〔パチンコ遊技機の全体構造〕
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ遊技機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機1の正面図であり、図3は、パチンコ遊技機1の背面図であり、図4は、パチンコ遊技機1の側面図であり、図5は、パチンコ遊技機1の平面図であり、図6は、パチンコ遊技機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ遊技機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1及び図2において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域255(図7参照)を遊技者が視認し得る遊技窓42と該遊技窓42の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿30とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾板6aによって被覆されている下部前面カバー板6が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置300と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット650が取り付けられ、本体枠3の後面開口222(図6参照)を覆うカバー体750が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した貯留皿30の他に、遊技窓42を閉塞するようにガラスユニット50と、ハンドル装置70とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる貯留皿30が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置70が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ遊技機1を構成する部材について詳細に説明する。
〔外枠〕
外枠2について、主として図8乃至図11を参照して説明する。図8は、外枠2の正面図であり、図9は、外枠2の背面図であり、図10は、外枠2の正面から見た斜視図であり、図11は、外枠2の正面図(A)、正面図のB−B線で切断した断面図(B)、正面図のA−A線で切断した側枠板12の断面図(C)である。
外枠2は、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するためのコーナー金具14〜16及び上支持金具17で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、開放側の上部は、上枠板10の端部上面及び後面と側枠板13の端部外側面及び後面に差し渡されるコーナー金具14をビス止めすることにより連結し、開放側の下部は、下枠板11の端部底面及び後面と側枠板13の端部外側面及び後面に差し渡されるコーナー金具15をビス止めすることにより連結し、軸支側の上部は、上枠板10の端部上面と側枠板12の端部外側面に差し渡される上支持金具17をビス止めすることにより連結し、軸支側の下部は、下枠板11の端部底面及び後面と側枠板12の端部外側面及び後面に差し渡されるコーナー金具16をビス止めすることにより連結される。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ遊技機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁190〜193(図36参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域255を大きく形成することができるからである。ただし、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図11(C)に示すように、側枠板12,13の後方部分内側にリブによって空間部24を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚よりも薄い寸法となっている。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定される下部前面カバー板6は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものである。下部前面カバー板6の表面は、前述したように装飾板6aによって被覆されているが、装飾板6aの裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起6b(図9、図11(B)参照)が突設され、その止着突起6bが下部前面カバー板6に貫通される取付穴に貫通させられることにより下部前面カバー板6に取り付けられている。また、下部前面カバー板6の裏面上部には、後当て板7が固着され、本体枠3が載置される下部前面カバー板6の強度を補強している。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結するための上支持金具17と下部前面カバー板6の一側上面に沿って取り付けられる下支持金具18とが設けられている。上支持金具17には、前方に突出している支持突出片19に屈曲した支持鉤穴20が形成されており、この支持鉤穴20に本体枠3の後述する上軸支金具152の軸支ピン153(図38参照)が係合されるようになっている。また、下支持金具18も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起21が突設され、この支持突起21に本体枠3の後述する枠支持板155(図38参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具18の支持突起21に本体枠3の枠支持板155に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具152の軸支ピン153を支持鉤穴20に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
一方、開放側の側枠板13の内側上下には、閉鎖用突起22,23が固着されている。この閉鎖用突起22,23は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置560のフック部614,624(図86参照)と係合するものである。そして、後に詳述するように錠装置560のシリンダー錠570に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部614,624と閉鎖用突起22,23との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、外枠2を構成する上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結するための上支持金具17、コーナー金具14〜16をそれぞれ所定の位置に取り付けたときに、図8及び図9に示すように、各金具14〜17の外側面と各枠板10〜13の外側面とがほぼ同一平面となるように、各金具14〜17の取付部分に対応する各枠板10〜13の端部が凹状に形成されている。また、下支持金具18を取り付けたときにも、下部前面カバー板6の上面と下支持金具18の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
〔外枠の他の実施形態〕
上記した外枠2は、上枠板10、下枠板11、側枠板12,13との端部を背面から見たときにL字状のコーナー金具14〜16と上支持金具17とで連結することにより構成したものを示したが、4つの枠板を連結する構造が異なる実施形態(以下、「第2実施形態に係る外枠2A」という)について図12乃至図20を参照して説明する。図12は、他の実施形態に係る外枠2Aの正面斜視図であり、図13は、同外枠2Aの正面から見た分解斜視図であり、図14は、同外枠2Aの正面図であり、図15は、同外枠2Aの背面図であり、図16は、図14のB−B断面図(A)と図16(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)であり、図17は、本体枠3の上軸支金具152と外枠2Aの上支持金具17Aとの脱着構造を説明するための斜視図であり、図18は、外枠2Aの上支持金具17Aの裏面に設けられるロック部材25の取付状態を示す分解斜視図(A)と下方から見た斜視図(B)であり、図19は、軸支ピン153とロック部材25との関係を説明するための上支持金具17A部分の裏面図であり、図20は、ロック部材25の作用を説明するための上支持金具17A部分の裏面図である。なお、図12乃至図20において、図8〜図11に示す実施形態(以下、「第1実施形態に係る外枠2」という)と同じ機能を奏する部材には、同じ符号の末尾に「A」を付して表した。
図12及び図13において、第2実施形態に係る外枠2Aは、上下の上枠板10A及び下枠板11Aと左右の側枠板12A,13Aとを、それぞれの端部を連結するための連結部材14Aで連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材14Aは、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10A及び下枠板11Aの両端部中央に形成された係合切欠部10B,11Bに嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10Aの裏面と下枠板11Aの上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12A,13Aの内側面が当接するようになっている。そして、その状態で、上枠板10Aの係合切欠部10Bの両側方及び下枠板11Aの係合切欠部11Bの両側方にそれぞれ形成される挿通穴10C,11Cと連結部材14Aの一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴16A(図13の上枠板10Aと側枠板12Aとを連結する連結部材14Aに表示するが、他の連結部材14Aにも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス16Bで止着し、更に、側枠板12A,13Aの上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴12B,13Bと連結部材14Aの一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴15A(図13の上枠板10Aと側枠板13Aとを連結する連結部材14Aに表示するが、他の連結部材14Aにも存在する)とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス15Bで止着することにより、上下の上枠板10A及び下枠板11Aと左右の側枠板12A,13Aとが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス15Bのうち、1本の連結ビス15Bは、側枠板12A,13Aと連結部材14Aとを連結するものではなく、上枠板10A及び下枠板11Aと連結部材14Aとを側方から直接連結するものである。
外枠2Aを構成する上枠板10Aと下枠板11A、及び側枠板12A,13Aのうち、上枠板10Aと下枠板11Aとは従来と同じ木製であり、側枠板12A,13Aは、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10A及び下枠板11Aを従来と同じ木製で構成した理由は、第1実施形態の外枠2と同じ理由である。また、この第2実施形態に係る外枠2Aにおいても、側枠板12A,13Aをアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図16(C)に示すように、側枠板12A(側枠板13Aも全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部12G(側枠板13Aの空間部13Gは図15に表示)を形成して後方部分の肉厚h2が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h2は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。また、図16(B),(D)に示すように、側枠板12Aの空間部12Gの前方には、連結部材14Aの一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部12F(側枠板13Aの溝部13Fは図12に表示)が形成されている。側枠板12Aの溝部12Fから前端部までは、図16(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材14Aの一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、前記溝部12Fが形成される反対側の面(外側面)には、図12及び図16(B)に示すように、上支持金具17Aの垂下片部17Eが挿入される凹部12H(側枠板13Aの凹部13Hは図13に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12Aには、連結部材14Aを取り付けるための構成以外に、その上部に上支持金具17Aの垂下片部17Eを側枠板12Aの外側に取付ビス17Bで止着するための取付穴12Cが穿設されると共に、その下部に下支持金具18Aの側面折曲部に形成される取付穴18Cと一致させて取付ビス18Bで止着するための取付穴12Dが穿設されている。また、取付穴12Dの下部であって側枠板12Aの前方部分に側枠板12Aと下部前カバー板6Aとを止着ビス6Eで止着するための取付穴12Eが形成されている。一方、開放側の側枠部13Aには、連結部材14Aを取り付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起22Aを取付ネジ22Bで取り付けるための取付穴13Cが穿設され、その下部に閉鎖用突起23Aを取付ネジ23Bで取り付けるための取付穴13Cが穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13Aと下部前カバー板6Aとを止着ビス6Eで止着するための取付穴13Dが形成されている。なお、この閉鎖用突起22A,23Aは、第1実施形態の外枠2と同様に、外枠2Aに対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置560のフック部614,624(図86参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置560のシリンダー錠570に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部614,624と閉鎖用突起22A,23Aとの係合が外れて本体枠3を外枠2Aに対して開放することができるものである。
また、下枠板11Aと左右の側枠板12A,13Aの下部前面に固定される下部前面カバー板6Aは、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、下部前面カバー板6Aの表面及び側面は、第1実施形態の外枠2と同様に装飾板6Bによって被覆されているが、装飾板6Bの裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起6C(図15参照)が突設され、その止着突起6Cが下部前面カバー板6Aに貫通される止着穴6Dに貫通させられることにより下部前面カバー板6Aに取り付けられている。なお、第2実施形態に係る外枠2Aの装飾板6Bの開放側の上面には、本体枠3の閉止時に該本体枠3をスムーズに案内するための案内板6Fが交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10Aと側枠板12Aとを連結する機能も兼用する上支持金具17Aと下部前面カバー板6Aの一側上面に沿って取り付けられる下支持金具18Aとが設けられている。上支持金具17Aには、前方に突出している支持突出片19Aに該支持突片19Aの側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴20Aが形成されており、この支持鉤穴20Aに本体枠3の後述する上軸支金具152の軸支ピン153(図38参照)が着脱自在に係合されるようになっている。この支持鉤穴20Aと軸支ピン153との係合関係については、後に詳述する。また、下支持金具18Aも前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起21Aが突設され、この支持突起21Aに本体枠3の後述する枠支持板155(図38参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具18Aの支持突起21Aに本体枠3の枠支持板155に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具152の軸支ピン153を支持鉤穴20Aに掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる点は、第1実施形態に係る外枠2と同じである。
また、上支持金具17Aは、上枠板10Aの軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部10Dに装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具17Aに形成される複数(図示の場合2個)の取付穴17Dと取付段部10Dに穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴10Eとを一致させて取付ビス17Bを上方から差し込み、上枠板10Aの裏面から押し当てられる挟持板17Cに止着することにより上支持金具17Aが上枠板10Aに堅固に固定される。また、上支持金具17Aの外側側方には、側枠板12Aの外側に当接する垂下片部17Eがあり、その垂下片部17Eにも取付穴17D(図18(A)参照)が穿設され、この取付穴17Dと前記取付穴12Cとを取付ビス17Bで止着することにより、上支持金具17Aと側枠板12Aとを固定すると共に、上枠板10Aと側枠板12 Aとを上支持金具17Aを介して連結している。一方、下支持金具18Aは、前述したように側枠板12Aの取付穴12Dと取付穴18Cとを一致させた状態で取付ビス18Bで止着し、さらに、下支持金具18Aの水平面の中程に穿設される取付穴18Dに取付ネジ18Eを差し込むことにより、前記装飾いた6Bを介して前記下部前カバー板6Aの上面に止着されるものである。
上記のように構成される第2実施形態に係る外枠2Aにおいて、その構成部材である上枠板10Aと下枠板11Aと側枠板12A,13Aとを連結部材14Aで連結することにより、第1実施形態に係る外枠2のようにコーナー金具14〜16で連結したものに比べて、連結部材14Aが側枠板12A,13Aの内面に密着して止着されると共に連結部材14Aと上枠板10A及び下枠板11Aが係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材14Aと上枠板10A及び下枠板11Aとの係合状態に加え、連結部材14Aの側枠板12A,13Aへの取り付けに際し、溝部12Fに連結部材14Aの一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材14Aの側枠板12A,13Aへの取り付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。また、連結部材14Aによって上枠板10A、下枠板11A、側枠板12A,13Aを連結した後、上支持金具17Aを所定の位置に取り付けたときに、図14及び図15に示すように、各枠板10A,11A,12A,13Aの外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ遊技機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取り付けることができる。また、下支持金具18Aを取り付けたときにも、下部前面カバー板6Aの上面と下支持金具18Aの上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支するための上支持金具17Aの裏面には、図18に示すようにロック部材25が回動自在に軸支されている。より詳細に説明すると、図18(A)に示すように、上支持金具17Aの支持突出片19Aは、先端部が円弧状の平板として形成されると共に支持突出片19Aの外側縁に沿って直角に折り曲げられた垂下壁19Bが形成される。この垂下壁19Bにより、上支持金具17Aの支持突出片19Aの強度を向上させることができると共に、正面から見たときに次に説明するロック部材25が視認できないようにして外観を良くし、更に、次に説明するロック部材25の弾性片25cの先端当接部が当接する部位として利用したりロック部材25が支持突出片19Aから外側に飛び出さないように停止部として利用している。また、支持突出片19Aに形成される支持鉤穴20Aは、垂下壁19Bが形成されない反対側の側方から内側にやや向ってさらに先端中央部に向かって傾斜状となるように屈曲して形成されている。そして、支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の溝寸法は、軸支ピン153の直径よりもやや大きな寸法に形成されている。また、上記した垂下壁19Bは、支持鉤穴20Aの前方の入口端部から支持突出片19A及び上支持金具17Aの外側縁に沿って直角に折り曲げられて形成されていると共に、支持鉤穴20Aの前方の入口端部の部分で内側に向って折り曲げられて停止垂下部19Cとなっている。また、支持突出片19Aのほぼ中央に取付穴19Dが穿設され、該取付穴19Dにロック部材25がリベット26によって回転自在に軸支されている。ロック部材25は、合成樹脂によって成型されるものであり、ストッパー部25aと操作部25bとがL字状に形成され、また操作部25bと反対側に円弧状の弾性片25cが一体的に延設されている。そして、ストッパー部25aと操作部25bとがなすL字状の基部に前記リベット26が挿通される取付穴25dが形成されている。しかして、ロック部材25がリベット26によって取付穴19Dに取り付けられて支持突出片19Aの裏面に回転自在に固定した状態においては、図18(B)に示すように、弾性片25cの先端当接部が垂下壁19Bの内側面と当接しており、ストッパー部25aが支持鉤穴20Aの傾斜状穴部を閉塞するようになっている。また、このときストッパー部25aの先端部分は、支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態となっていない。即ち、通常の状態で支持鉤穴20Aの先頭空間部分には、本体枠3の上軸支金具152の軸支ピン153が挿入される空間が形成されている。
ところで、軸支ピン153が支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパー部25aの先端側方が入口端部の停止垂下部19Cに対向している状態(この状態ではストッパー部25aの先端側方と停止垂下部19Cとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン153とストッパー部25aの先端面25eとのそれぞれの中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン153が支持鉤穴20Aの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン153からストッパー部25aの先端面25eへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材25の弾性片25cに対し負荷がかかっていない状態となっている。また、図19(A)に示すように、ストッパー部25aの先端面25eが操作部25bを操作して回動したときにロック部材25がスムーズに回動するように円弧状に形成されている。図示の場合、この円弧状先端面25eの円弧中心は、リベット26の中心(ロック部材25の回転中心)である。このため、軸支ピン153が支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面25eに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン153と円弧状の先端面25eとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面25eの円弧の法線方向)と、軸支ピン153と支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット26の中心(ロック部材25の回転中心)を向くため、ロック部材25のストッパー部25aの先端部が支持突出片19Aから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン153がロック部材25のストッパー部25aの先端部と支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン153の作用力がロック部材25にかかった状態でも、ロック部材25の弾性片25cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片25cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン153の支持鉤穴20Aからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材25のストッパー部25aの先端部が支持突出片19Aから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパー部25aの先端部の一側方が停止垂下部19Cに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材25が支持突出片19Aの外側にはみ出ることはない。
また、図19(A)に示す実施形態においては、ストッパー部25aの円弧状先端面25eの円弧中心がリベット26の中心(ロック部材25の回転中心)であることにより、軸支ピン153に対し支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向の作用力Fがかかってもロック部材25に回転モーメントが生じないものについて説明したが、図19(B)に示すように、ストッパー部25aの円弧状先端面25fの曲率半径をさらに小さくし、且つロック部材25のリベット26による軸支位置を支持突出片19Aの内側にした場合に、軸支ピン153が支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面25fに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン153と円弧状の先端面25fとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面25fの円弧の法線方向)と、軸支ピン153と支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けた場合において、分力F1によって回転モーメントが働いてロック部材25を図示の矢印方向(時計回転方向)に回転させるが、ロック部材25が回転してもストッパー部25aの先端一側方が停止垂下部19Cに当接するだけであるため、ロック部材25が支持突出片19Aの外側にはみ出ることもないし、ロック部材25の弾性片25cに対しても負荷がかかることもない。
つまり、図19(A)及び図19(B)に示す実施形態から理解することができる点は、軸支ピン153が支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面25e,25fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン153と先端面2525e,25fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材25を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材25をその先端部が支持突出片19Aの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材25の回転中心(リベット26により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材25の弾性片25cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材25が回転してもストッパー部25aの先端一側方が停止垂下部19Cに当接するだけであるため、ロック部材25が支持突出片19Aの外側にはみ出ることもない。なお、ストッパー部25aの先端面の形状が円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材25をその先端部が支持突出片19Aの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材25の回転中心(リベット26により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材25の弾性片25cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材25が回転してもストッパー部25aの先端一側方が停止垂下部19Cに当接するだけであるため、ロック部材25が支持突出片19Aの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
上記のように構成されるロック部材25の作用について図20を参照して説明する。外枠2Aに本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の枠支持板155(図38参照)に形成される支持穴(図示しない)に下支持金具18Aの支持突起21Aが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図20(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具152の軸支ピン153をロック部材25のストッパー部25aの側面に当接させて押し込むことにより、図20(B)に示すように、ロック部材25が弾性片25cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン153を支持鉤穴20Aに挿入することができる。そして、軸支ピン153が支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図20(C)に示すように、軸支ピン153とストッパー部25aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材25が弾性片25cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材25のストッパー部25aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20Aの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパー部25aの先端部分が軸支ピン153と対向して軸支ピン153が支持鉤穴20Aから抜け落ちないようになっている。そして、この状態は、図20(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン153を支持鉤穴20Aから取り外すためには、図20(E)に示すように、指を支持突出片19Aの裏面に差し入れてロック部材25の操作部25bを反時計方向に回動することにより、ロック部材25が弾性片25cの弾性力に抗して回動し、ストッパー部25aの先端部分が支持鉤穴20Aから退避した状態となるため、軸支ピン153を支持鉤穴20Aから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、枠支持板155に形成される支持穴と下支持金具18Aの支持突起21Aとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2Aから取り外すことができる。
