JP2008053051A - 有機発光装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上に形成される電極膜のヒロック等に起因する欠陥を抑制できる有機発光装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】有機発光トランジスタ1は、シリコン酸化膜3が形成された基板2と、このシリコン酸化膜3上に所定の間隔を隔てて形成され、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金から構成されるゲート電極4と、ゲート電極4の上に積層されたゲート絶縁膜5と、ゲート絶縁膜5の上に所定の間隔を隔てて形成された一対の電極6,7(ソース・ドレイン電極)と、電極6,7の上に形成された有機発光層8とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、有機発光トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子その他の有機発光装置およびその製造方法に関する。
近年、有機発光トランジスタや有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)のような有機発光装置を用いた表示デバイスが知られている。これら有機発光装置の一つの構造は、いわゆるトップエミッション型である。トップエミッション型有機発光装置は、基板上に形成された有機発光層から発生する光を基板から有機発光層へと向かう方向に取り出すもので、有機発光層から基板側へと向かう光を基板上に形成された電極膜で反射させる構造となっている。
たとえば、トップエミッション型有機発光トランジスタは、たとえば、図7に示す構造を有している。この例では、基板101の上に、ゲート電極膜102が、たとえば、スパッタリング等により成膜されており、このゲート電極膜102の上にゲート絶縁膜103が成膜されている。さらに、このゲート絶縁膜103の上に、電極104,105(ソース・ドレイン電極)および有機発光層106が形成されている。この有機発光トランジスタ100では、ゲート電極膜102が、有機発光層106から基板101側へと向かう光を反射するための反射膜として機能する。
また、トップエミッション型有機ELは、たとえば、図8に示す構造を有している。この例では、基板201の上に、反射膜202(陽極)が、たとえば、スパッタリング等により成膜されており、この反射膜202の上に絶縁膜203が成膜されている。さらに、この絶縁膜203の一部(より具体的には、反射膜202と有機EL層204との接触部分)がエッチングされていて、その上に有機EL層204(より具体的には、正孔輸送層214、発光層224、電子輸送層234)および透明電極205(陰極)が形成されている。
これらトップエミッション型有機発光装置の反射膜102,202(電極を兼ねるもの)の材料としては、一般的に、高反射率を示すアルミニウムが用いられ、これにより、光取り出し効率の向上が図られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2006−040580号公報 特開2004−335774号公報
ところが、アルミニウムを用いて反射膜102,202を形成すると、絶縁膜103,203の成膜時の熱履歴により、微細な突起物であるヒロックまたはウィスカー(以下「ヒロック等」という。)が反射膜102,202に発生する場合があり、このヒロック等に起因する欠陥が問題となっている。
たとえば、有機発光トランジスタにおいては、図9に示すように、ゲート電極膜102の表面に、ヒロック等107が発生してゲート絶縁膜103を貫通すると、ゲート電極膜102と電極104,105とが短絡する。これにより、電極104,105間にリーク電流(図9の矢印A参照)が流れ、発光効率が低下するという問題がある。
また、有機ELにおいても同様に、図10に示すように、ヒロック等206に起因して、反射膜202(陽極)と電子輸送層234との間にリーク電流が流れて発光層224にホールを供給できなくなったり(図10の矢印B参照)、ヒロック等207に起因して、電極202,205間に短絡電流が流れたり(図10の矢印C参照)するという問題がある。
そこで、この発明の目的は、基板上に形成される電極膜のヒロック等に起因する欠陥を抑制できる有機発光装置およびその製造方法を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板と、この基板上に形成され、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金からなる電極膜と、この電極膜に接触して形成された絶縁膜と、前記電極膜に対向して形成された有機発光層とを含む、有機発光装置である。
この有機発光装置によれば、基板上に形成される電極膜は、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金からなる。電極膜材料として、タンタルやプラチナのような高融点物質を含有する合金を用いることによって、絶縁膜成膜時の熱履歴に起因するヒロック等の発生を抑制することができる。その結果として、ヒロック等に起因する欠陥を抑制することができる。さらに、電極膜が、高い導電率を示すアルミニウムを含有する合金なので、電極膜の低抵抗化を実現することもできる。
請求項2記載の発明は、前記アルミニウム合金は、7.0%〜14.0%の含有率でタンタルを含む、請求項1記載の有機発光装置である。
アルミニウム合金中に、上記した範囲でタンタルが含有されていると、ヒロック等の抑制および電極膜の低抵抗化をバランスよく実現することができる。また、電極膜をウェットエッチングする際、エッチング速度の低下を抑制することもでき、容易に電極膜のパターニングをすることができる。
請求項3記載の発明は、前記アルミニウム合金は、10.0%〜21.0%の含有率でプラチナを含む、請求項1または2記載の有機発光装置である。
アルミニウム合金中に、上記した範囲でプラチナが含有されていると、ヒロック等の抑制および電極膜の低抵抗化をバランスよく実現することができる。また、電極膜をウェットエッチングする際、エッチング速度の低下を抑制することもでき、容易に電極膜のパターニングをすることができる。
請求項4記載の発明は、前記有機発光層から発生した光が、前記電極膜から前記有機発光層へと向かう方向に取り出されるトップエミッション型有機発光装置であり、前記電極膜が、前記有機発光層から当該電極膜へと入射した光を前記有機発光層に向けて反射する反射膜として兼用されるようになっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機発光装置である。
