JP2008058882A - カメラモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶可変焦点レンズを用いたカメラモジュールは、温度変化によって液晶層のセルギャップが部分的に異なることで液晶レンズとしての特性に誤差が生じていた。
【解決手段】複数の透明基板間にシール部材によって形成された液晶セル内に、第1の液晶材料を封入してなる液晶可変焦点レンズを含む光学系と、当該光学系を通して結像する光学像を電気信号に変換して画像信号を出力する撮像素子と、光学系と撮像素子とを内挿する鏡筒と液晶可変焦点レンズの屈折率を制御するための駆動電圧を供給する駆動制御手段とを備え、液晶セルを構成するシール部材の体積膨張率と、液晶材料の体積膨張率とを略等しくなるように設定されているカメラモジュールにおいて、複数の透明基板のどれか一つの基板のみが鏡筒に保持固定された構成を採用した。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラの自動合焦点装置に用いられ、液晶可変焦点レンズを備えたカメラモジュールに関する。
カメラの自動合焦点装置におけるオートフォーカス(AF)制御に液晶可変焦点レンズを用い、この液晶レンズとともに光学レンズを鏡筒内に内挿した形態を採用することで、AF制御を行うカメラモジュールが知られている(例えば、特許文献1参照のこと)。ところが従来の液晶可変焦点レンズでは、温度変化があった場合には充分なオートフォーカス制御が出来ないという問題があった。
その主な原因は、液晶可変焦点レンズが使用環境温度の変化によって液晶層のセルギャップが部分的に変動してしまうことに起因して、液晶可変焦点レンズで設定される設定屈折率分布からずれてしまうという問題が生ずる。
この現象について更に詳細に説明をする。図6は、従来の液晶可変焦点レンズの断面図で、その問題となる状況を模式的に表しており、図6(a)は使用環境温度が常温環境下、図6(b)は低温環境下、図6(c)は高温環境下での液晶可変焦点レンズ40の状態を示している。
図6(a)において、40は液晶可変焦点レンズ、2a、2bは透明基板、15は透明基板2a、2bを接着するシール部材、4は液晶材料が封入された液晶層で、透明基板2a、2bとシール部材15によって密閉された空間にこの液晶層4が充填形成されている。また、7は制御電極、8は対向電極であり、各々透明基板2a、2bの内面側に設けられており、各制御電極7と対向電極8間に異なる制御電圧を印加することによって、各制御電極7に対応する位置の液晶層4の位相状態を変化させてレンズとしての機能を果たすことになる。
そして、この液晶可変焦点レンズ40は、カメラモジュールの鏡筒6内に内挿されて、透明基板2a、2bが、ともにこの鏡筒6に固定剤を用いて保持固定される。
また、常温環境下の液晶可変焦点レンズ40は、図6(a)に示したように、液晶層4の層厚であるセルギャップは、図示していないスぺーサーによって設計値に保たれているため、透明基板2a、2bは略平行になっており、液晶可変焦点レンズ40の全面が同一のセルギャップLNとなる。
それに対して低温環境下の液晶可変焦点レンズ40は、温度変化によって液晶層4を構成する液晶材料が収縮するが、液晶材料に比べて体積膨張率の小さいシール部材15は形状変化をせず、かつ鏡筒6に固定剤9で保持固定されているので、透明基板2a、2bが内側に引っ張られ、図6(b)に示すような中凹形状(ベコ形状)となる。すなわち液晶層4のセルギャップは、中心付近で図示のLLのごとく常温での値LNよりも小さく、しかも液晶可変焦点レンズ40のセルギャップが部分的に異なる形状となる。
また、高温環境下の液晶可変焦点レンズ40は、液晶層4を構成する液晶材料が膨張するため、透明基板2a、2bが外側に押され、図6(c)に示すような中凸形状(タイコ形状)となる。すなわち液晶層4のセルギャップは、中心付近で図示のLHのごとく常温での値LNよりも大きく、しかも液晶可変焦点レンズ40のセルギャップが部分的に異なる形状となる。