上記したように、第2実施形態に係る外枠2Aの上支持金具17Aに設けられるロック部材25は、ストッパー部25aと操作部25bと弾性片25cとが合成樹脂によって一体的に形成されているので、上支持金具17Aの裏面に極めて簡単に取り付けることができると共に、極めて簡単な構造であるため故障も少なく且つ製造コストの低減を計ることができる。また、軸支ピン153が支持鉤穴20Aの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面25e,25fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン153と先端面2525e,25fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材25を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材25をその先端部が支持突出片19Aの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材25の回転中心(リベット26により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材25の弾性片25cに対しても負荷がかかることはなく、合成樹脂で一体形成される弾性片25cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン153の支持鉤穴20Aからの脱落を防止することができると共に、ロック部材25が回転してもストッパー部25aの先端一側方が停止垂下部19Cに当接するだけであるため、ロック部材25が支持突出片19Aの外側にはみ出ることもない。なお、このロック部材25は、詳細に説明しなかったが第1実施形態に係る外枠2の上支持金具17にもそのまま適用されている。
〔扉枠〕
次に、主として図2及び図21乃至図33を参照して、扉枠5について説明する。図21は、扉枠5の背面図であり、図22は、扉枠5とガラスユニット50とを分離した状態の背面から見た斜視図であり、図23は、扉枠5に着脱自在に取り付けられるガラスユニット50の製作過程を示す斜視図であり、図24は、ガラスユニット50の乾燥剤挿入部分の拡大斜視図であり、図25は、完成したガラスユニット50の側面図(A)、正面図(B)、斜視図(C)であり、図26は、図25(B)のA−A線断面図(A)、B−B線断面図(B)であり、図27は、扉枠5の取り付けられるハンドル装置70の断面図であり、図28は、ハンドル装置70を構成する操作ハンドル部71とジョイントユニット90との関係を示す斜視図であり、図29は、操作ハンドル部71の分解斜視図であり、図30は、ジョイントユニット90の斜視図(A)、分解斜視図(B)であり、図31は、操作ハンドル部71とジョイントユニット90の動作を説明するための動作図であり、図32は、ハンドル装置70と本体枠3に設けられる打球発射装置300との関係を示す斜視図であり、図33は、ハンドル装置70と打球発射装置300とを連結する状態を説明するための断面図である。
図2及び図4に示すように、扉枠5は、方形状に形成され、その上部に縦長六角形状の遊技窓42が形成され、その遊技窓42の下方前面に貯留皿30が設けられ、その貯留皿30の一側(開放側)にハンドル装置70を構成する操作ハンドル部71が突設固定されている。また、扉枠5の裏面には、前記遊技窓42を閉塞するように透明板ユニットとしてのガラスユニット50が取り付けられると共に、前記操作ハンドル部71に対応する裏面にハンドル装置70を構成するジョイントユニット90も取り付けられている。なお、ガラスユニット50及びハンドル装置70についての詳細な構造については、後に詳述するが、以下には、扉板5の全体の構造について説明する。
扉板5は、図21に示すように、その一側上下に設けられる上開閉金具32及び下開閉金具33が本体枠3の上軸支金具152の扉軸支穴154(図38参照)及び扉支持板156の軸支穴157(図38参照)に挿入支持されて本体枠3に開閉自在に軸支されるものである。このため、上開閉金具32には、扉軸支穴154に挿入される摺動軸支ピン(図示しない)が上下方向に摺動自在に設けられ、下開閉金具33には、軸支穴157に挿通される軸ピン(図示しない)が下方に向けて突設されている。しかして、扉板5を本体枠3に取り付けるには、扉板5の下開閉金具33の軸ピンを本体枠3の扉支持板156の軸支穴157に差し込んだ後に、扉板の上開閉金具32の摺動軸支ピンを下方に摺動させた状態で本体枠3の上軸支金具152の扉軸支穴154に一致させて摺動軸支ピンを上方に摺動(通常、スプリングの付勢力により上方に摺動される。)させることにより、扉板5を本体枠3に開閉自在に軸支することができる。
また、扉板5の前面に設けられる貯留皿30は、図2に示すように、従来のパチンコ遊技機とは異なり、遊技窓42の下方に1つの皿(従来の所謂「上皿」に相当)だけが設けられる構造であるため、貯留皿自体を従来に比べ下方に位置させることができる。このため、遊技窓42の上下方向の寸法も大きくすることができる。また、扉板5は、前述したように本体枠3の左右の幅とほぼ同じ幅を有して形成されるため、これによっても、遊技窓42の左右方向の寸法も大きくすることができる。つまり、遊技窓42の上下方向及び左右方向の寸法を大きく形成することができるため、この遊技窓42を透視して視認し得る遊技盤4の遊技領域255の上下左右方向の寸法も大きくすることができる。なお、貯留皿30のほぼ中央前方には、遊技盤4に設けられる遊技装置によって実現される遊技内容が遊技者参加型のものであるときに操作し得る演出ボタン31が設けられている。また、扉板5の前面の遊技窓42の周囲は、符号等を付していないが遊技演出効果を奏するためのランプやLED等の発光源を内蔵するランプカバーや装飾板によって覆われている。このランプカバーや装飾板は、図4及び図5に示すように凹凸をもって形成されている。
一方、扉板5の裏面には、図21に示すように、方形状の外周に沿って鉄製の補強板35〜38が固定されている。上部裏面に取り付けられる上補強板35の両端下部には、スピーカ34がスピーカーボックスに固定されて取り付けられており、下部裏面に取り付けられる下補強板37には、遊技窓42の直下に取り付けられ軸支側に賞球口39が開設されている。この賞球口39は、後述する満タンユニット520の出口536(図70参照)と連通して払出された賞球を貯留皿30に流出させるためのものである。また、開放側裏面に取り付けられる側方補強板37は、扉板5の裏面の上端部から下端部にかけて取り付けられているが、その上部、中央部、下部にフック係止片37aが形成されている。このフック係止片37aは、後に詳述する錠装置560のガラス扉用フック601(図86参照)と係合して扉枠5の本体枠3に対する施錠を行うものである。更に、軸支側裏面に取り付けられる側方補強板38も、扉板5の裏面の上端部から下端部にかけて取り付けられている。
また、扉板5の裏面には、透明板ユニットとしてのガラスユニット50を取り付けるためのガラス止めレバー43、位置決め突起44、掛止凹部45が形成されると共に、錠装置560のシリンダー錠570を挿通させるための錠穴46と、貯留皿30の下流側を一列に整列して流下する打球が供給される打球供給口40と、該打球供給口40の下方に位置して打球供給口40から供給された打球を1個ずつ後述する発射レール164の発射位置に供給するための供給揺動片41と、がそれぞれ形成され又は設けられている。ガラス止めレバー43は、図21に示すように、左右のスピーカ34の設置位置の下方に設けられ、上端をビスで止着されて回動するように設けられているが、そのガラス止めレバー43が軸支される下方は、図22に示すように、次に説明するガラスユニット50の止め片52が嵌まり込むように凹状に形成されると共に、その凹状部に止め片52に形成される位置決め穴53と係合する位置決め突起44が突設されている。また、掛止凹部45は、遊技窓42の下部左右に上方が開放したL字状に形成され、ガラスユニット50の掛止突片54が上方から挿入されて係合されるようになっている。更に、鍵穴46は、図21に示すように、開放側であって前記下補強板36の下方に穿設形成されている。そして、扉枠5を本体枠3に対して閉じたときには、図2に示すように、錠装置560のシリンダー錠570の先端面が鍵穴46に臨み、扉枠5を本体枠3に対して開放したときには、図1に示すように、シリンダー錠570が鍵穴46から離れて位置するようになっている。また、供給揺動片41は、後述する打球発射装置300に設けられる作動片308(図50参照)と当接して打球発射装置300の打球槌336の往復動作に連動して打球供給口40から供給される打球を発射レール164の発射位置に供給するものである。
<透明板ユニット(ガラスユニット)>
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット50について、図22〜図26を参照して説明する。ガラスユニット50は、図23に示すように、遊技窓42よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長六角形状のユニット枠51と、該ユニット枠51の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板60(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を接着することにより構成されるものである。まず、ユニット枠51について詳細に説明すると、図22に示すように、ユニット枠51の斜め上部左右には、位置決め穴53が形成される止め片52が環状の外側に向かって突設形成され、下部左右には、掛止突片54が環状の外側に向かって突設形成されている。この止め片52と掛止突片54とは、前述したように、ガラスユニット50を扉枠5の裏面に取り付けるためのものである。また、ユニット枠51の外周前後面部には、図26に示すように、ガラス板60を嵌め込むためのガラス当接段部55が周設されており、このガラス当接段部55にガラス板60を接着剤(ホットメルト系接着剤)で接着したときに、ユニット枠51の幅寸法内に2枚のガラス板60が収納された状態となる。更に、ユニット枠51には、図24及び図26に示すように、内部に乾燥剤57を封入する乾燥剤封入空間部56がユニット枠51の内周面と連通するようにその一側下部側方に環状の外部に突出するように形成され、その乾燥剤封入空間部56を閉塞するために多数の通気孔59bが形成された開閉蓋59がユニット枠51の内周面に係止爪59aによって着脱自在に取り付けられるようになっている。また、乾燥剤封入空間部56には、外部と連通する単一の空気穴58が形成されている。なお、乾燥剤封入空間部56は、環状のユニット枠51の上下左右部を除く斜め左右上下部のいずれかの部位に環状の外部に突出するように形成すればよい。
しかして、ガラスユニット50を組み付けるには、図23(A)に示すように、ユニット枠51の乾燥剤封入空間部56に乾燥剤57を封入し、その後、図23(B)に示すように、乾燥剤封入空間部56を閉塞するために開閉蓋59をユニット枠51の内周面側から挿入して係止爪59aを係止させ、さらに、図23(C)に示すように、ユニット枠51の両面からガラス板60をガラス当接段部55に収納当接するように接着剤で接着する。そして、2枚目のガラス板60を接着する際に、2枚のガラス板60で挟まれる密閉空間の空気が開閉蓋59の通気孔59b、乾燥剤封入空間部56、空気穴58を介して外部に逃げるので、2枚目のガラス板60の接着作業が2枚のガラス板60によって挟まれる密閉空間の空気の圧力によって影響を受けることなく容易に行うことができ、最終的に、図23(D)に示すように、2枚のガラス板60を一体化したガラスユニット50を簡単に組み付けることができる。そして、乾燥剤封入空間部56と2枚のガラス板60によって形成される密閉空間とを完全に密封する必要がある場合には、小さな空気穴58を密閉するだけの簡単な作業で密封状態を完了することができる。なお、空気穴58を密閉することに代えて、空気穴58に2枚のガラスの空間部から外部に向かう一方向にのみ空気が流れる弁を設けても良い。
そして、上記のように組み付けられたガラスユニット50を扉枠5に取り付けるには、ガラスユニット50の掛止突片54を扉枠5の掛止凹部45に上方から掛け止めた後、ガラスユニット50の止め片52に形成される位置決め穴53を本体枠5の凹状部に突設される位置決め突起44に挿入させながら止め片52と凹状部とを合致させ、ガラス止めレバー43を閉止位置に回動して止め片52の裏面を押圧する。これによって、ガラスユニット50を扉枠5の裏面に簡単に取り付けることができる。なお、ガラス止めレバー43を閉止位置に回動したときに、ガラス止めレバー43の裏面に形成される凹部(図示しない)と位置決め突起44の先端部とが係合するようになっている。逆に、ガラスユニット50を取り外す場合には、ガラス止めレバー43を開放位置に回動させた後、位置決め穴53を位置決め突起44からはずすようにガラスユニット50の上部を後方に移動させ、その後ガラスユニット50全体を上方に持ち上げるようにすることにより、掛止突片54を掛止凹部45から外してガラスユニット50を扉枠5から簡単に取り外すことができる。
以上詳述したように、本実施形態における透明板ユニットとしてのガラスユニット50は、予めユニット枠51の乾燥剤封入空間部56に乾燥剤57を封入した後で、ガラス板60をユニット枠51の両面に接着剤で貼り付けるだけで組み付けることができるので、従来のようにユニット枠にガラス板を接着した後に、乾燥剤をユニット枠に外側から挿入して乾燥剤の挿入口の周囲を密閉する構造のものに比べて、密閉するにしても極めて小さな空気穴58だけを密閉すればよいため、ガラスユニット50の製造を簡単に行うことができ、ガラスユニット50の生産性が向上するというメリットがある。そして、この場合、乾燥剤封入空間部56が環状のユニット枠51の外部に突出するように一体的に形成されているので、特殊な形状のガラス板を用意する必要はなく、極めて汎用性の高いガラスユニット50を提供することができる。
また、本実施形態においては、従来のように、ユニット枠そのものに通気孔を形成する場合に比べて、開閉蓋59という小さな部品に通気孔59bを形成したので、成型が容易であると共に成型後の通気孔59bの大きさが歪み等で変形することがなく、粒状の乾燥剤57を乾燥剤封入空間部56に封入しても、乾燥剤57が2枚のガラス板60によって形成される密閉空間に零れ落ちることはない。
また、本実施形態においては、乾燥剤封入空間部56は、環状のユニット枠51の上下左右部を除く斜め左右上下部のいずれかの部位に環状の外部に突出するように形成されることにより、一般的に円形状に形成される遊技窓42の斜め左右上下部の遊技窓42として利用されない領域に乾燥剤封入空間部56を配置することができ、結果的に遊技窓42を大きく形成することができる。
更に、本実施形態においては、ガラスユニット50を扉枠5に取り付ける際に、ユニット枠51の下辺左右に形成される掛止突片54を扉枠5の掛止凹部45に差し込み、その後、ユニット枠51の斜め上部左右に形成される止め片52の位置決め穴53を扉枠5の位置決め突起44に係合してガラス止めレバー43を回動するだけの簡単な作業によって取り付けることができる。
<ハンドル装置>
次に、扉枠5の開放側下部に取り付けられるハンドル装置70について、主として図27〜図31を参照して説明する。ハンドル装置70は、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部71と、該操作ハンドル部71に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部71の回動操作に応じて回転する回転軸75と連携され且つ該回転軸75の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット90と、から構成されている。
まず、操作ハンドル部71は、図27に示すように、扉枠5の前面を構成する装飾板(例えば、貯留皿30の外側構成板と兼用して形成される装飾板)に突設される円筒状のハンドル支持筒部5aに挿入固定される。このハンドル支持筒部5aは、パチンコ遊技機1の上方から見た平面視で外側(右側)に向くように傾斜して形成されているため、ハンドル支持筒部5aに挿入固定される操作ハンドル部71も平面視で外側に傾斜(換言するならば、パチンコ遊技機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ遊技機の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されることになる。このように、操作ハンドル部71を平面視で外側に向けて傾斜させることにより、遊技者が操作ハンドル部71を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行いやすいという利点がある。そして、本実施形態においては、後述するように、操作ハンドル部71を傾斜設置しても、操作ハンドル部71の回動軸75の回転運動がスムーズに伝達されて打球発射装置300の弾発力を調整することができる構造が採用されている。なお、操作ハンドル部71のハンドル支持筒部5aへの挿入後、ハンドル支持筒部5aと操作ハンドル部71(正確には、後握り部73)とをビス等で連結して操作ハンドル部71がハンドル支持筒部5aから引き抜きできないようになっている。
また、操作ハンドル部71は、図29に示すように、前握り部材72と、後握り部材73と、前握り部材72と後握り部材73との間で回動自在に軸支される回動操作部材74と、該回動操作部材74にその一端部が固定される直線円柱状の回転軸75と、該回転軸75の他端部に固定されるカム76と、から構成されている。後握り部材73は、前記ハンドル支持筒部5aに嵌合される小径部と該小径部の前方の大径部とが一体的に形成され、その中心に回転軸75が貫通される軸貫通穴78が形成されている。回転軸75が軸貫通穴78に挿通される際には、軸受ブッシュ77が軸貫通穴78の後端に嵌めこまれ、その軸受ブッシュ77に回転軸75が挿通される。一方、軸受ブッシュ77を介して軸貫通穴78に貫通された回転軸75は、後握り部材73の前面側に固定される固定軸受部材83の軸受穴84を貫通して回転操作部74の中心に形成される軸嵌合穴86に嵌合される。
また、後握り部材73の前面側には、タッチセンサ80、マイクロスイッチ82、フック88を固定するための突起や取付穴(共に図示しない)が設けられると共に、単発ボタン81が揺動自在に支持される揺動ピン(図示しない)が形成され、それらの突起や取付穴及び揺動ピンにタッチセンサ80、マイクロスイッチ82、フック88及び単発ボタン81が取り付けられている。そして、それらが取り付けられた状態でタッチセンサ80やマイクロスイッチ82からの配線がフック88で纏められて後握り部材73の軸貫通穴78の側方に形成される配線通し穴79、後述する配線通し筒部材108(図27参照)及び配線開口100(図30参照)から扉枠5の裏面に導き出されるようになっている。また、固定軸受部材83と回動操作部材74との間には、付勢スプリング85が回転軸75に周設されるように設けられ、この付勢スプリング85が回動操作部材74を常に元の位置に復帰させるようになっている。更に、回動操作部材74の軸嵌合穴86の外側にはスイッチ接触凸部87が突設され、回動操作部材74が付勢スプリング85の付勢力により元位置にある場合に、スイッチ接触凸部87がマイクロスイッチ82のアクチュエータに接触してマイクロスイッチ82をOFFとし、回動操作部材74が遊技者によって回動操作されるとスイッチ接触凸部87がマイクロスイッチ82のアクチュエータと離れてONとする。また、マイクロスイッチ82がONとなっている状態で単発ボタン81が揺動可能になるので、単発ボタン81を押圧することにより、マイクロスイッチ82のアクチュエータをOFF操作することができるようになっている。なお、回動操作部材74の外周表面には、導電性のメッキが施されており、遊技者が回動操作部材74に接触することによりタッチセンサ80が接触を検出するようになっている。そして、遊技者が回動操作部材74を回動してマイクロスイッチ82がONとなり且つタッチセンサ80が接触を検出しているときに打球発射装置300の後述する発射モータ344(図51参照)が回転駆動されるようになっている。
また、回転軸75の先端に固定されるカム76は、勾玉状に形成され、回転軸75の回転にしたがって後述するジョイントユニット90のスライド体93(図30及び図31参照)のカム当接部107を押圧して一方向にスライドさせるようになっている。そして、本実施形態においては、この回転軸75の先端に固定されるカム76とジョイントユニット90のスライド体93との連携構造によって前述したような操作ハンドル部71の平面視での傾斜状取付けが可能となっている。
そこで、次に操作ハンドル部71と連結されるハンドル装置70の他方の構成要素であるジョイントユニット90について説明する。ジョイントユニット90は、図30に示すように、収納体91と、該収納体91の内部に収納されて横方向にスライド可能なスライド体93と、該スライド体93が収納された状態で収納体91の前面を被覆するカバー体92と、から構成されている。
収納体91は、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面にカム挿入開口94が開設されている。また、収容体91の上辺及び下辺には、ジョイントユニット90を扉板5の裏面に取り付けるための取付ボス穴95がそれぞれ2個ずつ外側に向かって突設形成され、左右の両辺にカバー体92を取り付けるための取付穴96が外側に向かって突設されている。更に、収容体91の上辺及び下辺の内側面には、スライド体93の上下辺の外側面と当接してスライド体93がスムーズに移動しえるようにするために円弧状の当接凸部97(図30(B)では下辺の当接凸部97だけを図示し、上辺の当接凸部97は図示省略されている。)が突設されている。
また、カバー体92は、後面が開放した直方体の箱状に形成され、その前面にスライド体93の前面に突設される円筒ボス状の案内突起104が挿入されてスライド体93の移動を案内する2つの案内横溝98と、スライド体93の前面に突設されるスライド突片102が挿通される挿通横穴99と、前記操作ハンドル部71の後握り部材73の後端に取り付けられて前記カム挿通開口94から挿入される配線通し筒部材108の後端部が臨む配線開口100と、が開設されている。また、カバー体92の左右側方には、収容体91の前記取付穴96に対応する取付穴101が形成され、両者の取付穴96,101とを対応させた状態でビス(図示しない)を止着することにより、カバー体92を収納体91に取り付けることができるようになっている。
更に、収納体91とカバー体92とによって形成される空間内に左右方向に移動可能に収納されるスライド体93は、収納体91よりも小さな後面が開放した直方体の箱状に形成され、その前面壁の前面には、前記案内横溝98に挿入される2つの案内突起104と、前記挿通横穴99に挿通されるスライド突片102が突設されている。スライド突片102は、薄板状に形成され、スライド時の進行方向が傾斜辺103となっている。また、スライド体93の前面壁には、前記2つの案内突起104の間に前記配線通し筒部材108が貫通する筒部材貫通開口105が穿設されている。この筒部材貫通開口105は、固定状態にある配線通し筒部材108がスライド体93のスライドを邪魔しないように横長な長方形状の開口とされている。一方、スライド体93の前面壁の裏面には、前記回転軸75の先端部に固定されるカム76が収納されるカム係合凹部106がリブによって逆L字形状に形成されている。そして、カム係合凹部106を形成するリブの一部の垂直部分がカム係合凹部106内に突出するように円弧状のリブとして形成され、その部分がカム76と当接するカム当接部107となっている。
以上説明した収納体91とスライド体93とカバー体92とを組み付けるには、収納体91にスライド体93を収納し、その状態でカバー体92を前方から被覆する。被覆する際には、案内突起104が案内横溝98に、スライド突片102が挿通横穴99に、それぞれ挿通するように被覆される。被覆した後には、取付穴101,96をビスで螺着することにより、スライド体93を内部に収納した状態でジョイントユニット90の組み付けが終了する。そして、上記のように組みつけられたジョイントユニット90を、図32に示すように、扉枠5の裏面の前記操作ハンドル部71の取付位置に対応して形成される取付凹部110(図6参照)に収納して取付ボス穴95をビス等で螺着してジョイントユニット90を扉枠5に取り付ける。
以上説明してきたように、操作ハンドル部71を扉枠5の前面側からハンドル支持筒部5aに挿通支持し、ジョイントユニット90を扉枠5の裏面側から取付凹部110に取り付けることにより、図27に示すように、回転軸75の先端部に固定されるカム76がスライド体93のカム係合凹部106に収納されるようになっている。この場合、操作ハンドル部71が平面視で傾斜状に取り付けられることにより、カム76も扉枠5の垂直面に対して傾斜状となっているが、係合凹部106が前後方向に所定の空間幅を有しているので、傾斜したカム76の全体を係合凹部106の空間内に収納できるようになっている。また、その収納状態は、図31(A)に示すように、カム76の回転中心がカム当接部107の側方に位置し、勾玉状のカム76の先端がカム係合凹部106の下方空間内に位置するようになっている。
しかして、操作ハンドル部71の回動操作部材74を遊技者が回動操作すると、回転軸75が回動し、それにつれてカム76も回転するので、図31(B)に示すように、カム係合凹部106のカム当接部107とカム76の一側外形面(回転前方の外形面)との当接によってスライド体93が一方向(図31の場合には、図示の右側方向)にスライド移動する。つまり、回転軸75の回転運動がスライド体93のスライド運動に変換される。このため、図31(A)に示す初期状態(回動前)におけるカム76の回転中心とスライド体93のスライド突片102の進行方向の端辺との距離S1が、カム76の最大限の回転によって距離S1よりも大きな距離S2となる。つまり、スライド体93のスライド突片102が「S2−S1」の距離だけスライドすることになる。そして、ジョイントユニット90のスライド突片102のスライド移動が、図28、図32、図33に示すように、打球発射装置300のスライド部材350に伝達されて打球発射装置300の付勢バネ333(図51参照)の張力を調節し、もって打球槌336の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置90と打球発射装置300との関係については、打球発射装置300についての説明の後で詳細に説明する。
なお、操作ハンドル部71の内部から配線通し穴79、配線通し筒部材108及び配線開口100を通って扉枠5の裏面に導出された配線は、扉枠5の裏面下辺に沿って軸支側に引き回され、その後、本体枠3の裏面側に取り付けられる基板ユニット650に集約して取り付けられる払出制御基板715の操作ハンドル用端子724(図96参照)に接続されるようになっている。
〔本体枠〕
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置300と、賞球を払い出すための賞球タンク400とタンクレール部材410と球通路ユニット420と賞球ユニット450と満タンユニット520と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置560と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット650と、後面開口222を覆うカバー体750と、等の各種の部品が装着される本体枠3について、図面を参照して説明する。
まず、図34〜図42を参照して、上記した各種の部品が装着される本体枠3自体について説明する。図34は、部品を取り付ける前の本体枠3の正面図であり、図35は、部品を取り付ける前の本体枠3の背面図であり、図36は、部品を取り付ける前の本体枠3の側面図であり、図37は、部品を取り付ける前の本体枠3の背面から見た斜視図であり、図38は、部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図39は、部品を取り付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図40は、部品を取り付けた本体枠3の背面図であり、図41は、部品を取り付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図42は、パチンコ遊技機1の中程(遊技制御基板ボックス268部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。
図34において、本体枠3の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具152及び下軸支金具158(共に図38参照)を取り付けるための軸支金具取付段部150,151が形成され、この軸支金具取付段部150,151に上軸支金具152及び下軸支金具158を取り付けた状態では、本体枠3の上辺及び側辺が上軸支金具152の上辺及び側辺とほぼ同一平面状となり、本体枠3の下辺及び側辺が下軸支金具158の下辺及び側辺とほぼ同一平面状となっている(図40参照)。ここで、上軸支金具152と下軸支金具158について図38と図40を参照して説明する。上軸支金具152は、本体枠3の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン153が立設固定され、その軸ピン153の側方に扉軸支穴154が穿設されている。一方、下軸支金具158は、本体枠3の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板155,156が一体的に突設されている。下方に位置する支持板155は、本体枠3を外枠2の下支持金具155に支持するための枠支持板155を構成するものであり、上方に位置する支持板156は、扉枠5の下開閉金具33を本体枠3に支持するための扉支持板156を構成するものである。このため、枠支持板155に外枠2の下支持金具18の支持突起21を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板156に扉枠5の下開閉金具33に突設される軸ピン(図示しない)を挿入するための軸支穴157が穿設されている。
ところで、本体枠3は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部159(図38参照)となっており、その遊技盤設置凹部159の下方のやや奥まった領域が板部160となっている。まず、板部160の構成について図34乃至図37を参照して説明する。板部160の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部161となっており、その遊技盤載置部161のほぼ中央に、当該載置部161に遊技盤4を載置したときに遊技盤4に形成されるアウト口256(図43参照)の下面を支持する通路支持突起162が突設されている。
また、図34に示すように、板部160の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス163が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス163に発射レール164(図38参照)がビス止め固定されている。また、発射レール164の先端位置に対応する板部160の前面には、レール接続部材165が突設され、遊技盤設置凹部159に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内滑走面252の下流端である接続通路部259(図43参照)と隣接するようになっている。また、レール接続部材165の側方位置(発射レール164と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具168(図38参照)の上端部を取り付けるための固定具取付ボス166が突設され、その斜め下方にストッパー167が突設されている。即ち、遊技盤固定具168は、固定具取付ボス166を中心にして回転自在に設けられ、前記遊技盤載置部161に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具168を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具168を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具168はストッパー167により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部160の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部169が形成されており、この発射装置取付部169に本体枠3の裏面から打球発射装置300が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部169の前面壁部分には、前述したジョイントユニット90のスライド突片102と連携されるスライド部材350(図55参照)が収納されるハンドル連結窓172が形成され、該ハンドル連結窓172の隣接する位置に打球槌336の軸受338(図51参照)の端面が臨む軸用穴178が開設されている。また、発射装置取付部169の上壁部分には、打球発射装置300の打球槌336が上方に突出するための槌貫通開口171が切欠形成され、その槌貫通開口171の斜め上方の板部160の前面に錠装置560のシリンダー錠570が貫通するシリンダー錠貫通穴170が開設されている。