この有機発光装置は、いわゆるトップエミッション型であり、発光した光を反射させる反射膜として、前記したアルミニウム合金からなる電極膜が兼用される。すなわち、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金を用いることによって、反射率が高く、かつ、低抵抗な電極膜を、ヒロック等を抑制しつつ形成することができる。これにより、光取り出し効率を向上させることができる。
請求項5記載の発明は、前記有機発光層は、前記絶縁膜を挟んで前記電極膜に対向しており、前記有機発光層に接触するソース電極およびドレイン電極をさらに含み、前記電極膜は、前記ソース電極およびドレイン電極間の領域において前記絶縁膜を挟んで前記有機発光層に対向するゲート電極である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機発光装置である。
この有機発光装置は、いわゆる、有機発光トランジスタである。すなわち、電極膜は、ソース電極およびドレイン電極間の領域において絶縁膜を挟んで有機発光層に対向するゲート電極として機能する。このような有機発光トランジスタにおいても、ヒロック等に起因する欠陥を抑制することができる。その結果として、たとえば、ゲート電極およびソース・ドレイン電極間にリーク電流が流れることを抑制することができる。むろん、電極膜の低抵抗化を実現することもでき、トップエミッション型有機発光トランジスタの場合には、光取り出し効率を向上させることもできる。
請求項6記載の発明は、前記有機発光層は、前記電極膜に接触しており、前記有機発光層を挟んで前記電極膜に対向する光透過性電極膜をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機発光装置である。
この有機発光装置は、いわゆる、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)である。このような有機ELにおいても、ヒロック等に起因する欠陥を抑制することができる。その結果として、たとえば、電極膜および光透過性電極膜間にリーク電流または短絡電流が流れることを抑制することができる。むろん、電極膜の低抵抗化を実現することもでき、トップエミッション型有機発光トランジスタの場合には、光取り出し効率を向上させることもできる。
光透過性電極膜の材料としては、たとえば、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化錫(SnO2)との固溶体)、IZO(酸化インジウム亜鉛)または酸化亜鉛(ZnO)等の透明電極材料や、たとえば、光が通過できるような金属薄膜等が挙げられる。
請求項7記載の発明は、基板上にタンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金からなる電極膜を形成する工程と、この電極膜に接触する絶縁膜を形成する工程と、前記電極膜に対向するように有機発光層を形成する工程とを含む、有機発光装置の製造方法である。
この有機発光装置の製造方法によれば、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金からなる電極膜が形成される。そのため、製造工程において、絶縁膜形成時の熱履歴に起因するヒロック等が電極膜に発生することを抑制できる。その結果として、ヒロック等が発生した欠陥品の発生を抑制できる。もちろん、電極膜がアルミニウム合金なので、低抵抗の電極膜を有する有機発光装置を製造することができる。
電極膜の形成方法としては、たとえば、スパッタリング法、蒸着法その他の物理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CVD法)等が挙げられる。
請求項8記載の発明は、前記電極膜を形成する工程は、アルミニウムと、タンタルおよびプラチナの少なくともいずれか一方とを、前記基板上に同時に気相堆積させる工程を含む、請求項7記載の有機発光装置の製造方法である。
この製造方法によれば、電極膜は、アルミニウムと、タンタルおよびプラチナの少なくともいずれか一方とを、前記基板上に同時に気相堆積することによって形成される。このように、各含有物質を同時に気相堆積することによって、各含有物質が電極膜中に偏在することを防止できるので、絶縁膜の形成時に電極膜にヒロック等が生じることを抑制できる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る有機発光装置の構成を図解的に示す断面図である。
この有機発光装置は、いわゆるトップエミッション型有機発光トランジスタ1である。
有機発光トランジスタ1は、シリコン酸化膜(SiO2)3が形成された基板2と、このシリコン酸化膜3上に形成されたゲート電極4と、基板2上においてゲート電極4から所定の間隔を開けて形成された配線膜30と、ゲート電極4および配線膜30を覆うように基板2上に形成されたゲート絶縁膜5と、ゲート絶縁膜5の上においてゲート電極4の直上の領域に所定の間隔を隔てるように形成された一対の電極6,7(ソース・ドレイン電極)と、電極6,7間に跨り、それらの間の領域でゲート絶縁膜5に接するように形成された有機発光層8とを備えている。
基板2は、たとえば、シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板その他の適切な基板材料で構成されている。
ゲート電極4は、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金から構成される。とりわけ、ゲート電極4は、7.0%〜14.0%の含有率でタンタルを含んでいることが好ましい。また、10.0%〜21.0%の含有率でプラチナを含んでいることが好ましい。これらの範囲でタンタルおよび/またはプラチナを含んでいれば、ゲート電極4にヒロック等が発生することを抑制し、ゲート電極4の低抵抗化を図ることができ、かつ、反射率の良好な(すなわち、反射膜として兼用可能な)ゲート電極4を形成できる。すなわち、ヒロック等の抑制およびゲート電極4の低抵抗化を、バランスよく実現することができる。また、ゲート電極4をウェットエッチングする際、エッチング速度の低下を抑制することもでき、容易にゲート電極4のパターニングをすることができる。これらの含有率は、ゲート電極4の厚みに応じて、適宜変更することができる。たとえば、ゲート電極4を厚く形成するときには、タンタルおよび/またはプラチナの含有率を高くすればよい。
ゲート電極4は、有機発光層8からゲート電極4へと入射した光を、有機発光層8に向けて反射する反射膜として兼用されている。ゲート電極4を構成する合金に含有されるアルミニウムは、高い反射率を示すため、ゲート電極4が反射膜として機能することによって、有機発光トランジスタ1の光取り出し効率を向上させることができる。
