JP2008048978A - 安全衛生管理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】作業者Hが作業空間4に入る際、作業者Hの装着している呼吸用保護具3のRFID2に記憶されている保護具IDを読取装置5が読み取る。管理装置9は、保護具IDにより特定される呼吸用保護具3の属性情報を保護具情報記憶部9Bから読み出すとともに、作業空間4で使用される呼吸用保護具3の満たすべき条件を使用条件記憶部9Cから読み出し、呼吸用保護具3が条件を満たしているか否かを判定する。そして、条件を満たしていなければ警報装置8を作動させる。これにより、作業環境4に不適または不備のある呼吸用保護具3を装着している作業者Hに対し、作業環境に適した不備のない呼吸用保護具3の装着を促すことができる。
【選択図】図1
Description
図6は呼吸用保護具の体系図である(JIS T8001 2006, JIS T8150 2006, JIS T8157 1991)。図示のとおり、呼吸用保護具は給気式とろ過式のものに大別される。
一般に労働災害は、傷害型と疾病型とに分けられる。傷害型の労働災害は、災害の発生と同時に傷害が発生するため、大きな社会問題として取り上げられることが多く、関係当局・事業所(者)の改善・対策意識や保護具対象者(使用者)の装着意識が比較的高い。これに対し疾病型労働災害(じん肺等)は、長時間暴露されることにより徐々に侵される危険性のある災害である故、作業者を雇用する事業者及び使用対象者、ひいては社会的にもそれらの保護具の使用が軽視される傾向がある。しかし、この疾病型の労働災害は、発症すると治療が不可能な場合が大半であるため、特に注意を要する。
上記課題を解決するために、本発明の安全衛生管理システムは、呼吸用保護具と、前記呼吸用保護具に装着された無線タグと、前記無線タグに記憶されている情報を読み取るべく作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置と、前記無線タグに記憶されている情報を前記読取装置を介して取得する管理装置と、警報を発する警報装置とを備え、前記無線タグは、前記呼吸用保護具を特定するための保護具識別情報(保護具ID)を記憶しており、前記管理装置は、前記保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報を記憶している保護具情報記憶部と、前記作業空間で使用される呼吸用保護具の満たすべき所定の条件(使用条件、使用基準)を記憶している使用条件記憶部と、前記読取装置を介して取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が前記条件を満たしているか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果、前記条件を満たしていなければ前記警報装置を作動させる警告部とを備えたことを特徴としている。
本発明の安全衛生管理システムは、そのフィルタ装置を交換可能な呼吸用保護具と、前記フィルタ装置に装着された無線タグと、前記無線タグに記憶されている情報を読み取るべく作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置と、前記無線タグに記憶されている情報を前記読取装置を介して取得する管理装置と、警報を発する警報装置とを備え、前記無線タグは、前記フィルタ装置の属性情報(種類、性能、使用可能環境のうち少なくとも一つの情報)を記憶しており、前記管理装置は、前記作業空間で使用される前記フィルタ装置の満たすべき所定の条件を記憶している使用条件記憶部と、前記読取装置を介して取得した前記フィルタ装置の属性情報と前記使用条件記憶部に記憶されている前記条件とに基づいて当該フィルタ装置が前記条件を満たしているか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果、前記条件を満たしていなければ前記警報装置を作動させる警報制御部とを備えているものである。
図1は、本発明の安全衛生管理システムの形態例を示すシステム構成図(概念図)である。
上記のように構成された安全衛生管理システム1の作用について説明する。
図3は、本発明の安全衛生管理システムの別の形態例を示すシステム構成図(概念図)である。
上記のように構成された安全衛生管理システム10の作用について説明する。
つぎに、本発明の呼吸用保護具の実施形態について説明する。
