JP2008061304A - バスリング組、バスリング式給電装置、回転電機、バスリング用打抜型、バスリング組の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バスリングの共通化に有利であり、コスト低減に有利なバスリング組、バスリング式給電装置、回転電機、バスリング用打抜型、バスリングの製造方法を提供する。
【解決手段】バスリング組2は複数種類のバスリング3、4、5を備える。バスリング3、4、5はそれぞれ、周方向に沿って延設されたリング部31、41、51と、所定のピッチで並設された複数個の端子部32、42、52とを備える。複数種類のバスリング3、4、5が平面的に展開されたとき、リング部31、41、51の長さは共通の長さに設定されており、且つ、端子部32、42、52のピッチは共通のピッチに設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】バスリング組2は複数種類のバスリング3、4、5を備える。バスリング3、4、5はそれぞれ、周方向に沿って延設されたリング部31、41、51と、所定のピッチで並設された複数個の端子部32、42、52とを備える。複数種類のバスリング3、4、5が平面的に展開されたとき、リング部31、41、51の長さは共通の長さに設定されており、且つ、端子部32、42、52のピッチは共通のピッチに設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は給電経路を形成するバスリング組、バスリング式給電装置、回転電機、バスリング用打抜型、バスリング組の製造方法に関する。
特許文献1には、複数種類のバスリングを備える固定子を有するモータが開示されている。このものによれば、U相、V相、W相のうちの一相の電流が通電される板状の第1バスリングと、U相、V相、W相のうちの他相の電流が通電される板状の第2バスリングと、U相、V相、W相のうちの残りの相の電流が通電される板状の第3バスリングとが用いられている。
この場合図15に示すように、第1バスリング3Xは、周方向に沿って延設された第1リング部31Xと、第1リング部31Xにこれの長手方向に沿って第1ピッチP10で並設され且つ第1リング部31Xから突出する複数個の第1端子部32Xとを備えている。第2バスリング4Xは、周方向に沿って延設された第2リング部41Xと、第2リング部41Xにこれの長手方向に沿って第2ピッチP20で並設され且つ第2リング部41Xから突出する複数個の第2端子部42Xとを備えている。第3バスリングも同様である(第3バスリングは図略)。
特開2006−67740号公報
第1バスリング3X、第2バスリング4X、第3バスリングを平面的に展開すると、図15に示すように、第1バスリング3Xの長さをL10とし、第2バスリング4Xの長さをL20とし、第3バスリングの長さをL30(図示せず)ず)とすると、L10、L20、L30の長さは互いに異なる。これは、使用時には、第1バスリング3X、第2バスリング4X、第3バスリングは平面的に打ち抜かれるが、使用時にはCリング状に曲成されるものであり、その配置が外周側か内周側かで曲率半径が異なるため、長さを異ならせているものである。つまり、内周側に配置されるバスリングについては、曲率半径がそれだけ小さいため、そのバスリングの長さは相対的に短くされている。また、外周側に配置されるバスリングについては、曲率半径がそれだけ大きめになるため、バスリングの長さは相対的に長くされている。更に、バスリングの長さに対応して、第1バスリング3Xの第1端子部32XのピッチP10、第2バスリング4Xの第2端子部42XのピッチP20、第3バスリングの第3端子部のピッチP30もそれぞれ異なる。外周側に配置されるバスリングの端子部のピッチは、リング部の長さに対応して相対的に長くされている。内周側に配置されるバスリングの端子部のピッチは、リング部の長さに対応して相対的に短くされている。
上記したバスリングを製造するにあたり、上記したバスリングは板状をなしているため、板材を平面状態に打ち抜いて形成することが好ましい。しかしながらこの場合には、複数種類のバスリングを製造するにあたり、各リング部の長さL10、L20、L30が相違し、各端子部のピッチP10、P20、P30がそれぞれ相違する。このためバスリングは3種類が必要とされる。このため第1バスリングを打ち抜く第1打抜型、第2バスリングを打ち抜く第2打抜型、第3バスリングを打ち抜く第3打抜型といった複数種類の打抜型が必要とされる。従って、型費用が増加し、製造コストの低減に限界がある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、複数種類のバスリングの共通化をできるだけ図り得、コスト低減に有利なバスリング組、バスリング式給電装置、回転電機、バスリング用打抜型、バスリング組の製造方法を提供することを課題とする。
(1)様相1に係るバスリング組は、導電材料を基材とする複数種類のバスリングを備えるバスリング組であって、複数種類のバスリングはそれぞれ、周方向に沿って延設されたリング部と、リング部にこれの長手方向に沿って所定の間隔で並設され且つリング部から突出する複数個の端子部とを備えており、
複数種類のバスリングが平面的に展開されたとき、複数種類のバスリングにおいて、リング部の長さは共通の長さに設定されており、且つ、端子部の間隔は共通の間隔に設定されていることを特徴とする。
複数種類のバスリングが平面的に展開されたとき、複数種類のバスリングにおいて、リング部の長さは共通の長さに設定されており、且つ、端子部の間隔は共通の間隔に設定されていることを特徴とする。
バスリングはリング形状(例えばC形状、Oリング形状、角リング形状)の給電経路を形成する導電材料を意味する。リング部はバスリングの本体を意味する。端子部はバスリングと相手材とを電気的に接続する部位を意味する。本明細書によれば、間隔は、隣設する端子部同士間の間隔を意味し、均等間隔でも良いし、場合によっては、不均等間隔でも良い意味である。
様相1によれば、バスリングにより給電経路が形成される。複数種類のバスリングが平面的に展開されたとき、複数種類のバスリングにおいてリング部の長さは共通の長さに設定されており、且つ、複数種類のバスリングにおいて端子部の間隔は共通の間隔に設定されている。このようにバスリングのリング部および端子部ができるだけ共通化されているため、複数種類のバスリングを利用した給電経路の均衡化に有利である。更に本様相によれば、複数種類のバスリングが用いられつつも、バスリングの共通化に有利となり、バスリング式給電装置の製造コストが低減される。本様相によれば、複数種類のバスリングは同心状に配置されており、リング部から突出する端子部の突出長さは、電気的接続の相手に届くようにバスリングの種類毎に異なるように設定されていることが好ましい。
(2)様相2に係るバスリング組によれば、上記した様相において、複数種類のバスリングは、U相、V相、W相の一方の電流が通電される第1バスリングと、U相、V相、W相の他方の電流が通電される第2バスリングと、U相、V相、W相の残りの電流が通電される第3バスリングとを備えており、
第1バスリングは、周方向に沿って延設された第1リング部と、第1リング部にこれの長手方向に沿って第1間隔で並設され且つ第1リング部から突出する複数個の第1端子部とを備えており、
第2バスリングは、周方向に沿って延設された第2リング部と、第2リング部にこれの長手方向に沿って第2間隔で並設され且つ第2リング部から突出する複数個の第2端子部とを備えており、
第3バスリングは、周方向に沿って延設された第3リング部と、第3リング部にこれの長手方向に沿って第3間隔で並設され且つ第3リング部から突出する複数個の第3端子部とを備えており、
第1バスリング、第2バスリングおよび第3バスリングが平面的に展開されたとき、第1リング部の長さ、第2リング部の長さおよび第3リング部の長さは、共通の長さに設定されており、且つ、第1端子部の第1間隔、第2端子部の第2間隔および第3端子部の第3間隔は、共通の間隔に設定されていることを特徴とする。
第1バスリングは、周方向に沿って延設された第1リング部と、第1リング部にこれの長手方向に沿って第1間隔で並設され且つ第1リング部から突出する複数個の第1端子部とを備えており、
