JP2008050488A - 樹脂組成物及びこれを成形してなる成形体 - Google Patents

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Abstract


【課題】 寸法安定性、耐熱性、滞留安定性、耐衝撃性、摺動性に優れた樹脂組成物と、この樹脂組成物を成形して得られる、使用時に充填材の脱落が実用上問題とならない精密部品を提供する。【解決手段】 ポリアリレート樹脂10〜100質量%とポリカーボネート樹脂90〜0質量%とからなる樹脂組成物40〜95質量%、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂0.5〜10質量%及び平均粒径10μm以下の球状シリカ5〜60質量%からなる樹脂組成物および、この樹脂組成物を用いて成形された精密部品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱クリープ性、摺動性、滞留安定性、寸法安定性、耐衝撃性に優れた樹脂組成物及びこれを成形してなる成形体に関するものである。
従来、デジタル家電の精密部品、具体的にはデジタルカメラのレンズ部品や光ディスクドライブのディスクセンタリング部品等、寸法安定性が必要とされる部品用の素材としては、ガラス強化ポリカーボネート樹脂が多用されている。
しかしながら、従来のガラス強化ポリカーボネート樹脂では、近年の技術の急速な進歩に追随できていないためか、性能が不十分な場合が散見されはじめている。例えば、成形品のゲートカット跡等からガラスが脱落し、それがダストとして製品機能の障害となる場合があり、具体的にはデジタルカメラのレンズ部品における、カメラ画素数のアップでCCD素子が細密化しており、ガラス繊維のダストがレンズ素子を隠蔽し、撮影の障害になるなどの問題が発生している。
また、光ディスクドライブでは、ディスクの高密度化に伴い、高度な読み取り精度が必要となり、ディスクのセンタリング部品においてさらなる寸法安定性が求められている一方、ディスク回転速度の高速化で、モータ発熱量が増大しているため、部品が熱クリープ変形しやすくなっている。このような用途では、ガラス強化ポリカーボネート樹脂は耐熱性が不十分で、放熱設計や、クリープし難い形状を工夫せねばならず、設計の自由度が制限されるという問題がある。また、成形部品を組み付け後、この部品の近接した個所で電子回路部品をハンダ付けする場合もあるが、ポリカーボネート樹脂では、ハンダ付けの熱で部品が変形しやすく、これも設計の自由度の制限となっている。
本発明者らは、これらの問題を解決するために、特許文献1、2でポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラスフレーク及びガラスビーズ等の無機充填材からなる、耐熱性、寸法安定性に優れた樹脂組成物を提案した。
しかしながら、ガラスフレークは、ガラス繊維よりもアスペクト比は小さいものの、板状のため異方性が顕著となり、成形時の歪の方向性によって変形が生じ、寸法安定性という点では限界がある。タルク、カオリンのような鉱物系の無機充填材も板状のため同様の問題があり、また、アルカリ不純物を多く含むため、基材であるポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂が、加工時に滞留安定性が悪くなるという問題もある。さらに、ガラスビーズの場合は、球状のため異方性の問題は小さく、低アルカリガラスであれば滞留安定性にも優れるが、ガラスビーズも含め繊維状でない充填剤はいずれも耐衝撃性に難点があり、携帯電話などの部品に使用された場合、誤って地面に落下させた場合などに割れが生じる危険性がある。
また、カメラレンズ部品やディスク調芯部品等の精密部品には、摺動部分が存在するものがあり、この場合、摺動性をよくするために低摩擦係数、耐摩耗性が必要となる。摺動性は、例えばフッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン樹脂を配合することによって向上させることができる。しかし、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物中への分散性はよくないので、相応の添加量が必要となり、その場合、衝撃強度の低下や、分解ガスが発生するという問題がある。
特開2001−288351号公報 特開2003−113296号公報
