JP2008057010A - 成膜基板の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸着膜の未成膜部分の発生を防止して、小型化を図りつつより多くの基板を保持可能とする成膜基板の製造装置を提供する。
【解決手段】側面に突部15が設けられた基板14の表面に斜方成長膜法によって成膜する成膜基板の製造装置は、突部15を係合する溝部13を有した保持基材12を複数備え、保持基材12を、基板14の側面方向に対して対向するように配置し、互いに対向する保持基材12の溝部13どうしによって、基板14の突部を保持するとともに、基板14の被成膜面14aよりも保持基材12の上面12aが突出しない形状となっている成膜基板保持治具を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、成膜基板の製造装置に関するものである。
現在、液晶パネルは携帯電話、プロジェクターなどにおいて広範囲で行なわれている。なかでも、プロジェクターのライトバルブとして使用される液晶パネルは、点灯に強い光源を用いるため、従来の有機物による配向膜を使用した液晶パネルでは、早期に配向膜が劣化し、表示に影響を及ぼすことが知られている。よって、有機物に代わり、無機配向膜を用いた液晶パネルの開発が行なわれ、その中でイオンビームスパッタ方式ではスパッタ時の成膜分子を基板に対して45度以下の斜め方向で基板へ入射させることで無機物による柱状構造体の配向膜表面を形成し液晶の配向を実現させている。
従来、イオンビームスパッタ方式を用いて基板に成膜を行なう際には、下記特許文献1,2に示すようなホルダーと呼ばれる基板保持用治具へ基板をセットして、そのホルダーを成膜装置へ投入し、成膜処理を行なうことが一般的であった。
実開平5−94267号公報 実開平5−96060号公報
しかしながら、成膜分子が基板に対して斜めに入射される成膜方法においては、基板を保持している保持部が成膜粒子を遮ってしまい、基板の被成膜面上に未成膜部分が発生してしまうという問題があった。そのため、成膜分子が入射する方向側に位置する保持部を除いて、基板の片側のみを保持するようにした方法が提案されている。これにより、未成膜部分が発生することを防止することができる。また、保持部の数が減るので保持部同士の間隔を狭くすることができ、装置の小型化を図ることも可能となる。ところが、成膜分子の入射方向前方に位置する保持部が、該保持部よりも後方に位置する基板の被成膜面への成膜粒子を遮ってしまう虞がある。これにより、後続の基板上に未成膜部分が発生するという問題が出てしまう。そのため、結局は保持部同士の配置間隔を大きくとらなければならなくなり、小型化の実現が困難となっていた。
また、図17(a),(b)に示すように、落とし込み式と呼ばれる成膜基板保持治具90があった。この成膜基板保持治具90は、保持基材91に形成された穴92内に基板93を落とし込み、該基板93の四隅を、穴92の底部に設けられた爪部94により保持するというものである。しかしながら、図18に示すように、基板93の被成膜面93Aに成膜する際、被成膜面93Aが保持基材91の上面91aよりも低い位置にあることから、保持基材91により成膜粒子(図中の矢印Tで示す)が遮られてしまう。その結果、基板93の被成膜面93A上に未成膜領域Bが発生するという問題が生じてしまっていた。
上述したような保持方法では、未成膜部分の発生を防止しようとすると、基板保持治具の小型化が困難となるだけでなく一度に保持可能な基板が制限される。そのため処理効率の向上が見込めない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、蒸着膜の未成膜部分の発生を防止して、小型化を図りつつより多くの基板を保持可能とする成膜基板の製造装置を提供することにある。
本発明の成膜基板の製造装置は、上記課題を解決するために、側面に凹部又は凸部が設けられた基板の表面に斜方成長膜法によって成膜する成膜基板の製造装置であって、凹部又は凸部を係合する保持部を有した保持基材を複数備え、保持基材を、成膜基板の側面方向に対して対向するように配置し、互いに対向する保持基材の保持部どうしによって、成膜基板の凹部又は凸部を保持するとともに、成膜基板の被成膜面よりも保持基材の上面が突出しないことを特徴としている。
本発明の成膜基板の製造装置によれば、互いに対向する保持基材の保持部同士によって基板の凹部又は凸部を保持することができるため、基板の被成膜面を全面露出させることができる。さらに、保持基材の上面が基板の被成膜面よりも突出しないようになっていることから、保持基材が影となって成膜分子を遮ることがなくなる。そのため、被成膜面に未成膜部分が発生することがなくなり、所望とする膜性能を有した蒸着膜を形成することができる。
また、保持部が、隣り合う他の保持基材側に向かって開口する溝であることも好ましい。
このような構成によれば、側方に突部を有した基板を保持する場合、基板の凸部を保持基材の溝内に挿入させることによって保持することが可能となる。
保持部が、隣り合う他の保持基材側に向かって突出する突部からなることも好ましい。
このような構成によれば、側方に溝部を有した基板を保持する場合、基板の凹部内に保持基材の突部を挿入させることによって保持することが可能となる。
また、複数の基板を保持可能とするものであって、保持基材を複数連設し、保持部の傾斜角度が連設方向に沿って大きくなっていることも好ましい。
このような構成によれば、保持する全ての基板の被成膜面に対して、成膜分子の入射角度を一定にすることができる。また、他の保持基材の保持部が影となることがないので、隣り合う保持基材間に保持される基板の被成膜面に未成膜部分が発生することを防止できる。以上のことから、斜め蒸着膜の膜厚分布の均一化が実現される。