つぎに、本発明の安全衛生管理システム及び呼吸用保護具の実施形態についてより詳細且つ具体的に説明する。図1または図3のシステム構成を前提として説明する。
防じんマスクのチェック項目は、下記の1a〜1eである。
1a.使用者本人の防じんマスクであるか。
1b.酸素濃度18%未満(酸素欠乏)の環境では無いか。
1c.有毒ガスの発生している環境ではないか。
1d.国家検定に合格したものか。
1e.ろ過材の交換時期に当たるものでないか。
防毒マスクのチェック項目は、下記の2a〜2eである。
2a.使用者本人の防毒マスクであるか。
2b.酸素濃度18%未満(酸素欠乏)の環境では無いか。
2c.国家検定に合格したものか。
2d.有毒ガスの種類や濃度に適応したものであるか。
2e.吸収缶は使用可能時間が残存しているものか。
A)メーカーが商品に添付する破過曲線図を使用する方法
B)吸収缶から透過する空気の臭気、刺激または味覚を感じた時を交換時期とする方法
C)吸収缶の質量が所定量以上増加したら交換時期とする方法
これらの方法のうち、大半がB)の方法により交換時期の推定がなされているのが実状である。
給気式呼吸用保護具は、酸素濃度の低い作業環境や有害物質濃度の高い作業環境においても使用可能な呼吸用保護具である。有毒物質の濃度が高くても、顔との隙間からの漏れ込みが無ければ、安全性が極めて高い呼吸用保護具となる。有毒物質の濃度が高い環境で作業を行う場合は、防護係数の高い(保護性能の高い)プレッシャデマンド形を使用すべきである。有毒物質の中には、皮膚から毒性が侵入するものもあるので、そのような場合は、化学防護服、手袋、長靴による防護もあわせてチェックする必要がある。この場合のチェック項目として、各機器の未装備(セット忘れ)や本体、部品等の経時劣化、破損などを挙げることができる。特に送気マスクにおいては、電動送風機やエア供給用コンプレッサのチェックが必要であり、空気・酸素呼吸器においては、携帯ボンベの気体残存量が最も注意すべきチェック項目である。したがって、給気式呼吸用保護具においては、各部品に管理タグを取り付けてこれらの項目をチェックし管理することにより、作業者の安全性を確保できる。
以下、本発明のシステム、呼吸用保護具及びフィルタ装置において使用される無線タグ(RFIDタグ)について説明する。ここで説明する無線タグは、使用者ID等を記憶するとともに、粒子状物質を検知する機能(粉塵センサ)を備えた新規な無線タグであり、防塵マスクやフィルタ装置に装着されるものである。
第1の形態例では、呼吸用保護具又はフィルタ装置は、使用者ID等を記憶する無線タグと共に、粉塵センサ機能を有する別の無線タグを有している。使用者ID等を記憶する無線タグは従来公知のものであるので、ここでは無線タグ型粉塵センサ(以下、「粉塵センサ」とする)について説明する。図7はその粉塵センサの形態例を示す斜視図である。図8は図7に示す粉塵センサの平面図である。図9は図7に示す粉塵センサの側面図である。図10は図7に示す粉塵センサの要部断面図である。図11は図7に示す粉塵センサの回路図である。
この粉塵センサ30は、アンテナ31と、アンテナ31から識別信号sig.1を送信する送信回路32と、アンテナ31と送信回路32を一括収容した樹脂体33と、樹脂体33の表面の一部であって検知対象粒子である導体微粒子Pcが付着する粒子検出領域34と、粒子検出領域34を挟んで対向配置された一対の電極35a、35bと、を備えている。
粉塵センサ30は、鉄粉などの導体微粒子Pcが発生する作業空間(被監視空間)における導体微粒子Pcの発生量や堆積量の監視用に使用される。導体微粒子Pcが発生する空間に用いられる防塵マスクやフィルタ装置に30を装着しておくと、空間中に浮遊あるいは飛散した導体微粒子Pcが粉塵センサ30の表面に付着する。そして、粉塵センサ30の表面の一部をなす粒子検出領域34に付着した導体微粒子Pcによって両電極35a、35b間が短絡すると(図12参照)、アンテナ31の回路が形成される。その結果、読取装置5(図1、図3)、あるいは作業空間に別途設置された図示しないリーダ(以下、「作業空間内のリーダ」とする)からの電波をアンテナ31が受信し始める。そして、アンテナ31による受信電力で送信回路32が作動する。送信回路32が作動することにより、アンテナ31から識別信号が送信される。
2.第2の形態例(誘電体微粒子検出用)
