JP2008057039A - 浸炭方法、鋼製品、および熱処理設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】浸炭時間を短縮することのできる浸炭方法、鋼製品、および熱処理設備を提供する。
【解決手段】浸炭方法は、66体積%以上74体積%以下の濃度の一酸化炭素と、一酸化炭素を除くガスに占める割合が50体積%以上100体積%未満である水素と、一酸化炭素を除くガスに占める割合が0より大きく50体積%未満である窒素とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。または、63体積%以上81体積%以下の濃度の一酸化炭素と、19体積%以上37体積%以下の濃度の水素とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。
【選択図】図8
【解決手段】浸炭方法は、66体積%以上74体積%以下の濃度の一酸化炭素と、一酸化炭素を除くガスに占める割合が50体積%以上100体積%未満である水素と、一酸化炭素を除くガスに占める割合が0より大きく50体積%未満である窒素とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。または、63体積%以上81体積%以下の濃度の一酸化炭素と、19体積%以上37体積%以下の濃度の水素とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。
【選択図】図8
Description
本発明は、浸炭方法、鋼製品、および熱処理設備に関し、より特定的には、浸炭時間を短縮することのできる浸炭方法、鋼製品、および熱処理設備に関する。
浸炭処理は、低炭素鋼または低炭素合金鋼などの加工性のよい鋼を機械加工した後、その鋼の表面層の炭素量を増加させ、表面層のみを焼入硬化する処理方法である。浸炭処理を施した鋼の内部は炭素量が少なく柔軟な組織のままであるために靭性が高く、また表面層は炭素量が多いために耐摩耗性が高い。浸炭処理が施された鋼はこのような利点を有するので、各種の機械部品に広く応用されている。浸炭処理の具体的な方法としては、浸炭性ガスを用いて行われるガス浸炭処理が主流である。
浸炭処理における炭素の挙動は、炭素が鋼表面に侵入する過程と、鋼表面の炭素が鋼内部に拡散する過程とからなる。このうち炭素が鋼表面に侵入する過程において、単位面積単位時間当たりの炭素侵入量J(g/cm2・s)は、鋼表面近傍の雰囲気中の炭素濃度をCg(g/cm3)、鋼表面の炭素濃度をCs(g/cm3)とした場合、J=β(Cg−Cs)と表される。ここでβは炭素移行係数(cm/s)であり、雰囲気により値が変化することが知られている。式からわかるように、同じ時間浸炭したとしても、炭素移行係数βの値が大きいほど炭素侵入量が多くなる。すなわち、特定の深さまで炭素を侵入させる場合、βの値が大きいほど浸炭処理が短時間で終わる。従来は、CO(一酸化炭素):50体積%、H2(水素):50体積%の雰囲気で浸炭処理すると炭素移行係数βが最大になり、浸炭処理時間が最短になるとされていた。なお、CO:50体積%、H2:50体積%の雰囲気で炭素移行係数βが最大になることは、たとえば非特許文献1に開示されている。
従来、工業的には炭化水素ガスと空気とから浸炭処理用のキャリアガスを変成する方法が採られていた。すなわち、炭化水素ガスと空気とを約1050℃に加熱し触媒と接触させると、反応が起こりCOを含むキャリアガスが発生する。このキャリアガスを炉内へ導入して浸炭処理を行なっていた。しかしこの方法では、浸炭処理に不必要であるN2(窒素)が空気に約80体積%含まれているため、炉内のCO濃度が50体積%まで上がらない。その結果、浸炭処理時間を短くすることはできなかった。たとえばこの方法において炭化水素ガスとしてプロパンを用いた場合、キャリアガスの成分比は理論上CO:23.1体積%、H2=30.8体積%、N2=46.2体積%となる。この成分比は、上記の雰囲気の成分比であるCO:50体積%、H2:50体積%の雰囲気とは大きく異なっている。
また上記以外にも、浸炭処理の雰囲気をCO:50体積%、H2:50体積%の雰囲気に近づける試みがなされている。たとえば特開2004−315905号公報(特許文献1)には、メタンガスとCO2(二酸化炭素)ガスとから浸炭処理用のキャリアガスを変成する方法が開示されている。また特開2006−22357号公報(特許文献2)には、炭化水素ガスとO2(酸素)ガスとから浸炭処理用のキャリアガスを変成する方法が開示されている。また特開2005−290509号公報(特許文献3)には、炭化水素ガスとCO2ガスとO2ガスとから浸炭処理用のキャリアガスを変成する方法が開示されている。さらに、特開2000−256824号公報(特許文献4)には、CO:62.0体積%、H2:37.8体積%の雰囲気で浸炭することが開示されている。
