JP2008063285A - 高親和性ペプチドの設計法及び調製法、並びに高親和性ペプチド - Google Patents

高親和性ペプチドの設計法及び調製法、並びに高親和性ペプチド Download PDF

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Abstract

【課題】標的に対して高親和性を示すペプチドを効率的に得るための手段を提供することを課題とする。
【解決手段】(1)配列の異なる複数のペプチドと標的とを用いた親和性アッセイを行い、該標的に対する各配列の親和性データを取得するステップ、(2)高親和性配列及び低親和性配列を選抜するステップ、(3)N末端又はC末端からの位置毎にアミノ酸の特定の性質を数値化することによって、選抜した各配列を数値データに変換するステップ、(4)得られた数値データを入力変数としてファジィニューラルネットワーク解析を行い、予測モデルを構築するステップ、(5)構築された予測モデルより、アミノ酸と前記性質が配列上の一以上の位置において関連付けられたルールであって高親和性配列の特徴を表す一又は二以上のルールを抽出するステップ、(6)抽出したルールに従ってペプチドを設計するステップ、によってペプチドを設計する。
【選択図】図1

Description

本発明は特定の標的に対する親和性の高いペプチドを設計する方法に関する。本発明はまた、当該設計法を利用して高親和性のペプチドを調製する方法も提供する。さらに本発明は、標的に対して高い親和性を示す、特定の配列からなるペプチドも提供する。
ペプチドが有する様々な生理活性の一つに細胞接着の誘導が挙げられる。細胞接着誘導活性を有する接着ペプチドは細胞ターゲッティングや無血清培養への展開の面から注目されており、現在までに様々な接着ペプチドの探索が行われている。接着ペプチドの代表である細胞接着ペプチドArg-Gly-Asp(RGD配列)は、細胞外マトリックスに存在するフィブロネクチンの配列より探索された配列(非特許文献1)であり、インテグリンにより認識されることが知られている。RGD配列は、細胞のターゲティングや効率的に細胞を培養する基材として注目され、再生医療分野への展開が研究されてきた。人工的に合成できるペプチドは安全性の高い接着材料であるといえ、医療分野への適用が期待されている。
ところで近年、「必要な時に必要な量の薬剤を必要な病巣に選択的に送達する」ドラッグデリバリーシステム(DDS)に関する研究、特に薬剤標的化技術の開発が精力的に行われている。癌などの細胞表面には細胞特異的な受容体(レセプター)が存在する場合も多く、この受容体を標的(ターゲット)としたリガンド分子や、細胞表面の抗原物質を標的としたモノクローナル抗体を標的用分子(キャリヤー)にしたものが開発されている。この様なDDSを用いた治療は標的とした組織のイメージングや細胞のみに薬剤を輸送するための手段となり、期待も大きく、注目を集めている。ペプチドは、合成が容易で薬剤への化学結合が可能であることやデザイン性が高いことなどの理由から、DDS用のキャリヤーとしてもその利用が期待される。尚、本発明者等の研究グループによる、ペプチド探索(非特許文献2〜4)、インフォマティクスを利用したタンパク質工学(非特許文献5)に関する報告を以下に示す。
Pierschbacher, M.D. & Rouslahti, E. (1984) Nature 309, 30-33, 1984 Kato, R., Okuno, Y., Kaga, C., Kunimatsu, M., Kobayashi, T. and Honda, H. (2006) J. Peptide Res. 66(suppl.1), 146-153. Kato, R, Kaga, C., Kunimatsu, M., Kobayashi, T. and Honda, H. (2006) J. Biosci. Bioeng. 101, 485-495. Okochi, M., Nakanishi, M., Kato, R., Kobayashi, T. and Honda, H. (2006) FEBS Lett. 580, 885-889. Kato, R., Nakano, H., Konishi, H., Kato, K., Koga, Y., Yamane, T., Kobayashi, T. and Honda, H. (2005) J. Mol. Biol. 351, 683-692. Kyte, J. & Doolittle, R. F. (1982) A simple method for displaying the hydropathic character of a protein. J. Mol. Biol. 157, 105-132. Fauchere, J. L., Charton, M., Kier, L. B., Verloop, A. & Pliska, V. (1988) Amino acid side chain parameters for correlation studies in biology and pharmacology. Int. J. Peptide Protein Res. 32, 269-278. Zimmerman, J. M., Eliezer, N. & Simha, R. (1968) The characterization of amino acid sequences in proteins by statistical methods. J. Theor. Biol. 21, 170-201
以上のように、様々な分野においてペプチドに対する期待は高く、標的に対して高親和性(高接着性)を示すペプチドを発見ないし創出することが切望されている。しかしながら、ペプチドはアミノ酸の組合せ(天然のペプチドの場合は基本的にアミノ酸20種類の組合せ)で構成され、非常に多くの配列が存在することから、目的のペプチドを見出すことは極めて困難である。
そこで本発明は、標的に対して高親和性を示すペプチドを効率的に得るための手段を提供することを課題とする。また、標的に対して高親和性を示し、接着ペプチドとして様々な分野で利用されることが期待されるペプチド(高親和性ペプチド)を提供することを課題とする。
