JP2008048978A - 安全衛生管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】作業環境に適した呼吸用保護具の装着を作業者に促して、作業者の安全を確保し労働災害の発生を予防する。
【解決手段】作業者Hが作業空間4に入る際、作業者Hの装着している呼吸用保護具3のRFID2に記憶されている保護具IDを読取装置5が読み取る。管理装置9は、保護具IDにより特定される呼吸用保護具3の属性情報を保護具情報記憶部9Bから読み出すとともに、作業空間4で使用される呼吸用保護具3の満たすべき条件を使用条件記憶部9Cから読み出し、呼吸用保護具3が条件を満たしているか否かを判定する。そして、条件を満たしていなければ警報装置8を作動させる。これにより、作業環境4に不適または不備のある呼吸用保護具3を装着している作業者Hに対し、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具3の装着を促すことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、呼吸用保護具の装着が義務付けられている作業現場において、各作業者にそれぞれの作業環境に適した呼吸用保護具を装着させることにより、作業者の安全を確保し労働災害の発生を予防する安全衛生管理技術に関する。
[呼吸用保護具について]
図6は呼吸用保護具の体系図である(JIS T8001 2006, JIS T8150 2006, JIS T8157 1991)。図示のとおり、呼吸用保護具は給気式とろ過式のものに大別される。
給気式呼吸用保護具とは、環境吸気と無関係の空気又は呼吸可能なガス(酸素を含有する人体に無害なガス)を装着者に供給する形式の呼吸用保護具の総称であり、送気マスク(エアラインマスク及びホースマスク)と自給式呼吸器(空気呼吸器、酸素呼吸器)とに大別される。給気式呼吸用保護具を使用することにより、環境空気と無関係の空気等を呼吸できる。すなわち、給気式呼吸用保護具は、酸素濃度の低い作業環境や有害物質濃度の高い作業環境においても使用可能な呼吸用保護具である。
ろ過式呼吸用保護具とは、作業用環境中の有害物質を除去(ろ過)することによって、装着者に浄化された空気を吸入させるものであり、動力なしタイプ(粒子状物質用(防塵マスク)、ガス(防毒マスク)・蒸気用、低濃度CO及び粒子状物質用、避難用)と動力つきタイプ(電動ファン付き呼吸用保護具)とに大別される。ろ過式呼吸用保護具は、空気や酸素を供給する機能が無いので、作業環境中の酸素濃度が18%未満の場所では使用することができない呼吸用保護具である。
防塵マスクは、作業環境中に浮遊する粒子状物質(ダスト、ミスト、ヒューム等)を、ろ過材(フィルタ装置)で捕集し、装着者が清浄化された空気を吸入できるようにするマスクである。防塵マスクには、取替え式防じんマスクと使い捨て式防じんマスクとがある。
防毒マスクは、作業環境中に浮遊する有毒ガス・蒸気を吸収缶(フィルタ装置)で捕集し、装着者が清浄化された空気を吸入できるようにするマスクであり、高濃度用、中濃度用、低濃度用の三種類がある。粒子状物質が混在する作業環境向けとして、防じん機能付きのものもある。
[労働災害の概要]
一般に労働災害は、傷害型と疾病型とに分けられる。傷害型の労働災害は、災害の発生と同時に傷害が発生するため、大きな社会問題として取り上げられることが多く、関係当局・事業所(者)の改善・対策意識や保護具対象者(使用者)の装着意識が比較的高い。これに対し疾病型労働災害(じん肺等)は、長時間暴露されることにより徐々に侵される危険性のある災害である故、作業者を雇用する事業者及び使用対象者、ひいては社会的にもそれらの保護具の使用が軽視される傾向がある。しかし、この疾病型の労働災害は、発症すると治療が不可能な場合が大半であるため、特に注意を要する。
特開平6−299799号公報 特表2003−516831号公報
上述したように、呼吸用保護具が使用される環境は様々であり、それぞれの環境に適した呼吸用保護具を装着する必要がある。しかし、作業者の危険意識が低いと、危険な環境での作業であるにもかかわらず、呼吸用保護具を装着しないで作業が行われることがある。作業者が呼吸用保護具を装着しているとしても、その呼吸用保護具が作業環境に適したものであるとは限らないし、作業環境に適したものであっても、その呼吸用保護具に老化、劣化、部品の外れなどの不備がないとも限らない。誤って他の作業者の呼吸用保護具を装着している場合もある。
本発明が解決しようとする課題は、作業者の装着している呼吸用保護具が作業環境に適したものであるか否か、作業者の装着している呼吸用保護具に不備があるか否かを、作業者ごとに自動判別し、作業環境に不適または不備のある呼吸用保護具を装着している作業者に対し、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具の装着を促すことにより、作業者の安全を確保して労働災害の発生を予防することができる安全衛生管理システムを提供することにある。さらには、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具を装着している作業者のみ作業空間内に入ることができるように管理して、作業者の安全の確保および労働災害の予防を図ることができる安全衛生管理システムを提供することにある。
[システム1]
上記課題を解決するために、本発明の安全衛生管理システムは、呼吸用保護具と、前記呼吸用保護具に装着された無線タグと、前記無線タグに記憶されている情報を読み取るべく作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置と、前記無線タグに記憶されている情報を前記読取装置を介して取得する管理装置と、警報を発する警報装置とを備え、前記無線タグは、前記呼吸用保護具を特定するための保護具識別情報(保護具ID)を記憶しており、前記管理装置は、前記保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報を記憶している保護具情報記憶部と、前記作業空間で使用される呼吸用保護具の満たすべき所定の条件(使用条件、使用基準)を記憶している使用条件記憶部と、前記読取装置を介して取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が前記条件を満たしているか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果、前記条件を満たしていなければ前記警報装置を作動させる警告部とを備えたことを特徴としている。
上記のように構成された安全衛生管理システムは、作業者が作業空間に入る際、作業者の装着している呼吸用保護具の無線タグに記憶されている情報を作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置によって読み取り、その情報を管理装置に送る。管理装置は、読取装置から取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報を保護具情報記憶部から読み出すとともに、作業空間で使用される呼吸用保護具の満たすべき所定の条件を使用条件記憶部から読み出す。そして、保護具情報記憶部から読み出した属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が所定の条件を満たしているか否かを判定し、条件を満たしていなければ警報装置を作動させる。これにより、作業環境に不適または不備のある呼吸用保護具を装着している作業者に対し、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具の装着を促すことができる。
本発明の安全衛生管理システムは、更に、前記作業空間に立入る者を確認し得る情報を取得するために作業空間への入口またはその手前に配置された認証情報取得装置を備え、前記無線タグは、前記呼吸用保護具の使用者として登録されている者を特定するための使用者識別情報を記憶しており、前記管理装置は、更に、前記認証情報取得により取得された情報に基づいて前記作業空間に立入る者を確認する立入者確認部を備え、前記判定部は、前記読取装置を介して取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が前記条件を満たしているか否かを判定すると共に前記立入者確認部により確認された者が前記使用者識別情報により特定される使用者本人であるか否かを判定し、前記警告部は、前記判定部による判定の結果、少なくとも一の判定結果が否であれば警報装置を作動させるように構成されていることが望ましい。