これらの技術のうち特許文献1〜3では、50体積%までCO濃度が上がらないため、CO:50体積%、H2:50体積%の雰囲気よりも炭素移行係数βを大きくすることはできなかった。上記特許文献4では、CO濃度と炭素移行係数βとの関係について述べられていない。
特開2004−315905号公報
特開2006−22357号公報
特開2005−290509号公報
特開2000−256824号公報
F.Neumann et al., "Thermodynamische Grundlagen zum indirekten Messen des C-Pegels", HTM., Vol.49 No.4 pp.255-263. 1994
上述したように、従来はCO:50体積%、H2:50体積%の雰囲気で炭素移行係数βが最大になるとされていた。しかし、生産性の向上の観点から、βをさらに大きくして浸炭時間を短縮することが求められていた。
したがって、本発明の目的は、浸炭時間を短縮することのできる浸炭方法、鋼製品、および熱処理設備を提供することである。
本発明の一の局面における浸炭方法は、CO濃度をx体積%、H2濃度をy体積%、N2濃度をz体積%としたとき、点(x,y,z)が3成分組成図における点A(63,37,0)、点B(66,17,17)、点C(74,13,13)、および点D(81,19,0)で囲まれた領域内にある雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。
本発明の他の局面における浸炭方法は、63体積%以上81体積%以下の濃度のCOと、19体積%以上37体積%以下の濃度のH2とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。
本発明のさらに他の局面における浸炭方法は、66体積%以上74体積%以下の濃度のCOと、COを除くガスに占める割合が50体積%以上100体積%未満であるH2と、COを除くガスに占める割合が0より大きく50体積%未満であるN2とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。
本願発明者は、50体積%を超える濃度のCOを含む雰囲気での炭素移行係数βが、CO:50体積%、H2:50体積%の雰囲気での炭素移行係数βより大きくなることを見出した。同時に、特許文献4には記載されていないが、特許文献4のCO:62.0体積%、H2:37.8体積%の雰囲気での炭素移行係数βもまた、CO:50体積%、H2:50体積%の雰囲気での炭素移行係数βより大きくなることを見出した。
そこで、本願発明者らは、特許文献4に記載の雰囲気での炭素移行係数βよりも大きくなる条件についてさらに鋭意検討した。その結果、CO濃度をx体積%、H2濃度をy体積%、およびN2濃度をz体積%としたとき、点(x,y,z)が3成分組成図における点A(63,37,0)、点B(66,17,17)、点C(74,13,13)、および点D(81,19,0)で囲まれた領域内にある雰囲気での炭素移行係数βが特許文献4に記載の雰囲気での炭素移行係数βよりも大きくなることを見出した。また、63体積%以上81体積%以下の濃度のCOと、19体積%以上37体積%以下の濃度のH2とを含む雰囲気での炭素移行係数βが特許文献4に記載の雰囲気での炭素移行係数βよりも大きくなることを見出した。さらに、66体積%以上74体積%以下の濃度のCOと、COを除くガスに占める割合が50体積%以上100体積%未満であるH2と、COを除くガスに占める割合が0より大きく50体積%未満であるN2とを含む雰囲気での炭素移行係数βが特許文献4に記載の雰囲気での炭素移行係数βよりも大きくなることを見出した。したがって、これらの条件で浸炭工程を行なうことにより、浸炭時間を短縮することができる。
上記浸炭方法において好ましくは、純粋な一酸化炭素ガスを直接炉内へ導入する導入工程をさらに備えている。浸炭工程を炉内にて行なう。
これにより、炭化水素ガスなどの原料ガスから生成されたCOを用いる必要がないので、浸炭工程におけるCOの濃度を容易に制御することができる。「純粋な一酸化炭素ガス」とは99体積%以上の濃度の一酸化炭素ガスを意味している。