以上の課題を解決すべく本発明者らは、高親和性のペプチドをハイスループットに設計する手法の確立を目指した。即ち、親和性アッセイによる実験データを情報処理解析ツールであるファジィニューラルネットワーク(Fuzzy Neural Network:FNN)を用いて解析することが有効であると考え、図1に概念的に示す手法を構築するに至った。そして本手法の有効性を検証すべく、以下の手順で実験を行った。まず、ペプチドアレイ上に4merのランダムペプチド配列を合成し、細胞を用いた親和性アッセイを行い、高親和性配列及び低親和配列をスクリーニングした。次に、選抜された配列を構成するアミノ酸の物理的性質(サイズ、疎水度、電荷)を、配列上の位置毎に数値化し、ペプチド配列データとしてFNN解析を行った。その結果、ペプチド配列(各アミノ酸残基の性質)と接着活性の相関をルール(規則)として導き出すことに成功した。導き出されたルールに従って新たに作製したペプチドは無血清条件下において高い接着活性を示した。また、親和性アッセイとFNN解析を繰り返すことによって、より有効性の高いルールが導き出されることが判明した。このように本手法が有効であることが確認されるとともに、高親和性を示すペプチドを実際に取得することに成功した。
本発明は主として上記知見ないし成果に基づくものであり、以下に示す高親和性の設計法などを提供する。
[1]以下の(1)〜(6)のステップを含む、高親和性ペプチドの設計法、
(1)配列の異なる複数のペプチドと標的とを用いた親和性アッセイを行い、該標的に対する各配列の親和性データを取得するステップ、
(2)高親和性配列及び低親和性配列を選抜するステップ、
(3)N末端又はC末端からの位置毎にアミノ酸の特定の性質を数値化することによって、選抜した各配列を数値データに変換するステップ、
(4)得られた数値データを入力変数としてファジィニューラルネットワーク解析を行い、予測モデルを構築するステップ、
(5)構築された予測モデルより、アミノ酸と前記性質が配列上の一以上の位置において関連付けられたルールであって高親和性配列の特徴を表す一又は二以上のルールを抽出するステップ、
(6)抽出したルールに従ってペプチドを設計するステップ。
[2]ステップ(6)において、配列の異なる複数のペプチドを設計することにし、
ステップ(7)として、設計した複数のペプチドを用いてステップ(1)〜(6)を行う、[1]に記載の設計法。
[3]ステップ(7)を2回以上繰り返す、[2]に記載の設計法。
[4]前記親和性アッセイが、複数のペプチドが配列毎に区画化されて基板に固定されてなるペプチドチップを用いて行われる、[1]〜[3]のいずれかに記載の設計法。
[5]ステップ(1)における前記複数のペプチドの長さが等しい、[1]〜[4]のいずれかに記載の設計法。
[6]ステップ(1)における前記複数のペプチドはいずれも3〜15個のアミノ酸からなる、[1]〜[5]のいずれかに記載の設計法。
[7]ステップ(1)における前記複数のペプチドが、無作為に選択されたアミノ酸配列を有するペプチドの集合からなる、[1]〜[6]のいずれかに記載の設計法。
[8]前記標的が細胞、タンパク質、ペプチド等の生体高分子、又は金属、半導体、無機材料若しくは合成高分子を材料とする微粒子若しくは基材である、[1]〜[7]のいずれかに記載の設計法。
[9]ステップ(3)における前記特定の性質が、サイズ、疎水度、電荷、等電点、分岐の有無、硫黄元素の有無、ヒドロキシ基の有無、ベンゼン環の有無、及び複素環の有無からなる群より選択される一以上の性質である、[1]〜[8]のいずれかに記載の設計法。
[10]ステップ(3)における前記特定の性質が、前記群より選択される二以上の性質である、[9]に記載の設計法。
[11]ステップ(3)における前記特定の性質がサイズ、疎水度、及び電荷である、[1]〜[8]のいずれかに記載の設計法。
[12][1]〜[11]のいずれかの設計法で設計されたペプチドを調製するステップを含む、高親和性ペプチドの調製法。
[13]配列番号:1〜70のいずれかに示されるアミノ酸配列からなる高親和性ペプチド。
本発明の設計法によれば、特定の標的に対して高親和性のペプチドをハイスループットに設計することができる。一方、本発明の設計法では様々な物質を標的とすることができる。従って、本発明の設計法によれば様々な標的について、それに高親和性を示すペプチドを設計することができる。このように本発明の設計法は汎用性も高い。
1.高親和性ペプチドの設計法
以下、本発明の設計法の詳細について図1を参照しながら説明する。図1は本発明の設計法の手順を模式的に示した図である。
(1)親和性データの取得(図1の(i)、(ii))
本発明の設計法では始めに、配列の異なる複数のペプチド(以下、「試料ペプチド」ともいう)と標的とを用いた親和性アッセイを行い、標的に対する各配列の親和性データを取得する(ステップ(1))。
試料ペプチドの数は特に限定されないが、効率的なペプチドの設計を可能とするために多数のペプチドを用意するとよい。但し、試料ペプチドの数が増えれば後述の解析が複雑になることを考慮し、試料ペプチドの数を例えば10〜5000、好ましくは100〜1000とする。
親和性アッセイでは配列の異なる複数のペプチド、即ち複数種類のペプチドが使用される。このように複数種類のペプチドが使用される限り、各ペプチドの配列は特に限定されない。但し、後述のFNN解析によって信頼性の高いルールを抽出するためには、配列の偏りをなくすことが有効であり、即ち無作為に選択されたアミノ酸配列を有するペプチドの集合(ランダム配列のペプチドライブラリー)を使用するとよい。尚、後述のプロテインチップを用いた場合のように、通常は種類毎に複数個のペプチドが使用される。
典型的には、生体内でタンパク質を構成するアミノ酸、即ち、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等によって試料ペプチドを構成する。但し、ペプチドを構成できるアミノ酸であれば任意のアミノ酸を試料ペプチドの構成アミノ酸として使用することが可能である。例えば、L−アミノ酸の他、D−アミノ酸、修飾(アセチル化、メチル化、ヒドロキシ化など)が施されたアミノ酸等を用いて試料ペプチドを構成してもよい。
好ましくは、使用する全ての試料ペプチドの長さ(アミノ酸残基の数)を等しくする。後述のFNN解析を効率的に行え、しかも信頼性の高いルールの抽出を可能にするからである。
各試料ペプチドの長さは特に限定されない。例えば試料ペプチドの長さを3〜15アミノ酸残基とする。但し、既知の接着ペプチドが概ね3〜6アミノ酸残基から構成されることを考慮し、試料ペプチドの長さを好ましくは3〜8アミノ酸残基、更に好ましくは3〜6アミノ酸残基とする。このように短いペプチドを用いることは、後述のFNN解析の効率化やペプチドの合成効率が向上する点からも好ましい。
