JP2008063016A - エレベータのワイヤロープ - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータ用ワイヤロープの心綱からストランドに向かって、長期間にわたりグリースやオイルを供給できるようにする。
【解決手段】本発明のエレベータ用ワイヤロープ20は、心綱21と、この心綱21の周りに撚り合わされたストランド22a〜22fとを備え、心綱21の素線24には潤滑剤を封入したカプセル23が付設されている。カプセル23は、その厚みや大きさ、材質が異なっているため、これらのカプセル23が疲労破壊して潤滑剤や防錆剤、添加剤が取り出されるまでの時間は様々であり、長期間にわたってワイヤロープを潤滑し防錆することができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のエレベータ用ワイヤロープ20は、心綱21と、この心綱21の周りに撚り合わされたストランド22a〜22fとを備え、心綱21の素線24には潤滑剤を封入したカプセル23が付設されている。カプセル23は、その厚みや大きさ、材質が異なっているため、これらのカプセル23が疲労破壊して潤滑剤や防錆剤、添加剤が取り出されるまでの時間は様々であり、長期間にわたってワイヤロープを潤滑し防錆することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレベータのワイヤロープに関し、より詳しくは、ワイヤロープを構成している心綱に潤滑あるいは防錆のためのグリースやオイルを保持する技術の改良に関する。
従来、ロープ式のエレベータにおいては、図3に示したように、機械室1に設けた巻上機2のトラクションシーブ3およびそらせシーブ4にメインロープ5を巻き掛けるとともに、このメインロープ5の両端に乗りかご6および釣合錘7をそれぞれ接続し、昇降路8の内部でつるべ式に昇降させるようになっている。
また、乗りかご6および釣合錘7からはコンペンロープ9が垂下してコンペンシーブ10に巻き掛けられ、乗りかご6および釣合錘7の昇降に伴ってメインロープ5の長さに不釣合が生じたときに、その重量の不釣合を補償するようになっている。
さらに、エレベータには、乗りかご6が所定値を超えた速度で降下し始めたことを検出して非常制動をかけるための調速機(図示せず)が設けられており、機械室1に設けられた上側シーブ11と昇降路8の下部に設けられた下側シーブ12との間にガバナロープ13が巻き掛けられ、その途中の部分が乗りかご6に接続されている。
また、乗りかご6および釣合錘7からはコンペンロープ9が垂下してコンペンシーブ10に巻き掛けられ、乗りかご6および釣合錘7の昇降に伴ってメインロープ5の長さに不釣合が生じたときに、その重量の不釣合を補償するようになっている。
さらに、エレベータには、乗りかご6が所定値を超えた速度で降下し始めたことを検出して非常制動をかけるための調速機(図示せず)が設けられており、機械室1に設けられた上側シーブ11と昇降路8の下部に設けられた下側シーブ12との間にガバナロープ13が巻き掛けられ、その途中の部分が乗りかご6に接続されている。
上述したメインロープ5、コンペンロープ9、ガバナロープ13は、一般的に、図4および図5に示した構造を有している。
メインロープ5を例にとって説明すると、図4の断面図の中央に位置しているのはメインロープ5の心綱5aであり、麻やポリプロピレン製の心綱素線5bを撚り合わせあるいは編み上げた構造となっている。
そして、心綱5aの周囲には6本または8本のストランド5cが巻き付けられているが、これらのストランド5cは、図5に示したように、一般的には鋼線である素線5dを撚り合わせた構造となっている。
メインロープ5を例にとって説明すると、図4の断面図の中央に位置しているのはメインロープ5の心綱5aであり、麻やポリプロピレン製の心綱素線5bを撚り合わせあるいは編み上げた構造となっている。
そして、心綱5aの周囲には6本または8本のストランド5cが巻き付けられているが、これらのストランド5cは、図5に示したように、一般的には鋼線である素線5dを撚り合わせた構造となっている。
また、エレベータに用いるワイヤロープにおいては、潤滑および防錆のためのオイルやグリースがその心綱に予め含浸されており、ストランドに向かって次第に滲み出ることによってストランドを潤滑防錆し、その素線の摩耗を防止して耐久性を向上させるようになっている。
しかしながら、エレベータの使用環境によっては、ストランドの素線の表面から早期にオイルやグリースが失われることがあるため、作業員が刷毛を用いてオイルを塗布したりロープ給油器を設置したりしている(下記、特許文献1,2を参照)。
しかしながら、エレベータの使用環境によっては、ストランドの素線の表面から早期にオイルやグリースが失われることがあるため、作業員が刷毛を用いてオイルを塗布したりロープ給油器を設置したりしている(下記、特許文献1,2を参照)。
しかしながら、作業員による刷毛を用いた手作業では、塗布したオイルが過剰となって飛散し周囲に付着することがあった。
また、ロープ給油器には定期的にオイルを補充する必要があるため、エレベータを停止させざるを得ず、エレベータの運行に支障をきたすこともあった。
また、ロープ給油器には定期的にオイルを補充する必要があるため、エレベータを停止させざるを得ず、エレベータの運行に支障をきたすこともあった。
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、エレベータに用いるワイヤロープの心綱からストランドの素線に向かって長期間にわたりグリースやオイルを供給できるように改良されたワイヤロープを提供することにある。
上記の課題を解決する本発明は、エレベータに用いるワイヤロープであって、心綱と、この心綱の周りに配設されたストランドとを備え、前記心綱には潤滑剤を封入したカプセルが付設されていることを特徴とする。