本発明の一の局面または他の局面における浸炭方法において好ましくは、浸炭工程は、一般式CnHm(n、mは1≦n、2≦m、および(63m/148)≦n≦(81m/76)を満たす整数)で表わされる炭化水素と二酸化炭素とを加熱された炉内に導入することにより、一酸化炭素と水素とを発生させる工程を含んでいる。
これにより、上記雰囲気の濃度範囲内の濃度を有する一酸化炭素および水素が得られる。その結果、雰囲気における一酸化炭素ガスおよび水素ガスの濃度を個別に制御する必要が無いので、上記雰囲気を容易に実現することができる。
本発明の一の局面または他の局面における浸炭方法において好ましくは、上記炭化水素はシクロアルカンである。より好ましくは、シクロアルカンはシクロペンタンまたはシクロヘキサンである。また、上記炭化水素は好ましくは炭素数が6以上のアルカンであり、より好ましくはトリデカンである。さらに、上記炭化水素は好ましくは芳香族炭化水素であり、より好ましくはトルエンである。
本発明の機械部品、軸受部品、または転動部品などの鋼製品は、上記の浸炭方法を用いて製造される。これにより、鋼製品の浸炭時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。
本発明の熱処理設備は、上記の浸炭方法に用いられる熱処理設備であって、第1の管路と、マスフローコントローラと、第2の管路と、ポンプと、気化器とを備えている。第1の管路は、二酸化炭素を炉に導入するためものである。マスフローコントローラは、第1の管路に設けられ、かつ二酸化炭素の量を制御するためのものである。第2の管路は、炭化水素を炉に導入するためのものである。ポンプは、第2の管路に設けられ、かつ炭化水素の量を調節するためのものである。気化器は、第2の管路に設けられ、かつ炭化水素を気化させるためのものである。
本発明の熱処理設備によれば、上記雰囲気の濃度範囲内の濃度を有する一酸化炭素および水素が得られる。その結果、雰囲気における一酸化炭素ガスおよび水素ガスの濃度を個別に制御する必要が無いので、上記雰囲気を容易に実現することができ、浸炭時間を短縮することができる。
本発明の浸炭方法、鋼製品、および熱処理設備によれば、浸炭時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における深溝玉軸受の構成を示す概略断面図である。また、図2は、図1の深溝玉軸受が備える外輪の概略部分断面図である。また、図3は、図1の深溝玉軸受が備える内輪の概略部分断面図である。図1〜図3を参照して、本発明の一実施の形態における転がり軸受としての深溝玉軸受の構成について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における深溝玉軸受の構成を示す概略断面図である。また、図2は、図1の深溝玉軸受が備える外輪の概略部分断面図である。また、図3は、図1の深溝玉軸受が備える内輪の概略部分断面図である。図1〜図3を参照して、本発明の一実施の形態における転がり軸受としての深溝玉軸受の構成について説明する。
深溝玉軸受1は、環状の外輪11と、外輪11の内側に配置された環状の内輪12と、外輪11と内輪12との間に配置され、円環状の保持器14に保持された転動体としての複数の玉13とを備えている。外輪11の内周面には外輪転走面11aが形成されており、内輪12の外周面には内輪転走面12aが形成されている。そして、内輪転走面12aと外輪転走面11aとが互いに対向するように、外輪11と内輪12とは配置されている。さらに、複数の玉13は、内輪転走面12aおよび外輪転走面11aに接触し、かつ保持器14により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。以上の構成により、深溝玉軸受1の外輪11および内輪12は、互いに相対的に回転可能となっている。
本実施の形態の深溝玉軸受1においては、外輪11、内輪12、玉13、および保持器14のうち少なくとも1つの軸受部品が、以下に説明する浸炭方法を用いて製造されている。
図4は、本発明の実施の形態1における浸炭方法に用いられる浸炭装置を模式的に示す断面図である。図1を参照して、浸炭装置は、処理炉3と、ヒータ2と、固定具4と、導入管5〜8とを備えている。処理炉3内には固定具4およびヒータ2が配置されている。固定具4は処理炉3の中央部に配置されており、固定具4には外輪11、内輪12、玉13、または保持器14などの鋼製品10が固定される。固定具4の両側には鋼製品10を加熱するためのヒータ2の各々が配置されている。また、処理炉3には4つの導入管5〜8が接続されている。導入管5〜8は処理炉3内へガスを導入するためのものであり、たとえば導入管5からはCOガスが導入され、導入管6からはH2ガスが導入され、導入管7からはN2ガスが導入され、導入管8からはCO2ガスが導入される。導入管5〜8にはそれぞれバルブが設けられており、導入管5〜8の各々のガスの導入量はこれらのバルブの開閉により制御可能とされている。
