JP2008051873A - トナー、並びにそれを用いた現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電量の経時変化が少ない安定した帯電量を維持しつつ、初期の帯電立ち上がりが速く、帯電量分布がシャープで鮮鋭性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができ、低温定着システムに対応した静電荷像現像用トナー、並びに該トナーを用いた現像剤及び画像形成方の提供。
【解決手段】少なくとも結着樹脂及び帯電制御剤を含有するトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させた溶解乃至分散物を、水系媒体中に分散させた分散液から有機溶剤を除去することにより得られ、前記結着樹脂が少なくともイオン結合可能な官能基を有し、前記トナー内部で前記帯電制御剤が前記結着樹脂とイオン結合しているトナー並びに該トナーを用いた現像剤及び画像形成方である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するためのトナー、並びにそれを用いた現像剤及び画像形成方法に関する。
従来より、電子写真方式の画像形成装置や静電記録装置等において、電気的潜像又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーを用いて現像して、トナー画像を形成している。このトナー画像は、通常、紙等の記録媒体上に転写され、次いで、加熱等の方法で定着させている。静電荷像現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、及びその他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と重合法とがある。
前記粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、及びオフセット防止剤等のトナー材料を溶融混合して均一に分散させ、得られたトナー組成物を粉砕し、分級することによりトナーを製造している。このような粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られるトナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合したトナー組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため、実際に上記トナー組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。また、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤等の添加剤を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることが困難である。このような添加剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼす。
近年、粉砕法における問題点を克服するため、重合法によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。静電潜像現像用のトナーを重合法によって製造する技術としては、例えば懸濁重合法がある。しかし、前記懸濁重合法で得られるトナーは静電潜像担持体(感光体)を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうという問題がある。
このため、乳化重合法により得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナーを得る方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この乳化重合法で得られるトナーは、水洗浄工程を経ても、界面活性剤が、トナー表面だけでなく、トナー内部にも多量に残存し、トナーの帯電の環境安定性を損ない、かつ帯電量分布を広げ、得られた画像の地汚れが不良となる。また、残存する界面活性剤により、感光体や帯電ローラ、現像ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。
また、乳化重合法によって得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナーを得る方法では、耐オフセット性を向上させるため、離型剤微粒子を会合させる場合において、該離型剤微粒子がトナーの内部に取り込まれてしまい、その結果、耐オフセット性の向上を十分に図ることができない。樹脂微粒子、離型剤微粒子、着色剤微粒子等がランダムに融着してトナーが形成されるので、得られるトナー間において組成(構成成分の含有割合)及び構成樹脂の分子量等にバラツキが発生する。その結果、トナー間で表面特性が異なり、長期にわたり安定した画像を形成することができない。更に低温定着が求められる低温定着システムにおいては、トナー表面に偏在する樹脂微粒子による定着阻害が発生し、定着温度幅を確保できないという問題がある。
また、溶解懸濁法というトナーの製法が提案されている(特許文献2参照)。この手法は、懸濁重合法がモノマーからポリマー粒子を形成するのに対して、有機溶剤等に溶解したポリマーから造粒する手法であり、樹脂の選択範囲の拡大や、極性の制御性等の利点がある。また、トナーの構造制御(コア/シェル構造の調製)が可能という利点が挙げられているが、シェル構造は樹脂のみの層で顔料やワックスの表面への露出を低下させることを目的にしており、特に表面状態を工夫したわけではなく、またそのような構造にもなっていない。したがって、コア/シェル構造にはなっているがトナー表面は通常の樹脂であって、特に工夫はなく、より低温定着を目指した際には、耐熱保存性、及び環境帯電安定性の点で十分でなく問題がある。
また、上記懸濁重合法、乳化重合法及び溶解懸濁法のいずれもスチレン−アクリル酸エステル系共重合体を用いることが一般的であり、ポリエステル系樹脂では粒子化が難しく、粒径、粒度分布、形状制御が困難であり、より低温定着を目指した場合には定着性に限界があった。
また、耐熱保存性、低温定着を目的として、ウレア結合で変性されたポリエステル樹脂を使用することが提案されている(特許文献3参照)。しかし、この提案においても、特に表面が工夫されたものでなく、より条件の厳しい環境帯電安定性の点では十分でなく問題がある。
近時、電子写真の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小径化及び球形化が極めて有効であるとの認識が高まっている。しかし、トナーの小径化が進むにつれて転写性、定着性が低下し、貧弱な画像となってしまう傾向が見られる。また、トナーを球形化することによって転写性が改善されることが知られている(特許文献4参照)。このような状況の中、カラー複写機及びカラープリンタの分野では、更に画像形成の高速化が望まれている。このような高速化を図るためには「タンデム方式」が有効である(特許文献5参照)。
また、熱ローラ等の加熱部材を使用して行われる接触加熱方式による定着工程において、加熱部材に対するトナーの離型性(以下、「耐オフセット性」という)が要求される。このような耐オフセット性は、トナー表面に離型剤を存在させることにより向上させることができる。また、特許文献6及び特許文献7には、樹脂微粒子をトナー中に含有させるだけでなく、該樹脂微粒子がトナー表面に偏在していることにより、耐オフセット性を向上させる方法が提案されている。しかし、これらの提案では、定着下限温度が上昇し、低温定着性、即ち省エネルギー定着性が十分でない。
また、トナーの帯電特性に関しては、特に負帯電トナーの帯電能力を上げる手段としてフッ素系化合物を帯電制御剤等の役目でトナーに含有させることが提案されている(特許文献8及び特許文献9等参照)。しかし、これらの提案では、十分な帯電立ち上がり性の改善効果はなく、トナー地汚れ(かぶり)や、トナー飛散が発生し、また、環境帯電安定性の点でも問題がある。
帯電制御剤としては極性を有する化合物が多く、水相と油相を使用する、水系の乳化によるトナー造粒法において帯電制御剤を内添すると、油相と水相への親和性、溶解性の影響から水相に溶出することが多く、水系造粒トナーに帯電制御剤を内添することは実質的に困難であった(特許文献10参照)。
また、特許文献11では、湿式外添によりフッ素系化合物をトナー表面に含有させることで帯電能力が高く、帯電量分布がシャープで弱帯電、逆帯電トナーが少ないトナーが提案されている。しかし、この提案では、キャリアとの長時間撹拌による帯電量経時減少が発生するという問題がある。また、前記特許文献11では、フッ素系化合物を水系媒体中に分散させることでトナー中に含有させるトナーが提案されている。しかし、この提案においても帯電量の経時減少が発生し、このような帯電量の減少は、その原因が知られておらず、解決することが困難であった。
このように、トナー(特に負帯電トナー)の帯電能力を上げる手段として、フッ素系化合物を単にトナー製造工程で添加するだけでは十分な帯電性の改善効果が得られず、フッ素処理の方法、その条件などについて、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
特許第2537503号公報 特許第3141783号公報 特開平11−133667号公報 特開平9−258474号公報 特開平5−341617号公報 特開2000−292973号公報 特開2000−292978号公報 特許第2942588号公報 特許第3102797号公報 特許第3069936号公報 特開2005−115213号公報
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、帯電量の経時変化が少ない安定した帯電量を維持しつつ、初期の帯電立ち上がりが速く、帯電量分布がシャープで鮮鋭性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができ、低温定着システムに対応した静電荷像現像用トナー、並びに該トナーを用いた現像剤及び画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、トナー母体に含まれる結着樹脂に帯電制御剤としてN,N,N−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム・ヨージド等のフッ素含有4級アンモニウム塩化合物をイオン結合させて、トナー内部にフッ素含有4級アンモニウム塩化合物を一様に存在させることにより、トナー帯電量の経時変化を少なくし、安定した帯電性を実現できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも結着樹脂及び帯電制御剤を含有するトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させた溶解乃至分散物を、水系媒体中に分散させた分散液から有機溶剤を除去することにより得られるトナーであって、
前記結着樹脂が少なくともイオン結合可能な官能基を有し、前記トナー内部で前記帯電制御剤が前記結着樹脂とイオン結合していることを特徴とするトナーである。
<2> 水系媒体が少なくとも樹脂微粒子を含有し、該樹脂微粒子がイオン結合可能な官能基を有し、トナー内部で前記樹脂微粒子及び結着樹脂の少なくともいずれかが帯電制御剤とイオン結合している前記<1>に記載のトナーである。
<3> 帯電制御剤がフッ素含有4級アンモニウム塩化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が、下記構造式(1)で表される化合物である前記<3>に記載のトナーである。
ただし、前記構造式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、及び炭化水素基のいずれかを表す。R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、及び炭化水素基のいずれかを表す。Xは、二価有機基を表す。Yは、対イオンを表す。n及びmは、それぞれ正の整数を表す。
<5> フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が、下記構造式で表されるN,N,N−トリメチル−〔3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル〕アンモニウム・ヨージドである前記<4>に記載のトナーである。
<6> フッ素含有4級アンモニウム塩化合物のトナーにおける含有量が0.05〜10質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 結着樹脂が、末端にカルボキシル基を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> 結着樹脂が、ポリエステル系樹脂を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 結着樹脂の酸価が1〜30mgKOH/gである前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 結着樹脂のガラス転移温度(Tg)が40〜90℃である前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> トナー表面及び内部の少なくともいずれかに樹脂微粒子を含有し、かつ該樹脂微粒子がビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種を含有する前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> 樹脂微粒子の質量平均分子量が5,000〜20万である前記<11>に記載のトナーである。
<13> トナーの体積平均粒径(Dv)が4〜8μmであり、かつ該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下である前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーである。
<14> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤である。
<15> 一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれかである前記<14>に記載の現像剤である。
<16> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<17> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<18> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<19> クリーニング工程により除去したトナーを現像工程にリサイクルするリサイクル工程を含む前記<18>に記載の画像形成方法である。