一般に液晶可変焦点レンズ40は、上下の透明基板2a、2bが平行状態に保たれて液晶層4全体の層厚が同一の条件において、液晶可変焦点レンズ40で形成する屈折率分布を決めており、この設定屈折率分布に対応した制御電圧を各制御電極7と対向電極8間に印加するよう設計されている。
このため、図6(b)図6(c)のように、外部環境温度の変化によって液晶可変焦点レンズ40のセルギャップが部分的に異なってしまうと、液晶可変焦点レンズ40で設定される設定屈折率分布からずれてしまい、カメラの自動合焦点装置のAF制御が充分行なわれなくなる。
この外部環境温度の変化に対するセルギャップ管理の方法として、液晶光学素子内に液晶層と気泡の双方を狭持し、かつ気泡と液晶層間に気泡固定手段を設けて気泡が光学的有効領域に進入しないよう構成し、外部環境温度の変化による液晶光学素子内部の圧力の増減を当該気泡の体積の増減により吸収しようという提案がされている(例えば特許文献2参照のこと)。
このような構成とすることで、例え外部環境温度が変化したとしても液晶光学素子のセルギャップを一定に保つことができる。
特開平2−184822号公報(第2頁、第1−3図) 特開2003−45065号公報(第2頁、第1−2図)
しかし、特許文献2の提案による構成では、液晶光学素子のセルギャップを一定に保つことが出来るものの、気泡が液晶層に溶け込んでしまい圧力の吸収体として機能しなくなってしまうという問題がある。また、気泡が液晶層に溶け込むにしたがって、気泡から液体に変化することによる体積収縮が起きるため、液晶光学素子内の圧力低下が起こることに起因して上下基板を内側に引っ張るため、液晶光学素子を図6(b)に示した中凹形状にしてしまうという問題がある。
さらには、液晶層中に溶け込んだ気泡は、外部環境温度が高温から低温に変化した時に再び気化することとなるが、このような状況で気化した気泡が光学的有効領域に集まってしまうことを阻止することは出来ないという問題もある。
したがって、特許文献2に記載の液晶光学素子の構成を、前述した液晶可変焦点レンズ40に適用したとしても、必ずしもカメラの自動合焦点装置のオートフォーカス制御が充分行なわれなくなるのは明白である。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、液晶可変焦点レンズの温度変化による液晶層のセルギャップの部分的変動を抑え、使用温度範囲全般にわたって設定される設定屈折率分布からずれることのない液晶可変焦点レンズを備えたカメラモジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明におけるカメラモジュールの構成は、基本的に下記記載の構成要件を有するものである。
本発明のカメラモジュールは、第1、第2の透明基板間にシール部材によって形成され
た液晶セル内に、第1の液晶材料を封入してなる液晶可変焦点レンズを含む光学系と、当該光学系を通して結像する光学像を電気信号に変換して画像信号を出力する撮像素子と、光学系と撮像素子とを内挿する鏡筒と、液晶可変焦点レンズの屈折率を制御するための駆動電圧を供給する駆動制御手段とを備え、液晶セルを構成するシール部材の体積膨張率と、液晶材料の体積膨張率とを略等しくなるように設定されていて、第1、第2の透明基板のいずれか一方の基板のみが鏡筒に保持固定されていることを特徴とするものである。
また、本発明のカメラモジュールは、前述した第2の透明基板における、第1の液晶材料とは反対側の面から離間した位置に第3の透明基板を設け、第2の透明基板と第3の透明基板との間に、第1の液晶材料における配向方向と直交するように設定された第2の液晶材料が封入されてなることを特徴とするものである。
また、本発明のカメラモジュールは、前述した鏡筒に保持固定されている第1、第2の透明基板のいずれか一方の基板表面に、光学像を撮像素子に導くための絞りが形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明のカメラモジュールは、前述した駆動制御手段が、液晶可変焦点レンズに駆動電圧を供給する駆動回路と、当該駆動回路の供給電圧を可変する制御回路と、当該制御回路に温度情報を供給する温度検出手段とを備え、温度検出手段からの温度情報に基づき、駆動電圧を可変制御することを特徴とするものである。