一方、板部160の裏面には、図35に示すように、軸支側の上部から板部160の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜き排出通路173が形成されている。この球抜き排出通路173は、後述する球抜き接続通路515(図38参照)から排出される球をパチンコ遊技機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部169の上方には、円柱状の案内突起174が後方に向かって突設され、この案内突起174に後述する基板ユニット650の案内孔675(図92参照)が差し込まれて基板ユニット650の取付けを容易にしている。また、基板ユニット650をビスで取り付けるための取付穴部175が板部160の左右上下に形成され、この取付穴部175に基板ユニット650の取付片671を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部169の凹状の内部には、打球発射装置300を取り付けるための発射装置取付ボス177が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図37に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、下部前面カバー板6の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片176が後方に向かって突設されている。
板部160には、以上説明した構成以外に、図37に示すように、軸支側の端部上面に前記球抜排出通路173の上流端の開口である球抜接続開口179が形成されている。この球抜接続開口179に球抜接続通路515の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口179に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット520(図38参照)を載置するための満タンユニット載置部180が板部160と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部180の前方部分に満タンユニット520の係合片539(図72参照)と係合するユニット係合溝181が形成されている。更に、図38に示すように、満タンユニット載置部180の前方の板部160の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット520の出口536から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置224が設けられている。この出口開閉装置224については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口536を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット520内に貯留された賞球が出口536から零れ落ちることがない。
次に、遊技盤設置凹部159の構成について説明する。遊技盤設置凹部159は、正確には、図34及び図38に示すように、上辺部と開放側の一部に遊技盤4を収納しない前向きの鍔面部分があり、上辺部の鍔面部分には特に何も形成されていないが、開放側の鍔面部分には、錠装置560のガラス扉用フック601が貫通する扉用フック穴199が上中下の3箇所開設されている。つまり、開放側の鍔面部分の裏面に錠装置560が固定されている。
しかして、遊技盤設置凹部159は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第1側面壁190と、該第1側面壁190から後方に周設される第2側面壁191と、該第2側面壁191から後方に周設される第3側面壁192と、該第3側面壁192から後方に周設される第4側面壁193、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。なお、第1側面壁190〜第4側面壁193は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第1側面壁190から第4側面壁193に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図5参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第1側面壁190から第4側面壁193までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第4側面壁194の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第1側壁面190から第4側面壁193までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。それと同時に開放側の第1側面壁190に沿って錠装置560が取り付けられるが、その取付けを第1側面壁190の後端辺に設けられる錠取付穴198(図35参照)を利用して行うため、その錠取付穴198を形成するためにも開放側の第1側面壁190から第4側面壁194を傾斜段差状に形成したものである。更に、第1側面壁190〜第4側面壁193の段差の寸法も、第1側面壁190と第2側面壁191との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第2側面壁191〜第4側面壁193までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁190〜193は、図36に示すように、それぞれ奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第1側面壁190の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第2側面壁191と第3側面壁192と第4側面壁193とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。つまり、第1側面壁190は、遊技盤4の厚さとほぼ同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第2側面壁191〜第4側面壁193は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第1側面壁190から後方に向かってほぼ当該第1側面壁190と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図5に示すように、第2側面壁191〜第4側面壁193のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク400の球を貯留する貯留部の後面壁400bとほぼ同じ位置となるように形成されている。これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第2側面壁191と第3側面壁192と第4側面壁193とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図35及び図37に示すように、第4側面壁193の後端辺からは背面から見てその左辺、上辺及び右辺に、左後面壁194、上後面壁195及び後面壁としての右後面壁196がそれぞれパチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。右後面壁196は、その前面が平板状(図34参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット420と賞球ユニット450とが着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、右後面壁196の内側への突出幅は、球通路ユニット420と賞球ユニット450とを取り付ける幅があれば充分である。また、上後面壁195は、その前面が平板状(図34参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材410が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。したがって、上後面壁195の内側への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材410の高さ幅寸法があれば充分である。更に、右後面壁914には、その前面が平板状(図34参照)となっており、その後面に後述するカバー体750を軸支するカバー体支持筒部220が形成されている。したがって、右後面壁194の内側への突出幅は、カバー体支持筒部220を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第4側面壁193の後端辺から内側に向かって突設される左後面壁194、上後面壁195及び右後面壁196の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第2側面壁191と第3側面壁192と第4側面壁193とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、左後面壁194、上後面壁195及び右後面壁196の内側は、後面開口222となっており、この後面開口222が後述するカバー体750によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
次に、遊技盤設置凹部159の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置560のガラス扉用フック601が貫通する扉用フック穴199が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴199のさらに上中下に錠装置560の後述する係止突起564が係合される錠係止穴198(図35参照)が形成されている。また、開放側の第1側面壁190に沿って錠装置560が取り付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴197(図35参照)が第1側面壁190の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置560のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片568に形成されるビス止め穴596と前記シリンダー錠貫通穴170の上方近傍に形成される錠取付穴208とを対応させてビスで止着することにより、錠装置560の下方も取り付けられるようになっている。
また、図37に示すように、第1側面壁190の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起202が突設され、第1側面壁190の後端辺中央に後述する賞球タンク400の切欠部401と連通する逃げ凹部201が形成され、第1側面壁190と第2側面壁191と接続する垂直面にタンク取付溝200が形成されている。そして、このタンク取付溝200に賞球タンク400の取付鍔部407を取り付けたときには、図41に示すように、賞球タンク400の切欠部401が逃げ凹部201と連通して賞球タンク400内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク400を本体枠3に取り付けたときには、平面視で賞球タンク400の正面側から見て奥側の後面壁400bと第4側面壁193の後端辺193aがほぼ一致(図5参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起202は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と下部前面カバー板6との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁195には、タンクレール部材410を取り付けるためのレール係止溝203が後面開口222の開口縁に沿って形成されており、また、第4側面壁193と上後面壁195の屈曲部にレール係止溝204が形成されている。そして、これらレール係止溝203,204にタンクレール部材410の係止突片418,419(図59参照)を係止させることにより、タンクレール部材410を本体枠3に取り付けることができる。また、タンクレール部材410を取り付けたときの下流側に対応する上後面壁195の上部には、レール掛止弾性片205が形成され、レール係止溝203,204にタンクレール部材410の係止突片418,419を係止させて、タンクレール部材410を本体枠3に取り付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片205がタンクレール部材410の下流側上端の上から当接するようになっている。タンクレール部材410を取り外すときには、レール掛止弾性片205を後方へ押圧しておいてからレール係止溝203,204と係止突片418,419との係止状態を解除すべくタンクレール部材410を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片205の側方に逃げ穴206が穿設され、レール掛止弾性片205の下方にアース線接続具207形成されている。逃げ穴206は、タンクレール部材410に設けられる整列歯車416の軸ピン417の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース接続具207は、タンクレール部材410の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、後述する電源基板686に設けられるアース用コネクタ690(図96参照)に接続される配線が接続されるものである。
また、右後面壁196には、図35及び図37に示すように、ほぼ右後面壁196に左右両端に垂直状の立壁210を立設し、その立壁210の間に球通路ユニット420と賞球ユニット450とが取り付けられる。ただし、後面開口222側の立壁210は、右後面壁196の下方に形成される切欠部218のやや上方までしか形成されていないのに対し、反対側の立壁210は、右後面壁196の側辺から下辺にかけてL字状に形成されている。
また、左右の立壁210の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起211が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起211は、後述する球通路ユニット420を取り付けたときに、該球通路ユニット420の球通路422(図61参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起211の左右には、球通路ユニット420をビスで止着するための通路ユニット取付ボス212、及び位置決めするための位置決めピン226が突設されると共に、後述する球切れスイッチ426(図61参照)に対面するスイッチ対応突起213が突設されている。通路ユニット取付ボス212及び位置決めピン226については、後に詳述する。
更に、左右の立壁210の中流部から下流部にかけて賞球ユニット450の係合部としての鉤状係合部474(図61参照)と係合する係止部としての係合突片215と、賞球ユニット450のボタン挿通係合穴471(図61参照)と係合するロック用弾性爪214と、が形成されると共に、賞球ユニット450のスプロケット457の回転軸458(図66参照)の端部が受け入れられる逃げ穴216が形成されている。また、右後面板196の下方には、切欠開口部218が形成されており、この切欠開口部218に賞球ユニット450の駆動モータとしての払出モータ465が臨むようになっている(図38参照)。そして、賞球ユニット450は、右後面板196の裏面最下端に形成される係止溝219のその下端を係止して前記係合突片215及びロック用弾性爪214によって右後面板196に着脱自在に取り付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。また、右後面壁196の開放側の端部には、カバー体750の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝217が形成されている。
以上、遊技盤設置凹部159及び板部160とからなる本体枠3の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、本体枠3の構成として、図37に示すように、開放側の側面壁191,192,193の下端が斜めに切り欠けられた切欠部221として構成され、図34に示すように、軸支側の第1側面壁190の内周の上下に遊技盤4の位置決め凹部261(図44参照)が係合される盤位置決め突起223が形成されると共に開放側の平面部分と遊技盤設置凹部159との境目の上下に遊技盤4にもうけられる遊技盤止め具260の端部が係合される盤止め具挿入穴225が形成されている。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置300、賞球タンク400、タンクレール部材410、球通路ユニット420、賞球ユニット450、満タンユニット520、錠装置560、基板ユニット650及びカバー体750が取り付けられるが、以下、これらを順次説明する。
<遊技盤>
遊技盤4の構成について図43乃至図46を参照して説明する。図43は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図44は、遊技盤4の正面図であり、図45は、遊技盤4の背面図であり、図46は、遊技盤4の平面図である。図43において、遊技盤4は、ほぼ正方形状のベニヤ盤250と、該ベニヤ盤250の前面に遊技領域255を囲むように取り付けられる飾り枠251と、から構成されている。ベニヤ盤250の表面には、装飾セルともいわれる装飾板が貼付されると共に遊技領域255に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に飾り枠251がベニヤ盤250の前面に取り付けられるが、その飾り枠251は、ベニヤ盤250の周囲を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がベニヤ盤250の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外滑走面252として形成され、その外滑走面252の終端に設けられる衝止部258の下部位置から上辺の前記衝止部258の対称の逆流防止部材254が設けられる位置までが内滑走面253として形成されている。外滑走面252は、その始端部に前記発射レール164の延長状に設けられたレール接続部材165に連接する接続通路部259が斜め状に形成されており、その接続通路部259に隣接してファール口257が形成されている。また、ファール口257の上流端から衝止部258までの外滑走面252には、金属製のレールが密着して取り付けられている。なお、衝止部258は、勢いよく外滑走面252を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域255の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材254は、一端発射されて遊技領域255の内側に取り入れられた打球が再度外滑走面252に逆流しないように防止するものである。
また、内滑走面253の下部中央には、アウト口256が設けられ、そのアウト口256から逆流防止部材254までの内滑走面253と外滑走面252との間は、発射された打球が遊技領域255まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域255に到達せずに外滑走面252を逆流した打球はファール口257に取り込まれて後述する満タンユニット520のファール球入口538に導かれて再度貯留皿30に排出されるようになっている。なお、遊技領域255は、実質的に内滑走面253によって囲まれる領域である。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される前記盤位置決め突起223に嵌合する位置決め凹部261が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される前記盤止め具挿入穴225に挿入される遊技盤止め具260が設けられている。遊技盤止め具260は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴225に挿入されるようになっている。しかして、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部261が盤位置決め突起223に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第1側面壁190に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具260を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴225に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具168を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に前記扉枠5の裏面に設けられるスピーカ34の後方突出部分を受け入れるようにスピーカ用切欠部262が形成され、また、ファール口257の側方斜め下に後述する満タンユニット520の前方誘導通路535部分の一部が挿入される通路用切欠部263が形成されている。また、飾り枠251の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部264が設けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域255に設けられる各種の遊技装置(例えば、大入賞口装置や一般入賞口等の入賞口)に入賞した球を下流側に整列して誘導する入賞空間形成カバー体265が取り付けられており、その入賞空間形成カバー体265の裏面に遊技領域255のほぼ中央に配置される表示装置としての液晶表示器(図示しない)の表示を制御する表示装置制御基板が収納される表示制御基板ボックスとしての液晶表示制御基板ボックス266が取り付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、入賞空間形成カバー体265の下方に盤用基板ホルダー267が固定されている。この盤用基板ホルダー267は、その前方に前記入賞空間形成カバー体265によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が入賞空間形成カバー体265の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口272(図42参照)が形成されている。この落下口272は、前記アウト口256の後面部分で合流して後述する基板ユニット650に形成されるアウト球通路668(図92参照)に連通するものである。また、盤用基板ホルダー267には、その裏面に遊技動作を制御する遊技制御基板を収納する遊技制御基板ボックス268と、後述する基板ユニット650に設けられる払出制御基板715や電源基板686(図97参照)等と接続するための中継端子板269と、が取り付けられている。中継端子板269には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に前記基板ユニット650に設けられるドロワコネクタ730,732と接続されるドロワコネクタ270,271が設けられている。また、盤用基板ホルダー267には、ドロワコネクタ270,271の間から中継端子板269を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起273が形成されている。この接合案内突起273は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット650側に設けられるドロワコネクタ730,732と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ270,271とが自然に接続されるように基板ユニット650の枠用基板ホルダー651に形成される接合案内孔676に挿入される(図100参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
上記した遊技盤4は、本体枠3の第1側面壁190等によって囲まれる遊技盤設置凹部159(図38参照)に収納配置され、遊技盤止め具260と遊技盤固定具168等で本体枠3に固定し、その固定を簡単に解除して本体枠3から遊技盤4を脱着することができる。この場合、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を、遊技盤4の一部及び本体枠3の一部を変更することによって達成することができる。この取り外し防止機構について図47乃至図49を参照して説明する。図47は、取り外し防止機構を組み込んだ遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図48は、取り外し防止機構を組み込んだ本体枠3の部分斜視図であり、図49は、取り外し防止機構部分の拡大斜視図である。
まず、遊技盤4に設けられる取り外し防止機構としては、図47に示すように、遊技盤4の下方の前記通路用切欠部263と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部280を形成し(正確には、装飾枠251に取付用切欠部280が形成されている。)、その取付用切欠部280の下部に水平方向に締結バー281を掛け渡し固定する。締結バー281には、そのほぼ中央に後述する締結バンド283を掛け止めるための帯溝状の締結部282が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、図48に示すように、本体枠3下方の板部160の上端辺にそって形成される遊技盤載置部161であって発射レール164の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴185を形成し、その締結穴185の前方部分に締結バンド283を掛け止めるための締結連杆186が差し渡されている。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部159に収納配置したときには、図49に示すように、締結バー281が遊技盤載置部161に当接して載置した状態になると共に、締結部282と締結連杆186とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部282と締結連杆186との一致している部分に対して、締結バー281の上方から一般的に市販されている締結バンド283の先端を通路用切欠部263に差し込んで下方に向けて締結穴185に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド283の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド283の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド283を切断しない限り、遊技盤止め具260と遊技盤固定具168等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド283を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド283をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
<打球発射装置>
打球発射装置300について図50乃至図55を参照して説明する。図50は、打球発射装置300の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図51は、打球発射装置300の分解斜視図であり、図52は、打球発射装置300と発射レール164との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図53は、操作ハンドル部71を操作していない状態における打球発射装置300と発射レール164との関係を示す背面図であり、図54は、操作ハンドル部71を操作している状態における打球発射装置300と発射レール164との関係を示す背面図であり、図55は、打球発射装置300に設けられるスライド部材350の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置300は、発射ベース枠301に打球槌336を回動自在に軸支すると共に、その打球槌336に往復回動を付与する発射モータ344を発射ベース枠301に取り付け、さらに打球槌336に復帰する付勢力を付与する付勢バネ333の付勢力を調節するスライド杆326及びスライド部材350が発射ベース枠301に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図51に示すように、発射ベース枠301は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、そのほぼ中心に打球槌336の軸受38が嵌合される軸受筒302が形成され、その上部及び側方に打球槌336の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材303,304が取り付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材303,304は、打球槌336が付勢バネ333の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌336の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠301の後方(発射レール164の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔305が形成され、そのスライド案内孔305の下方にスライド部材収納空間306が形成されている。スライド案内孔305は、後述するスライド杆326の後端上部に突設される案内係止片327が挿入されてスライド杆326のスライド移動を案内するものであり、スライド収納空間306には、スライド部材350が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆326の前方部分のスライド案内は、スライド杆326の前方に形成される案内長孔329に止めネジ331によって発射ベース枠301に形成される止め穴312に止着される案内ブッシュ330を貫通させることにより行われる。また、スライド収納空間306の底面には、図52に示すように、長方形状の連結開口314が形成されている。
また、発射ベース枠301の上辺の前方部分には、発射ベース枠301の本体に対して庇部が形成されており、前記軸受筒302の上方の庇部に作動片用開口307が穿設されている。この作動片用開口307には、前記扉枠5の貯留皿30の下流側の打球供給口40に臨んで設けられている供給揺動片41と当接する作動片308が作動片用開口307の開口縁の後方上部に突設されている取付部310に止めピン309によって揺動自在に設けられるものである。作動片308は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン309によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌336と一体的に回動するベース板339に突設される作動片当接部342と当接し、打球槌336の往復動作に連動して上辺部が供給揺動片41を揺動させ、供給揺動片41の揺動動作により打球供給口40から流出する打球を1個ずつ発射レール614の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠301には、発射モータ344を内蔵するモータカバー343を止着するためのモータ取付ボス311が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、前記スライド部材収納空間306の下部後方にスライド杆326をスライドさせるためにスライド部材350と連結される揺動片321の下端の軸穴322が挿入される揺動片用ボス313が突設されている。