本発明の成膜基板の製造装置は、側面に凹部又は凸部が設けられた基板の表面に斜方成長膜法によって成膜する成膜基板の製造装置であって、凹部又は凸部を係合する第一線材を複数備え、第一線材を、成膜基板の側面方向に対して対向するように配置し、互いに対向する第一線材どうしによって、成膜基板の凹部又は凸部を保持するとともに、成膜基板の被成膜面よりも第一線材が突出しないことを特徴とする。
本発明の成膜基板の製造装置によれば、一対の第一線材の挟持力によって、基板の側方を保持することができる。例えば、両側方に凹部を有した基板を保持する場合、基板の各凹部内に第一線材をそれぞれ挿入させることによって保持することが可能となる。さらに、第一線材が基板の被成膜面よりも突出しないように構成されていることから、第一線材が影となって成膜分子を遮る虞もなくなる。このように、基板の側方を保持することにより、被成膜面を全面露出することができるので被成膜面上に未成膜部分が発生することをなくすことができる。よって、所望とする膜性能を有した蒸着膜を得ることができる。また、線材を用いることによって、治具全体の小型化を図ることができる。
また、一対の第一線材に対して垂直に延在する第二線材を少なくとも一対有することも好ましい。
このような構成によれば、例えば基板が平面視矩形状である場合には、基板の4辺を支持することができるので、確実且つ安定的に保持することができる。
また、複数の基板を保持可能とするものであって、第一線材を複数連設し、第一線材の高さ位置が連設方向に沿って高くなっていることも好ましい。
このような構成によれば、保持する全ての基板の被成膜面に対して、成膜分子の入射角度を一定にすることができる。また、他の第一線材が影となることがないので、連設する第一線材間に保持される基板の被成膜面に未成膜部分が発生することを防止できる。以上のことから、斜め蒸着膜の膜厚分布の均一化が実現される。
また、斜方成長膜法は、真空蒸着法による斜方蒸着であることが好ましい。
真空蒸着法により成膜することにより、成膜分子に過大なエネルギーを与えることなく、熱速度程度の運動エネルギーで蒸着を行なうことができる。これにより、成膜分子を斜めに整列させる上で有利になる。
また、斜方成長膜法は、イオンビームスパッタ法による斜方スパッタであることが好ましい。
イオンビームスパッタ法により成膜を行なうことにより、金属、合金、化合物及び有機物等、ほとんど全ての物質を蒸着させることができる。また、基板に対する付着性もよい。
本発明の成膜基板の製造装置は、基板を成膜基板保持治具に設けた状態で処理が行われるため、基板への蒸着膜の形成不良をなくすことができる。また、処理温度が比較的低温なPVD法によれば、基板の被成膜面に対する熱の影響が少なくて済む。そのため、例えば、基板の被成膜面上に配された配線や電極等が損傷することを防止することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をx方向、水平面内においてx方向と直交する方向をy方向、x方向及びy方向のそれぞれに直交する方向をz方向とする。
本発明の成膜基板の製造装置は、成膜基板保持治具を備える成膜装置であって、成膜基板保持治具に保持された基板の表面上に斜方成膜法にて成膜するものである。
まず、成膜基板保持治具について述べる。
以下に述べる各実施形態の成膜基板保持治具は、成膜しようとする基板を後述の成膜装置内で保持するためのものである。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について、図1から図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態における成膜基板保持治具の全体の概要を示す平面図である。図2は、保持基材の側断面図である。図3は、成膜基板保持治具による基板の保持状態を示す説明図である。なお、図3には、本実施形態の成膜基板保持治具に対応する基板が図示してある。
まず初めに、本実施形態の成膜基板保持治具10に対応する基板14の構成について説明しておく。
基板14は、図1,3(a)に示すように、底部(被成膜面14aを上面とすると、該被成膜面14aとは反対側の下面14b側)に、平面視における長手方向両側の側面14c,14cからそれぞれ垂直に突出する一対の突出部15,15を有した形状となっている。
本実施形態の成膜基板保持治具10は、上述したような構成の基板14を複数、保持可能とするものであって、図1,2に示すように、枠状のフレーム11と、該フレーム11内に設けられ、互いに平行をなすとともに所定の間隔をおいて連設された複数の保持基材12と、を有して構成されている。
フレーム11の枠内には、図1に示すy方向に沿って延在する保持基材12がx方向に間隔をおいて複数備えられている。そして、本実施形態のフレーム11は、例えば、保持基材12の延在方向におけるどちらか一方の側部(ここでは、図中の二点鎖線で示す側部11a)を取り外し可能なものとしている。これにより、各保持基材12の端部側から、隣り合う保持基材12同士の間に複数の基板14を保持させることができる構成となっている。
