JP2008061354A - スピンドルモータおよびこれを備えた記録再生装置、動的不釣り合いの調整方法 - Google Patents

スピンドルモータおよびこれを備えた記録再生装置、動的不釣り合いの調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スピンドルモータ単体に求められる動的不釣り合いを高精度に調整することが可能なスピンドルモータおよびこれを備えた記録再生装置、動的不釣り合いの調整方法を提供する。
【解決手段】スピンドルモータ1は、ロータ3のインバランスを調整するための接着剤aと、ロータ3に取り付けられたバックヨーク33と、ロータ3の回転軸方向における端部のバックヨーク33に接して設けられており、インバランス量に応じて所定の量の接着剤aが所定の位置に塗布されるバランス調整部31dと、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気ディスク、光ディスク等の記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータおよびこれを備えた記録再生装置、動的不釣り合いの調整方法に関する。
一般に、記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータは、固定部材が軸受手段を介して回転部材であるロータを回転可能な状態に支持し、ロータの外周部には記録ディスクが配置された構成となっている。
このようなスピンドルモータにおいては、ロータや記録ディスク等の各構成部材の加工誤差や組立精度等による回転軸まわりの偏重心に起因する動的不釣り合いによる異常振動や騒音の発生が問題となることがある。このような加工誤差や偏重心は、加工技術の進歩により、それぞれ精度を向上させることで改善が図られているが、公差等の一定の誤差を許容しているため、ロータや記録ディスク等の偏重心の発生を完全に無くすことは困難である。
また、最近では、記録再生するデータの大容量化、高速化に伴って、ロータが7200回転/分、10000回転/分、或いは、それ以上の回転数で高速回転する記録再生装置が増えつつある。そして、このような高速回転の下では、ロータや記録ディスク等の各構成部材の加工誤差や組立精度等による回転軸まわりの偏重心に起因する動的不釣り合いによる異常振動や騒音の発生がより顕著となるので、このような影響を極力抑える機構をスピンドルモータに設ける必要がある。
このような、記録ディスクが装着されたロータの偏重心を調整する機構として、例えば、特許文献1に示すような、ロータの下面部にバランスホルダを設置し、バランスリングを装着してバランスを補正する調整機構、特許文献2に示すような、ロータの下面部にバランスウェイト収納部を形成し、バランスウェイトを装着してバランスを補正する調整機構、特許文献3に示すような、記録ディスクを保持するクランプの上面に環状の液溜部を形成し、そこに接着剤を滴下してバランスを調整する調整機構が開示されている。
特開2004−229333号公報(平成16年8月12日公開) 特開2005−076838号公報(平成17年3月24日公開) 特開2002−206598号公報(平成14年7月26日公開)
しかしながら、上記特許文献に示した調整機構を有する従来のスピンドルモータにおいては、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記特許文献1〜特許文献3は、記録ディスクを装着した後にバランス調整をすることを前提としている。例えば、特許文献3においては、記録ディスクを装着するクランプに形成された機構を用いて調整するので、記録ディスク装着後においてしかバランス調整をすることができない。また、特許文献1、特許文献2については、バランス調節部材を格納する所定の位置においてしかバランスを調整することができず、また、バランス量の調整においてもバランスリング単位、バランスウェイト単位でしか対応することができないので、全体として高精度なバランス調整をすることが困難である。
これに対して、最近の記録再生装置は、高速回転仕様に対応するために、スピンドルモータ単体でのインバランス(動的不釣り合い)調整、すなわち、記録ディスクを装着しない状態においても高精度なインバランス(動的不釣り合い)調整が求められている。
本発明の課題は、スピンドルモータ単体に求められる動的釣り合いを高精度に調整することが可能なスピンドルモータおよびこれを備えた記録再生装置、動的不釣り合いの調整方法を提供することにある。
第1の発明に係るスピンドルモータは、静止部材に対して回転軸を中心に略円筒形状の回転部材を回転駆動するためのスピンドルモータであって、接着剤と、マグネット部と、バランス調整部と、を備えている。接着剤は、回転部材の動的不釣り合いを調整する。マグネット部は、回転部材に取り付けられている。バランス調整部は、回転部材の回転軸方向における端部のマグネット部近傍に配置されており、動的不釣り合いの量に応じて所定の量の接着剤が所定の位置に塗布される。
ここでは、回転時における回転部材のインバランス(動的不釣り合い)を調整するために、そのインバランス量に応じた量の接着剤を塗布してバランス(動的釣り合い)を調整する。そして、その接着剤を塗布するためのバランス調整部が、回転部材の回転軸方向における端部でマグネット部の近傍に設けられている。
なお、ここでいうマグネット部は、磁束の漏れを防ぎマグネットの磁力を最大限に引き出すためにマグネットに取り付けられる磁性部品のバックヨーク等も含むものとする。
ここで、スピンドルモータにおいては、ロータや記録ディスク等の各構成部材の加工誤差や組立精度等による回転軸まわりの偏重心に起因する動的不釣り合いによる異常振動や騒音の発生が問題となることがある。
従来、このようなインバランス(動的不釣り合い)を調整するバランス調整機構では、被回転部材である、例えば、記録ディスクを装着するためのクランプに接着剤を塗布し、記録ディスクを装着した状態でのインバランス量に対してバランス調整を行っていた。ところが、サーバ用途に使用される製品が増加してきたことから高速回転仕様に対応するために、スピンドルモータ単位、すなわち、記録ディスク等を装着しない状態においても高精度なインバランス調整が求められるようになってきている。