上記した発射ベース枠301には、打球発射装置300の剛性を高めるために金属プレート315がほぼ密着するように取り付けられている。このため、金属プレート315には、軸受筒302、下方のゴムストッパー部材303、スライド案内孔305、案内ブッシュ330及び揺動片用ボス313にそれぞれ対応する貫通孔316,317,318a,318b,320が形成されていると共に、スライド部材350の連結凸部352が貫通する横長楕円状の貫通孔319も貫通されている。上記のように構成される金属プレート315は、スライド部材350をスライド部材収納空間306に収納した後、それぞれの貫通孔316〜320がそれに対応する部材302,303,305,313,352を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠301に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠301に固定されるものである。
金属プレート315が取り付けられた発射ベース枠301の揺動片用ボス313の先端部分が貫通孔320から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片321の軸穴322が挿通されて、揺動片321が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片321は、図51に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に前記軸穴322が形成され、その中程にスライド部材350の連結凸部352が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴323が形成されている。そして、その連結穴323より上方の前方面がスライド杆326の一端(後端)と当接する当接部324となっている。しかして、揺動片321を揺動片用ボス313に挿通し、且つ貫通孔319から頭を出しているスライド部材350の連結凸部352に連結穴323を挿入してワッシャ付きピン325を連結凸部352に止着することにより、揺動片321が発射ベース枠301に取り付けられる。そして、取り付けられた揺動片321は、スライド部材350のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート315の上部前面には、横長杆状のスライド杆326が左右方向にスライド可能に取り付けられる。即ち、スライド杆326の後方上部に突設されるL字状の案内係止片327を金属プレート315の貫通孔318aに貫通係合させ、スライド杆326の前方に形成される案内長孔329に止めネジ331を有する案内ブッシュ330を貫通させて止めネジ331を止め穴312に止着する。上記した案内係止片327と貫通孔318a、及び案内長孔329と案内ブッシュ330とにより、スライド杆326が金属プレート315を介して発射ベース枠301にスライド可能に装着される。また、スライド杆326には、その一端(後端)に上述した揺動片321の当接部324と当接する被当接部328が形成され、その他端(前端)に付勢バネ333の一端の係止輪334を掛け止めるためのバネ係止部332が突設されている。
金属プレート315が取り付けられた発射ベース枠301の軸受筒302が貫通孔316から突出しているが、その軸受筒302には、打球槌336の軸受338が抜け落ちないように嵌合されている。軸受338の軸には、打球槌336の下端部が固着されると共に同時にベース板339が固着される。ベース板339には、その前方裏面側に前記作動片308と当接する作動片当接部342が突設され、その前方前面に付勢バネ333の他端の係止輪335を掛け止めるためのバネ係止部341が突設され、さらにその後方前面に発射モータ344のモータカム346と係脱するモータ当接突片340が突設されている。打球槌336の上端には、合成樹脂製の槌先337が固着されており、この槌先337が発射レール164の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー359とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠301の前述したモータ取付ボス311には、モータカバー343に収納された発射モータ344が取り付けられる。より具体的には、図52(B)に示すように、モータカバー343は、内部に発射モータ344を収納するように形成された円筒部と、該円筒部の前方に拡大して前記モータ取付ボス311に取り付けるための取付固定穴348が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ344のモータ軸345の先端に逆回転防止カム347とモータカム346とが固定されている。逆回転防止カム347の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス349aに揺動自在に固定されるストッパー片349(図53参照)と係合して発射モータ344の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム346が逆方向に回転してモータカム346とモータ当接突片340とが噛み合って打球発射装置300の駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム346は、勾玉状に形成されており、発射モータ344の回転に伴いモータ当接突片340と係脱しながら打球槌336を往復動作させる。なお、モータカバー343をモータ取付ボス313に取り付けたときには、図50(A)に示すように、打球発射装置300の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間306に収納されてスライド移動するスライド部材350は、図55に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部351が突設され、さらに該楕円凸部351の後方位置に円形状の連結凸部352が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間306内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部353がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材350の空間は、前記扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット90のスライド突片102が挿入される挿入空間354となっている。しかして、この挿入空間354は、スライド方向前方の側壁手前側に第1傾斜面355が形成されると共に、その第1傾斜面355のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片356が形成されている。挟持片356の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第2傾斜面357も形成されている。しかして、スライド突片102が挿入空間354に挿入された状態では、図55(B)に示すように、スライド突片102の傾斜辺103側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片356の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材350の挿入空間354の側方に空間部358が形成されているが、この空間部358は、特に機能を奏しているわけではない。
しかして、上記のように構成されるスライド部材350は、スライド部材収納空間306に収納された状態で、図52(A)に示すように、スライド部材収納空間306の底面に形成される楕円形状の連結開口314に挿入空間354が臨むように形成されていると共に、スライド部材350がスライド部材収納空間306の一方の空間内壁に当接した状態(図52(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材350と打球発射装置300の付勢バネ333の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材350がスライド部材収納空間306の内部の初期位置(図52(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図53に示すように、該スライド部材350の連結凸部352に連結された揺動片321がほぼ垂直状態となっている。このため、揺動片321と当接しているスライド杆326も付勢バネ333の付勢力により一方向(図53において左側方向)に付勢された状態で揺動片321の当接部324とスライド杆326の被当接部328とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ333が張力されていないので、打球槌336が発射モータ344の回転に従動して往復回動しても、打球槌336の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域255に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間306の内部をスライド部材350が初期位置から他方方向に移動したとき(図52(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図54に示すように、揺動片321が下端の軸穴322を軸として揺動して傾動するため、当接部324と被当接部328との当接によりスライド杆326が他方向(図54において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆326のバネ係止部332に係止されている付勢バネ333も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ333が張力されているので、打球槌336が発射モータ344の回転に従動して往復回動したときの打球槌336の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域255に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材350のスライド部材収納空間306内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材350を移動させることにより、打球発射装置300による弾発力を調整することができるが、このスライド部材350の移動は、前述したハンドル装置70の操作ハンドル部71の回動操作部材74の回動操作に応じて移動するジョイントユニット90のスライド体93の移動と連動するようになっている。この点について図27、図28、図32、図33を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置70の操作ハンドル部71の回動操作部材74を回転させることにより、回転軸75の先端に固着される勾玉状のカム76も回転するため、ジョイントユニット90のスライド体93が収納体91の内部を一方向(図33において左方向)に向かってスライド移動する。このため、スライド体93の前面に突設されるスライド突片102も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体93のスライド突片102は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部169に形成される連結開口314を貫通してスライド部材350の挿入空間354に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片102の傾斜辺103側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片356の間に挿入された状態である(図33(A)に示す状態)。したがって、スライド突片102が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材350も同一方向に向かってスライド移動することになる。図面で言えば、図33(A)に示す状態から図33(B)に示す状態になる。このとき、前述したように、スライド部材350のスライド移動に伴ってスライド杆326もスライド移動するので、付勢バネ333の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置70の回動操作部材74を回動操作することにより、打球発射装置300の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置70が扉枠5に設けられ、打球発射装置300が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置70のスライド突片102と打球発射装置300のスライド部材350とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片102がスライド部材350の挿入空間354に自動的に挿入されてハンドル装置70と打球発射装置300とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片102が挿入空間354から離れてハンドル装置70と打球発射装置300とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置70と打球発射装置300との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片102が挿入空間354に挿入される際には、スライド突片102の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間354内に突設される挟持片356の第2傾斜面357によってスライド突片102がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部71の回動操作部材74に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片102が挿入空間354から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、図33(C)に示すように、スライド突片102の位置が多少一方向にずれた状態(図33の左側にずれた状態)となっているものの、スライド突片102の傾斜辺103とスライド部材350の第1傾斜面355との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材350を一方向に移動させながら最終的にスライド突片102とスライド部材350とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部71の回動操作部材74がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置70と打球発射装置300との連携を行うことができるものである。
<賞球タンク>
次に、本体枠3の裏面上部に取り付けられる賞球タンク400について、主として図56を参照して説明する。図56は、賞球タンク400の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク400は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝200(図37参照)に着脱自在に取り付けられるものである。しかして、賞球タンク400は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ遊技機1の正面側から見て、その前面壁400aに切欠部401が形成され、その底面が一方から他方に傾斜する第1傾斜底面402と次に説明する排出口404に向かって傾斜する第2傾斜底面403とによって形成されている。また、その第2傾斜底面403の傾斜下端に排出口404が形成されるが、この排出口404は、パチンコ遊技機1の正面側から見て賞球タンク400の後面壁400bよりも外側に突出するように形成されている。また、賞球タンク400の前面壁400aの両端外側には、前記タンク取付溝200と係合する取付鍔部407が形成されていると共に、賞球タンク400の底面の裏面側に本体枠3の前記第4側面壁193に載置当接する載置当接片405,406が突設され、さらに、賞球タンク400の上流側の後面壁400bの下部に後述する球ならし部材413を取り付けるための球ならし取付軸409が突設されている。また、排出口404を除く賞球タンク400の後面壁400b及び上流側側壁には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材408が着脱自在に取り付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク400においては、本体枠3のタンク取付溝200に対して取付鍔部407を上方から差し込むように取り付け、載置当接片405,406を本体枠3の第4側面壁194に当接させる。これによって、賞球タンク400が本体枠3の裏面側上部に載置して取り付けられるが、この取り付けられた状態においては、図41に示すように、前面壁400aの切欠部401と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部201とが連通し、また、図5に示すように、排出口404が次に説明するタンクレール部材410の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク400において、球を貯留する貯留部(第1傾斜底面402及び第2傾斜底面403に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第2側面壁191〜第4側面壁193までの前後方向の幅とほぼ同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁191〜193までの上部に載置されるようになっている。しかして、前述したように、本体枠3の第1側面壁190〜第4側面壁193は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁191〜193の上部に載置される賞球タンク400の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク400の全体を本体枠3の側面壁192〜193で支持しているので、傾斜底面402,403が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口404に導くことができる。また、排出口404が賞球タンク400の後面壁400bから外側に外れた位置に設けられているため、貯留部に貯留された球の流れが第2傾斜底面403から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁191〜193の上部外側に賞球タンク400の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク400の排出口404が貯留部の後面壁400bよりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材410が賞球タンク400の貯留部の外側(パチンコ遊技機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材410と賞球タンク400の貯留部とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁191〜193の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁191〜193の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク400の貯留部が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁191〜193の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口404が賞球タンク400の後面壁400bから外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図57を参考にして説明する。図57は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク400に貯留される球は、賞球タンク400の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口404Aを形成している場合、例えば、図57(A)に示すように、球崩し部400Bと反対側に排出口404Aが形成された賞球タンクや、図57(B)に示すように、球崩し部400Bに隣接して排出口404Aが形成されている場合には、排出口404Aの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基づく賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口404A部分に四方から球圧がかかった状態となっている。このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口404A部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク400では、排出口404が賞球タンク400の後面壁400bから外側に外れた位置に設けられているので、図57(C)に示すように、排出口404部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口404方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口404部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
<タンクレール部材>
上記した賞球タンク400の下方に配置されるタンクレール部材410について主として図58乃至図61を参照して説明する。図58は、賞球タンク400、タンクレール部材410、球通路ユニット420、賞球ユニット450、及び満タンユニット520の関係を示すパチンコ遊技機1の背面側から見た斜視図であり、図59は、賞球タンク400、タンクレール部材410、球通路ユニット420、賞球ユニット450、及び満タンユニット520の関係を示すパチンコ遊技機1の正面側から見た斜視図であり、図60は、タンクレール部材410の下流部と球通路ユニット420の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材410は、前述したように、本体枠3の上後面壁195のレール係止溝203,204(図35参照)に着脱自在に取り付けられるものである。そのため、タンクレール部材410には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝203に上から差し込まれる複数の係止突片418が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝204に上から掛け止められる鉤状の係止突片419が突設されている。しかして、タンクレール部材410は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク400の排出口404に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット420に臨んでいる。また、タンクレール部材410の内部は、図5に示すように仕切壁411によって球が2列に整列して流下する通路412となっている。なお、通路412の底面は、細溝が切り欠けられており、通路412を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路412の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具207(図35参照)に接続されている。このため、タンクレール部材410を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース接続具207を介して後述する電源基板686のアース用コネクタ690(図96参照)を経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材410の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材413が揺動自在に設けられている。この球ならし部材413は、前述した賞球タンク400の球ならし取付軸409に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材410の2列のそれぞれの通路412内に向かって垂下され、各通路412を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材413の設置位置より下流側のタンクレール部材410の上面が球押え板414によって被覆されている。この球押え板414は、球ならし部材413によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。更に、タンクレール部材410の下流端部には、それぞれの通路412に臨んで一対の整列歯車416が軸ピン417によって回転自在に軸支されている。この整列歯車416は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車416の歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン417に固定されている。このため、タンクレール部材410の各通路412を流下してきた球の上部が整列歯車416の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路412の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図60に示すように、各通路412を流れてきた球は、整列歯車416と噛み合いながら2列の通路412の下部に形成される傾斜面412aに沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット420の球落下通路422の上端入口422dに2列の通路412からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車416は、その上面を円弧状の歯車カバー415によって被覆されている。
<球通路ユニット>
上記したタンクレール部材410から一列状に落下される球を賞球ユニット450に導くための球通路ユニット420について、主として図61乃至図65を参照して説明する。図61は、本体枠3と球通路ユニット420及び賞球ユニット450との関係を示す分解斜視図であり、図62は、球通路ユニット420及び賞球ユニット450との関係を示す背面図であり、図63は、球通路ユニット420の背面から見た斜視図であり、図64は、球通路ユニット420の正面図であり、図65は、球通路ユニット420と賞球ユニット450との連結構造を説明するための側面図である。なお、図62及び図63において、賞球ユニット450部分は、ギヤカバー510、アルミ放熱板491、ユニットサブ板475が削除され、ユニットベース体451に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギヤ等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
球通路ユニット420は、ほぼ長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁421によって球落下通路422が形成されている。この球落下通路422は、図60(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部422aと、該前後屈曲通路部422aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部422bと、該左右屈曲通路部422aに連通してほぼ垂直状となっている垂直通路部422cとからなっている。前後屈曲通路部422aは、図60(A)に示すように、上述したタンクレール部材410から落下する上端入口422dの位置が前述したように2列の通路412のほぼ中央であるため、本体枠3の上後面壁195及び右後面壁196の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部422aと右後面壁196に突設される前記賞球案内突起211とによって球落下通路422を右後面壁196の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部422bは、図64に示すように、タンクレール部材410から前後屈曲通路部422aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット420のほぼ横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。更に、垂直通路部422cもほぼ垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部422cを構成する一方の屈曲通路壁421に切欠部423が形成され、その切欠部423に上端が支軸425によって軸支される球切れ検出片424が揺動自在に取り付けられている。この球切れ検出片424の側方には、球切れスイッチ426が取り付けられ、球切れスイッチ426のアクチュエータ427が球切れ検出片424に当接している。
しかして、垂直通路部422cに球が存在しているときには、垂直通路部422cに存在する球によって球切れ検出片424が押圧されてアクチュエータ427を押して球切れスイッチ426をONとするが、垂直通路部422cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片424が垂直通路部422c内に向かって揺動するので、アクチュエータ427が球切れスイッチ426をOFFとする。球切れスイッチ426がOFFになると、後述する賞球ユニット450の払出モータ465の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。なお、切欠部423の下端部には、球切れ検出片424の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起428が形成されており、また、球通路ユニット420の球切れ検出片424に対応する垂直通路部422cに球詰まり用挿入溝429が形成されている。この球詰まり用挿入溝429は、球詰まり等で球切れ検出片424の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット420の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片424部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片424に対面する他方の屈曲通路壁421は、若干球切れ検出片424側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部422cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片424を押圧して球切れスイッチ426をONにするためである。
また、球通路ユニット420には、上記した球落下通路422を避けた位置に止め穴430と位置決めボス431とが形成されている。位置決めボス431は、本体枠3の右後面壁196に形成される位置決めピン226に係合されるものであり、止め穴430は同じく右後面壁196に形成される通路ユニット取付ボス212に対応するものである。しかして、球通路ユニット420を本体枠3に取り付けるには、図61に示すように、位置決めボス431を位置決めピン226に係合させながら通路ユニット取付ボス212と止め穴430とを一致させ、その状態で止め穴430からビス432を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット420には、その一側中程にカバー体750の係合片752(図3参照)と係合するカバー体係合溝433が形成されていると共に、下部に賞球ユニット450と連結するための連結蓋部材434が回動自在に設けられている。