親和性アッセイに使用する標的は、本発明の設計法によって設計することを意図するペプチドの用途を考慮して適宜選択される。標的として細胞、タンパク質、ペプチド等の生体高分子を用いることができる。また、金属、半導体、無機材料、合成高分子等を材料とする微粒子や基材(基板等)を標的としてもよい。ここでの細胞としては哺乳動物(ヒト、サル、ウシ、ウマ、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター等)の各種細胞、例えば心筋細胞、平滑筋細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、破骨細胞、実質細胞、表皮角化細胞(ケラチノサイト)、上皮細胞(皮膚表皮細胞、角膜上皮細胞、結膜上皮細胞、口腔粘膜上皮、毛包上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、気道粘膜上皮細胞、腸管粘膜上皮細胞など)、内皮細胞(角膜内皮細胞、血管内皮細胞など)、神経細胞、グリア細胞、脾細胞、膵臓β細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、肝細胞、又はこれらの前駆細胞、或いは間葉系幹細胞(MSC)、胚性幹細胞(ES細胞)、胚性生殖細胞(EG細胞)、又は成体幹細胞などを使用することができる。また、正常細胞の他、癌細胞など何らかの異常を来した細胞、或いはHeLa細胞、CHO細胞、Vero細胞、HEK293細胞、HepG2細胞、Cos−7細胞、NIH3T3細胞、Sf9細胞などの株化された細胞等を使用することもできる。
一方、ここでのタンパク質としては受容体タンパク質、リガンドタンパク質、抗原タンパク質、抗体、酵素、ヒートショックプロテイン等を用いることができる。
ここで「親和性アッセイ」とは、標的に対する各ペプチド(各配列)の親和性を検出・評価する試験をいい、通常、各ペプチドと標的との接触操作及びそれに続く洗浄操作を伴う。洗浄操作は非特異的吸着を除去する目的で行われる。
ペプチドの種類毎に親和性アッセイを実施することも可能であるが、好ましくは複数の種類のペプチドについて同時にその標的に対する親和性を評価可能な親和性アッセイを行う。これによって操作時間を短縮できる。複数のペプチドが固定化されたペプチドチップを利用すればこのような親和性アッセイが可能である。ペプチドチップでは通常、多数のペプチドが配列毎に区画化されて基板に固定される。このようなペプチドチップを用いれば操作時間の大幅な短縮化を達成可能である。親和性アッセイに供する全てのペプチドが固定化されたペプチドチップを用いることが好ましい。但し、親和性アッセイに供するペプチドが二つ以上のペプチドチップに分かれて固定化されていてもよい。この場合には複数のペプチドチップを同条件下で標的との接触操作に供することになる。
ペプチドチップを用いることのもう一つの利点は、多数のペプチドと標的との親和性アッセイを完全に同一の条件で行えることである。この利点によって、ペプチドチップを使用すれば信頼性のより高いデータが得られる。
例えばランダム配列のペプチドライブラリーを固定化したペプチドチップを用いてこのステップを実施することができる。
(2)配列の選抜(図1の(ii))
ステップ(1)に続いて、高親和性配列及び低親和性配列を選抜する(ステップ(2))。このステップでは親和性アッセイで得られた、各配列の親和性データに基づき高親和性を示した配列と、低親和性を示した配列を選抜する。選抜する配列の数ないし割合は特に限定されない。例えば、使用した試料ペプチドを親和性の高い順に並べたときの上位1%〜20%、好ましくは上位1%〜10%を高親和性配列として選抜し、下位1%〜20%、好ましくは下位1%〜10%を低親和性配列として選抜する。
(3)数値データへの変換(図1の(iii))
ステップ(2)に続いて、N末端又はC末端からの位置毎にアミノ酸の特定の性質を数値化することによって、選抜した各配列を数値データに変換する(ステップ(3))。このステップは、選抜した各配列をFNNで解析可能な形態に変換するものである。このステップによって、選抜した各配列は、位置毎に特定の性質に関する数値が関連付けられたデータとなる。
アミノ酸の特定の性質としてはサイズ(大きさ)、疎水度(疎水性)、電荷、等電点、分岐の有無、硫黄元素の有無、ヒドロキシ基の有無、ベンゼン環の有無、及び複素環の有無からなる群より選択される一以上の性質が用いられる。好ましくはこの群より選択される二以上の性質が用いられる。この態様では各配列が、それを構成するアミノ酸の位置毎に二種類以上の数値を持つ数値データとなる。
本発明の好ましい一態様では、アミノ酸の特定の性質としてサイズ、疎水度、及び電荷の三つを用いる。これらの性質はアミノ酸の性質の中でも基本的なものであり、ペプチドの親和性を決定する上で重要と考えられる。
アミノ酸の性質の数値化の例を図2に示す。図2の表では、既報の指標(疎水度:Kyte, J. & Doolittle, R. F. (1982) A simple method for displaying the hydropathic character of a protein. J. Mol. Biol. 157, 105-132.、サイズ:Fauchere, J. L., Charton, M., Kier, L. B., Verloop, A. & Pliska, V. (1988) Amino acid side chain parameters for correlation studies in biology and pharmacology. Int. J. Peptide Protein Res. 32, 269-278.、電荷:Zimmerman, J. M., Eliezer, N. & Simha, R. (1968) The characterization of amino acid sequences in proteins by statistical methods. J. Theor. Biol. 21, 170-201)に基づいて各アミノ酸の疎水度、サイズ及び電荷が数値化されている。
(4)FNNモデルの構築(図1の(iv))