保持基材12は、図1,2に示すように、平面視矩形状の細棒状を呈し、幅方向両側には内側に凹む一対の溝部13(保持部)を有している。溝部13は、保持基材12の長手方向(図1におけるy方向)に沿って形成され、上記した基板14の突出部15を挿入させるための溝となっている。そして、各保持基材12は、互いの溝部13を対向させた状態でフレーム11に設けられている。また、フレーム11に対する位置(z方向における位置)を互いに一致させているので、隣り合う保持基材12の溝部13同士の位置は、必然的に一致することになる。これら隣り合う保持基材12同士の対向する溝部13内に、基板14の突出部15を挿入させることによって基板14を保持することになる。そのため、本実施形態における保持基材12同士の間隔は、保持する基板14の長手方向が保持基材12に対して垂直となるように、基板14の長手方向長さに対応した間隔となっている。
図2に示すように、溝部13は、互いに対向する内面16,16及びこれら内面16,16同士を繋ぐ連結面17とから構成されている。ここで、内面16は互いに平行であってもよい(図3(a)参照)が、溝部13の開口13a側が広がるように、どちらか一方の内面16(本実施形態においては16a)が水平面に対して所定の角度で傾斜していてもよい。この場合、連結面17の幅寸法を基板14の突出部15の厚さ寸法以下にしておく。そうすることによって、基板14を溝部13内に挿入するだけで突出部15に対して所望とする押圧力が付加される構成となる。よって、基板14を溝部13の内面16,16間でずれることなく保持することが可能となる。
なお、溝部13の奥行き、つまり内面16の幅寸法は、基板14の突出部15の突出量に応じて適宜設定される。
このような成膜基板保持治具10に基板14を保持する場合には、図1から図3に示すように、フレーム11内で隣り合う保持基材12同士の対向する溝部13内に、これら各溝部13の長手方向一方の開口13b側から基板14の突出部15を各々挿入させ、溝部13の延在方向に沿ってスライドさせながら行なう。
図1に示すように、基板14は、フレーム11の取り外された側部11a側から、保持基材12間に挿入させることになる。そのため、保持基材12の長手方向一方の端部側(図中下側)の開口13bが広がるように、内面16及び連結面17の開口13b側の端部をそれぞれ若干傾斜させておいてもよい。これにより、開口13bが広がるので、隣り合う保持基材12,12の溝部13,13内へ基板14を挿入することが容易となる。
こうして、成膜基板保持治具20に保持される複数の基板14は、各々の被成膜面14aを上方に向けた状態で保持される。
本実施形態の成膜基板保持治具10によれば、基板14の被成膜面14aの全面を露出させることができる。すなわち、成膜基板保持治具10は、基板14を保持する際、保持基材12の上面12aが基板14の被成膜面14aから突出することなく基板14を保持することができる構成となっている。そのため、図3(b)に示すように、基板14の被成膜面14aの全面が露出していることから、保持基材12が影となって成膜分子(図中の矢印Tで示す)を遮る心配はない。これにより、被成膜面14a上に未成膜部分を発生させることなく成膜を施すことができる。したがって、所望とする膜性能を有した蒸着膜を効果的に得ることができる。
さらに、保持基材12の厚さは、基板14の厚さよりも薄く形成されていることから、治具の薄型化、すなわち小型化を図ることができる。また、保持基材12の幅寸法を調整したり、溝部13を基板14の突出部15の形状に沿って形成する(例えば、溝部13の奥行き寸法を突出部15の突出寸法に合わせる等)ことによって、更なる小型化を図ることができる。
以下に示す各実施形態の成膜基板保持治具の基本構成は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態の保持基材の構成が異なるだけである。よって、以下では、保持基材の構成についてのみ説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1から図3と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図1,図4及び図5を用いて説明する。
図4は、保持基材の全体の概要を示す斜視図である。図5は、基板の保持状態を示す説明図である。
本実施形態の保持基材21は、図4に示すように、中央に平板状の基部22を有し、その幅方向両側に基板保持部23を一対備えている。基板保持部23は、基部22に対して垂直な連結板部24と、連結板部24の幅方向両端からそれぞれ垂直に延在する保持板部25とから構成され、断面視コ字状を呈すものである。このような構成により、内部に基板14の突出部15を挿入可能な溝部26(保持部)を有している。
なお、一対の保持板部25は、連結板部24に対してそれぞれ垂直に設けられるものとしたが、溝部26の幅方向における開口26a側が広がるように、連結板部24に対して所定の角度で傾斜させてもよい。すると、対向する連結板部24の基部側よりも端部側の方が離間した姿勢となる。この場合、連結板部24の幅寸法は基板14の突出部15の厚さ寸法よりも若干短くしておく。
このような成膜基板保持治具20に基板14を保持する場合には、図1,図4,5に示すように、フレーム11内で隣り合う保持基材21同士の対向する溝部26内に、これら各溝部26の長手方向一方の開口26b側から基板14の突出部15を各々の溝部26内に挿入させ、溝部26の延在方向に沿ってスライドさせながら行なう。成膜基板保持治具20に保持される複数の基板14は、各々の被成膜面14aを上方に向けた状態で保持される。
