JP2008059911A - 発光機能付き回路遮断器 - Google Patents

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Abstract

【課題】入り切り操作する回路遮断器がどれで、どの部分を操作したらいいかが一目瞭然であり、多方向からも見えやすく、発光体が衝撃を受けたり、発光体のリード線が断線したりするおそれがなく、製造も容易な発光機能付き回路遮断器を提供する。
【解決手段】モールドベース1に設置された電源側端子環2と負荷側端子環3とにそれぞれ接続された固定接点5と可動接点6とを「入」位置および「切」位置に手動開閉操作するつまみ8と、過電流によりトリップ動作をして固定接点5と可動接点6とを開放すると共につまみ8を「切」位置に転動させる機構部14とを有する回路遮断器において、つまみ8が「切」位置にあるときのつまみ8の基端部近傍を照射するようにモールドベース1にLED15を固定し、機構部14がトリップ動作したときに電源側端子環2からLED15に電流を供給するようにし、つまみ8全体を透光性材料で形成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、家庭用配電盤(分電盤)に設置されているブレーカや漏電遮断器、リミッタ等の回路遮断器の中で、「切」状態となっている回路遮断器を容易に発見できる発光機能付き回路遮断器に関する。
家庭用配電盤は、屋内引き込み線と屋内配線との間に設置されるもので、各部屋や各階等の配電系統毎、あるいは使用電圧の異なる電気機器毎に設けられるブレーカ、漏電や感電事故を防止する漏電遮断器、契約電流以上の電流が流れたときに作動するリミッタ(電流制限器)が設置されている。
ブレーカは、電気機器の故障や電線のショートなどでそのブレーカの規定のアンペア以上の電流が流れると自動的に切れ、屋内配線を保護する。ブレーカは通常、配電系統や特定の電気機器(例えばクーラ)毎に設けられ、特定の配電系統や電気機器に過電流が流れると、そのブレーカのみが「切」になり、その他の配電系統や電気機器のブレーカは「入」のままである。
漏電遮断器は、電気機器が故障して本体に電流が流れたり、屋内配線が金属と接触して電気機器以外に電流が流れるといった、漏電を検出して遮断するものである。
リミッタは、電気機器の使いすぎ等で、電力会社との契約アンペア以上の電流が流れると自動的に作動し、家庭全体の電気が切れ、停電となる。
これらのブレーカや漏電遮断器、リミッタは、壁面などに取り付けられる回路遮断器本体の前方に電気を「入」「切」操作するつまみが設けられており、通常、つまみが上がるとつまみの基端部に「入」の表示が、つまみが下がるとつまみの基端部に「切」の表示が表れるようになっており、現在の回路遮断器の「入」「切」の動作状態を知ることができるような規格となっている。
ところで、このような機能を有する各種回路遮断器を備えた家庭用配電盤は、屋内の玄関の壁や台所等の天井近辺の高い場所に設置されることが多く、過電流でブレーカが「切」になっても、家庭用配電盤の中から「切」になったブレーカを見つけるのは難しい。特に、視力が弱くなった高齢者や、ブレーカの操作に慣れていない人が、配電盤の中から「切」のブレーカを特定することは難しい。
電力会社のコールセンターでは、顧客からの問い合わせに対応するために、24時間体制で電話を受け付けている。その問い合わせの中には、ブレーカに関するものがある。ブレーカに関して問い合わせをする顧客は、ブレーカの操作方法を知らない人である。このような顧客に、ブレーカの操作方法を電話で説明をすることは非常に大変な作業であり、結局は、サービス担当員が顧客の家庭に出かけて回復作業を行っている。作業そのものは、ブレーカの動作原因を取り除いた後、該当ブレーカのつまみを「入」にするという一瞬の操作である。しかし、サービス担当員が到着するまでの間、顧客には、電気を使用できないという不便を掛けることになる。
顧客に対して、どのブレーカのつまみを「入」にするかが判れば、電話での説明でも済むことが多いと思われる。
ブレーカ遮断時に、ブレーカの近傍に設けた発光体を発光させてブレーカの位置を知らせる装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、発光体を備えた表示回路を屋外側の本線と接続し、過電流が流れ本線用の回路遮断器が切れたときこれと連動して表示回路の回路遮断器が入り、前記発光体を発光させるように構成した屋内配線用のブレーカが開示されている。