第2バスリングは、周方向に沿って延設された第2リング部と、第2リング部にこれの長手方向に沿って第2間隔で並設され且つ第2リング部から突出する複数個の第2端子部とを備えており、
第3バスリングは、周方向に沿って延設された第3リング部と、第3リング部にこれの長手方向に沿って第3間隔で並設され且つ第3リング部から突出する複数個の第3端子部とを備えており、
第1バスリング、第2バスリングおよび第3バスリングが平面的に展開されたとき、第1リング部の長さ、第2リング部の長さおよび第3リング部の長さは、共通の長さに設定されており、且つ、第1端子部の第1間隔、第2端子部の第2間隔および第3端子部の第3間隔は、共通の間隔に設定されていることを特徴とする。
様相2によれば、バスリングにより給電経路が形成される。バスリングのリング部および端子部ができるだけ共通化されているため、複数種類のバスリングを利用した給電経路の均衡化に有利である。更に、複数種類のバスリングが平面的に展開されたとき、複数種類のバスリングにおいて、リング部の長さは共通の長さに設定されている。更に、端子部の間隔は共通の間隔に設定されている。このため複数種類のバスリングが用いられつつも、バスリングの共通化に有利となり、バスリング組の製造コストが低減される。
(3)様相3に係るバスリング式給電装置は、導電材料を基材とする複数種類のバスリングを備えるバスリング組と、バスリング組を保持する絶縁ホルダとを具備するバスリング式給電装置であって、バスリング組を構成する複数種類のバスリングは、周方向に沿って延設されたリング部と、リング部にこれの長手方向に沿って所定の間隔で並設され且つリング部から突出する複数の端子部とを備えており、複数種類のバスリングが平面的に展開されたとき、複数種類のバスリングにおいて、リング部の長さは共通の長さに設定されており、且つ、端子部の間隔は共通の間隔に設定されていることを特徴とする。
様相3によれば、複数種類のバスリングにより給電経路が形成される。バスリングのリング部および端子部ができるだけ共通化されているため、複数種類のバスリングを利用した給電経路の均衡化に有利である。更に、複数種類のバスリングが平面的に展開されたとき、複数種類のバスリングにおいて、リング部の長さは共通の長さに設定されている。更に、端子部の間隔は共通の間隔に設定されている。このため複数種類のバスリングが用いられつつも、バスリングの共通化に有利となり、バスリング式給電装置の製造コストが低減される。
(4)様相4に係る回転電機は、基部と、基部に保持され導線を有する固定子と、基部に保持され固体子に対して回転する回転子と、固定子の導線に給電する給電装置とを具備する回転電機であって、給電装置は、上記様相に記載のバスリング式給電装置であることを特徴とする。様相4によれば、複数種類のバスリングにより固定子への給電経路が形成される。バスリングのリング部および端子部ができるだけ共通化されているため、複数種類のバスリングを利用した給電経路の均衡化に有利である。複数種類のバスリングが平面的に展開されたとき、複数種類のバスリングにおいて、リング部の長さは共通の長さに設定されている。更に、端子部の間隔は共通の間隔に設定されている。このため複数種類のバスリングが用いられつつも、バスリングの共通化に有利となり、回転電機のコストが低減される。回転電機としては、モータ又は発電機が挙げられる。
(5)様相5に係るバスリング用打抜型は、リング部とリング部にこれの長手方向に沿って並設され且つリング部から突出する複数の端子部とを備える導電材料を基材とする複数種類のバスリングを板材から平面状態で打ち抜くバスリング用打抜型であって、複数種類のバスリングの打抜に共通する共通型と、共通型に対して交換可能に設けられ端子部の少なくとも一部に対面可能な複数種類の副型とを具備しており、複数種類の副型は、複数種類のバスリングに応じて端子部の突出長さを変更する変更部を備えており、且つ、バスリングの種類に応じて共通型に対して交換されることを特徴とする。共通型は、複数種類のバスリングの打抜に共通して使用されるため、打抜型の種類を減少させることができ、型コストの低減に有利である。また、複数種類のバスリングに応じて、複数種類の副型を変更して共通型に取り付ければ、そのバスリングのリング部に対する端子部の突出長さを変更することができる。このため端子部の突出長さを変更させつつ、複数種類のバスリングを製造でき、コストが低減される。
(6)様相6に係るバスリングの製造方法は、リング部とリングにこれの長手方向に沿って並設され且つリング部から突出する複数の端子部とを備える複数種類のバスリングをもつバスリング組を製造するバスリング組の製造方法であって、
導電材料を基材とする板材と、バスリングのリング部を平面状態で打ち抜く共通型とバスリングの端子部の少なくとも一部を平面状態で打ち抜く副型と備える打抜型とを用意する工程と、副型を備える打抜型で板材を打ち抜いて平面状態のバスリングを形成する打抜工程とを実施し、打抜工程では、副型を備える打抜型で板材を打ち抜いてバスリングを形成し、バスリングの種類を変更するとき、共通型に対して副型を交換し、交換した副型を備える打抜型で板材を打ち抜いて異なる種類のバスリングを形成することを特徴とするものである。共通型は、複数種類のバスリングの打抜に共通して使用されるため、打抜型の種類を減少させることができ、型コストの低減に有利である。また、複数種類のバスリングに応じて、複数種類の副型を交換して共通型に取り付ければ、そのバスリングのリング部に対する端子部の突出長さを変更することができる。このため端子部の突出長さを変更させつつ、複数種類のバスリングを製造できる。副型は端子部の少なくとも一部に対面するため、共通型に対して小型であり、型費用が低減される。
導電材料を基材とする板材と、バスリングのリング部を平面状態で打ち抜く共通型とバスリングの端子部の少なくとも一部を平面状態で打ち抜く副型と備える打抜型とを用意する工程と、副型を備える打抜型で板材を打ち抜いて平面状態のバスリングを形成する打抜工程とを実施し、打抜工程では、副型を備える打抜型で板材を打ち抜いてバスリングを形成し、バスリングの種類を変更するとき、共通型に対して副型を交換し、交換した副型を備える打抜型で板材を打ち抜いて異なる種類のバスリングを形成することを特徴とするものである。共通型は、複数種類のバスリングの打抜に共通して使用されるため、打抜型の種類を減少させることができ、型コストの低減に有利である。また、複数種類のバスリングに応じて、複数種類の副型を交換して共通型に取り付ければ、そのバスリングのリング部に対する端子部の突出長さを変更することができる。このため端子部の突出長さを変更させつつ、複数種類のバスリングを製造できる。副型は端子部の少なくとも一部に対面するため、共通型に対して小型であり、型費用が低減される。
(7)様相7に係るバスリングの製造方法は、リング部とリング部にこれの長手方向に沿って並設され且つリング部から突出する複数の端子部とを備える複数種類のバスリングをもつバスリング組を製造するバスリング組の製造方法であって、各リング部の長さと各端子部の間隔とを共通化させ且つリング部から端子部の突出長さを共通化させた共通バスリングを形成する第1工程と、共通バスリングのリング部の長さと端子部の間隔とを変化させず、複数種類のバスリングに応じて端子部の先端をカットし、複数種類のバスリングに対応する複数種類の長さをもつ端子部を形成する第2工程を実施することを特徴とする。まず、第1工程では、共通バスリングを形成する。共通バスリングは、複数種類のバスリングに共通する形状をもつ。従って、共通バスリングでは、各リング部の長さと、各端子部の間隔とが共通化されて同じサイズとされており、且つ、リング部に対する端子部の突出長さが共通化されて同じサイズされている。但し、共通バスリングの端子部の突出長さとしては、複数種類のバスリングの端子部の突出長さのうち最も長いものに設定されている。第2工程では、共通バスリングのリング部の長さと、端子部の間隔とを変化させないが、複数種類のバスリングに応じて端子部の先端の長さをカットする。これにより複数種類のバスリングに対応する複数種類の突出長さをもつ端子部を形成する。この場合、複数種類のバスリングについて共通する共通バスリングを先ず形成するため、共通バスリングを量産でき、量産効果が得られる。その後、共通バスリングの端子部の突出長さを、複数種類のバスリングに応じて部分的にカットする。このため複数種類のバスリングを製造しつつも、生産コストが低減される。