この浸炭装置において、固定具4に鋼製品10を固定し、導入管5および6の各々を開いて、純粋なCOガスおよびH2ガスを処理炉3の内部に導入する(導入工程)。この場合には、COガスおよびH2ガスの導入量を制御することにより、処理炉3内は63体積%以上81体積%以下の濃度のCOと、19体積%以上37体積%以下の濃度のH2とを含む雰囲気に保たれる。なお、原料ガスとして純粋なCOガスおよびH2ガスを用いる代わりに炭化水素ガスを用い、炭化水素ガスを分解して得られたCOガスおよびH2ガスを処理炉3内に導入してもよい。
次に、ヒータ2によって鋼製品10を加熱し、処理炉3内において鋼製品10を浸炭処理する(浸炭工程)。浸炭処理は、たとえば図5に示すヒートパターンにて行なわれる。具体的には、鋼製品10を加熱し、950℃の温度で15分〜240分の間保持した後、油冷(O.Q)により冷却する。その後、処理炉3から鋼製品を取り出し、鋼製品10の浸炭が終了する。
図4を参照して、上記導入工程において、導入管7を開いて処理炉3内にさらにN2ガスを導入してもよい。この場合には、COガス、H2ガス、およびN2ガスの導入量を制御することにより、処理炉3内は66体積%以上74体積%以下の濃度のCOと、COを除くガスに占める割合が50体積%以上100体積%未満であるH2と、COを除くガスに占める割合が0より大きく50体積%未満であるN2とを含む雰囲気に保たれる。
また、上記導入工程においては、COガス、H2ガス、およびN2ガスの導入量を制御することにより、図6に示す3成分組成図における点A〜点Dで囲まれた領域X内にある雰囲気に保たれてもよい。図6はCO濃度をx体積%、H2濃度をy体積%、およびN2濃度をz体積%とした3成分組成図である。この3成分組成図上の座標を(x,y,z)で表わすと、領域Xは点A(63,37,0)、点B(66,17,17)、点C(74,13,13)、および点D(81,19,0)で囲まれた4角形の領域である。
なお、上記導入工程において、処理炉3内には浸炭により発生したCO2ガスや微量の不純物ガス(たとえば水蒸気やO2ガス)が含まれていてもよい。さらに、処理炉3内のカーボンポテンシャルが一定になるように、導入管8を開いて処理炉3内にさらに微量のCO2ガスを導入してもよい。
本実施の形態における浸炭方法は、図6に示す3成分組成図における点A〜点Dで囲まれた領域X内にある雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。
本実施の形態における浸炭方法は、63体積%以上81体積%以下の濃度のCOと、19体積%以上37体積%以下の濃度のH2とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。
本実施の形態における浸炭方法は、66体積%以上74体積%以下の濃度のCOと、COを除くガスに占める割合が50体積%以上100体積%未満であるH2と、COを除くガスに占める割合が0より大きく50体積%未満であるN2とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えている。
本実施の形態における浸炭方法によれば浸炭工程における炭素移行係数βを大きくすることができるので、浸炭時間を短縮することができる。
本実施の形態における浸炭方法は、COを含む原料ガスを反応させずに炉内へ導入する導入工程をさらに備えている。浸炭工程を炉内にて行なう。
これにより、炭化水素ガスなどの原料ガスからCOを生成する必要がないので、浸炭工程におけるCOの濃度を容易に制御することができる。
本実施の形態における軸受部品は、上記の浸炭方法を用いて製造される。これにより、軸受部品の浸炭時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、以下に説明する浸炭方法を用いて鋼製品が製造される。
本実施の形態においては、以下に説明する浸炭方法を用いて鋼製品が製造される。