また、マグネット部を構成する部材、例えば、バックヨークをプレス加工する際には、プレス剪断による肉厚部分に加工誤差が発生する。
そこで、本発明のスピンドルモータにおいては、回転軸方向における回転部材の端部であって、記録ディスクを装着しない状態においてインバランスの主な原因となるマグネット部の近傍にバランス調整部が形成されている。そして、バランス調整部には、インバランス量を調整するために所定の量の接着剤が所定の位置に塗布されている。
これにより、スピンドルモータ単体においてインバランスの主な原因となるマグネット部に近い位置に接着剤を塗布することができるので効果的にバランスを調整することができる。また、塗布する接着剤の量を変えることでインバランス量に合わせたバランス調整を行うことができる。
この結果、スピンドルモータ単体に求められる動的釣り合いを高精度に調整することが可能となる。
第2の発明に係るスピンドルモータは、第1の発明に係るスピンドルモータであって、バランス調整部は、回転部材とマグネット部とによって凹状に形成されている。
ここでは、バランス調整部が、例えば、外周側側面を回転部材、例えば、内周側側面をバックヨークによって凹状に形成されている。
なお、ここでいう凹状とは、断面形状が四角形に限定されるものではなく、例えば、V字形状であったり、U字状であってもよい。
これにより、例えば、回転部材自体に凹状の溝部を形成する場合に比べて、回転部材の一部を垂下、言い換えれば、凹部の両端を形成する一方の凸部を回転部材で形成する必要がなくなるので、回転部材の外径を小さくすることが可能となる。また、インバランスの原因となるマグネット部により近い位置でバランスを調整することが可能となる。
第3の発明に係るスピンドルモータは、第1または第2の発明に係るスピンドルモータであって、バランス調整部は、環状に形成されている。
ここでは、バランス調整部は、回転部材の回転面に沿って環状に形成されている。
これにより、インバランス検査等によって判明するインバランス位置に対してより近い位置に接着剤を塗布することが可能となる。このため、高精度にバランス調整することが可能となる。
第4の発明に係るスピンドルモータは、第1から第3の発明のいずれか1つに係るスピンドルモータであって、バランス調整部を形成する外周側の側面は、回転部材における内周側に向かって傾斜するテーパ面を有している。
ここでは、バランス調整部を形成する外周側の側面が、内周側に向かって径小となるテーパ面を有している。
これにより、インバランス検査時において、接着剤が未硬化の状態であったとしても、未硬化流動体に対して回転部材の内周側に押し込む方向に遠心力が作用するので、それらがスピンドルモータの外部に飛散することを回避することできる。この結果、例えば、記録ディスク等を汚染するリスクを低減することができる。
第5の発明に係るスピンドルモータは、第1から第4の発明のいずれか1つに係るスピンドルモータであって、接着剤は、エポキシ系接着剤である。
ここでは、バランスを調整するための接着剤として、アウトガスの少ないエポキシ系接着剤を使用している。
これにより、回転時に発生する接着剤から発生するアウトガスが、記録ディスクやヘッド等へのメディア部に影響を与える可能性を低減することでき、アウトガスによるヘッドの読取不良など、記録再生装置での不具合を回避することができる。
第6の発明に係るスピンドルモータは、第1から第5の発明のいずれか1つに係るスピンドルモータであって、接着剤は、紫外線によって硬化する特性を有している。
ここでは、バランスを調整するための接着剤として、紫外線によって硬化する接着剤を使用している。
これにより、バランス調整後、すなわち、接着剤滴下後、短い時間で接着剤を硬化させることが可能となる。この結果、インバランス調整のための接着剤の滴下とインバランス検査を繰り返すバランス調整に要する時間を短縮することが可能となる。
第7の発明に係るスピンドルモータは、第1から第6の発明のいずれか1つに係るスピンドルモータであって、接着剤は、金属粒子が混入されている。
ここでは、バランスを調整するための接着剤として、金属粒子を混入した接着剤を使用している。
これにより、バランス調整として塗布する材料の比重を上げることができるので大きなインバランス量にも対応することができる。また、接着剤の比重を上げることで少量の接着剤でバランス調整することが可能となるので、接着剤が塗布されるバランス調整部を小さく形成することが可能となる。
第8の発明に係るスピンドルモータは、第1から第7の発明のいずれか1つに係るスピンドルモータであって、バランス調整部は、内周側の側面がマグネット部によって形成されており、外周側の側面が回転部材によって形成されている。
これにより、本発明を、いわゆるアウターロータ型のスピンドルモータに適用することができる。
第9の発明に係るスピンドルモータは、第1から第7の発明のいずれか1つに係るスピンドルモータであって、内周側の側面が回転部材によって形成されており、外周側の側面がマグネット部によって形成されている。
これにより、本発明を、いわゆるインナーロータ型のスピンドルモータに適用することができる。
第10の発明に係る記録再生装置は、第1から第9の発明のいずれか1つに係るスピンドルモータであって、スピンドルモータと、記録媒体と、情報アクセス手段と、を備えている。スピンドルモータは、第1から第9の発明のいずれか1つ係るスピンドルモータである。記録媒体は、回転部材に固定されており、情報を記録できる。情報アクセス手段は、記録媒体の所要の位置に情報を書き込みまたは読み出す。
これにより、スピンドルモータ単体での動的釣り合いを高精度に調整することができるので、高速回転仕様に対応した記録再生装置を提供することができる。
第11の発明に係るインバランス調整方法は、第1から第9の発明のいずれか1つに係るスピンドルモータにおける動的不釣り合いの調整方法であって、検査ステップと、調整ステップと、硬化ステップと、再検査ステップと、を備えている。検査ステップは、回転部材における動的不釣り合いを検査する。調整ステップは、検査ステップにおいて判明した動的不釣り合いの位置および不釣り合いの量に基づいて接着剤をバランス調整部に塗布してバランス調整を行う。硬化ステップは、調整ステップにおいて塗布した接着剤を硬化させる。再検査ステップは、調整ステップにおいてバランス調整が行われた回転部材の動的不釣り合いを再検査する。