<20> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<21> クリーニング手段により除去したトナーを現像手段にリサイクルするリサイクル手段を有する前記<20>に記載の画像形成装置である。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂及び帯電制御剤を含有するトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させた溶解乃至分散物を、水系媒体中に分散させた分散液から有機溶剤を除去することにより得られ、
前記結着樹脂が少なくともイオン結合可能な官能基を有し、前記トナー内部で前記帯電制御剤が前記結着樹脂とイオン結合している。
本発明のトナーにおいては、帯電量の経時変化が少ない安定した帯電量を維持しつつ、初期の帯電立ち上がりが速く、帯電量分布がシャープで鮮鋭性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができる。
本発明の現像剤においては、本発明の前記トナーを用いているので、帯電量の経時変化が少ない安定した帯電量を維持しつつ、初期の帯電立ち上がりが速く、帯電量分布がシャープで鮮鋭性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程を少なくとも含む。該画像形成方法においては、前記静電潜像形成工程において、静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。前記現像工程において、静電潜像を本発明の前記トナーを用いて現像して可視像を形成する。前記転写工程において、前記可視像が記録媒体に転写される。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像が定着される。前記クリーニング工程において、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する。その結果、本発明の画像形成方法においては、長期にわたって鮮鋭性の良好な可視画像を形成することができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、帯電量の経時変化が少ない安定した帯電量を維持しつつ、初期の帯電立ち上がりが速く、帯電量分布がシャープで鮮鋭性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができ、低温定着システムに対応した静電荷像現像用トナー、並びに該トナーを用いた現像剤及び画像形成方を提供することができる。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂及び帯電制御剤を含有するトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させた溶解乃至分散物を、水系媒体中に分散させた分散液から有機溶剤を除去することにより得られる。
前記結着樹脂が少なくともイオン結合可能な官能基を有し、前記トナー内部で前記帯電制御剤が前記結着樹脂とイオン結合している。
前記水系媒体が少なくとも樹脂微粒子を含有し、該樹脂微粒子がイオン結合可能な官能基を有し、トナー内部で前記樹脂微粒子及び結着樹脂の少なくともいずれかが帯電制御剤とイオン結合していることが好ましい。
ここで、帯電制御剤としてフッ素含有4級アンモニウム塩化合物をトナーに含有させた場合、トナー帯電量が経時減少する原因については、以下のように考えられる。即ち、トナー乳化時の粒子間凝集を防止する目的でトナー表面又はトナー表面近傍に偏在しやすい樹脂微粒子を含むトナー材料を使用すると、該樹脂微粒子に帯電制御剤としてのフッ素含有4級アンモニウム塩化合物が優先的に結合してフッ素含有4級アンモニウム塩化合物がトナー表面に偏在し、該フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が、キャリアとの撹拌によるトナー表面削れやトナー表面割れによりトナーから消失することがトナー帯電量が経時減少する主原因であると推測される。
このことは、SEM像観察、X線光電子分光測定、NMR測定、及び帯電量の測定結果から明らかである。
即ち、結着樹脂及び樹脂微粒子を含有するトナー材料を用いて、帯電制御剤であるフッ素含有4級アンモニウム塩化合物としてのN,N,N−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム・ヨージド(以下、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)と称する)を特開2005−115213号公報と同様の手法により付加させて作製したトナーの分析を行ったところ、以下の結果が得られた。
(1)キャリアと混合撹拌後のトナーのSEM像を観察したところ、トナー表面に変化が認められ、トナー外皮状部分に剥がれが発生している様子が認められる。
測定は日本電子株式会社製のJSM−7400Fを使用した。図1は表面の一部が削れているトナーを示す図であり、図2では表面が殆ど削れており、外皮状の部分の一部のみが残っているトナーを示す図である。
(2)EDS元素マッピング法を用い、フッ素原子の存在位置を調べたところ、トナー外皮状部分にフッ素原子が多量に存在する。一方、トナー内部には殆どフッ素原子が存在しない、という結果が得られた。
測定は日本電子株式会社製のJSM−7400を使用した。図3は、図1のフッ素原子の存在位置を示す図であり、図4は、図2のフッ素原子の存在位置を示す図である。図中の黒い部分がフッ素原子の検出量が多い部分である。図3の結果から、表面削れ部分にフッ素原子が多く存在しており、最表面には殆どフッ素原子が検出されないことを示している。図4の結果から、わずかに残った外皮状部分にフッ素原子が存在していることがわかるが、外皮が削れきったトナー内部にはフッ素原子が殆ど検出されていない。このことから、フッ素原子はトナー表面近傍の外皮状部分に主に存在しており、内部には殆ど存在しないことが分かる。
(3)X線光電子分光を用いてフッ素含有4級アンモニウム塩化合物のトナー内部での存在状態を調べたところ、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物は結着樹脂及び樹脂微粒子の少なくともいずれかのカルボキシル基とイオン結合している、という結果が得られた。
測定は島津製作所製のAXIS−ULTRAを使用した。N,N,N−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム・ヨージドは、原材料粉末中ではN,N,N−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウムイオンとヨウ素がイオン結合しているが、分析したトナー中ではヨウ素が存在せず、ヨウ素が存在しない以外は、原材料粉末中と同様の状態(イオン結合状態)で存在しているという結果が図5〜図10から得られた。
図5はX線光電子分光により得られた、分析用トナーではヨウ素のメインピークが存在しないことを示すプロット図である。
図6はX線光電子分光により得られた、分析用トナーのフッ素のメインピークを示すプロット図である。
図7はX線光電子分光により得られた、分析用トナーの窒素のメインピークを示すプロット図である。
図8はX線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)のヨウ素のメインピークを示すプロット図である。
図9はX線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)のフッ素のメインピークを示すプロット図である。
図10はX線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)の窒素のメインピークを示すプロット図である。
したがって、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が結着樹脂及び樹脂微粒子の少なくともいずれかと安定にイオン結合することができる部分はカルボキシル基しかなく、このことから、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物は、トナー内部の結着樹脂及び樹脂微粒子の少なくともいずれかのカルボキシル基とイオン結合していると推測される。
(4)NMR測定結果から、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物は主にトナー表面の樹脂微粒子に付加していることが認められる。
NMR測定は、日本電子株式会社製JNM−A400を使用した。フッ素定量結果は、結着樹脂中のビスフェノールA系分子数に対するフッ素含有4級アンモニウム塩化合物数比として得た。19F−NMRを用いたトナー中のフッ素含有4級アンモニウム塩化合物の定量分析を行い、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物の存在量の経時変化を調べたところ、キャリアとの撹拌初期ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物の検出量が増加するという結果が得られた(図11参照)。このことは、NMR測定用溶媒として用いたTHF−d8に溶解しない物質にフッ素含有4級アンモニウム塩化合物が付着していることを示しており、使用したトナー材料では樹脂微粒子が該当する。このように樹脂微粒子がTHF−d8に溶解しないことは、樹脂微粒子を用いず結着樹脂から作製したトナーのH−NMR測定結果(図12参照)と、結着樹脂と樹脂微粒子から作製したトナーのH−NMR測定結果(図13参照)とを比較して、両者には異なるピークが観測されないことから確認できる。
前記樹脂微粒子は、トナー造粒時のトナー形状(粒度分布、円形度など)を制御するために用いられ、乳化時にトナー表面及び内部(主に表面付近)に付着する。このようにトナー表面に付着した樹脂微粒子が乳化時にトナー間の凝集を抑制する。前記樹脂微粒子を構成するメタクリル酸はカルボキシル基を有しており、該樹脂微粒子中には多量のカルボキシル基が存在する。これに対し、ポリエステル系樹脂では末端にしかカルボキシル基が存在せず、樹脂微粒子が主に存在するトナー表面はトナー内部よりもカルボキシル基が多い状態となる。
このように樹脂微粒子を構成する単量体の一つであるメタクリル酸にはカルボキシル基が存在し、トナー中に存在するカルボキシル基は結着樹脂よりも樹脂微粒子に多く存在するという事実は、SEM像、XPS測定、及びNMR測定の結果を矛盾無く説明することが可能である。
(5)帯電量の経時変化を調べたところ、NMR定量分析結果と比較して、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を含むトナーの帯電量は含有するフッ素含有4級アンモニウム塩化合物の存在量の影響が大きいという結果が得られた。
帯電量はブローオフ法を使用して、トナーと鉄粉キャリアTEFV200/300(パウダーテック株式会社製)からなる現像剤をトナー濃度7質量%で測定した。帯電量の経時変化を調べたところ、NMRによるフッ素含有4級アンモニウム塩化合物の定量分析結果との相関が認められる(図14参照)。これにより、帯電制御剤としてフッ素含有4級アンモニウム塩化合物を含有させたトナーの帯電量は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物の存在量の影響が大きいことが分かる。
以上の結果から、帯電減少はトナー表面近傍に偏在する樹脂微粒子にフッ素含有4級アンモニウム塩化合物が優先的にイオン結合することによって、トナーの表面削れが発生した際に、トナー中の帯電制御剤量が減少することが主原因であると考えられる。
前記トナー材料は、少なくとも結着樹脂及び帯電制御剤を含有してなり、離型剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物であることが好ましく、下記構造式(1)で表されるフッ素含有4級アンモニウム塩化合物であることがより好ましい。
ただし、前記構造式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、及び炭化水素基のいずれかを表す。R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、及び炭化水素基のいずれかを表す。Xは、二価有機基を表す。Yは、対イオンを表す。n及びmは、それぞれ正の整数を表す。
前記構造式(1)のC3n6n−1において、nは1〜20、好ましくは1〜10の整数を表す。具体的には、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF10−、CF(CF11−、CF(CF12−、CF(CF13−、CF(CF14−、CF(CF15−、CF(CF16−、CF(CF17−、(CFCF(CF−、などが好適に挙げられる。
前記構造式(1)において、Yは、対イオンを表す。該対イオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、チオシアン酸イオン、有機酸イオン、などが挙げられる。これらの中でも、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、等のハロゲンイオンが特に好ましい。
前記構造式(1)において、Xは、二価有機基を表す。該二価有機基としては、例えば、−SO−、−CO−、−(CH)x−、−SON(R)−(CH)x−、−(CH)x−CH(OH)−(CH)x−、などが挙げられる。ここで、xは、1〜6の整数を表す。Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表す。これらの中でも、−SO−、−CO−、−(CH−、−SON(C)−(CH−、又は−CHCH(OH)CH−が好ましく、−SO−、又は−CO−が特に好ましい。
前記構造式(1)において、mは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
前記構造式(1)において、Rは、水素原子、フッ素原子、又は炭化水素基を表す。また、R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、又は炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、などが挙げられる。これらは、置換基で更に置換されていてもよい。