また、本発明のカメラモジュールは、前述した駆動制御手段が、温度情報が常温より高い温度情報の場合は第1の駆動電圧を供給し、常温より低い温度情報の場合は第1の駆動電圧よりも低い電圧の第2の駆動電圧を供給することを特徴とするものである。
また、本発明のカメラモジュールは、前述したシール部材がポリエチレン樹脂であることを特徴とするものである。
本発明のカメラモジュールによれば、液晶可変焦点レンズにおける液晶材料とシール部材との体積膨張率を略等しくしたため、外部環境温度が大きく変化した場合に、液晶可変焦点レンズの液晶層のセルギャップは変化することとなるが、液晶材料とシール部材とが同じ比率で変化し、且つ、鏡筒に保持固定されていない基板が、上下に動くように構成しているので、従来のように液晶可変焦点レンズのセルギャップが部分的に変化して中凹形状や中凸形状になることを防止することができる。したがって、この本発明のカメラモジュールを用いれば、外部環境温度が変化したとしても、撮像素子に歪みのない画像を形成することができる。
また、本発明のカメラモジュールは、鏡筒に保持固定されている透明基板表面に絞りを形成したので、温度変動による歪み、光量変動、計算外の角度からの光線入射等による異常のない画像を形成することが出来るようになる。
また、温度検出手段を用いて可変焦点レンズを制御する駆動電圧を制御する事によって、平行に変化した液晶層のセルギャップに合せた駆動を行うことが可能となり、温度変化に係わらず液晶可変焦点レンズで補正される設定補正量を確保する事ができるカメラモジュールとなる。
まず、本発明のカメラモジュールの構成について図面を用いて説明する。図1は、本発明のカメラモジュールの構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明のカメラモジュール1は、3枚の透明基板2a〜2cと、透明基板2a〜2c間にシール部材5によって形成された液晶セル内に、液晶材料を封入してなる液晶レンズ20と4枚の光学レンズ11とを含む光学系と、当該光学系を通して結像する光学像を電気信号に変換して画像信号を出力する撮像素子12と、上記光学系と撮像素子12とを内挿する鏡筒6と、液晶レンズ20の屈折率を制御するための駆動電圧を供給する駆動制御手段(図示せず)とを備えた構成となっている。さらに、上記液晶レンズ20は、液晶セルを構成する上述したシール部材5の体積膨張率と、液晶材料の体積膨張率とを略等しくなるように設定され、かつ透明基板2bのみを鏡筒6に保持固定するとともに、透明基板2a、2cを、上下に動くスペースを持つように構成してある。以下に、本発明のカメラモジュール1の構成について図面に基づいてさらに詳細に説明する。
本発明のカメラモジュールの構成例について説明する。図2は、図1に示した本発明のカメラモジュール1の機能ブロック図である。
図2における符号1は図1に示した本発明のカメラモジュールを、符号20は液晶レンズを示している。この液晶レンズ20は、後に詳細に説明する2個の液晶可変焦点レンズによって構成されている。符号11は図1で示した4枚の光学レンズ、符号12は撮像素子、符号24はデジタルシグナルプロセッサ(以後DSPと略記する)、符号25はオートフォーカス制御回路(以後AF制御回路と略記する)であり、このAF制御回路はCPU26と記憶装置27とを有する。符号30は駆動制御手段であり、液晶レンズ20に駆動電圧を供給する駆動回路31と、当該駆動回路31の供給電圧を可変する制御回路32と、当該制御回路32に温度情報を供給する温度検出手段33を備えている。