これにより、スピンドルモータ単体に求められる動的不釣り合いを高精度に調整することが可能となる。
本発明に係るスピンドルモータによれば、スピンドルモータ単体に求められる動的不釣り合いを高精度に調整することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るスピンドルモータ1について、図1〜図8を用いて説明すれば以下の通りである。なお、本実施形態の説明では、便宜上、図面の上下方向を「軸方向上側(上端)」、「軸方向下側(下端)」等と表現するが、スピンドルモータ1の実際の取り付け状態を限定するものではない。
[スピンドルモータ1の全体構成]
スピンドルモータ1は、図1に示すように、主に、ベースプレート(静止部材)2と、ステータ5と、ロータ(回転部材)3と、流体軸受装置4とを備えている。なお、図1に示すO−Oは、スピンドルモータ1の回転軸線である。
ベースプレート2は、スピンドルモータ1の静止側の部分を構成しており、例えば、記録ディスク装置のハウジング(図示せず)に固定されているものや、ハウジングと一体成形されているもの等がある。また、ベースプレート2は、筒状部21を有しており、筒状部21の内周側には、流体軸受装置4のシャフト41の一端が固定されている。
ロータ3は、スピンドルモータ1の回転側の部材であって、磁気回路で発生する回転力により回転駆動される。そして、ロータ3は、図1に示すように、バックヨーク(マグネット部)33と、ロータマグネット(マグネット部)34と、ロータハブ31と、を有している。
バックヨーク33は、ロータハブ31の軸方向下側に設けられた環状の部材であり、後述する環状突起部31bの外周側に圧入や接着等により固定されている。また、バックヨーク33は、磁性体によって構成されている。
ロータマグネット34は、ステータ5の半径方向における外周側において対向するように配置された環状の部材であって、バックヨーク33の内周側に固定されている。
ロータハブ31は、記録ディスク(記録媒体)38が装着される部材であり、後述するスリーブ42の外周側に接着等により固定されている。また、ロータハブ31は、図1に示すように、ロータハブ本体31aと、環状突起部31bと、ディスク載置部31cと、バランス調整部31dと、バランス調整穴31eと、を有している。
ロータハブ本体31aは、記録ディスク38を半径方向に支持する筒状の部分であって、スリーブ42の外周側に固定されている。ロータハブ本体31aの外周側には、例えば、4枚の記録ディスク38が挿嵌される。
環状突起部31bは、内周面にバックヨーク33を取り付ける部分であって、ロータハブ本体31aから軸方向下側に延びている。
ディスク載置部31cは、記録ディスク38を載置するための環状の部分であり、環状突起部31bの軸方向における下端部の外周側に形成されている。
バランス調整部31dは、環状突起部31bの軸方向下側端部に配置された、バランスを調整するために接着剤aが塗布される環状の凹部であって、バックヨーク33と、ロータハブ31を形成する環状突起部31bとによって凹部を形成している。バランス調整部31dの詳細と、バランス調整部31dにおけるロータ3のバランス調整方法については後段にて詳述する。
バランス調整穴31eは、ロータハブ31に形成された空洞の部分であって、バランスボールやバランスバー(図示せず)等を配置してロータ3のバランスを調整する。バランス調整穴31eは記録ディスク38を装着した後のバランス調整において使用される。
流体軸受装置4は、ベースプレート2およびステータ5に対して相対回転可能な状態でロータ3を支持するための装置である。そして、流体軸受装置4は、スリーブ42の両端が開放された両端開口型の流体軸受装置であって、シャフト41とスリーブ42とを有している。
シャフト41は、流体軸受装置4の固定側の部材であって、軸方向における下端部がベースプレート2の筒状部21に固定されている。また、シャフト41は、シャフト本体41aと、第1スラストフランジ41bと、第2スラストフランジ41cとを有している。
シャフト本体41aは、シャフト41の主要部を構成する円柱状の部材であって、スリーブ42の内周側にスリーブ42との間に微小隙間を介して配置されている。
第1スラストフランジ41bは、例えば、シャフト本体41aと一体成形された環状の部材であって、軸方向においてスリーブ42の軸方向下側端面と微小隙間を介して対向するように配置されている。第2スラストフランジ41cは、スリーブ42に対して軸方向の第1スラストフランジ41bと反対側に配置された環状の部材であって、例えば、シャフト本体41aに対してレーザ溶接等によって固定されている。また、第2スラストフランジ41cは、スリーブ42の軸方向上側端面と軸方向に微小隙間を介して対向するように配置されている。そして、第1・第2スラストフランジ41b・41cには、スリーブ42の一部と対向する側の面に、スラスト動圧発生用溝(図示せず)が形成されている。スラスト動圧発生用溝は、例えば、へリングボーンまたはスパイラル形状を有している。
スリーブ42は、流体軸受装置4に含まれるほぼ上下対称な回転側の筒状部材であって、シャフト41に対して相対回転可能な状態で配置された筒状の部材である。また、スリーブ42は、シャフト41の方向にほぼ上下対称の形状を有している。そして、ラジアル動圧発生用溝(図示せず)が、スリーブ42の内周面に円周方向に均等に配置されており、ヘリングボーン形状を有している。
また、シャフト41およびスリーブ42の間には、作動流体としての潤滑油46が充填されている。潤滑油46は、エステル系の潤滑剤であり、例えば、基油が95%以上、添加剤が5%未満である。また、作動流体としては、高流動性グリスやイオン性液体も使用できる。
そして、この流体軸受装置4では、ラジアル動圧発生用溝を有するスリーブ42、シャフト41およびその間に介在する潤滑油46により、ロータ3を半径方向に支持するラジアル軸受部51が構成されている。また、スラスト動圧発生用溝を有する第1スラストフランジ41b、スリーブ42およびその間に介在する潤滑油46により、ロータ3を軸方向に支持するスラスト軸受部52が構成されている。さらに、スラスト動圧発生用溝を有する第2スラストフランジ41c、スリーブ42およびその間に介在する潤滑油46により、ロータ3を軸方向に支持するスラスト軸受部53が構成されている。そして、各部材がベースプレート2に対して相対回転することで、各軸受部51・52・53においてシャフト41の半径方向および軸方向の支持力が発生する。
