JP2008064684A - 電力系統のインピーダンス測定装置 - Google Patents

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宏則 松永
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Abstract

【課題】固定周波数サンプリング方式によって、しかも複数の次数の離散フーリエ変換を必要とせずに、注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを精度良く測定する。
【解決手段】このインピーダンス測定装置10は、電力系統2に注入周波数mの注入電流Jm を注入する注入装置20と、固定周波数サンプリング方式で電力系統2の注入周波数mのインピーダンスZm またはアドミタンスYm を測定する測定装置30とを備えている。測定装置30は、電力系統の基本波周波数成分および高調波周波数成分を除去して出力するコムフィルタ44、45と、それらから与えられる電圧、電流から、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって、注入周波数mの電圧、電流を抽出する演算器48、50とを備えている。注入装置20は、注入電流として、演算器48、50において離散フーリエ変換に用いる基本波周波数の自然数倍の周波数の注入電流Jm を注入する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば分散電源の単独運転検出装置や、電力系統の高調波特性計測装置等のように、電力系統に当該電力系統の定格基本波周波数の非整数倍の注入周波数の注入電流を注入して、電力系統の注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを測定するインピーダンス測定装置に関する。
電力系統の高調波の次数間(例えば2次と3次との間)に信号を注入して、即ち電力系統にその定格基本波周波数の1倍よりも大きい非整数倍の注入周波数の注入電流を注入して、電力系統の注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを測定する装置として、例えば特許文献1には、PLL(フェーズロックループ)を用いて、電力系統の基本波に同期した注入電流を注入し、かつ注入周波数の電圧および電流の計測を、電力系統の基本波に同期して行う装置が記載されている。
このようなPLLを用いて同期注入および同期計測を行う装置によれば、電力系統の基本波および高調波の影響を極力受けずに、注入周波数の信号成分を抽出することができる。
また、特許文献2には、PLLを用いずに、電力系統の基本波と非同期の信号をサンプリング周波数一定の固定周波数サンプリング方式で計測し、電力系統の基本波および高調波の影響を極力受けずに、注入周波数の信号成分を抽出する方法が記載されている。
特許第3367371号公報(段落0029、0079、図1、図6) 特許第3788212号公報(段落0008−0011、図1)
特許文献1に記載のようなPLLを用いた装置では、同期を取るのに時間を要するために、外乱ノイズに対しての応答性が悪く、分散電源の単独運転検出装置等のように短時間で検出動作を行わなければならない装置では、誤動作の可能性が高くなる。
一方、特許文献2に記載の技術のように、PLLを用いずに、電力系統の基本波と非同期の信号を注入し、その信号を固定周波数サンプリング方式で計測する場合は、外乱ノイズに対する応答性は改善されるが、電力系統の基本波および高調波成分の漏れ(離散フーリエ変換のための時間窓による切り出し誤差)の影響を考慮する必要がある。
つまり、電力系統の高調波の次数間に信号を注入する理由は、電力系統の高調波の次数間ではノイズ成分が非常に小さく、微小な注入周波数信号成分でも計測が可能だからであるが、この小さなレベルの信号周波数成分を電力系統の基本波または高調波に近接して注入する場合は、注入周波数信号成分よりも圧倒的に大きい電力系統の基本波または高調波のサイドローブ(主成分以外の周辺に広がる誤差成分)の影響を受ける可能性が大きくなる。
上記サイドローブの影響を低減する方法として、特許文献2では、注入周波数信号の他に、注入次数の上、下の非注入次数の信号をも離散フーリエ変換して、その平均値を注入周波数信号から減算することで、サイドローブ成分の影響を低減する方法が採用されているが、このような方法では、電圧および電流のそれぞれについて、複数の次数の周波数成分を離散フーリエ変換しなければならず、演算が複雑である。
また、電力系統の周波数変動を考慮した場合、例えば、電力系統の基本波周波数の変動範囲を60Hz±5%(57Hz〜63Hz)とすると、3次高調波は171Hz〜189Hz、5次高調波は285Hz〜315Hzというように、次数が上がるほど変動幅が大きくなる。従って、注入電流の周波数を電力系統の基本波周波数とは非同期の固定周波数としている場合、注入電流の周波数が高くなるほど、電力系統の高調波と近接する可能性が高くなり、注入周波数信号成分は、近接した高調波の周波数漏れの影響を受ける可能性が高くなる。
そこでこの発明は、固定周波数サンプリング方式によって、しかも複数の次数の離散フーリエ変換を必要とせずに、注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを精度良く測定することができるインピーダンス測定装置を提供することを主たる目的としている。
この発明に係るインピーダンス測定装置は、