本実施形態の成膜基板保持治具20によれば、基板14の被成膜面14aの全面を露出させることができる。すなわち、成膜基板保持治具20は、基板14を保持する際、保持基材21の保持板部25の上面25aが基板14の被成膜面14aから突出することなく基板14を保持することができる構成となっている。よって、成膜基板保持治具20によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上に述べた第1及び第2実施形態の成膜基板保持治具10,20は、突出部15を有した基板14に対応するよう構成されたもので、基板14の突出部15を保持可能な溝部13,26を有した保持基材12,21を備えている。これに対して、以下に述べる第3,4実施形態は、保持する基板の形状が、上記実施形態の成膜基板保持治具10,20に対応する基板14の形状と異なっている。そのため、第3実施形態及び第4実施形態について述べる前に、まず、第3実施形態及び第4実施形態に対応する基板について述べる。
図8,10に示すように、以下の第3,4実施形態に対応する基板28,28’は、平面視における長手方向両側の側面28bに、内方へと凹む凹部29,29’を有した形状となっている。凹部29,29’は、側面28bの略中央に設けられ、側面28bの長手方向(図中y方向)に延在している。なお、凹部29,29’の形状は、断面視矩形状、或いは三角形状となっているが、その他の形状でもあってもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態について、図6から図8を用いて説明する。
図6は、成膜基板保持治具全体の概要を示す平面図である。図7は、保持基材の概略構成を示す側断面図である。図8は、基板の保持状態を示す説明図である。
なお、本実施形態の成膜基板保持治具は、断面視矩形状を呈する凹部を有した基板を保持するよう構成されたものである。
本実施形態の保持基材31は、図6に示すフレーム11のy方向に延在する断面視矩形状の基材部32と、該基材部の幅方向両側に、各側面32aの中央部から各側面32aに対してそれぞれ垂直に突出する平板状の突部33(保持部)と、から構成されている。突部33は、基材部32の長手方向(図6におけるy方向)に沿って延在している。
突部33は、基板28の凹部29内に挿入可能な厚さ寸法となっている。また、突部の突出方向における寸法は、基板の溝部の奥行き寸法に応じて適宜設定される。
第3実施形態の保持基材31は、互いの突部33を対向させるようにしてフレーム11に連設されている。これら保持基材31に基板28を保持させる際には、図6から図8に示すように、基板28の凹部29内に、フレーム11内で隣り合う保持基材31同士の対向する突部33を挿入させ、突部33の延在方向に沿って基板28をスライドさせながら行なう。成膜基板保持治具30に保持される複数の基板28は、各々の被成膜面28Aを上方に向けた状態で保持される。
本実施形態の成膜基板保持治具30によれば、基板28の被成膜面28Aの全面を露出させることができる。すなわち、成膜基板保持治具30は、基板28を保持する際、保持基材31の上面31aが基板28の被成膜面28Aから突出することなく基板28を保持することができる構成となっている。よって、成膜基板保持治具30によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について、図6,図9及び図10を用いて説明する。
図6は、本実施形態の成膜基板保持治具全体の概要を示す平面図である。図9は、保持基材の概略構成を示す側断面図である。図10は、基板の保持状態を示す説明図である。
なお、本実施形態の成膜基板保持治具は、断面視三角形状を呈する凹部を有した基板に対応するよう構成されたものである。
本実施形態の保持基材41は、図6及び図9に示すように、フレーム11のy方向に延在する断面視矩形状の基材部42と、該基材部42の両側面42aから突出する断面視三角形状の突部43(保持部)を有している。突部43は、基材部42の長手方向(図6におけるy方向)に沿って延在し、突部43を構成する一対の側面44のうち、一方の側面44の端部を保持基材41の上面41Aの端部に沿わせた状態で配置されている。そして、一対の側面44から構成される頂部45(側面44同士の接合点)が突出方向外側へと向いている。
突部43は、基板28’の凹部29’に対応した形状となっており、基板28’の凹部29’を構成している内面29a同士の傾斜角度θ1と、突部43の頂部45を構成している2つの側面44の傾斜角度θ2とが、同じ角度となっている。また、突部43の突出方向における寸法は、少なくとも基板28’の凹部29’の奥行き寸法以上の大きさでなければならない。
本実施形態の保持基材41は、図6に示すように、互いの突部43を対向させるようにしてフレーム11に連設されている。これら保持基材41に基板28’を保持させる際には、図10に示すように、基板28’の凹部29’内に対応する各保持基材41の突部43を挿入させ、保持基材41の長手方向に沿ってスライドさせながら複数設ける。また、本実施形態の保持基材41によれば、基板28’の凹部29’の形状をそのまま突部43の形状に反映させた構成となっていることから、凹部29’の内面29aと突部43の側面44とを接触させることができるので基板28’のずれが生じにくい。また、成膜基板保持治具40に保持される複数の基板28’は、各々の被成膜面28Aを上方に向けた状態で保持される。
本実施形態の成膜基板保持治具40によれば、基板28’の被成膜面28A’の全面を露出させることができる。すなわち、成膜基板保持治具40は、基板28’を保持する際、保持基材41の上面41aが基板28’の被成膜面28A’から突出することなく基板28’を保持することができる構成となっている。よって、成膜基板保持治具40によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について、図11及び図12を用いて説明する。