図7は、本発明の実施の形態2における浸炭方法に用いられる浸炭装置を模式的に示す断面図である。図7を参照して、本実施の形態における浸炭装置は、導入管の代わりに熱処理設備21を有している点において、図4に示す浸炭装置と異なっている。熱処理設備21は、第1の管路としての管路17aと、マスフローコントローラ15と、ガスボンベ16と、第2の管路としての管路17bと、ポンプ18と、ベーパライザ(気化器)19と、容器20とを備えている。管路17aは、ガスボンベ16と処理炉3との間を接続しており、マスフローコントローラ15は管路17aに設けられている。管路17bは、容器20と処理炉3との間を接続しており、ポンプ18およびベーパライザ19は管路17bに設けられている。ポンプ18はベーパライザ19よりも容器20側に設けられている。ガスボンベ16には液体のCO2が充填されており、容器20内には液体の炭化水素が充填されている。
本実施の形態においては、炭化水素として一般式CnHm(n、mは1≦n、2≦m、および(63m/148)≦n≦(81m/76)を満たす整数)で表わされる炭化水素が用いられる。
なお、これ以外の浸炭装置の構成は、図4に示す浸炭装置の構成と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
この浸炭装置において、固定具4に鋼製品10を固定し、ヒータ2を用いて処理炉3内を加熱する。この時点で処理炉3は鋼製品10の浸炭温度まで加熱されることが好ましいが、少なくとも後述する式(1)の反応が進む温度まで加熱されればよい。次に、処理炉3内に適切な成分のガスを発生させることにより、処理炉3内を図6に示す領域Xの範囲内の雰囲気にする。
具体的には、ガスボンベ16から管路17aを通じてCO2ガスを処理炉3内に導入する。CO2は気体の状態で管路17aに供給され、マスフローコントローラ15においてその導入量が制御されて、処理炉3内に導入される。CO2の導入後、容器20から管路17bを通じて炭化水素ガスを処理炉3内に導入する。炭化水素は液体の状態でポンプ18を用いて管路17bに供給され、ベーパライザ19によって気化され、処理炉3内に導入される。炭化水素ガスの導入量はポンプの回転数の制御により調節される。処理炉3内に導入する前にベーパライザ19を用いて炭化水素を予め気化させておくことにより、炭化水素が処理炉3内で分解しやすくなる。
処理炉3内においては、以下の式(1)に従って炭化水素(CnHm、但し1≦n、2≦m)ガスとCO2ガスとが反応し、それによりCOガスとH2ガスとが発生する。
CnHm+nCO2→2nCO+(m/2)H2 ・・・(1)
式(1)の反応で発生するガスに占めるCOガスの濃度は、2n×100/(2n+(m/2))%と表わされ、H2ガスの濃度は(m/2)×100/(2n+(m/2))%と表わされる。ここで、式(1)の化学反応で発生するガスの成分を図6に示す領域Xの範囲内にするためには、上記COガス濃度を63体積%以上81体積%以下とすればよく、具体的には以下の式(2)を満たせばよい。
式(1)の反応で発生するガスに占めるCOガスの濃度は、2n×100/(2n+(m/2))%と表わされ、H2ガスの濃度は(m/2)×100/(2n+(m/2))%と表わされる。ここで、式(1)の化学反応で発生するガスの成分を図6に示す領域Xの範囲内にするためには、上記COガス濃度を63体積%以上81体積%以下とすればよく、具体的には以下の式(2)を満たせばよい。
63≦2n×100/(2n+(m/2))≦81 ・・・(2)
上記式(2)をnについて解くと、以下の式(3)が得られる。
上記式(2)をnについて解くと、以下の式(3)が得られる。
(63m/148)≦n≦(81m/76) ・・・(3)
したがって、一般式CnHm(n、mは1≦n、2≦m、および(63m/148)≦n≦(81m/76)を満たす整数)で表わされる炭化水素とCO2とを加熱された炉内に導入することにより、発生するガスの成分を図6に示す領域Xの範囲内にすることができる。
したがって、一般式CnHm(n、mは1≦n、2≦m、および(63m/148)≦n≦(81m/76)を満たす整数)で表わされる炭化水素とCO2とを加熱された炉内に導入することにより、発生するガスの成分を図6に示す領域Xの範囲内にすることができる。
炭化水素としては、具体的にはシクロペンタンおよびシクロヘキサンなどのシクロアルカンや、トリデカンをはじめとする炭素数が6以上のアルカンや、トルエンなどの芳香族炭化水素などが用いられる。
炭化水素としてシクロペンタンまたはシクロヘキサンを用いる場合、それぞれ以下の式(4)または(5)に示す反応が起こる。
C5H10+5CO2→10CO+5H2 ・・・(4)
C6H12+6CO2→12CO+6H2 ・・・(5)