(1)電力系統に、当該電力系統の定格基本波周波数の1倍よりも大きい非整数倍の注入周波数の注入電流を注入する注入装置と、
(2)前記電力系統における前記注入周波数の電圧および電流をサンプリング周波数一定の固定周波数サンプリング方式で測定して、当該注入周波数の電圧および電流から、前記電力系統の前記注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを測定する測定装置とを備えるインピーダンス測定装置であって、
(3)前記測定装置は、
(a)前記電力系統の電圧を計測して得られる計測電圧をA/D変換して出力する第1A/D変換器と、
(b)前記電力系統の電流を計測して得られる計測電流をA/D変換して出力する第2A/D変換器と、
(c)前記第1A/D変換器から与えられる電圧から、電力系統の基本波周波数成分および高調波周波数成分を除去して出力する第1コムフィルタと、
(d)前記第2A/D変換器から与えられる電流から、電力系統の基本波周波数成分および高調波周波数成分を除去して出力する第2コムフィルタと、
(e)前記第1コムフィルタから与えられる電圧から、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって、前記注入周波数の電圧を抽出する第1演算手段と、
(f)前記第2コムフィルタから与えられる電流から、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって、前記注入周波数の電流を抽出する第2演算手段と、
(g)前記第1演算手段から与えられる前記注入周波数の電圧および前記第2演算手段から与えられる前記注入周波数の電流に基づいて、前記注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを演算する第3演算手段とを備えており、
(4)前記注入装置は、前記注入電流として、前記第1演算手段および第2演算手段において離散フーリエ変換に用いる基本波周波数の自然数倍の周波数の注入電流を注入するものである、ことを特徴としている。
このインピーダンス測定装置においては、ディジタルに変換された計測電圧および計測電流を、それぞれ、第1コムフィルタおよび第2コムフィルタを通すことによって、電力系統の基本波周波数成分および高調波周波数成分を、非常に簡単な手段によって除去することができる。
また、第1演算手段および第2演算手段において、注入周波数の電圧および電流を、それぞれ、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって抽出することによって、時間窓による切り出し誤差を低減することができる。
更に、注入装置は、上記離散フーリエ変換に用いる基本波周波数の自然数倍(換言すれば、正の整数倍。以下同様)の周波数の注入電流を注入するものであるので、離散フーリエ変換で計算する周波数と実際の注入電流の周波数とのずれによる誤差をなくして、注入周波数の電圧および電流を精度良く測定することができる。
従って、固定周波数サンプリング方式によって、しかも複数の次数の離散フーリエ変換を必要とせずに、注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを精度良く測定することができる。
前記第1演算手段および第2演算手段において用いている窓関数は、データの切り出し期間におけるサンプリングデータ数をN(但しNは偶数)とすると、数1で表されるハニング窓h(n)でも良いし、数2で表されるブラックマン窓h(n)でも良い。
[数1]
h(n)=0.5−0.5cos(2πn/N) 0≦n≦N−1
[数2]
h(n)=0.42−0.5cos(2πn/N)+0.08cos(4πn/N) 0≦n≦N−1
前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタは、それぞれ、現在のサンプリングデータと電力系統の定格基本波周波数の実質的に半周期前のサンプリングデータとを加算する加算コムフィルタでもよいし、現在のサンプリングデータから電力系統の定格基本波周波数の実質的に1周期前のサンプリングデータを減算する減算コムフィルタでも良い。
前記測定装置は、前記電力系統の基本波周波数を測定して、前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタにおいて加算または減算するサンプリングデータの位置であって、前記電力系統の基本波周波数が最も除去されるサンプリングデータの位置(M)を決定してそれを前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタに与える周波数判定手段を更に備えており、前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタは、それらにおいて加算または減算するサンプリングデータの位置(M)として、前記周波数判定手段から与えられる前記サンプリングデータの位置(M)を用いるものである、という構成を採用しても良い。
請求項1、4、5に記載の発明によれば、PLLを用いずに固定周波数サンプリング方式を用いているので、誤動作の可能性を小さくしつつ、注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスの測定が可能である。
しかも、第1コムフィルタおよび第2コムフィルタを備えているので、電力系統の基本波周波数成分および高調波周波数成分を、非常に簡単な手段によって除去することができる。