本発明によれば、バスリングにより給電経路が形成される。更に、複数種類のバスリングを備えるバスリング組において、バスリングのリング部および端子部ができるだけ共通化されているため、給電経路の均衡化に有利である。複数種類のバスリングが用いられつつも、バスリングができるだけ共通化されているため、コスト低減に有利となる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図1〜図10を参照して説明する。図1に示すように、バスリング式の給電装置1はリング形状をなしており、複数種類のリング板状をなすバスリングを給電経路として備えるバスリング組2と、バスリング組2を保持するリング状をなす絶縁ホルダ8とを有する。図1に示すように、バスリング組2は、三相交流のU相の電流が通電される第1バスリング3と、V相の電流が通電される第2バスリング4と、W相の電流が通電される第3バスリング5とを備えている。更に、中立バスリング6が設けられている。第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5および中立バスリング6は、厚みが共通(同一)とされており、可撓性を有しており、同一の導電材料を基材とする。導電材料としては導電性を有するものであれば、特に制限されず、銅、銅合金等を例示できる。第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5および中立バスリング6は電気絶縁被膜は被覆されておらず、導電材料面が表出している。このためバスリングの電気的接続の際に、電気絶縁被膜を剥離させる手間が省略される。
以下、本発明の実施形態1について図1〜図10を参照して説明する。図1に示すように、バスリング式の給電装置1はリング形状をなしており、複数種類のリング板状をなすバスリングを給電経路として備えるバスリング組2と、バスリング組2を保持するリング状をなす絶縁ホルダ8とを有する。図1に示すように、バスリング組2は、三相交流のU相の電流が通電される第1バスリング3と、V相の電流が通電される第2バスリング4と、W相の電流が通電される第3バスリング5とを備えている。更に、中立バスリング6が設けられている。第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5および中立バスリング6は、厚みが共通(同一)とされており、可撓性を有しており、同一の導電材料を基材とする。導電材料としては導電性を有するものであれば、特に制限されず、銅、銅合金等を例示できる。第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5および中立バスリング6は電気絶縁被膜は被覆されておらず、導電材料面が表出している。このためバスリングの電気的接続の際に、電気絶縁被膜を剥離させる手間が省略される。
図1に示すように、第1バスリング3は、Cリング形状の薄い板材で形成されており、周方向において一端部3aおよび他端部3cを有する。第2バスリング4は、同様にCリング形状の薄い板材で形成されており、周方向において一端部4aおよび他端部4cを有する。第3バスリング5は、同様にCリング形状の薄い板材で形成されており、周方向において一端部5aおよび他端部5cを有する。中立バスリング6の周長は、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5の周長に比較して短くされている。給電装置1の外周側から内周側に向かうにつれて、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5、中立バスリング6が、この順で、軸芯P1周りで同心状またはほぼ同心状に配置される。従って、外周側に第1バスリング3が配置され、その内周側に第2バスリング4が配置され、その内周側に第3バスリング5が配置され、その内周側に中立バスリング6が配置される。
図1に示すように、第1バスリング3は、周方向に沿って延設されたC形状をなす第1リング部31と、第1リング部31から径内方向に突出する複数個の第1端子部32とを備えている。第2バスリング4は、周方向に沿って延設されたC形状をなす第2リング部41と、第2リング部41から径内方向に突出する複数個の第2端子部42とを備えている。第3バスリング5は、周方向に沿って延設されたC形状をなす第3リング部51と、第3リング部51から径内方向に突出する複数個の第3端子部52とを備えている。中立バスリング6は、弧状をなす第4リング部61と、径内方向に突出する複数個の第4端子部62とを備えている。なお、端子部32〜62が給電装置1の径内方向(矢印FA方向)に突出するのは、電気的接続の相手材がリング状の給電装置1の径内側に配置されているためである。相手材が給電装置1の径外側に配置されている場合には、端子部32〜62が給電装置1の径外方向に突出する。
図2は、U相、V相、W相の電流を通電する第1バスリング3、第2バスリング4および第3バスリング5がそれぞれ平面的に展開されている状態を示す。つまり、第1バスリング3、第2バスリング4および第3バスリング5を、薄い肉圧の板材からプレスにより平面的に打ち抜いた状態を示す。図2において、第1リング部31の長さをL1とし、第2リング部41の長さをL2とし、第3リング部51の長さをL3とすると、L1、L2、L3は、共通の長さに設定されており、それぞれ同一長さとされている(L1=L2=L3)。第1バスリング3の第1端子部32の第1ピッチ(第1間隔)をP1とし、第2バスリング4の第2端子部42の第2ピッチ(第2間隔)をP2とし、第3バスリング5の第3端子部52の第3ピッチ(第3間隔)をP3とすると、P1、P2、P3は共通のピッチに設定されており、それぞれ同一ピッチとされている(P1=P2=P3)。このため複数種類のバスリングの共通化に有利となる。ここで、『同一ピッチ』とは、工業的レベルで同一ピッチという意味である。例えば、同一の型でバスリングを打抜成形するとき、成形時に発生するバリや返り等に起因する極く微小な寸法変動があったとしても、同一ピッチという概念に含まれる。
ここで、図2に示すように、第1バスリング3の第1端子部32の突出長さをH1とし、第2バスリング4の第2端子部42の突出長さをH2とし、第3バスリング5の第3端子部52の突出長さをH3とすると、H1>H2>H3の関係に設定されている。中立バスリング6の第4端子部62の突出長さをH4(図示せず)とすると、H3>H4の関係とされている。H1>H2>H3>H4の関係に設定する理由としては、前述したように、リング状の給電装置1の外周側から内周側に向かうにつれて、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5、中立バスリング6が順番に配置されている関係上、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5、中立バスリング6において、軸芯S1を起点とするそれぞれの曲率半径としては、第1バスリング3の曲率半径>第2バスリング4の曲率半径>第3バスリング5の曲率半径>中立バスリング6の曲率半径となるためである。上記したように突出長さH1、H2、H3以外は、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5は、サイズ、形状、材質において共通化されている。
図3および図4は、バスリング3〜5に共通して打ち抜くための打抜型7を示す。この打抜型7は、雌型71(下型)と雄型76(上型)とを備えている。図3は雌型71の平面形態を模式的に示す。図3に示すように、雌型71は、複数種類のバスリングの打抜に共通する共通型として機能する共通雌型73と、共通雌型73に対して交換可能に共通雌型73に保持される入れ子式の副雌型74とを備えている。図3に示すように、共通雌型73は、長く延設された第1キャビティ731と、第1キャビティ731に交差して連通する第2キャビティ732と、入子キャビティ733とをもつ。第1キャビティ731は、共通雌型73の上面部73uに開口しており、第1リング部31、第2リング部41、第3リング部51に共通しており、第1リング部31、第2リング部41、第3リング部51を打抜成形する。第1キャビティ731の長さLAは、第1リング部31、第2リング部41、第3リング部51の長さに対応するように、実質的にL1とされている(LA=L1=L2=L3)。第2キャビティ732は第1端子部32、第2端子部42、第3端子部52に共通する。第2キャビティ732のピッチPAはP2に実質的に設定されている(PA=P1=P2=P3)。