上記式(4)および(5)の反応で発生するガスの成分はいずれも、計算上、CO:66.7体積%、H2:33.4体積%となり、図6に示す領域Xの範囲内となる。
C6H12+6CO2→12CO+6H2 ・・・(5)
上記式(4)および(5)の反応で発生するガスの成分はいずれも、計算上、CO:66.7体積%、H2:33.4体積%となり、図6に示す領域Xの範囲内となる。
また、炭化水素として炭素数が6以上のアルカンを用いる場合、以下の式(6)に示す反応が起こる。
CnH2n+2+nCO2→2nCO+(n+1)H2(nは6以上の整数) ・・・(6)
上記式(6)の反応で発生するガスの成分は、計算上、図6に示す領域Xの範囲内となる。
上記式(6)の反応で発生するガスの成分は、計算上、図6に示す領域Xの範囲内となる。
さらに、炭化水素としてトリデカンまたはトルエンを用いる場合、以下の式(7)または(8)に示す反応が起こる。
C13H28+13CO2→26CO+14H2 ・・・(7)
C7H8+7CO2→14CO+4H2 ・・・(8)
上記式(7)の反応で発生するガスは、計算上、CO:65.0体積%、H2:35.0体積%となり、上記式(8)の反応で発生するガスは、計算上、CO:77.8体積%、H2:22.2体積%となり、いずれも図6に示す領域Xの範囲内となる。
C7H8+7CO2→14CO+4H2 ・・・(8)
上記式(7)の反応で発生するガスは、計算上、CO:65.0体積%、H2:35.0体積%となり、上記式(8)の反応で発生するガスは、計算上、CO:77.8体積%、H2:22.2体積%となり、いずれも図6に示す領域Xの範囲内となる。
なお、上記浸炭の際には、処理炉3内には浸炭により発生したCO2ガスや微量の不純物ガス(たとえば水蒸気やO2ガス)が含まれていてもよい。さらに、処理炉3内のカーボンポテンシャルを所望の値にするために、微量のCO2ガスやプロパンガスなどのエンリッチガスを処理炉3内にさらに導入してもよい。
上記方法により、図6に示す領域Xの範囲内の成分を有するガスが処理炉内3に発生し、それにより、処理炉3内が図6に示す領域Xの範囲内にある雰囲気となる。続いて、処理炉3を浸炭温度まで加熱し、上記雰囲気で鋼製品10を浸炭する(浸炭工程)。浸炭工程の詳細な条件は実施の形態1と同様である。以上の工程により、鋼製品10の浸炭が終了する。
本実施の形態における浸炭方法において、浸炭工程は、一般式CnHmで表わされる炭化水素と二酸化炭素とを加熱された炉内に導入することにより、一酸化炭素と水素とを発生させる工程を含んでいる。
本実施の形態における熱処理設備21は、上記の浸炭方法に用いられる熱処理設備であって、管路17aと、マスフローコントローラ15と、管路17bと、ポンプ18と、ベーパライザ19とを備えている。管路17aは、CO2を処理炉3に導入するためものである。マスフローコントローラ15は、管路17aに設けられ、かつCO2の量を制御するためのものである。管路17bは、炭化水素を処理炉3に導入するためのものである。ポンプ18は、管路17bに設けられ、かつ炭化水素の量を調節するためのものである。ベーパライザ19は、管路17bに設けられ、かつ炭化水素を気化させるためのものである。
本実施の形態の浸炭方法および熱処理設備21によれば、図4に示す実施の形態1の浸炭方法および浸炭装置に比べて、図6に示す領域Xの雰囲気を容易に実現することができる。すなわち、図4に示す実施の形態1の浸炭方法および浸炭装置では、COガス、H2ガス、N2ガス、およびCO2ガスの各々のガスボンベを準備し、これらのガスボンベを制御することにより目的の比率のガスが導入されている。一方、本実施の形態の浸炭方法では、CO2ガスおよび炭化水素ガスのガスボンベを準備し、これらのガスボンベのみを制御すればよいので、ガスボンベの管理およびガス導入量の制御などの面から、所望の雰囲気を容易に実現することができる。加えて、ガスボンベのコストの面からも有利である。
なお、実施の形態1および2においては、深溝玉軸受の軸受部品が浸炭処理される場合について示したが、本発明の浸炭処理は深溝玉軸受の軸受部品に限らず鋼製品全般に適用することができる。たとえば鋼製品としては機械部品、軸受部品、または転動部品が適している。機械部品としては歯車や、自動車のボディなどであってもよい。軸受部品としては深溝玉軸受の他、たとえば針状ころ軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、またはアンギュラ玉軸受などの軸受部品であってもよい。転動部品としては、針状ころ、円筒ころ、円錐ころ、またはボールなどであってもよい。