第2の形態例でも、呼吸用保護具又はフィルタ装置は、使用者ID等を記憶する無線タグと共に、粉塵センサ機能を有する別の無線タグを有している。ここでも粉塵センサについてのみ説明する。図13は第2の形態例を示す斜視図である。図14は図13に示す粉塵センサの平面図である。図15は図13に示す粉塵センサの側面図である。図16は図13に示す粉塵センサの要部断面図である。図17は図13に示す粉塵センサの回路図である。
この粉塵センサ40は、アンテナ41と、アンテナ41から識別信号sig.2を送信する送信回路42と、送信回路42を一括収容した樹脂体43と、樹脂体43の表面の一部であって検知対象粒子である誘電体微粒子Piが付着する粒子検出領域44と、粒子検出領域44に互いの間隙が重なるようにして互いに並行に設けられた一対の電極45a、45bと、を備えている。
粉塵センサ40は、埃、合成樹脂粉、花粉などの誘電体微粒子Piが発生或いは浸入する作業空間(被監視空間)における誘電体微粒子Piの発生量や堆積量の監視用に使用される。誘電体微粒子Piが発生する空間での作業に用いる防塵マスク、フィルタ装置に40を装着しておくと、空間中に浮遊あるいは飛散した誘電体微粒子Piが粉塵センサ40の表面に付着する(図18参照)。粉塵センサ40の表面の一部をなす粒子検出領域44に付着した導体微粒子Pcの影響により粒子検出領域44近傍の誘電率が変化する。その結果、両電極45a、45b間の静電容量Cxが変化する。アンテナ41の同調周波数fxが読取装置5等からの電波の周波数と一致すると、読取装置5や作業空間内のリーダからの電波をアンテナ41が受信し始める。そして、アンテナ41による受信電力で送信回路42が作動する。送信回路42が作動することにより、アンテナ41から識別信号sig.2が送信される。
第3の形態例では、使用者ID等を記憶する無線タグと、粉塵センサは一体となっている。図19は第3の形態例の粉塵センサを示す斜視図である。図20は図19に示す粉塵センサの平面図である。図21は図19に示す粉塵センサの側面図である。図22は図19に示す粉塵センサの要部断面図である。図23は図19に示す粉塵センサの回路図である。
この粉塵センサ50は、アンテナ51と、アンテナ51から識別信号sig.3を送信する送信回路52と、アンテナ51と送信回路52を一括収容した樹脂体53と、樹脂体53の検知対象粒子Pが付着する位置に固定して設けられ且つ所定の出力で発光する発光素子54と、樹脂体53の検知対象粒子Pが付着する位置に固定して設けられ且つ発光素子54からの光を受光する受光素子55と、を備えている。
粉塵センサ50は、検知対象粒子(金属微粒子、誘電体微粒子)Pが発生或いは浸入する空間(被監視空間)における検知対象粒子Pの発生量や堆積量の監視用に使用されるものであり、主として暗所に設置して使用されるものである。発光素子54の発光波長の光が入射しない場所であれば明るい場所でも使用可能である。受光素子55は、発光素子54からの光を受光し、その受光量に応じたレベルの電力を出力する。送信回路52は、受光素子55の出力レベルが所定の値(しきい値)未満であれば送信動作は行わない。
2 RFIDタグ(無線タグ)
3 呼吸用保護具
3A 着用者の鼻と口を覆う面体
3B 防塵用又は防毒用のフィルタ装置
4 作業空間
4a 入口
5 読取装置
5A アンテナユニット
5B リーダ/ライタ
6 認証情報取得装置
6A タッチディスプレイ
6B データキャリア読取装置
7 ゲート装置
8 警報装置
9 管理装置
7A 自動扉
8A 警報ランプ
8B 警報スピーカ
9A ID記憶部
9B 保護具情報記憶部
9C 使用条件記憶部
9D 立入者確認部
9E 判定部
9F 警報制御部
10 安全衛生管理システム
11 フィルタ装置
22 RFIDタグ
30 粉塵センサ
31 アンテナ
31A アンテナコイル
31B コンデンサ
32 送信回路
33 樹脂体
33a 樹脂体表面
34 粒子検出領域
35a 電極
35b 電極
35s 電極表面
40 粉塵センサ
41 アンテナ
41A アンテナコイル
41B コンデンサ
42 送信回路
43 樹脂体
44 粒子検出領域
45a 電極
45b 電極
50 粉塵センサ
51 アンテナ
51A アンテナコイル
51B コンデンサ
52 送信回路
53 樹脂体
54 発光素子
55 受光素子
56 凹部
D 粒子径
D0 間隔
H 作業者
P 微粒子
Pc 導体微粒子
Pi 誘電体微粒子
Claims (8)
- 呼吸用保護具と、
前記呼吸用保護具に装着された無線タグと、
