解シラノール化合物を生成する下記一般式(II)に示す酸分解性高分子化合物と、
    (E)アルカリ可溶性樹脂とを含有する画像形成組成物。
    Figure 2008064908
    (上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素またはC1〜C12のアルキル基を表す。上記一般式(I)におけるPは、酸の作用によりフェノール性水酸基が解離可能な保護基を意味する。)
    Figure 2008064908
    (上記一般式(II)中、2つのR3は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。R4は、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、フルオロ基、クロル基またはブロモ基を表す。Xは、メチレン鎖を表す。nは、0〜20の整数である。Aは、−CONH−又は−NH−を表す。mは、0又は1である。)
  2. 前記画像形成組成物が、ロイコ色素と、油溶性染料および/または塩基性染料とを更に含有する請求項1に記載の画像形成組成物。
  3. 支持体上に、請求項1または2に記載の画像形成組成物からなる感光層を有する平版印刷版用原版。
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