液晶レンズ20は、前述したようにP波用とS波用と2個の液晶可変焦点レンズを組み合わせた構成となっている。この2個の液晶可変焦点レンズの構成は、配向方向が直交するように設定されているが、他の構成は基本的に同じとして2つの液晶可変焦点レンズを貼り合わせる、または3枚の透明基板間の2つの間隙のそれぞれに、液晶層を挟持した構成とすれば良い。また、光学レンズ11は、図示しない、絞り、パンフォーカス組レンズ及び赤外線カットフィルタを有する。また、撮像素子12は、CCDやCMOS等の固体撮像素子よりなるイメージセンサとA−D変換器を有する。そして、2個の液晶可変焦点レンズによって構成される液晶レンズ20と、駆動制御手段30、AF制御回路25とを含めて本発明のカメラモジュール1となる。
次に、カメラモジュール1の自動合焦点機能について説明する。
液晶レンズ20及び光学レンズ11を通過して結象した光学像は、撮像素子12により電気信号に変換される。撮像素子12から出力された電気信号は、図示しないA−D変換器によりデジタル信号に変換される。DSP24は、A−D変換器から出力されたデジタル信号に対して画像処理を行う。AF制御回路25は、液晶レンズ20の通過応答中にDSP24から出力された画像信号を所定の周期でサンプリングすることにより、焦点整合度に対応した複数の焦点信号(オートフォーカス信号)を抽出する。そして、AF制御回路25は、抽出された複数の焦点信号に基づいて焦点信号のレベルが最大となる時のサンプリングタイミングを判定し、その判定結果に基づいて液晶レンズ20を構成する液晶可変焦点レンズの駆動条件の制御を行うAF制御信号Safを出力する。
また、AF制御回路25は、上述した一連の制御を行うCPU26と記憶装置27を有し、記憶装置27は、CPU26が実行するプログラムや最適な駆動電圧を求めるために必要なデータなどを格納した読み出し専用メモリ部(ROM)と、CPUが作業領域として使用する書き込み可能なメモリ部(RAM)を有する。
また、駆動制御手段30は、AF制御回路25から出力されたAF制御信号Safが制
御回路32に入力されると、制御回路32は、AF制御信号Safによって指定された最適な駆動電圧を作成し駆動回路31に供給する。駆動回路31は、最適な駆動電圧Vafを出力して液晶レンズ20を構成する液晶可変焦点レンズを制御してAF制御が行なわれる。以上が通常の自動合焦点機能のAF制御動作である。
ここで、本発明におけるカメラモジュール1の温度変化に対する液晶可変焦点レンズ10について図面を用いてより詳細に説明する。但し説明を簡易にするため、上記P波S波用の2個の液晶可変焦点レンズ10の内の1個についてのみで以下の説明を行うこととする。図3は、図1における液晶レンズ20の内の1つの液晶可変焦点レンズ10を鏡筒6に固定配置した構成例を示す図面である。図4(a)は、使用環境温度が常温環境下のときの液晶可変焦点レンズ10の状態を、図4(b)は低温環境下での液晶可変焦点レンズ10の状態を、図4(c)は高温環境下での液晶可変焦点レンズ10の状態を示している。
なお、図1に示した液晶レンズ20に含まれる液晶可変焦点レンズ10の基本的構成は、従来の構成と基本的に同様である。従って、図1における本発明のカメラモジュール1に搭載される液晶可変焦点レンズ10の説明において、従来の液晶可変焦点レンズ40と同一要素には同一番号を付し、重複する説明を省略する。
図3において、従来の液晶可変焦点レンズと本発明に用いる液晶可変焦点レンズ10とで異なる点は、シール部材5が液晶層4を構成する液晶材料と略同じ体積膨張率を有する材料にて構成されている点である。そして、前述したように、本発明のカメラモジュールは、この液晶可変焦点レンズ10が、鏡筒6に対して固定剤9によって保持固定されているのが、透明基板2bのみとなっている点に特徴がある。
そして、図4(a)に示すように、常温環境下での液晶可変焦点レンズ10は、液晶層4の層厚であるセルギャップは図示していないスぺーサーによって設計値に保たれている。そのため、液晶可変焦点レンズ10の透明基板2a、2bは略平行になっており、液晶可変焦点レンズ10の全面が同一のセルギャップLNとなる。