図3に示すように、副雌型74(74f,74s,74t)は、共通雌型73の側面部73fに形成された入子キャビティ733に、取付盤751およびボルト752を介して着脱可能(交換可能)に取り付けられる。入子キャビティ733の数は第1バスリング3の端子部32の数に相当する。副雌型74は、バスリングの端子部を打抜成形するものであり、複数種類用意されている。即ち、第1バスリング3を打抜くための第1副雌型74f、第2バスリング4を打抜くため第2副雌型74s、第3バスリング5を打抜くための第3副雌型74tの複数種類(3種類)が用意されている。第1副雌型74fは、第1バスリング3の第1端子部32を打ち抜くためのものであるため、図3に示すように、第1端子部32の突出長さH1に対応できる切込長さW1をもつ第1変更部75aを備えている。第1副雌型74fの数は端子部32の数に相当するため、第1副雌型74fを量産化でき、製造コストを低減できる。第2副雌型74sは、第2バスリング4の第2端子部42を打ち抜くためのものであるため、第2端子部42の突出長さH2に対応できる切込長さW2をもつ第2変更部75bを備えている。第2副雌型74sの数は端子部32の数に相当するため、第2副雌型74sを量産化でき、製造コストを低減できる。第3副雌型74tは、第3バスリング5の第3端子部52を打ち抜くためのものであるため、第3端子部52の突出長さH3に対応できる切込長さW3をもつ第3変更部75cを備えている。第3副雌型74tの数は端子部32の数に相当するため、第3副雌型74tを量産化でき、製造コストを低減できる。
図4は打抜型7の雄型76の底面形態を模式的に示す。図4に示すように、雄型76は、複数種類の第1バスリング3〜第3バスリング5の打抜に共通する共通型として機能する共通雄型77と、共通雄型77に対して交換可能に共通雄型77に保持された副雄型78(78f,78s,78t)とを備えている。共通雄型77は、共通雄型77の下面77dから下方に突出する第1共通突出部771および第2共通突出部772と、共通雄型77の側面部77fに形成された入子キャビティ773とをもつ。入子キャビティ773の数は端子部32の数に相当するため、複数使用される。ここで、第1共通突出部771は、第1リング部31、第2リング部41、第3リング部51に共通しており、第1リング部31、第2リング部41、第3リング部51を雄型として打抜成形する。従って、第1共通突出部771の長さLBは、第1リング部31、第2リング部41、第2リング部41の長さに対応するように、実質的にL1とされている(LA=L1=L2=L3)。第2共通突出部772は、第1端子部32、第2端子部42、第3端子部52の共通形状部分を雄型として打抜成形する。第2共通突出部772のピッチPBはP1に設定されている(PB=P1=P2=P3)。副雄型78は、共通雄型77の側面部77fに形成された入子キャビティ773に取付盤751および取付ボルト752を介して着脱可能に取り付けられる。
副雄型78は、バスリングの端子部の先端部(一部)を雄型として打抜成形するものであり、複数種類用意されている。即ち、第1バスリング3の第1端子部32の先端部を打抜する第1副雄型78f、第2バスリング4の第2端子部42の先端部を打抜する第2副雄型78s、第3バスリング5の第3端子部52の先端部を打抜する第3副雄型78tが用意されている。第1副雄型78fは、第1バスリング3の第1端子部32の先端部を打ち抜くため、第1端子部32の突出長さH1に対応できる突出長さK1をもつ第1変更部75hを備えている。第1副雄型78fの数は端子部32の数に相当するため複数使用されており、第1副雄型78fを量産化でき、製造コスト低減できる。第2副雄型78sは、第2バスリング4の第2端子部42の先端部を打ち抜くため、第2端子部42の突出長さH2に対応できる突出長さK2をもつ第2変更部75iを備えている。第2副雄型78sの数は端子部32の数に相当するため複数使用されており、第2副雄型78sを量産化でき、製造コストを低減できる。第3副雄型78tは、第3バスリング5の第3端子部52の先端部を打ち抜くため、第3端子部52の突出長さH3に対応できる突出長さK3をもつ第3変更部75kを備えている。第3副雄型78tの数は端子部32の数に相当するため、第3副雄型78tを量産化でき。製造コストを低減できる。
本実施形態によれば、第1バスリング3を製造するときには、第1副雌型74fを共通雌型73に交換可能に取り付けると共に、第1副雄型78fを共通雄型77に交換可能に取り付ける。そして共通雌型73(下型)と共通雄型77(上型)との間に、導電材料製の板材をセットする。その状態で共通雄型77を下降させる。これにより板材から第1バスリング3が打ち抜かれる。第1バスリング3を連続的に量産するときには、第1副雄型78fを共通雄型77に取り付けたまま、第1副雌型74fを共通雌型73に取り付けたまま、打抜を行う。
また第2バスリング4を製造するときには、第2副雌型74sを共通雌型73に交換可能に取り付けると共に、第2副雄型78sを共通雄型77に交換可能に取り付ける。そして前述したように、共通雌型73と共通雄型77との間に板材をセットした状態で、共通雄型77(上型)を下降させる。これにより板材から第2バスリング4が打ち抜かれる。第2バスリング4を連続的に量産するときには、第2副雌型74sを共通雌型73に取り付けたまま、第2副雄型78sを共通雄型77に取り付けたまま、打抜を行う。
また第3バスリング5を製造するときには、第3副雌型74tを共通雌型73に交換可能に取り付けると共に、第3副雄型78tを共通雄型77に交換可能に取り付ける。そして、共通雌型73と共通雄型77との間に板材をセットした状態で、共通雄型77を下降させる。これにより板材から第3バスリング5が打ち抜かれる。第3バスリング5を連続的に量産するときには、第3副雄型78tを共通雄型77に取り付けたまま、第3副雌型74tを共通雌型73に取り付けたまま、打抜を行う。打抜かれた状態では、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5は二次元的な平面状態とされている。
本実施形態によれば、上記したように第1バスリング3〜第3バスリング5のプレス打抜の種類を変更するときには、共通雌型73および共通雄型77をそのままにしておき、交換部品として機能するサイズが小さな副雌型74f、74s、74tを共通雌型73に差し替え、副雄型78f、78s、78tを共通雄型77に差し替えるだけでよい。このように大きなサイズの共通雌型73および共通雄型77を共通化できるため、打抜型7に要する型コストを大幅に低減させ得る。そればかりか、大きなサイズの共通雌型73および共通雄型77を交換せずとも良いため、型交換作業の簡素化および型交換時間の短縮にも貢献でき、生産性の向上を図り得る。本実施形態によれば、副雌型74f、74s、74tの材質、共通雌型73の材質については、同一材質、同系材質であっても、異材質であっても良い。耐久性が要請される共通雌型73については、価格が高いものの高耐久性を有する材質で形成し、副雌型74f、74s、74tについては、汎用タイプの廉価な材質で形成しても良い。逆でも良い。副雄型78f、78s、78tの材質、共通雄型77の材質については、同一材質、同系材質であっても、異材質であっても良い。耐久性が要請される共通雄型77については、価格が高いものの高耐久性を有する材質で形成し、副雄型78f、78s、78tについては、汎用タイプの廉価な材質で形成しても良い。逆でも良い。