上記のように構成された安全衛生管理システムは、作業者が作業空間に入る際、作業者の装着している呼吸用保護具の無線タグに記憶されている情報を作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置によって読み取るとともに、作業空間に立入る者を確認し得る情報を作業空間への入口またはその手前に配置された認証情報取得装置により取得し、それらの情報を管理装置に送る。管理装置は、読取装置から取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報を保護具情報記憶部から読み出すとともに、作業空間で使用される呼吸用保護具の満たすべき条件を使用条件記憶部から読み出し、更に、認証情報取得により取得された情報に基づいて作業空間に立入る者を立入者確認部により確認する。そして、保護具情報記憶部から読み出した属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が所定の条件を満たしているか否かを判定するとともに、立入者確認部により確認された者が使用者識別情報により特定される使用者本人であるか否かを判定し、少なくとも一の判定結果が否であれば警報装置を作動させる。
本発明の安全衛生管理システムは、前記作業空間内に特定の入口からのみ入ることができるように入口を制限するとともに当該入口にその通路を開閉するゲートを設け、前記判定部による判定の結果、両判定結果が否でない場合のみ、当該ゲートを開くように構成されていることが望ましい。
上記のように構成された安全衛生管理システムは、作業者の装着している呼吸用保護具が所定の条件を満たしており、且つ、その呼吸用保護具を装着している者がその呼吸用保護具の使用者として登録されている使用者本人である場合のみ、作業空間内への入口のゲートを開く。これにより、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具を装着している作業者のみ作業空間内に入ることができるように制限される。
[システム2]
本発明の安全衛生管理システムは、そのフィルタ装置を交換可能な呼吸用保護具と、前記フィルタ装置に装着された無線タグと、前記無線タグに記憶されている情報を読み取るべく作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置と、前記無線タグに記憶されている情報を前記読取装置を介して取得する管理装置と、警報を発する警報装置とを備え、前記無線タグは、前記フィルタ装置の属性情報(種類、性能、使用可能環境のうち少なくとも一つの情報)を記憶しており、前記管理装置は、前記作業空間で使用される前記フィルタ装置の満たすべき所定の条件を記憶している使用条件記憶部と、前記読取装置を介して取得した前記フィルタ装置の属性情報と前記使用条件記憶部に記憶されている前記条件とに基づいて当該フィルタ装置が前記条件を満たしているか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果、前記条件を満たしていなければ前記警報装置を作動させる警報制御部とを備えているものである。
上記のように構成された安全衛生管理システムは、作業者が作業空間に入る際、作業者の装着している呼吸用保護具に交換可能に装着されたフィルタ装置の無線タグに記憶されている情報を作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置によって読み取し、その情報を管理装置に送る。管理装置は、読取装置から取得した属性情報と使用条件記憶部に記憶されている条件とに基づいて当該フィルタ装置が所定の条件を満たしているか否かを判定し、条件を満たしていなければ警報装置を作動させる。これにより、作業環境に不適または不備のあるフィルタ装置が装着されている呼吸用保護具を装着している作業者に対し、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具の装着を促すことができる。また、呼吸用保護具にフィルタ装置が装着されていない場合、それを検知できるので、作業者に対しフィルタ装置の装着を促すことができる。
本発明の安全衛生管理システムは、前記作業空間内に特定の入口からのみ入ることができるように入口を制限するとともに当該入口にその通路を開閉するゲートを設け、前記判定部による判定の結果が否でない場合のみ、当該ゲートを開くように構成されていることが望ましい。
上記のように構成された安全衛生管理システムは、作業者の装着している呼吸用保護具のフィルタ装置が所定の条件を満たしている場合のみ、作業空間内への入口のゲートを開く。これにより、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具を装着している作業者のみ作業空間内に入ることができるように制限される。
本発明の呼吸用保護具は、無線タグが装着されている呼吸用保護具であって、前記無線タグは、その無線タグが装着されている呼吸用保護具を特定するための保護具識別情報又はその無線タグが装着されている呼吸用保護具の属性情報と、その無線タグが装着されている呼吸用保護具の使用者を特定するための使用者識別情報とを記憶していることを特徴とするものである。
本発明の呼吸用保護具は、呼吸用保護具を特定するための保護具識別情報又はその無線タグが装着されている呼吸用保護具の属性情報と、その呼吸用保護具の使用者を特定するための使用者識別情報とを記憶した無線タグを備えているので、作業者が作業空間に入る際、作業者の装着している呼吸用保護具の無線タグに記憶されている情報を作業空間への入口またはその手前で読み取ることにより、その情報に基づいて、当該呼吸用保護具が所定の条件を満たしているか否か、当該呼吸用保護具の装着者が当該呼吸用保護具の使用者として登録されている使用者本人であるか否かなどを判定することが可能となる。したがって、これらの判定結果に応じて警報を発するなどの安全対策を実施することができる。
本発明のフィルタ装置は、呼吸用保護具に交換可能に装着されるフィルタ装置であって、そのフィルタ装置の属性情報(種類、性能、使用可能環境のうちの少なくとも一つの情報)を記憶した無線タグが装着されていることを特徴とするものである。
上記のように構成された本発明のフィルタ装置は、そのフィルタ装置の属性情報を記憶した無線タグが装着されているので、作業者が作業空間に入る際、作業者の装着している呼吸用保護具に交換可能に装着された無線タグに記憶されている情報を作業空間への入口またはその手前で読み取ることにより、その情報に基づいて、当該フィルタ装置が所定の条件を満たしているか否か、フィルタ装置が装着されているか否かなどを判定することが可能となる。したがって、これらの判定結果に応じて警報を発するなどの安全対策を実施することができる。
前記無線タグには、前記フィルタ装置の使用開始時期または使用開始からの経過時間が記憶されていることが望ましい。
本発明の安全衛生管理システムによれば、呼吸用保護具の無線タグに記憶されている情報にもとづいて、作業者の装着している呼吸用保護具が作業環境に適したものであるか否か、作業者の装着している呼吸用保護具に不備があるか否かを、作業者ごとに自動判別し、作業環境に不適または不備のある呼吸用保護具を装着している作業者に対して警報を発することができるので、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具の装着を促して、作業者の安全を確保して労働災害の発生を予防することができる。
さらに、本発明の安全衛生管理システムによれば、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具を装着している作業者のみ作業空間内に入ることができるように制限することができるので、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具を装着している作業者のみ作業空間内に入ることができるように管理して、作業者の安全の確保および労働災害の予防を図ることができる。