ステータ5は、後述するバックヨーク33およびロータマグネット34とともに磁気回路を構成しており、筒状部21の外周側に固定されている。そして、この磁気回路により発生した回転方向の駆動力により、ベースプレート2およびステータ5に対してロータ3が回転駆動される。
[スピンドルモータ1の被回転部材の構成]
スピンドルモータ1の被回転部材としての記録ディスク38は、例えば、記録ヘッド(情報アクセス手段)70a(図13参照)によって情報を読み書きできる磁気ディスク等が含まれる。また、記録ディスク38は、クランパ39によってロータハブ本体31aの側方に固定配置される。複数の記録ディスク38を固定する場合には、スペーサ40によって各記録ディスク38を一定の距離を隔てて挟持固定する。
クランパ39の上面には、バランス調整用ワイヤー(図示せず)を格納するためのバランス調整穴39aが形成されている。バランス調整穴39aは、バランス調整穴31eと同様に、記録ディスク38を取り付けた状態でロータ3を回転させたときのインバランスを調整する際に使用される。
[バランス調整部31dの詳細説明]
バランス調整部31dは、図2に示すように環状に形成されており,また、図3(a),図3(b)に示すように、外周側側面31daと、内周側側面31dbと、底面31dcとによって凹部が形成されている。バランス調整部31dは、バランス調整穴31e、39aとは異なり、バックヨーク33とマグネット34とが取り付けられたロータ3に記録ディスク38が取り付けられる前の状態でバランスを調整するために使用される。
外周側側面31daは、環状突起部31bの一部より形成されており、内周側に向かって傾斜するテーパ面32を有している。これにより、インバランス検査の際に、接着剤aが未硬化の状態であったとしても、未硬化流動体に対してロータハブ31の内周側に押し込む方向に遠心力が作用するので、それらがスピンドルモータ1の外部に飛散するリスクを低減することができる。また、本実施形態のバランス調整部31dは、底面31dcの位置までテーパ面32が形成されている。これにより、接着剤aが剥離してもバランス調整部31dから脱落することを防止することができる。
内周面側面31dbは、バックヨーク33の一部より形成されている。これにより、ロータハブ単体でバランス調整用の凹部を形成する場合に比べてコンパクトに凹部を形成することが可能となる。
底面31dcは、表面加工されており、表面粗さにおける最大高さ(Ry)を6.4以上に成形することが望ましい。これにより、塗布された接着剤aが容易に剥離することを回避することができる。
また、図4に示すように、バランス調整部31d近傍のロータハブ31とベースプレート2との隙間sを0.8mm以下の微少隙間に形成することによってラビリンス効果が得られるようにしている。これにより、バランス調整用に塗布された接着剤aのアウトガスの影響が記録ディスク38等のメディア部へ及ぶことを回避することができる。
[バランス調整部31dにおけるインバランスの調整方法]
本実施形態のバランス調整部31dにおけるバランス調整の方法を、図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1は、回転時においてインバランスの精度を確保する対象となるロータ3(ハブユニット)をバランス検査機60(図6参照)の回転部61(図6参照)に固定する。
このとき、バックヨーク33とロータハブ31とを接着等によりドッキングした後、バックヨーク33にマグネット34を接着等によりドッキング、あるいは、バックヨーク33とマグネット34とをドッキングさせたユニットを先に作成して、そのユニットとロータハブ31とを接着等によってドッキングしてロータ3を形成する。
ステップS2では、回転部61に取り付けたロータ3を回転させて、ロータ3のインバランス量、インバランス位置を測定する。
ステップS3では、ステップS2において測定したロータ3のインバランス量が所定の範囲に収まっているか確認する。そして、ロータ3のインバランス量が所定の範囲に収まっている場合には、ロ−タ3の検査を終了する。また、ロータ3のインバランス量が所定の範囲に収まっていない場合には、ステップS4に移行する。
ステップS4では、ステップS2において判明したインバランスの逆位相に、インバランス量に応じた量の接着剤a(図3(b)参照)を塗布する。なお、ここで使用する接着剤aは、エポキシ系の接着剤であって、例えば、UV硬化性を付与した2液性エポキシ系接着剤(例えば、TB1350:ThreeBond社)や、同様にUV硬化性を付与した1液性エポキシ系接着剤や1液性エポキシアクリレート系接着剤(例えば、Product3395:LOCTITE社)等が用いられる。なお、本実施形態ではアウトガスの影響が少ないエポキシ系の接着剤aを使用しているので、アウトガスの影響を抑えることができ、装置を汚染することがなくなる。
ステップS5では、ステップS4において塗布した接着剤aを硬化させるためのステップであって、1液性エポキシアクリレート系接着剤であれば、例えば、高圧水銀ランプにて1000J/cm2のUV露光量(波長:365nm波長、照度:100mW/cm2、照射時間:10秒)を照射する。また、2液性エポキシ系接着剤であれば、例えば、高圧水銀ランプにて3000J/cm2のUV露光量を照射する。
なお、本実施形態ではUV硬化型の接着剤を使用しているので、ステップS5における接着剤aの硬化に要する時間を、加熱硬化する場合等に比べて、短縮することができる。このため、ステップS4における接着剤aを塗布することによるバランス調整後、すぐにステップS6のバランス調整検査を実施することが可能となる。
ステップS6では、ステップS4において実施したバランス調整によって、ロータ3のインバランス量が所定の範囲内に収まったかどうかを確認するために、再度、回転部61に取り付けたロータ3を回転させて、ロータ3のインバランス量、インバランス位置を測定する。