以下に示す成膜基板保持治具は、ワイヤーによって基板を保持する場合の一実施形態である。
図11は、本実施形態の成膜基板保持治具の概要構成を示す斜視図である。図12は、基板の保持状態を示す説明図であって、(a)成膜基板保持治具の要部拡大図、(b),(c)は基板の側断面図である。
本実施形態の成膜基板保持治具50は、図11に示すように、フレーム11の対向する各辺11a,11bに沿って、第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52が格子状に設けられている。詳述すると、図11に示すフレーム11内には、y方向に沿って延在する複数本の第1ワイヤー51がx方向に所定の間隔をおいて張設されている。また、これら第1ワイヤー51に交差してx方向に延在する複数本の第2ワイヤー52がy方向に所定間隔をおいて張設されている。
詳述すると、第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52はそれぞれ2本一組で配設されている。これら隣り合う2本の第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52により基板38を挟持する構成となっている。すなわち、これら2本一組みで構成される第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52によって、後述の基板38を保持する保持部53が構成されることになる。
組となっている第1ワイヤー51同士は、互いに基板38の長手方向長さよりも若干狭くした所定の間隔をおいて張設されている。また、第2ワイヤー52同士は、互いに基板38の短手方向長さよりも若干狭くした所定の間隔をおいて配設されている。各ワイヤー51,52の配置間隔の詳細については後述する。さらに、隣り合う各組(保持部53)同士の間隔は、各ワイヤー51,52によって構成される保持部53に保持される基板38同士が干渉しない間隔とする。
第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52は交差部において互いに干渉しないように設けられ、図12(a)に示すように、z方向に位置を異ならせてある。本実施形態においては、第2ワイヤー52の方が第1ワイヤー51よりもフレーム11の表面側に位置している。
本実施形態の成膜基板保持治具50に対応する基板38は、4つの側面全てに凹部を有した形状となっている。上記実施形態の成膜基板保持治具30,40に対応する基板28は、平面視における長手方向両側の側面28bのみに凹部29,29’を有した形状(図8,10参照)となっていた。本実施形態においては、図12に示すように、成膜基板保持治具50に対応する基板38は、長手方向両側の側面38bのみならず、短手方向両側の側面38cにも凹部を有した形状となっている。
詳しくは、図12(b)に示すように、平面視における短手方向両側の側面38bには、該側面38bから内方へと凹む断面視三角形状の凹部37が形成されている。また、図12(c)平面視における長手方向両側の側面38cには、該側面38cから内方へと凹む断面視三角形状の凹部39が形成されている。
対向する側面38bにおける凹部37同士、及び、対向する側面38cにおける凹部39同士の位置は、基板面に対して平行となるように形成されている。また、隣り合う側面38b,38cに設けられる凹部37,39は、フレーム11に設けられる各ワイヤー51,52に対応するように、互いの位置がz方向(基板の厚さ方向)で異なっている。すなわち、側面38bに形成される凹部37は、第2ワイヤー52に対応するように被成膜面38A側に形成されている。一方、側面38cに形成される凹部39は、第2ワイヤー51に対応するように被成膜面38Aとは反対側の底面38C側に形成されている。
本実施形態の成膜基板保持治具50に基板38を保持する場合には、基板38の各凹部37,39内に隣り合う2本の第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52をそれぞれ挿入させて保持する。このとき、隣り合う2本の第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52をそれぞれ引っ張りながら間隔を広げ、隣り合う2本の第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52によって囲まれた領域内に基板38を挿入する。基板38を挿入した後、第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52の引っ張りを解除すると、各ワイヤー51,52はその張力によって元に戻ることになる。このとき、第1ワイヤー51が基板38の凹部39に、第2ワイヤー52が基板38の凹部37に入り込むことによって基板38が保持される。
このように、第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52は、基板38の寸法よりも若干狭い間隔をおいて配置されていることから、基板38の各凹部37,39に引っ掛けることができる。詳細には、保持部53における各ワイヤー51,52の間隔は、基板38の凹部37同士、凹部39同士の間隔に設定しておくことで可能となる。
また、基板38の凹部37同士、凹部39同士の間隔よりも若干狭い間隔で各ワイヤー51,52を配設することにより、ワイヤー51,52に、基板38に対する挟持力を持たせることができる。つまり、隣り合う2本のワイヤー51,52の張力によって基板38の4つの側面を挟持するようにすれば、基板38を安定的に保持することができる。