また、本発明の呼吸用保護具によれば、その無線タグに記憶されている情報に基づいて、当該呼吸用保護具が所定の条件を満たしているか否か、当該呼吸用保護具の装着者が当該呼吸用保護具の使用者として登録されている使用者本人であるか否かなどを判定することが可能であるので、これらの判定結果に応じて警報を発するなどの安全対策を実施することができる。
また、本発明のフィルタ装置によれば、その無線タグに記憶されている情報に基づいて、呼吸用保護具にフィルタ装置が装着されているか否か、当該フィルタ装置が所定の条件を満たしているか否かなどを判定することが可能であるので、これらの判定結果に応じて警報を発するなどの安全対策を実施することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明の安全衛生管理システムの最良の形態について、その概要を説明する。
[第1のシステム構成]
図1は、本発明の安全衛生管理システムの形態例を示すシステム構成図(概念図)である。
この安全衛生管理システム1は、RFIDタグ(無線タグ)2が装着されている呼吸用保護具3と、RFIDタグ2に記憶されている情報を読み取るべく作業空間4への入口4aの手前に配置された読取装置5と、呼吸用保護具3を装着して作業空間4に立入る者Hを確認し得る情報を取得するべく作業空間4への入口4aの手前に配置された認証情報取得装置6と、作業空間4の入口4aに設けられたゲート装置7と、ゲート装置7に設けられた警報装置8と、ゲート装置7及び警報装置8の動作を制御する管理装置9と、を備えている。作業空間4内には入口4aからのみ入ることができるように入口が制限されている。
RFIDタグ2は、その無線タグ2が装着されている呼吸用保護具3を特定するための保護具識別情報(以下、保護具IDと記す。)と、そのRFIDタグ2が装着されている呼吸用保護具3の使用者を特定するための使用者識別情報(以下、使用者IDと記す。)と、を記憶している。
読取装置5は、入口4aの手前の通路の両側に配置された一対のアンテナユニット5Aと、リーダ/ライタ5Bとを備えている。アンテナユニット5Aは、RFIDタグ2に対し電波の受け渡しを行う装置である。リーダ/ライタ5Bは、アンテナユニット5Aを介してのRFIDタグ2との交信制御および上位機種とRFIDタグ2とのプロトコル変換とを行う装置である。
認証情報取得装置6は、アンテナユニット5Aの手前に設置された入力装置であり、使用者IDを入力するためのタッチディスプレイ6A、データキャリア読取装置6B等を備える。このデータキャリア読取装置6Bは、作業空間4への出入りを許可された者が携帯する磁気カード、ICカード、RFIDタグ(呼吸用保護具3に装着されているRFIDタグとは別物)などから使用者IDを読み取る装置である。認証情報取得装置6に入力された使用者IDは管理装置9に送られるようになっている。
ゲート装置7は、作業空間4の入口4aを閉鎖(常閉)している自動扉7Aを備えている。
警報装置8は、警報時に点灯又は点滅動作を行う一対の警報ランプ8Aと、警報時に警報音又は警報メッセージを発する一対の警報スピーカ8Bとを備えている。警報ランプ8Aと警報スピーカ8Bは、左右のアンテナユニット5Aの上部に一つずつ設置されている。
管理装置9は、保護具IDと作業空間4への出入りを許可された者の使用者IDとを対応させて記憶しているID記憶部9Aと、保護具IDにより特定される呼吸用保護具3の属性情報を記憶している保護具情報記憶部9Bと、作業空間4で使用される呼吸用保護具3の満たすべき所定の条件(使用条件、使用基準)を記憶している使用条件記憶部9Cと、認証情報取得装置6により取得された情報に基づいて作業空間4に立入る者Hを確認する立入者確認部9Dと、保護具情報記憶部9Bから読み出した属性情報に基づいて呼吸用保護具3が所定の条件を満たしているか否かを判定するとともに、立入者確認部9Dにより確認された者Hが使用者IDにより特定される使用者本人であるか否かを判定する判定部9Eと、判定部9Eによる判定の結果少なくとも一の判定結果が否であれば警報装置8を作動させる警報制御部9Fとを備えている。そして、管理装置9は、両判定結果が否でない場合のみ、ゲート装置7の自動扉7Aを開くように制御を行う機能を有している。この管理装置9は、本発明の安全衛生管理システム用に開発(プログラミング)したプログラムと必要なデータとを含むソフトウェアを、汎用のコンピュータにインストールすることにより実現される。使用条件記憶部9Cに記憶させておく条件は、就業前に予め測定した環境測定結果に基づいて決定される。
[第1のシステムの作用]
上記のように構成された安全衛生管理システム1の作用について説明する。
この安全衛生管理システム1では、作業空間4内に立ち入ろうとする者(以下、作業空間4内に立ち入ろうとする者を便宜上「作業者」と記す場合もある。)Hは、先ず、アンテナユニット5Aの手前に設置された認証情報取得装置6を使用して、自分の使用者IDをシステムに入力しなければならない。ここでの使用者IDの入力方法としては、その者Hがタッチディスプレイ6Aを操作して入力する方法と、その者が携帯しているデータキャリアに記憶されている使用者IDをデータキャリア読取装置6Bに読み取らせることにより入力する方法とがある。入力された使用者IDは直ちに管理装置9に送られる。
使用者IDをシステムに入力した作業者Hは、一人ずつ読取装置5のアンテナユニット5Aの間を通って作業空間4の入口4aに進む。その際、作業者Hの装着している呼吸用保護具3のRFIDタグ2に記憶されている情報を読取装置5が読み取り、その情報を管理装置9に送る。この情報には、保護具IDと使用者IDとが含まれる。
管理処理9の動作を図2のフロー図に示す。管理装置9は、認証情報取得装置6から取得した使用者IDに基づいて、作業空間4に立入る者Hを立入者確認部9Dにより確認する(S1)。この確認処理は、認証情報取得装置6から取得した使用者IDがID記憶部9Aに登録(記憶)されていることを確認する処理である。認証情報取得装置6から取得した使用者IDがID記憶部9Aに登録されていなければ(S2でNo)、「作業空間への立入は許可されていません。」といったメッセージをタッチディスプレイ6Aに表示するなどのエラー処理(S3)を行って、正しい使用者IDの入力を促す。
管理装置9は、立入者確認部9Dにより確認された者HがRFIDタグ2から読み出された使用者IDにより特定される使用者本人であるか否かを認証(判定)する(S4)。この本人認証処理(S4)は、RFIDタグ2から読み出された使用者IDと立入者確認部9Dにより確認された者Hの使用者ID(すなわち認証情報取得装置6から取得した使用者ID)とを照合(比較)することによりなされる。本人認証処理(S4)の結果、立入者確認部9Dにより確認された者HがRFIDタグ2から読み出された使用者IDにより特定される使用者本人でないならば(S5でNo)、警報装置8を作動させる(S9)。このときゲート装置7の自動扉7Aは閉じられたままである。
管理装置9は、本人認証処理(S4)の結果、立入者確認部9Dにより確認された者HがRFIDタグ2から読み出された使用者IDにより特定される使用者本人であるならば(S5でYes)、RFIDタグ2から読み出された保護具IDにより特定される呼吸用保護具3の属性情報を保護具情報記憶部9Bから読み出し(S6)、その属性情報に基づいて、呼吸用保護具3が所定の条件を満たしているか否かを判定する(S7)。この保護具適否判定処理(S7)は、呼吸用保護具3の属性情報が使用条件記憶部9Cに記憶されている条件を満たしているか否かを判定する処理である。たとえば、呼吸用保護具3の属性情報に「使い捨て式」であることを示す情報が含まれている場合において、使用条件記憶部9Cに記憶されている条件に「『使い捨て式』は使用不可」という条件が含まれている場合、その呼吸用保護具3は作業環境4での使用条件を満たしていない、すなわち「不適である。」と判定される。保護具適否判定処理(S7)の結果、その呼吸用保護具3が作業環境4での使用条件を満たしていないならば(S8でNo)、警報装置8を作動させる(S9)。このときも未だゲート装置7の自動扉7Aは閉じられたままである。
管理装置9は、保護具適否判定処理(S7)の結果、その呼吸用保護具3が作業環境4での使用条件を満たしているならば(S8でYes)、ゲート装置7の自動扉7Aを開く(S10)。ゲート装置7には、図示しない人センサが設けられており、人センサによる検知情報に基づいて作業者Hがゲート装置7を一人通過したことを確認した後、直ちに自動扉7Aを閉じる。