このとき、カプセルは、その厚みや大きさ、材質が異なる複数の種類のカプセルから構成することができる。
また、潤滑剤は、心綱に予め含浸させるグリースやオイルと同じとし、あるいは潤滑や防錆のための添加剤のみを封入することもできる。
このとき、カプセルは、その厚みや大きさ、材質が異なる複数の種類のカプセルから構成することができる。
また、潤滑剤は、心綱に予め含浸させるグリースやオイルと同じとし、あるいは潤滑や防錆のための添加剤のみを封入することもできる。
すなわち、本発明のエレベータのワイヤロープは、シーブに巻き掛けられて屈伸を繰り返すうちにカプセルが徐々に疲労破壊し、その内部に封入されている潤滑剤や防錆剤、添加剤が取り出され、ストランドを構成している素線に徐々に浸透してこれを潤滑する。
このとき、心綱に付設されているカプセルの厚みや大きさ、材質が様々に異なっているため、カプセルが疲労破壊して潤滑剤や防錆剤、添加剤が取り出されるまでの時間は様々であり、したがって長期間にわたってワイヤロープを潤滑し防錆することが可能となる。
このとき、心綱に付設されているカプセルの厚みや大きさ、材質が様々に異なっているため、カプセルが疲労破壊して潤滑剤や防錆剤、添加剤が取り出されるまでの時間は様々であり、したがって長期間にわたってワイヤロープを潤滑し防錆することが可能となる。
本発明によれば、エレベータに用いるワイヤロープの心綱からストランドの素線に向かって長期間にわたりグリースやオイルを順次供給できるように改良されたワイヤロープを提供することができる。
以下、図1および図2を参照し、本発明に係るエレベータのワイヤロープの一実施形態について詳細に説明する。
図1にその断面を示したエレベータのワイヤロープ20は、例えば、図3に示したロープ式エレベータのメインロープ5として使用するものであり、麻やポリプロピレン等の繊維、あるいは金属製の心綱素線24を撚り合わせあるいは編み上げてなる心綱21の周りに、素線としての鋼線を撚り合わせてなる6本のストランド22a〜22fを配置した構造となっている。
そして、心綱21の素線24には、グリースやオイル等の潤滑剤、添加剤を封入した多数のマイクロカプセル23が付設されている。
そして、心綱21の素線24には、グリースやオイル等の潤滑剤、添加剤を封入した多数のマイクロカプセル23が付設されている。
マイクロカプセル23は、図2に示したように、心綱21の素線24の製造と同時に付設することもできるし、心綱21の素線24を撚り合わせあるいは編み上げることによって心綱を製造するときに心綱の内部および外部に付設することもできる。
マイクロカプセル23は、例えば、ポリウレタン系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリアミド系樹脂組成物、ポリウレア系樹脂組成物、フェノール系樹脂組成物、ポリビニルアルコール系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物から製作することができる。
マイクロカプセル23は、例えば、界面重合法,In-situ重合法,相分離法,液中乾燥法,オリフィス法,スプレードライ法,気中懸濁被覆法,ハイブリダンザー法等によって製造することができる。
また、マイクロカプセル23を製造した時点では、その粒径分布にばらつきが生じているので、遠心分離法やフィルター法によって所定の粒径、したがって所定の肉厚を有するマイクロカプセルを選択的に分離することもできる。
なお、マイクロカプセル23の平均粒径は、例えば10μm〜500μmとすることができる。
これは、マイクロカプセル23の粒径が10μm未満であると、内包するグリースやオイル,添加剤の量が不十分となる場合がおそれがあり、500μmを超えるとワイヤロープ20の心綱21の素線24への付設が効率よく行えなくなるおそれがあるからである。
しかしながら、ワイヤロープの構造に応じてマイクロカプセル23の粒径を最適に選択できることは言うまでもない。
なお、マイクロカプセル23の平均粒径は、例えば10μm〜500μmとすることができる。
これは、マイクロカプセル23の粒径が10μm未満であると、内包するグリースやオイル,添加剤の量が不十分となる場合がおそれがあり、500μmを超えるとワイヤロープ20の心綱21の素線24への付設が効率よく行えなくなるおそれがあるからである。
しかしながら、ワイヤロープの構造に応じてマイクロカプセル23の粒径を最適に選択できることは言うまでもない。
さらに、マイクロカプセル23に封入するグリースやオイルの種類は、エレベータのワイヤロープに一般的に用いるものとすることができるが、それには限定されない。
例えば、グリースやオイルに一般的に添加されている酸化防止剤,防錆剤,極圧剤,油性剤,及び金属不活性化剤等をグリースやオイルに混合して、あるいはこれらの添加剤を単独でマイクロカプセル23に封入することができる。
例えば、グリースやオイルに一般的に添加されている酸化防止剤,防錆剤,極圧剤,油性剤,及び金属不活性化剤等をグリースやオイルに混合して、あるいはこれらの添加剤を単独でマイクロカプセル23に封入することができる。
すなわち、本実施形態のエレベータのワイヤロープ20においては、例えばトラクションシーブ3やそらせシーブ5に巻き掛けられて屈伸を繰り返すうちにマイクロカプセル23が徐々に疲労破壊し、その内部に封入されているグリースやオイル、添加剤が取り出され、ストランド22a〜22fを構成している素線に徐々に浸透してこれを潤滑する。
このとき、心綱21の素線24に付設されているマイクロカプセル23は、その粒径、したがってその壁厚や、大きさ、材質が様々に異なっているため、それが疲労破壊して潤滑剤や防錆剤、添加剤が取り出されるまでの時間は様々である。