また、第1演算手段および第2演算手段において、注入周波数の電圧および電流を、それぞれ、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって抽出するので、時間窓による切り出し誤差を低減することができる。
更に、注入装置は、上記離散フーリエ変換に用いる基本波周波数の自然数倍の周波数の注入電流を注入するものであるので、離散フーリエ変換で計算する周波数と実際の注入電流の周波数とのずれによる誤差をなくして、注入周波数の電圧および電流を精度良く測定することができる。
従って、固定周波数サンプリング方式によって、しかも複数の次数の離散フーリエ変換を必要とせずに、注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを精度良く測定することができる。
請求項2、3に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、窓関数を表す式中のコサイン部分の分母をN(但しNは偶数)にしているので、通常のN−1の場合に比べて、窓関数を掛けた離散フーリエ変換の演算における乗算回数を約半分にして、第1演算手段および第2演算手段における演算時間を約半分にすることができる。その分、高速演算処理が可能になる。
請求項6、7に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、第1コムフィルタおよび第2コムフィルタにおいて除去する周波数を、実際の電力系統の基本波周波数およびその高調波周波数に近づけることができるので、電力系統の基本波周波数成分および高調波周波数成分の除去性能をより向上させることができる。その結果、注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスをより精度良く測定することができる。
図1は、この発明に係るインピーダンス測定装置の一実施形態を電力系統等と共に示すブロック図である。電力系統2に、注入用変圧器4、計器用変圧器6および計器用変流器8を介して、インピーダンス測定装置10が接続されている。なおこの明細書において、電力系統という用語は、配電系統を含む広い概念で用いている。
インピーダンス測定装置10は、電力系統2に、当該電力系統2の定格基本波周波数の1倍よりも大きい非整数倍(即ち帯小数倍。例えば2.4倍、2.5倍等)の注入周波数m(例えば60×2.4=144Hz、60×2.5=150Hz等)の注入電流Jm を注入する注入装置20と、電力系統2における注入周波数mの電圧Vm および電流Im を、サンプリング周期一定の固定周波数サンプリング方式で測定して、当該注入周波数mの電圧Vm および電流Im から、電力系統2の注入周波数mのインピーダンスZm またはアドミタンスYm を測定する測定装置30とを備えている。上記注入電流Jm 、電圧Vm 、電流Im 等に付した添字のmは、上記注入周波数mのものであることを表している。
注入装置20は、クロック信号Sm 、Ss の元になる信号を出力する発振器22と、この発振器22からの信号を、注入周波数設定器24による設定に応じた比率で分周して、注入周波数mのクロック信号Sm を出力する分周器26と、このクロック信号Sm を用いてそれと同じ周波数mの注入電流Jm を作成して出力する電流源28とを備えている。発振器22は、この実施形態では、測定装置30にも兼用している。
電流源28は、例えば、クロック信号Sm を制御信号とするインバータである。電流源28からの注入電流Jm は、この例では、電圧整合用の注入用変圧器4を介して電力系統2に注入される。これによって、電力系統2上の系統電圧および系統電流に、注入周波数mの電圧および電流が重畳される。
電力系統2の電圧を計器用変圧器6によって計測して得られる計測電圧Vt 、および、電力系統2の電流を計器用変流器8によって計測して得られる計測電流It が測定装置30に供給される。
測定装置30は、分周器34、第1バンドパスフィルタ36、第2バンドパスフィルタ38、第1A/D変換器40、第2A/D変換器42、第1コムフィルタ44、第2コムフィルタ46、第1演算器48(第1演算手段)、第2演算器50(第2演算手段)および第3演算器52(第3演算手段)を備えている。
分周器34は、発振器22からの信号を一定の比率で分周してクロック信号Ss を出力し、それをA/D変換器40、42、コムフィルタ44、46に供給する。このクロック信号Ss は、電力系統2の定格基本波周波数(例えば60Hz)を固定の比率で逓倍したものであり、固定の周波数である。
第1バンドパスフィルタ36、第2バンドパスフィルタ38は、それぞれ、アナログバンドパスフィルタであり、計測電圧Vt 、計測電流It から、電力系統2の基本波周波数成分を低減し、注入周波数mの信号成分を選択的に通過させる。両バンドパスフィルタ36、38は、A/D変換器40、42に入力する電圧、電流における注入周波数mの信号成分の割合を大きくするものであり、この実施形態のようにそれらを設けておくのが好ましい。
両バンドパスフィルタ36、38から出力された電圧、電流は、必要に応じて増幅器(図示省略)で増幅されて、A/D変換器40、42にそれぞれ供給され、そこでディジタル信号に変換されて出力される。両A/D変換器40、42におけるサンプリング周期は、上記クロック信号Ss によって定められる。
第1コムフィルタ44、第2コムフィルタ46は、それぞれ、ディジタルコムフィルタであり、A/D変換器40、42からそれぞれ与えられる電圧、電流から、電力系統2の基本波周波数成分および高調波周波数成分を除去して出力する。両コムフィルタ44、46におけるサンプリング周期は、上記クロック信号Ss によって定められる。