次に、絶縁ホルダ8(絶縁体)について説明を加える。図1に示すように、絶縁ホルダ8は、これの軸芯S1の回りを周方向に1周するリング状をなしており、外径方向に突出する耳状の取付片80を有する。取付片80は挿入孔80aをもつ。場合によっては、取付片80は内径方向に突出させても良い。図5は絶縁ホルダ8の断面図を示す(但し、取付片80は省略されている)。図5に示すように、絶縁ホルダ8は、仮想中心線S5、S6をもち、外周側から内周側にかけて順番に、C形状をなす第1係合溝81、C形状をなす第2係合溝82、C形状をなす第3係合溝83、弧状をなす第4係合溝84をもつ。第1係合溝81、第2係合溝82、第3係合溝83、第4係合溝84は、絶縁ホルダ8の軸芯S1の回りに円弧状に沿って同心状に形成されている。ここで、第1係合溝81は、第1バスリング3の一端部3aが嵌合する一端部81aと、第1バスリング3の他端部3cが嵌合する他端部81cとをもつ。第2係合溝82は、第2バスリング4の一端部4aが嵌合する一端部82aと、第2バスリング4の他端部4cが嵌合する他端部82cとをもつ。第3係合溝83は、第3バスリング5の一端部5aが嵌合する一端部83aと、第3バスリング5の他端部5cが嵌合する他端部83cとをもつ。第4係合溝84は、中立バスリング6の一端部が嵌合する一端部84aと、中立バスリング6の他端部が嵌合する他端部84cとをもつ。図5に示すように、第1バスリング3の一端部3a、第2バスリング4の一端部4a、第3バスリング5の一端部5aは、周方向位相が合致しないように互いに違いに設定されている。同様に、第1バスリング3の他端部3c、第2バスリング4の他端部4c、第3バスリング5の他端部5cは、周方向位相が合致しないように互い違いに設定されている。上記したように絶縁ホルダ8は、係合溝81〜84を有するように、電気絶縁性をもつ樹脂材料により形成されている。例えば、絶縁ホルダ8は射出成形型により射出成形することにより形成されている。図6に示すように、絶縁ホルダ8において、各バスリングが嵌合されない部分は、絶縁材料である樹脂材料5yが配置されて電気絶縁性が一層高められている。
第1係合溝81は、第1バスリング3の厚みに整合する厚みt1を有すると共に、第1バスリング3の断面形状に整合する断面形状をもつ。第2係合溝82は、第2バスリング4の厚みに整合する厚みt2を有すると共に、第2バスリング4の断面形状に整合する断面形状をもつ。第3係合溝83は、第3バスリング5の厚みに整合する厚みt3を有すると共に、第3バスリング5の断面形状に整合する断面形状をもつ。第4係合溝84は、中立バスリング6の厚みに整合する厚みt4を有すると共に、中立バスリング6の断面形状に整合する断面形状をもつ。図8に示すように、バスリング3〜6の断面形状は薄い四角形状とされている。これにより薄型化を図りつつ電流密度を高め得る。
組付時には、平面状態の第1バスリング3をC形状に曲成しつつ、第1係合溝81にこれの開口81wから第1バスリング3が嵌合される。この場合、第1バスリング3の一端部3aまたは他端部3cから順に差し込んでいくことが好ましい。平面状態の第2バスリング4をC形状に曲成しつつ、第2係合溝82にこれの開口82wから第2バスリング4が嵌合される。この場合、第2バスリング4の一端部4aまたは他端部4cから順に差し込んでいくことが好ましい。平面状態の第1バスリング3をC形状に曲成しつつ、第3係合溝83にこれの開口83wから第3バスリング5が嵌合される。更に、第4係合溝84にこれの開口84wから中立バスリング6が嵌合される。図5に示すように、絶縁ホルダ8の外周側と内周側には、内側遮蔽壁85および外側遮蔽壁86が軸芯S1を1周するようにリング状に且つほぼ同芯円状に形成されている。図8に示すように、内側遮蔽壁85および外側遮蔽壁86は、第1係合溝81の開口〜第4係合溝84の開口を挟む位置に形成されており、その開口よりも寸法HC(図8参照)突出しており、リング状をなすシール室87を形成している。内側遮蔽壁85の壁面85xは、第4係合溝84の壁面84xに段差なく面一状態に連続している。外側遮蔽壁86の壁面86xは、第1係合溝81の壁面81xに段差なく面一状態に連続している。従って、外側遮蔽壁86は、第1バスリング3を第1係合溝81に嵌合させるときのガイドとして機能できる。内側遮蔽壁85は、中立バスリング6を第4係合溝84に嵌合させるときのガイドとして機能できる。
上記したように第1バスリング3〜中立バスリング6を絶縁ホルダ8に嵌合した状態で、図8及び図9に示すように、電気絶縁性をもつシール部88(厚み:HE)でシール室87に蓋をして閉鎖する。シール部88としては、流動性をもつシール材をシール室87に装填して固化させて形成することが好ましい。内側遮蔽壁85および外側遮蔽壁86により、流動性をもつシール材が外方に洩れることは抑制されている。このため成形型にセットしてシール材を装填せずとも良い。仮に、成形公差等により、バスリングの外壁面と係合溝の内壁面との間に微小隙間が形成されるときであっても、流動性をもつシール材が微小隙間に流入して固化するため、第1バスリング3〜中立バスリング6の高いシール性が得られると共に、必要な電気絶縁性、がたつき防止性が図られる。第1バスリング3〜中立バスリング6は、絶縁ホルダ8の絶縁壁89を介して互いに接近しつつ実質的に平行に並設されている。この場合、絶縁ホルダ8の厚みt5(図9参照)の薄型化に貢献できる。絶縁壁89により、第1バスリング3〜中立バスリング6の短絡、即ち、U相、V相、W相の短絡が防止される。あるいは、図示しないものの、予め固化させた別体の蓋部材をシール室87に接着、溶着等により被着させても良い。
上記したように電気絶縁性をもつシール部88でシールされているときであっても、第1端子部32、第2端子部42、第3端子部52、第4端子部62は、後述する導線との電気的接続のためにシール部88から外方に露出している。図9は、第3バスリング5の第3端子部52がシール部88から径内方(矢印FA方向)に向けて突出して露出している状態を示す。なお、シール材としては樹脂系を例示できる。熱硬化性樹脂でも良いし、熱可塑性樹脂でも良いし、他の材料でも良い。上記した絶縁ホルダ8は電気絶縁性をもつ樹脂材料を射出成形することにより形成されている。樹脂材料としては、電気絶縁性、強度、耐熱性に優れているものが好ましい。樹脂材料としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が例示され、これらの少なくとも1種を採用できる。但し、これらに限定されるものではない。殊に、樹脂材料としては、補強繊維や補強粒等の補強材を含む樹脂材料で形成されていることが好ましい。この場合、絶縁ホルダ8が熱をおびるときであっても、耐熱強度が確保される。補強材としては、補強性および絶縁性等を有するものが好ましく、ガラス繊維、セラミックス繊維が例示される。補強繊維として短繊維、長繊維が好ましい。なお、第1バスリング3〜第3バスリング5は厚みが薄く、長さが長いため(例えば30〜150ミリメトールであるが、これに限定されるものではない)、樹脂材料の射出成形によりインサート成形すると、射出圧により第1バスリング3〜第3バスリング5が撓み、正常な位置に埋設されないおそれがある。場合によっては、第1バスリング3〜第3バスリング5同士が射出圧により部分的に接触するおそれがある。この場合、U相、V相、W相が短絡してしまうおそれがある。この点について本実施形態によれば、上記した製造方法により第1バスリング3〜中立バスリング6を絶縁ホルダ8の内部に埋設すれば、第1バスリング3〜中立バスリング6が互いに接触することなく、第1バスリング3〜中立バスリング6の位置が高精度に確保される。従って、絶縁ホルダ8の半径方向において、第1バスリング3〜中立バスリング6を互いに接近させて絶縁ホルダ8の厚みt5(図9参照)をできるだけ小さくしつつも、U相、V相、W相の短絡が防止される。
ところで本実施形態によれば、前記したように第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5が平面的に展開されている状態では、第1バスリング3の長さL1、第2バスリング4のL2、第3バスリング5の長さL3は、共通化されており同一である。更に平面的に展開されている状態では、第1バスリング3の第1端子部32のピッチP1、第2バスリング4の第2端子部42のピッチP2、第3バスリング5の第3端子部52のピッチP3も共通化されており同一ピッチとされている。そして第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5を絶縁ホルダ8に取り付けるときには、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5をC形状に曲げる。このとき、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5は、それぞれ軸芯S1を起点とする曲率半径が異なることになる。このため、第1端子部32、第2端子部42および第3端子部52は、軸芯S1回りの周方向位相が僅かにずれることになる。ここで、第1端子部32が円周上に10個形成される場合には、第1端子部32は36度間隔で配置されることになる。本発明者による知見によれば、第1端子部32が36度の位相間隔で周方向に配置される場合には、第2端子部42および第3端子部52は33〜37度の位相間隔で配置されることになる。