また、図4(b)に示すように、低温環境下の液晶可変焦点レンズ10は、温度低下によって液晶層4を構成する液晶材料が収縮する。すると、液晶材料と略同一の体積膨張率を有するシール部材5も略同じ量だけ収縮することとなるが、透明基板2aは鏡筒6に保持固定されていないため、透明基板2a、2bの平行を保ったまま液晶層4のセルギャップはLLのごとく常温での値LNよりも小さくなる。ここで、本発明のカメラモジュールに搭載する液晶可変焦点レンズ10は、従来のように液晶可変焦点レンズ40のセルギャップが部分的に異なることはなく、液晶可変焦点レンズ10の全面が一定のセルギャップLLに保たれる。
また、図4(c)に示すように、高温環境下の液晶可変焦点レンズ10は、温度上昇によって液晶層4を構成する液晶材料が膨張して、液晶材料と略同一の体積膨張率を有するシール部材5も略同じ量の膨張することとなるが、透明基板2aは鏡筒6に保持固定されていないため、透明基板2a、2bの平行を保ったまま液晶層4のセルギャップはLHのごとく常温での値LNよりも大きくなる。ここで、本発明のカメラモジュールに搭載する液晶可変焦点レンズ10は、従来のように液晶可変焦点レンズのセルギャップが部分的に異なることはなく、液晶可変焦点レンズ10の全面が一定のセルギャップLHに保たれる。
上記のごとく本発明のカメラモジュールにおける液晶可変焦点レンズ10は、外部環境温度の変化に対してセルギャップが変化するものの、液晶可変焦点レンズ10の全面が略一定のセルギャップに保たれるため、従来の液晶可変焦点レンズのようにセルギャップが
部分的に異なってしまうことによる設定屈折率分布からのずれを改善する事ができる。
なお、図1、図2に示した液晶レンズ20を構成する2個の液晶可変焦点レンズ10は、図3、図4に示した図面における透明基板2bの液晶層とは反対側の面から離間して図示しない別の透明基板2cを設け、その透明基板2bと透明基板2cとの間隙に液晶層4と同じ材料からなる液晶層を配した構成となる(図1参照)。したがって、鏡筒6に固定された透明基板2bを基点として、両側に配した透明基板2a、2cは、シール部材5の膨張と収縮に追従して動くこととなり、さまざまな外部環境温度の変化に対して常に透明基板2a〜2cを平行に保つことができる。
次に、この液晶可変焦点レンズ10における液晶材料とシール部材の体積膨張率について説明する。
従来の液晶可変焦点レンズに使用される液晶層の液晶材料は、トラン系の液晶材料であり、その体積膨張率が0.7×10−3/Kである。また、シール部材15にはエポキシ系樹脂が用いられ、その体積膨張率は0.16×10−3/Kである。このように、従来の液晶可変焦点レンズは、両者の体積膨張率に差がある材料を用いていた。そのため、外部環境温度の変化に対して先に示した図6(b)図6(c)のように、中凹形状や中凸形状に変形する結果となっていた。
これに対して、本発明のカメラモジュールで用いる液晶可変焦点レンズ10では、液晶層4の液晶材料には、従来と同じトラン系の液晶材料を用いているので、その体積膨張率は0.7×10−3/Kと従前と同じであるが、シール部材5にポリエチレン樹脂を使用した。このポリエチレン樹脂の体積膨張率は0.6×10−3/Kであり、この体積膨張率は、液晶材料の体積膨張率0.7×10−3/Kに非常に近い材料である。このように、略同一の体積膨張率のシール部材5と液晶層4を組み合わせて用い、且つ、透明基板2aは鏡筒6に保持固定されていないため、例え外部環境温度が変化したとしても図4(a)〜図4(c)に示す如く温度変化に対して透明基板2a、2bの平行が保たれて、液晶レンズとしての設定屈折率分布からのずれを改善する事ができる。
また、シール部材5の他の材料としては、例えば体積膨張率の小さいエポキシ系樹脂と体積膨張率の大きいシリコン系樹脂を所定の配合量で混合する事によっても、液晶材料に近い体積膨張率のシール材を得る事もできる。
前述の如く外部環境温度が変化すると、液晶可変焦点レンズ10は、図4に示すようにセルギャップが変化する。このセルギャップの変化があると、通常の自動合焦点機能の動作におけるAF制御に誤差が生じて、合焦点が少し甘くなってしまう結果となる。そのため本発明においては、図2で示したように駆動制御手段30に温度検出手段33を設け、この温度検出手段33からの温度情報信号Sthを制御回路32に供給するようにしている。