上述したように、この形態例の安全衛生管理システム1によれば、呼吸用保護具3のRFIDタグ2に記憶されている情報にもとづいて、作業者Hの装着している呼吸用保護具3が作業環境に適したものであるか否か、作業者Hの装着している呼吸用保護具3に不備があるか否かを、作業者Hごとに自動判別し、作業環境に不適または不備のある呼吸用保護具3を装着している作業者Hに対して警報を発することにより、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具3の装着を促して、作業者Hの安全を確保し労働災害の発生を予防することができる。
さらに、この形態例の安全衛生管理システム1によれば、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具3を装着している作業者Hのみ作業空間4内に入ることができるように制限することができるので、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具3を装着している作業者Hのみ作業空間4内に入ることができるように管理して、作業者Hの安全の確保および労働災害の予防を図ることができる。
[第2のシステム構成]
図3は、本発明の安全衛生管理システムの別の形態例を示すシステム構成図(概念図)である。
この安全衛生管理システム10は、交換可能なフィルタ装置11を備えた呼吸用保護具3と、フィルタ装置11に装着されたRFIDタグ22と、RFIDタグ22に記憶されている情報を読み取るべく作業空間4への入口4aの手前に配置された読取装置5と、作業空間4の入口4aに設けられたゲート装置7と、ゲート装置7に設けられた警報装置8と、ゲート装置7及び警報装置8の動作を制御する管理装置9と、を備えている。作業空間4内には入口4aからのみ入ることができるように入口が制限されている。
RFIDタグ22は、そのRFIDタグ22が装着されているフィルタ装置11の属性情報(種類、性能、使用可能環境のうち少なくとも一つの情報)を記憶している。
読取装置5は、入口4aの手前の通路の両側に配置された一対のアンテナユニット5Aと、リーダ/ライタ5Bとを備えている。アンテナユニット5Aは、RFIDタグ2に対し電波の受け渡しを行う装置である。リーダ/ライタ5Bは、アンテナユニット5Aを介してのRFIDタグ22との交信制御および上位機種とRFIDタグ22とのプロトコル変換とを行う装置である。
ゲート装置7は、作業空間4の入口4aを閉鎖(常閉)している自動扉7Aを備えている。
警報装置8は、警報時に点灯又は点滅動作を行う一対の警報ランプ8Aと、警報時に警報音又は警報メッセージを発する一対の警報スピーカ8Bとを備えている。警報ランプ8Aと警報スピーカ8Bは、左右のアンテナユニット5Aの上部に一つずつ設置されている。
管理装置9は、作業空間4で使用されるフィルタ装置11の満たすべき所定の条件を記憶している使用条件記憶部9Cと、読取装置5を介して取得したフィルタ装置11の属性情報と使用条件記憶部9Cに記憶されている条件とに基づいてフィルタ装置11が当該条件を満たしているか否かを判定する判定部9Eと、判定部9Eによる判定結果が否であれば警報装置8を作動させる警報制御部9Fとを備えている。そして、管理装置9は、判定部9Eによる判定結果が否でない場合のみ、ゲート装置7の自動扉7Aを開くように制御を行う機能を有している。この管理装置9は、本発明の安全衛生管理システム用に開発(プログラミング)したプログラムと必要なデータとを含むソフトウェアを、汎用のコンピュータにインストールすることにより実現される。使用条件記憶部9Cに記憶させておく条件は、就業前に予め測定した環境測定結果に基づいて決定される。
[第2のシステムの作用]
上記のように構成された安全衛生管理システム10の作用について説明する。
この安全衛生管理システム10は、作業者Hが作業空間4に入る際、作業者Hの装着している呼吸用保護具3に交換可能に装着されたフィルタ装置11のRFIDタグ22に記憶されている情報を作業空間4への入口4aの手前に配置された読取装置5によって読み取し、その情報を管理装置9に送る。管理装置9は、読取装置5から取得した属性情報と使用条件記憶部9Cに記憶されている条件とに基づいてフィルタ装置11が所定の条件を満たしているか否かを判定し、条件を満たしていなければ警報装置8を作動させる。これにより、作業環境に不適または不備のあるフィルタ装置11が装着されている呼吸用保護具3を装着している作業者Hに対し、作業環境4に適した不備のない呼吸用保護具3の装着を促すことができる。また、呼吸用保護具3にフィルタ装置11が装着されていない場合、そのことを検知できるので、作業者Hに対しフィルタ装置11の装着を促すことができる。
さらに、この形態例の安全衛生管理システム10によれば、所定の条件を満たすフィルタ装置11を備えた呼吸用保護具3を装着している作業者Hのみ作業空間4内に入ることができるように作業空間4内への入場を管理して、作業者Hの安全の確保および労働災害の予防を図ることができる。
[呼吸用保護具]
つぎに、本発明の呼吸用保護具の実施形態について説明する。
図4及び図5は本発明の呼吸用保護具の形態例を示す斜視図である。図4の呼吸用保護具は、着用者の少なくとも鼻と口を覆う面体3Aの中央部の一個所に防塵用又は防毒用のフィルタ装置3Bを着脱自在に備えており、面体3Aの上面部のフィルタ装置3Bの近傍にRFIDタグ2が着脱自在に装着されている。図5の呼吸用保護具は、着用者の少なくとも鼻と口を覆う面体3Aの左右二個所に防塵用又は防毒用のフィルタ装置3Bを着脱自在に備えており、面体3Aの正面部にRFIDタグ2が着脱自在に装着されている。いずれの呼吸用保護具のRFIDタグ2にも、そのRFIDタグ2が装着されている呼吸用保護具3を特定するための保護具IDと、そのRFIDタグ2が装着されている呼吸用保護具3の使用者を特定するための使用者IDとが記憶されている。これらの呼吸用保護具は、図1のシステムの呼吸用保護具3として好適である。
図4及び図5の呼吸用保護具のRFIDタグ2に、保護具IDの代わりにそのRFIDタグ2が装着されている呼吸用保護具の属性情報を記憶させておけば、図1のシステムにおける管理装置9の保護具情報記憶部9Bを省略可能である。
図4及び図5の呼吸用保護具において、RFIDタグ2を面体3Aに着脱自在に装着する最良の形態として、面体3Aにスロット(差し込み口)を設け、そのスロットにRFIDタグ2を差し込むことにより装着する形態を例示することができる。この場合、スロットの入口に、スロットの内側に回動し且つ閉方向に付勢された回動蓋を設け、RFIDタグ2を差し込み忘れた場合には、スロットが回動蓋により密閉されるように構成しておくことが望ましい。これにより、RFIDタグ2を差し込み忘れた場合でも、スロット内に粉じんが侵入するのを防止できる。
[具体例]
つぎに、本発明の安全衛生管理システム及び呼吸用保護具の実施形態についてより詳細且つ具体的に説明する。図1または図3のシステム構成を前提として説明する。
作業者Hが作業空間4内に立ち入ろうとする際にこの安全衛生管理システム1がチェックすべき項目は、呼吸用保護具3によって異なる。
1.防じんマスク
防じんマスクのチェック項目は、下記の1a〜1eである。
1a.使用者本人の防じんマスクであるか。
1b.酸素濃度18%未満(酸素欠乏)の環境では無いか。
1c.有毒ガスの発生している環境ではないか。
1d.国家検定に合格したものか。
1e.ろ過材の交換時期に当たるものでないか。
チェック項目1aは、使用者本人の防じんマスクを着用しなければならない旨規則で定められている。すなわち、本人の顔面との密着性を確認した形状のものを着用しなければならない。図1のシステムでは、このチェック項目について、使用者と防じんマスクの形式及びフィルタの形式との対応関係がわかるように、ID記憶部9Aに使用者IDと保護具IDとを記憶させている。
チェック項目1b及び1cについては、予め就業前に測定した環境測定結果をデータ化して使用条件記憶部9Cに記憶させている。
チェック項目1dについては、防じんマスクの性能や、「取り替え式」であるか「使い捨て式」であるかによって、チェック内容が詳細に定められている。図1のシステムでは、これらのチェック内容をデータ化し、属性情報として保護具情報記憶部9Bに記憶させている。