本発明は、上記の問題を解決し、寸法安定性、耐熱性、滞留安定性、耐衝撃性、摺動性に優れた樹脂組成物と、この樹脂組成物を成形して得られる、使用時に充填材の脱落が実用上問題とならない精密部品を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物に、特定のポリテトラフルオロエチレン樹脂と球状シリカを配合すればよいことを知見して本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)ポリアリレート樹脂10〜100質量%、ポリカーボネート樹脂90〜0質量%とからなる樹脂組成物40〜95質量%、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂0.5〜10質量%及び平均粒径10μm以下の球状シリカ5〜60質量%からなる樹脂組成物。
(2)(1)に記載の樹脂組成物を用いて成形された精密部品。
本発明によれば、寸法安定性、耐熱性、滞留安定性、耐衝撃性、摺動性に優れた樹脂組成物が提供される。すなわち、本発明の樹脂組成物は、精密部品に成形して使用する際に充填材の脱落が実用上問題とならないので、デジタルカメラレンズ部品、カメラ付携帯電話レンズ部品、記録ディスクセンタリング部品等、各種の高度な性能が要求される精密部品用として好適であり、産業上の利用価値は極めて高い。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂及び球状シリカで構成されている。
まず、本発明にいうポリアリレート樹脂とは、芳香族ジカルボン酸残基単位とビスフェノール残基単位で構成されたものである。
芳香族ジカルボン酸残基を導入するための原料の好ましい例としては、テレフタル酸やイソフタル酸が挙げられる。本発明においては両者を混合使用して得られるポリアリレート樹脂組成物が溶融加工性及び機械的特性の面で特に好ましい。その混合比率(テレフタル酸/イソフタル酸)は任意に選択することができるが、モル分率で90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、より好ましくは70/30〜30/70、最適には50/50である。テレフタル酸の混合モル分率が10モル%未満であっても、90モル%を超えていても界面重合法で重合する場合は十分な重合度を得難くなる場合がある。
また、ビスフェノール残基を導入するためのポリアリレート原料はビスフェノール類であり、その具体例として、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAと略称する。)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5―ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよいし、あるいは、2種類以上を混合して使用してもよい。とりわけ、ビスフェノールAが経済的に好ましい。
次に、本発明におけるポリカーボネート樹脂とは、ビスフェノール類残基とカーボネート残基単位で構成されたものである。
ビスフェノール残基単位を導入するための原料のビスフェノール類としては、例えばビスフェノールA、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジチオジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。その他にも特許文献3〜6に記載されているジフェノールが使用できる。これらは単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。
米国特許第2,999,835号明細書 米国特許第3,028,365号明細書 米国特許第3,334,154号明細書 米国特許第4,131,575号明細書 ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の配合割合は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物全体を100質量%としたとき、ポリアリレート樹脂が10〜100質量%、ポリカーボネート樹脂が90〜0質量%の範囲であることが必要であり、ポリアリレート樹脂が30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂が70〜10質量%であることが好ましい。ポリアリレート樹脂が10質量%未満では、耐熱性や耐摩耗性の向上効果が乏しい。
また、本発明の樹脂組成物におけるポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物の配合割合は、樹脂組成物全体の40〜95質量%が必要であり、40質量%未満では、曲げ強度やアイゾッド衝撃強度が低下し、95質量%を超えると、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂や球状シリカの配合量が少なくなり、摺動性や寸法安定性が低下する。