前記アルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、イソデシル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。前記アルケニル基としては、炭素数2〜10のものがより好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。前記アリール基としては、炭素数6〜24のものがより好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、スチリル基、メシチル基、シンナミル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
前記構造式(1)で表されるフッ素含有4級アンモニウム塩化合物としては、下記構造式で表される化合物などが好適に挙げられる。
なお、本発明においては、前記構造式(2)から(55)において、ヨウ素イオン(I)又は臭素イオン(Br)を、塩素イオン(Cl)、フッ素イオン(F)等の他のハロゲン原子イオンに代えた化合物も使用可能である。
前記構造式(2)から(55)の中でも、帯電付与能力が高い点で、N,N,N−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム・ヨージド(前記構造式(3))が特に好ましい。
前記フッ素含有4級アンモニウム塩化合物の前記トナーにおける含有量は、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましい。この範囲内において、トナー母体内部にイオン結合により含有させることができる。前記フッ素含有4級アンモニウム塩化合物の含有量が0.05質量%未満であると、十分な帯電量が得られず、本発明の効果が十分に得られないことがあり、10質量%を超えると、現像剤の定着不良を生じることがある。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、イオン結合可能な官能基を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリ−α−スチルスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン若しくはスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル系樹脂は軟化温度が低く、ガラス転移温度が高いことより、低温定着性と保存安定性に優れており、また、ポリエステル系樹脂のエステル結合と紙との親和性が良好であるため、耐オフセット性に優れている点からポリエステル系樹脂が特に好ましい。
前記結着樹脂はイオン結合可能な官能基を有することが好ましい。該イオン結合可能な官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばカルボキシル基、水酸基、CN基、SO 、などが挙げられる。これらの中でも、末端にカルボキシル基を有する樹脂がより好ましく、末端にカルボキシル基を有する未変性ポリエステル樹脂が特に好ましい。
−未変性ポリエステル樹脂−
本発明において、未変性ポリエステル樹脂を結着樹脂として含有させることで、低温定着性及びフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上する。このような未変性ポリエステル樹脂としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられる。
前記ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)又は3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、又は(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
前記ジオール(1−1)としては、例えばアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール又はビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、又はこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
前記3価以上のポリオール(1−2)としては、例えば3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)又は3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、及び(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸(2−1)としては、例えばアルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
前記3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]が、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が更に好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂のピーク分子量は、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記ピーク分子量が1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、10,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価は5mgKOH/g以上が好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価は1〜30mgKOH/gが好ましく、5〜20mgKOH/gがより好ましい。このように酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
前記未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜90℃が好ましく、55〜65℃がより好ましい。前記ガラス転移温度が50℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の貯蔵弾性率は、測定周波数20Hzにおいて10,000dyne/cmとなる温度(TG’)が、100℃以上が好ましく、110〜200℃がより好ましい。前記TG’が100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1,000ポイズとなる温度(Tη)は、180℃以下が好ましく、90〜160℃がより好ましい。前記Tηが180℃を超えると低温定着性が悪化することがある。即ち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が更に好ましい。
本発明においては、前記未変性ポリエステル樹脂の単独使用だけでなく、変性されているポリエステル樹脂(変性ポリエステル樹脂)を結着樹脂として含有させてもよい。
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーA)が好適である。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記酸成分と、脂肪族ジオール及び脂環族ジオールから選択される少なくとも1種のジオール化合物とを触媒の存在下で縮合重合させて得られるポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるものが挙げられる。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプローラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記ポリエステル樹脂とを反応させる際の混合比率としては、該ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、該ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、3/1〜1.5/1が更に好ましい。前記イソシアネート基[NCO]が5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記変性ポリエステル樹脂と前記未変性ポリエステル樹脂との混合質量比(変性ポリエステル樹脂/未変性ポリエステル樹脂)としては、5/95〜25/75が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の混合質量比が95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがあり、25未満であると、光沢性が悪化することがある。
前記変性ポリエステル樹脂におけるJIS K1603に基づくイソシアネート基含有率は、2.0質量%以下が好ましく、1.0〜2.0質量%がより好ましい。前記イソシアネート基含有率が2.0質量%を超えると、低温定着性能が発現しないことがある。
ここで、前記イソシアネート基含有率(NCO%)は、例えば、JIS K1603に準拠した方法により測定することができる。
前記変性ポリエステル樹脂の質量平均分子量は10,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。前記質量平均分子量が10,000未満であると、低温定着性が発現しなくなることがあり、100,000を超えると、粘度が高くなりすぎるため、造粒が困難となることがある。
前記変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、10〜50℃が好ましく、30〜50℃がより好ましい。
前記変性ポリエステル樹脂の水酸基価は、30mgKOH/g以下が好ましく、10〜25mgKOH/gがより好ましい。
前記変性ポリエステル樹脂の酸価は、0〜10mgKOH/gが好ましく、0〜5mgKOH/gがより好ましい。
ここで、前記酸価及び前記水酸基価は、JIS K0070に規定の方法により測定することができる。
ここで、前記変性ポリエステル樹脂は、例えば、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ジオール化合物、酸成分、及びチタン系触媒を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させ、次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応させ、更にイソシアネート基含有化合物と反応させることにより得られる。
次に、本発明に用いられるトナー材料としては、少なくとも未変性ポリエステル樹脂、離型剤、着色剤、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、ワックス類、などが好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が更に好ましい。前記融点が40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。前記含有量が40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、例えば、少なくとも結着樹脂及び帯電制御剤を含有するトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させた溶解乃至分散物を、水系媒体中に分散させた分散液から有機溶剤を除去する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−有機溶剤−
前記有機溶剤としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
−分散液−
前記分散液の調製は、前記溶解乃至分散物を水系媒体中に分散させることにより行う。
前記溶解乃至分散物を前記水系媒体中に分散させると、該水系媒体中に、前記溶解乃至分散物からなる分散体(油滴)が形成される。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水系媒体は、少なくとも樹脂微粒子を含有する。
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ビニル系樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
なお、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」、三洋化成工業株式会社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
前記樹脂微粒子の質量平均分子量は、5,000〜20万が好ましく、5万〜15万がより好ましい。前記質量平均分子量が5,000未満であると、トナーの保存性が悪化してしまい、保管時及び現像器内でブロッキングの発生が見られることがあり、20万を超えると、樹脂微粒子が記録媒体との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまうことがある。
ここで、前記質量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布測定により、以下のようにして行うことができる。
即ち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業株式会社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
前記溶解乃至分散物は、前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。
前記分散の方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体(油滴)の粒径を2〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速剪断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1,000〜30,000rpmが好ましく、5,000〜20,000rpmがより好ましい。前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分間が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記水系媒体相の調製は、例えば、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記トナー溶液の調製は、前記有機溶剤中に、前記未変性ポリエステル樹脂、前記変性ポリエステル樹脂、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