次に、ステップ(3)で得られた数値データを入力変数としてファジィニューラルネットワーク(FNN)解析を行い、予測モデルを構築する(ステップ(4))。ここで「ファジィニューラルネットワーク」とは、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network; ANN)とファジィ推論を組み合わせた方法をいい、ファジイ推論の欠点であるメンバーシップ関数の決定を人間に頼るという部分を回避すべく、ANNをファジィ推論に組み込み、その自動決定を行う方法である。学習機械のひとつであるANN(図3)は、生体の脳における神経回路網を数学的にモデル化したものであり、以下の特徴を持つ。ANNにおける学習は、目的の出力値(教師値)をもつ学習用のデータ(入力値; X)を用いて、バックプロパゲーション法(Back propagation; BP法)により教師値と出力値(Y)の誤差が小さくなるように、図3における○と○をつなぐ回路における結合荷重を変え、その出力値が教師値に近づくようにモデルを構築する過程であり、このBP法を用いれば、ANNは学習により自動的に知識を獲得することができる。そして、最終的に学習に用いていないデータを入力することにより、そのモデルの汎用性を評価することができる。従来、メンバーシップ関数の決定は、人間の感覚に頼っていたが、上で述べたようなANNをファジイ推論に組み込むことで自動的なメンバーシップ関数の同定が可能になる。これがFNNである。ANNと同様に、BP法を用いることによりネットワークに与えられた入出力関係を、結合荷重を変化させることで自動的に同定しモデル化することができる。FNNは、学習後のモデルを解析することでファジィ推論のように人間に理解しやすい言語的なルール(図1の(V)を参照)として知識を獲得できるという特徴をもっています。つまり、FNNは、その構造、特徴から、アミノ酸の性質を表した数値のような変数の組み合わせにおける最適なファジィ推論の組み合わせを自動決定し、ペプチドの親和性に関する推定とそのルールの生成を同時に行うことができる。
FNNの構造は入力層、シグモイド関数に含まれるパラメータWc、Wg を決定するメンバーシップ関数部分(前件部)、Wfを決定し、入力と出力の関係をルールとして取り出すことが可能なファジィルール部分(後件部)、出力層の4層から成り立っている(図4)。FNNのモデル構造を決定する結合荷重にはWc、Wg、Wfがある。結合荷重Wcは、メンバーシップ関数に用いられるシグモイド関数の中心位置、Wgは中心位置での傾きを決定する(図5)。結合荷重Wfは各ファジイ領域の推定結果に対する寄与を表しており、Wfよりファジィルールを導くことができる。
FNN解析におけるファジィルールの作成には結合荷重のひとつであるWf値が用いられる。Wf値が正の値で大きいと、そのユニットは高親和性と判定されることに対する寄与が大きく、そのルールに当てはまったアミノ酸を有するペプチドは「高親和性である」と判断される。Wf値が負の値で小さいと、そのユニットは低親和性であると判定されることに対する寄与が大きく、そのルールに当てはまったアミノ酸を有するペプチドは「低親和性である」と判断される。
図6に2つの入力で、small(S)とbig(B)の2つのルールの分割を用いたときのFNNの構造を示した。ファジールール部分であるSS(1入力目がsmall、2入力目がsmall)、SB、BS、BB に入る値は、その4つのノードにおける値の和が1になるように規格化される。そして、それぞれの値にWf(SS)、Wf(SB)、Wf(BS)、Wf(BB)をかけ、それらの和が出力値yになる。2つの入力、small(S)とbig(B)の2分割のときの、ファジールールの例を図7に示す。
(5)ルールの抽出(図1の(v))
上記のFNN解析の結果として構築された予測モデルより、アミノ酸と前記性質が配列上の一以上の位置において関連付けられたルールであって高親和性配列の特徴を表す一又は二以上のルールを抽出する(ステップ(5))。即ち、このステップではFNN解析で生成されたルール表を用いて、高親和性配列の特徴を表すルールを選び出す。抽出されるルールは一つに限らず、場合によっては複数のルールを抽出できる。尚、全ての位置のアミノ酸に対して特定の性質との関連付けが行われるとは限らない。換言すれば、抽出されるルールでは、最低一つの位置について、採用したアミノ酸の性質が関連付け(サイズが大きい、疎水度が高いなど)が行われる。
(6)ペプチドの設計(図1の(vi))
ルールが抽出されれば、それに従ってペプチドを設計する(ステップ(6))。例えばN末端から数えて1番目(以下、「位置1」)のアミノ酸についてサイズが大きいことが高親和性に寄与するとのルールが得られれば、アミノ酸のサイズを数値化するときにサイズが大きい側に分類された複数のアミノ酸のいずれかを位置1のアミノ酸として選抜する。このようにして位置毎に、ルールに従ったアミノ酸を選抜することで、それらの組合せからなるペプチドの構造を得る。このようにして、高い確率で高親和性を示すと予想されるペプチドの構造が設計される。
本発明の好ましい一態様ではこのステップにおいて、抽出されたルールに従って配列の異なる複数のペプチドを設計することにし、設計した複数のペプチドを再度、親和性アッセイ及びFNN解析に供する。即ち、この態様ではステップ(1)〜(6)のサイクルを繰り返すことになる。これによってルールの最適化が進み、より高親和性のペプチドの設計が可能となるとともに、ルールに従って設計されるペプチド中の高親和性ペプチドの割合が増加する。サイクルの繰り返し数は特に限定されない。例えば繰り返し数を1〜10とする。
2.高親和ペプチドの調製法
以上のようにして設計されたペプチドを実際に調製することによって高親和性ペプチドが得られる。このように本発明は、上記の設計法で設計されたペプチドを調製するステップを含む、高親和性ペプチドの調製法も提供する。公知のペプチド合成法(例えば固相合成法、液相合成法)によって目的のペプチドを調製することができる。尚、自動ペプチド合成機を利用すれば容易かつ迅速に目的のペプチドを合成することができる。
遺伝子工学的手法を用いて目的のペプチドを調製することにしてもよい。即ち、本発明のペプチドをコードする核酸を適当な宿主細胞に導入し、形質転換体内で発現されたペプチドを回収することにより目的のペプチドを得ることにしてもよい。回収されたペプチドは必要に応じて精製される。回収されたペプチドを適当な置換反応に供し、所望のペプチド修飾体に変換することもできる。
後述の実施例に示すように本発明者らは、本発明の設計法によって、高親和性を示すペプチドを実際に設計することに成功した。この成果に基づき本発明の他の局面は、配列番号:1〜70のいずれかに示されるアミノ酸配列からなる高親和性ペプチドを提供する。以下、これらのペプチドの配列を示す。尚、配列番号:1〜42のペプチドは、後述の実施例において抽出されたルール(IV)に従って合成されたペプチドの内、親和性アッセイにおいて1.5以上の比蛍光強度を示したものである。同様に配列番号:43〜70のペプチドは、後述の実施例において抽出されたルール(V)に従って合成されたペプチドの内、親和性アッセイにおいて1.5以上の比蛍光強度を示したものである。