特許文献2には、ブレーカ、漏電遮断器等の電源遮断器のケーシングの表面側の一部に、電源遮断器の電源側における帯電状態と、電源遮断器のオンオフ状態またはトリップ状態を識別表示する3色のLEDを備えた点灯表示部を設け、例えば電源側が帯電状態で遮断器がオンの場合は緑色表示、電源側が帯電状態で遮断器がオフの場合は黄色表示、遮断器がトリップ状態のときは赤色表示することにより、動作状態を識別できるような電源遮断器が記載されている。
特許文献3には、配電用開閉器のブレーカにおいて、LEDを取り付けて遮断したときにLEDが点灯するように回路遮断器を設けたブレーカが記載されている。
また、ブレーカのつまみの内部にネオン灯等の表示灯を埋設し、回路遮断時に表示灯を点灯させてつまみを発光させるブレーカも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
実開昭61−151243号公報 特開平11−268094号公報 特開2003−31101号公報 実開昭47−33665号公報
しかしながら、前掲の特許文献1〜3に記載されたブレーカでは、ブレーカ遮断時に発光体を発光させてブレーカの位置を表示するものの、停電中の暗い中では、特に視力が弱くなっている高齢者にとって、光っている箇所の近くのブレーカのつまみを電話で指定しても、どのつまみを操作すればよいか判りにくいという問題がある。また、発光体の表示部が平面的であるため、暗い中、横方向からは見つけにくいという問題がある。
また、特許文献4には、ブレーカのつまみの内部に、ガラス管内に電極とネオンガスを封入したネオン灯を埋設することが記載されているが、ネオン灯をつまみの内部に直接埋設することは、つまみの製造工程が煩雑化し、実施化が難しいほか、次のような本質的な問題がある。
第1に、ブレーカが過電流で遮断するとき、「入」の状態でつまみに蓄勢されていたバネ力が解放されて「切」の位置に反転する際、つまみは衝撃力を受ける。この衝撃力により、ネオン灯が物理的にダメージを受け、これが何度も繰り返されると、ブレーカ自体の寿命を待たずに、ネオン灯が破損するおそれがある。
第2に、ネオン灯がつまみに内蔵されていると、つまみが動くとき、つまみの外に接続されるネオン灯のリード線も動くので、動作を繰り返しているうちに、リード線の金属疲労により断線のおそれがある。
第3に、ネオン灯の色はオレンジ色の単色であるため、複数のブレーカを設置した家庭用配電盤では、契約アンペア毎に規定されているつまみの色を表現することが難しい。
そこで本発明は、入り切り操作する回路遮断器がどれで、どの部分を操作したらいいかが一目瞭然であり、多方向からも見えやすく、発光体が衝撃を受けたり、発光体のリード線が断線したりするおそれがなく、製造も容易な発光機能付き回路遮断器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の発光機能付き回路遮断器は、本体ケースに設置された電源側端子と負荷側端子とにそれぞれ接続された固定接点と可動接点とを「入」位置および「切」位置に手動開閉操作するつまみと、前記負荷側端子に接続された負荷に流れる過電流または漏電によりトリップ動作をして前記固定接点と可動接点とを開放すると共に前記つまみを「切」位置に転動させるトリップ機構とを有する回路遮断器において、前記つまみが「切」位置にあるときの当該つまみの基端部近傍を照射するように前記本体ケースに固定された発光素子と、前記トリップ機構がトリップ動作したときに前記電源側端子から前記発光素子に電流を供給する発光素子駆動回路とを備え、前記つまみ全体を透光性材料で形成したことを特徴とする。
前記発光素子はLED(発光ダイオード)とすることができる。
この場合、LEDの発光色を白色とし、つまみの透光性材料の色を、制限電流のアンペア数に応じて変えることができる。
あるいは、つまみを乳白色の透光性材料で形成し、LEDの発光色を、制限電流のアンペア数に応じて変えることができる。
つまみの基端部における発光素子からの受光部をフラットに形成することにより、発光素子からのつまみへの光の入射率を向上させることができる。
なお、発光素子としては、LEDのほかに、ネオン管や豆電球も使用できる。本発明においては、発光素子は本体ケースに固定されているため、トリップ動作時に発光素子には衝撃が掛からず、内部の電極やフィラメントが衝撃により損傷したり破損したりすることがなくなり、またリード線が動かないので、断線することもなくなる。