本実施例では、処理炉内の雰囲気に含まれるCO、H2、およびN2のそれぞれの濃度を変えて鋼製品の浸炭を行ない、浸炭後に鋼製品の炭素移行係数βを測定した。
始めに試験片(試料A1〜A9、試料B1〜B9、および試料C1〜C5)を準備した。試験片はJIS(Japanese Industrial Standards)に規定されるSCr420の材質よりなる、外径50mm、内径42mm、幅10mmのリング形状のものを用いた。試験片の具体的な合金成分を表1に示す。
この試験片を図4に示す浸炭装置の処理炉内に配置し、処理炉内の雰囲気に含まれるCO、H2、およびN2のそれぞれの濃度を調製した後、950℃の温度で浸炭処理を行なった。試料A1〜A9についてはCOガスとH2ガスとを処理炉内へ導入し、試料B1〜B9についてはCOガスとH2ガスとN2ガスとを処理炉内へ導入し、試料C1〜C5については主にCOガスとN2ガスとを処理炉内へ導入した。
浸炭処理においてはカーボンポテンシャルが1.1になるように、必要に応じて処理炉内に微量のCO2を導入した。各ガスはガスボンベから導入管を通じて処理炉内へ直接導入した。また、浸炭初期の炭素浸入過程の違いを調べる趣旨から、比較的短い時間(15分〜240分)で浸炭処理を行なった。浸炭処理後の試験片の各々について、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)を用いて炭素濃度分布を調べた。この炭素濃度分布から炭素移行係数βを計算した。それぞれの試料の実験条件および結果を表2および図8(a)、(b)に示す。
表2および図8(a)、(b)を参照して、CO:62.0体積%、残りがH2および微量のCO2の雰囲気で浸炭処理を行なった試料A5では、炭素移行係数βが83.76×10-6(cm/s)であった。この試料A5を基準とすると、試料A2〜A4では試料A5よりも大きな炭素移行係数βが得られた。具体的には、CO:81.0体積%、残りがH2および微量のCO2の雰囲気で浸炭処理を行なった試料A2では、炭素移行係数βが84.7×10-6(cm/s)であった。またCO:70.0体積%、残りがH2および微量のCO2の雰囲気で浸炭処理を行なった試料A3では、炭素移行係数βが393.98×10-6(cm/s)であった。さらにCO:63.0体積%、残りがH2および微量のCO2の雰囲気で浸炭処理を行なった試料A4では、炭素移行係数βが91.5×10-6(cm/s)であった。以上の結果から、63体積%以上81体積%以下の濃度のCOと、19体積%以上37体積%以下の濃度のH2とを含む雰囲気で鋼を浸炭することにより、大きな炭素移行係数βが得られ、浸炭時間を短縮できることが分かる。
また、試料B2〜B4では試料A5よりも大きな炭素移行係数βが得られた。具体的には、CO:74.0体積%、残りが同量のH2およびN2と、微量のCO2との雰囲気で浸炭処理を行なった試料B2では、炭素移行係数βが85.61×10-6(cm/s)であった。またCO:70.0体積%、残りが同量のH2およびN2と、微量のCO2との雰囲気で浸炭処理を行なった試料B3では、炭素移行係数βが96.25×10-6(cm/s)であった。さらにCO:66.0体積%、残りが同量のH2およびN2と、微量のCO2との雰囲気で浸炭処理を行なった試料B4では、炭素移行係数βが88.69×10-6(cm/s)であった。以上の結果から、66体積%以上74体積%以下の濃度のCOと、COを除くガスに占める割合が50体積%以上100体積%未満であるH2と、COを除くガスに占める割合が0より大きく50体積%未満であるN2とを含む雰囲気で鋼を浸炭することにより、大きな炭素移行係数βが得られ、浸炭時間を短縮できることが分かる。
なお、試料C1〜C5では、いずれも試料A5より低い炭素移行係数βしか得られなかった。
以上の結果より、図6における点A(63,37,0)、点B(66,17,17)、点C(74,13,13)、および点D(81,19,0)で囲まれた領域X内にある雰囲気で鋼を浸炭することにより、大きな炭素移行係数βが得られ、浸炭時間を短縮できることが分かる。
また、図9は、本発明の実施例1における本発明例および比較例の各々で得られた炭素分布曲線を示す図である。図9を参照して、本発明例は上記試料A3であり、15分間浸炭処理をして得られた試料である。比較例は従来のキャリアガスを用いた雰囲気(CO:23.1体積%、H2:30.8体積%、N2:46.2体積%)で30分間浸炭処理をして得られた試料である。本発明例の浸炭時間は比較例の浸炭時間の半分であるにも関わらず、本発明例では比較例とほぼ同じ炭素分布曲線が得られている。たとえば0.34質量%のC濃度が得られる深さは、比較例では約0.4mm、本発明例では約0.36mmとなっており、わずか0.04mmの差になっている。この結果より、本発明の浸炭方法によれば従来の浸炭方法を用いた場合と同等の浸炭深さを実現しつつ、浸炭時間を短縮できることが分かる。