コムフィルタ44、46は、それぞれ、図2に示すような加算コムフィルタでも良いし、図4に示すような減算コムフィルタでも良い。
図2に示す加算コムフィルタは、遅延回路54と加算器56とを有しており、現在のサンプリングデータと、電力系統2の定格基本波周波数の実質的に半周期前のサンプリングデータとを加算するものである。Zは単位遅延演算子、Mは加算するサンプリングデータの位置を表している。このMを、図8に示す実施形態では、周波数判定器62によって設定することができる。この加算コムフィルタの周波数特性の一例を図3に示す。
図3からも分かるように、加算コムフィルタは、電力系統2の定格基本波周波数および奇数次高調波を除去するものであり、除去周波数領域のQ(先鋭度)が比較的小さい(即ち、除去周波数領域の幅が比較的広い)ので、電力系統2の基本波周波数に変動があっても除去性能が安定しており、また一般的に、電力系統2では偶数次高調波は小さいので、通常は加算コムフィルタを使用すれば良い。
図4に示す減算コムフィルタは、遅延回路58と減算器60とを有しており、現在のサンプリングデータから、電力系統2の基本波周波数の実質的に1周期前のサンプリングデータを減算するものである。Zは単位遅延演算子、Mは減算するサンプリングデータの位置を表している。このMを、図8に示す実施形態では周波数判定器62によって設定することができる。このMと図2のMとは値が異なる。この減算コムフィルタの周波数特性の一例を図5に示す。
図5からも分かるように、減算コムフィルタは、電力系統2の定格基本波周波数および全高調波を除去するものであるので、第2高調波等の偶数次高調波が存在する電力系統2で使用するのに適している。但し、遅延が加算コムフィルタよりも半周期分大きい。
上記コムフィルタ44、46は、電力系統2の基本波周波数成分および高調波周波数成分の除去に優れた特性を有しているが、そのような特性を、サンプリングごとに1回のサンプリングデータの加算または減算を行うのみという非常に簡単な方法で実現することができる。このことは、このインピーダンス測定装置10における総合的な演算時間を短くすることに寄与する。
再び図1を参照して、第1コムフィルタ44、第2コムフィルタ46から出力された電圧、電流は、それぞれ、第1演算器48、第2演算器50に与えられる。第1演算器48は、第1コムフィルタ44から与えられる電圧から、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって、注入周波数mの電圧Vm を抽出して出力する。第2演算器50は、第2コムフィルタ46から与えられる電流から、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって、注入周波数mの電流Im を抽出して出力する。なお、以上の各電圧、電流は、いずれもベクトルであり、複素数の形で表すことができる。両演算器48、50における上記抽出については以下に詳述する。
第3演算器52は、第1演算器48からの注入周波数mの電圧Vm および第2演算器50からの注入周波数mの電流Im に基づいて、数3または数4に従って、注入周波数mのインピーダンスZm またはアドミタンスYm を演算して出力する。
[数3]
m =Vm /Im
[数4]
m =Im /Vm
なお、上記コムフィルタ44、46および演算器48、50、52は、例えば、コンピュータにおけるソフトウエアによって構成しても良い。
演算器48、50における注入周波数m成分の抽出について詳述する。なお、第1演算器48は電圧を扱い、第2演算器50は電流を扱うが、違いはそれだけであるので、以下においては電圧、電流を一括してディジタル信号の処理の形で説明する。即ち、以下の説明を、第1演算器48では電圧についての演算処理、第2演算器50では電流についての演算処理と見れば良い。
一般的に、ディジタル信号のサンプリングデータ列をxn 、サンプリング周期をT、データの切り出し期間におけるサンプリングデータ数をNとすると、離散フーリエ変換Xk は次式で表される。kは離散フーリエ変換の次数(1,2,3・・・の自然数)、n=0,1,2,・・・,N−1である。
Figure 2008064684
離散フーリエ変換を行う際の時間窓による切り出し誤差を低減するには、サンプリングデータに窓関数を掛ければ良い。
窓関数については、電力系統の基本波成分または高調波成分の漏れを小さくする観点から、サイドローブ(周波数領域において、主成分以外の周辺領域に広がる誤差成分)の減衰が大きい窓関数が好ましい。
また、3次以上の高調波領域では、高調波と注入周波数mの信号とが近接する可能性が高くなることから、周波数成分の分離性の良い、メインローブ(周波数領域における主成分の幅)が小さい窓関数が好ましい。
以上の2条件から、窓関数として、ハニング窓またはブラックマン窓を用いるのが好ましい。
従って、窓関数を掛けた離散フーリエ変換は、次式で表される。
Figure 2008064684
ここで、h(n)は窓関数、Gは振幅値を直読するためのゲイン係数であり、これらは、ハニング窓の場合は数7で、ブラックマン窓の場合は数8で、それぞれ表される。
[数7]
h(n)=0.5−0.5cos(2πn/N) 0≦n≦N−1
G=0.5
[数8]
h(n)=0.42−0.5cos(2πn/N)+0.08cos(4πn/N) 0≦n≦N−1
G=0.42