ステップS7では、ステップS6において測定したロータ3のインバランス量が所定の範囲に収まっているか確認する。そして、ロータ3のインバランス量が所定の範囲に収まっている場合には、ロ−タ3の検査を終了する。また、ロータ3のインバランス量が所定の範囲に収まっていない場合には、ステップS4に移行する。
以上、ステップS3からステップS7の作業を繰り返すことによって、ステップS1とステップS2とにおいて組み立てたロータ3のインバランス量を調整し、記録ディスク38を取り付ける前のスピンドルモータ1において、インバランス調整を高精度に調整することができる。
なお、ここで塗布した接着剤は、スピンドルモータ組立時のベーキング処理において、完全に硬化させる。
[実施例1]
マグネット部に近い位置にバランス調整部を設けることが効果的であることを、図7,図8(a),図8(b)を用いて説明する。
図7は、スピンドルモータにおけるインバランス量と振動値との関係を示したグラフである。なお、ここでいうインバランス量(Dynamic Couple Imbalance)は、クランプ面(図1のスピンドルモータ1においては、クランパ39をセットする面)とディスク受け面(図1のスピンドルモータ1においては、一番下のディスク38が載置されている面)とにおけるインバランス量を合成したものである。いいかえれば、回転体のインバランス量は代表する2面におけるインバランス量で表現出来るので、ロータ上部付近のインバランス量をクランプ面でのインバランス量で代表させ、ロータ下部付近のインバランス量をディスク受け面でのインバランス量で代表させている。また、インバランス量の算出には、インバランスの大きさとインバランスのある位置(角度)とがパラメータとして用いられている。
図7によれば、上記2箇所の合成インバランス量と振動値には良い相関関係をみることができる。これにより、インバランス量を小さくすることによって振動値を下げることができることが分かる。
また、図8(a)は、クランプ面(モータ上部)におけるインバランス量の分布図、図8(b)は、ディスク受け面(モータ下部)におけるインバランス量の分布図である。
両者を比べると、ディスク受け面(モータ下部)におけるインバランス量の方がバランス悪く仕上がっていることが分かった。そして、ディスク受け面におけるインバランス量の方がバランス悪く仕上がる原因は、マグネット部を構成する部材の加工誤差にあると考えられる。例えば、マグネット部を形成するバックヨークが、切削ではなくプレス加工によって製作される場合においては、プレス剪断による肉厚部分に加工誤差が発生する。このため、インバランスの調整は、それぞれの位置で調整する必要がある。例えば、モータ下部のインバランスをモータ上部で調整することは不可能ではないが、実際には大きなロスが発生して現実的ではない。
クランプ面およびディスク受け面におけるインバランス量にこのような傾向が一般的にみられるとすると、高容量、高速回転に伴う振動の低減する要求に対しては、記録ディスクの下面におけるインバランス量、すなわち、磁気回路を形成するマグネット部(マグネットやバックヨーク)に起因するインバランス量をその付近で調整することが有効であることがわかる。
また、比較的バランスがよいクランプ面のインバランス量を調整する方法は、従来の、例えば、バランスワイヤ等においても対応することが可能である。
これにより、本発明のようにインバランスの原因となるマグネット部の近傍にバランス調整部を形成し、また、記録ディスクを装着する前の状態でディスク受け面におけるバランス調整を行うことは効果が高いことが分かった。
[実施例2]
ここでは、インバランス量とバランス調整部の大きさおよび接着剤aとの関係について、図8(b)に示される、ディスク受け面側(図1のスピンドルモータ1においては、一番下のディスク38が載置されている面)のインバランス量を例として説明する。
例えば、スピンドルモータにおけるバランス規格が10g・cmである場合、図8(b)に示されるインバランス量には、ばらつきの上限が30g・cm付近にあるので、最低限20g・cm以上を調整する能力が必要となる。このとき、スピンドルモータにおいて、具体的に接着剤aが塗布されるバランス調整部を形成する環状溝部の平均径(R)を12.575とすると、上記の調整能力を満たすためには、
20mgcm/1.2575cm=15.9mg
がその溝部に充填できる空間が最低限必要ということになる。そして、バランス調整部に塗布する接着剤aとして、例えば、1液性エポキシアクリレート系接着剤(Product3395:LOCTITE社)を使用し、この比重が1.2である。従って、接着剤の比重を考慮すると、バランスを調整するための必要最低限の体積は、
15.9mg/1.2mg/mm3=13.25mm3
となる。上記モデルの場合、バランス調整部における溝部の幅が2.1mm、深さが2mmとすると、溝断面で4.2mm2を形成する。したがって、溝の円弧長さで約3.5mmあれば、最低限の体積は確保できるということになる。
ここで、接着剤について、仮に銀粉を使っている導電性接着剤を使用すると、本接着剤は比重が約3.5であるので、4.5mm3の体積で必要な重量を得ることができる。また、タングステンなどの高比重金属を含有すれば塗布量はさらに少量で済むことになる。つまり、比重の大きな接着剤を使用することで、溝の大きさを小さくしたり、溝配置径を様々な位置に設定することが可能となる。一般的に、バランス調整部を形成するために大きな溝部を形成することは、他の部材との熱膨張の差の影響による変形などを招く可能性がある。このため、接着剤を塗布するための溝部を形成するにあたっては、大きなサイズの溝は避けることが望ましい。
したがって、バランス調整部を形成するにあたっては、インバランス調整に必要なバランス量をあらかじめ把握し、必要最小限の溝幅にすることで最良の状態を形成することができる。
[スピンドルモータ1の特徴]
(1)
本実施形態のスピンドルモータ1は、ロータ3のインバランスを調整するための接着剤aと、ロータ3に取り付けられたバックヨーク33と、ロータ3の回転軸方向における端部のバックヨーク33に接して設けられており、インバランス量に応じて所定の量の接着剤aが所定の位置に塗布されるバランス調整部31dと、を備えている。