本発明によれば、つまみ全体を透光性材料で形成し、つまみが「切」位置にあるときのつまみの基端部を照射する発光素子を本体ケースに固定したので、回路遮断器が遮断したときに、つまみ全体が光るため、その光っているつまみを操作することが一目瞭然であり、正面のみならず多方向(真横)からも見えやすい。発光素子がケース本体に固定されているため、つまみが「切」方向に転動しても発光素子自体には衝撃がかからず、また発光素子のリード線も不動であるので断線のおそれがない。また、つまみと発光素子とは物理的に分離しているため、つまみの製造も容易である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る回路遮断器の内部構造を示す平面図、図2は図1におけるA−A断面図、図3はトリップ動作した状態の図1におけるA−A断面図、図4は本実施の形態におけるLED駆動回路の構成を示す回路図、図5は本実施の形態の動作状態を示す説明図である。
図1および図2において、本実施の形態の回路遮断器はリミッタ(電流制限器)の例を示しており、本体ケースを構成するモールドベース1に、電源側端子環2と負荷側端子環3が設けられており、電源側電線および負荷側電線をそれぞれ端子ねじ2a,3aで締め付けて固定するようになっている。本例では、中性線Nと互いに逆相の電圧線L1,L2の単相3線が接続されているが、単相2線式の場合は端子数は2対となる。
電圧線L1,L2の電源側端子環2はコンタクトピース4を介して固定接点5に接続されている。L1側の負荷側端子環3は過電流検出用のコイル部10の第1コイル11を介して可動接点6に接続され、L2側の負荷側端子環3はコイル部10の第2コイル12を介して可動接点6に接続されている。
モールドベース1の充電部を覆うモールドカバー7の開口部7aには、つまみ8の先端部が突出して設けられており、つまみ8の基端部はレバーピン9により回動自在に支持されている。つまみ8は、可動接点6を固定接点5に対して投入する機構(詳細は図示せず)と、トリップ動作を行わせる機構部14とに連動しており、コイル部10の第1コイル11または第2コイル12に過電流が流れたときの電磁力で吸着するアーマチュア13の動作により機構部14が動作して、可動接点6を開放するとともに、つまみ8を「切」の位置に転動させるようになっている。その機構自体は、一般的なものであるので、詳細な説明は省略する。
本発明の実施の形態において、つまみ8は全体が透光性の樹脂で形成されており、つまみ8が「切」の位置(図3参照)にあるときのつまみ8の基端部近傍を照射するように発光素子としてのLED15が設置されている。LED15は取付ベース16に取り付けられ、取付ベース16は、モールドベース1に板金製の脚部17により固定されている。取付ベース16には、またLED点灯用固定接点18が設けられており、このLED点灯用固定接点18に対して、トリップ時に接触するLED点灯用可動接点19が、機構部14に設けられている。このLED点灯用可動接点19の開閉動作は、電圧線の開閉を行う可動接点6の開閉動作とは逆である。すなわち、可動接点6が閉じているときはLED点灯用可動接点19は開放しており、トリップ動作により可動接点6が開放したときに、LED点灯用可動接点19は閉じるような構成である。
図4は、本実施の形態におけるLED駆動回路の構成を示すもので、電圧線L1の電源側と負荷側には固定接点5、可動接点6,第1コイル11が接続されている。電圧線L2の電源側と負荷側には固定接点5、可動接点6,第2コイル12中性線Nの電源側と負荷側は直接接続されている。中性線Nの電源側と電圧線L1の電源側の間には、LED点灯用固定接点18とLED点灯用可動接点19とLED15と電流制限用抵抗器R1が接続されている。LED15には、並列に逆流阻止用ダイオードD1が接続されている。可動接点6が開放したときにはLED点灯用可動接点19がLED点灯用固定接点18に接触し、LED15には電源側からの電流が供給されるため、LED15が点灯することになる。
図5に、つまみ8の入り切り動作を示す。図5(a)は「入」の状態、(b)は「切」の状態である。回路遮断器が投入状態のときは、LED15は点灯していない。電圧線L1またはL2の負荷に過電流が流れると、第1コイル11または第2コイル12に流れる電流が既定値より大きくなり、アーマチュア13がコイル部10の鉄心に吸着される。その動作により、機構部14が働き、スプリング等に蓄勢されていたエネルギーにより可動接点5、LED点灯用可動接点19、つまみ8を「切」の位置に転動させる。
そうすると、図5(b)に示すように、LED15が点灯し、「切」の位置にあるつまみ8の基端部を照射する。これにより、透光性の樹脂で形成されているつまみ8の全体が光るため、モールドカバー7から突出しているつまみ8の中途部分、先端部分が光る。