防じんマスクの国家検定規格は、2000(平成12)年に、それまでより厳しく改訂された。下記表1は、検定規格の内容をタイプ別、ランク別に分類したものである。
(注)表1中の略号の意味 R:Replaceable(取り替え式),D:Disposable(使い捨て式),S:Solid(固体),L:Liquid(液体)。Sタイプは、食塩粒子を試験粒子/Lタイプはオイルミスト(DOP:フタル酸ジオクチル)を試験粒子にしたものである。
Sタイプは、抵抗力が弱いので、オイルミスト等、補修効率を低下させる機能の強い物質が混在する場所では使用が禁止されており、規定に基づいたものか否かチェックする必要がある。
また、下記表2(防じんマスクの使用区分)は、2005(平成17)年2月に厚生労働省が発表した通達を、分かりやすく書き直したもので、この表でも分かるように、NaCl粒子により検定されたSタイプは、「オイルミスト等が混在する場合」では使用することができない。
現在、チェック項目1eのチェックについては、下記の方法A〜Cが採られている。
A)作業前に粉じん濃度を測定し、ろ過材の交換時期をあらかじめ算定し交換する。
B)静電ろ過材においては、ろ過材の内側に粉じんがにじんできた時に交換する。
C)メカニカルフィルタにおいては、作業前・作業後にそのフィルタの抵抗値を測定して交換の時期を設定する。
しかし、現実には防護率が防じん効果の有無を左右するにも拘わらず、現状では防護率による判定方法は採用されていない。
防護率とは、最大漏れ率(100%)と実際の全漏れ率(%)との差をいう。防じんマスクを装着している時に、作業環境中の粒子状物質が呼吸器官に侵入してくる要因は、1)ろ過材を透過してくる、2)排気弁と弁座の隙間など構成要素の隙間から漏れ込む、及び3)マスクとマスク装着者の顔面との隙間から漏れ込む、の3つであり、これらの合計を全漏れ率という。この防護率によりマスク内に粉じんが存在するか否かを判定することが効果的である。
防護率による判定方法として、微粒子の付着量を検出するセンサ機能を備えた管理タグ(ICタグ)を防じんマスクの内側に装着しておき、微粒子の付着量或いはこれを全漏れ率に換算した値に基づいて防じん効果を判定する方法を例示することができる。
この判定方法によれば、ろ過材の交換時期を判定できることに加えて、以下の効果が得られる。
1)防じんマスクの装着の仕方を間違えていないかどうかを判定できる。たとえば、防じんマスクを逆さまに装着している場合、全漏れ率が高くなるから、防じんマスクによる防じん効果が発揮できていないことがわかる。管理タグとして無線タグを使用し、その無線タグにより検出された微粒子の付着量を、作業環境内またはその周辺に設置した読取装置で読み取ることができるようにしておけば、作業環境内で作業している作業者が防じんマスクの装着の仕方を間違えていないかどうかをリアルタイムで判定することができる。
2)防じんマスクのサイズや形状が装着者の顔面の形状などに合っているかどうかを判定できる。すなわち、使用者本人の防じんマスクが実際にはその人に合致していないマスクであることが全漏れ率からわかる。この場合も、管理タグとして無線タグし使用し、その無線タグにより検出された微粒子の付着量を、作業環境内またはその周辺に設置した読取装置で読み取ることができるようにしておけば、作業環境内で作業している作業者の装着している防じんマスクがその人に合致しているかどうかをリアルタイムで判定できる。
3)作業中に本当に防じんマスクを装着していたかどうか判定できる。作業前の環境は粉じん発生環境ではないので、マスク内に装着された管理タグは汚れないが、粉じん発生現場でマスクを装着しないで作業をした場合、マスク内が粉じんで充満し、管理タグが汚れるので、未装着であったことが判明する。
4)フィルタが正しく装着されているかどうかを判定できる。フィルタが未装着あるいは不正確に装着されている状態で、粉じん発生環境内で作業をした場合、マスク内に粉じんが侵入し、管理タグに付着する。この場合も、管理タグとして無線タグを使用し、その無線タグにより検出された微粒子の付着量を、作業環境内またはその周辺に設置した読取装置で読み取ることができるようにしておけば、作業環境内で作業している作業者の装着している防じんマスクフィルタが正しく装着されているかどうかをリアルタイムで判定できる。
上記のように、この管理タグを使用した判定方法によれば、防じんマスクの実効的な防じん効果を判定することが可能となる。
この判定方法は、粉じんによる目詰まりによりろ過材の吸気抵抗が増大するタイプの防じんマスク(電動ファン付き吸気用保護具を含む。)の防じん効果の判定にも適用できる。すなわち、ろ過材の吸気抵抗値が上がり過ぎて、マスクと顔面との隙間から粉じんが漏れ込むようになっていることも判定できる。
なお、使い捨て式防じんマスクについては、現行の規則で予め使用時間が指定されているので、作業現場滞在時間もしくは作業就労時間の積算値を管理タグに記録しておき、その積算値情報を適宜読み取ることにより、交換時期を判定することができる。
2.防毒マスク
防毒マスクのチェック項目は、下記の2a〜2eである。
2a.使用者本人の防毒マスクであるか。
2b.酸素濃度18%未満(酸素欠乏)の環境では無いか。
2c.国家検定に合格したものか。
2d.有毒ガスの種類や濃度に適応したものであるか。
2e.吸収缶は使用可能時間が残存しているものか。
チェック項目2aは、使用者本人の防毒マスクを着用しなければならない旨規則で定められている。すなわち、本人の顔面との密着性を確認した形状のものを着用しなければならない。図1のシステムでは、このチェック項目について、使用者と防毒マスクの形式及びフィルタの形式との対応関係がわかるように、ID記憶部9Aに使用者IDと保護具IDとを記憶させている。
チェック項目2bについては、予め就業前に測定した環境測定結果をデータ化して使用条件記憶部9Cに記憶させている。
チェック項目2cについては、防毒マスクの性能によって、チェック内容が詳細に定められている。図1のシステムでは、これらのチェック内容をデータ化し、属性情報として保護具情報記憶部9Bさせている。
チェック項目2dについては、防毒マスクの種類ごとに使用できるガス濃度の上限が定められており且つ吸収缶の種類ごとに対応するガスが定められているので、これらの条件に適合しているかどうかをチェックする。
下記の表3は、防毒マスクの種類と使用できるガス濃度の上限との対応関係を示している。
表3に示すとおり、防毒マスクには、隔離式、直結式および直結式小型の3分類があり、吸収缶によって、有毒ガスをろ過する機能を持っているものの、有毒ガスの濃度が高いとろ過しきれないことがある。したがって、有毒ガスの濃度が、表3に示す『使用できるガス濃度の上限』を超えた場合には使用することはできない。
また、下記の表4に示すように、対象とするガスに応じて、多くの種類の吸収缶があり、この種類を間違えると防護性能が全く発揮されないことがあるので十分な注意が必要である。
図1のシステムでは、表3及び表4の内容をデータ化し、保護具IDによって特定される防毒マスクの属性情報として保護具情報記憶部9Bに記憶させている。図3のシステムでは、表4の内容のうち該当する部分をフィルタ装置10の属性情報としてRFIDタグ22に記憶させている。たとえば、フィルタ装置10がハロゲンガス用の吸収缶である場合、そのフィルタ装置10の種類(「ハロゲンガス用」)と対応ガス及び適応度(「アセトン:△」、「塩化水素:△」、「塩素:○」、「ベンゼン:△」)を示す情報をRFIDタグ22に記憶させる。
チェック項目2eのチェック方法としては、下記のA)〜C)の3つの方法がある
A)メーカーが商品に添付する破過曲線図を使用する方法
B)吸収缶から透過する空気の臭気、刺激または味覚を感じた時を交換時期とする方法
C)吸収缶の質量が所定量以上増加したら交換時期とする方法
これらの方法のうち、大半がB)の方法により交換時期の推定がなされているのが実状である。
図1のシステムでは、防毒マスクのメーカーが商品に添付する破過曲線図の内容をデータ化し、保護具IDによって特定される防毒マスクの属性情報の一部(破過曲線データ)として保護具情報記憶部9Bに記憶させている。また、RFIDタグ2には、作業現場滞在時間もしくは作業就労時間の積算値を記録しておく。そして、管理装置9は、RFIDタグ2から読み取られた積算値と破過曲線データとに基づいて、防毒マスクの交換時期を判定する。