成膜基板保持治具50では、各ワイヤー51,52の間隔を広げながら基板38を保持させることになるので、フレーム11の側部11aを取り外しのできる構成とする必要はなく、4つの側部が一体形成されたものを用いることができる。
上記実施形態においては、フレーム11に、複数のワイヤー51,52を格子状に設けた形態について述べたが、これに限らず、x方向或いはy方向のどちらか一方向のみにワイヤーを張設するようにしてもよい。例えば、第1ワイヤー51のみ、或いは第2ワイヤー52のみ張設した構成であってもよい。このような成膜基板保持治具によれば、これに対応する基板の凹部も、対向する一組の側面(側面38b同士或いは側面38c同士)のみに形成しておけばよいことから、より簡単な構成とすることができる。しかしながら、基板の各側面において4点支持する成膜基板保持治具の方が確実に基板を保持することができる。
本実施形態の成膜基板保持治具50によれば、基板38の被成膜面38Aの全面を露出させることができる。すなわち、成膜基板保持治具50は、基板38を保持する際、ワイヤー51,52が基板38の被成膜面38Aから突出することなく保持する構成となっている。そのため、基板38の被成膜面38Aは全面的に露出した状態となる。これにより、ワイヤー51,52が成膜分子を遮るということはなくなるので、基板38の被成膜面38Aに未成膜部分が形成されることを防止することができる。これにより、所望とする膜性能を有した蒸着膜を形成することができる。
また、線形をなすワイヤー51,52によって基板38を保持する構成であることから、ワイヤー51,52の配設間隔を調整することによって、保持する基板38同士の間隔を狭くすることができる。これにより、より多くの基板38を保持することが可能になるとともに、治具の小型化を図ることができる。
成膜基板保持治具10,…,50は、保持する全ての基板14,28,28’,38の被成膜面14a,28A,38Aが平行をなすように構成された成膜基板保持治具である。以下に示す実施形態は、保持する基板の被成膜面が所定の角度で傾くように構成された成膜基板保持治具である。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について、図13を用いて説明する。
以下に示す本実施形態の成膜基板保持治具は、x方向で隣り合う保持基材同士の高さ位置がz方向で異なっているとともに、水平面に対してその保持部方向を所定の角度で傾斜させている点で異なる。本実施形態では、第3実施形態の保持基材31を用いて説明するが、その他実施形態におけるいずれの保持基材を用いてもよい。図13は、x方向に連設する保持基材の傾斜状態を示す断面図である。
図13に示すように、本実施形態の成膜基板保持治具60は、X方向に連設する保持基材31同士の位置が、x方向一方(図中左側)に向かうにしたがってz方向へと高くなっている。それと同時に、各々の突部方向(突部33同士の方向)を水平面に対して所定の角度で傾斜させている。各保持基材31の水平面に対する傾斜角度θは同等であってもよいが、本実施形態では、低位置にある保持基材31aから高位置にある保持基材31cにかけて各々の傾斜角度θが漸次大きくなるように構成されている。つまり、図13に示すように、保持基材31aの傾斜角度θ1から順に大きくなり、保持基材31cの傾斜角度θ3が、保持基材31aの傾斜角度θ1よりも大きくなっている。
従来、基板93の被成膜面93Aに斜方蒸着する場合、例えば、図16(a)に示すように、基板93の右斜め上方に示す点Pから成膜分子(図中の矢印Tで示す)が入射してくるものとする。すると、基板93の被成膜面93A上では図中x方向において、成膜分子Tの入射角度θが異なっていることが分かる。点Pから最も遠い地点Hでは入射角度がθaとなっており、点Pから最も近い地点Jでは入射角度がθcとなっている。このように、点Pに近い地点ほど入射角度が大きくなっている。
図16(b)に示す従来の成膜基板保持治具80では、基板93の両端側を保持部81によって保持する構成となっていたため、被成膜面93Aに対して図中の矢印Tで示す方向から成膜分子Tが入射してくると、成膜分子Tの入射方向側にある保持部81が成膜分子Tを遮ってしまっていた。すると、被成膜面93A上に未成膜領域Bが発生してしまい、これに起因する膜性能の低下が懸念されていた。また、上述したように、成膜基板保持治具80に対する成膜分子Tの入射角度は、図中x方向において異なっていることから、x方向に並ぶ各基板93では、膜厚にばらつきが生じる虞もあった。
これに対して、本実施形態の成膜基板保持治具60は、図13に示すように、保持する全ての基板28の被成膜面28Aに対する成膜分子Tの入射角度が同じ角度となるように、水平面に対する保持基材31の傾斜角度θを適宜変化させている。
このように、x方向で隣り合う保持基材31の傾斜角度θを変化させることによって、各基板28に対する成膜分子Tの入射角度θsを一定にすることができる。その結果、被成膜面28A上に未成膜部分が発生することを防止して、蒸着膜の膜厚均一化を図ることができる。これにより、所望とする膜特性を有する蒸着膜を各基板28上へ成膜することができる。
また、保持基材31に対して保持部33が自在に傾斜する構成としてもよい。
なお、一方向のみにワイヤーを張設した構成の成膜基板保持治具の場合、連設する各ワイヤーの高さ位置を、その連設方向に向かって漸次高くなるように変えるだけでよい。この場合、ワイヤーを格子状に設ける必要はなくなる。