この点について本実施形態によれば、次のような周方向位相の変化を吸収できる接続構造が採用されており、第1端子部32、第2端子部42および第3端子部52の周方向位相の変化を吸収できるようにされている。図10は各端子部と導線との電気的接合構造を示す。図10に示すように、第1バスリング3の第1端子部32の先端部を断面でU形状に折り曲げることにより折返片32mを形成する。ボビン122の溝122aに挿通されている所要の導線123(接続の相手,U相)を折返片32mで挟むとと共に、折返片32mを溶接し、導線123に結合する。第2バスリング4の第2端子部42の先端部を、断面でU形状に折り曲げることにより、折返片42mを形成し、折返片42mで所要の導線123(接続の相手、V相)を挟むと共に、折返片42mを溶接し、導線123に結合する。同様に、図略されているものの、第3バスリング5の第3端子部52を断面でU形状に折り曲げることにより折返片を形成し、所要の導線123(接続の相手、W相)を挟んで取り付ける。この場合、溶接前において、図10から理解できるように、第1端子部32、第2端子部42および第3端子部52を、導線123の長手方向つまり矢印E1、E2方向(バスリングの周方向、図10参照)において位置調整することができる。ひいては第1端子部32、第2端子部42および第3端子部52の周方向位相が変化しても、その変化を吸収することができる。これによりL1、L2、L3の共通化、P1、P2、P3の共通化を採用したとしても、第1端子部32、第2端子部42および第3端子部52について、給電装置1の軸芯S1周りの周方向位相を調整できる。なお、接続相手である導線123は、バスリング3,4,5の径内側に配置されている。
換言すると、本実施形態によれば、複数種類のバスリング3,4,5は、軸芯S1周りで同心状に配置されている。そして図2に示すように、複数種類のバスリング3,4,5が平面的に展開されたとき、リング部31,41,51から突出する端子部32,42,52の突出長さH1,H2,H3については、端子部32,42,52が導線123(電気的接続の相手)に届くように、バスリング3,4,5の種類毎に異なるように設定されている。
なお本実施形態によれば、平面状態の第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5の長さは共通化されて同じとされている。従って、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5をC形状に曲げて絶縁ホルダ8に埋設しているときには、外周側に位置する第1バスリング3の一端部3aと他端部3cとの間の位相角(絶縁ホルダ8の軸芯S1に対する第1バスリング3の位相角)は、相対的に小さくなる。このことは、外周側に位置する第1バスリング3においては、絶縁ホルダ8の外周側の絶縁部分(樹脂材料)の部分の位相角(絶縁ホルダ8の軸芯S1に対する位相角、図1のθaに相当)が増加することを意味する。この場合、絶縁ホルダ8の外周側における絶縁性の確保に有利となる。
(実施形態2)
図11は実施形態2を示す。本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、異なる部分を中心として説明する。図11は実施形態2に係る雌型71Bの平面形態を模式的に示す。図11に示すように、雌型71Bは、複数種類のバスリングの打抜に共通する共通雌型73と、共通雌型73に対して交換可能に共通雌型73に保持され入れ子式の第2副雌型74sとを備えている。第2副雌型74sの先端面74xは、共通雌型73の第1キャビティ731に到達している。図示しないものの、第2副雌型74f、第2副雌型74tは、端子部を打抜くための第2キャビティ732をもち、その先端面74xは共通雌型73の第1キャビティ731に到達している。この様な構造が採用されているため、第1バスリング3〜第3バスリング5を打抜くとき、第1端子部32〜第3端子部52において打抜バリが残ることが回避される。打抜バリによる損傷が抑えられる。雌型71Bと対をなす雄型についても、同様な構造とされている。
図11は実施形態2を示す。本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、異なる部分を中心として説明する。図11は実施形態2に係る雌型71Bの平面形態を模式的に示す。図11に示すように、雌型71Bは、複数種類のバスリングの打抜に共通する共通雌型73と、共通雌型73に対して交換可能に共通雌型73に保持され入れ子式の第2副雌型74sとを備えている。第2副雌型74sの先端面74xは、共通雌型73の第1キャビティ731に到達している。図示しないものの、第2副雌型74f、第2副雌型74tは、端子部を打抜くための第2キャビティ732をもち、その先端面74xは共通雌型73の第1キャビティ731に到達している。この様な構造が採用されているため、第1バスリング3〜第3バスリング5を打抜くとき、第1端子部32〜第3端子部52において打抜バリが残ることが回避される。打抜バリによる損傷が抑えられる。雌型71Bと対をなす雄型についても、同様な構造とされている。
(実施形態3)
図12は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、異なる部分を中心として説明する。図12に示すように、第1工程において、リング部31Eと共通端子部32Eとを備える平面状態をなす共通バスリング9を第1打抜型で打ち抜く。この第1打抜型は第1雌型と第1雄型とで形成されている。共通バスリング9の長さLEは、第1バスリング3の長さL1、第2バスリング4の長さL2、第3バスリング5の長さL3に共通しており、同一とされている(LE=L1=L2=L3)。また共通端子部32EのピッチPEは、第1端子部32のピッチP1、第2端子部42のピッチP2、第3端子部52のピッチP3と共通化されており、同一に設定されている(PE=L1=L2=L3)。共通端子部32Eの突出長さHAは、複数種類のバスリングの端子部の突出長さH1、H2、H3のうちで最も長いH1に設定されている。従って、共通バスリング9は第1バスリング3そのものに相当する。図12に示すように、第2リング部41に対する第2端子部42の突出長さは、H2に設定されている。第3リング部51に対する第3端子部52の突出長さは、H3に設定されている。
図12は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、異なる部分を中心として説明する。図12に示すように、第1工程において、リング部31Eと共通端子部32Eとを備える平面状態をなす共通バスリング9を第1打抜型で打ち抜く。この第1打抜型は第1雌型と第1雄型とで形成されている。共通バスリング9の長さLEは、第1バスリング3の長さL1、第2バスリング4の長さL2、第3バスリング5の長さL3に共通しており、同一とされている(LE=L1=L2=L3)。また共通端子部32EのピッチPEは、第1端子部32のピッチP1、第2端子部42のピッチP2、第3端子部52のピッチP3と共通化されており、同一に設定されている(PE=L1=L2=L3)。共通端子部32Eの突出長さHAは、複数種類のバスリングの端子部の突出長さH1、H2、H3のうちで最も長いH1に設定されている。従って、共通バスリング9は第1バスリング3そのものに相当する。図12に示すように、第2リング部41に対する第2端子部42の突出長さは、H2に設定されている。第3リング部51に対する第3端子部52の突出長さは、H3に設定されている。