したがって、ワイヤロープ20の心綱に予め含浸させてあったグリースやオイルが消耗し、ストランド22a〜22fの素線が乾燥し始めるときに、マイクロカプセル23からグリースやオイルが供給され始めるようにすることができる。
さらには、マイクロカプセル23から順次供給されるグリースやオイルによって、ワイヤロープ20を長期間にわたって潤滑しかつ防錆することが可能となる。
したがって、ワイヤロープ20の心綱に予め含浸させてあったグリースやオイルが消耗し、ストランド22a〜22fの素線が乾燥し始めるときに、マイクロカプセル23からグリースやオイルが供給され始めるようにすることができる。
さらには、マイクロカプセル23から順次供給されるグリースやオイルによって、ワイヤロープ20を長期間にわたって潤滑しかつ防錆することが可能となる。
以上、本発明に係るエレベータのワイヤロープの一実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、エレベータのメインロープについて説明したが、コンペンロープやガバナロープにも本発明を適用できることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、エレベータのメインロープについて説明したが、コンペンロープやガバナロープにも本発明を適用できることは言うまでもない。
1 機械室
2 巻上機
3 トラクションシーブ
4 そらせシーブ
5 メインロープ
5a 心綱
5b ストランド
5c 心綱素線
5d ストランド素線
6 乗りかご
7 釣合錘
8 昇降路
9 コンペンロープ
10 コンペンシーブ
11 上側シーブ
12 下側シーブ
13 ガバナロープ
20 本発明のワイヤロープ
21 心綱
22a〜22f ストランド
23 マイクロカプセル
24 心綱の素線
2 巻上機
3 トラクションシーブ
4 そらせシーブ
5 メインロープ
5a 心綱
5b ストランド
5c 心綱素線
5d ストランド素線
6 乗りかご
7 釣合錘
8 昇降路
9 コンペンロープ
10 コンペンシーブ
11 上側シーブ
12 下側シーブ
13 ガバナロープ
20 本発明のワイヤロープ
21 心綱
22a〜22f ストランド
23 マイクロカプセル
24 心綱の素線
Claims (4)
- エレベータに用いるワイヤロープであって、
心綱と、
この心綱の周りに配設されたストランドとを備え、
前記心綱には潤滑剤を封入したカプセルが付設されていることを特徴とするエレベータのワイヤロープ。 - 前記カプセルは、その厚みや大きさ、材質が異なる複数のカプセルから構成されていることを特徴とする請求項1に記載したエレベータのワイヤロープ。
- 前記潤滑剤は、前記心綱に予め含浸させるグリースあるいはオイルであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのワイヤロープ。
- 前記カプセルには、前記ストランドを潤滑し防錆するための添加剤が封入されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのワイヤロープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006239235A JP2008063016A (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | エレベータのワイヤロープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006239235A JP2008063016A (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | エレベータのワイヤロープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008063016A true JP2008063016A (ja) | 2008-03-21 |
Family
ID=39286062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006239235A Withdrawn JP2008063016A (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | エレベータのワイヤロープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008063016A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012021134A1 (en) * | 2010-08-13 | 2012-02-16 | Otis Elevator Company | Load bearing member having protective coating and method therefor |
-
2006
- 2006-09-04 JP JP2006239235A patent/JP2008063016A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012021134A1 (en) * | 2010-08-13 | 2012-02-16 | Otis Elevator Company | Load bearing member having protective coating and method therefor |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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