連結蓋部材434は、図63に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁438を突設することにより構成されており、球通路ユニット420の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片435に、連結蓋部材434の両端部から延びる支持片436の先端に突設される回転軸部としての突起軸437を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材434は、閉じることにより球通路ユニット420の下方に延長されて通路壁438によって形成される通路と球落下通路422の下流端部とが連通した状態(図65(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁438によって形成される通路と球落下通路422の下流端部とが連通しない状態(図65(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材434の支持片436を案内する案内突起439が球通路ユニット420の後面下端部に突設されている。
しかして、球通路ユニット420を本体枠3の右後面壁196に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット450を同じく右後面壁196に装着した状態(図65(A)に示す状態)で、連結蓋部材434を閉じて賞球ユニット450に設けられる係止弾性爪470によってその後面を係止することにより、球通路ユニット420の球落下通路422と賞球ユニット450の屈曲通路453とを通路壁438にて連通して、球通路ユニット420の球落下通路422を落下する球を賞球ユニット450の屈曲通路453に導くことができるものである。このように球通路ユニット420に回動自在な連結蓋部材434を設けた理由は、後述するように賞球ユニット420を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット420と賞球ユニット450との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット420に突設される一対の屈曲通路壁421の間に本体枠3の右後面壁196にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起211を挿入することで、球落下通路422の上端入口422dがタンクレール部材410の2列の通路412のほぼ中央下部に位置するように、球落下通路422の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部422aとして形成する。これにより、一対の整列歯車416によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット450側に送り出す構成において、球落下通路422を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット450に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路422を構成する必要がないため、球落下通路422を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路422の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材410から前後屈曲通路部422aを落下してきた球は、左右屈曲通路部422bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部422cを通って賞球ユニット450に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部422cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片424及び球切れスイッチ426)が設けられる。これにより、球落下通路422での球切れ、言い換えれば賞球ユニット450に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
<賞球ユニット>
次に、上記した球通路ユニット420の下流側に配置される賞球ユニット450について、主として図66乃至図69を参照して説明する。図66は、賞球ユニット450の背面側から見た分解斜視図であり、図67は、払出モータ465と払出部材としてのスプロケット457との関係を説明するための背面図であり、図68は、賞球ユニット450の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図69は、図68のA−A断面図である。
図66において、賞球ユニット450は、一対の屈曲通路壁452によって球通路を構成する屈曲通路453、賞球通路460、及び球抜通路461が形成されるユニットベース体451と、該ユニットベース体451の後面を覆うユニットサブ板475と、該ユニットサブ板475の上部表面(後面側)に取り付けられる中継基板480と、前記ユニットサブ板475のほぼ中央表面領域(後面側領域)に設けられるギヤ群493,494,497及び検出円盤500(回転伝達部材)を被覆するギヤカバー510とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体451は、ほぼ長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板475側に向かって突設される一対の屈曲通路壁452によって屈曲通路453が形成されている。屈曲通路壁452は、ユニットベース体451の上部中央から下流側のほぼ中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体451の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁452が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット457が配置される振分空間455を構成し、その振分空間455の下部からユニットベース体451の下流端までに左右に分かれた前記屈曲通路壁452の対をなすように通路区画壁459が突設形成されている。つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁452と通路区画壁459とによって振分空間455から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路460を構成し、他方の通路が球抜通路461を構成している。なお、通路区画壁459も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁459の内側に払出モータ465を収納するモータ収納空間464が形成されている。即ち、払出モータ465は、球通路(屈曲通路453、賞球通路460、球抜通路461)を避けた位置であって当該球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間464に収納固定される。なお、屈曲通路453は、該通路453内に停留する球のスプロケット457への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間455に到達しているが、その振分空間455の上流側の底面に楕円形状の開口454が形成されている。この開口454は、屈曲通路453内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット450を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間455には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット457が回転自在に配置されるが、このスプロケット457が固定される回転軸458の他端を軸支する軸受筒456が振分空間455の底面に形成されている。また、振分空間455の底部を構成する通路区画壁459の上端部は、スプロケット457の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路460の上流部には、払出球検出センサ462が着脱自在に装着されている。払出球検出センサ462は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致する取付部を屈曲通路壁452で形成することにより、簡単に着脱自在に取り付けられるものである。なお、払出球検出センサ462からの配線(図示しない)は、後述する中継基板480に接続されるようになっている。更に、賞球通路460を構成する屈曲通路壁452の下流側には、ユニットサブ板475と一体的に形成される通路蓋板部509に形成される係止部509aと係合する係止爪463が複数形成されている。ただし、複数の係止爪463のうち、通路蓋板部509の下端の一方の係止部509aと係合する係止爪463は、通路区画壁459側に形成されている。
また、ユニットベース体451の下方であって賞球通路460と球抜通路461との間には、払出モータ465を収納する円形状のモータ収納空間464が形成されるが、このモータ収納空間464の内部に払出モータ465の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ465は、その前面に形成される一対の取付片466によってユニットサブ板475の下方に取り付けられるアルミ放熱板491の裏面側にビス467で固着されるようになっている。そして、払出モータ465がユニットサブ板475のアルミ放熱板491に取り付けられた状態で、払出モータ465のモータ軸468は、アルミ放熱板491に穿設された軸挿通穴492を貫通して第1ギヤ493が固着されるようになっている。また、ユニットサブ板475及びアルミ放熱板491でユニットベース体451の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路453、賞球通路479、及び球抜通路461が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ465の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ465を収納するモータ収納空間464と前述したスプロケット457が配置される振分空間455とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体451の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット450のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体451には、上記した球抜通路461の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット450の裏面側に誘導する誘導突片469が突設され、この誘導突片469に誘導された球が後述する球抜接続通路515に誘導されて最終的にパチンコ遊技機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体451の上部には、前述した球通路ユニット420の連結蓋部材434を係止する係止弾性爪470が突設されると共に、賞球ユニット450を本体枠3の右後面壁196に着脱自在に取り付けるためのボタン挿通係合穴471及び鉤状係合部474と、ユニットベース体451とユニットサブ板475を挟持した状態でギヤカバー510とを連結するための取付ボス473が設けられている。ボタン挿通係合穴471には、ユニットベース体451の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン472が奥行幅方向に摺動自在に取り付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の右後面壁196に形成されるロック用弾性爪214に対応している。また、ボタン挿通係合穴471の後端面は、図61に示すように、ロック用弾性爪214の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部474は、本体枠3の右後面壁196に形成される係合突片215と係合するもので、賞球ユニット450を右後面壁196に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部474と係合突片215とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪214とボタン挿通係合穴471とが係合するので、賞球ユニット450の上方向の移動ができないようになっている。なお、鉤状係合部474は、ユニットベース体451の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板475を挟持した状態でユニットベース体451とギヤカバー510とを連結するための取付ボス473は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板475に穿設される貫通穴508を貫通した後、ギヤカバー510の取付穴511に対応させ、そのギヤカバー510の表面からネジ512を螺着することにより、ユニットサブ板475を挟持した状態でユニットベース体451とギヤカバー510とを連結している。
上記したユニットベース体451を被覆するユニットサブ板475の構成について説明すると、ユニットサブ板475は、ユニットベース体451の屈曲通路453部分と振分空間455部分と賞球通路460部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ465が取り付けられると共に球抜通路461の下流部分とを覆うアルミ放熱板491を取り付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板475の合成樹脂板部の表側(後面側)には、中継基板480を取り付けるための中継基板領域476が上部に形成され、その下方に複数のギヤ493,494,497や検出円盤500が取り付けられるギヤ領域490が形成されている。中継基板領域476は、ほぼ正方形状に形成され、その正方形状に沿って中継基板480を載置する載置リブ477が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー485の係合突起486と係合する係合溝部478が形成され、その他側垂直辺の中央に基盤カバー485の係止突部487と係合する係止爪部479が形成されている。また、中継基板領域476には、着脱ボタン472が挿通されるボタン挿通穴484と中継基板480をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部482が形成されている。
上記した中継基板領域476に取り付けられる中継基板480は、賞球ユニット450に設けられる上述した払出球検出センサ462、払出モータ465、及び後述するセンサ505からの配線と、後述する払出制御基板715(図96参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン472が挿通されるボタン挿通穴483と前記取付ボス部482に対応する取付穴481とが穿設されている。しかして、中継基板480を中継基板領域476の載置リブ477に載置した状態で取付穴481と取付ボス部482とを合致させて図示しないビスで止着することにより中継基板480をユニットサブ板475の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取り付けられる中継基板480は、基板カバー485によって被覆される。基板カバー485は、ほぼ正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起486と他側垂直辺のほぼ中央側面に係止突部487が形成されている。また、基板カバー485の正方形状の垂直面には、ボタン開口488と接続開口部489とが形成されている。しかして、基板カバー485の係合突起486を中継基板領域476の係合溝部478に差し込んで係合した後、係止突部487と係止爪部479とを係合させることにより、簡単に基板カバー485で中継基板480を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部479を弾性変形させて係止突部487との係合を解除すると共に基板カバー485を斜め手前側に引いて係合突起486と係合溝部478との係合を解除することができる。なお、基板カバー485を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴471に係合されている着脱ボタン472の頭部がボタン挿通穴483,484を挿通してボタン開口488から外部に僅かに臨んでいる。また、中継基板480に接続された配線は、接続開口部489から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板475に形成されるギヤ領域490に設けられるギヤ493,494,497、及び検出円盤500について説明する。前述したように、払出モータ465のモータ軸468の先端は、ユニットサブ板475のアルミ放熱板491に穿設される軸挿通穴492を貫通してユニットサブ板475の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第1ギヤ493(駆動ギヤ)が固着されている。第1ギヤ493の上方には、該第1ギヤ493と噛合する第2ギヤ494(回転伝達ギヤ)がギヤカバー510の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板491に穿設される軸穴496に他端が支持される軸495に回転自在に設けられ、その第2ギヤ494の上方には、該第2ギヤ494と噛合する第3ギヤ497(回転伝達ギヤ)がユニットサブ板475に形成される軸穴499に圧入された軸498に回転自在に設けられている。更に、第3ギヤ497の上方には、該第3ギヤ497と噛合するギヤ部502(従動ギヤ)を有する検出円盤500が前記スプロケット457を軸支する回転軸458に回転自在に設けられている。なお、図69に示すように、モータ軸468の先端部がギヤカバー510に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸458は、その一端がユニットベース体451に形成される軸受筒456に圧入されて支持され、その他端がギヤカバー510に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギヤ領域490の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴514を貫通して振分空間455においてスプロケット457を回転自在に軸支し、ユニットサブ板475とギヤカバー510とによって形成される空間において検出円盤500を回転自在に軸支している。ただし、図69に示すように、スプロケット457の後端部が検出円盤500の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット457と検出円盤500とは、回転軸458を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ465が回転駆動すると、その回転が第1ギヤ493、第2ギヤ494、第3ギヤ497、検出円盤500のギヤ部502を介してスプロケット457を回転するように伝達される。
検出円盤500の外周は、ギヤ部502の円よりも一回り大きく形成されており、そのギヤ部502よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット457の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠501が形成されている。この検出切欠501は、ユニットサブ板475の表面に形成される基板取付部507に挟持支持されるセンサ基板504に設けられる投受光方式のセンサ505(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、センサ505は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠501の検出個数を検出することにより、スプロケット457が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、センサ505により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット457による球噛み状態)には、スプロケット457を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路460に設けられる払出球検出センサ462によって検出して計数のために使用している。なお、図69に示すように、センサ基板504の他端辺もギヤカバー510に形成される基板取付部507に挟持されるようになっている。
上述したように、ギヤ領域490に設けられる複数のギヤのうち、第2ギヤ494だけがギヤカバー510側に圧入される回転軸495に回転自在に設けられているところ、ギヤ領域490を覆うギヤカバー510には、前記ユニットベース体451に突設されてユニットサブ板475の貫通穴508を貫通する取付ボス473の先端部に対応する位置に穿設される取付穴511が形成されている。そして、ギヤカバー510側に設けられる第2ギヤ494の歯とユニットサブ板475側に設けられる第1ギヤ493及び第3ギヤ497の歯とを噛み合わせながら、取付穴511と取付ボス473とを一致させた状態でギヤカバー510の後面からネジ512で螺着することにより、ユニットサブ板475を挟持する状態でベースユニット体451とギヤカバー510とが一体的に固定される。また、ギヤカバー510の一側側面には、前記中継基板480に接続される配線(例えば、中継基板480と後述する払出制御基板715とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片513が突設されている。
以上、賞球ユニット450の構成について説明してきたが、ユニットベース体451とユニットサブ板475と中継基板480と基板カバー485とギヤカバー510とを組み付けた状態においては、図69に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路453の下方位置に払出モータ465の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体451には、球通路(屈曲通路453、賞球通路460、球抜通路461)内に配置されたスプロケット457と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間464に収納された払出モータ465と、を設け、ユニットサブ板475には、その非閉塞面側に沿って払出モータ465のモータ軸468の回転をスプロケット457の回転軸458に伝達する回転伝達部材(第1ギヤ493、第2,3ギヤ494,497、及び検出円盤500のギヤ部502)を設け、しかも、払出モータ465と屈曲通路453の振分空間455に配置される払出部材としてのスプロケット457とをユニットサブ板475の後面のギヤ領域490に設けられる複数のギヤ493,494,497,500(502)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体451とユニットサブ板475との間に形成される球通路(屈曲通路453、賞球通路460、球抜通路461)の奥行き幅内にスプロケット457と払出しモータ465とを収納し、しかも、スプロケット457と払出しモータ465とを連結する回転伝達部材(第1ギヤ493、第2,3ギヤ494,497、及び検出円盤500のギヤ部502)をユニットサブ板475の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット450を薄型化することができる。また、このような賞球ユニット450は、当該賞球ユニット450内の球通路(屈曲通路453、賞球通路460、球抜通路461)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ465を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の右後面枠196の後面側に取り付けたときに、賞球ユニット450のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図69において、払出モータ465の前端部分がユニットベース体451の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図38に示すように、右後面壁196の下方の切欠開口部218から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から右後面壁196の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、右後面壁196よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット450が取り付けられる本体枠3の右後面壁196と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
また、上記のように構成される賞球ユニット450を本体枠3の右後面壁196に取り付けるためには、図61に示すように、鉤状係合部474と係合突片215とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット450の下端を係止溝219に掛け止め且つ鉤状係合部474と係合突片215とを係合させるために賞球ユニット450を右後面壁196に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット450の下端部と係止溝219とが係合し且つ鉤状係合部474と係合突片215とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット450を上方に移動させることにより簡単に上記のそれぞれの係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪214がボタン挿通係合穴471に係合するようになっている。つまり、ロック用弾性爪214とボタン挿通係合穴471とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット450の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット450を取り付けた後に、球通路ユニット420の連結蓋部材434を前述したように回動して係止弾性爪470で係止することにより、球通路ユニット420の球落下通路422下流端と賞球ユニット450の屈曲通路453の上流端とを一対の通路壁438によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット450を取り付けた状態では、賞球通路460の下流端と後に詳述する満タンユニット520の賞球入口542とが接続され、球抜通路461の下流端が球抜接続通路515の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット450を取り外すときは、係止弾性爪470による係合を解除して連結蓋部材434を手前側に回動し、その後、着脱ボタン472を押圧してロック用弾性爪214を前面側に移動させてロック用弾性爪214とボタン挿通係合穴471との係合を解除させ、その後着脱ボタン472を押圧したままの状態で賞球ユニット450を上方に引き上げて賞球ユニット450の下端部と係止溝219との係合及び鉤状係合部474と係合突片215との係合を解除して賞球ユニット450を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット450を簡単に取り外すことができる。
<満タンユニット>
上記した賞球ユニット450の下流側に配置される満タンユニット520について、主として図70乃至図75を参照して説明する。図70は、賞球ユニット450と満タンユニット520との関係を示す斜視図であり、図71は、満タンユニット520の分解斜視図であり、図72は、満タンユニット520内の球の流れを示す斜視図であり、図73は、満タン揺動板531の作用を説明するための平面図であり、図74は、満タンユニット520とファール口257との関係を示す一部破断斜視図であり、図75は、同じく満タンユニット520とファール口257との関係を示す断面図である。
満タンユニット520は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部180に載置固定されるものであり、図71に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体521と、該ボックス主体521の上面を覆う蓋体541とから構成されている。ボックス主体521は、賞球通路460の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口536から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体541に形成される賞球入口542から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路522が区画壁526によって形成されている。側方誘導通路522の賞球入口542の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部523が設けられ、側方誘導通路522の他端内面に側方誘導通路522を流れてきた球の衝撃を受け止めて該球を下流側に誘導する緩衝部材524が設けられている。
また、側方誘導通路522の他端内面に設けられる緩衝部材524に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、その下流側に形成される傾斜側壁527によって側方誘導通路522の球の流れと逆方向に流れるように誘導される。つまり、区画壁526と傾斜側壁527とにより逆側方誘導通路525が形成されている。逆側方誘導通路525を流れた球は、その後前方に向かって形成される前方誘導通路535に導かれて該前方誘導通路535の流下端に形成される出口536から前述した貯留皿30の賞球口39に導かれる。
ところで、前記緩衝部材524の下流側で逆側方誘導通路525の一端部には、スイッチ収納空間528が外側に突出するように形成されている。このスイッチ収納空間528の前方下部位置には、支軸ピン529が突設され、該支軸ピン529に満タン揺動板531の軸穴533が挿通されて満タン揺動板531が揺動自在に設けられている。満タン揺動板531は、逆側方誘導通路525の一端側壁を形成するように板状に形成され、その板状の下端に軸穴533が形成されると共にその裏面に検出片532が一体的に形成されている。検出片532は、満タン揺動板531の裏面に連結される扇状の連結板の後端部分を上下方向に突設することにより形成され、その突設した検出片532が後に詳述する投受光方式の満タンスイッチ545の投光器と受光器との間を遮蔽したり導通させたりすることにより満タンスイッチ545のON・OFFを検出するようになっている。なお、支軸ピン529には、軸スプリング530も挿通され、その軸スプリング530の一端が満タン揺動板531の裏面に係止され、他端が支軸ピン529の後方に立設されるバネ係止ピン549に係止されることにより、満タン揺動板531の上端部が常時逆側方誘導通路525側に付勢されている。ただし、スイッチ収納空間528の上部には、側方誘導通路522の他端側壁の下流側延長位置とその後方位置とに2つのストッパー片534が形成されているため、満タン揺動板531の上端部は、この2つのストッパー片534の間で支軸ピン529を中心にして揺動するだけである。なお、スイッチ収納空間528の上部側壁の後方部分には、満タンスイッチ545からの配線546を外部に引き出すための配線引き出し凹部547が形成されている。
更に、逆側方誘導通路525の下流側の一側方にファール球通路537が形成されている。ファール球通路537は、その上流側のファール球入口538が図74に示すように、前述したファール口257に連通し、その下流側が前方誘導通路535の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口257に取り入れられたファール球は、ファール球入口538から屈曲したファール球通路537を通って前方誘導通路535に導かれ、さらに出口536及び賞球口39を通って貯留皿30に戻される。