上記した各成膜基板保持治具10〜40において、保持基材12,21,31,41を例えば、樹脂等から形成することが好ましい。成膜基板保持治具50においては、例えば、各ワイヤー51,52の表面を樹脂等で覆っておくことが好ましい。例えば、液晶装置等に用いる場合、基板14,28,28’,38は、石英やガラス等から形成されることから、保持基材12,21,31,41が硬質のものであると、基板14,28,28’,38の装着時に双方が干渉することによって基板14,28,28’,38に傷が付いてしまう虞がある。単なる傷が後に基板14,28,28’,38の破損する虞もあることから、傷の発生は避けなければならない。しかしながら、保持基材12,21,31,41を樹脂等から形成することによって柔軟性を持たせることができるので、基板14,28,28’,38を傷付けることなく保持することができる。ワイヤー51,52を樹脂等で覆った場合においても同様のことが言える。
上記した各成膜基板保持治具10〜40において、保持基材12,21,31,41の幅寸方を調整することで、保持基材12,21,31,41を介して隣り合う基板同士の配置間隔を狭くすることができる。これにより、治具の小型化を図ることが可能となる。
さらに、上述した第1から第6実施形態の成膜基板保持治具10,…,60によれば、基板の形状に関わらず確実に保持することができる。また例えば、成膜基板保持治具が、搬送時や成膜時に斜めや逆さ状態になったとしても、成膜基板保持治具から基板が脱落することがない。
以上述べた成膜基板保持治具10,…,60は、斜方成膜法により成膜を行なう基板を保持するものである。斜方成膜法としては、斜方蒸着或いは斜方スパッタ等が挙げられる。よって、以下では斜方蒸着により成膜を行なう成膜装置、及び斜方スパッタにより成膜を行なう成膜装置について述べる。
上記成膜基板保持治具を備える成膜装置について図14及び図15を用いて説明する。ここで、成膜装置に用いられる成膜基板保持治具として、例えば、上記した第1実施形態の成膜基板保持治具10を用いた場合を例にあげて説明する。
図14に示すイオンビームスパッタ装置100は、成膜室としての成膜チャンバ101と、該成膜チャンバ101内に設けられ成膜材料の成膜分子を射出させるイオンガン102と、成膜チャンバ101内に具備されるとともに複数の基板14を保持した成膜基板保持治具とを備えている。そして、イオンガン102からターゲット103にイオンビームを照射し、ターゲット103をスパッタリングすることにより該ターゲット103から放出されたスパッタ粒子を、成膜基板保持治具10に保持されている全ての基板14上に、一定の入射角度θs(傾斜角度)で堆積させて成膜を行っている。このようなターゲット103の材料としては、基板14上に成膜する所望の材料を適宜採用することができる。そして、成膜チャンバ101には、その内部圧力を制御し、所望の真空度を得るための真空ポンプ104が接続されている。
イオンビームスパッタ装置100に具備される成膜基板保持治具は、ターゲット22と基板14の基板面重心位置とを結ぶ基準線X1と、基板14の被成膜面14aと垂直に交わる直線X2とのなす角θ0が、所定値となるように成膜チャンバ111内に保持される。
図15に示す真空蒸着装置110は、成膜室としての成膜チャンバ111と、該成膜チャンバ111内に設けられ成膜材料の蒸気流を発生させる蒸着源112と、成膜チャンバ101の内部圧力を制御し、所望の真空度を得るための真空ポンプ114と、成膜チャンバ111内に具備されるとともに複数の基板14を保持した成膜基板保持治具とを備えている。図中矢印Y1で示すように、蒸着源112から昇華した成膜材料が、成膜基板保持治具に保持されている全ての基板14に対して一定の入射角度θs(傾斜角度)で連続入射する。これにより、基板14に成膜材料が斜め柱状に堆積しさせて成膜を行なっている。成膜材料としては、基板14上に成膜する所望の材料を適宜採用することができる。
真空蒸着装置110に具備される成膜基板保持治具は、蒸着源112と基板14の基板面重心位置とを結ぶ基準線X1と、基板14の被成膜面14aと垂直に交わる直線X2とのなす角θ0が、所定値となるように、保持機構に保持される。
また、図14,15において矢印Y1によって示される、成膜分子の進行方向(成膜材料の成膜方向)と、成膜が施される基板14(被成膜面14a)とのなす角度θs(入射角度)が、成膜基板保持治具10に備えられている全ての基板14において一定となるように、成膜基板保持治具10の取り付け方向が適宜調整可能となっている。本実施形態では斜方蒸着を行うことから、各基板14の被成膜面14aに対する入射角度θsは90°未満で設定される。
本発明に係る各実施形態の成膜基板保持治具10,…,60を用いれば、イオンビームスパッタ装置100及び真空蒸着装置110によって成膜処理を行なう際、基板を保持している保持基材12,21,31,41、第1ワイヤー51及び第2ワイヤー52が成膜分子を遮ることがない。そのため、基板の被成膜面を全面露出することができる。
したがって、成膜基板保持治具10,…,60に保持される全ての基板14,28,28’,38の被成膜面14a,28A,28A’,38Aに対して、未成膜部分を発生させることなく全面的に均一な蒸着膜を形成することが可能となる。よって、基板への蒸着膜の形成不良をなくすことができ、成膜形成処理精度を向上させることができる。
さらに、成膜基板保持治具10,…,60に保持される全ての基板14,28,28’,38の被成膜面14a,28A,28A’,38Aに対して、同じ入射角度θで成膜分子を蒸着させることができる。これにより、膜厚の均一化を図ることができ、所望とする膜性能を有した蒸着膜を得ることができる。