次に第2工程を実施する。第2工程においては、上記した共通バスリング9から第2バスリング4を製造する。この場合、共通バスリング9の共通端子部32Eの突出長さを第2カット線R2に沿って打抜型等のカット手段によりカットする。これにより長さH2をもつ第2端子部42と第2リング部41とを備える第2バスリング4を形成する。また上記した共通バスリング9から第3バスリング5を製造する場合には、共通バスリング9の共通端子部32Eの突出長さを第3カット線R3に沿って打抜型等のカット手段によりカットする。これにより長さH3をもつ第3端子部52と第3リング部51とを備える第3バスリング5を形成する。
以上説明したように本実施形態によれば、第1バスリング3〜第3バスリング5の形状に相当する共通バスリング9を予め形成する。このため共通バスリング9を量産する量産効果を発揮でき、コストを低減できる。更に、共通バスリング9の共通端子部32Eに対して打ち抜きカットを施し、H1よりも突出長さが短いH2をもつ第2端子部42と、H1よりも突出長さが短いH3をもつ第3端子部52をそれぞれ個別に形成する。このため、第2端子部42をもつ第2バスリング4、第3端子部52を持つ第3バスリング5を良好に形成することができる。
(適用形態)
図13および図14は適用形態を示す。図13に示すように、回転電機として機能するモータは、基部としてのハウジング100と、ハウジング100に保持された固定子120と、ハウジング100に保持され固定子120に対して回転してモータ機能を発揮する回転子140と、固定子120に保持され固定子120の導線に給電するためのリング形状の給電装置1とを備えている。ハウジング100は、中央に配置されたボス部101と、ボス部101から遠心方向に延設された円板部102と、円板部102の外周端にボス部101に対して同軸的に延設された筒部103とを備えている。回転子140は、ボス部101の中央孔104に軸受105により軸芯S3(軸芯S1)回りで回転可能に支持された回転軸141と、回転軸141の軸端に連結部材142を介して連結ボルト143により連結されたプレート144と、プレート144に保持された互いに対面するエンドプレート145、146と、エンドプレート145、146に挟持され渦電流損を低減させるために珪素鋼板を積層した第1積層コア147と、第1積層コア147の内部に埋設された永久磁石(図示せず)と、空間148とを備えている。固定子120は、渦電流損を低減させるために珪素鋼板を積層した第2積層コア121と、第2積層コア121に保持されたリング状をなす絶縁材料である樹脂を基材とするボビン122(絶縁部)と、ボビン122に巻回された導線123とを備えている。導線123は励磁巻線であり、固定子120に回転磁界を形成できるように、三相交流のU相の線、V相の線、W相の線を備えている。
図13および図14は適用形態を示す。図13に示すように、回転電機として機能するモータは、基部としてのハウジング100と、ハウジング100に保持された固定子120と、ハウジング100に保持され固定子120に対して回転してモータ機能を発揮する回転子140と、固定子120に保持され固定子120の導線に給電するためのリング形状の給電装置1とを備えている。ハウジング100は、中央に配置されたボス部101と、ボス部101から遠心方向に延設された円板部102と、円板部102の外周端にボス部101に対して同軸的に延設された筒部103とを備えている。回転子140は、ボス部101の中央孔104に軸受105により軸芯S3(軸芯S1)回りで回転可能に支持された回転軸141と、回転軸141の軸端に連結部材142を介して連結ボルト143により連結されたプレート144と、プレート144に保持された互いに対面するエンドプレート145、146と、エンドプレート145、146に挟持され渦電流損を低減させるために珪素鋼板を積層した第1積層コア147と、第1積層コア147の内部に埋設された永久磁石(図示せず)と、空間148とを備えている。固定子120は、渦電流損を低減させるために珪素鋼板を積層した第2積層コア121と、第2積層コア121に保持されたリング状をなす絶縁材料である樹脂を基材とするボビン122(絶縁部)と、ボビン122に巻回された導線123とを備えている。導線123は励磁巻線であり、固定子120に回転磁界を形成できるように、三相交流のU相の線、V相の線、W相の線を備えている。
取付ボルト125を絶縁ホルダ8の取付片80の挿入孔80a(図5参照)、固定子120の固定子ホルダ129の挿入孔129cに挿入させ、更にその取付ボルト125をハウジング100の筒部103の雌螺子孔103aにねじ込む。これによりリング形状の給電装置1は、回転子140の外周側、且つ、電気的接続の相手材である導線123の外周側に位置するように、着脱可能に同心状またはほぼ同心状に固定子120に固定されている。このモータは、モータとして使用していないときには、その発電機として使用することもできる。この給電装置1は上記した実施形態に係る構造で形成されている。第1バスリング3〜第3バスリング5、中立バスリング6は、前述したように、絶縁ホルダ8に埋設されてシールされているため、電気絶縁性、耐湿性、耐水性、強度が確保されている。本形態によれば前述したように、第1バスリング3、第2バスリング4および第3バスリング5の共通化に有利であり、従って打抜型7のコストを大幅に低減でき、コスト低減に有利となる。固定子120の導線123に給電されると、導線123が発熱する。熱は給電装置1に伝達され、給電装置1の温度は上昇する。このようなときであっても、第1バスリング3〜中立バスリング6は絶縁ホルダ8の内部に埋設されているため、第1バスリング3〜中立バスリング6の給電経路は良好に維持される。給電装置1の厚みはt5であり、薄型化が図られているため、モータの小型化に有利である。
(その他)
上記した実施形態によれば、第1バスリング3の隣設する第1端子部32のピッチP1は均等間隔とされているが、これに限らず、場合によっては、ピッチP1は均等間隔でなくても良く、不均等間隔でも良い。要するに、第1バスリング3に並設されている複数の第1端子部32は、第1リング部31の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて並設されていれば良い。この場合、第1バスリング3の第1端子部32のピッチP1に等応するように、第2バスリング4の第2端子部42のピッチP2を設定する。同様に、第1バスリング3の第1端子部32のピッチP1に等応するように、第3バスリング5の第3端子部52のピッチP3を設定し、更に、共通雌型73の第2キャビティ732のピッチPAを設定し、共通雄型77の第2共通突出部772のピッチPBを設定する。
上記した実施形態によれば、第1バスリング3の隣設する第1端子部32のピッチP1は均等間隔とされているが、これに限らず、場合によっては、ピッチP1は均等間隔でなくても良く、不均等間隔でも良い。要するに、第1バスリング3に並設されている複数の第1端子部32は、第1リング部31の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて並設されていれば良い。この場合、第1バスリング3の第1端子部32のピッチP1に等応するように、第2バスリング4の第2端子部42のピッチP2を設定する。同様に、第1バスリング3の第1端子部32のピッチP1に等応するように、第3バスリング5の第3端子部52のピッチP3を設定し、更に、共通雌型73の第2キャビティ732のピッチPAを設定し、共通雄型77の第2共通突出部772のピッチPBを設定する。
上記した実施形態によれば、給電装置1の外周側から内周側に向かうにつれて、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5、中立バスリング6が順に配置されているが、これに限らず、給電装置1の内周側から外周側に向かうにつれて、第1バスリング3、第2バスリング4、第3バスリング5、中立バスリング6が順に配置されていることにしても良い。それに応じて端子部の長さを変更させる。また上記した実施形態によれば、第1バスリング3は三相交流のU相とされ、第2バスリング4はV相とされ、第3バスリング5はW相とされているが、これに限られるものではなく、第1バスリング3を他の相としてもよく、第2バスリング4を他の相としてもよく、第3バスリング5を他の相としてもよい。上記した実施形態によれば、第1バスリング3の第1端子部32の突出長さをH1とし、第2バスリング4の第2端子部42の突出長さをH2とし、第3バスリング5の第3端子部52の突出長さをH3とするとき、H1>H2>H3の関係に設定されているが、これに限られるものではなく、突出長さは、第1バスリング3〜第3バスリング5が絶縁ホルダ8の内周側に配置されるか、外周側に配置されるかに応じて設定される。場合によっては、第1バスリング3〜第3バスリング5と相手材(例えば導線)との電気的接続構造の如何によっては、H1≒H2≒H3の関係としても良い。