これにより、塗布する接着剤aの量を変えることでインバランス量に合わせたバランス調整を行うことができる。また、スピンドルモータ1単体、すなわち、記録ディスク38を装着する前の状態でインバランス検査したときにインバランスの主な原因となるバックヨーク33に近い位置に接着剤aを塗布することができるので、効果的にロータ3のバランスを調整することができる。
この結果、スピンドルモータ1単体に求められるインバランスを高精度に調整することが可能となる。
(2)
本実施形態のスピンドルモータ1では、バランス調整部31dが、図2,図3(a),図3(b)に示すように、ロータハブ31の一部である外周側側面31daおよび底面31dcと、バックヨーク33の一部である内周側側面31dbとによって凹部が形成されている。
これにより、ロータハブ31単体でバランス調整用の凹部を形成する場合に比べて、ロータハブ31の外径をコンパクトに形成することが可能となる。
(3)
本実施形態のスピンドルモータ1では、バランス調整部31dが、図2に示すように、ロータハブ31を形成する環状突起部31bの軸方向下側端部に環状に配置されている。
これにより、インバランス検査等によって判明するインバランスの位置に対してより近い位置で接着剤aを塗布することが可能となる。この結果、少ない接着剤aの量でバランスを調整することが可能となる。
(4)
本実施形態のスピンドルモータ1では、バランス調整部31dを形成する外周側側面31daが、図3(a)に示すように、内周側に向かって傾斜するテーパ面32を有している。
これにより、インバランス検査等において、接着剤aが未硬化の状態であったとしても、未硬化流動体に対してロータハブ31の内周側に押し込む方向に遠心力が作用するので、それらがスピンドルモータ1の外部に飛散するリスクを低減することができる。
また、本実施形態のバランス調整部31dは、図3(a)に示すように、底面31dcの位置までテーパ面32が形成されている。
これにより、接着剤aがたとえ剥離してもバランス調整部31dから脱落することを防止することができる。
(5)
本実施形態のスピンドルモータ1では、バランスを調整するために塗布する接着剤aとしてエポキシ系の接着剤aを使用している。
これにより、回転時に接着剤aから発生するアウトガスが、記録ディスク38等へのメディア部に影響を与える可能性を低減することでき、アウトガスによるヘッドの読取不良など、記録再生装置での不具合を回避することができる。
(6)
本実施形態のスピンドルモータ1では、バランスを調整するために塗布する接着剤aとしてUV硬化型の接着剤aを使用している。
これにより、接着剤aの硬化に要する時間を短縮することができるので、接着剤aを塗布することによるバランス調整後、すぐにバランス調整検査を実施することが可能となる。
(7)
本実施形態のスピンドルモータ1では、内周側の側面がバックヨーク33によって形成されており、外周側の側面がロータハブ31によって形成されている。
これにより、ロータハブ31が、磁気回路を形成するバックヨーク33よりも外周側に位置するアウターロータ型のスピンドルモータに本発明を適用することが可能となる。
(8)
本実施形態のスピンドルモータ1では、図4に示すように、バランス調整部31d近傍のロータハブ31とベースプレート2との隙間sを0.8mm以下に形成している。
これにより、ラビリンス効果が形成され、バランス調整用に塗布された接着剤aのアウトガスの影響が記録ディスク38等のメディア部へ及ぶことを回避することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態のスピンドルモータ1では、ロータハブ31が、磁気回路を形成するステータ5よりも外周側に位置するアウターロータ型のスピンドルモータ1の例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図9,図10に示すように、ロータハブ131,231が、磁気回路を形成するステータ105,205よりも内周側に位置するインナーロータ型のスピンドルモータ101,201においても、上記の実施形態に係るスピンドルモータ1と同様の効果を得ることができる。
以下、スピンドルモータ101,201の構成について簡単に説明する。
スピンドルモータ101は、図9に示すように、主に、ベースプレート(静止部材)102と、ステータ105と、ロータ(回転部材)103と、流体軸受装置104と、を備えている。なお、図9に示すO−Oは、スピンドルモータ101の回転軸線である。
ベースプレート102は、スピンドルモータ101の静止側の部分を構成している。
ロータ103は、スピンドルモータ101の回転側の部材であって、磁気回路で発生する回転力により回転駆動される。そして、ロータ103は、図9に示すように、ロータマグネット134と、ロータハブ131と、を有している。
ロータマグネット134は、ステータ105の半径方向における内周側において対向するように配置された環状の部材であって、ロータハブ131の外周面に固定されている。
ロータハブ131は、記録ディスク138が装着される部材であり、後述するスリーブ142の外周側に接着等により固定されている。また、ロータハブ131は、図9に示すように、ロータハブ本体131aと、バランス調整部131dと、を有している。
ロータハブ本体131aは、記録ディスク138を半径方向に支持する筒状の部分であって、スリーブ142の外周側に固定されている。ロータハブ本体131aの外周側には、例えば、1枚の記録ディスク138が挿嵌される。
バランス調整部131dは、ロータハブ本体131aの軸方向下側端部に配置された、バランスを調整するために接着剤が塗布される環状の凹部であって、ロータマグネット134と、ロータハブ131の垂下円筒部とによって凹部を形成している。
流体軸受装置104は、ベースプレート102およびステータ105に対して相対回転可能な状態でロータ103を支持するための装置であって、図9に示すように、シャフト141と、スリーブ142と、を有している。なお、流体軸受装置104の詳細な説明についてはここでは省略する。
次に、スピンドルモータ201は、図10に示すように、主に、ベースプレート(静止部材)202と、ステータ205と、ロータ(回転部材)203と、流体軸受装置204と、を備えている。なお、図10に示すO−Oは、スピンドルモータ201の回転軸線である。