図3のシステムでは、フィルタ装置10のRFIDタグ22に、そのフィルタ装置10の使用開始時期または使用開始からの経過時間を記憶させておく。そして、管理装置9は、RFIDタグ22から読み取られた使用開始時期または使用開始からの経過時間に基づいて、フィルタ装置10の交換時期を判定する。
ただし、防毒マスクおよびフィルタ装置の有効時間は、種々の要素(ガス濃度、温度、湿度、呼吸量等)によって変わる。特にガス濃度によって大きく変化すると考えなければならず、ガス濃度が低いときは、有効時間が長く、高いときは短くなる。よって、あらかじめ作業前に環境のガス濃度を計ることが必要である。図1及び図3のシステムでは、あらかじめ計測した環境のガス濃度の値を使用条件記憶部9Cに記憶させておき、その値を用いて防毒マスクおよびフィルタ装置の有効時間を補正しつつ交換時期を正確に判定する。
防毒マスクにおいても、防じんマスクの場合と同様に、防護率と同様の考え方でマスク装着効果の判定を行うことが有効である。
防護率とは、最大漏れ率(100%)と実際の全漏れ率(%)との差をいう。防毒マスクを装着している時に、作業環境中のガスがマスク内に侵入してくる要因は、1)吸収缶を透過してくる、2)排気弁と弁座の隙間など構成要素の隙間から漏れ込む、及び3)マスクとマスク装着者の顔面との隙間から漏れ込む、の3つであり、これらの合計を全漏れ率という。この防護率によりマスク内に有毒ガスが存在するか否かを判定することが効果的である。
防護率による判定方法として、作業環境中のガスを検出するセンサ機能を備えた管理タグ(ICタグ)を防毒マスクの内側に装着しておき、有毒ガスの検出量或いはこれを全漏れ率に換算した値に基づいてマスク装着効果を判定する方法を例示することができる。
この判定方法によれば、防毒マスクあるいは吸収缶の交換時期を判定できることに加えて、以下の効果が得られる。
1)防毒マスクの装着の仕方を間違えていないかどうかを判定できる。たとえば、防毒マスクを逆さまに装着している場合、全漏れ率が高くなくから、マスクの装着効果が発揮できていないことがわかる。管理タグとして無線タグし使用し、その無線タグにより検出された有毒ガスの検出量を、作業環境内またはその周辺に設置した読取装置で読み取ることができるようにしておけば、作業環境内で作業している作業者が防毒マスクの装着の仕方を間違えていないかどうかをリアルタイムで判定することができる。
2)防毒マスクのサイズや形状が装着者の顔面の形状などに合っているかどうかを判定できる。すなわち、使用者本人の防毒マスクが実際にはその人に合致していないマスクであることが全漏れ率からわかる。この場合も、管理タグとして無線タグし使用し、その無線タグにより検出された有毒ガスの検出量を、作業環境内またはその周辺に設置した読取装置で読み取ることができるようにしておけば、作業環境内で作業している作業者の装着している防毒マスクがその人に合致しているかどうかをリアルタイムで判定できる。
3)作業中に本当に防毒マスクを装着していたかどうか判定できる。作業前の環境は有毒ガス発生環境ではないので、マスク内に装着された管理タグによって有毒ガスは検出されないが、有毒ガス発生現場でマスクを装着しないで作業をした場合、マスク内が有毒ガスで充満し、管理タグにより有毒ガスが高レベルに検出される。したがって、たとえば管理タグにより有毒ガス検出量の積算値を記録しておくことにより、防毒マスクを未装着であったことが判明する。
4)吸収缶が正しく装着されているかどうかを判定できる。吸収缶が未装着あるいは不正確に装着されている状態で、有毒ガス発生環境内で作業をした場合、マスク内に有毒ガスが侵入し、管理タグにより検出される。この場合も、管理タグとして無線タグし使用し、その無線タグにより検出された有毒ガスの検出量を、作業環境内またはその周辺に設置した読取装置で読み取ることができるようにしておけば、作業環境内で作業している作業者の装着している吸収缶が正しく装着されているかどうかをリアルタイムで判定できる。
上記のように、この管理タグを使用した判定方法によれば、防毒マスクの実効的な装着効果を判定することが可能となる。
3.給気式呼吸用保護具
給気式呼吸用保護具は、酸素濃度の低い作業環境や有害物質濃度の高い作業環境においても使用可能な呼吸用保護具である。有毒物質の濃度が高くても、顔との隙間からの漏れ込みが無ければ、安全性が極めて高い呼吸用保護具となる。有毒物質の濃度が高い環境で作業を行う場合は、防護係数の高い(保護性能の高い)プレッシャデマンド形を使用すべきである。有毒物質の中には、皮膚から毒性が侵入するものもあるので、そのような場合は、化学防護服、手袋、長靴による防護もあわせてチェックする必要がある。この場合のチェック項目として、各機器の未装備(セット忘れ)や本体、部品等の経時劣化、破損などを挙げることができる。特に送気マスクにおいては、電動送風機やエア供給用コンプレッサのチェックが必要であり、空気・酸素呼吸器においては、携帯ボンベの気体残存量が最も注意すべきチェック項目である。したがって、給気式呼吸用保護具においては、各部品に管理タグを取り付けてこれらの項目をチェックし管理することにより、作業者の安全性を確保できる。
[無線タグ]
以下、本発明のシステム、呼吸用保護具及びフィルタ装置において使用される無線タグ(RFIDタグ)について説明する。ここで説明する無線タグは、使用者ID等を記憶するとともに、粒子状物質を検知する機能(粉塵センサ)を備えた新規な無線タグであり、防塵マスクやフィルタ装置に装着されるものである。
1.第1の形態例(導体微粒子検出用)
第1の形態例では、呼吸用保護具又はフィルタ装置は、使用者ID等を記憶する無線タグと共に、粉塵センサ機能を有する別の無線タグを有している。使用者ID等を記憶する無線タグは従来公知のものであるので、ここでは無線タグ型粉塵センサ(以下、「粉塵センサ」とする)について説明する。図7はその粉塵センサの形態例を示す斜視図である。図8は図7に示す粉塵センサの平面図である。図9は図7に示す粉塵センサの側面図である。図10は図7に示す粉塵センサの要部断面図である。図11は図7に示す粉塵センサの回路図である。
1−1.構成
この粉塵センサ30は、アンテナ31と、アンテナ31から識別信号sig.1を送信する送信回路32と、アンテナ31と送信回路32を一括収容した樹脂体33と、樹脂体33の表面の一部であって検知対象粒子である導体微粒子Pcが付着する粒子検出領域34と、粒子検出領域34を挟んで対向配置された一対の電極35a、35bと、を備えている。
両電極35a、35b相互の間隔D0は、両電極35a、35b間に存在する粒子検出領域34に導体微粒子Pcが複数個付着したときに、それらの導体微粒子Pcによって両電極35a、35b間が短絡する大きさに選定されている。たとえば導体微粒子Pcの平均粒径がDであるとき、間隔D0は、D0>Dで表される関係が成立するように選定される。この例では、D0を約3Dとしている。
アンテナ31の回路は、粒子検出領域34に付着した導体微粒子Pcによって両電極35a、35b間が短絡(導通、電気的に接続)することにより形成される。アンテナ31の同調周波数f0は、アンテナコイル31AのインダクタンスLとコンデンサ31Bの容量Cによって定まる。
送信回路32は、アンテナ31による受信電力を使用して作動し、識別信号sig.1をアンテナ31から送信する。識別信号sig.1は、粉塵センサ30に割り当てられたID情報(ユニーク値)の信号である。
樹脂体33は、長方形の平板状に成形された密閉構造の硬質樹脂ケーシングであり、ケーシング内への水分や外気の侵入を完全に遮断している。
両電極35a、35bは、その表面35sを露出させて樹脂体33に埋設されている。この例では、両電極35a、35bの表面35sと樹脂体33の表面(上面)33aは同一平面をなしている。
1−2.作用・効果
粉塵センサ30は、鉄粉などの導体微粒子Pcが発生する作業空間(被監視空間)における導体微粒子Pcの発生量や堆積量の監視用に使用される。導体微粒子Pcが発生する空間に用いられる防塵マスクやフィルタ装置に30を装着しておくと、空間中に浮遊あるいは飛散した導体微粒子Pcが粉塵センサ30の表面に付着する。そして、粉塵センサ30の表面の一部をなす粒子検出領域34に付着した導体微粒子Pcによって両電極35a、35b間が短絡すると(図12参照)、アンテナ31の回路が形成される。その結果、読取装置5(図1、図3)、あるいは作業空間に別途設置された図示しないリーダ(以下、「作業空間内のリーダ」とする)からの電波をアンテナ31が受信し始める。そして、アンテナ31による受信電力で送信回路32が作動する。送信回路32が作動することにより、アンテナ31から識別信号が送信される。