第1バスリング3〜第3バスリング5の他に中立バスリング6が用いられているが、中立バスリング6を用いずとも良い。給電装置1に組み付けられている状態では、第1バスリング3の第1端子部32、第2バスリング4の第2端子部4、第3バスリング4の第3端子部52は径内方向に突出しているが、これに限らず、電気的接続の相手材の構造如何によっては、径外方向に突出させても良く、相手材の構造如何によっては、軸芯S1方向に沿って突出させても良い。上記した実施形態によれば、バスリング組2は、三相交流に適用されるが、これに限らず、電流位相を180度ずつずらした二相交流でも良いし、場合によっては、電流位相を90度ずつずらした四相交流に適用しても良い。電流の位相に応じてバスリングの数を設定する。更に適用形態では、回転電機としてモータに適用しているが、固定子及び回転子を備える発電機に適用しても良い。更に他の給電経路に適用しても良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。ある実施形態に設けられている特有の構造および機能は、他の実施形態においても適用可能である。
本発明はモータや発電機等の電機機器に搭載される導電パス形成用のバスリングに利用できる。
1は給電装置、2はバスリング組、3は第1バスリング、31は第1リング部、32は第1端子部、4は第2バスリング、41は第2リング部、42は第2端子部、5は第3バスリング、51は第3リング部、52は第3端子部、6は中立バスリング、73は共通雌型(共通型)、74(74f,74s,74t)は副雌型、77は共通雄型(共通型)、78(78f,78s,78t)は副雄型、8は絶縁ホルダ、81は第1係合溝、82は第2係合溝、83は第3係合溝、88はシール部、9は共通バスリング、100はハウジング(基部)、120は固定子、140は回転子、123は導線(相手材)を示す。
Claims (8)
- 導電材料を基材とする複数種類のバスリングを備えるバスリング組であって、
複数種類の前記バスリングはそれぞれ、周方向に沿って延設されたリング部と、前記リング部にこれの長手方向に沿って所定の間隔で並設され且つリング部から突出する複数個の端子部とを備えており、
複数種類の前記バスリングが平面的に展開されたとき、複数種類の前記バスリングにおいて、前記リング部の長さは共通の長さに設定されており、且つ、前記隣設する端子部の間隔は共通の間隔に設定されていることを特徴とするバスリング組。 - 請求項1において、複数種類の前記バスリングは同心状に配置されており、前記リング部から突出する前記端子部の突出長さは、電気的接続の相手に届くように前記バスリングの種類毎に異なるように設定されていることを特徴とするバスリング組。
- 請求項1または2において、複数種類の前記バスリングは、U相、V相、W相の一方の電流が通電される第1バスリングと、U相、V相、W相の他方の電流が通電される第2バスリングと、U相、V相、W相の残りの電流が通電される第3バスリングとを備えており、
前記第1バスリングは、周方向に沿って延設された前記第1リング部と、前記第1リング部にこれの長手方向に沿って第1間隔で並設され且つ前記第1リング部から突出する複数個の第1端子部とを備えており、
前記第2バスリングは、周方向に沿って延設された第2リング部と、前記第2リング部にこれの長手方向に沿って第2間隔で並設され且つ前記第2リング部から突出する複数個の第2端子部とを備えており、
前記第3バスリングは、周方向に沿って延設された第3リング部と、前記第3リング部にこれの長手方向に沿って第3間隔で並設され且つ前記第3リング部から突出する複数個の第3端子部とを備えており、
前記第1バスリング、前記第2バスリングおよび前記第3バスリングが平面的に展開されたとき、前記第1リング部の長さ、前記第2リング部の長さおよび前記第3リング部の長さは、共通の長さに設定されており、且つ、前記第1端子部の第1間隔、前記第2端子部の第2間隔および前記第3端子部の第3間隔は、共通の間隔に設定されていることを特徴とするバスリング組。 - 導電材料を基材とする複数種類のバスリングを備えるバスリング組と、前記バスリング組を保持する絶縁ホルダとを具備するバスリング式給電装置であって、
前記バスリング組を構成する複数種類の前記バスリングは、周方向に沿って延設されたリング部と、前記リング部にこれの長手方向に沿って所定の間隔で並設され且つ前記リング部から突出する複数の端子部とを備えており、
複数種類の前記バスリングが平面的に展開されたとき、複数種類の前記バスリングにおいて、リング部の長さは共通の長さに設定されており、且つ、前記隣設する端子部の間隔は共通の間隔に設定されていることを特徴とするバスリング式給電装置。 - 基部と、前記基部に保持され導線を有する固定子と、前記基部に保持され前記固体子に対して回転する回転子と、前記固定子側に設けられ前記固定子の前記導線に給電する給電装置とを具備する回転電機であって、
前記給電装置は、請求項4に記載のバスリング式給電装置であることを特徴とする回転電機。 - リング部と前記リング部にこれの長手方向に沿って並設され且つ前記リング部から突出する複数の端子部とを備える導電材料を基材とする複数種類のバスリングを板材から平面状態で打ち抜くためのバスリング用打抜型であって、
複数種類の前記バスリングの打抜に共通する共通型と、前記共通型に対して交換可能に設けられ前記端子部の少なくとも一部に対面可能な複数種類の副型とを具備しており、
複数種類の前記副型は、複数種類の前記バスリングに応じて前記端子部の突出長さを変更する変更部を備えており、且つ、前記バスリングの種類に応じて前記共通型に対して交換されることを特徴とするバスリング用打抜型。 - リング部と前記リング部にこれの長手方向に沿って並設され且つ前記リング部から突出する複数の端子部とを備える複数種類のバスリングをもつバスリング組を製造するバスリング組の製造方法であって、
導電材料を基材とする板材と、前記バスリングの前記リング部を平面状態で打ち抜く共通型と前記バスリングの前記端子部の少なくとも一部を平面状態で打ち抜く副型と備える打抜型とを用意する工程と、
前記副型を備える前記打抜型で前記板材を打ち抜いて平面状態のバスリングを形成する打抜工程とを実施し、
前記打抜工程では、前記副型を備える前記打抜型で前記板材を打ち抜いて前記バスリングを形成し、前記バスリングの種類を変更するとき、前記共通型に対して前記副型を交換し、交換した前記副型を備える前記打抜型で前記板材を打ち抜いて異なる種類の前記バスリングを形成することを特徴とするバスリング組の製造方法。 - リング部と前記リング部にこれの長手方向に沿って並設され且つ前記リング部から突出する複数の端子部とを備える複数種類のバスリングをもつバスリング組を製造するバスリング組の製造方法であって、
各リング部の長さと各前記隣設する端子部の間隔とを共通化させ且つ前記リング部から突出する前記端子部の突出長さを共通化させた共通バスリングを形成する第1工程と、
前記共通バスリングの前記リング部の長さと前記隣設する端子部の間隔とを変化させず、複数種類のバスリングに応じて前記端子部の先端をカットし、複数種類の突出長さをもつ前記端子部を形成することを特徴とするバスリング組の製造方法。
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JP2006232136A JP2008061304A (ja) | 2006-08-29 | 2006-08-29 | バスリング組、バスリング式給電装置、回転電機、バスリング用打抜型、バスリング組の製造方法 |
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2006
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