また、成膜分子の入射が、45°以下の低角度入射であっても、未成膜部分を発生させることなく、良好な膜性能を有した蒸着膜を形成することができる。また、成膜基板保持治具10,…,60には、複数の基板を載置させることができるので、一度に多くの基板を処理することが可能になることから作業効率が良い。
さらに、処理温度が比較的低温なPVD法を用いて成膜を行なうことから、基板の被成膜面に対する熱の影響が少なくて済む。そのため、例えば、基板の被成膜面上に配された配線や電極等が損傷することを防止することができる。
真空蒸着法により成膜処理を行なうことにより、成膜分子に過大なエネルギーを与えることなく、熱速度程度の運動エネルギーで蒸着を行なうことができる。これにより、成膜分子を斜めに整列させる上で有利になる。
一方、イオンビームスパッタ法により成膜処理を行なうことにより、金属、合金、化合物及び有機物等、ほとんど全ての物質を蒸着させることができる。また、基板に対する付着性もよい。
なお、本実施形態はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、且つ当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
水平面に対する保持基材の傾斜角度θは、基板への所望とする膜性能、保持する基板の大きさや数、成膜基板保持治具が後述の成膜装置へ装着されるときの条件等が適宜考慮される。
第1,2実施形態に係る成膜基板保持治具の概略構成を示す平面図である。 第1実施形態に係る保持基材の概略構成を示す側断面図である。 第1実施形態に係る保持基材による基板の保持状態を示す説明図である。 第2実施形態に係る保持基材の概略構成を示す側断面図である。 第2実施形態に係る保持基材による基板の保持状態を示す説明図である。 第3,4実施形態に係る成膜基板保持治具の概略構成を示す平面図である。 第3実施形態に係る保持基材の概略構成を示す側断面図である。 第3実施形態に係る保持基材による基板の保持状態を示す説明図である。 第4実施形態に係る保持基材の概略構成を示す側断面図である。 第4実施形態に係る保持基材による基板の保持状態を示す説明図である。 第5実施形態に係る成膜基板保持治具の概略構成を示す斜視図である。 第5実施形態に係る成膜基板保持治具による基板の保持状態を示す説明図である。 第6実施形態に係る成膜基板保持治具の概略構成を示す断面図である。 イオンビームスパッタ装置の概略構成図である。 蒸着装置の概略構成図である。 基板の被成膜面に対する成膜分子の入射角度を示す説明図である。 従来の他の実施形態の成膜基板保持治具の概略構成を示す側断面図である。 図17に示す成膜基板保持治具を用いて成膜する際の課題を示す説明図である。
符号の説明
10,20,30,40,50,60…成膜基板保持治具、14,28,28’,38…基板、14a,28A,28A’,38A…被成膜面、,13,26…溝部(保持部)、33,43…突部(保持部)、51…第1ワイヤー(第一線材)、52…第2ワイヤー(第2線材)、100…イオンビームスパッタ装置、110…蒸着装置

Claims (9)

  1. 側面に凹部又は凸部が設けられた基板の表面に斜方成長膜法によって成膜する成膜基板の製造装置であって、
    前記凹部又は凸部を係合する保持部を有した保持基材を複数備え、
    前記保持基材を、前記成膜基板の側面方向に対して対向するように配置し、
    互いに対向する前記保持基材の前記保持部どうしによって、前記成膜基板の凹部又は凸部を保持するとともに、
    前記成膜基板の被成膜面よりも前記保持基材の上面が突出しないことを特徴とする成膜基板の製造装置。
  2. 前記保持部が、隣り合う他の保持治基材側に向かって開口する溝であることを特徴とする請求項1記載の成膜基板の製造装置。
  3. 前記保持部が、隣り合う他の保持基材側に向かって突出する突部からなることを特徴とする請求項1記載の成膜基板の製造装置。
  4. 複数の前記基板を保持可能とするものであって、
    前記保持基材を複数連設し、前記保持部の傾斜角度が連設方向に沿って大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至3記載の成膜基板の製造装置。
  5. 側面に凹部又は凸部が設けられた基板の表面に斜方成長膜法によって成膜する成膜基板の製造装置であって、
    前記凹部又は凸部を係合する第一線材を複数備え、
    前記第一線材を、前記成膜基板の側面方向に対して対向するように配置し、
    互いに対向する前記第一線材どうしによって、前記成膜基板の凹部又は凸部を保持するとともに、
    前記成膜基板の被成膜面よりも前記第一線材が突出しないことを特徴とする成膜基板の製造装置。
  6. 前記一対の第一線材に対して垂直に延在する第二線材を少なくとも一対有することを特徴とする請求項5記載の成膜基板の製造装置。
  7. 複数の前記基板を保持可能とするものであって、
    前記第一線材を複数連設し、前記第一線材の高さ位置が連設方向に沿って高くなっていることを特徴とする請求項5又は6記載の成膜基板の製造装置。
  8. 前記斜方成長膜法は、真空蒸着法による斜方蒸着であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の成膜基板の製造装置。
  9. 前記斜方成長膜法は、イオンビームスパッタ法による斜方スパッタであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の成膜基板の製造装置。
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