本実施例では、実施の形態2の方法を用いて、加熱した処理炉内にCO2ガスとシクロペンタンガスとを導入し、導入後における処理炉内の雰囲気のガス成分を測定した。始めに、940℃に保たれた処理炉内にCO2ガスを導入し、次に処理炉内にシクロペンタンガスを導入した。また必要に応じて、エンリッチガスとしてプロパンガスを処理炉内に導入した。CO2ガスの導入量はマスフローコントローラによって制御し、シクロペンタンガスの導入量はポンプの回転数の制御によって決定された。その後、処理炉内の雰囲気のガス成分を測定した。CO2ガスと液体のシクロペンタンとの各々の導入量と、導入後における処理炉内の雰囲気のガス成分との関係を表3に示す。
表3を参照して、いずれの導入量の場合も、図6に示す領域Xの範囲内のガス成分となっていることが分かる。また、エンリッチガスとしてプロパンを入れた場合には、カーボンポテンシャルが1.1となり、実施例1の試料A3と同じ炭素濃度分布を持つ試験片が得られた。なお、熱処理中のスーティング(煤の発生)はなかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の浸炭方法は、機械部品、軸受部品、または転動部品などの浸炭方法に特に適している。
1 深溝玉軸受、2 ヒータ、3 処理炉、4 固定具、5〜8 導入管、10 鋼製品、11 外輪、11a 外輪転走面、12 内輪、12a 内輪転走面、13 玉、14 保持器、15 マスフローコントローラ、16 ガスボンベ、17a,17b 管路、18 ポンプ、19 ベーパライザ、20 容器、21 熱処理設備。
Claims (10)
- 一酸化炭素濃度をx体積%、水素濃度をy体積%、窒素濃度をz体積%としたとき、点(x,y,z)が3成分組成図における点A(63,37,0)、点B(66,17,17)、点C(74,13,13)、および点D(81,19,0)で囲まれた領域内にある雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えた、浸炭方法。
- 63体積%以上81体積%以下の濃度の一酸化炭素と、19体積%以上37体積%以下の濃度の水素とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えた、浸炭方法。
- 66体積%以上74体積%以下の濃度の一酸化炭素と、一酸化炭素を除くガスに占める割合が50体積%以上100体積%未満である水素と、一酸化炭素を除くガスに占める割合が0より大きく50体積%未満である窒素とを含む雰囲気で鋼を浸炭する浸炭工程を備えた、浸炭方法。
- 純粋な一酸化炭素ガスを直接炉内へ導入する導入工程をさらに備え、
前記浸炭工程を前記炉内にて行なうことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の浸炭方法。 - 前記浸炭工程は、一般式CnHm(n、mは1≦n、2≦m、および(63m/148)≦n≦(81m/76)を満たす整数)で表わされる炭化水素と二酸化炭素とを加熱された炉内に導入することにより、一酸化炭素と水素とを発生させる工程を含む、請求項1または2に記載の浸炭方法。
- 前記炭化水素はシクロアルカンである、請求項5に記載の浸炭方法。
- 前記炭化水素は、炭素数が6以上のアルカンである、請求項5に記載の浸炭方法。
- 前記炭化水素は芳香族炭化水素である、請求項5に記載の浸炭方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の浸炭方法を用いて製造された鋼製品。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の浸炭方法に用いられる熱処理設備であって、
前記二酸化炭素を前記炉に導入するための第1の管路と、
前記第1の管路に設けられ、かつ前記二酸化炭素の量を制御するためのマスフローコントローラと、
前記炭化水素を前記炉に導入するための第2の管路と、
前記第2の管路に設けられ、かつ前記炭化水素の量を調節するためのポンプと、
前記第2の管路に設けられ、かつ前記炭化水素を気化させるための気化器とを備える、熱処理設備。
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