ゲート絶縁膜5は、たとえば、酸化シリコン(SiO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、酸化アルミニウム(Al2O3)ならびに、ノボラック樹脂およびポリイミド等のポリマー、等から構成される。
電極6,7の一方は、有機発光層8に電子を注入する電子注入電極6(ソース電極)であり、他方は、有機発光層8に正孔を注入する正孔注入電極7(ドレイン電極)である。電極6,7は、有機発光層8に適用される有機材料を考慮して、この有機発光層8に電子および正孔を注入しやすい材料が適用される。具体的には、たとえば、金(Au)、金−クロム(Au-Cr)合金、マグネシウム−銀(Mg-Ag)合金、アルミニウム−リチウム(Al-Li)合金、カルシウム(Ca)、白金(Pt)、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化錫(SnO2)との固溶体)等で電極6,7を構成することができる。
ゲート絶縁膜5の配線膜30に対向する部分には、コンタクトホール9が形成されており、このコンタクトホール9を介して電子注入電極6が配線膜30と電気的に接続されている。これにより、電子注入電極6に電圧を印加することができる。正孔注入電極7には、図外の配線膜を介して電圧を与えることができるようになっている。
有機発光層8は、たとえば、電子および正孔の注入により単層で発光するバイポーラ型有機半導体材料で構成することができるほか、N型有機材料(電子輸送性材料)で構成されたN型有機半導体層とP型有機材料(正孔輸送性材料)で構成されたP型有機半導体層との積層構造膜によって構成することができる。さらには、電子注入電極6側にN型有機半導体層を配置し、正孔注入電極7側にP型有機半導体層を配置するとともに、N型およびP型有機半導体層を電極6,7間のいずれかの位置(たとえば中間部)において接合させてPN接合部を形成した構成によって有機発光層8を形成することもできる。
バイポーラ型有機半導体材料としては、たとえば、TPPy(Tetra Phenyl Pylene)にルブレンをドーパントとして導入したもの、α−NPD、Alq3(Tris(8-hydroxyquinolinato)alminum(III))、CBP(4,4'-Bis(carbazol-9-y1)biphenyl)、BSA−1m(9,10-Bis(3-cyanostilil)anthracene)、MEHPPV(Poly[2-Methoxy-5-(2-ethylhexyloxy)-1,4-phenylenevinylene])、CN−PPP(Poly[2-(6-cyano-6-methylheptyloxy)-1,4-phenylene])、Bis(2-(2-hydroxyphenyl)-benz-1,3-thiazolato)zinc complex、Poly[(9,9-dihexylfluoren-2,7-diyl)-co-(anthracen-9,10-diyl)]等を例示できる。
また、N型有機半導体材料としては、たとえば、NTCDI、C6-NTC、C8-NTC、F15-octyl-NTC、F3-MeBn-NTC等のNTCDI系材料。PTCDI、C6-PTC、C8-PTC、C12-PTC、C13-PTC、Bu-PTC、F7Bu-PTC、Ph-PTC、F5Ph-PTC等のPTCDI系材料。その他、TCNQ、C60フラーレン、F16-CuPc、F14-Pentacene等を例示できる。
さらに、P型有機半導体材料としては、たとえば、Pentacene、Tetracene、Anthracene 等のアセン系材料。Copper Phthalocyanine等のフタロシアニン系材料。α-sexithiophene、α,ω-Dihexyl-sexithiophene、dihexyl-anthradithiophene、Bis(dithienothiophene)、α,ω-Dihexyl-quinquethiophene等のオリゴチオフェン材料。poly(3-hexylthiophene)、poly(3-butylthiophene)等のポリチオフェン材料。その他、oligophenylene、oligophenylenevinylene、TPD、α-NPD、m-MTDATA、TPAC、TCTA 等の低分子材料や、poly(phenylenevinylene)、poly(thienylenevinylene)、polyacetylene、poly(vinylcarbazole)等の高分子材料等を例示できる。
有機発光トランジスタ1において、発光時には、電極6,7には、電子注入電極6が負側となる電圧が印加される。この状態で、ゲート電極4に適当な電位の電圧を印加することにより、電子注入電極6から有機発光層8に電子が注入されると共に、正孔注入電極7から有機発光層8に正孔が注入される。そして、これらの電子と正孔とが有機発光層8内で再結合することにより、有機発光層8が発光する。発生した光は、基板2から離れる方向(上方)へと伝搬する他、基板2へと向かう方向(下方)へも伝搬する。基板2へと向かった光は、ゲート電極4で反射され、その反射光は、ゲート絶縁膜5および有機発光層8を透過して外部(上方)へと取り出される。前述のとおり、ゲート電極4は、アルミニウムが含有される合金で構成されるので、十分な反射率を備えているから、良好な光取り出し効率を得ることができる。
図2A〜図2Oは、図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図である。
まず、図2Aに示すように、基板2の上に、シリコン酸化膜3が形成される。シリコン酸化膜3の形成方法としては、たとえば、シリコンからなる基板2を、高温雰囲気に晒し、シリコンと酸素とを反応させる熱酸化法等が挙げられる。
次に、図2Bに示すように、シリコン酸化膜3の上に、ゲート電極4となるゲート層10が形成される。ゲート層10の形成方法としては、たとえば、スパッタリング法、蒸着法その他の物理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CVD法)等の気相堆積法が挙げられ、アルミニウムと、タンタルおよびプラチナの少なくともいずれか一方とが、同時にシリコン酸化膜3の上に堆積される。このように、各含有物質を同時に気相堆積することによって、各含有物質がゲート層10中に偏在することを防止し、ヒロック等に起因する欠陥を抑制することができるゲート層10を成膜することができる。
次に、図2Cに示すように、ゲート層10の上にフォトレジスト11が塗布される。フォトレジスト11としては、紫外線露光を受けることにより、アルカリ現像液(たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)。以下同じ。)に対して可溶な性質に化学変化するものが用いられる。そして、この状態の基板2の上方にフォトマスク12Aが配置され、フォトレジスト11が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク12Aには、ゲート電極4および配線膜30の形状の反転パターンの開口12aおよび開口12bが形成されていて、この開口12aおよび開口12bに対応する領域のフォトレジスト11が選択的に紫外線露光される。これにより、フォトレジスト11の開口12aおよび開口12bに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