制御回路32は、図2に示すように、AF制御回路25から出力されたAF制御信号Safと温度検出手段33からの温度情報信号Sthとを入力し、AF制御信号Safによって指定された最適な駆動電圧条件に対して、2個の液晶可変焦点レンズ10によって構成される液晶レンズ20のセルギャップが、外部環境温度が変化したことによる誤差分を補正するために駆動電圧条件を可変する。すなわち制御回路32は、AF制御信号Safによって指定された最適な駆動電圧Vafに対して、温度情報信号Sthに基づく補正を行うことによって駆動電圧を可変し、この可変された温度補正駆動電圧Vtafを液晶レンズ20に供給する。
このようにして液晶レンズ20は、使用環境温度が図4(a)に示す常温環境下におい
ては、AF制御信号Safのみによって駆動電圧条件が決められるが、図4(b)に示す低温環境下や図4(c)に示す高温環境下においては、AF制御信号Safに液晶可変焦点レンズ10のセルギャップ変化量を示す温度情報信号Sthを加算して駆動電圧条件を決めることで、温度補償を行うものである。
なお、駆動制御手段30は、温度情報信号Sthが常温より高い温度情報の場合は、高い値の温度補正駆動電圧Vtafを供給し、常温より低い温度情報信号Sthの場合は、温度補正駆動電圧Vtafよりも低い値の温度補正駆動電圧Vtafを液晶レンズ20に対して供給する。
上記のごとく、本発明においては、液晶可変焦点レンズ10におけるシール部材の体積膨張率と液晶材料の体積膨張率とを略等しく、且つ、透明基板2a、2bは鏡筒6に保持固定されていないため、外部環境温度の変化に対して液晶可変焦点レンズ10全面のセルギャップが一定に保たれる。そのため、本発明のカメラモジュールの温度特性を大幅に改善する事ができる。
上記説明では、3枚の透明基板2a〜2cの内の透明基板2bを鏡筒6に保持固定する形態を示したが、この鏡筒6に保持固定する基板は、透明基板2a、2cのいずれかであっても構わない。また、上記説明では、2個の液晶可変焦点レンズ10を有する液晶レンズ20を備えたカメラモジュール1の構成について説明をしたが、液晶可変焦点レンズ10の入射光側に偏光板を供えた、1個の液晶可変焦点レンズ10にて液晶レンズ20を構成しても構わない。
次に、本発明におけるカメラモジュールの他の構成例を図を用いて説明する。図5(a)は、鏡筒6に保持固定されていない透明基板2a上に絞り16を搭載した場合の、常温環境下における入射光線17aの例を示した図面であり、本図面における点線は、高温環境下における透明基板2aの位置、及び高温環境下における入射光線17bを示した図面である。また、図5(b)は、保持固定されている透明基板2b上に絞り16を搭載した場合の、常温環境下における入射光線17aの例を示した図面であり、本図面における点線は、高温環境下における透明基板2aの状態を示した図面である。
図5(a)で示すように、鏡筒6に保持固定されていない透明基板2a面に、絞り16を設けると、外部温度環境の変化により、鏡筒6に保持固定されている、ここでは図示していない、図2に示した光学レンズ11や撮像素子12と、本図面の絞り16との位置関係が変わってしまうこととなる。つまり、カメラモジュールに入射する入射光が、本図(a)に示す入射光線17aから入射光線17bに変化することとなる。このような現象が起こると、カメラモジュールに入射する光量の変化、撮像素子面での光量分布の変化を起こしてしまう。
それに対して図5(b)で示すように、同じく鏡筒6に保持固定されている透明基板2b面に絞り16を設けることにより、例え外部環境温度が変化したとしても、光学レンズや撮像素子と、絞り16との位置関係が変わることなく、常に安定した入射光線17aを得て、カメラモジュールに入射する光量の変化、撮像素子面での光量分布変化を起こすことのない良好な画像を取得できる形態とすることができる。