なお、前記トナー材料は水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、予めトナー材料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤などの他のトナー材料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
前記分散液の調製は、先に調製した前記トナー溶液を、先に調製した前記水系媒体相中に乳化乃至分散させることにより行うことができる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜30,000rpmが好ましく、5,000〜20,000rpmがより好ましい。分散時間は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合は、0.1〜5分間が好ましい。分散時の温度としては、0〜150℃(加圧下)が好ましく、40〜98℃がより好ましい。前記温度は高温なほうが、トナー材料からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
前記トナー材料100質量部に対する水系媒体の使用量は、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が50質量部未満であると、トナー材料の分散状態が悪くなり、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、経済的でない。
また、プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(i)を合成する工程は水系媒体中でトナー材料を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させてもよいし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしてもよい。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
前記分散液の調製においては、必要に応じて、前記分散体(前記トナー溶液からなる油滴)を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などが挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(いずれも、旭硝子株式会社製);フローラドFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(いずれも、住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102(いずれも、ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(いずれも、トーケムプロダクツ株式会社製);フタージェントF−100、F150(いずれも、ネオス株式会社製)などが挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。前記陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子株式会社製);フローラドFC−135(住友3M株式会社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−150、F−824(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ株式会社製);フタージェントF−300(ネオス株式会社製)などが挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどが挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、などが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クローライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クローライド類としては、例えば、アクリル酸クローライド、メタクリル酸クローライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
前記分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えばジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた分散液(乳化スラリー)から、有機溶剤を除去する。該有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法などが挙げられる。
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、離型剤、前記帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
前記トナーは、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)などを有していることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、4〜8μmが好ましく、4〜7μmがより好ましい。ここで、体積平均粒径は、Dv=〔Σ(nD)/Σn〕1/3(ただし、式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。
前記体積平均粒径が4μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。一方、前記体積平均粒径が8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にはトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、1.25以下が好ましく、1.05〜1.25がより好ましい。
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さいほど、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下を招いたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は微粉の含有率が本発明の範囲より多いトナーにおいても同様である。逆に、トナーの体積平均粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.25よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
一方、前記体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.05より小さい場合には、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、トナーの帯電が不十分になる場合が見られ、また、クリーニング性を悪化させる場合があることが明らかとなった。
前記体積平均粒子径(Dv)、及び、前記体積平均粒子径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は、例えば、粒度測定器(「コールターカウンターTAII」、コールターエレクトロニクス社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行うことにより測定することができる。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができる。各色のトナーは、前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであることが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部が好ましい。
前記現像剤は、本発明の前記トナーを含有しているので、感光体フィルムミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、優れた鮮明な高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明で用いられる現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
<トナー入り容器>
本発明で用いられるトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー容器本体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、これらの中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
<プロセスカートリッジ>
本発明で用いられるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等のその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、現像剤担持体表面に担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンターに着脱可能に備えさせることができ、後述する画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図26に示すように、静電潜像担持体(感光体ドラム)101を内蔵し、帯電装置102、現像手段104、クリーニング手段107を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。なお、103は露光装置による露光、105は記録媒体、108は転写手段である。
次に、図26に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて説明する。静電潜像担持体としての感光体ドラム101は、矢印方向に回転しながら、帯電装置102による帯電、露光装置(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、転写後の感光体ドラム表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明で用いられる画像形成装置としては、前記静電潜像担持体と、現像装置、クリーニング装置等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。また、帯電装置、現像装置、転写装置、分離装置、及びクリーニング装置から選択される少なくとも1つを静電潜像担持体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱可能な単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱可能に構成してもよい。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明で用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさや仕様等に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記アモルファスシリコン感光体は、例えば、支持体を50〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により、a−Siからなる感光層を形成したものである。これらの中でも、プラズマCVD法が特に好ましく、具体的には、原料ガスを直流、高周波又はマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Siからなる感光層を形成する方法が好適である。
前記有機感光体(OPC)は、(1)光吸収波長域の広さ、光吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の理由から一般に広く応用されている。このような有機感光体の層構成としては、単層構造と、積層構造とに大別される。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記静電潜像の形成は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等のどのような形態をとってもよく、画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。前記磁気ブラシとしては、例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。磁気ブラシを用いる場合には、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりすることで帯電器とする。前記帯電器は、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
本発明のトナーを一成分系現像剤として用いる場合に使用する現像ローラの材質としては弾性層を持たないものとしては、例えばアルミニウム、鉄、SUSなどの金属が挙げられる。またその表面はサンドブラスト等の加工法で加工されたものも含まれる。弾性層を持つものとしては、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、イソプレンゴム、NBR等公知の材料を用いることができる。前記弾性層の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばゴム、発泡体、スポンジ等の形態にして用いた場合に効果的であり、これらの弾性層の材質を現像ローラの部分によって変えることも有効である。
前記現像ローラには、磁界発生層を設けることも可能であり、磁界強度を現像ローラの部分によって変えてもよい。また、前記現像ローラにトナーを供給するトナー供給ローラを設けてもよく、これら2つのローラ間は接触又は非接触が適宜選択できる。また、この2つのローラの間には交流あるいは直流、又は交流+直流の電界を印加してもよい。トナー供給ローラを設けることによって、トナーの帯電が円滑に行われ、現像ローラ上のトナー層のバラツキを無くすことができる。