次に、図2Dに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト11を現像することにより、ゲート電極4および配線膜30を形成すべき領域の反転パターンのゲート層10が露出させられる。そして、残存するフォトレジスト11に適切なベーク処理を施した後、このゲート層10の露出部分がエッチング液(たとえば、フッ酸等。以下同じ。)によって、エッチングされ、残存するフォトレジスト11が剥離剤を用いて剥離される。
これにより、図2Eに示すように、シリコン酸化膜3の上にゲート電極4および配線膜30が形成される。
次に、図2Fに示すように、全面にゲート絶縁膜5が形成される。このゲート絶縁膜5は、たとえば、酸化シリコン(SiO2)を用いて、膜厚250nmで形成される。ゲート絶縁膜5の形成は、たとえば、CVD法によって行なわれる。
次に、図2Gに示すように、ゲート絶縁膜5の上にフォトレジスト13が塗布される。フォトレジスト13としては、紫外線露光を受けることにより、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化するものが用いられる。そして、この状態の基板2の上方にフォトマスク12Bが配置され、フォトレジスト13が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク12Bには、コンタクトホール9に対応する形状の開口12cが形成されていて、この開口12cに対応する領域のフォトレジスト13が選択的に紫外線露光される。これにより、フォトレジスト13の開口12cに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
次に、図2Hに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト13を現像することにより、コンタクトホール9を形成すべき領域のゲート絶縁膜5が露出させられる。そして、残存するフォトレジスト13に適切なベーク処理を施した後、このゲート絶縁膜5の露出部分がエッチング液によってウェットエッチングされ、さらに、たとえば、四フッ化炭素(CF4)と酸素(O2)との混合ガスによってドライエッチングされる。その後、残存するフォトレジスト13が剥離剤を用いて剥離される。
これにより、図2Iに示すように、ゲート絶縁膜5に、配線膜30の上面の一部を露出させるコンタクトホール9が形成される。
次に、図2Jに示すように、ゲート絶縁膜5の上においてゲート電極4の直上の領域に、電極6,7に対応する形状とは反対パターンの二層レジスト14,15が形成される。この略逆台形断面の二層レジスト14,15の形成には、たとえば、特許文献2に記載されているような公知のレジストパターン形成方法を用いることができる。
次に、図2Kに示すように、全面に電極6,7が形成される。この電極6,7は、たとえば、金−クロム(Au-Cr)合金を用いて、膜厚Au(50nm)/Cr(1.2nm)で形成される。なお、電極6,7の形成も、上記したゲート層10の形成方法と同様の方法により行なわれる。二層レジスト14,15の働きにより、ゲート電極4の直上の所定領域には電極材料が堆積せず、その結果、電極6,7間に間隔を形成することができる。
次に、図2Lに示すように、アルカリ現像液を用いて、二層レジスト14,15が溶解させられる。これにより、電極6,7の不要部分が二層レジスト14,15とともにリフトオフされる。この後、次に形成される有機発光層8とゲート絶縁膜5との密着力を強化するための表面処理として、HMDS蒸気処理やBT蒸気処理が行われる。
次に、図2Mに示すように、ゲート絶縁膜5および電極6,7の上にフォトレジスト16が塗布される。フォトレジスト16としては、紫外線露光を受けることにより、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化するものが用いられる。そして、この状態の基板2の上方にフォトマスク12Cが配置され、フォトレジスト16が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク12Cには、有機発光層8に対応する形状の開口12dが形成されていて、この開口12dに対応する領域のフォトレジスト16が選択的に紫外線露光される。これにより、フォトレジスト16の開口12dに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
次に、図2Nに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト16を現像することにより、有機発光層8を形成すべき領域のゲート絶縁膜5および電極6,7が露出させられる。この後、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト16が紫外線によって露光される。そして、全面に有機発光層8が蒸着され、さらに、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト16が溶解させられる。
これにより、図2Oに示すように、有機発光層8の不要部分がフォトレジスト16とともにリフトオフされる。こうして、図1に示す構成の有機発光トランジスタ1が作製される。この有機発光トランジスタ1は、その後、窒素(N2)ガス雰囲気で、適切な封止材によって封止されることになる。
このように、ゲート電極4の材料として、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金が用いられるため、製造工程において、ゲート絶縁膜5形成時の熱履歴に起因するヒロック等の発生を抑制することができる。その結果として、ヒロック等が発生した欠陥品の発生を抑制することができる。もちろん、ゲート電極4は、アルミニウムを含む合金からなるので、十分な光反射率および導電率を有しており、したがって、有機発光トランジスタ1の光取り出し効率を向上させることもでき、かつ、ゲート電極4の低抵抗化を実現することもできる。
図3は、この発明の他の実施形態に係る有機発光装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
この有機発光装置は、いわゆるトップエミッション型有機EL17である。