また、ボックス主体521には、前記出口536の両側方と前記ファール入口538の一側方に前記満タンユニット載置部180に形成されるユニット係合溝181に係合される係合片539が突設されると共に、蓋体541に形成される掛止片548と係合する掛止突起540が形成されている。この掛止突起540は、ボックス主体521の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体541は、ボックス主体520の側方誘導通路522、逆側方誘導通路525、スイッチ収納空間528、前方誘導通路535、及びファール球通路537の上面を覆うような板形状に形成され、前記側方誘導通路522に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口542が開口されている。また、スイッチ収納空間528に対応する位置には、投受光方式の満タンスイッチ545を取り付けるためのスイッチ取付部543が形成されている。満タンスイッチ545のスイッチ取付部543への取り付けは、蓋体541の下面から満タンスイッチ545の形成される係止爪をスイッチ取付部543の係止部に係止させることにより簡単に取り付けるようになっている。更に、蓋体541の周囲には、ボックス主体521の前記掛止突起540と係合するための掛止片548が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット520においては、図72に示すように、賞球ユニット520の賞球通路460から払出された球が賞球入口542から側方誘導通路522の上流側に入って側方誘導受部523によって側方に向かって誘導されて緩衝部材524に衝突する。緩衝部材524に衝突した球は、そのまま下流側に向かって傾斜側壁527に当たって逆側方誘導通路525を前記側方誘導通路522の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路535に導かれ、前方誘導通路535の出口536から賞球口39を通って貯留皿30に導かれる。また、ファール球入口538から入ったファール球も屈曲したファール球通路537によって球の勢いを弱められて前方誘導通路535に合流し、前方誘導通路535の出口536から賞球口39を通って貯留皿30に導かれる。
上記のように、満タンユニット520内を球が自然に流れているときには、図73(A)に示すように、側方誘導通路522から逆側方誘導通路525に球が移動するときに、緩衝部材524に当たって傾斜側面527のほぼ中央位置に向かって反射されるため、球が満タン揺動板531に当たることはほとんどない。このため、軸スプリング530の付勢力により満タン揺動板531の上端が前方のストッパー片534に当接した状態となっているため、検出片532が投受光方式の満タンスイッチ545の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、貯留皿30に賞球が貯留されて満タンユニット520内にも球が充満してきたときには、図73(B)に示すように、前方誘導通路535及び逆側方誘導通路525に貯留された球の圧力により満タン揺動板531が軸スプリング530の付勢力に抗して時計回転方向に揺動して後のストッパー片534に当接した状態となる。この状態では、検出片532が投受光方式の満タンスイッチ545の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ545がONすると、賞球ユニット450の払出モータ465の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。なお、前方誘導通路535及び逆側方誘導通路525に球が貯留された状態であっても、ファール球通路537の底面の傾斜が極めて強いため、貯留している球がファール球通路537を逆流してファール球入口538から逆流することはない。
上記したように、本実施形態に係る満タンユニット520においては、本体枠3の満タンユニット載置部180に着脱自在に取り付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット520の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット450の賞球通路460から払出された球の勢いを弱めながら貯留皿30に誘導することができるので、払い出された賞球が貯留皿30から外に飛び出すこともない。また、満タンスイッチ545を作動させる満タン揺動板531が通常の球の流れによって影響を受けることのない側方誘導通路522の流下端の下方の位置に設けられているので、通常時に満タンによる賞球の払出停止状態となることはなく、満タン時にだけ確実に賞球の払出停止状態とすることができる。更に、本実施形態に係る満タンユニット520は、ファール球を導くファール球通路537が賞球を払い出す前方誘導通路535の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
〔満タンユニットの他の実施形態〕
上記した実施形態(以下、「第1実施形態に係る満タンユニット」という。)に係る満タンユニット520は、満タンスイッチ545を作動させる満タン揺動板531が通常の球の流れによって影響を受けることのない側方誘導通路522の流下端の下方の位置に設けられているものを示したが、満タン時により確実に満タン検出することができる満タンユニットに係る実施形態(以下、「第2実施形態に係る満タンユニット」という。)を図76乃至図80を参照して説明する。図76は、第2実施形態に係る賞球ユニットと満タンユニット520Aとの関係を示す斜視図であり、図77は、第2実施形態に係る満タンユニット520Aの斜視図であり、図78は、第2実施形態に係る満タンユニット520Aの前方から見た分解斜視図であり、図79は、第2実施形態に係る満タンユニット520Aの後方から見た分解斜視図であり、図80は、第2実施形態に係る満タンユニット520Aに設けられる底面開閉板551部分で切断した横断面図である。なお、図中、第2実施形態に係る満タンユニット520Aに係る部品符号において、第1実施形態に係る満タンユニット520に係る部品と同じ機能を有する部品には、同一の番号の後に「A」を付して表した。
第2実施形態に係る満タンユニット520Aと第1実施形態に係る満タンユニット520との大きな相違点は、第1実施形態に係る満タンユニット520の満タンスイッチ545を作動させる満タン揺動板531が逆側方誘導通路525の一端側壁を形成するように板状に形成されているのに対し、第2実施形態に係る満タンユニット520Aの満タンスイッチ545Aを作動させる底面揺動板551を逆側方誘導通路525Aの上流側の底面のほぼ全域に設けた点である。上記以外の小さな相違点は、第1実施形態に係る満タンユニット520の区画壁526に相当する部材が第2実施形態に係る満タンユニット520Aに設けられていない点と、満タンスイッチ545Aを作動させる揺動板が底面揺動板551になったことによるスイッチ収納空間528Aに取り付けられる満タンスイッチ545Aの取付構造が若干異なる点であり、上記以外の相違点はほとんどない。
そこで、主として底面揺動板551に係る構成を中心として第2実施形態に係る満タンユニット520Aについて説明する。図78及び図79に示すように、逆側方誘導通路525Aの上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口550が形成され、その底面開口550を底面揺動板551が揺動自在に閉塞している。底面開口550は、上面が開放されたほぼ正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起554が突設されている。また、底面開口550の凹状の底面にバネ556の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部555が形成されている。一方、底面開口550を閉塞する底面揺動板551は、ほぼ正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て前記軸支突起554に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部552が突設形成されている。また、底面揺動板551の裏面中央には、図80に示すように、バネ556の上端が係止されるバネ係止突起551aが下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板551は、バネ556の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ556は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板551上に載置したときでも底面揺動板551が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板551上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板551の上流側に検出突片553が前方に向かって突出されている。この検出突片553は、底面揺動板551の軸受部552を軸支突起554に嵌合軸支したときに、スイッチ収納空間528Aに位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路525Aの上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ545Aを収納するためのスイッチ収納空間528Aが一体的に形成されている。スイッチ収納空間528Aに満タンスイッチ545Aを取り付けるために、スイッチ収納空間528Aの上部であって逆側方誘導通路525Aの上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部543Aが形成され、そのスイッチ取付部543Aに満タンスイッチ545Aがビス557によって止着されている。満タンスイッチ545Aは、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片553が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
上記のように構成される満タンユニット520Aにおいては、通常時、満タンユニット520A内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路522Aから逆側方誘導通路525Aに球が移動する際に、底面揺動板551に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ556の弾発力が強いので、底面揺動板551が揺動することがなく、図80の実線で示すように、検出突片553が投受光方式の満タンスイッチ545Aの投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、貯留皿30に賞球が貯留されて満タンユニット520A内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路535A及び逆側方誘導通路525Aの上流側の全域に形成される底面揺動板551上に貯留された球の圧力により底面揺動板551がバネ556の付勢力に抗して下方に揺動し、図80の二点鎖線で示すように、検出突片553が投受光方式の満タンスイッチ545Aの投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ545AがONすると、第1実施形態に係る満タンユニット520と同様に、賞球ユニット450の払出モータ465の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、第2実施形態に係る満タンユニット520Aにおいては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路525A)の通路底面の幅とほぼ同じ幅の底面揺動板551によって満タンスイッチ545を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板551揺動するように付勢部材(バネ556)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
<錠装置>
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取り付けられる錠装置560について主として図81乃至図89を参照して説明する。図81は、錠装置650と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図82は、錠装置650の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図83は、パチンコ遊技機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図84は、錠装置560と本体枠3の側壁190,191との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図85は、錠装置650の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図86は、錠装置560の背面側から見た斜視図(A)、錠装置560のコ字状基体561の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610の斜視図(B),(C)であり、図87は、錠装置560の分解斜視図であり、図88は、扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610の作用を説明するための正面図であり、図89は、不正防止部材582の作用を説明するための正面図である。
錠装置560は、本体枠3の開放側の第1側面壁190に沿って本体枠3のほぼ上端から下端にかけて取り付けられるものであり、図81に示すように、本体枠3の外周側辺と第1側面壁190の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴198と、第1側面壁190の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴197とシリンダー錠貫通穴170の上部近傍に形成される錠取付穴208と、によって次に説明する錠装置560のコ字状基体561が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置560の構造について詳細に説明する。
図85乃至図87に示すように、錠装置560は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体561と、該コ字状基体561内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆600と、前記コ字状基体561内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆610と、該本体枠用摺動杆610の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体561の下部に取り付けられる不正防止部材582,590と、からなる。
コ字状基体561は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁190〜193で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁190と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置560の横幅寸法を小さく形成して錠装置560を本体枠3の裏側に取り付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体561の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置560が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610とが、それぞれのフック部601、614,624を除いてコ字状基体561に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体561の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆610のフック部614,624が貫通される長方形状のフック貫通開口562が開設されると共に、閉塞側であって第1側面壁190と密着する側面561b(図87参照)上部と中程に水平方向にビス止め部563が突設され、更に、開放側の第1側面壁190と密着しない側面561a(図87参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面561a,561bの下端部に係止突起564が突設形成されている。ビス止め部563と係止突起564は、錠装置560を本体枠3の裏面に取り付けるためのものであり、係止突起564を本体枠3の錠係止穴198に差し込んで上方に移動させ(図82参照)、その状態でビス止め部563と錠取付穴197とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置560を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置560のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部563だけではなく、後述する錠取付片568に形成されるビス止め穴596と前記シリンダー錠貫通穴170の上方近傍に形成される錠取付穴208とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置560の下方も取り付けられるようになっている。
また、その取り付けに際し、コ字状基体561の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起564を錠係止穴198に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体561の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部563及びコ字状基体561の開放側(前方部)に形成されたビス止め穴596を錠取付穴197,208にビスで固定する構造であるため、錠装置560の前方部を係止突起564と錠係止穴198で係止し、錠装置560の後方部をビス止め部563と錠取付穴197で固定し且つ錠装置560の下方部をビス止め穴596と錠取付穴208で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置560を本体枠3に強固に固定することができるものである。換言するならば、錠装置560を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体561に集約して構成した場合でも、錠装置560の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置560を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起564がコ字状基体561の第1側面壁190と密着しない側面561aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部563及びビス止め穴596がコ字状基体561の第1側面壁190と密着する側面561bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第1側面壁190と密着する側面561bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置560を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体561の両側面561a,561bの上部、中程、下部に挿通穴565が形成され、コ字状基体561にガラス扉用摺動部材600及び本体枠用摺動杆610を収納した状態で挿通穴565にリベット566を差込んでかしめることにより、コ字状基体561の内部にガラス扉用摺動部材600及び本体枠用摺動杆610を摺動自在に取り付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆600の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴602と本体枠用摺動杆610の上フック部材611及び下フック部材612にそれぞれ1つずつ形成されるリベット用長穴615,620にリベット566を貫通させることにより、扉枠用摺動杆600が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆610が下方に移動できるようになっている。したがって、図86(B)に示すように本体枠用摺動杆610のリベット用長穴615,620の下端部にリベット566が貫通しており、図86(C)に示すように扉枠用摺動杆600のリベット用長穴602の上端部にリベット566が貫通している。
更に、コ字状基体561の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部567が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第1側面壁190と密着する側面561bの前端部にシリンダー錠570を取り付けるための錠取付片568が側方に向かって突設され、更に、第1側面壁190と密着する側面561bに挿入縦開口579、バネ係止片580、及び逃げ横穴581がそれぞれ形成されている。不正防止切欠部567は、後に説明する第1不正防止部材582のストッパー片部585が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片568は、錠装置560を本体枠3の裏面に取り付けた状態で、遊技盤設置凹部159の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体561の側面561bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片568には、シリンダー錠570が貫通する錠挿通穴569が形成されると共にシリンダー錠570をビス572で取り付けるための取付穴573が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置560の下部を本体枠3の裏面に取り付けるためのビス止め穴596が穿設されている。また、挿入縦開口579は、シリンダー錠570に固定される係合カム575の第1係合突片576及び第2係合突片577がシリンダー錠570の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片580は、不正防止部材582,590に設けられるバネ593が係止されるものであり、逃げ横穴581は、連結ピン592の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片568に取り付けられるシリンダー錠570について説明すると、シリンダー錠570は、錠取付基板571の前方に円筒状のシリンダー錠本体が固定され、そのシリンダー錠本体の錠軸574が錠取付基板571より後面に出ており、その錠軸574の後端に係合カム575がビス578によって固定されている。係合カム575は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆610の下降係合穴621に係合する第1係合突片576となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆600の上昇係合穴605に係合する第2係合突片577となっている。そして、上記のように構成されるシリンダー錠570は、円筒状のシリンダー錠本体部分を錠挿通穴569に挿通して錠取付基板571の上下2箇所に形成される取付穴(符号なし)と錠取付片568の取付穴573とを一致させてビス572で螺着することにより、シリンダー錠570をコ字状基体561に固定することができる。
次に、コ字状基体561に取り付けられる不正防止部材582,590について図87を参照して説明する。不正防止部材582,590は、シリンダー錠570を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆610を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材582,590は、第1不正防止部材582と第2不正防止部材590とを連結ピン592で連結した構造となっている。第1不正防止部材582は、上端の揺動軸穴583を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴583を前述したコ字状基体561の内部にガラス扉用摺動部材600及び本体枠用摺動杆610を摺動自在に取り付けるための挿通穴565及びリベット566のうち、最下方の挿通穴565及びリベット566によって取り付けられる。
また、第1不正防止部材582には、その板状面に前記挿入縦開口579と重複する縦長な突片挿入穴584が開設され、この突片挿入穴584に第2係合突片577が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴584と挿入縦開口579を第2係合突片577が貫通することにより、コ字状基体561の内部に設けられる扉枠用摺動杆600の上昇係合穴605と第2係合突片577とが係合するようになっている。また、第1不正防止部材582の突片挿入穴584の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部582aとなっている。この傾斜部582aは、係合カム575の回動時に第1係合突片576の後面側と当接するもので、係合カム575の回動時に第1係合突片576と傾斜部582aとが当接することにより第1不正防止部材582が揺動軸穴583を中心として揺動(図89(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第1不正防止部材582には、前記突片挿入穴584の斜め下方の外形線上にストッパー片部585が突設され、そのストッパー片部585の下方に規制突片589が突設され、該規制突片589の前方部にピン穴587と連結穴588とが上下に形成されている。ストッパー片部585は、本体枠用摺動杆610の施錠時に前記不正防止切欠部567及び本体枠用摺動杆610の係合切欠部627に侵入係合して本体枠用摺動杆610が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片589は、第1不正防止部材582と第2不正防止部材590とはバネ593によって連結されるが、そのバネ593で連結されたときに第2不正防止部材590の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴587は、ガイドピン586が固定されるものであり、ガイドピン586が第1不正防止部材582の裏面側からピン穴587に固定された状態で、そのガイドピン586を前記挿入縦開口579の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第1不正防止部材582をコ字状基体561の側面561bに沿って案内するものである。更に、連結穴588は、第1不正防止部材582と第2不正防止部材590とを連結ピン592で連結するためのものである。
上記した第1不正防止部材582に連結される第2不正防止部材590は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴591が形成され、その上部他端にバネ係止穴594が穿設され、下方端部に当接部595が設けられている。連結穴591は、第1不正防止部材582の連結穴588と一致させて連結ピン592で連結するためのものであり、バネ係止穴594は、一端がコ字状基体561のバネ係止片580に係止されるバネ593の他端を係止するものである。また、当接部595は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起23と当接するものである。なお、上記した第1不正防止部材582及び第2不正防止部材590の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体561の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆600及び本体枠用摺動杆610について説明する。まず、扉枠用摺動杆600は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部601が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部601は、コ字状基体561内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置560を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴199(図37及び図38参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフック係止片37a(図21参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部601は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆600を上昇させることにより扉枠用フック部601とフック係止片37aとの係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆600の上中下の側面中央に、前記リベット566が挿通される縦長のリベット用長穴602が形成され、該リベット用長穴602のうちの最上部のリベット用長穴602の下方及び扉枠用摺動杆600の最下端にガイド突起603が突設されている。リベット用長穴602は、コ字状基体561の挿通穴565に挿通されるリベット566が貫通されるものであり、しかも、このリベット566が扉枠用摺動杆600の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴602の上端部にリベット566が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起603は、本体枠用摺動杆610の上フック部材611及び下フック部材612に形成される突片移動穴616,623に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆600の上端部にスプリングフック部606が形成され、このスプリングフック部606にスプリング608の一端が係止され、そのスプリング608の他端が本体枠用摺動杆610の上フック部材611に形成されるスプリングフック部617に係止される。これにより、扉枠用摺動杆600が下方向に、本体枠用摺動杆610が上方向に、それぞれ相互に付勢されている。扉枠用摺動杆600の中程には、当接弾性片607が凸状に形成されている。この当接弾性片607は、扉枠用摺動杆600の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体561の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆600がガタつかないようにするものである。更に、扉枠用摺動杆600の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴604と上昇係合穴605とが形成されている。遊び穴604は、係合カム575の第1係合突片576が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第1係合突片576の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴605は、係合カム575の第2係合突片577が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆600が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆600の縦辺下部後方には、前記不正防止切欠部567よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部609が形成されている。この逃げ切欠部609は、第1不正防止部材582のストッパー片部585を確実に不正防止切欠部567及び係合切欠部627に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆610は、金属板製の上フック部材611と、金属板製の下フック部材612と、上フック部材611と下フック部材612とを連結する連結線杆613と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆610は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部614,624を有する上フック部材611と下フック部材612とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材611と下フック部材612とを細い金属製の連結線杆613で連結したものである。