GKFQ(配列番号:1)、MKHT(配列番号:2)、PKYL(配列番号:3)、MKKN(配列番号:4)、ARYD(配列番号:5)、VKRG(配列番号:6)、PRFQ(配列番号:7)、IRHM(配列番号:8)、MRKV(配列番号:9)、PKHI(配列番号:10)、AKKG(配列番号:11)、VKWS(配列番号:12)、AKRT(配列番号:13)、ARHG(配列番号:14)、MRHC(配列番号:15)、FRHI(配列番号:16)、PKKV(配列番号:17)、VKMS(配列番号:18)、AKHA(配列番号:19)、FKMV(配列番号:20)、IRKE(配列番号:21)、AKWQ(配列番号:22)、VKHI(配列番号:23)、MKWV(配列番号:24)、MKFN(配列番号:25)、ARYI(配列番号:26)、MKMV(配列番号:27)、PRRT(配列番号:28)、IRRG(配列番号:29)、IKRT(配列番号:30)、AKME(配列番号:31)、MRMV(配列番号:32)、MRKL(配列番号:33)、FKWP(配列番号:34)、ARYA(配列番号:35)、MKRP(配列番号:36)、IRHP(配列番号:37)、MKYQ(配列番号:38)、VKHP(配列番号:39)、VRMT(配列番号:40)、FKRL(配列番号:41)、FKWN(配列番号:42)、KGMH(配列番号:43)、KGIR(配列番号:44)、RSVF(配列番号:45)、RGVH(配列番号:46)、KGTR(配列番号:47)、HHYH(配列番号:48)、RIFF(配列番号:49)、KQCR(配列番号:50)、RPVH(配列番号:51)、RFYR(配列番号:52)、KSSY(配列番号:53)、RECY(配列番号:54)、RYNH(配列番号:55)、HLVK(配列番号:56)、RTWR(配列番号:57)、HAQK(配列番号:58)、HFFR(配列番号:59)、KWGK(配列番号:60)、KPDK(配列番号:61)、HMMR(配列番号:62)、HCMY(配列番号:63)、RAMR(配列番号:64)、RVWK(配列番号:65)、KENK(配列番号:66)、REWR(配列番号:67)、HQWY(配列番号:68)、RHDF(配列番号:69)、KACW(配列番号:70)
これらのペプチドは接着ペプチドとして、培養基材、移植材料(細胞移植の際の基質やDDSのキャリア等)、細胞ターゲティング等への利用が期待される。特に、配列番号:1〜8及び43〜48のいずれかで示されるペプチド(親和性アッセイで2.0以上の比蛍光強度を示したもの)は親和性が極めて高く、接着ペプチドとしての利用が大いに期待される。
高接着性を維持する限り、上記のペプチドに何らかの修飾が施されていても良い。即ち、本発明の一態様は、上記ペプチドの修飾体(以下、「修飾ペプチド」という)を提供する。本発明における「修飾ペプチド」とは、基本構造としての特定のペプチドの一部(複数箇所であってもよい)を他の原子団等で置換すること、或いは他の分子を付加すること等の修飾を施すことによって、少なくとも一部において当該ペプチドと相違する構造の化合物をいう。
当業者であれば、周知ないし慣用の手段を用いて上記のペプチドを基本とした置換体などの修飾体を設計することができる。また、かかる設計に基づき、周知ないし慣用の手段を用いて目的の修飾体を調製することができる。
修飾ペプチドの代表例としては、ペプチドを構成するアミノ酸残基において側鎖の一部(原子又は原子団)が他の原子又は原子団で置換されたペプチド誘導体を挙げることができる。このようなペプチド誘導体は、最終生成物として当該ペプチド誘導体が得られるように設計された任意の製造工程によって調製することができる。したがって、目的のペプチド誘導体が、あるペプチドにおいて一部(例えば側鎖の一部である原子団)が特定の原子団によって見かけ上置換されたものである場合には、当該目的のペプチド誘導体はこの見かけ上基本となるペプチドを出発材料として当該特定の原子団を用いた置換反応によって製造されたものであっても、或いは例えば他の構造のペプチドを出発材料として適当な置換反応等(場合によって複数工程であってもよい)によって製造されたものであってもよい。
ここでの他の原子又は原子団としては、ヒドロキシル基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等)、ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アシル基(ホルミル基、アセチル基、マロニル基、ベンゾイル基等)等を例示することができる。
尚、修飾ペプチドには、構成アミノ酸残基内の官能基が適当な保護基によって保護されているものも含まれる。このような目的に使用される保護基としては、アシル基、アルキル基、単糖、オリゴ糖、多糖等を用いることができる。このような保護基は、保護基を結合させるペプチド部位や使用する保護基の種類などに応じて、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合、尿素結合等によって連結される。
修飾ペプチドの他の例としては、糖鎖の付加による修飾が施されているものを挙げることができる。また、N末端又はC末端が他の原子等で置換されることによってアルキルアミン、アルキルアミド、スルフィニル、スルフォニルアミド、ハライド、アミド、アミノアルコール、エステル、アミノアルデヒド等に分類される各種ペプチド誘導体も修飾ペプチドの一つである。
修飾ペプチドの更なる例は標識化ペプチドである。例えばN末端がビオチン標識やFITC標識されたペプチド、蛍光色素で標識化されたペプチドなどが標識化ペプチドに該当する。
尚、以上で説明した各種の修飾方法を組み合わせることによって構成されるペプチド誘導体を本発明の修飾ペプチドとしてもよい。
1.マウス線維芽細胞を標的とした高親和性ペプチドの設計
標的に対して高親和性を示すペプチドの設計手法のストラテジーを図1に示す。本手法は全6行程で構成されている。まず、ペプチドアレイ上にランダム配列のペプチドライブラリーを作製し、細胞を用いた親和性アッセイを行い、各配列における親和性データの取得を行う(i)(ii)。得られたデータから高親和性配列、低親和性配列のものを選出する(ii)。選出されたペプチドの各位置のアミノ酸の特徴量(サイズ、疎水度、電荷)を数値化し、ペプチド配列を数値データに変換する(iii)。数値化データをFNNに入力し解析を行う(iv)。FNNにより構築された予測モデルから高親和性配列に見られる配列的特徴をルールとして抽出する(v)。ルールに従ってペプチドをデザインする(vi)。デザインされたペプチドをアレイ上に合成し、親和性アッセイを行う。ルールの絞り込み(最適化)のために(i)〜(vi)のサイクルを繰り返す。