有機EL17は、シリコン酸化膜19が形成された基板18と、シリコン酸化膜19上に形成された信号電極21(反射膜)と、信号電極21の上に積層された絶縁膜20と、絶縁膜20の上(より具体的には、後述するコンタクトホール24の上)に積層された有機層22と、有機層22の上に形成された走査電極23(光透過性電極膜)とを備えている。
基板18の材料としては、たとえば、上記した第1の実施形態の有機発光トランジスタ1における基板2と同様の材料が挙げられる。
絶縁膜20についても同様に、上記した第1の実施形態の有機発光トランジスタ1におけるゲート絶縁膜5と同様の材料で構成することができる。
絶縁膜20の信号電極21に対向する部分には、コンタクトホール24が形成されている。このコンタクトホール24が形成されることにより、信号電極21と有機層22(より具体的には、後述する正孔輸送層221)とが接触し、信号電極21から有機層22に正孔を注入することができる。
信号電極21は、有機層22に正孔を注入するための電極であり、上記した第1の実施形態の有機発光トランジスタ1におけるゲート電極4と同様の材料で構成されている。すなわち、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金から構成される。とりわけ、信号電極21は、7.0%〜14.0%の含有率でタンタルを含んでいることが好ましい。また、10.0%〜21.0%の含有率でプラチナを含んでいることが好ましい。これらの範囲でタンタルおよび/またはプラチナを含んでいれば、信号電極21にヒロック等が発生することを抑制しながら、信号電極21の低抵抗化を図ることができ、かつ信号電極21の光反射率を良好な値とすることができる。すなわち、ヒロック等の抑制および信号電極21の低抵抗化ならびに反射率を、バランスよく実現することができる。また、信号電極21をウェットエッチングする際、エッチング速度の低下を抑制することもでき、容易に信号電極21のパターニングをすることができる。これらの含有率は、信号電極21の厚みに応じて、適宜変更することができる。たとえば、信号電極21を厚く形成するときには、タンタルおよび/またはプラチナの含有率を高くすればよい。
また、信号電極21は、有機層22から信号電極21へと入射した光を、有機層22に向けて反射する反射膜として兼用されている。信号電極21を構成する合金に含有されるアルミニウムは、高い反射率を示すため、信号電極21が反射膜として機能することによって、有機EL17の光取り出し効率を向上させることができる。
有機層22は、有機EL17における発光部分であり、正孔輸送層221と、発光層222と、電子輸送層223と積層して構成されている。
正孔輸送層221は、信号電極21から注入される正孔を発光層222へと輸送するための層であり、たとえば、α-NPD、TPD等のジアミン系材料、またはm-TDATA等で構成される。信号電極21から正孔輸送層221への正孔の注入を容易にするため、正孔輸送層221と信号電極21との間に正孔注入層を介装してもよい。このような正孔注入層の材料としては、たとえば、Copper Phthalocyanine、m-MTDATA(たとえば、層厚は1nm以下)等が挙げられる。
発光層222は、正孔輸送層221から正孔の供給を受け、また、電子輸送層223から電子の供給を受けて、これら正孔および電子を再結合させることによって発光を生じさせる層である。
発光層222は、キャリヤ(正孔または電子)輸送能力を有している必要はないが、正孔輸送層221および電子輸送層223よりも発光量子効率の高い有機半導体材料からなるものであることが好ましく、たとえば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq3)等蛍光を示す金属錯体系材料膜、このような金属錯体系材料にDCM2、Rebrene、Coumaline、Perylene等の他の蛍光色素をドープした膜、および、4,4'-Bis(carbazol-9-yl)biphenyl(CBP)に、fac-tris(2-phenypyridine)iridium(Ir(ppy)3)等のりん光発光色素をドープした膜のうち、少なくとも一つを含む単層または複合層(複数層の積層膜)とすることが好ましい。
電子輸送層223は、走査電極23から注入される電子を発光層222へと輸送するための層であり、たとえば、Alq3等の金属錯体系材料から構成される。走査電極23から電子輸送層223への電子の注入を容易にするため、電子輸送層223と走査電極23との間に電子注入層を介装してもよい。このような電子注入層の材料としては、たとえば、Alq3やBathophenanthroline等の電子輸送性有機半導体にリチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属をドープした層、フッ化リチウム(LiF)を始めとするアルカリ金属・アルカリ土類金属フッ化物、酸化ゲルマニウム(GeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)等が挙げられる。
走査電極23は、電子輸送層223に電子を注入するための電極であり、信号電極21で反射された光を外部に取り出しやすい光透過性材料、たとえば、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化錫(SnO2)との固溶体)、IZO(酸化インジウム亜鉛)または酸化亜鉛(ZnO)等の透明電極材料や、たとえば、光が通過できるような金属薄膜等から構成される。
有機EL17において、発光時には、たとえば、信号電極21を正側とし、走査電極23を負側とする電圧が印加される。これにより、正孔輸送層221に正孔が注入され、電子輸送層223に電子が注入される。そして、これらの電子と正孔とが各層を輸送され、発光層222内で再結合することにより発光する。発生した光の一部は、走査電極23側へ伝搬して外部に取り出される。また、発生した光の一部は基板18側へと向かう。この光は、信号電極21で反射され、その反射光は、絶縁膜20、有機層22および走査電極23を透過して外部に取り出される。
図3の構成の有機EL17を基板18上に複数個マトリクス配列することにより、2次元表示装置を構成することができる。
図4A〜図4Lは、図3の有機EL17の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。この図4において、前述の図2に示された各部に対応する部分には、図2の場合と同一の参照符号を付して示す。
まず、図4Aに示すように、基板18の上に、シリコン酸化膜19が形成される。シリコン酸化膜19の形成方法としては、熱酸化法やCVD法を適用できる。