前記トナー供給ローラの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スポンジ、ゴム、SUS、又はこれらにコーティングを施したものなどが挙げられる。また、場合によっては供給ローラの他に、現像に用いられなかったトナーを現像ローラから一旦剥ぎ取る働きを有する剥ぎ取りローラを設けることも可能である。また、離型成分を含有させるコート層を設けてもよい。前記コート層におけるコート樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。
また、現像位置に対して、現像ローラの回転の上流側、下流側にブレードを設けることも可能であり、更にこれらの部材に電圧を印加することも可能である。供給ローラにおいても剥ぎ取りと供給の作用を兼ねさせることも可能である。また、現像部の上流側にトナー層規制部材を設けることも好ましい。このトナー層規制部材は板状のものであってもよいし、回転ローラを用いても構わない。このトナー層規制部材により、トナーに電荷注入を行ってもよい。
また、本発明で用いる現像方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、現像ローラと静電荷像保持体とが接している接触現像方式を用いても、接していない非接触現像方式を用いてもよい。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、転写ローラなどが好適に挙げられる。
前記中間転写体の静止摩擦係数は、0.1〜0.6が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。前記中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上10Ωcm以下であることが好ましい。このように中間転写体の体積抵抗を数Ωcm以上10Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にすることができる。
前記中間転写体の材質としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、以下のものが好適である。
(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、例えばPC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)とPATとのブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)とPCとのブレンド材料、ETFEとPATとのブレンド材料、PCとPATとのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなどが挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にリブズレが生じにくいという利点を有している。
(2)上記(1)のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を形成した2〜3層構成のベルトであり、このような2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因して発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。
(3)樹脂、ゴム又はエラストマーを用いたヤング率の比較的低い弾性ベルトであり、このような弾性ベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じないという利点を有している。また、弾性ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止できるので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。これらの中でも、前記(3)の弾性ベルトが特に好ましい。
前記弾性ベルトは、転写部においてトナー層、平滑性の悪い記録媒体に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、トナー層に対して過度に転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の中抜けが無く、平面性の悪い記録媒体に対しても均一性の優れた転写画像が得られる。
前記弾性ベルトに用いる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン樹脂、クロロポリスチレン樹脂、ポリ−α−メチルスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(例えば、シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いるゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば天然ゴム、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDMゴム、NBRゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いるエラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレア熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いる抵抗値調節用導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル等の金属粉末;酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物などが挙げられる。なお、前記導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。
また、前記弾性ベルトの表層は、弾性材料による静電潜像担持体への汚染防止、ベルト表面の摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくし、クリーニング性、二次転写性を高めることができるものが好ましい。前記表層は、例えばポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等のバインダー樹脂と、表面エネルギーを小さくして潤滑性を高めることができる材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体又は粒子とを含有することが好ましい。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行いフッ素リッチな表層を形成して、表面エネルギーを小さくしたものを使用することもできる。
前記弾性ベルトの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、(2)液体塗料を噴霧して膜を形成するスプレー塗工法、(3)円筒形の型を材料の溶液中に浸けて引き上げるディッピング法、(4)内型や外型の中に注入する注型法、(5)円筒形の型にコンパウンドを巻き付けて加硫研磨を行う方法などが挙げられる。
また、前記弾性ベルトの伸びを防止する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば(1)芯体層に伸びを防止する材料を添加する方法、(2)伸びの少ない芯体層にゴム層を形成する方法、などが挙げられる。
前記伸びを防止する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、綿、絹等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維などが挙げられ、これら材料を織布状又は糸状としたものが好適に用いられる。
前記芯体層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、(2)筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面又は両面に被覆層を設ける方法、(3)糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法などが挙げられる。
前記被覆層の厚みは、該被覆層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂が発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなって画像の伸びや縮みが大きくなることから厚すぎる(約1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図27を参照しながら説明する。図27に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有する中間転写体用クリーニング装置90が配置されており、また、記録媒体95に転写像を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー画像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図27に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光体ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に記録媒体95上に転写(二次転写)される。その結果、記録媒体95上には転写像が形成される。なお、静電潜像担持体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、静電潜像担持体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図28を参照しながら説明する。図28に示す画像形成装置100は、図27に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、静電潜像担持体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図27に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図28においては、図27におけるものと同じものは同符号で示した。
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施するタンデム型の画像形成装置について説明する。
前記タンデム型画像形成装置は、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及び転写手段を含む画像形成要素を複数配列したものである。このタンデム型画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の4つの画像形成要素を搭載し、各々の可視像を4つの画像形成要素で並列に作成し、記録媒体又は中間転写体上で重ね合わせることから、より高速にフルカラー画像を形成できる。
前記タンデム型の画像形成装置としては、(1)図29に示すように、複数の画像形成要素の各静電潜像担持体1との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体Sに転写手段2により、順次、前記各静電潜像担持体1上に形成された可視像を転写する直接転写方式と、(2)図30に示すように、複数の画像形成要素の各静電潜像担持体1上の可視像を転写手段(一次転写手段)2により一旦中間転写体4に順次転写した後、中間転写体4上の画像を二次転写手段5により記録媒体Sに一括転写する間接転写方式とがある。なお、図30では二次転写手段として転写搬送ベルトを用いているが、ローラ形状であってもよい。
前記(1)の直接転写方式と、前記(2)の間接転写方式とを比較すると、前記(1)の直接転写方式は、静電潜像担持体1を並べたタンデム型画像形成部Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着手段としての定着装置7を配置しなければならず、記録媒体の搬送方向に大型化する。これに対し、前記(2)の間接転写方式は、二次転写位置を比較的自由に設置することができ、給紙装置6、及び定着装置7をタンデム型画像形成部Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となるという利点がある。
また、前記(1)の直接転写方式では、記録媒体の搬送方向に大型化しないためには、定着装置7をタンデム型画像形成部Tに接近して配置することとなる。そのため、記録媒体Sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、記録媒体Sの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚い記録媒体で顕著となる)や、定着装置7を通過するときの記録媒体の搬送速度と、転写搬送ベルトによる記録媒体の搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい。これに対し、前記(2)の間接転写方式は、記録媒体Sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼさない。
以上のようなことから、最近では、特に間接転写方式のものが注目されてきている。この種のカラー画像形成装置では、図30に示すような、一次転写後に静電潜像担持体1上に残留する転写残トナーを、クリーニング手段としてのクリーニング装置8で除去して静電潜像担持体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。また、二次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。
また、図31に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図31中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。