本発明のカメラモジュールの構成を示す断面図である。 本発明のカメラモジュールの機能を示すブロック図である。 本発明のカメラモジュールにおける鏡筒内への液晶可変焦点レンズ載置形態を示す断面図である。 本発明のカメラモジュールに用いた液晶可変焦点レンズの外部環境温度が変化した際の変動を示す断面図である。 本発明のカメラモジュールにおける液晶可変焦点レンズの他の構成例を示す断面図である。 従来のカメラモジュールに用いた液晶可変焦点レンズの、外部環境温度が変化した際の変動を示す断面図である。
符号の説明
1 カメラモジュール
2a、2b、2c 透明基板
4 液晶層
5 シール部材
6 鏡筒
7 制御電極
8 対向電極
9 固定剤
10 液晶可変焦点レンズ
11 光学レンズ
12 撮像素子
16 絞り
17a、17b 入射光線
20 液晶レンズ
24 デジタルシグナルプロセッサ(DSP)
25 オートフォーカス制御回路(AF制御手段)
26 CPU
27 記憶装置
30 駆動制御手段
31 駆動回路
32 制御回路
33 温度検出手段

Claims (6)

  1. 第1、第2の透明基板間にシール部材によって形成された液晶セル内に、第1の液晶材料を封入してなる液晶可変焦点レンズを含む光学系と、
    当該光学系を通して結像する光学像を電気信号に変換して画像信号を出力する撮像素子と、
    前記光学系と前記撮像素子とを内挿する鏡筒と、
    前記液晶可変焦点レンズの屈折率を制御するための駆動電圧を供給する駆動制御手段と、を備え、
    前記液晶可変焦点レンズは、前記液晶セルを構成する前記シール部材の体積膨張率と、前記液晶材料の体積膨張率とを略等しくなるように設定されて、前記第1、第2の透明基板のいずれか一方の基板のみが前記鏡筒に保持固定されている
    ことを特徴とするカメラモジュール。
  2. 前記第2の透明基板における、前記第1の液晶材料とは反対側の面から離間した位置に第3の透明基板を設け、
    前記第2の透明基板と前記第3の透明基板との間に、前記第1の液晶材料における配向方向と直交するように設定された第2の液晶材料が封入されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール。
  3. 前記鏡筒に保持固定されている前記第1、第2の透明基板のいずれか一方の基板表面には、前記光学像を前記撮像素子に導くための絞りが形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のカメラモジュール。
  4. 前記駆動制御手段は、前記液晶可変焦点レンズに前記駆動電圧を供給する駆動回路と、
    当該駆動回路の供給電圧を可変する制御回路と、
    当該制御回路に温度情報を供給する温度検出手段と、を備え、
    前記温度検出手段からの前記温度情報に基づき、前記駆動電圧を可変制御する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
  5. 前記駆動制御手段は、前記温度情報が常温より高い場合は、第1の駆動電圧を供給し、
    常温より低い場合は、前記第1の駆動電圧よりも低い値の第2の駆動電圧を供給する
    ことを特徴とする請求項4に記載のカメラモジュール。
  6. 前記液晶可変焦点レンズにおける前記シール部材は、ポリエチレン樹脂により形成されたシール部材である
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101061250B1 (ko) 2009-12-31 2011-09-01 삼성전기주식회사 카메라 모듈
US10264240B2 (en) 2015-10-28 2019-04-16 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for generating depth image

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