JP2008046067A - 電流計測における誤差補正方法 - Google Patents

Abstract

【課題】配電線の電流計測にはＣＴを用いているが、そのＣＴの経年劣化による精度低下の対応としてはＣＴ本体を取り替えるしかない。また、計測誤差を測定するには取り外して試験するしかない。
【解決手段】正確な計測値を示す校正用基準計測機器を配電線上に設置し、配電線の電流値をある一定期間（たとえば１週間程度）計測する。その計測値とターゲットとなる校正対象計測機器の計測値との対応表を自動的に作成し、校正対象計測機器に保存しておく。校正用基準計測機器を取り外した後、校正対象計測機器はその対応表を基に正確な計測値を割り出す。
【選択図】図１

Description

本発明は、配電線線路電流計測システムにおいて配電線路上に設置された計測機器の精度を設置状態のまま実測データを基に補償する方法に関する。

配電線の電流計測にはＣＴを用いており、その測定結果を配電系統の監視情報や配電自動化システムの電圧電流計算等に用いている。
特開平１０−１４８６４８号公報

配電線の電流計測に用いるＣＴの経年劣化による精度低下への対応としてはＣＴ本体を取り替えるしかない。また、計測誤差を測定するには取り外して試験するしかない。

本発明は、配電線上に設置された電流計測機器の精度を補償する方法であって、正確な計測値を示す校正用基準計測機器を前記配電線上に設置するステップ（ａ）と、前記校正用基準計測機器により前記配電線の電流値をある一定期間計測するステップ（ｂ）と、前記校正用基準計測機器の計測値と前記電流計測機器の計測値との対応表を作成し、前記電流計測機器に保存しておくステップ（ｃ）と、前記校正用基準計測機器を取り外した後、前記電流計測機器において前記対応表を基に正確な計測値を割り出すステップ（ｄ）とを備える、ことを特徴とする。

本発明によれば以下の効果が得られる。
・経年劣化によって大きくなった測定誤差を補正することができる。
・取り外して計測誤差を試験する必要がない。
・精度が悪いセンサを持っている計測機器でも補正により精度向上が可能となる。
・精度が悪いセンサを使用できるので計測機器の単価を低減できる。

以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。

本実施形態は、配電線線路電流計測システムにおいて配電線路上に設置された計測機器（電流センサー内蔵高速自動開閉器）の電流計測精度を設置状態のまま実測データを基に補償する方法に関するものである。図１に示すように、本実施形態では、配電線路上に設置された開閉器の電源側に可搬センサーボックス（基準用ＣＴ）を取り付け、この可搬センサーボックスの計測情報を基に開閉器付属計測箱からの計測情報を校正する。処理の概略フローを図２に示す。可搬センサーボックス（基準用ＣＴ）は、あらかじめ所定の検査機関（たとえば日電検）において校正試験を受けており、誤差分布が明記されている。また、可搬センサーボックスおよび開閉器の電流センサについては、温度と誤差の関係をあらかじめ試験で十分抑えておき、これに基づき温度補正を行う。インターフェースボックスは、可搬センサーボックスからの真値と計測箱からの温度補正後測定値とに基づいて電流テーブルを作成し、さらに、実測値（温度補正後測定値）と真値との対応関係を示すグラフおよび実測値（温度補正後測定値）と補正率との対応関係を示すテーブル（真値乗率テーブル）を作成する。一定期間（例えば１週間）が経過すると可搬センサーボックスが取り外され、その際、作成された真値乗率テーブルは計測箱に通知される。これ以降、計測箱では、真値乗率テーブルに基づいて温度補正後測定値が補正される。なお、作成された真値乗率テーブルは、遠制回線を通じて親局にも伝えられる。そのデータは、補正器により補正しないセンサーの補正や寿命診断等に用いられる。

本発明は、遠制子局を活用した配電線情報収集システム等に利用可能である。

本発明の実施形態を実現するためのシステム全体構成 電流値補正の処理フロー

Claims (1)

1. 配電線上に設置された電流計測機器の精度を補償する方法であって、
   正確な計測値を示す校正用基準計測機器を前記配電線上に設置するステップ（ａ）と、
   前記校正用基準計測機器により前記配電線の電流値をある一定期間計測するステップ（ｂ）と、
   前記校正用基準計測機器の計測値と前記電流計測機器の計測値との対応表を作成し、前記電流計測機器に保存しておくステップ（ｃ）と、
   前記校正用基準計測機器を取り外した後、前記電流計測機器において前記対応表を基に正確な計測値を割り出すステップ（ｄ）とを備える、
   ことを特徴とする方法。

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