通常、窓関数は、数7、数8中のコサイン部分の分母のNがN−1であるが、この実施形態では、後述する演算時間短縮のために上記のようにNに変更している。この種のインピーダンス測定装置のような組み込み装置においては、通常はNを十分に大きく取るので(例えば後述するようにN=1024)、N−1をNに変換しても関数曲線に殆ど影響はない。
ここで、数6の離散フーリエ変換Xk を、実部Xk (re)と虚部Xk (im)とに分けて表すと、次式となる。jは虚数単位である。
[数9]
k =Xk (re)+jXk (im)
Figure 2008064684
Figure 2008064684
但し、K(re)(n)、K(im)(n)は次式のとおりである。
[数12]
(re)(n)=h(n)・cos(2πkn/N)
[数13]
(im)(n)=h(n)・sin(2πkn/N)
従って、信号振幅Ak は数14で、信号位相φk は数15で、それぞれ求めることができる。
[数14]
k =2√{(Xk (re)2 +(Xk (im)2
[数15]
φk =tan-1(Xk (im)/Xk (re)
一般に、組み込み装置における離散フーリエ変換の計算では、コサインやサイン計算をその都度行わず、予め定数配列として用意しておくことで、演算時間の短縮化を図っている。そのようにすると、上記数7、数8の窓関数h(n)は定数であるので、上記数12、数13のK(re)(n)、K(im)(n)についても予め計算された定数配列として用意することができ、通常の離散フーリエ変換と同様の演算が可能である。
更に、前述したように、窓関数のN−1をNへ変更したことにより、Nを偶数とすると、数10、数11のXk (re)、Xk (im)はそれぞれ次の数16、数17のように表すことができ(この数16、数17の導出については最後に詳述する)、これらの式を用いることによって、乗算回数を数10、数11の場合に比べて約半分にすることができる。これはΣ記号の上の値がN/2−1で終わっていることから分かる。一般に、数値計算においては、加減算は乗算に比べて計算時間が大幅に短いので、上記のように乗算回数を約半分にすることよって、全体の計算時間を約半分にすることができる。その分、高速演算処理が可能になる。
Figure 2008064684
Figure 2008064684
なお、サンプリングデータ数Nが奇数の場合は、それをきれいに半分に割ることができないので、上記数16、数17を導くことはできないが、離散フーリエ変換を扱う組み込み装置において、サンプリングデータ数Nは通常は偶数であるので、上記数16、数17を導くことができる。数16中のxN/2 は、サンプリングデータ列xN 中の真ん中のデータを表している。
さて、上記数16、数17の離散フーリエ変換式は、サンプリング周期をT、データの切り出し期間におけるサンプリングデータ数をN、離散フーリエ変換に用いる基本波周波数をf0 (=1/NT)とすると、当該基本波周波数f0 のk倍の周波数k・f0 についての周波数成分を求める式である。kは前述した、離散フーリエ変換の次数、即ち離散フーリエ変換に用いる基本波周波数に対する次数(1,2,3・・・の自然数)である。従って、注入装置20から注入する注入電流Jm の周波数(注入周波数m)をk・f0 とすれば、離散フーリエ変換で計算する周波数と、実際の注入電流Jm の周波数とのずれによる誤差をなくして、注入周波数mの信号成分を精度良く計算することができる。この実施形態では、注入電流Jm の周波数mを上記k・f0 としているので、演算器48、50によって、注入周波数mの電圧Vm 、電流Im を精度良く演算することができる。即ち、注入周波数mの電圧Vm 、電流Im を精度良く測定することができる。
具体例を挙げると、注入電流Jm の周波数mについては、上記周波数k・f0 の内、離散フーリエ変換の基本波周波数f0 (=1/NT)が固定であるので、離散フーリエ変換の次数kの値によって周波数を決定すれば良い。例えば、電力系統2の定格基本波周波数が60Hzで、当該周波数における1周期当たりのサンプリング回数(点数)N2 が128、データの切り出し期間におけるサンプリングデータ数Nが1024の場合、離散フーリエ変換の基本波周波数f0 は次式のように算出できるので、例えば注入周波数mが150Hzの注入電流Jm を注入する場合は、k=150/f0 =150/7.5=20を選定すれば良い。
Figure 2008064684
以上のように、この実施形態のインピーダンス測定装置10によれば、測定装置30において、PLLを用いずに固定周波数サンプリング方式を用いているので、PLLを用いる場合の前述したような誤動作の可能性を小さくしつつ、注入周波数mのインピーダンスZm またはアドミタンスYm の測定が可能である。
しかも、第1コムフィルタ44および第2コムフィルタ46を備えているので、電力系統2の基本波周波数成分および高調波周波数成分を、非常に簡単な手段によって除去することができる。
また、第1演算器48および第2演算器50において、注入周波数mの電圧Vm および電流Im を、それぞれ、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって抽出するので、時間窓による切り出し誤差を低減することができる。
更に、注入装置20は、上記離散フーリエ変換に用いる基本波周波数f0 の自然数倍の周波数の注入電流Jm を注入するものであるので、離散フーリエ変換で計算する周波数と実際の注入電流Jm の周波数とのずれによる誤差をなくして、注入周波数mの電圧Vm および電流Im を精度良く測定することができる。