なお、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)は、図32に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図32中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置(不図示)と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電装置64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像、及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上の記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間に記録媒体を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、この定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。その後、該記録媒体は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置では、帯電量の経時変化が少なく安定した帯電量を維持しつつ、初期の帯電立ち上がりが速く、帯電量分布がシャープで鮮鋭性の良好な可視画像を長期に亘り形成することができる本発明の前記トナーを用いているので、高画質な画像を効率よく形成できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
下記実施例及び比較例において、トナーの体積平均粒子径(Dv)及び粒度分布(Dv/Dn)、樹脂の質量平均分子量、樹脂のガラス転移温度(Tg)、酸価、及び水酸基価の測定は、以下のようにして行った。
<体積平均粒子径(Dv)及び[Dv/Dn]値の測定>
測定装置としてはコールターマルチサイザーIIe型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で1〜3分間の分散処理を行った。次いで、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIeによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行った。得られた体積平均粒子径(Dv)と個数平均粒子形(Dn)からDv/Dnを求めた。
チャンネルとしては、粒径2.00μm以上2.52μm未満、粒径2.52μm以上3.17μm未満、粒径3.17μm以上4.00μm未満、粒径4.00μm以上5.04μm未満、粒径5.04μm以上6.35μm未満、粒径6.35μm以上8.00μm未満、粒径8.00μm以上10.08μm未満、粒径10.08μm以上12.70μm未満、粒径12.70μm以上16.00μm未満、粒径16.00μm以上20.20μm未満、粒径20.20μm以上25.40μm未満、粒径25.40μm以上32.00μm未満、粒径32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
<樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定>
樹脂のガラス転移温度(Tg)を測定する装置として、理学電機株式会社製のTG−DSCシステムTAS−100を使用した。まず、試料10mgをアルミニウム製試料容器に入れ、それをホルダユニットに載せ、電気炉中にセットする。次に、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置した後、室温まで試料を冷却して10分間放置し、更に、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、吸熱カーブ部分の接線とベースラインとの交点からガラス転移温度(Tg)を算出した。
<樹脂の酸価及び水酸基価の測定方法>
前記酸価(AV)及び前記水酸基価(OHV)は、具体的には、次のような手順で決定した。ただし、サンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はTHF等の溶媒を用いた。
・測定装置:電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
・使用電極 :DG113−SC(メトラー・トレド社製)
・解析ソフト:LabX Light Version1.00.000
・装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用した。
・測定温度:23℃
測定条件は以下のとおりである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
At maximum volume[mL] 10.0
At potential No
At slope No
After number EQPs Yes
n=1
comb. Termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
−酸価の測定方法−
酸価は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して、以下の条件で測定した。
試料調製:トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解した。更に、エタノール30mlを添加して試料溶液とした。
測定は、上記の装置にて計算することができるが、具体的には次のように計算した。
予め、標定されたN/10苛性カリウム〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリウム液の消費量から次の計算式で酸価を求めた。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量(ただし、Nは、(N/10)KOHのファクター)
−水酸基価の測定方法−
水酸基価は、JIS K0070−1996に記載の測定方法に準拠して、以下のようにして測定した。
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加えた。その後、100℃±5℃の浴中に浸して加熱した。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解した。次いで、分解を完全にするため、再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁をよく洗浄した。この液を前記電極を用いてN/2の水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行い、水酸基価を求めた。
<樹脂の質量平均分子量>
前記樹脂の質量平均分子量は、テトラヒロドフラン(THF)可溶分についてGPC(gel permeation chromatography)を用いて以下の条件で測定した。
・装置:東ソー株式会社製 HLC−8120
・カラム:TSKgelGMHXL(2本)
・TSKgel MultiporeHXL−M(1本)
・測定温度:40℃
・試料溶液:0.25質量%のTHF溶液
・溶液注入量:100μl
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:ポリスチレン
得られたクロマトグラム上最大のピ−ク高さを示す分子量をピークトップ分子量とした。
(実施例1)
<トナー1の作製>
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、メタクリル酸166質量部、アクリル酸ブチル110質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、3,800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度を75℃まで昇温して4時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。得られた[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、島津製作所製)で測定したところ、体積平均粒径は110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は58℃であり、質量平均分子量は13万であった。
−水相の調製−
水86質量部、[微粒子分散液1]3.3質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)25質量部、及び酢酸エチル14質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
−低分子ポリエステルの合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物691質量部、及びテレフタル酸309質量部を投入し、常圧下、窒素気流下、210℃で10時間縮合反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、[低分子ポリエステル1]を得た。得られた[低分子ポリエステル1]のTHF可溶分の質量平均分子量が3,500、酸価が10mgKOH/g、水酸基価が50mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)が40℃であった。
−油相の作製−
撹拌棒をセットした容器内に、[低分子ポリエステル1]1,020質量部、及び酢酸エチル550質量部を仕込み、10時間混合して[原料溶解液1]を得た。
次に、下記構造式で表されるN,N,N−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム・ヨージド(以下、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)と称する)を1質量%濃度で分散させた水溶液を前記[原料溶解液1]に対し0.1質量%になるよう混合撹拌し、[油相1]を得た。
−乳化及び脱溶剤−
[水相1]190質量部を容器内に入れ、TKホモミキサー(特殊機化株式会社製)で3,000rpmで5分間混合した後[油相1]110質量部を加え、TKホモミキサーで、回転数9,000rpmで30分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で10時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]は、体積平均粒径(Dv)4.95μm、個数平均粒径(Dn)4.4μmであった。
−洗浄及び乾燥−
[分散スラリー1]100質量部を減圧濾過した後、以下のようにして、洗浄及び乾燥を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数15,000rpmで5分間)した後濾過する操作を5回行った。
(2)(1)の濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数15,000rpmで30分間)した後濾過した。
(3)(2)の濾過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数15,000rpmで10分間)した後濾過する操作を5回行い[濾過ケーキ1]を得た。
得られた[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径(Dv)5.1μm、個数平均粒径(Dn)4.6μm、Dv/Dn=1.11の[トナー1]を得た。
図15は、[トナー1]において、島津製作所製のAXIS−ULTRAを用いたX線光電子分光による測定ではヨウ素のメインピーク(I 3d)が存在しないことを示す、ヨウ素のメインピーク付近のプロット図である。
図16は、[トナー1]において、島津製作所製のAXIS−ULTRAを用いたX線光電子分光により検出されたフッ素のメインピーク(F 1s)を示すプロット図である。
図17は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)において、島津製作所製のAXIS−ULTRAを用いたX線光電子分光により検出されたヨウ素のメインピーク(I 3d)を示すプロット図である。
図18は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)で、島津製作所製のAXIS−ULTRAを用いたX線光電子分光により検出されたフッ素のメインピーク(F 1s)を示すプロット図である。
図19は、[トナー1]の帯電量の経時変化を示すプロット図である。帯電量は、トナーと鉄粉キャリアTEFV200/300(パウダーテック株式会社製)からなる現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求めた。トナー濃度は7質量%に調整した。
X線光電子分光測定の結果から、[トナー1]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー1]内部では、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が、結着樹脂としての[低分子ポリエステル1]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基にイオン結合していることがわかった。また、[トナー1]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例2)
−トナー2の作製−
実施例1において、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)の代わりに下記構造式で表されるフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、[トナー2]を作製した。
得られた[トナー2]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー2]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー2]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(2)が結着樹脂としての[低分子ポリエステル1]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基にイオン結合していることがわかった。また、[トナー2]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例3)
−トナー3の作製−
実施例1において、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)の代わりに下記構造式で表されるフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、[トナー3]を作製した。