このため、狭いコ字状基体561の空間に扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材611には、その上端部に後方に向かってフック部614が突設され、その板面部にリベット用長穴615と突片移動穴616とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部617と連結穴618とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部625が形成されている。フック部614は、コ字状基体561の上方のフック貫通開口562を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起22に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴615は、扉枠用摺動杆600の上部に形成されるリベット用長穴602に対応するものであり、このリベット用長穴615にリベット566が貫通された通常の状態では、リベット566がリベット用長穴615の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材611が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴616は、前述したように扉枠用摺動杆600の上方のガイド突片603が挿入されて、扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部617は、前述したようにスプリング608の他端が係止されるものである。また、連結穴618は、連結線杆613の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部625は、コ字状基体561に収納されたときに、該コ字状基体561の内部側壁に当接して上フック部材611の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材612には、その下端部に後方に向かってフック部624が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴620と下降係合穴621と遊び穴622と突片移動穴623とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴619が、その後方の縦辺下部に係合切欠部627がそれぞれ形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部626が形成されている。フック部624は、コ字状基体561の下方のフック貫通開口562を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起23に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴620は、扉枠用摺動杆600の下部に形成されるリベット用長穴602に対応するものであり、このリベット用長穴620にリベット566が貫通された通常の状態では、リベット566がリベット用長穴620の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、下フック部材612が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴621は、係合カム575の第1係合突片576が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆610が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴622は、係合カム575の第2係合突片577が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第2係合突片577の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴623は、前述したように扉枠用摺動杆600の下方のガイド突片603が挿入されて、扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴619は、連結線杆613の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部626は、コ字状基体561に収納されたときに、該コ字状基体561の内部側壁に当接して下フック部材612の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置560を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置560を組み付けるには、本体枠用摺動杆610の上フック部材611と下フック部材612とを連結線杆613で連結し、その状態で扉枠用摺動杆600のガイド突片603を上フック部材611と下フック部材612の突片移動穴616,623に挿入すると共に、相互のリベット長穴602とリベット用長穴615,620を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材611のフック部614と下フック部材612のフック部624とをコ字状基体561のフック貫通開口562に貫通させながら扉枠用摺動杆600及び本体枠用摺動杆610をコ字状基体561のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴565からリベット566を差し込む。この際、リベット566がリベット用長穴615,620、602を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット566を差し込むときには、第1不正防止部材582の揺動軸穴583にもリベット566を差し込んで第1不正防止部材582をコ字状基体561に同時に取り付ける必要がある。なお、第1不正防止部材582をコ字状基体561に取り付ける前に、第1不正防止部材582と第2不正防止部材590とを連結ピン592で連結し且つガイドピン586をピン穴587に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン586を挿入縦開口579の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
リベット566で扉枠用摺動杆600及び本体枠用摺動杆610をコ字状基体561内に収納固定した状態で、スプリング608をスプリングフック部606,617相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ593をバネ係止片580,594に掛け渡して第2不正防止部材590が規制突片589に当接した状態とする。その後、錠取付片568の錠挿通穴569にシリンダー錠570の円筒状本体部分を挿入してシリンダー錠570をビス572で取付穴573に固定する。なお、このとき係合カム575の第1係合突片576の先端部が傾斜部582aの外側で且つ挿入縦開口579に僅かに挿入し、係合カム575の第2係合突片577の先端部が第1不正防止部材582の突片挿入穴584及び挿入縦開口578に僅かに挿入した状態となるようにシリンダー錠570を錠取付片568に取り付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置560を本体枠3の裏面に取り付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆600の扉枠用フック部601を本体枠3に形成される扉用フック穴199に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起564を本体枠3の錠係止穴198に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部563及びビス止め穴596を錠取付穴197,208に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図81に示すように、錠装置560を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起564がコ字状基体561の第1側面壁190と密着しない側面561aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部563及びビス止め穴596がコ字状基体561の第1側面壁190と密着する側面561bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第1側面壁190と密着する側面561bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置560を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取り付けられた錠装置560の作用について図88及び図89を参照して説明する。まず、図88を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図88(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起22,23と本体枠用摺動杆610のフック部614,624とが係止し且つ扉枠用摺動杆600の扉枠用フック部601と扉枠5のフック係止片37aとが係止した状態となっている。その状態でシリンダー錠570に図示しない鍵を差し込んで係合カム575の第1係合突片576が挿入縦開口579内に侵入する方向に回動すると、図88(B)に示すように、第1係合突片576の先端が本体枠用摺動杆610の下降係合穴621に係合してスプリング608の付勢力に抗して下フック部材612を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆613と上フック部材611も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起22,23と本体枠用摺動杆610のフック部614,624とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部614,624がスプリング608の付勢力により上昇した状態(図88(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部614,624の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部614,624の上辺傾斜部が閉鎖用突起22,23の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆610が下方に下降し、遂には、フック部614,624の上向き爪部と閉鎖用突起22,23とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆610が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダー錠570に図示しない鍵を差し込んで係合カム575の第2係合突片577が挿入縦開口579内に侵入する方向に回動すると、図88(C)に示すように、第2係合突片577の先端が扉枠用摺動杆600の上昇係合穴605に係合してスプリング608の付勢力に抗して扉枠用摺動杆600を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフック係止片37aと扉枠用摺動杆600の扉枠用フック部601とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部601がスプリング608の付勢力により下降した状態(図88(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部601の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部601の下辺傾斜部がフック係止片37aの上端部と当接するので、扉枠用摺動杆600が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部601の下向き爪部とフック係止片37aとが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆600が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆600は、コ字状基体561の全長とほぼ同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体561が本体枠3の縦方向の側面のほぼ全長に亘って取り付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部601が扉枠用摺動杆600の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置560は、シリンダー錠570に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダー錠570に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆610のフック部614,624にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第1番目が第1不正防止部材582と第2不正防止部材590とから構成されるロック機構であり、第2番目の不正防止構造がコ字状基体561の閉鎖空間に扉枠用摺動杆600及び本体枠用摺動杆610が収納される構造である。
まず、第1番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図89を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図89(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起23と第2不正防止部材590の当接部595とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ593の付勢力により第1不正防止部材582が反時計方向に回動してストッパー片部585が不正防止切欠部567内に侵入し、ストッパー片部585が不正防止切欠部567に対応する位置にある本体枠用摺動杆610の下フック部材612に形成される係合切欠部627と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆610にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部585と係合切欠部627とが係合しているので、本体枠用摺動杆610を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダー錠570に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図89(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム575の第1係合突片576が挿入縦開口579内に侵入するように回動される。この第1係合突片576の回動時に、第1不正防止部材582の傾斜部582aと第1係合突片576の側面とが当接するため、第1不正防止部材582が揺動軸穴583を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部585も不正防止切欠部567から退避するように移動する。このため、ストッパー片部585と係合切欠部627との係合が解除された状態となる。このとき、第2不正防止部材590は、バネ593を伸ばして当接部595が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム575を回動させて第1係合突片576も回動させると、第1係合突片576の先端が下フック部材612の下降係合穴621に係合して本体枠用摺動杆610の全体を下降させるので、フック部614,624と外枠2の閉鎖用突起22,23との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第2不正防止部材590は、規制突片589に当接した状態となっているため、第1不正防止部材582と第2不正防止部材590との位置関係は、図89(A)に示す状態とほぼ同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起23と第2不正防止部材590の当接部595とが正面から当接し、最終的に図89(A)に示す状態となる。このため、第1不正防止部材582と第2不正防止部材590とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第1不正防止部材582と第2不正防止部材590とが本体枠用摺動杆610の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆610を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆600を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆610に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第1番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第1不正防止部材582をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置560が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610とが、それぞれのフック部601、614,624を除いてコ字状基体561の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体561の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆610を引き下げようとしても、コ字状基体561の両側面561a,561bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置560は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体561の内部に扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610とを摺動可能に設け且つ錠装置560を操作するためのシリンダー錠570のコ字状基体561への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁190〜193で囲まれる空間を大きくしても、錠装置560を本体枠3の裏側に強固に取り付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置560が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆600と本体枠用摺動杆610とが、それぞれのフック部601、614,624を除いてコ字状基体561に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆610を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。また、錠装置560の取り付けに際し、コ字状基体561の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起564を錠係止穴198に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体561の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部563及びビス止め穴596を錠取付穴197,208にビスで固定する構造であるため、錠装置560の前方部を係止突起564と錠係止穴198で係止し、錠装置560の後方部をビス止め部563及びビス止め穴596と錠取付穴197,208で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置560を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体561の下方部をビス止めする構造として錠取付片568に形成されたビス止め穴596と本体枠3のシリンダー錠貫通穴170の上部近傍に形成した錠取付穴208とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダー錠570を錠取付片568に取り付けるビス572を利用して、該ビス572の先端が錠取付片568を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダー錠貫通穴170の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体561の下方部をビス止めしなくても、錠装置560の後方部のビス止め部563と錠取付穴197との固定だけでも、錠装置560を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。更に、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆600及び本体枠用摺動杆610を左右の側面561a,561bを有するコ字状基体561で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆600及び本体枠用摺動杆610を第1側面壁190に密着しない反対側の側面561aに摺動自在にリベット等で装着し、第1側面壁190に密着する側面561bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面561aと第1側面壁190とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆600及び本体枠用摺動杆610を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
<基板ユニット>
次に、本体枠3の裏面下部に取り付けられる基板ユニット650について、主として図90乃至図98を参照して説明する。図90は、基板ユニット650を背面側から見た斜視図であり、図91は、基板ユニット650の背面側から見た分解斜視図であり、図92は、基板ユニット650を前面側から見た斜視図であり、図93は、基板ユニット650の前面側から見た分解斜視図であり、図94は、基板ユニット650の主体をなす枠用基板ホルダー651の前面側から見た正面図であり、図95は、枠用基板ホルダー651の背面図であり、図96は、基板ユニット650の背面図であり、図97は、払出制御基板ボックス655及び端子基板ボックス654を取り外した状態の基板ユニット650の背面図であり、図98は、基板ユニット650に設けられる各基板の接続関係を示す平面図であり、図99は、図100の断面図の断面箇所を説明するための遊技盤4(ただし、この遊技盤4は、図47〜図49に示す取り外し防止機構を組み込んだ遊技盤4である。)の正面図であり、図100は、図99のC−C断面図である。
基板ユニット650は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダー用の取付穴部175(図35,図37参照)に取り付けられるものであり、図90及び図91に示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダー651に、扉中継基板652、電源基板ボックス653、端子基板ボックス654、払出制御基板ボックス655、主ドロワ中継基板657、及び副ドロワ中継基板658の各種基板を取り付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板652、電源基板ボックス653、端子基板ボックス654、及び払出制御基板ボックス655は、枠用基板ホルダー651の後面側に前後方向に重複して取り付けられ、主ドロワ中継基板657及び副ドロワ中継基板658は、枠用基板ホルダー651の前面側に取り付けられるものである。なお、払出制御基板ボックス655の裏面には、電源基板等からの電磁波の影響を防止するためにシールド板656が取り付けられ、また、主ドロワ中継基板657及び副ドロワ中継基板658は、基板カバー659に被覆されて取り付けられている。以下、基板ユニット650を構成する各部材について詳細に説明する。
まず、枠用基板ホルダー651は、横長状に合成樹脂で成形され、図91及び図94に示すように、その後面側一側部(図94において右側部)に配線用開口673が形成され、該配線用開口673の内側に扉中継基板652を取り付けるための中継基板用凹部660が形成されている。この中継基板用凹部660は、ほぼ正方形状の扉中継基板652の外形に合致するように正方形状の凹部として形成され、この中継基板用凹部660内の上下辺には、扉中継基板652の裏面を支える当接突部663が突設されると共に、中継基板用凹部660に扉中継基板652を収納した状態で扉中継基板652の一側縦辺の表面と係止する止め爪661が形成されている。また、中継基板用凹部660の外側寄りの上下には、電源基板ボックス653の一端辺に形成される係合係止穴685に係合されて図示しないビスで止着するための取付ボス662が突設されている。
また、枠用基板ホルダー651の後面側において、上記した中継基板用凹部660よりも中央寄りに内部に通す配線を係止して纏めるための2つの配線処理片664が形成されている。この配線処理片664は、垂直面に対して側方から見たときにL字状に突出形成されるもので、その垂直面とL字状突片との間に配線を掛け止めるようになっている。更に、枠用基板ホルダー651の前記中継基板用凹部660の上部からほぼ中央よりやや他端側に近い部分までが電源基板ボックス653を取り付けるための領域(次に説明する右側の低い領域)となっており、その上下辺に電源基板ボックス653の裏面と当接する当接突部665が突設されている。したがって、この電源基板ボックス取付領域に電源基板ボックス653を当接突部665に当接するように取り付けた状態では、電源基板ボックス653の裏面と枠用基板ホルダー651の垂直面との間に空間が形成され、この空間内に基板相互を接続する配線が収納されることになり、この収納された配線を係止して纏めるものが2つの前記配線処理片664である。
なお、電源基板ボックス653を取り付ける領域の他端辺から枠用基板ホルダー651の他端辺(図94において左側辺)までは、後方への突出量が大きく形成されている。つまり、枠用基板ホルダー651は、背面から見たときに、中央よりやや左側の位置で左側が高く右側が低い段差状に形成されており、その右側の低い領域が前記電源基板ボックス653を取り付けるための領域(以下、「電源基板ボックス取付領域」という場合がある。)となっている。そして、この電源基板ボックス取付領域の他端辺側には、電源基板ボックス653の他端辺上下に突設される挿入突起684が挿入される挿入口665aが形成されている。このため、電源基板ボックス653を取り付けるためには、挿入突起684を挿入口665aに差し込んだ後、電源基板ボックス653の一端辺上下に形成される係合係止穴685を取付ボス662に上から差し込んで図示しないビスで止着することにより、電源基板ボックス653を枠用基板ホルダー651に固定することができる。
更に、枠用基板ホルダー651の背面側において、上記した段差状の高い領域は、払出制御基板ボックス655を取り付けるための領域(以下、「払出制御基板ボックス取付領域」という場合がある。)の一部を構成するものであり、この段差状の高い領域の一部には、横L字状の凹状の配線引き廻し空間666が形成されている。この配線引き廻し空間666の底面には、配線用開口674(図93〜図96参照)が形成されており、前記電源基板ボックス取付領域内の2つの配線処理片664に掛け止められた配線を配線引き廻し空間666及び配線用開口674から枠用基板ホルダー651の前面側に引き出すようになっている。また、払出制御基板ボックス取付領域の他端側(図91の左端部側)には、払出制御基板ボックス655の係合弾性片714が係合するための係止突部667が突設形成されている。
次に、枠用基板ホルダー651の前面側の構成について説明すると、図92、図93、図95に示すように、枠用基板ホルダー651の前面側のほぼ中央には、アウト球通路668が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路668は、前述したアウト口256(図45参照)、球抜排出通路173(図35参照)の下流側、及び落下口272(図42参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット650を本体枠3に取り付けたときには、図38に示すように、アウト球通路668の幅広上流部がアウト口256の下面を支持する通路支持突起162の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路668の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ遊技機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
また、枠用基板ホルダー651の前面側であって前記払出制御基板ボックス取付領域に対応する前面側には、その上方領域に主ドロワ中継基板657と副ドロワ中継基板658とを横方向に所定間隔を空けて並列状に取り付けるドロワ取付領域670が形成されている。ドロワ取付領域670には、それぞれの中継基板657,658に形成された支持穴734,735が貫通されて各中継基板657,658を支持するためのドロワ取付ボス669が突設されると共に、それぞれの中継基板657,658の中間位置の上下に接合案内孔676と案内孔675が穿設されている。この接合案内孔676は、図100に示すように、遊技盤4を本体枠3に装着する作業に伴って、基板ユニット650側に設けられるドロワコネクタ730,732(ホルダー側コネクタ)と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ270,271(遊技盤側コネクタ)とが自然に接続されるように遊技盤4の盤用基板ホルダー267に形成される接合案内突起273(図45参照)が挿入されるものである。一方、案内孔675は、基板ユニット650を本体枠3に取り付ける際に、本体枠3に突設される前記案内突起174(図37参照)が挿入されるもので、基板ユニット650の位置決めを行うと共に装着作業の容易化を図っているものである。また、枠用基板ホルダー651の左右両辺及び下辺には、基板ユニット650を本体枠3に取り付けるための取付片671が外側に向かって突設され、該取付片671を本体枠3の前記取付穴部175(図35参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット650が本体枠3の背面下部に取り付けられる。なお、取付穴部175は、図37に示すように、取付片671の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダー651の他端側(図92の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片672が突設形成されている。
枠用基板ホルダー651の構成は、概ね上記した通りであるが、そのような構成を有する枠用基板ホルダー651に取り付けられる各種の基板の構成について説明する。まず、枠用基板ホルダー651の後面側の前記中継基板用凹部660に装着される扉中継基板652について説明すると、扉中継基板652には、図91に示すように、多ピンコネクタ形式の内部接続端子680と扉枠用接続端子681とが設けられている。扉枠用接続端子681は、枠用基板ホルダー651にすべての基板を取り付けた状態においても、図96に示すように、背面から見て外部から視認できるようになっており、扉枠5に設けられるランプ及びLEDからなる電飾部品やスピーカ等の扉枠用配線742(図98参照)が配線用開口673を通って扉用接続端子681に接続されるものである。また、内部接続端子680は、副ドロワ中継基板658に設けられる扉枠用コネクタ733に内部配線743(図98参照)によって接続されるものである。ただし、この内部配線743は、前述した配線処理片664及び配線引き廻し空間666、配線用開口673を敷設されるように枠用基板ホルダー651の内部に設けられている。