従って、特許文献1に記載の技術と違って固定周波数サンプリング方式によって、しかも特許文献2に記載の技術と違って複数の次数の離散フーリエ変換を必要とせずに、即ち複数の次数の離散フーリエ変換を行う場合のような複雑な演算を行うことなく、注入周波数mのインピーダンスZm またはアドミタンスYm を精度良く測定することができる。
更にこの実施形態では、第1演算器48および第2演算器50において用いる窓関数を表す式(数7、数8)中のコサイン部分の分母をN(但しNは偶数)にしているので、通常のN−1の場合に比べて、窓関数を掛けた離散フーリエ変換の演算における乗算回数を約半分にして、第1演算器48および第2演算器50における演算時間を約半分にすることができる。その分、高速演算処理が可能になる。
次に、シミュレーションの結果を幾つか説明する。
表1の条件で、離散フーリエ変換の基本波周波数f0 =2Hz(データの切り出し時間500ms)とし、加算コムフィルタおよびハニング窓を使用して、数14の信号振幅Ak (ここでは電圧振幅)を、離散フーリエ変換の次数kを変数として演算するシミュレーションを行ってグラフ化したものを図6に示す。図6の縦軸は、電力系統2の基本波周波数の電圧を100%としたときの電圧比率である(図7、図9も同様)。
Figure 2008064684
注入周波数成分の150Hzは、次数kで言えば75に相当し(k・f0 =75×2=150Hz)、この周波数成分の電圧比率は図6では、どの周波数変動率の場合もほぼ0.01%であり、これは注入比率(表1中に示した注入周波数成分の比率。以下同様)の0.01%と良く一致しており、注入周波数成分が系統の高調波の影響を受けることなく精度良く計測できることが分かる。
上記シミュレーションは、データの切り出し時間が500msの例であるが、更に短時間で測定したい場合は、データの切り出し時間を短くする必要がある。例えば、表1の条件で、離散フーリエ変換の基本波周波数f0 =6Hz(データの切り出し時間133ms)とし、減算コムフィルタおよびハニング窓を使用して、上記と同様のシミュレーションを行った結果を図7に示す。減算コムフィルタを使用した例を示すのは、加算コムフィルタでは正確に計測できたので、正確に計測できない例を示すためである。
この場合の注入周波数成分の150Hzは次数kで言えば25に相当し(k・f0 =25×6=150Hz)、この周波数成分の電圧比率は図7では、周波数変動率が−5%および−2.5%のときは注入比率の0.01%よりも異なっており(この例では小さく)、系統の主として3次高調波の影響を受けて、正確に計測できないことが分かる。これは、データの切り出し時間を短くすると、電力系統の高調波と注入周波数信号との周波数差が近接し、電力系統の高調波成分のサイドローブの影響を受けやすくなるからである。
コムフィルタ44、46通過後の高調波成分は、コムフィルタ44、46の除去周波数(電力系統の定格基本波周波数とその倍数)と、実際の電力系統2の周波数とのずれが大きいほど大きくなるので、そのずれを小さくして、コムフィルタ44、46通過後の高調波成分を小さくすることが好ましい。
そこで、コムフィルタ44、46において加算または減算するサンプリングデータの時間的な位置を前後させて、コムフィルタ44、46の除去周波数を実際の電力系統2の周波数に近づけることができるようにした実施形態を図8に示す。図1に示した実施形態と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該実施形態との相違点を主体に説明する。
この実施形態においては、測定装置30は、周波数判定器62(周波数判定手段)を更に備えている。この周波数判定器62は、この例では、計器用変圧器6から与えられる計測電圧Vt を用いて、電力系統2の基本波周波数を測定する。例えば、計測電圧Vt から、ローパスフィルタ等を用いて基本波周波数成分を抽出した後、カウンタ等で基本波周波数を測定する。但し、上記のようにする代わりに、外部の周波数リレーや周波数メータ等と通信して、電力系統2の基本波周波数を取得しても良い。
そして、周波数判定器62は、判定した系統基本波周波数に応じて、系統基本波周波数(およびその高調波)が最も除去されるサンプリングデータの位置Mを決定して、それを第1コムフィルタ44および第2コムフィルタ46に与える。高調波を上で括弧書きしたのは、系統基本波周波数が最も除去されれば、必然的にその倍数である高調波も最も除去されるからである。上記サンプリングデータの位置Mは、図2に示した加算コムフィルタにおいて加算する、または図4に示した減算コムフィルタにおいて減算するサンプリングデータの位置Mである。
コムフィルタ44、46は、それらにおいて加算(加算コムフィルタの場合)または減算(減算コムフィルタの場合)するサンプリングデータの位置Mとして、周波数判定器62から与えられる上記サンプリングデータの位置Mを用いて、前述した加算または減算を行う。
より具体的には、周波数判定器62は、コムフィルタ44、46が減算コムフィルタの場合は、例えば表2に示すような、電力系統2の基本波周波数fs と、それが最も除去されるサンプリングデータの位置Mとを対応づけたテーブルを有しており、このテーブルに基づいて、測定した基本波周波数fs に対応するサンプリングデータの位置Mを決定して出力する。例えば、基本波周波数fs が57.5Hzであれば、周波数判定器62は、サンプリングデータの位置Mとして134を出力する。なお、表2中の除去周波数fc は、各サンプリングデータの位置Mのときの除去周波数を、主な次数pごとに参考までに示したものであり、上記テーブル中にこの除去周波数fc を含めておかなければならないものではない。後述する表3においても同様である。
Figure 2008064684