次に、本発明における焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂とは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を融点以上で焼成したものであり、焼成後の分子量は数万〜数百万のものが望ましい。分子量が小さすぎると、本発明の樹脂組成物の機械物性が低下する。また、分子量が大きすぎると、ポリアリレート樹脂やポリカーボネート樹脂との相溶性が悪くなる。焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂を使用することで、未焼成のものに比べ、ポリアリレートやポリカーボネート樹脂中への分散性が向上し、摺動性も向上する。また、ポリテトラフルオロエチレンの重合後に、ポリテトラフルオロエチレン以外のフッ化化合物が残留していても、焼成によって残留物質が分解するため、焼成ポリテトラフルオロエチレンを使用した場合、その後の加工工程における分解ガスの可能性は少ない。
本発明で使用する焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂の性状であるが、本発明の樹脂組成物の製造において、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂とポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂及び球状シリカとを溶融混練で配合する場合、分散性の面から、粉末状のものが望ましい。粉末の粒子径としては5〜65μm、特に20〜40μmが好ましい。
このような焼成ポリテトラフルオロエチレン粉末は、例えば、次のような手段により得ることができる。すなわち、縣濁重合又は乳化重合により得られたポリテトラフルオロエチレン粉末を融点以上(例えば360℃〜380℃)で1〜8時間焼成し、得られた焼成ポリテトラフルオロエチレンを冷凍粉砕機にて5〜65μmの微粉砕物とする方法などである。この他、ポリテトラフルオロエチレン粉末を融点以上で焼成した焼成ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射し、粒径を小さくする方法なども採用することができる。ただし、この場合、分子量が小さくなる場合があるので注意を要する。
なお、本発明で用いる焼成ポリテトラフルオロエチレンとして、1質量%未満の次の変性剤で共重合変性されたポリテトラフルオロエチレンを含むが、この変性によっても本発明の効果は損なわれない。変性剤としては、例えばヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキル(炭素数1〜10)エチレン、パーフルオロアルキル(炭素数1〜10)アリルエーテル、及び式:CF2 =CF[OCF3 CFX(CF2 m n OCF2 (CF2 p Y[式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基、Yはハロゲン原子、mは0又は1(ただし、mが1の場合、Xはフッ素原子である。)、nは0又は1〜5の整数、pは1又は2を表わす。]で示される化合物が挙げられる。
本発明の樹脂組成物における焼成ポリテトラフルオロエチレンの配合量は、樹脂組成物全体の0.5〜10質量%であることが必要であり、1〜8質量%の範囲にすることがより好ましい。配合量が0.5質量%未満では摺動性が不十分であり、10質量%を超えると耐衝撃性が低下する。
次に、本発明の樹脂組成物に配合される球状シリカの平均粒径は、細かいほどダストとなった場合に製品の機能を阻害し難いが、実用上10μm以下、好ましくは5μm以下である。平均粒径が10μmを超えると、カメラレンズ部品として使用される場合、樹脂組成物から脱落したシリカがダストとして撮影を阻害する場合があり、寸法安定性も不十分となる。
球状シリカは、本発明の目的である寸法安定性、滞留安定性、耐衝撃性を満足するものであれば、その製法は限定されず、公知の方法で製造できる。例えば、シリカ微小粉末を高温火炎中に投入して、溶融、流動化させ、表面張力を利用して球状になったところで、急冷して製造する方法、酸素を含む雰囲気内において着火用バーナーにより化学炎を形成し、この化学炎中にシリコン粉末を粉塵雲が形成される程度の量投入し、爆発を起こさせてシリカ超微粒子を製造する方法、アルコキシシランをアルカリ下で加水分解、凝集してゾル−ゲル法で製造する方法等を採用することができる。
また、球状シリカと樹脂マトリックスの接着性を改良するために、球状シリカにシランカップリング処理剤による表面処理を施してもよい。