以上の手法の有効性を検証するため、モデルケースとしてマウス繊維芽細胞に対する親和性ペプチドの設計を試みた。尚、以下の実験では、ステップ(v)において低親和性配列についてもルールを抽出することにし、当該ルールに従って設計したペプチドを比較対照に使用する。
(1)実験材料及び方法
(1−1)細胞及び培地
マウス線維芽細胞であるNIH/3T3(American Type Culture Collection, Manassas, VA, USA)を10% ウシ胎仔血清(SIGMA)、100 μg/ ml ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco, Gaithersgurg, MD)、非必須アミノ酸(Gibco, Gaithersgurg, MD)10mlを添加したDMEM培地(Dulbeccos’ Minimum Eagle’s Medium)(Gibco, Gaithersgurg, MD)で、37℃、5% CO2の条件下で培養した。
(1−2)ペプチドチップの作製
Fmoc固相合成法による定法により、4残基ランダム配列のペプチドチップを作製し、メタノールによる簡易殺菌処理後、細胞アッセイに用いた。
(1−3)ペプチドチップを用いた細胞接着誘導(親和性アッセイ)
ペプチドチップ上に細胞を播種し、37℃、5% CO2の条件下で短時間培養を行った。その後、生理食塩水による洗浄を行うことで非接着細胞を取り除いた。接着細胞数の評価は、蛍光色素calcein AM(Molecular Probes, Leiden, Netherland)を用い(Ex : 485nm, Em : 538nm)、ペプチド合成を行っていないセルロース膜の蛍光強度を1.0とし、相対細胞接着量(Relative cell adhesion)として評価した。
(1−4)FNNを用いた接着ペプチド予測モデルの構築
ペプチドが細胞接着を誘導するための配列的特性を見出し、新規ペプチドのデザインを行うには大規模データからその特性を取り出すデータマイニング処理が必要である。本手法では細胞接着の予測、配列的特性(ルール)の抽出を同時に行うことが可能であるFNNに注目し、ペプチドチップを用いた親和性アッセイ(細胞アッセイ)の結果得られた接着ペプチド(ポジティブデータ)、非接着ペプチド(ネガティブデータ)を用いて解析を行った。ペプチドの特性を表す指標として各位置(position)のアミノ酸のサイズ、疎水度及び電荷を用いた(図2)。サイズについてはZimmermanのインデックス(Zimmerman, J. M., Eleizer, N., and Simha, R. : The characterization of amino acid sequences in proteins by statistical methods. J. Theor. Biol., 21, 170-201(1968) )、疎水度についてはKyteのインデックス(Kyte, J., and Doolittle, R. F. : A simple method for displaying the hydropathic character of a protein. J. Mol. Biol., 157, 105-132(1982))、電荷についてはFauchereのインデックス(Fauchere, J. L., Charton, M., Kier, L. B., Verloop, A., and Pliska, V. : Amino acid side chain parameters for correlation studies in biology and pharmacology. Int. J. Peptide Protein Res., 32, 269-278(1988))を用いた。アミノ酸の位置は、ペプチドのN末端側から順にP1(N末端から数えて1番目の位置)、P2(N末端から数えて2番目の位置)、P3(N末端から数えて3番目の位置)、及びP4(N末端から数えて4番目の位置)とした。
位置毎のアミノ酸の性質を表した入力変数が「どの程度細胞接着に関与しているのか」という問題を、入力変数を用いて構築されたFNNが「ポジティブ(positive)、ネガティブ(negative)をどの程度の精度で判別できるのか」という問題に帰着させ、その評価値に正答率(Accuracy)を用いた。本研究では入力値としてポジティブデータを+1、ネガティブデータを-1とし、ポジティブデータの場合は出力値>0、ネガティブデータの場合は出力値<0となった時を正解とし、正解数の割合を正答率とした。
全データを用いて解析を行う際、全データを変数選択に用いるためのモデリングデータ(modeling data)とその変数の汎用性の検討に用いるブラインドデータ(blind data)に分割した。4分割クロスバリデーションを行うにあたり、全データをデータセットごとにポジティブデータ(positive data)とネガティブデータ(negative data)の数が均一になるように4分割し、そのうちの3つをモデリングデータ、残りの1つをブラインドデータとして用いた。
入力変数の選択には変数増化法を用いた。変数選択に用いるモデリングデータを4分割し、3つを学習用データ、1つを評価用データとして用いた。学習用データはある入力変数を用いた時、FNNでのパラメータの最適化を行うためのデータである。また、評価用データは学習を行う際、学習用データに特化したモデルが構築される(過学習)ことを防ぐためのデータであり、学習を行うごとにそのFNNモデルの評価に用いた。
過学習を防ぐため、モデリングデータ内で分割されたデータは必ず一度評価用として用いられる(クロスバリデーション)。全ての変数に関して、その変数を用いた際の基準値が学習用データと評価用データ、それぞれについて算出され、平均化したIが最大になったときの変数を最適変数として選択した。2つ目以降の入力変数を選択する際は、選択された1つ目の変数は固定され、上記と同様の過程を経て変数選択が行われる。