また、周波数判定器62は、コムフィルタ44、46が加算コムフィルタの場合は、例えば表3に示すような、電力系統2の基本波周波数fs と、それが最も除去されるサンプリングデータの位置Mとを対応づけたテーブルを有しており、このテーブルに基づいて、測定した基本波周波数fs に対応するサンプリングデータの位置Mを決定して出力する。例えば、基本波周波数fs が57.5Hzであれば、周波数判定器62は、サンプリングデータの位置Mとして67を出力する。
Figure 2008064684
なお、周波数判定器62は、コムフィルタ44、46のタイプ(加算または減算)に応じて、表2または表3で例示しているどちらか一方のテーブルを有していれば良く、両方のテーブルを有している必要はない。
上記表2、表3を導く過程を以下に説明する。
データのサンプリング周期(間隔)をT、電力系統2の定格基本波周波数をfs rat 、定格基本波周波数1周期当たりのサンプリング回数をN2 とすると、現在のサンプリングデータからM回前のサンプリングデータを減算する減算コムフィルタの振幅特性は次式で表される。
Figure 2008064684
除去周波数fc は次式で表される。
[数20]
c =(N2 /M)・fs rat ・p p=1,2,3・・・
この数20からも分かるように、(N2 /M)・fs rat を実際の系統基本波周波数fs に対応させると、pは高調波次数に対応し、実際の系統高調波に対する除去性能も向上する。
そして、減算コムフィルタについての、上記系統基本波周波数fs 、それに対応するサンプリングデータの位置Mおよび除去周波数fc をまとめたのが表2である。この表2は、サンプリング回数N2 が128、系統の定格基本波周波数fs rat が60Hzの場合の例である。
同様に、現在のサンプリングデータとM回前のサンプリングデータとを加算する加算コムフィルタの振幅特性は次式で表される。
Figure 2008064684
除去周波数fc は次式で表される。
[数22]
c =(N2 /2M)・fs rat ・p p=1,3,5・・・
そして、加算コムフィルタについての、上記系統基本波周波数fs 、それに対応するサンプリングデータの位置Mおよび除去周波数fc をまとめたのが表3である。この表3は、サンプリング回数N2 が128、系統の定格基本波周波数fs rat が60Hzの場合の例である。
上記のような減算コムフィルタを用い、その他は図7のシミュレーションと同じ条件で、即ち表1の条件で、離散フーリエ変換の基本波周波数f0 =6Hzとし、ハニング窓を用いてシミュレーションを行った結果を図9に示す。
注入周波数成分の150Hzは、次数kで言えば25に相当し(k・f0 =25×6=150Hz)、この周波数成分の電圧比率は図9では、どの周波数変動率の場合もほぼ0.01%であり、これは注入比率の0.01%と良く一致しており、注入周波数成分が系統の高調波の影響を受けることなく精度良く計測できることが分かる。即ち、図7の場合から改善されていることが分かる。
以上のように、図8に示す実施形態のインピーダンス測定装置10によれば、第1コムフィルタ44および第2コムフィルタ46において除去する周波数を、実際の電力系統2の基本波周波数およびその高調波周波数に近づけることができるので、電力系統2の基本波周波数成分および高調波周波数成分の除去性能をより向上させることができる。その結果、注入周波数mのインピーダンスZm またはアドミタンスYm をより精度良く測定することができる。
最後に、上記数16および数17を導出する過程を、ハニング窓の場合とブラックマン窓の場合とに分けて説明する。
(1)ハニング窓の場合
Figure 2008064684
Figure 2008064684
Figure 2008064684
この数25は、上記数16をハニング窓について表したものである。
Figure 2008064684
Figure 2008064684
Figure 2008064684
この数28は、上記数17をハニング窓について表したものである。
(2)ブラックマン窓の場合
Figure 2008064684
Figure 2008064684
Figure 2008064684
この数31は、上記数16をブラックマン窓について表したものである。
Figure 2008064684
Figure 2008064684
Figure 2008064684
この数34は、上記数17をブラックマン窓について表したものである。
この発明に係るインピーダンス測定装置の一実施形態を電力系統等と共に示すブロック図である。 加算コムフィルタの一例を示すブロック図である。 加算コムフィルタの周波数特性の一例を示す図である。 減算コムフィルタの一例を示すブロック図である。 減算コムフィルタの周波数特性の一例を示す図である。 図1の実施形態において、加算コムフィルタおよびハニング窓を使用したときの周波数特性のシミュレーション結果の一例を示す図である。 図1の実施形態において、減算コムフィルタおよびハニング窓を使用したときの周波数特性のシミュレーション結果の一例を示す図である。 この発明に係るインピーダンス測定装置の他の実施形態を電力系統等と共に示すブロック図である。 図8の実施形態において、加算コムフィルタおよびハニング窓を使用したときの周波数特性のシミュレーション結果の一例を示す図である。
符号の説明
2 電力系統
10 インピーダンス測定装置
20 注入装置
28 電流源
30 測定装置
36 第1バンドパスフィルタ
38 第2バンドパスフィルタ
40 第1A/D変換器
42 第2A/D変換器
44 第1コムフィルタ