次に、図4Bに示すように、シリコン酸化膜19の上に、信号電極21となる信号電極層25が形成される。信号電極層25の形成方法としては、たとえば、スパッタリング法、蒸着法その他の物理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CVD法)等の気相堆積法が挙げられ、アルミニウムと、タンタルおよびプラチナの少なくともいずれか一方とが、同時にシリコン酸化膜19の上に堆積される。このように、各含有物質を同時に気相堆積することによって、各含有物質が信号電極層25中に偏在することを防止し、ヒロック等に起因する欠陥を抑制することができる信号電極層25を成膜することができる。
次に、図4Cに示すように、信号電極層25の上にフォトレジスト11が塗布される。そして、この状態の基板18の上方にフォトマスク12Dが配置され、フォトレジスト11が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク12Dには、信号電極21に対応する形状とは反対パターンの開口12eが形成されていて、この開口12eに対応する領域のフォトレジスト11が選択的に紫外線露光される。これにより、フォトレジスト11の開口12eに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
次に、図4Dに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト11を現像することにより、信号電極21を形成すべき領域とは反対パターンの信号電極層25が露出させられる。そして、残存するフォトレジスト11に適切なベーク処理を施した後、この信号電極層25の露出部分がエッチング液によって、エッチングされ、残存するフォトレジスト11が剥離剤を用いて剥離される。
これにより、図4Eに示すように、シリコン酸化膜19の上に信号電極21が形成される。
次に、図4Fに示すように、全面に絶縁膜20が形成される。この絶縁膜20は、たとえば、酸化シリコン(SiO2)を用いて、膜厚250nmで形成される。なお、絶縁膜20の形成も、上記した信号電極層25の形成方法と同様の方法により行なわれる。
次に、図4Gに示すように、絶縁膜20の上にフォトレジスト13が塗布される。そして、この状態の基板18の上方にフォトマスク12Eが配置され、フォトレジスト13が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク12Eには、コンタクトホール24に対応する形状の開口12fが形成されていて、この開口12fに対応する領域のフォトレジスト13が選択的に紫外線露光される。これにより、フォトレジスト13の開口12fに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
次に、図4Hに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト13を現像することにより、コンタクトホール24を形成すべき領域の絶縁膜20が露出させられる。そして、残存するフォトレジスト13に適切なベーク処理を施した後、この絶縁膜20の露出部分がエッチング液によってウェットエッチングされ、さらに、たとえば、四フッ化炭素(CF4)と酸素(O2)との混合ガスによってドライエッチングされる。その後、残存するフォトレジスト13が剥離剤を用いて剥離される。
これにより、図4Iに示すように、絶縁膜20にコンタクトホール24が形成される。
次に、図4Jに示すように、絶縁膜20の上にフォトレジスト13が塗布される。そして、この状態の基板18の上方にフォトマスク12Fが配置され、フォトレジスト13が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク12Fには、有機層22に対応する形状の開口12gが形成されていて、この開口12gに対応する領域のフォトレジスト13が選択的に紫外線露光される。これにより、フォトレジスト13の開口12gに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
次に、図4Kに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト13を現像することにより、有機層22を形成すべき領域の絶縁膜20が露出させられる。
次に、全面に正孔輸送層221、発光層222および電子輸送層223が、蒸着源を切り換えながら連続的に蒸着され、信号電極23上に有機層22が積層構造を有するように形成される。さらに、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト13が溶解させられる。
これにより、図4Lに示すように、有機層22の不要部分がリフトオフされ、有機EL17が完成する。この有機EL17は、その後、窒素(N2)ガス雰囲気中で、適切な封止材中に封止される。
このように、信号電極21の材料として、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金が用いられるため、製造工程において、絶縁膜20形成時の熱履歴に起因するヒロック等の発生を抑制することができる。その結果として、ヒロック等が発生した欠陥品の発生を抑制することができる。もちろん、信号電極21は、アルミニウムを含む合金からなるので、十分な光反射率および導電率を有しており、したがって、有機EL17の光取り出し効率を向上させることもでき、かつ、信号電極21の低抵抗化を実現することもできる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に実施例および比較例を示し、この発明をさらに具体的に説明するが、この発明は、むろん、以下の実施例に限定されものではない。
実施例1
厚さ930nmの酸化シリコン膜が表面に形成されたシリコン基板を用意し、酸化シリコン膜の上に、電極膜として、アルミニウム/タンタル(Al/Ta)合金膜(Ta含有率8%)を厚さ50nmとなるように、Co-Sputter法(スパッタ電力 Al(200W)/Ta(20W)で成膜した。そして、成膜したAl/Ta合金膜の上に、絶縁膜として、酸化シリコン膜を厚さ250nmとなるように、CVD法で成膜することにより、Al/Taゲート電極パネルを得た。
実施例2
実施例1と同様の方法により、Al/Taゲート電極パネルを得た。なお、Al/Ta合金膜については、スパッタ電力 Al(200W)/Ta(50W)で成膜し、そのTa含有率は18%であった。
実施例3
実施例1と同様の方法により、Al/Taゲート電極パネルを得た。なお、Al/Ta合金膜については、スパッタ電力 Al(200W)/Ta(10W)で成膜し、そのTa含有率は4%であった。
比較例1
厚さ930nmの酸化シリコン膜が表面に形成されたシリコン基板を用意し、酸化シリコン膜の上に、電極膜として、アルミニウム(Al)膜を厚さ50nmとなるように、Co-Sputter法で成膜した。そして、成膜したAl膜の上に、絶縁膜として、酸化シリコン膜を厚さ250nmとなるように、CVD法で成膜することにより、Alゲート電極パネルを得た。