したがって、粉塵センサ30からの識別信号sig.1を読取装置5(図1、図3)や作業空間内のリーダで受信できるようにしておき、その識別信号sig.1の有無を監視することにより、作業空間における導体微粒子Pcの発生量や堆積量が規定値以上になったか否かを随時知ることができる。また、それに伴う防塵マスク等の目詰まり等を予測して作業者の安全確保を行うことも可能である。また、作業空間の入り口においては、すでに汚染された防塵マスク等を着用して作業者が作業空間に立ち入ることを防止する機能を付加することも可能となる。なお、この規定値は、導体微粒子Pcの平均粒径Dと両電極35a、35b相互の間隔D0との関係によって概略定められる。この例では、D0の値を約3Dに選定している。したがって、3乃至5個以上の導体微粒子Pcが連続して並んで堆積或いは付着する程度の導体微粒子Pcの発生量又は堆積量になったことを、粉塵センサ30からの識別信号sig.1を受信することにより検知できる。粉塵センサ30上への導体微粒子Pcの堆積量がある程度以上大きくなると、堆積した導体微粒子Pcによってアンテナ31の機能が阻害されるようになるので、上記規定値はこのような機能阻害が発生しない程度の値に選定しておく必要がある。
2.第2の形態例(誘電体微粒子検出用)
第2の形態例でも、呼吸用保護具又はフィルタ装置は、使用者ID等を記憶する無線タグと共に、粉塵センサ機能を有する別の無線タグを有している。ここでも粉塵センサについてのみ説明する。図13は第2の形態例を示す斜視図である。図14は図13に示す粉塵センサの平面図である。図15は図13に示す粉塵センサの側面図である。図16は図13に示す粉塵センサの要部断面図である。図17は図13に示す粉塵センサの回路図である。
2−1.構成
この粉塵センサ40は、アンテナ41と、アンテナ41から識別信号sig.2を送信する送信回路42と、送信回路42を一括収容した樹脂体43と、樹脂体43の表面の一部であって検知対象粒子である誘電体微粒子Piが付着する粒子検出領域44と、粒子検出領域44に互いの間隙が重なるようにして互いに並行に設けられた一対の電極45a、45bと、を備えている。
両電極45a、45b相互の間隔は、粒子検出領域44に誘電体微粒子Piが付着したときに、両電極45a、45b間の静電容量Cxが変化する大きさに選定されている。
アンテナ41の同調周波数fxは、アンテナコイル41AのインダクタンスLとコンデンサ41Bの容量C1と上記一対の電極45a、45b間の静電容量Cxによって定まる。すなわち、このアンテナ41は、上記一対の電極45a、45bからなる容量可変コンデンサをエレメントとして含んでいる。
送信回路42は、アンテナ41が読取装置5あるいは作業空間内のリーダからの電波に同調したときのアンテナ41による受信電力を使用して作動し、識別信号sig.2をアンテナ41から送信する。識別信号sig.2は、粉塵センサ40に個別に割り当てられたID情報(ユニーク値)の信号である。
樹脂体43は、長方形の平板状に成形された密閉構造の硬質樹脂ケーシングであり、ケーシング内への水分や外気の侵入を完全に遮断している。
両電極45a、45bは、樹脂体43の表面近傍に埋設されている。
2−2.作用・効果
粉塵センサ40は、埃、合成樹脂粉、花粉などの誘電体微粒子Piが発生或いは浸入する作業空間(被監視空間)における誘電体微粒子Piの発生量や堆積量の監視用に使用される。誘電体微粒子Piが発生する空間での作業に用いる防塵マスク、フィルタ装置に40を装着しておくと、空間中に浮遊あるいは飛散した誘電体微粒子Piが粉塵センサ40の表面に付着する(図18参照)。粉塵センサ40の表面の一部をなす粒子検出領域44に付着した導体微粒子Pcの影響により粒子検出領域44近傍の誘電率が変化する。その結果、両電極45a、45b間の静電容量Cxが変化する。アンテナ41の同調周波数fxが読取装置5等からの電波の周波数と一致すると、読取装置5や作業空間内のリーダからの電波をアンテナ41が受信し始める。そして、アンテナ41による受信電力で送信回路42が作動する。送信回路42が作動することにより、アンテナ41から識別信号sig.2が送信される。
したがって、粉塵センサ40からの識別信号sig.2を読取装置5や作業空間内のリーダで受信できるようにしておき、読取装置5や作業空間内のリーダから所定周波数(アンテナ21の同調周波数)の電波を常時又は定期的に送信し、粉塵センサ40からの識別信号sig.2の送信の有無を監視することにより、被監視空間における誘電体微粒子Piの発生量や堆積量が規定値以上になったか否かを知ることができる。また、それに伴う防塵マスク等の目詰まり等を予測して作業者の安全確保を行うことも可能である。また、作業空間の入り口においては、すでに汚染された防塵マスク等を着用して作業者が作業空間に立ち入ることを防止する機能を付加することも可能となる。なお、この規定値は、誘電体微粒子Piの誘電率、両電極45a、45b相互の間隔、両電極45a、45bの面積などによって概略定められる。
3.第3の形態例(導体微粒子・誘電体粒子検出用)
第3の形態例では、使用者ID等を記憶する無線タグと、粉塵センサは一体となっている。図19は第3の形態例の粉塵センサを示す斜視図である。図20は図19に示す粉塵センサの平面図である。図21は図19に示す粉塵センサの側面図である。図22は図19に示す粉塵センサの要部断面図である。図23は図19に示す粉塵センサの回路図である。
3−1.構成
この粉塵センサ50は、アンテナ51と、アンテナ51から識別信号sig.3を送信する送信回路52と、アンテナ51と送信回路52を一括収容した樹脂体53と、樹脂体53の検知対象粒子Pが付着する位置に固定して設けられ且つ所定の出力で発光する発光素子54と、樹脂体53の検知対象粒子Pが付着する位置に固定して設けられ且つ発光素子54からの光を受光する受光素子55と、を備えている。
アンテナ51の同調周波数f0は、アンテナコイル51AのインダクタンスL1とコンデンサ51Bの容量C1によって定まる。
樹脂体53は、長方形の平板状に成形された密閉構造の硬質樹脂ケーシングであり、ケーシング内への水分や外気の侵入を完全に遮断している。
樹脂体53の表面(上面)部には矩形状の凹部56が形成されている。この凹部56の隙間を隔てて、発光素子54と受光素子55とが互いに対向して配置されている。
発光素子54は、送信回路52内の図示しない駆動回路によって駆動され、特定の波長の光を発する。受光素子55は、発光素子54からの光を受光し直流電力を出力する。受光素子55の出力は送信回路52に入力される。
送信回路52は、図示しないバッテリを内蔵しており、そのバッテリの電力で発光素子54を駆動(発光)させるとともに受光素子55の出力を監視する。そして、受光素子55の出力が所定のレベル未満のときに識別信号sig.3をアンテナ51から送信する。識別信号sig.3は、粉塵センサ51に記憶された使用者ID等の情報を示す信号である。
3−2.作用・効果
粉塵センサ50は、検知対象粒子(金属微粒子、誘電体微粒子)Pが発生或いは浸入する空間(被監視空間)における検知対象粒子Pの発生量や堆積量の監視用に使用されるものであり、主として暗所に設置して使用されるものである。発光素子54の発光波長の光が入射しない場所であれば明るい場所でも使用可能である。受光素子55は、発光素子54からの光を受光し、その受光量に応じたレベルの電力を出力する。送信回路52は、受光素子55の出力レベルが所定の値(しきい値)未満であれば送信動作は行わない。
この粉塵センサ50を検知対象粒子Pが発生する空間で使用する防塵マスク、フィルタ装置等に装着しておくと、空間中に浮遊あるいは飛散した検知対象粒子Pが粉塵センサ50の凹部56に浸入する。そして、凹部56内に堆積した或いは凹部56の側面に付着した検知対象粒子Pによって発光素子54の光が遮られはじめると(図24)、それに伴って受光素子55の出力レベルが低下する。送信回路52は、受光素子55の出力レベルが所定の値未満になったら、識別信号sig.3をアンテナ51から送信しなくなる。