46 第2コムフィルタ
48 第1演算器(第1演算手段)
50 第2演算器(第2演算手段)
53 第3演算器(第3演算手段)
62 周波数判定器(周波数判定手段)

Claims (7)

  1. (1)電力系統に、当該電力系統の定格基本波周波数の1倍よりも大きい非整数倍の注入周波数の注入電流を注入する注入装置と、
    (2)前記電力系統における前記注入周波数の電圧および電流をサンプリング周波数一定の固定周波数サンプリング方式で測定して、当該注入周波数の電圧および電流から、前記電力系統の前記注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを測定する測定装置とを備えるインピーダンス測定装置であって、
    (3)前記測定装置は、
    (a)前記電力系統の電圧を計測して得られる計測電圧をA/D変換して出力する第1A/D変換器と、
    (b)前記電力系統の電流を計測して得られる計測電流をA/D変換して出力する第2A/D変換器と、
    (c)前記第1A/D変換器から与えられる電圧から、電力系統の基本波周波数成分および高調波周波数成分を除去して出力する第1コムフィルタと、
    (d)前記第2A/D変換器から与えられる電流から、電力系統の基本波周波数成分および高調波周波数成分を除去して出力する第2コムフィルタと、
    (e)前記第1コムフィルタから与えられる電圧から、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって、前記注入周波数の電圧を抽出する第1演算手段と、
    (f)前記第2コムフィルタから与えられる電流から、窓関数を掛けた離散フーリエ変換によって、前記注入周波数の電流を抽出する第2演算手段と、
    (g)前記第1演算手段から与えられる前記注入周波数の電圧および前記第2演算手段から与えられる前記注入周波数の電流に基づいて、前記注入周波数のインピーダンスまたはアドミタンスを演算する第3演算手段とを備えており、
    (4)前記注入装置は、前記注入電流として、前記第1演算手段および第2演算手段において離散フーリエ変換に用いる基本波周波数の自然数倍の周波数の注入電流を注入するものである、ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  2. 前記第1演算手段および第2演算手段において用いている窓関数は、データの切り出し期間におけるサンプリングデータ数をN(但しNは偶数)とすると、次式で表されるハニング窓h(n)である請求項1記載のインピーダンス測定装置。
    h(n)=0.5−0.5cos(2πn/N) 0≦n≦N−1
  3. 前記第1演算手段および第2演算手段において用いている窓関数は、データの切り出し期間におけるサンプリングデータ数をN(但しNは偶数)とすると、次式で表されるブラックマン窓h(n)である請求項1記載のインピーダンス測定装置。
    h(n)=0.42−0.5cos(2πn/N)+0.08cos(4πn/N) 0≦n≦N−1
  4. 前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタは、それぞれ、現在のサンプリングデータと電力系統の定格基本波周波数の実質的に半周期前のサンプリングデータとを加算する加算コムフィルタである請求項1、2または3記載のインピーダンス測定装置。
  5. 前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタは、それぞれ、現在のサンプリングデータから電力系統の定格基本波周波数の実質的に1周期前のサンプリングデータを減算する減算コムフィルタである請求項1、2または3記載のインピーダンス測定装置。
  6. 前記測定装置は、前記電力系統の基本波周波数を測定して、前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタにおいて加算するサンプリングデータの位置であって、前記電力系統の基本波周波数が最も除去されるサンプリングデータの位置(M)を決定してそれを前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタに与える周波数判定手段を更に備えており、
    前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタは、それらにおいて加算するサンプリングデータの位置(M)として、前記周波数判定手段から与えられる前記サンプリングデータの位置(M)を用いるものである請求項4記載のインピーダンス測定装置。
  7. 前記測定装置は、前記電力系統の基本波周波数を測定して、前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタにおいて減算するサンプリングデータの位置であって、前記電力系統の基本波周波数が最も除去されるサンプリングデータの位置(M)を決定してそれを前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタに与える周波数判定手段を更に備えており、
    前記第1コムフィルタおよび第2コムフィルタは、それらにおいて減算するサンプリングデータの位置(M)として、前記周波数判定手段から与えられる前記サンプリングデータの位置(M)を用いるものである請求項5記載のインピーダンス測定装置。
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