比較例2
厚さ930nmの酸化シリコン膜が表面に形成されたシリコン基板を用意し、酸化シリコン膜の上に、電極膜として、タンタル(Ta)膜を厚さ55nmとなるように、Co-Sputter法で成膜した。そして、成膜したTa膜の上に、絶縁膜として、酸化シリコン膜を厚さ250nmとなるように、CVD法で成膜することにより、Taゲート電極パネルを得た。
実施例4
厚さ300nmの酸化シリコン膜が表面に形成されたシリコン基板を用意し、酸化シリコン膜の上に、アルミニウム/プラチナ(Al/Pt)合金膜(Pt含有率13%)を厚さ50nmとなるように、Co-Sputter法(スパッタ電力 Al(200W)/Pt(20W)、成膜時間 2700秒)で成膜した。そして、成膜したAl/Pt合金膜の上に、絶縁膜として、酸化シリコン膜を厚さ260nmとなるように、反応ガスSiH4をプラズマ化して行なうP−CVD法で成膜することにより、Al/Ptゲート電極パネルを得た。
実施例5
実施例4と同様の方法により、Al/Ptゲート電極パネルを得た。なお、Al/Pt合金膜については、スパッタ電力 Al(200W)/Pt(50W)で成膜し、そのPt含有率は31%であった。
実施例6
実施例4と同様の方法により、Al/Ptゲート電極パネルを得た。なお、Al/Pt合金膜については、スパッタ電力 Al(200W)/Pt(10W)で成膜し、そのPt含有率は7%であった。
実施例7
実施例4と同様の方法により、Al/Ptゲート電極パネルを得た。なお、Al/Pt合金膜については、スパッタ電力 Al(200W)/Pt(5W)で成膜し、そのPt含有率は4%であった。
比較例3
厚さ300nmの酸化シリコン膜が表面に形成されたシリコン基板を用意し、酸化シリコン膜の上に、アルミニウム(Al)膜を厚さ50nmとなるように、Co-Sputter法で成膜した。そして、成膜したAl膜の上に、絶縁膜として、酸化シリコン膜を厚さ260nmとなるように、反応ガスSiH4をプラズマ化して行なうP−CVD法で成膜することにより、Alゲート電極パネルを得た。
評価1(実施例1〜3および比較例1〜2)
1)反射率測定
実施例1,2,3および比較例1,2によって得られた電極膜に対し、波長の異なる光を当てて、各波長に対する反射率を測定した。その結果を図5A〜図5Cおよび図6A〜図6Bに示す。
たとえば、トップエミッション型有機発光装置において、反射膜として用いられる電極膜の反射率は、60%〜98%であることが好ましく、75%〜98%であることがさらに好ましい。図5A〜図5Cに示すように、タンタルを含有するアルミニウム合金からなる電極膜(実施例1〜3)の反射率は、それぞれ、75%〜90%、50%〜75%および83%〜95%であり、アルミニウムからなる電極膜(比較例1)の反射率(図6A参照)と比較しても、十分優れた反射率を示していることがわかる。一方、図6Bに示すように、タンタルからなる電極膜の反射率は、30%〜65%であり、上記した電極膜(実施例1〜3)の反射率と比較して低いことがわかる。
2)ヒロック等の有無
実施例1,2,3および比較例1,2において、絶縁膜成膜後に電極膜を光顕観察することによって、電極膜上のヒロック等の数を確認した。その結果を表1に示す。なお、表1中、評価として、「○」はヒロック等が無いこと、「△」はヒロック等がほとんど無いこと、「×」はヒロック等が多数有ることを示す。
表1に示すように、タンタルを含有するアルミニウム合金からなる電極膜(実施例1〜3)には、ヒロック等が全く発生していないか、ほとんど発生していないことがわかる。一方、アルミニウムからなる電極膜(比較例1)には、ヒロック等が多数発生していることがわかる。
3)パターニング性試験
実施例1,2,3および比較例1,2によって得られた電極膜を、エッチング液(フッ酸)に浸し、ウェットエッチング性が良好であるか、すなわち、パターニング性が良好であるか否かを確認した。その結果を表1に示す。なお、表1中、評価として、「○」はパターニング性が良好であること、「△」はパターニング性が普通であること、「×」はパターニング性が不良であることを示す。
表1から明らかなように、タンタルを含有するアルミニウム合金からなる電極膜(実施例1〜3)のパターニング性は、良好であるか、普通あることがわかる。つまり、基板の上に容易にパターニングすることができる。一方、タンタルからなる電極膜(比較例2)のパターニング性は不良であり、基板上にパターニングすることが困難であることがわかる。
Figure 2008053051
評価2(実施例4〜7および比較例3)
1)反射率および膜抵抗測定
実施例4,5,6,7および比較例3において、絶縁膜が成膜される前の電極膜に対し、480nmの波長の光を当てて、その反射率を測定した。また、これらの電極膜の電気抵抗を測定した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、プラチナを含有するアルミニウム合金からなる電極膜(実施例4〜7)の反射率は、それぞれ、85.26%、71.12%、89.48%および90%であり、アルミニウムからなる電極膜(比較例3)の反射率と比較しても、十分優れた反射率を示していることがわかる。
また、一般的に、有機発光装置における電極膜の膜抵抗値は、0.1Ω/□〜20Ω/□であることが好ましく、0.1Ω/□〜10Ω/□であることがさらに好ましい。
表2に示すように、プラチナを含有するアルミニウム合金からなる電極膜(実施例4〜7)の膜抵抗値は、それぞれ、1.263Ω/□、5.36Ω/□、0.599Ω/□および0.3476Ω/□であり、アルミニウムからなる電極膜(比較例3)の膜抵抗値と比較しても、十分低い膜抵抗値を示していることがわかる。
2)ヒロック等の数密度測定
実施例4,5,6,7および比較例3において、絶縁膜成膜後に電極膜を光顕観察することによって、電極膜上のヒロック等の数密度を測定した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、プラチナを含有するアルミニウム合金からなる電極膜(実施例4〜7)のヒロック等数密度は、それぞれ、2〜3pcs/2500μm2、0pcs/2500μm2、125pcs/2500μm2、500〜750pcs/2500μm2であり、ヒロック等が全く発生していないか、ほとんど発生していないことがわかる。
3)パターニング性試験
実施例4,5,6,7および比較例3によって得られた電極膜を、エッチング液(フッ酸)に浸し、ウェットエッチング性が良好であるか、すなわち、パターニング性が良好であるか否かを確認した。その結果を表2に示す。なお、表2中、評価として、「○」はパターニング性が良好であること、「△」はパターニング性が普通であること、「×」はパターニング性が不良であることを示す。