また、枠用基板ホルダー651の後面側の前記電源基板ボックス取付領域に取り付けられる電源基板ボックス653は、電源基板686(図97参照)を固定するボックス主体682と、該ボックス主体682を被覆するカバー体683と、から構成されている。ボックス主体682には、その一端部の上下に前記取付ボス622と係合する係合係止穴685が一体的に形成され、その他端部の上下に前記挿入口665aに挿入される挿入突起684が一体的に形成されている。また、電源基板686のカバー体683に被覆されない部分(図97の右側部と左下部)には、図97に示すように、電源スイッチ687と電源線コネクタ688とCRユニット電源コネクタ689とアース用コネクタ690と払出制御基板用電源コネクタ691とが設けられている。電源スイッチ687は、パチンコ遊技機1の全ての電気機器に電源を供給するためのスイッチであり、パチンコ遊技機1を使用する際にONとするものである。また、電源線コネクタ688は、島内に供給されている100V又は24Vの電源用配線からの電源配線を接続するためのコネクタである。CRユニット電源コネクタ689は、パチンコ遊技機1に隣接されるカード式球貸器(図示しない;一般的に、CRユニットと言われている。)への電源を供給するためのコネクタである。アース用コネクタ690は、パチンコ遊技機1に設けられる帯電防止用のアース装置(例えば、前述したアース線接続具207)からのアース線が接続されて電源基板686及び電源線コネクタ688を介して外部に静電気がアースされるようになっている。更に、払出制御基板用電源コネクタ691には、図98に示すように、電源供給用配線744が接続され、該電源供給用配線744が払出制御基板715の電源用端子722に接続されている。そして、この電源供給用配線744により、払出制御基板715を介して他の制御基板(例えば、液晶表示制御基板ボックス266に収納される液晶表示制御基板や遊技制御基板ボックス268に収納される遊技制御基板)等に電源を供給するようになっている。なお、電源供給用配線744は、払出制御基板用電源コネクタ691から前記配線引き廻し空間666に導かれ払出制御基板ボックス655の裏面から後方に引き出されて電源用端子722に接続されるようになっている。つまり、この電源供給用配線744も枠用基板ホルダー651の内部に敷設された状態となっている。
ところで、電源基板ボックス653のカバー体683の後面は、図91に示すように、段差状に形成され、その段差の高い領域が端子基板ボックス654を取り付けるための取付領域692となっており、段差の低い領域が払出制御基板ボックス655を取り付けるための取付領域693となっている。取付領域693は、枠用基板ホルダー651の前述した払出制御基板ボックス取付領域と一緒になって横長の払出制御基板ボックス655を取り付けるための取付領域を構成するものである。なお、上記した段差部のほぼ中央には、払出制御基板ボックス655の後述する係合片713(図93参照)が係合挿入される係合穴696が形成されている。
端子基板ボックス654を取り付けるための取付領域692を構成するカバー体683には、端子基板ボックス654の裏面側に形成される位置決めピン698及び係合片部697とそれぞれ位置決め若しくは係合する位置決め穴695及び取付係合穴694が形成されている。係合片部697は、断面L字状に形成される一方、取付係合穴694は、幅広部と幅狭部とが連続する穴状に形成されているので、係合片部697を取付係合穴694の幅広部に挿入した後、一方向(図示の場合は、枠用基板ホルダー651の中央方向)にスライド移動させることにより、L字状の係合片部697と取付係合穴694の幅狭部とが係合するようになっている。なお、端子基板ボックス654の他側辺の下部に掛止片699が突設され、端子基板ボックス654がカバー体683にスライド移動係合されたときに、掛止片699が払出制御基板ボックス655のボックス主体710の一部と係合するようになっている。なお、この係合は、少し力を入れて端子基板ボックス654を非係合方向にスライド移動させることにより、簡単に外れる程度の係合状態である。
また、端子基板ボックス654には、図96に示すように、複数の外部情報端子701と払出制御基板用端子706とが設けられる情報端子基板700aと、度数表示器用端子702と電源アース端子703とCRユニット用端子704と払出制御基板用端子705とが設けられるCRユニット端子基板700bと、の2つの基板が上下方向に並列状に収納されている。情報端子基板700aに設けられる複数の外部情報端子701は、扉開放情報信号、大当り情報信号や始動情報信号等のパチンコ遊技機1の管理に必要な各種の情報信号を外部(例えば、遊技場に設置してある管理コンピュータ)に導出するためのコネクタであり、それらの情報信号のうち扉開放情報信号を除く情報信号は、主として遊技制御基板ボックス268に収納されている遊技制御基板から後に詳述する主ドロワ中継コネクタ730270,730を介して払出制御基板715に伝送され、さらに払出制御基板715に設けられる情報端子基板用端子718と前記払出制御基板用端子706との接続により、最終的に複数の外部情報端子701のそれぞれに伝達される。CRユニット端子基板700bの度数表示器用端子702は、パチンコ遊技機1の、例えば貯留皿30に設けられるプリペイドカードの残度数表示器、貸球スイッチ、及び返却スイッチとの配線が接続されるものである。また、電源アース端子703は、2つのコネクタから構成され、一方のコネクタ(図96の左側)には電源基板686のCRユニット電源コネクタ689からの配線が接続され、他方のコネクタには電源基板686の複数のアース用コネクタ690のうちの1つのアース用コネクタ690からの配線が接続されるものである。更に、CRユニット用端子704は、図示しないCRユニットからの配線が接続されるものであり、払出制御基板715のCR端子基板用端子719と前記払出制御基板用端子705とが接続されることにより、払出制御基板715とCRユニットとが接続されることになる。
上記したように、端子基板ボックス654は、遊技制御基板ボックス268に収納される遊技制御基板からの遊技情報を外部に導出する情報端子基板700aと、払出制御基板715とCRユニットとの接続を中継するCRユニット端子基板700bと、の両方の基板を収納するものであり、これらは従来別々の基板ボックスに収納されてパチンコ遊技機1の裏面に別々の位置に設けられていたが、本実施形態においては、1つの端子基板ボックス654に纏めて枠用基板ホルダー651に装着したものである。このため、特に、本実施形態の場合、遊技制御基板と情報端子基板700aとを直接配線で接続することなく、払出制御基板715を介して接続した独特な構成を有するものとなっている。
次に、枠用基板ホルダー651の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス653のカバー体683に形成される取付領域693とにわたって取り付けえる払出制御基板ボックス655について、主として図91、図93及び図96を参照して説明する。払出制御基板ボックス655は、横長の長方形状の払出制御基板715が図示しないビス等で固定されるボックス主体710と、該ボックス主体710に取り付けられて払出制御基板715の表面を覆うカバー体711と、から構成されている。ボックス主体710とカバー体711とは、その一側辺(図96の右側辺)を係合させ、その他側辺(図96の左側辺)に分離切断部712でカシメ固定している。これによってボックス主体710とカバー体711とを分離するためには、分離切断部712を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部712におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができる。また、ボックス主体710の一側短辺中央には、電源基板ボックス653のカバー体683に形成される係合穴696に差し込まれる係合片713が突設形成され、他側短辺下部には、枠用基板ホルダー651に形成される係止突部667に弾性係合する係合弾性片714が形成されている。したがって、払出制御基板ボックス655を枠用基板ホルダー651に取り付けるには、係合片713を係合穴696に差し込んだ後、係合弾性片714を係止突部667に係合させることにより、簡単に取り付けることができる。そして、枠用基板ホルダー651の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス653のカバー体683に形成される取付領域693とにわたって払出制御基板ボックス655を取り付けた状態においては、それらの取付領域693内に払出制御基板ボックス655が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。逆に、取り外す場合には、係合弾性片714を弾性方向と逆方向に押圧して係合弾性片714と係止突部667との係合を外して払出制御基板ボックス655を引き上げながら、係合穴696から係合片713を引き抜くことにより、払出制御基板ボックス655を枠用基板ホルダー651から外すことができる。
また、上記したボックス主体710とカバー体711とによって被覆される払出制御基板715には、その一側部(図96の右側部)に扉開放スイッチ用端子716、賞球ユニット用端子717、情報端子基板用端子718、CR端子基板用端子719、及び満タンスイッチ用端子720が設けられ、その他側下部(図96の左側部)に検査用出力端子721、電源用端子722、発射モータ用端子723、操作ハンドル用端子724、及び内部接続端子725が設けられている。
扉開放スイッチ用端子716は、扉枠5を開放したことを検出するスイッチ(図示しないが、本体枠3の開放側前面に設けられる)からの配線が接続されるコネクタである。賞球ユニット用端子717は、前述した賞球ユニット450の中継基板480からの配線が接続される多ピンコネクタである。情報端子基板用端子718は、前述したように情報端子基板700aの払出制御基板用端子706に接続される多ピンコネクタである。CR端子基板用端子719は、前述したようにCRユニット端子基板700bの払出制御基板用端子705に接続される多ピンコネクタである。満タンスイッチ用端子720は、満タンユニット520の満タンスイッチ545からの配線が接続されるコネクタである。検査用出力端子721は、払出制御基板715を検査する際に検査機器に接続するためのコネクタであり、検査用の各種の出力信号を出力するための端子である。電源用端子722は、前述したように電源基板686の払出制御基板用電源コネクタ691に電源供給用配線744によって接続されるコネクタである。発射モータ用端子723は、打球発射装置300の発射モータ344からの配線が接続されるコネクタである。操作ハンドル用端子724は、ハンドル装置70の操作ハンドル部71の内部に設けられるタッチセンサ80及びマイクロスイッチ82からの配線が接続されるコネクタである。内部接続端子725は、主ドロワ中継基板657に設けられる払出制御基板用コネクタ731に信号電源配線745によって接続されるコネクタである。
次に、枠用基板ホルダー651の前面側に形成されるドロワ取付領域670に取り付ける主ドロワ中継基板657と副ドロワ中継基板658について説明する。図93に示すように、主ドロワ中継基板657には、遊技盤4の裏面側に取り付けられる中継端子板269に設けられる主ドロワコネクタ270(遊技盤側コネクタ;図45参照)と接続される主ドロワ中継コネクタ730(ホルダー側コネクタ)と、払出制御基板715の内部接続端子725と信号電源配線745を介して接続される払出制御基板用コネクタ731とが上下に設けられている。また、副ドロワ中継基板658には、遊技盤4の裏面側に取り付けられる中継端子板269に設けられる副ドロワコネクタ271(遊技盤側コネクタ;図45参照)と接続される副ドロワ中継コネクタ732(ホルダー側コネクタ)と、扉中継基板652の内部接続端子680と内部配線743を介して接続される扉枠用コネクタ733とが上下に設けられている。また、主ドロワ中継基板657及び副ドロワ中継基板658には、各基板の左右両側に支持穴734,735が穿設され、該支持穴734,735をドロワ取付領域670に突設されるドロワ取付ボス669に差し込むことにより、主ドロワ中継基板657及び副ドロワ中継基板658をドロワ取付領域670内に位置決め支持され、その後、基板カバー659で被覆することにより、堅固に固定される。
ところで、基板カバー659には、主ドロワ中継基板657に設けられる主ドロワ中継コネクタ730及び払出制御基板用コネクタ731と、副ドロワ中継基板658に設けられる副ドロワ中継コネクタ732及び扉用コネクタ733とが基板カバー659の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口736,737,738,739が開設され、また、基板カバー659の裏面側に、ドロワ取付ボス669の先端部が挿通されるピン挿通穴740(図91参照)が形成されると共に、左右両端に基板カバー659を枠用基板ホルダー651に図示しないビスで止着するための止め穴741が形成されている。このため、主ドロワ中継基板657及び副ドロワ中継基板658の支持穴734,735をドロワ取付領域670に突設されるドロワ取付ボス669に差し込み、ドロワ取付ボス669の先端部をピン挿通穴740に挿通しながら基板カバー659で被覆し、止め穴741に図示しないビスで止着することにより、主ドロワ中継基板657及び副ドロワ中継基板658をドロワ取付領域670内に堅固に固定することができる。
以上、基板ユニット650の構成について説明してきたが、本実施形態の場合には、パチンコ遊技機1を駆動制御するために必要な各種の基板のうち、遊技盤4の変更に伴って交換される遊技制御基板及び表示装置制御基板以外の基板である扉中継基板652、電源基板ボックス653に収納された電源基板686、端子基板ボックス654に収納された外部端子基板700、払出制御基板ボックス655に収納された払出制御基板715を、枠用基板ホルダー651に予め組み付けてユニット化し、その組み付けてユニット化した基板ユニット650を本体枠3の背面側下部に取り付けるだけの簡単な作業によって、従来別々に本体枠3の背面側に取り付けていた各種の基板取付作業に比べ、作業能率を向上することができる。また、この場合、基板ユニット650にユニット化される各基板同士の配線も枠用基板ホルダー651の内部に収めることができるので、基板同士を接続する配線が乱雑に入り乱れることがなく、整然と敷設することができる。
また、本実施形態においては、基板ユニット650の前面に主ドロワ中継コネクタ730(ホルダー側コネクタ)を有する主ドロワ中継基板657と副ドロワ中継コネクタ732(ホルダー側コネクタ)を有する副ドロワ中継基板658とが設けられているので、図100に示すように、本体枠3に遊技盤4をその前面側から装着する作業に伴って、遊技盤4の裏面側に設けられる中継端子板269の主ドロワコネクタ270と副ドロワコネクタ271(遊技盤側コネクタ)がそれぞれ対応する主ドロワ中継コネクタ730と副ドロワ中継コネクタ732(ホルダー側コネクタ)とに接続されるので、遊技盤4の装着と基板間の接続とを同時に行うことができる。このため、遊技盤4の交換作業を手際よく行うことができる。
更に、本実施形態においては、基板ユニット650を本体枠3の裏面に固定した後に、本体枠3に設けられる各種の電気機器との配線の接続作業が必要な払出制御基板ボックス655と、外部のCRユニットや管理コンピュータとの接続作業が必要な端子基板ボックス654と、を基板ユニット650の最も後方の視認し易い位置に並列状に配置する一方、外部との接続作業の必要性が少ない電源基板ボックス653や扉中継基板652を内部に配置しているので、複数の基板を前後方向に効率よく重複配置することができ、基板ユニット650の大きさを最小限に設計することができる。ただし、内部に配置される電源基板ボックス653や扉中継基板652においても、外部に接続される端子部分は、すべて外部から視認できるようになっているので、それらの接続作業が手探りになるという問題はない。
<カバー体>
次に、カバー体750について、図3及び図41を参照して説明する。カバー体750は、本体枠3の後面開口222を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部220に上方から挿入される軸支ピン751が形成され、その他側のほぼ中央に球通路ユニット420に形成されるカバー体係合溝433と係合する係合片752が形成されている。しかして、カバー体750の軸支ピン751をカバー体支持筒部220に差し込むことにより、カバー体750を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片752をカバー体係合溝433に係止することにより、カバー体750を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片752とカバー体係合溝433との係合を解除すればよい。
<カバー体の他の実施形態>
上記した図3及び図41に示したカバー体750(以下、「第1実施形態に係るカバー体750」という。)は、図3からも明らかなように、遊技盤4の裏面下部に取り付けられる遊技制御基板ボックス268を除いた遊技盤4の裏面を覆うように形成されているが、これを遊技制御基板ボックス268を含む遊技盤4の裏面の全体を覆うカバー体としても良い。このようなカバー体800(以下、「第2実施形態に係るカバー体800」という。)を取り付けたパチンコ遊技機について、図101乃至図112を参照して説明する。図101は、第2実施形態に係るカバー体800を取り付けたパチンコ遊技機1であってカバー体800を開放した状態の背面から見た斜視図であり、図102は、第2実施形態に係るカバー体800を取り付けたパチンコ遊技機1の側面図であり、図103は、第2実施形態に係るカバー体800を取り付けたパチンコ遊技機1であってカバー体800の開放側から見た斜視図であり、図104は、第2実施形態に係るカバー体800を取り付けたパチンコ遊技機1であってカバー体800の軸支側から見た斜視図であり、図105は、第2実施形態に係るカバー体800を取り付けたパチンコ遊技機1の背面図であり、図106は、第2実施形態に係るカバー体800を取り外した状態のパチンコ遊技機1の背面図であり、図107は、第2実施形態に係るカバー体800の下辺部と重合当接する払出制御基板ボックス655の斜視図であり、図108は、第2実施形態に係るカバー体800の内側から見た斜視図であり、図109は、第2実施形態に係るカバー体800に設けられるシリンダー錠809の作用を説明するための背面図であり、図110は、図105のA−A断面図であり、図111は、図105のB−B断面図であり、図112は、図105のC−C断面図である。なお、図101〜図112において、それ以前の図面に表示される構成と同じ機能を奏する構成には、同一の符号を付した。
この第2実施形態に係るカバー体800が取り付けられるパチンコ遊技機1の外枠2Aは、図101及び図102に示すように、前述した第2実施形態に係る外枠2Aであり、扉枠5に設けられる貯留皿30の形状も若干異なるものである。更に、本体枠3の構成も右後面壁196の開放端側に形成される後述する止め穴830、施錠穴832及び案内孔833を有する施錠壁831の点(図106参照)、及び後側面壁を構成する第3側面壁192及び第4側面壁193の切欠部221の位置が下方まで延設されている点(図102参照)で相違し、また、払出制御基板ボックス655の構成においても、カバー体711に当接低段面711aが形成される点(図107参照)で相違するだけである。ただし、図101及び図106に表示される遊技制御基板ボックス268は、図45に示される実施形態と同様に遊技盤4の裏面下部に取り付けられる盤用基板ホルダー267に取り付けられるものであり、図101及び図106においては、遊技盤4の図示が省略されている。
そこで、まず、図108を参照して第2実施形態に係るカバー体800について説明する。カバー体800は、やや縦長長方形状の周辺の側壁が立ち上がった皿状に合成樹脂によって形成され(側壁部や長方形板部の上半分には、多数の空気穴が形成されている。)、その縦辺一側の側壁に本体枠3に形成される前記カバー体支持筒部220に挿入されて軸支される複数(図示の場合には4個)の軸支ピン801が一体的に形成され、その縦辺他側の側壁のやや上部寄りに球通路ユニット420に形成される前記カバー体係合溝433に係合する係合片802が一体的に形成されている。この軸支ピン801と係合片802は、第1実施形態に係るカバー体750と同様に、カバー体800の軸支ピン801をカバー体支持筒部220に差し込むことにより、カバー体800を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片802をカバー体係合溝433に係止することにより、カバー体800を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる遊技制御基板ボックス268を含む各種部品の背面を保護することができるものである。そして、この第2実施形態に係るカバー体800が第1実施形態に係るカバー体750と異なる点は、ただ単に開閉自在に設けられるだけではなく、閉じた状態で不正に開放することができないようにシリンダー錠809が設けられる点と、遊技制御基板ボックス268の裏面まで覆ってしまうため、遊技制御基板ボックス268に外部に露出して設けられるRAMクリアボタン268aと検査機器が接続される試験用端子268b,268cとに対応する位置に接続操作用開口803が設けられている点と、カバー体800の下辺の側壁の先端辺が閉じた状態で払出制御基板ボックス655のカバー体711の表面に当接する点である。そこで、これらの第2実施形態に係るカバー体800の特徴的な構成について以下説明する。
まず、接続操作用開口803について説明すると、接続操作用開口803は、カバー体800の下辺の当接下辺側壁806の上部に長方形状に形成されており、その大きさは、図105に示すように遊技制御基板ボックス268に外部に露出して設けられるRAMクリアボタン268aと検査機器が接続される試験用端子268b,268cとが臨む大きさに開設されている。また、接続操作用開口803の内側には、閉じた状態で遊技制御基板ボックス268の外周面に当接する立壁804と当接突起805とが突設されている。立壁804は、接続操作用開口803の左右開口縁に沿って比較的高く形成され、当接突起805は、接続操作用開口803の上開口縁から一側開口縁に沿って比較的低く突設形成されており、これらの立壁804と当接突起805は、図110及び図111に示すように、遊技制御基板ボックス268の外周面(遊技制御基板ボックス268に収納される遊技制御基板の表面を含む)との間に隙間が生じないようにして接続操作用開口803から不正具を差し込んで遊技制御基板ボックス268に対して不正な行為が行えないようにしている。
次に、カバー体800の下辺に形成される当接下辺側壁806について説明すると、カバー体800を本体枠3に対して閉じたときに、当接下辺側壁806は、図111及び図112に示すように、枠側基板ホルダー651に取り付けられる払出制御基板ボックス655のカバー体711の上辺部分に当接するようになっている。このため、第2実施形態に係るカバー体800が取り付けられるパチンコ遊技機1の枠側基板ホルダー651に装着される払出制御基板ボックス655のカバー体711の上辺部には、図107に示すように、表面より一段と低く形成される当接低段面711aが形成されている。しかして、枠側基板ホルダー651に取り付けられる払出制御基板ボックス655は、図106に示すように、枠用基板ホルダー651の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス653のカバー体683に形成される取付領域693とにわたって取り付けられた状態において、それらの取付領域693内に払出制御基板ボックス655が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。このため、払出制御基板ボックス655のカバー体711の上面の一部である当接低段面711aがカバー体800の当接下辺側壁806によって当接被覆されることによって、カバー体800を開放しない限り、払出制御基板ボックス655を枠側基板ホルダー651から取り外すことができない構成となっている。
次に、シリンダー錠809に関連する構成について説明する。図108において、カバー体800の下方側の下方寄りにシリンダー錠809を貫通するための楕円形状の錠穴808が開設されている。この錠穴808にシリンダー錠809の断面楕円状のネジ部810が貫通され、この貫通したネジ部810に内側からナット812が螺着されることによりシリンダー錠809が錠穴808に固定される。また、シリンダー錠809には、ネジ部810の中心から錠軸811がカバー体800の内側に向かって突設され、その錠軸811を楕円形状の施錠片813の下方部に穿設されるネジ穴814に貫通させてナット815で締着することにより、施錠片813をシリンダー錠809の後端部に固着している。この構成により、シリンダー錠809に鍵(遊技場の管理責任者等が所持している)を差し込んで回動することにより施錠片813を90度の範囲で回動することができるようになっている。また、鍵穴808の下部には、カバー体800を閉じる際に、開閉を案内するための案内突起816が内側に向かって突設されている。更に、カバー体800の開放側の上方部であって前記係合片802の上下にネジを螺着するためのネジ止め穴807が形成されている。
一方、上記したネジ止め穴807、施錠片813、及び案内突起816に対応するように、本体枠3側には、止め穴830、施錠穴832、及び案内孔833が形成されている。この構成について図106を参照して説明すると、本体枠3の前述した右後面壁196には、前述したようにカバー体当接溝217が形成されているが、このカバー体当接溝217の上下部(球通路ユニット420のカバー体係合溝433を挟んだ上下)に前記ネジ止め穴807に対応する止め穴830が形成されている。更に、本体枠3の右後面壁196の下方部には、図109に示すように、施錠壁831が本体枠3の縦中心線方向に向かって延設されており、その施錠壁831の上下に施錠穴832と案内孔833とが開設されている。施錠穴832は、楕円形状に形成されて前記施錠片813が貫通するようになっていると共に、施錠穴832の前面側周囲の施錠壁831は、補強用のリブが突設されている。
しかして、カバー体800を開放状態から閉止状態に回動させることにより、図109(A)に示すように、案内突起816が案内孔833に挿入されつつ、シリンダー錠809の施錠片813が施錠穴832を貫通した状態となる。その状態でシリンダー錠809に鍵を差し込んで回動することにより、図109(B)に示すように、施錠片813が90度回転し、施錠片813の一端部が施錠壁831の前面側と係合する。このため、カバー体800が本体枠3に対して施錠されることになる。また、シリンダー錠809によるカバー体800の施錠は、カバー体800の下方部であるため、カバー体800の上方部を本体枠3に固定するために、閉じた状態で合致しているネジ止め穴807と止め穴830に図示しないネジを螺着することにより、カバー体800の上方部も本体枠3に固定される。なお、カバー体800の上方部にもシリンダー錠を設けて、上下でシリンダー錠によってカバー体800を本体枠3に施錠しても良い。
また、第2実施形態に係るカバー体800は、図102に示すように、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク400の最後端部(本実施形態の場合には、排出口404の後面壁)、及びタンクレール部材410の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっている。このため、パチンコ遊技機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっているため、パチンコ遊技機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ遊技機1の背面において、相手方のパチンコ遊技機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができるものである。この点は、第1実施形態に係るカバー体750を使用したパチンコ遊技機1においても、図4に示すように同一の効果を奏するものである。
なお、上記した第2実施形態において、カバー体800の閉止状態を上方のネジと下方のシリンダー錠809との両方で行った理由は、第一の理由として、カバー体800が第1実施形態に係るカバー体750に比べて被覆面積が縦方向に大きくなっているため、カバー体800の中央だけで閉止状態を保持すると上下部分が熱によって変形するおそれがあるため、上下の2箇所で閉止状態を保持する構成にしたこと。第二の理由として、前述したようにカバー体800の当接下辺側壁806によって払出制御基板ボックス655の上辺部に当接するようにしたので、特に、カバー体800の下辺部をこじ開けることができないようにカバー体800の下方部の閉止状態を強固に維持することが必要であり、結果的にカバー体800の上方部も閉止せざるを得ないこと。そして、この第二の理由により、特に下辺部の閉止状態を維持するためにシリンダー錠809等の施錠装置(シリンダー錠に限らず、遊技場の管理者しか解錠できない施錠装置であれば良い。)を用いることが望ましい。
以上、第2実施形態に係るカバー体800について説明してきたが、この第2実施形態に係るカバー体800は、カバー体800を本体枠3に対して閉じたときに、カバー体800の下辺部である当接下辺側壁806が枠側基板ホルダー651に取り付けられる払出制御基板ボックス655のカバー体711の上辺部分に当接被覆するようになっているため、カバー体800を開放しない限り、払出制御基板ボックス655を枠側基板ホルダー651から取り外すことができない構成となっている。そして、カバー体800がシリンダー錠809によって施錠されるため、カバー体800に被覆される遊技制御基板ボックス268に対する不正行為はもちろん、カバー体800に被覆されない払出制御基板ボックス655に対する不正行為も防止することができる。また、カバー体800を閉じた状態で且つシリンダー錠809を施錠した状態であっても、カバー体800に接続操作用開口803が開設されているため、試験用の試験用端子268b,268cに検査機器を接続したり、あるいはソフトウエア等が暴走して復旧する際に、RAMクリアボタン268aを操作することができる。そして、この接続操作用開口803の内側には、立壁804や当接突起805が形成されて遊技制御基板ボックス268との間に隙間が生じないようにされているので、接続操作用開口803からピアノ線等を挿入して遊技盤4の裏面に対する不正行為を防止することができる。
更に、第2実施形態に係るカバー体800は、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク400の最後端部、及びタンクレール部材410の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっているため、パチンコ遊技機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっており、パチンコ遊技機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ遊技機1の背面において、相手方のパチンコ遊技機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができる。
以上、実施形態について説明してきたが、上記した実施形態では、扉枠5に貯留皿30が1つだけ設けられるものを示したが、必ずしも、1つでなくてもよく、従来と同じように上皿と下皿を有するパチンコ遊技機において、扉枠と本体枠とが分離可能で扉枠に操作ハンドル部を設け、本体枠に打球発射装置を設けたものにも適用することができる。また、上記した実施形態では、ハンドル装置70を構成する操作ハンドル部71及びジョイントユニット90を扉枠5に設けたものを示したが、本体枠3の前面下部に固着される取付板に操作ハンドル部71とジョイントユニット90とを設けても良い。また、この場合には、ジョイントユニット90とスライド部材350とを一体的に形成したような構造としても良い。また、ジョイントユニット90のスライド突片102とスライド部材350の挿入空間354との形状的な構成も図示した実施形態に限ることはなく、例えば、スライド突片102に変えて円柱状のスライド突起を用い、このスライド突起が挿入空間354に形成される円錐形状の穴部に係合するような構造としても良い。更に、上記した実施形態においては、ジョイントユニット90のスライド突片102のスライド移動をスライド部材350及び揺動片321を介してスライド杆326に伝達する構成を示したが、この構成に限ることはなく、例えば、スライド部材350及び揺動片321を省略して、ジョイントユニットのスライド突片がスライド杆に直接連結する構成となるようにしてもよい。この場合においても、スライド突片とスライド杆との係合がスムーズに行われるように、スライド突片を円柱状のスライド突起に形成し、スライド杆に円錐形状の穴部を形成して、スライド突起と円錐形状の穴部との係合がスムーズに行なわれるようにすれば良い。