上記操作によりモデリングデータから変数を3つ選択し、構築したモデルをモデリングに用いていないブラインドデータを用いて評価を行った。また、データセット(data set)による変数選択の偏りを避けるため、全データをモデリングデータとブラインドデータに複数回分割し、それぞれについて変数選択を行い、最も選択回数の多い変数をモデル構築に用いる入力変数とした。構築されたモデルはファジールール(fuzzy rule)として表し、Wf値およびif - thenルール表を基にポジティブ・ペプチド、ネガティブ・ペプチドを予測する配列ルール表を作製した。
(2)結果
1回目のFNN解析によって作成された配列ルール表を図8に示す。(a)はif - thenルール表、(b)はWf値を示す表である。このようにP1のアミノ酸のサイズ、P2のアミノ酸の電荷、及びP4のアミノ酸のサイズに基づくルール表が作成された。このルール表より、高親和性の特徴を示すルール(ポジティブルールと呼ぶ)が二つ(図9のルール(I)及びルール(II))、低親和性の特徴を示すルール(ネガティブルールと呼ぶ)が一つ(図9のルール(III))抽出される。if - thenルール表の各セル内の一組の数値は、当該セルに関連付けられた特徴を満たす接着ペプチド(ポジティブデータ)の数(左側)及び同非接着ペプチド(ネガティブデータ)の数(右側)である。尚、FNN解析ではアミノ酸の位置毎、各パラメータに関する閾値が設定されることから、見た目上同一の条件であっても選抜されるアミノ酸が相違することがある。例えばP1のサイズに関する条件とP2のサイズに関する条件は同一(小)であるが、選抜されるアミノ酸は異なる。
ルールの絞り込み(最適化)を行うために、1回目のFNN解析の結果から抽出した上記のポジティブルールに従い合成したペプチドを用いて親和性アッセイ〜FNN解析のサイクルを繰り返した。尚、ルール(I)に従うペプチドとして270種類のペプチド、ルール(II)に従うペプチドとして270種類のペプチドを合成し、親和性アッセイに使用した。
2回目のFNN解析によって作成された配列ルール表を図10(ルール(I)に従うペプチドを用いた場合)及び図11(ルール(II)に従うペプチドを用いた場合)に示す。図10の配列ルール表よりポジティブルールとして以下のルール(IV)(図9を参照)が抽出される。尚、P2とP4については新たなルールは付与されず、これらの位置についてはルール(I)における対応するルールが適用される。
一方、図11の配列ルール表より、ポジティブルールとして以下のルール(V)(図9を参照)が抽出される。尚、P2とP4については新たなルールは付与されず、これらの位置についてはルール(I)における対応するルールが適用される。
<ルール(IV)>
P1はサイズ小で電荷大:Ala, Gly, Ile, Leu, Met, Pro, 又はVal
P2は電荷大:Arg又はLys
P3はサイズ大で電荷大:Arg, His, Lys, Met, Phe, Trp, 又はTyr
P4はサイズ小:Ala, Asn, Asp, Cys, Gln, Glu, Gly, Ile, Leu, Met, Pro, Ser, Thr, 又はVal
<ルール(V)>
P1はサイズ小で疎水度小:Arg, His, 又はLys
P2は電荷小: Ala, Asn, Asp, Cys, Gln, Glu, Gly, His, Ile, Leu, Met, Phe, Pro, Ser, Thr, Trp, Tyr, 又はVal
P3は電荷小: Ala, Asn, Asp, Cys, Gln, Glu, Gly, Ile, Leu, Met, Phe, Ser, Thr, Trp, Tyr, 又はVal
P4はサイズ大: Arg, His, Lys, Phe, Trp, 又はTyr
ルール(IV)に従った任意の配列からなるペプチド50種類と、ルール(V)に従った任意の配列からなるペプチド50種類を合成し、それらの細胞接着性を評価した。細胞接着性の評価法は上記(1−3)の方法に従った。
細胞接着性試験の結果を図12に示す。(a)のグラフではルール(I)〜(V)について試験結果が比較される。(b)ではルール(IV)、(V)の試験結果(黒塗り)、及びそれらの逆ルールの試験結果(斜線)が示される。尚、いずれのルールにも従わないペプチド(ランダム配列ペプチド)を使用した場合の試験結果をコントロールとした。また、各グラフの縦軸は比蛍光強度の平均値である。
図12より、ポジティブルール((I)、(II)、(IV)、(V))に従うことによって、無血清条件下において高親和性を示すペプチド(接着性ペプチド)が設計されることがわかる。特に、ルール(IV)、(V)では比蛍光強度の平均値(ルール(IV):1.77、ルール(V):1.56)が、コントロールの値(1.24)に比較して明らかに上昇している。一方、ルール(I)、(II)の場合の値に比較してルール(IV)、(V)の場合の値は有意に高く、親和性アッセイ〜FNN解析のサイクルを繰り返すことによって、ルールが絞り込まれ(最適化が進み)、より親和性の高いペプチドを設計できたことがわかる。
ルール(IV)に従って合成されたペプチドを親和性の高い順から並べた表を図13に示す。ルール(IV)に従って合成されたペプチドの約80%(以下に列挙するペプチド)が比蛍光強度値1.5以上を示した。
GKFQ(配列番号:1)、MKHT(配列番号:2)、PKYL(配列番号:3)、MKKN(配列番号:4)、ARYD(配列番号:5)、VKRG(配列番号:6)、PRFQ(配列番号:7)、IRHM(配列番号:8)、MRKV(配列番号:9)、PKHI(配列番号:10)、AKKG(配列番号:11)、VKWS(配列番号:12)、AKRT(配列番号:13)、ARHG(配列番号:14)、MRHC(配列番号:15)、FRHI(配列番号:16)、PKKV(配列番号:17)、VKMS(配列番号:18)、AKHA(配列番号:19)、FKMV(配列番号:20)、IRKE(配列番号:21)、AKWQ(配列番号:22)、VKHI(配列番号:23)、MKWV(配列番号:24)、MKFN(配列番号:25)、ARYI(配列番号:26)、MKMV(配列番号:27)、PRRT(配列番号:28)、IRRG(配列番号:29)、IKRT(配列番号:30)、AKME(配列番号:31)、MRMV(配列番号:32)、MRKL(配列番号:33)、FKWP(配列番号:34)、ARYA(配列番号:35)、MKRP(配列番号:36)、IRHP(配列番号:37)、MKYQ(配列番号:38)、VKHP(配列番号:39)、VRMT(配列番号:40)、FKRL(配列番号:41)、FKWN(配列番号:42)