表2から明らかなように、プラチナを含有するアルミニウム合金からなる電極膜(実施例4〜7)のパターニング性は、良好であるか、普通あることがわかる。つまり、基板の上に容易にパターニングすることができる。
Figure 2008053051
この発明の一実施形態に係る有機発光装置の構成を図解的に示す断面図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Aの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Bの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Cの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Dの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Eの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Fの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Gの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Hの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Iの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Jの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Kの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Lの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Mの次の工程を示す図である。 図1の有機発光トランジスタの製造方法を示す図解的な断面図であって、図2Nの次の工程を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る有機発光装置の構成を図解的に示す断面図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Aの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Bの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Cの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Dの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Eの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Fの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Gの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Hの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Iの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Jの次の工程を示す図である。 図3の有機ELの製造方法を示す図解的な断面図であって、図4Kの次の工程を示す図である。 実施例1の電極膜の反射率を示す図である。 実施例2の電極膜の反射率を示す図である。 実施例3の電極膜の反射率を示す図である。 比較例1の電極膜の反射率を示す図である。 比較例2の電極膜の反射率を示す図である。 従来のトップエミッション型有機発光トランジスタの構成を図解的に示す断面図である。 従来のトップエミッション型有機ELの構成を図解的に示す断面図である。 図7のトップエミッション型有機発光トランジスタにヒロックが発生した状態を示す図解的な断面図である。 図8のトップエミッション型有機ELにヒロックが発生した状態を示す図解的な断面図である。
符号の説明
1 有機発光トランジスタ
2 基板
4 ゲート電極
5 ゲート絶縁膜
6 電子注入電極
7 正孔注入電極
8 有機発光層
10 ゲート層
18 基板
20 絶縁膜
21 信号電極
22 有機層
23 走査電極
25 信号電極層

Claims (8)

  1. 基板と、
    この基板上に形成され、タンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金からなる電極膜と、
    この電極膜に接触して形成された絶縁膜と、
    前記電極膜に対向して形成された有機発光層とを含む、有機発光装置。
  2. 前記アルミニウム合金は、7.0%〜14.0%の含有率でタンタルを含む、請求項1記載の有機発光装置。
  3. 前記アルミニウム合金は、10.0%〜21.0%の含有率でプラチナを含む、請求項1または2記載の有機発光装置。
  4. 前記有機発光層から発生した光が、前記電極膜から前記有機発光層へと向かう方向に取り出されるトップエミッション型の有機発光装置であり、
    前記電極膜が、前記有機発光層から当該電極膜へと入射した光を前記有機発光層に向けて反射する反射膜として兼用されるようになっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機発光装置。
  5. 前記有機発光層は、前記絶縁膜を挟んで前記電極膜に対向しており、
    前記有機発光層に接触するソース電極およびドレイン電極をさらに含み、
    前記電極膜は、前記ソース電極およびドレイン電極間の領域において前記絶縁膜を挟んで前記有機発光層に対向するゲート電極である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機発光装置。
  6. 前記有機発光層は、前記電極膜に接触しており、
    前記有機発光層を挟んで前記電極膜に対向する光透過性電極膜をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機発光装置。
  7. 基板上にタンタルおよびプラチナの少なくとも一方を含有するアルミニウム合金からなる電極膜を形成する工程と、
    この電極膜に接触する絶縁膜を形成する工程と、
    前記電極膜に対向するように有機発光層を形成する工程とを含む、有機発光装置の製造方法。
  8. 前記電極膜を形成する工程は、アルミニウムと、タンタルおよびプラチナの少なくともいずれか一方とを、前記基板上に同時に気相堆積させる工程を含む、請求項7記載の有機発光装置の製造方法。
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