したがって、この粉塵センサ50によれば、識別信号sig.3の有無を監視することにより、被監視空間における検知対象粒子Pの発生量や堆積量が規定値以上になったか否かを知ることができる。すなわち、粉塵センサ50から識別信号sig.3が送信されてこなければ、被監視空間における検知対象粒子Pの発生量や堆積量が規定値以上であると判断できる。一方、粉塵センサ50から識別信号sig.3が送信されてきたら、被監視空間における検知対象粒子Pの発生量や堆積量が規定値未満であることを確認することができる。これにより、作業空間における防塵マスク等の目詰まり等を予測して作業者の安全確保を行うことも可能である。また、作業空間の入り口においては、すでに汚染されている可能性のある防塵マスクからは、使用者ID等の送信が行われてこないため、汚染されたマスク等を着用して作業者が作業空間に立ち入ることを未然に防止することができる。
第1のシステムを示す構成図(概念図) 第1のシステムの管理処理を示すフロー図 第2のシステムを示す構成図(概念図) 呼吸用保護具の形態例を示す斜視図 呼吸用保護具の形態例を示す斜視図 呼吸用保護具の体系図 粉塵センサ(導体微粒子検出用)の形態例を示す斜視図 図7に示す粉塵センサの平面図 図7に示す粉塵センサの側面図 図7に示す粉塵センサの要部断面図 図7に示す粉塵センサの回路図 図7に示す粉塵センサの両電極が短絡した状態を例示する要部断面図 粉塵センサ(誘電体微粒子検出用)の形態例を示す斜視図 図13に示す粉塵センサの平面図 図13に示す粉塵センサの側面図 図13に示す粉塵センサの要部断面図 図13に示す粉塵センサの回路図 図13に示す粉塵センサの表面に誘電体微粒子が付着した状態を例示する要部断面図 粉塵センサ(導体微粒子・誘電体微粒子検出用)の形態例を示す斜視図 図19に示す粉塵センサの平面図 図19に示す粉塵センサの側面図 図19に示す粉塵センサの要部断面図 図19に示す粉塵センサの回路図 図19に示す粉塵センサの発光素子の光が凹部内の検知対象粒子によって遮られている状態を例示する要部断面図
符号の説明
1 安全衛生管理システム
2 RFIDタグ(無線タグ)
3 呼吸用保護具
3A 着用者の鼻と口を覆う面体
3B 防塵用又は防毒用のフィルタ装置
4 作業空間
4a 入口
5 読取装置
5A アンテナユニット
5B リーダ/ライタ
6 認証情報取得装置
6A タッチディスプレイ
6B データキャリア読取装置
7 ゲート装置
8 警報装置
9 管理装置
7A 自動扉
8A 警報ランプ
8B 警報スピーカ
9A ID記憶部
9B 保護具情報記憶部
9C 使用条件記憶部
9D 立入者確認部
9E 判定部
9F 警報制御部
10 安全衛生管理システム
11 フィルタ装置
22 RFIDタグ
30 粉塵センサ
31 アンテナ
31A アンテナコイル
31B コンデンサ
32 送信回路
33 樹脂体
33a 樹脂体表面
34 粒子検出領域
35a 電極
35b 電極
35s 電極表面
40 粉塵センサ
41 アンテナ
41A アンテナコイル
41B コンデンサ
42 送信回路
43 樹脂体
44 粒子検出領域
45a 電極
45b 電極
50 粉塵センサ
51 アンテナ
51A アンテナコイル
51B コンデンサ
52 送信回路
53 樹脂体
54 発光素子
55 受光素子
56 凹部
D 粒子径
D0 間隔
H 作業者
P 微粒子
Pc 導体微粒子
Pi 誘電体微粒子

Claims (8)

  1. 呼吸用保護具と、
    前記呼吸用保護具に装着された無線タグと、
    前記無線タグに記憶されている情報を読み取るべく作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置と、
    前記無線タグに記憶されている情報を前記読取装置を介して取得する管理装置と、
    警報を発する警報装置とを備え、
    前記無線タグは、前記呼吸用保護具を特定するための保護具識別情報を記憶しており、
    前記管理装置は、
    前記保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報を記憶している保護具情報記憶部と、
    前記作業空間で使用される呼吸用保護具の満たすべき所定の条件を記憶している使用条件記憶部と、
    前記読取装置を介して取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が前記条件を満たしているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部による判定の結果、前記条件を満たしていなければ前記警報装置を作動させる警報制御部とを備えていることを特徴とする安全衛生管理システム。
  2. 前記作業空間に立入る者を確認し得る情報を取得するために作業空間への入口またはその手前に配置された認証情報取得装置を備え、
    前記無線タグは、前記呼吸用保護具の使用者として登録されている者を特定するための使用者識別情報を記憶しており、
    前記管理装置は、前記認証情報取得により取得された情報に基づいて前記作業空間に立入る者を確認する立入者確認部を備え、
    前記判定部は、前記読取装置を介して取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が前記条件を満たしているか否かを判定すると共に前記立入者確認部により確認された者が前記使用者識別情報により特定される使用者本人であるか否かを判定し、
    前記警告部は、前記判定部による判定の結果、少なくとも一の判定結果が否であれば前記警報装置を作動させることを特徴とする請求項1の安全衛生管理システム。
  3. 前記作業空間内に特定の入口からのみ入ることができるように入口を制限するとともに当該入口にその通路を開閉するゲートを設け、前記判定部による判定の結果、両判定結果が否でない場合のみ、当該ゲートを開くように構成したことを特徴とする請求項2の安全衛生管理システム。
  4. そのフィルタ装置を交換可能な呼吸用保護具と、
    前記フィルタ装置に装着された無線タグと、
    前記無線タグに記憶されている情報を読み取るべく作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置と、
    前記無線タグに記憶されている情報を前記読取装置を介して取得する管理装置と、
    警報を発する警報装置とを備え、
    前記無線タグは、前記フィルタ装置の属性情報を記憶しており、
    前記管理装置は、
    前記作業空間で使用される前記フィルタ装置の満たすべき所定の条件を記憶している使用条件記憶部と、
    前記読取装置を介して取得した前記フィルタ装置の属性情報と前記使用条件記憶部に記憶されている前記条件とに基づいて当該フィルタ装置が前記条件を満たしているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部による判定の結果、前記条件を満たしていなければ前記警報装置を作動させる警報制御部とを備えていることを特徴とする安全衛生管理システム。
  5. 前記作業空間内に特定の入口からのみ入ることができるように入口を制限するとともに当該入口にその通路を開閉するゲートを設け、前記判定部による判定の結果が否でない場合のみ、当該ゲートを開くように構成したことを特徴とする請求項4の安全衛生管理システム。
  6. 無線タグが装着されている呼吸用保護具であって、
    前記無線タグは、
    その無線タグが装着されている呼吸用保護具を特定するための保護具識別情報と、
    その無線タグが装着されている呼吸用保護具の使用者を特定するための使用者識別情報と、
    その無線タグが装着されている呼吸用保護具の属性情報とを記憶していることを特徴とする呼吸用保護具。
  7. 呼吸用保護具に交換可能に装着されるフィルタ装置であって、
    そのフィルタ装置の属性情報(種類、性能、または使用可能環境)を記憶した無線タグが装着されていることを特徴とするフィルタ装置。
  8. 前記フィルタ装置は吸収缶又はろ過材であり、
    前記無線タグには、前記フィルタ装置の使用開始時期または使用開始からの経過時間が記憶されていることを特徴とする請求項7のフィルタ装置。
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