球状シリカを樹脂マトリックス中に分散させるためには、分散剤を使用するとよい。例えば、脂肪酸エステルやその誘導体、脂肪酸アマイドやその誘導体を使用することができる。脂肪酸アマイドとしては、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられる。シリカが、樹脂マトリックス中に均一に分散することによって、成形収縮率や線膨張係数が小さくなり、より寸法安定性が向上する。添加量はポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、焼成ポリテトラフルオロエチレン及び球状シリカからなる樹脂組成物100質量部に対して、0.01〜0.5質量部が好ましい。
球状シリカの配合量は、樹脂組成物全体の5〜60質量%であることが必要であり、20〜40質量%の範囲とすることがより好ましい。配合量が5質量%未満になると、寸法安定性が不十分となり、60質量%を超えると、溶融混練押出しによるペレット化が困難になるなど製造工程で不都合が生じる。
本発明の樹脂組成物には、前記したポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂及び球状シリカ以外に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、顔料、染料、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、耐衝撃改良剤、超高分子量ポリエチレン、フッ素樹脂等の摺動剤などを添加してもよい。
本発明の樹脂組成物の極限粘度は0.45〜0.65であることが好ましい。極限粘度が0.65を上回ると溶融粘度が高くなり、射出成形が困難になる場合がある。一方、0.45を下回ると、得られる成形品の衝撃強度が不足する場合がある。
本発明の樹脂組成物を製造するに際し、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂、球状シリカ、その他添加剤を配合する方法は特に限定されるものではなく、樹脂組成物中に各成分が均一に分散されている状態になればよい。具体的にはポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂、球状シリカ、その他添加剤をタンブラーあるいはヘンシェルミキサーを用いて均一にブレンドした後に溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。
また、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物に関して、溶融混練ではなく、共重合体を使用してもよい。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた原料と各特性の評価方法は次の通りである。
1.原料
(1)ポリアリレート樹脂
ユニチカ社製 U−パウダー(極限粘度0.55)。以下、「PAR」と称する。
(2)ポリカーボネート樹脂
住友ダウ社製 カリバーK200−13(極限粘度0.49)。以下、「PC」と称する。
(3)焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂
三幸ファインマテリアル製 SG−1000。以下、「焼成PTFE」と称する。
(4)ポリテトラフルオロエチレン樹脂
ダイキン工業製 ルブロン L―5。以下、「PTFE」と称する。
(5)球状シリカ
日本電気化学社製 FB−5SDC 平均径5μm、以下、「SB」と称する。
(6)ガラスビーズ
ポッターズ・バロティーニ社製 EMB−10、平均粒径5μm。以下、「GB」と称する。
(7)タルク
日本タルク社製 ミクロエースK−1、平均粒径7μm。
2.評価方法
(1)極限粘度
1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒として用い、25℃における溶液粘度から求めた。成形サイクル60sで成形した製品の粘度が0.45より小さくなる場合、耐衝撃性が悪くなり、加工時の滞留安定性はよくない。通常、0.45〜0.65程度である。
(2)溶融混練操業性
溶融混練時の操業性を、次の2段階で判定した。
○:押出機のノズルから出た樹脂を問題なくストランド状に引き取ることができる。
×:ノズルから出た樹脂がすぐ切れて引き取れない。
(3)曲げ強度
ASTM D790に準じて測定した。
(4)アイゾッド衝撃強度
ASTM D256に準じて測定した。これが低いと製品落下時に割れのおそれがある。70J/m以上が良好である。
(5)DTUL(荷重たわみ温度)
ASTM D648に準じ、荷重1.8MPaにて測定した。耐熱クリープ性、耐ハンダ性の面から、DTULが150℃以上あれば、製品の設計自由度が大きく向上する。
(6)成形収縮率