得られた[トナー3]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー3]にはヨウ素が存在しないことが認められた。ヨウ素が存在しない。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー3]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(3)が、結着樹脂としての[低分子ポリエステル1]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー3]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例4)
−トナー4の作製−
実施例1において、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)の代わりに下記構造式で表されるフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(4)を使用した以外は、実施例1と同様にして、[トナー4]を作製した。
得られた[トナー4]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー4]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー4]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(4)が結着樹脂としての[低分子ポリエステル1]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー4]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例5)
<トナー5の作製>
−低分子ポリエステルの合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物271質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物354質量部、テレフタル酸285質量部、及びイソフタル酸14質量部を投入し、常圧下、窒素気流下、210℃で10時間縮合反応した。次いで、4−t−ブチル安息香酸76質量部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。次いで、0〜15mmHgの減圧下、脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、[低分子ポリエステル2]を得た。
得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の質量平均分子量は4,000、酸価55mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)51℃であった。
次に、実施例1の[低分子ポリエステル1]の代わりに[低分子ポリエステル2]を使用した以外は、実施例1と同様にして、[トナー5]を作製した。
得られた[トナー5]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー5]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー5]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が、結着樹脂としての[低分子ポリエステル2]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー5]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例6)
<トナー6の作製>
−低分子ポリエステルの合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物73質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物590質量部、テレフタル酸254質量部、及びイソフタル酸46質量部を投入し、常圧下、窒素気流下、210℃で10時間縮合反応した。次いで、4−t−ブチル安息香酸38質量部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。次いで、0〜15mmHgの減圧下、脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、[低分子ポリエステル3]を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の質量平均分子量は4,200、酸価8mgKOH/g、水酸基価48mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)45℃であった。
次に、実施例1の[低分子ポリエステル1]の代わりに[低分子ポリエステル3]を使用した以外は、実施例1と同様にして、[トナー6]を作製した。
得られた[トナー6]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー6]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー6]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が、結着樹脂としての[低分子ポリエステル3]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー6]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例7)
<トナー7の作製>
−低分子ポリエステルの合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物662質量部、テレフタル酸269質量部、及び無水トリメリット酸12質量部を投入し、常圧下、窒素気流下、210℃で10時間縮合反応した。次いで、4−t−ブチル安息香酸57質量部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。次いで、10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル[低分子ポリエステル4]を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の質量平均分子量は12,500、酸価25mgKOH/g、水酸基価60mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)51℃であった。
次に、実施例1の[低分子ポリエステル1]の代わりに[低分子ポリエステル4]を使用した以外は、実施例1と同様にして、[トナー7]を作製した。
得られた[トナー7]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー7]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー7]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が結着樹脂としての[低分子ポリエステル4]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー7]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例8)
<トナー8の作製>
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)14質量部、スチレン137質量部、メタクリル酸138質量部、及び過硫酸アンモニウム1.2質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、71℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液2]を得た。
得られた[微粒子分散液2]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、島津製作所製)で測定した体積平均粒径が0.18μmであった。[微粒子分散液2]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は150℃であり、質量平均分子量は15万であった。
次に、実施例1の[微粒子分散液1]の代わりに[微粒子分散液2]を用いた以外は、実施例1と同様にして、[トナー8]を作製した。
得られた[トナー8]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー8]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー8]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が、結着樹脂としての[低分子ポリエステル1]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー8]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例9)
<トナー9の作製>
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン80質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、チオグリコール酸ブチル12質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。次いでに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液3]とする。この[微粒子分散液3]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、島津製作所製)で測定したところ、体積平均粒径が120nmであった。[微粒子分散液3]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は42℃であり、質量平均分子量は3万であった。
次に、実施例1の[微粒子分散液1]の代わりに[微粒子分散液3]を用いた以外は、実施例1と同様にして、[トナー9]を作製した。
得られた[トナー9]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー9]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー9]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が、結着樹脂としての[低分子ポリエステル1]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー9]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例10)
<トナー10の作製>
−油相の作製−
撹拌棒をセットした容器内に、[低分子ポリエステル1]1,020質量部、及び酢酸エチル550質量部を仕込み、10時間混合して[原料溶解液1]を作製した。
得られた[原料溶解液1]に、下記構造式で表されるN,N,N−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム・ヨージド(フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1))を1質量%濃度で分散させた水溶液を[原料溶解液1]に対し0.08質量%になるよう混合撹拌し、[油相2]を得た。
次に、実施例1の[油相1]の代わりに[油相2]を用いた以外は、実施例1と同様にして、[トナー10]を作製した。
得られた[トナー10]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー10]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー10]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が、結着樹脂としての[低分子ポリエステル1]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー10]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(実施例11)
<トナー11の作製>
−油相の作製−
撹拌棒をセットした容器内に、[低分子ポリエステル1]1,020質量部、及び酢酸エチル550質量部を仕込み、10時間混合し[原料溶解液1]を得た。
得られた[原料溶解液1]に、下記構造式で表されるN,N,N−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム・ヨージド(フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1))を1質量%濃度で分散させた水溶液を[原料溶解液1]に対し5質量%になるよう混合撹拌し、[油相3]を得た。
次に、実施例1の[油相1]の代わりに[油相3]を用いた以外は、実施例1と同様にして、[トナー11]を作製した。
得られた[トナー11]について、実施例1と同様にして測定したX線光電子分光の結果から、[トナー11]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー11]内部ではフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が、結着樹脂としての[低分子ポリエステル1]のカルボキシル基及び樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。また、[トナー11]の帯電量の経時変化は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりが速く、経時での帯電減少も認められなかった。
(比較例1)
<トナー12の作製>
−油相の作製−
実施例1において、[油相1]にフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)を添加しない以外は、実施例1と同様にして、[油相4]を得た。
−乳化及び脱溶剤−
実施例1の[油相1]の代わりに[油相4]を用いた以外は、実施例1と同様にして、[乳化スラリー2]を得た。
−洗浄及び乾燥−
[乳化スラリー2]100質量部を減圧濾過した後、以下のようにして、洗浄及び乾燥を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数15,000rpmで5分間)した後濾過する操作を5回行った。