前記無線タグに記憶されている情報を読み取るべく作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置と、
前記無線タグに記憶されている情報を前記読取装置を介して取得する管理装置と、
警報を発する警報装置とを備え、
前記無線タグは、前記呼吸用保護具を特定するための保護具識別情報を記憶しており、
前記管理装置は、
前記保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報を記憶している保護具情報記憶部と、
前記作業空間で使用される呼吸用保護具の満たすべき所定の条件を記憶している使用条件記憶部と、
前記読取装置を介して取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が前記条件を満たしているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果、前記条件を満たしていなければ前記警報装置を作動させる警報制御部とを備えていることを特徴とする安全衛生管理システム。 - 前記作業空間に立入る者を確認し得る情報を取得するために作業空間への入口またはその手前に配置された認証情報取得装置を備え、
前記無線タグは、前記呼吸用保護具の使用者として登録されている者を特定するための使用者識別情報を記憶しており、
前記管理装置は、前記認証情報取得により取得された情報に基づいて前記作業空間に立入る者を確認する立入者確認部を備え、
前記判定部は、前記読取装置を介して取得した保護具識別情報により特定される呼吸用保護具の属性情報に基づいて当該呼吸用保護具が前記条件を満たしているか否かを判定すると共に前記立入者確認部により確認された者が前記使用者識別情報により特定される使用者本人であるか否かを判定し、
前記警告部は、前記判定部による判定の結果、少なくとも一の判定結果が否であれば前記警報装置を作動させることを特徴とする請求項1の安全衛生管理システム。 - 前記作業空間内に特定の入口からのみ入ることができるように入口を制限するとともに当該入口にその通路を開閉するゲートを設け、前記判定部による判定の結果、両判定結果が否でない場合のみ、当該ゲートを開くように構成したことを特徴とする請求項2の安全衛生管理システム。
- そのフィルタ装置を交換可能な呼吸用保護具と、
前記フィルタ装置に装着された無線タグと、
前記無線タグに記憶されている情報を読み取るべく作業空間への入口またはその手前に配置された読取装置と、
前記無線タグに記憶されている情報を前記読取装置を介して取得する管理装置と、
警報を発する警報装置とを備え、
前記無線タグは、前記フィルタ装置の属性情報を記憶しており、
前記管理装置は、
前記作業空間で使用される前記フィルタ装置の満たすべき所定の条件を記憶している使用条件記憶部と、
前記読取装置を介して取得した前記フィルタ装置の属性情報と前記使用条件記憶部に記憶されている前記条件とに基づいて当該フィルタ装置が前記条件を満たしているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果、前記条件を満たしていなければ前記警報装置を作動させる警報制御部とを備えていることを特徴とする安全衛生管理システム。 - 前記作業空間内に特定の入口からのみ入ることができるように入口を制限するとともに当該入口にその通路を開閉するゲートを設け、前記判定部による判定の結果が否でない場合のみ、当該ゲートを開くように構成したことを特徴とする請求項4の安全衛生管理システム。
- 無線タグが装着されている呼吸用保護具であって、
前記無線タグは、
その無線タグが装着されている呼吸用保護具を特定するための保護具識別情報と、
その無線タグが装着されている呼吸用保護具の使用者を特定するための使用者識別情報と、
その無線タグが装着されている呼吸用保護具の属性情報とを記憶していることを特徴とする呼吸用保護具。 - 呼吸用保護具に交換可能に装着されるフィルタ装置であって、
そのフィルタ装置の属性情報(種類、性能、または使用可能環境)を記憶した無線タグが装着されていることを特徴とするフィルタ装置。 - 前記フィルタ装置は吸収缶又はろ過材であり、
前記無線タグには、前記フィルタ装置の使用開始時期または使用開始からの経過時間が記憶されていることを特徴とする請求項7のフィルタ装置。
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