ベースプレート202は、スピンドルモータ201の静止側の部分を構成している。
ロータ203は、スピンドルモータ201の回転側の部材であって、磁気回路で発生する回転力により回転駆動される。そして、ロータ203は、図10に示すように、ロータマグネット234と、ロータハブ231と、を有している。
ロータマグネット234は、ステータ205の半径方向における内周側において対向するように配置された環状の部材であって、ロータハブ231の外周面に固定されている。
ロータハブ231は、記録ディスク(図示せず)が装着される部材であり、後述するスリーブ242の外周側に接着等により固定されている。また、ロータハブ231は、図10に示すように、ロータハブ本体231aと、バランス調整部231dと、を有している。
ロータハブ本体231aは、記録ディスクを半径方向に支持する筒状の部分であって、スリーブ242の外周側に固定されている。ロータハブ本体231aの外周側には、例えば、1枚の記録ディスクが挿嵌される。
バランス調整部231dは、ロータハブ本体231aの軸方向下側端部に配置された、バランスを調整するために接着剤が塗布される環状の凹部であって、ロータマグネット234と、ロータハブ231の垂下円筒部とによって凹部を形成している。
流体軸受装置204は、ベースプレート202およびステータ205に対して相対回転可能な状態でロータ203を支持するための装置であって、図10に示すように、シャフト241と、スリーブ242と、を有している。なお、流体軸受装置204の詳細な説明についてはここでは省略する。
(B)
上記実施形態のスピンドルモータ1では、バランス調整部31dが、図2,図3(a)に示すように、ロータハブ31の一部である外周側側面31daおよび底面31dcと、バックヨーク33の一部である内周側側面31dbとによって凹部が形成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ロータハブがステンレス(SUS)製のものであれば、マグネットによって内周側側面を形成してもよい。また、インナーロータ型のスピンドルモータにおいては、ロータハブによって内周側側面、マグネットあるいはバックヨークによって外周側側面を形成してもよい。もちろん、寸法に余裕のある場合は、ロータハブ単体、マグネット単体でバランス調整部となる凹部を形成してもよい。
(C)
上記実施形態のスピンドルモータ1では、バランス調整部31dが、図2に示すように、ロータハブ31を形成する環状突起部31bの軸方向下側端部に環状に配置されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図11に示すように、ロータハブ31を形成する環状突起部の軸方向下側端部にバックヨークが配置された方向に沿って、バランス調整部55となる複数の凹部を形成してもよい。この場合においても、インバランス位置に近い位置にあるバランス調整部である凹部に接着剤aを塗布することによって上記の実施形態に係るスピンドルモータ1と同様の効果を得ることができる。
(D)
上記実施形態のスピンドルモータ1では、バランス調整部31dが、図3(a),(b)に示すように、底面31dcの位置までテーパ面32が形成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図12に示すように、外周側の側面の形状において、軸方向下側端部の一部にテーパ面32を形成していてもよい。この場合も、上記の実施形態に係るスピンドルモータ1と同様に、未硬化流動体が飛散することを回避する効果を得ることができる。
ただし、剥離した接着剤がバランス調整部から脱落することを防止することができる効果を考慮すると本実施形態におけるバランス調整部31dの形状が望ましい。
(E)
上記実施形態のスピンドルモータ1では、バランスを調整するために塗布する接着剤としてエポキシ系の接着剤aを使用する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
塗布した接着剤から発生するアウトガスの量が所定の量に収まるような接着剤であればエポキシ系以外の接着剤でもよく、この場合も上記の実施形態に係るスピンドルモータ1と同様の効果を得ることができる。
(F)
上記実施形態のスピンドルモータ1では、バランスを調整するために塗布する接着剤としてUV硬化型の接着剤aを使用する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、UV硬化を付与しない接着剤であっても、加熱硬化することで上記の実施形態に係るスピンドルモータ1と同様の効果を得ることができる。
ただし、接着剤を塗布することによるバランス調整後、すぐにバランス調整検査を実施することができるという効果を考慮すると、UV硬化型の接着剤を使用することが望ましい。
(G)
上記実施形態のスピンドルモータ1では、バランスを調整するための接着剤aとして2液性エポキシ系接着剤や、1液性エポキシ系接着剤または1液性エポキシアクリレート系接着剤等を使用する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
上記の接着剤aに対して金属粉である、例えば、タングステンや銀等の比重の高い金属粉等を混入させることによって塗布する接着剤の量を低減することができる。
この結果、バランス調整として塗布する材料の比重を上げることができるので大きなインバランス量にも対応することができる。また、接着剤の比重を上げることで塗布する接着剤の量を少なくすることが可能となるので、接着剤を塗布するバランス調整部のサイズを小さくすることが可能となる。
(H)
上記実施形態では、本発明をスピンドルモータ1に対して適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図13に示すように、上記構成を有するスピンドルモータ1を搭載しており、記録ヘッド70aによって記録ディスク38に記録された情報を再生したり、記録ディスク38に対して情報を記録したりする記録再生装置70に対して本発明を適用することもできる。