(2)(1)の濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部と、下記構造式で表されるフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)を1質量%濃度で分散させた水溶液を、トナー母体に対してフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が0.1質量%になるよう混合し、TKホモミキサーで混合(回転数15,000rpmで30分間)した後濾過した。
(3)(2)の濾過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数15,000rpmで10分間)した後濾過する操作を5回行い[濾過ケーキ2]を得た。
得られた[濾過ケーキ2]を循風乾燥機にて45℃で24時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径(Dv)5.02μm、個数平均粒径(Dn)4.51μm、Dv/Dn=1.11の[トナー12]を得た。
図20は、[トナー12]において、島津製作所製のAXIS−ULTRAを用いたX線光電子分光による測定ではヨウ素のメインピーク(I 3d)が存在しないことを示す、ヨウ素のメインピーク付近のプロット図である。
図21は、[トナー12]において、島津製作所製のAXIS−ULTRAを用いたX線光電子分光により検出されたフッ素のメインピーク(F 1s)を示すプロット図である。
図22は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)で、島津製作所製のAXIS−ULTRAを用いたX線光電子分光により検出されたヨウ素のメインピーク(I 3d)を示すプロット図である。
図23は、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)で、島津製作所製のAXIS−ULTRAを用いたX線光電子分光により検出されたフッ素のメインピーク(F 1s)を示すプロット図である。
図24は、[トナー12]の帯電量の経時変化を示すプロット図である。
X線光電子分光測定の結果から、[トナー12]にはヨウ素が存在しないことが認められた。また、フッ素、及び窒素のメインピークは原材料粉と同じ状態でトナー中に存在していた。このことから、[トナー12]表面においてフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)が、樹脂微粒子のカルボキシル基とイオン結合していることがわかった。
[トナー12]の帯電量の経時変化は、[トナー1]やフッ素含有4級アンモニウム塩化合物を使用した従来のトナーと同様に初期の帯電立ち上がりは速いが、[トナー1]とは異なり経時での帯電減少が認められた(図24参照)。
(比較例2)
−トナー13の作製−
実施例1において、[油相1]の代わりに[油相4]を用いた以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径(Dv)5.01μm、個数平均粒径(Dn)4.50μm、Dv/Dn=1.11の[トナー13]を得た。
次に、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物を含有しない構成の[トナー13]の帯電量経時変化は、[トナー1]、及び[トナー12]とは異なり帯電立ち上がりは遅く、帯電量が最大に達するまでの時間は600秒であった。なお、帯電量の減少は見られず、ほぼ単調増加関数であった(図25参照)。
次に、実施例1〜11及び比較例1〜2のトナー1〜13について、以下のようにして、帯電性、及び定着性を評価した。結果を表1に示す。
<帯電性>
−帯電量−
鉄粉キャリア(TEFV200/300、パウダーテック株式会社製)を用い、常法により作製した2成分系現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込み、640rpmの攪拌速度で攪拌し、ブローオフ法により帯電量を求めた。なお、トナー濃度は7質量%に調整した。
−帯電速度−
前記帯電量測定で、60秒間での帯電量が最大帯電量の9割以上の帯電量の時に良好であるとして「○」とし、9割に達していないものを「×」とした。
−帯電減少−
前記帯電量測定で、3,600秒での帯電量が最大帯電量の9割以上の帯電量の時に良好であるとして「○」とし、9割以下に減少したものを「×」とした。
<定着性>
画像形成装置(株式会社リコー製、imagio Neo 450)を用いて、厚紙の転写紙(NBSリコー社製の複写印刷用紙)にベタ画像で、画像濃度が1.0±0.1mg/cmの割合でトナーが現像されるように調整を行い、定着ベルトの温度が可変となるように調整を行って、定着下限温度を測定した。なお、定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
表1の結果から、実施例1〜11のトナーは、比較例1〜2のトナーに比べて、結着樹脂としての未変性ポリエステル樹脂の末端に帯電制御剤としてのフッ素含有4級アンモニウム塩化合物をイオン結合させ、トナー内部に一様にフッ素含有4級アンモニウム塩化合物を存在させることによって、トナー表面の削れが発生しても帯電量の経時減少が少ないことが認められる。
これに対し、従来の湿式外添により帯電制御剤としてのフッ素含有4級アンモニウム塩化合物をトナー表面に有する比較例1は、経時によりトナー表面の削れが発生すると、帯電量の減少が認められる。
また、帯電制御剤としてのフッ素含有4級アンモニウム塩化合物を含まない比較例2は、帯電速度が低く、帯電立ち上がりが遅いものである。
本発明のトナーは、帯電量の経時変化が少なく、撹拌初期の帯電立ち上がりが良好であり、低温定着性に優れたものであるので、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置に好適である。
図1は、SEM観察で得られた、表面がわずかに削れた分析用トナーを示す図である。 図2は、SEM観察で得られた、表面が削れて殆ど残っていない分析用トナーを示す図である。 図3は、SEM観察のEDS元素マッピングで得られた、表面がわずかに削れた分析用トナーのフッ素付加位置示す図である。 図4は、SEM観察のEDS元素マッピングで得られた、表面が削れて殆ど残っていない分析用トナーのフッ素付加位置示す図である。 図5は、X線光電子分光により得られた、分析用トナーではヨウ素のメインピークが存在しないことを示すプロット図である。 図6は、X線光電子分光により得られた、分析用トナーのフッ素のメインピークを示すプロット図である。 図7は、X線光電子分光により得られた、分析用のトナーの窒素のメインピークを示すプロット図である。 図8は、X線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)のヨウ素のメインピークを示すプロット図である。 図9は、X線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム化合物(1)のフッ素のメインピークを示すプロット図である。 図10は、X線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)の窒素のメインピークを示すプロット図である。 図11は、NMR定量分析により得られた、分析用トナーの結着樹脂ポリエステル中のビスフェノールA誘導体数に対するフッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)分子数比の経時変化を示すプロット図である。 図12は、H−NMR測定により得られた、分析用トナーのピークを示す図である。 図13は、H−NMR測定により得られた、分析用トナー作製に用いた未変性ポリエステルのピークを示す図である。 図14は、分析用トナーの帯電量の経時変化を示すグラフである。 図15は、X線光電子分光により得られた、実施例1のトナーではヨウ素のメインピークが存在しないことを示すプロット図である。 図16は、X線光電子分光により得られた、実施例1のトナーのフッ素のメインピークを示すプロット図である。 図17は、X線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)のヨウ素のメインピークを示すプロット図である。 図18は、X線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)のフッ素のメインピークを示すプロット図である。 図19は、実施例1のトナーの帯電量の経時変化を示すグラフである。 図20は、X線光電子分光により得られた、比較例1のトナーではヨウ素のメインピークが存在しないことを示すプロット図である。 図21は、X線光電子分光により得られた、比較例1のトナーのフッ素のメインピークを示すプロット図である。 図22は、X線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)のヨウ素のメインピークを示すプロット図である。 図23は、X線光電子分光により得られた、フッ素含有4級アンモニウム塩化合物(1)のフッ素のメインピークを示すプロット図である。 図24は、比較例1のトナーの帯電量の経時変化を示すグラフである。 図25は、比較例2のトナーの帯電量の経時変化を示すグラフである。 図26は、本発明で用いるプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 図27は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図28は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図29は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図30は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図31は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図32は、図31の画像形成要素部分の概略拡大図である。
符号の説明
1 静電潜像担持体(感光体ドラム)
2 転写装置
3 シート搬送ベルト
4 中間転写体
5 二次転写装置
6 給紙装置
7 定着装置
8 クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体
102 帯電装置
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
210 画像定着装置
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (17)

  1. 少なくとも結着樹脂及び帯電制御剤を含有するトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させた溶解乃至分散物を、水系媒体中に分散させた分散液から有機溶剤を除去することにより得られるトナーであって、
    前記結着樹脂が少なくともイオン結合可能な官能基を有し、前記トナー内部で前記帯電制御剤が前記結着樹脂とイオン結合していることを特徴とするトナー。
  2. 水系媒体が少なくとも樹脂微粒子を含有し、該樹脂微粒子がイオン結合可能な官能基を有し、トナー内部で前記樹脂微粒子及び結着樹脂の少なくともいずれかが帯電制御剤とイオン結合している請求項1に記載のトナー。
  3. 帯電制御剤がフッ素含有4級アンモニウム塩化合物である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が、下記構造式(1)で表される化合物である請求項3に記載のトナー。
    ただし、前記構造式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、及び炭化水素基のいずれかを表す。R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、及び炭化水素基のいずれかを表す。Xは、二価有機基を表す。Yは、対イオンを表す。n及びmは、それぞれ正の整数を表す。
  5. フッ素含有4級アンモニウム塩化合物が、下記構造式で表されるN,N,N−トリメチル−〔3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル〕アンモニウム・ヨージドである請求項4に記載のトナー。
  6. フッ素含有4級アンモニウム塩化合物のトナーにおける含有量が0.05〜10質量%である請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. 結着樹脂が末端にカルボキシル基を有する請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. 結着樹脂がポリエステル系樹脂を含有する請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9. 結着樹脂の酸価が1〜30mgKOH/gである請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
  10. 結着樹脂のガラス転移温度(Tg)が40〜90℃である請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
  11. トナー表面及び内部の少なくともいずれかに樹脂微粒子を含有し、かつ該樹脂微粒子がビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種を含有する請求項1から10のいずれかに記載のトナー。
  12. 樹脂微粒子の質量平均分子量が5,000〜20万である請求項11に記載のトナー。
  13. トナーの体積平均粒径(Dv)が4〜8μmであり、かつ該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下である請求項1から12のいずれかに記載のトナー。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
  15. 一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれかである請求項14に記載の現像剤。
  16. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項1から13のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  17. クリーニング工程により除去したトナーを現像工程にリサイクルするリサイクル工程を含む請求項16に記載の画像形成方法。
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