これにより、回路遮断器が「切」状態になっていることが明確になる。ブレーカなどが複数設置されている場合には、どのブレーカが「切」状態になっているかが、一目瞭然になる。
なお、図5に示すように、つまみ8の基端部におけるLED15からの受光部8aの形状は円弧状であるが、この受光部8aをフラットに形成することにより、LED15からのつまみ8への光の入射率を向上させることができる。フラット以外にも、凹面にしたり、Vカットすることも考えられる。
発光したときのつまみ8の色を、制限電流のアンペア数に応じて変えると視認性が向上する。これには、LED15の発光色を白色とし、つまみ8の透光性材料の色を変える方法と、つまみ8を乳白色の透光性材料(あるいは、透明材料の表面を粗面加工する)で形成し、LED15の発光色を変える方法がある。
例えば、リミッタの場合、15Aは赤、20Aは黄、30Aは緑、40Aは茶、50Aは青、60Aは白というように、契約アンペア毎に色を変えれば、電話での問い合わせでも、何色のつまみが光っているかを尋ねれば、対応が適切に行える。
なお、つまみ8の透光性材料の色を変える場合において、LED15の発光色は必ずしも白色ではなく、透光性材料の色との組み合わせでつまみ8が所定の発光色になるものも使用することができる。
以上は、発光素子としてLEDを使用した例であるが、LED以外にも、ネオン管や豆電球も使用できる。つまみにネオン管や豆電球を埋め込んだ場合は、つまみが受ける衝撃により、ネオン管や豆電球に衝撃が掛かり、内部の電極やフィラメントが衝撃により損傷したり破損したりする。しかし、本発明においては、発光素子は本体ケースに固定されているため、トリップ動作時にネオン管や豆電球には衝撃が掛からず、つまみの動作に起因する損傷や破損がなくなり、またリード線が動かないので、断線することもなくなる。
本発明は、「切」状態となっている回路遮断器を容易に発見できる発光機能付き回路遮断器として、家庭用配電盤(分電盤)に設置されているブレーカや漏電遮断器、リミッタ等の回路遮断器に利用することができる。
本発明の実施の形態に係る回路遮断器の内部構造を示す平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 トリップ動作した状態の図1におけるA−A断面図である。 本実施の形態におけるLED駆動回路の構成を示す回路図である。 本実施の形態の動作状態を示す説明図である。
符号の説明
1 モールドベース(本体ケース)
2 電源側端子環
2a 端子ねじ
3 負荷側端子環
3a 端子ねじ
4 コンタクトピース
5 固定接点
6 可動接点
7 モールドカバー
7a 開口部
8 つまみ
8a 受光部
9 レバーピン
10 コイル部
11 第1コイル
12 第2コイル
13 アーマチュア
14 機構部
15 LED
16 取付ベース
17 脚部
18 LED点灯用固定接点
19 LED点灯用可動接点

Claims (5)

  1. 本体ケースに設置された電源側端子と負荷側端子とにそれぞれ接続された固定接点と可動接点とを「入」位置および「切」位置に手動開閉操作するつまみと、前記負荷側端子に接続された負荷に流れる過電流または漏電によりトリップ動作をして前記固定接点と可動接点とを開放すると共に前記つまみを「切」位置に転動させるトリップ機構とを有する回路遮断器において、
    前記つまみが「切」位置にあるときの当該つまみの基端部近傍を照射するように前記本体ケースに固定された発光素子と、
    前記トリップ機構がトリップ動作したときに前記電源側端子から前記発光素子に電流を供給する発光素子駆動回路とを備え、
    前記つまみ全体を透光性材料で形成したことを特徴とする発光機能付き回路遮断器。
  2. 前記発光素子はLEDである請求項1記載の発光機能付き回路遮断器。
  3. 前記LEDの発光色を白色とし、前記つまみの透光性材料の色を、制限電流のアンペア数に応じて変えたことを特徴とする請求項2記載の発光機能付き回路遮断器。
  4. 前記つまみを乳白色の透光性材料で形成し、前記LEDの発光色を、制限電流のアンペア数に応じて変えたことを特徴とする請求項2記載の発光機能付き回路遮断器。
  5. 前記つまみの基端部における前記発光素子からの受光部をフラットに形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の発光機能付き回路遮断器。
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