これにより、例えば、サーバ用途に使用される、高速回転仕様のハードディスク等に求められる動的釣り合いの精度が確保された記録再生装置を提供することが可能となる。
本発明によれば、静音性に優れ、長寿命化が可能となるため、サーバ用途、車載用のスピンドルモータ等へ広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係るスピンドルモータの断面図。 図1のスピンドルモータに含まれるロータの下面平面図。 (a)は、図1のスピンドルモータに含まれるバランス調整部の拡大斜視図。(b)は、図1のスピンドルモータに含まれるバランス調整部の拡大断面図。 図1のスピンドルモータに含まれるバランス調整部付近の拡大断面図。 本発明の一実施形態に係るスピンドルモータの動的不釣り合いの調整方法を示したフローチャート。 図5に示すフローチャートに示される過程で使用するバランス検査機の外観図。 スピンドルモータにおけるインバランス量と振動値との関係を示したグラフ。 (a)は、スピンドルモータのクランプ面におけるインバランスの分布図。(b)は、スピンドルモータのディスク受け面におけるインバランスの分布図。 本発明の他の実施形態に係るスピンドルモータの断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係るスピンドルモータの断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係るスピンドルモータに含まれるロータの下面平面図。 本発明のさらに他の実施形態に係るスピンドルモータに含まれるバランス調整部の拡大斜視図。 本発明のさらに他の実施形態に係る記録再生装置の構成を示す内部断面図。
符号の説明
1,101,201 スピンドルモータ
2,102,202 ベースプレート(静止部材)
3,103,203 ロータ(回転部材)
4,104,204 流体軸受装置
5,105,205 ステータ
21 筒状部
31,131,231 ロータハブ
31a,131a,231a ロータハブ本体
31b 環状突起部
31c ディスク載置部
31d,131d,231d バランス調整部
31da 外周側側面
31db 内周側側面
31dc 底面
31e バランス調整穴
32 テーパ面
33 バックヨーク(マグネット部)
34,134,234 ロータマグネット(マグネット部)
35 ロータハブ本体
38,138 記録ディスク(記録媒体)
39 クランパ
39a バランス調整穴
40 スペーサ
41,141,241 シャフト
41a シャフト本体
41b 第1スラストフランジ
41c 第2スラストフランジ
42,142,242 スリーブ
46 潤滑油
51 ラジアル軸受部
52,53 スラスト軸受部
55 バランス調整部
60 バランス検査機
61 回転部
70 記録再生装置
70a 記録ヘッド(情報アクセス手段)
a 接着剤
s 微少隙間

Claims (11)

  1. 静止部材に対して回転軸を中心に略円筒形状の回転部材を回転駆動するためのスピンドルモータであって、
    前記回転部材の動的不釣り合いを調整するための接着剤と、
    前記回転部材に取り付けられたマグネット部と、
    前記回転部材の前記回転軸方向における端部の前記マグネット部近傍に配置されており、前記動的不釣り合いの量に応じて所定の量の前記接着剤が塗布されるバランス調整部と、
    を備えたスピンドルモータ。
  2. 前記バランス調整部は、前記回転部材と前記マグネット部とによって凹状に形成されている、
    請求項1に記載のスピンドルモータ。
  3. 前記バランス調整部は、環状に形成されている、
    請求項1または2に記載のスピンドルモータ。
  4. 前記バランス調整部を形成する外周側の側面は、前記回転部材における内周側に向かって傾斜するテーパ面を有している、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。
  5. 前記接着剤は、エポキシ系接着剤である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。
  6. 前記接着剤は、紫外線によって硬化する特性を有している、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。
  7. 前記接着剤は、金属粒子が混入されている、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。
  8. 前記バランス調整部は、内周側の側面が前記マグネット部によって形成されており、外周側の側面が前記回転部材によって形成されている、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。
  9. 前記バランス調整部は、内周側の側面が前記回転部材によって形成されており、外周側の側面が前記マグネット部によって形成されている、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のスピンドルモータと、
    前記回転部材に固定された、情報を記録できる記録媒体と、
    前記記録媒体の所要の位置に情報を書き込みまたは読み出すための情報アクセス手段と、
    を備えた記録再生装置。
  11. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載したスピンドルモータにおける前記動的不釣り合いの調整方法であって、
    前記回転部材における前記動的不釣り合いを検査する検査ステップと、
    前記検査ステップにおいて判明した前記動的不釣り合いの位置および前記動的不釣り合いの量に基づいて前記接着剤をバランス調整部に塗布してバランス調整を行う調整ステップと、
    前記調整ステップにおいて塗布した前記接着剤を硬化させる硬化ステップと、
    前記調整ステップにおいてバランス調整が行われた前記回転部材の前記動的不釣り合いを再検査する再検査ステップと、
    を備えているスピンドルモータにおける動的不釣り合いの調整方法。
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