ASTM D790に準じた曲げ試験片の長辺方向の寸法を測定し、(成形品長辺方向の寸法―金型寸法)/金型寸法×100で計算して成形収縮率を評価した。寸法安定性の面からは、成形収縮率0.7%以下が良好である。
(7)動摩擦係数
鈴木式連続摩擦磨耗試験機を使用して、摺動相手材S45C、荷重10kgf、すべり速度50mm/sで測定した。摺動する部品用としては、0.3以下が良好である。
(8)比磨耗量
鈴木式連続摩擦磨耗試験機を使用して、摺動相手材S45C、荷重10kgf、すべり速度50mm/sの条件で測定した。単位圧力、単位すべり距離あたりの比磨耗量として、1mg/(km・N)以下が良好である。
(9)寸法安定性
断面形状2mm×2mmの方形、内径26mmのリング型試験片(サイドゲート1点)の最大内径、最小内径、平均内径を測定し、(最大内径−最小内径)/平均内径×100で評価した。値が小さいほど寸法安定性がよく、0.2%以下が良好である。
(実施例1〜7)
各原料を、表1に示す配合割合で、同方向2軸押出機(東芝機械社製TEM‐37BS)を用いて、バレル温度320℃で溶融混練を行ない、ノズルからストランド状に引き取った樹脂組成物を水浴中で冷却固化し、ペレタイザーでカッティングした後、120℃で12時間熱風乾燥することによって樹脂組成物のペレットを得た。
次いで、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製IS100E−3S)を用いて樹脂温度340℃、成形サイクル30sで成形し、各種試験片を作製した。溶液粘度測定用試験片に関しては、成形サイクル60sの条件でも成形した。各種試験片は1日以上室温にて放置した後、これらについて、曲げ強度、アイゾッド衝撃強度、DTUL、成形収縮率、極限粘度、寸法安定性を評価し、その結果を併せて表1に示す。
(比較例1〜8)
各原料を表2に示す配合割合で、同方向2軸押出機(東芝機械社製TEM‐37BS)を用いて、バレル温度320℃で溶融混練を行ない、比較例8以外はノズルからストランド状に引取った樹脂組成物を水浴中で冷却固化し、ペレタイザーでカッティングした後、120℃で12時間熱風乾燥することによって樹脂組成物のペレットを得た。ただし、比較例8は、ノズルから出た樹脂が不連続となって、ストランド状に曳くことができず、ペレタイズ不可能だった。
次いで、比較例8以外の得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製IS100E−3S)を用いて樹脂温度340℃、成形サイクル30sで成形し、各種試験片を作製した。溶液粘度測定用試験片に関しては、成形サイクル60sの場合も成形した。各種試験片は1日以上室温にて放置した後、これらについて、曲げ強度、アイゾッド衝撃強度、DTUL、成形収縮率、極限粘度、寸法安定性を評価し、その結果を併せて表2に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜7で得られた樹脂組成物は、曲げ強度、アイゾッド衝撃強度、DTUL、成形収縮率、動摩擦係数、比磨耗量において優れており、また、60sサイクル成形品の溶液粘度の低下も少なく、滞留安定性にも優れていた。
一方、比較例1の樹脂組成物は、焼成、非焼成いずれのPTFEも配合されていないため、動摩擦係数が高く、比磨耗量も大きかった。
比較例2の樹脂組成物は、非焼成PTFEを配合しているため、アイゾッド衝撃強度が低く、動摩擦係数も高かった。
比較例3の樹脂組成物は、焼成PTFEの配合量が本発明の範囲を上方に外れていたため、アイゾッド衝撃強度が低かった。
比較例4の樹脂組成物は、PARの配合量が本発明の範囲を下方に外れていたため、DTULが低かった。
比較例5の樹脂組成物は、SBの代りにGBを使用したが、アイゾッド衝撃強度が低かった。
比較例6の樹脂組成物は、SBの代りにタルクを使用したが、滞留安定性と寸法安定性が悪く、また、アイゾッド衝撃強度も低かった。
比較例7の樹脂組成物は、SBの配合量が本発明の範囲を下方に外れていたため、成形収縮率が大きく、寸法安定性が悪かった。
比較例8の樹脂組成物は、SBの配合量が本発明の範囲を上方に外れていたため、溶融混練押出し時の操業性が悪かった。

Claims (2)

  1. ポリアリレート樹脂10〜100質量%とポリカーボネート樹脂90〜0質量%とからなる樹脂組成物40〜95質量%、焼成ポリテトラフルオロエチレン樹脂0.5〜10質量%及び平均粒径10μm以下の球状シリカ5〜60質量%からなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物を用いて成形された精密部品。
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