これらの中でもGKFQ(配列番号:1)、MKHT(配列番号:2)、PKYL(配列番号:3)、MKKN(配列番号:4)、ARYD(配列番号:5)、VKRG(配列番号:6)、PRFQ(配列番号:7)、及びIRHM(配列番号:8)の比蛍光強度値は2.0以上であり、極めて親和性が高いといえる。
一方、図14に示すように、ルール(V)に従って合成されたペプチドについてもその50%以上(以下に列挙するペプチド)が比蛍光強度値1.5以上を示した。
KGMH(配列番号:43)、KGIR(配列番号:44)、RSVF(配列番号:45)、RGVH(配列番号:46)、KGTR(配列番号:47)、HHYH(配列番号:48)、RIFF(配列番号:49)、KQCR(配列番号:50)、RPVH(配列番号:51)、RFYR(配列番号:52)、KSSY(配列番号:53)、RECY(配列番号:54)、RYNH(配列番号:55)、HLVK(配列番号:56)、RTWR(配列番号:57)、HAQK(配列番号:58)、HFFR(配列番号:59)、KWGK(配列番号:60)、KPDK(配列番号:61)、HMMR(配列番号:62)、HCMY(配列番号:63)、RAMR(配列番号:64)、RVWK(配列番号:65)、KENK(配列番号:66)、REWR(配列番号:67)、HQWY(配列番号:68)、RHDF(配列番号:69)、KACW(配列番号:70)
これらの中でもKGMH(配列番号:43)、KGIR(配列番号:44)、RSVF(配列番号:45)、RGVH(配列番号:46)、KGTR(配列番号:47)、及びHHYH(配列番号:48)の比蛍光強度値は2.0以上であり、極めて親和性が高いといえる。
以上の通り、本手法は高親和性ペプチドを設計、合成するための手段として極めて有効であることが確認された。
本発明の設計法によれば、標的に対して高親和性を示すペプチドを効率的に設計することができる。本発明の設計法は受容体や抗原物質といったタンパク質を標的にした際にも用いることが可能である。このように本発明の設計法は汎用性が高く、様々な分野で利用されることが期待される。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
高親和性を示すペプチドの設計手法のストラテジーを示す図。 アミノ酸のサイズ、疎水度及び電荷の指標を示す図。 ANNの構造を示す図。 FNNの構造を示す図。 シグモイド関数を示す図。 2入力2分割1出力のFNNの模式図。 ファジールールの例。表中のSはsmall(小)を、Bはbig(大)をそれぞれ表す。 1回目のFNN解析によって作成された配列ルール表。 抽出されたペプチド設計ルールをまとめた表。 2回目のFNN解析によって作成された配列ルール表(ルール(I)に従うペプチドを用いた場合)。 2回目のFNN解析によって作成された配列ルール表(ルール(II)に従うペプチドを用いた場合)。 細胞接着性試験の結果を示すグラフ。(a)のグラフはルール(I)〜(V)についての試験結果の比較。縦軸は比蛍光強度の平均値。*はコントロールに比較して統計的に有意であることを表す(p<0.05)。(b)のグラフはルール(IV)、(V)の試験結果の比較。斜線は逆ルールの試験結果。縦軸は比蛍光強度の平均値。**は逆ルールに比較して統計的に有意であることを表す。 抽出されたルール(IV)に従って合成されたペプチドを親和性の高い順から並べた表。 抽出されたルール(V)に従って合成されたペプチドを親和性の高い順から並べた表。

Claims (13)

  1. 以下の(1)〜(6)のステップを含む、高親和性ペプチドの設計法、
    (1)配列の異なる複数のペプチドと標的とを用いた親和性アッセイを行い、該標的に対する各配列の親和性データを取得するステップ、
    (2)高親和性配列及び低親和性配列を選抜するステップ、
    (3)N末端又はC末端からの位置毎にアミノ酸の特定の性質を数値化することによって、選抜した各配列を数値データに変換するステップ、
    (4)得られた数値データを入力変数としてファジィニューラルネットワーク解析を行い、予測モデルを構築するステップ、
    (5)構築された予測モデルより、アミノ酸と前記性質が配列上の一以上の位置において関連付けられたルールであって高親和性配列の特徴を表す一又は二以上のルールを抽出するステップ、
    (6)抽出したルールに従ってペプチドを設計するステップ。
  2. ステップ(6)において、配列の異なる複数のペプチドを設計することにし、
    ステップ(7)として、設計した複数のペプチドを用いてステップ(1)〜(6)を行う、請求項1に記載の設計法。
  3. ステップ(7)を2回以上繰り返す、請求項2に記載の設計法。
  4. 前記親和性アッセイが、複数のペプチドが配列毎に区画化されて基板に固定されてなるペプチドチップを用いて行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の設計法。
  5. ステップ(1)における前記複数のペプチドの長さが等しい、請求項1〜4のいずれかに記載の設計法。
  6. ステップ(1)における前記複数のペプチドはいずれも3〜15個のアミノ酸からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の設計法。
  7. ステップ(1)における前記複数のペプチドが、無作為に選択されたアミノ酸配列を有するペプチドの集合からなる、請求項1〜6のいずれかに記載の設計法。
  8. 前記標的が細胞、タンパク質、ペプチド等の生体高分子、又は金属、半導体、無機材料若しくは合成高分子を材料とする微粒子若しくは基材である、請求項1〜7のいずれかに記載の設計法。
  9. ステップ(3)における前記特定の性質が、サイズ、疎水度、電荷、等電点、分岐の有無、硫黄元素の有無、ヒドロキシ基の有無、ベンゼン環の有無、及び複素環の有無からなる群より選択される一以上の性質である、請求項1〜8のいずれかに記載の設計法。
  10. ステップ(3)における前記特定の性質が、前記群より選択される二以上の性質である、請求項9に記載の設計法。
  11. ステップ(3)における前記特定の性質がサイズ、疎水度、及び電荷である、請求項1〜8のいずれかに記載の設計法。
  12. 請求項1〜11のいずれかの設計法で設計されたペプチドを調製するステップを含む、高親和性ペプチドの調製法。
  13. 配列番号:1〜70のいずれかに示されるアミノ酸配列からなる高親和性ペプチド。
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