JP2008045876A - バイオセンサ及びバイオセンサの製造方法 - Google Patents

バイオセンサ及びバイオセンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検出精度を向上させたバイオセンサと該バイオセンサの製造方法を提供する。
【解決手段】バイオセンサの収容室Sには、試料液Lの導入方向に沿った櫛歯を有する参照電極層7Rが形成されている。参照電極層7Rの櫛歯は、収容室Sの導入方向の端部にまで延びるように形成されている。参照電極層7Rに到達する試料液Lは、櫛歯の間の空間に対する接触角を大気に対する接触角(略180°)にする。試料液Lは、櫛歯の間の空間で撥液されるように櫛歯上面7Raに沿って、すなわち試料液Lの導入方向に沿って収容室Sの内部に引き込まれる。
【選択図】図3

Description

本発明は、バイオセンサ及びバイオセンサの製造方法に関する。
酵素やイオンチャンネルなどを利用したバイオセンサは、液体中の成分を検出するセンサとして広く普及している。例えば、酵素活性を利用したグルコースセンサは、血液中のグルコース濃度を検出するセンサとして広く普及している。成人病の1つである糖尿病の患者は、一日に数回にわたって血糖値を計測し、測定結果に基づいてインスリンの投与と、食事のコントロールを行わなければならない。そのため、糖尿病の患者には、グルコース濃度を正確かつ簡便に検出できるグルコースセンサが不可欠である。
バイオセンサは、試験液の基質特異性を利用して、特定成分の変化を電気信号として検出する。酵素反応を利用したバイオセンサは、試験液を収容する収容室の内部に、作用電極、対向電極、酵素、電子伝達媒体(メディエータ)などを有する。毛細管力により収容室へ導入された試験液は、収容室の酵素やメディエータを溶解し、該試験液の酵素反応を開始させる。作用電極と対向電極は、酵素反応に伴う電流を検出して出力する(例えば、特許文献1〜4)。
特開平1−253648号公報 特開2005−114359号公報 特開2005−502026号公報 特開平6−213858号公報
ところで、特許文献1〜4の各種電極は、配線を兼ねた帯状や矩形の単純なプレート状を呈している。上記バイオセンサは、酵素反応に伴う微弱な電流値をこれらの電極によって検出する。そのため、試験液が毛細管現象により適切に収容室に流れ込まないと容量が変動してしまい、検出結果に大きな誤差を生じる。
しかしながら、上記バイオセンサでは、電極の形状に関して、試験液の容量をセンサ間で均一にするための検討が何らなされていない。そこで、試験液の容量をセンサ間で均一にさせることができれば、バイオセンサの検出精度を向上させることができ、ひいては、バイオセンサの利用範囲を拡張させることができる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、検出精度を向上させたバイオセンサと該バイオセンサの製造方法を提供することである。
本発明のバイオセンサは、導入口と、前記導入口から導入した試験液を収容する収容室と、前記収容室に設けられて前記試験液の導入方向に延びる櫛歯を有した電極と、を備えた。
本発明のバイオセンサによれば、試験液が、櫛歯状の電極に沿って収容室に導入される。したがって、試験液が導入方向に沿って案内される分だけ、収容室に収容する試験液の液量を安定させることができる。この結果、バイオセンサの検出精度を向上させることができる。
このバイオセンサにおいて、前記電極は、前記収容室の前記導入方向の端部に延びる櫛歯を有した構成が好ましい。
このバイオセンサによれば、試験液が、櫛歯状の電極に沿って収容室の端部にまで案内される。したがって、収容室に収容する液量を収容室の容積に安定させることができる。この結果、バイオセンサの検出精度を、さらに向上させることができる。
このバイオセンサにおいて、前記電極は、少なくとも作用電極、対向電極、参照電極のいずれか1つである。
このバイオセンサによれば、試験液が、少なくとも作用電極、対向電極、参照電極のいずれか1つに沿って収容室に導入される。したがって、少なくとも作用電極、対向電極、参照電極のいずれか1つによって、バイオセンサの検出精度を向上させることができる。
本発明のバイオセンサの製造方法は、下地材料を含む第1液滴を基板に吐出して試験液の導入方向に延びる櫛歯を有した下地電極を描画する第1描画工程を備えた。
本発明のバイオセンサの製造方法によれば、液滴の吐出位置や吐出量を変更するだけで、櫛歯のサイズや形状を変更させることができる。したがって、櫛歯を有した電極を、より簡便な方法で形成させることができる。
このバイオセンサの製造方法において、触媒材料を含む第2液滴を前記下地電極の領域に吐出して前記試験液の前記導入方向に延びる櫛歯を有した触媒層を描画する第2描画工程と、被覆材料を含むメッキ液を前記触媒層に接触させて前記試験液の前記導入方向に延びる櫛歯を有した被覆電極をメッキするメッキ工程と、を備える構成であってもよい。
このバイオセンサの製造方法によれば、被覆電極の表面を、均一かつ緻密に形成することができ、耐腐食性、耐摩耗性に優れた櫛歯状の電極を形成させることができる。
以下、本発明を具体化したバイオセンサ1を図1〜図7に従って説明する。図1は、バイオセンサ1の分解斜視図であり、図2及び図3は、バイオセンサ1を説明する図である。図1及び図2では、導電性を有する領域に薄いグラデーションを付している。図3では、試料液Lの領域にグラデーションを付している。
図1において、バイオセンサ1には、長尺状に形成された基板としての支持プレート2が備えられている。支持プレート2の上側には、支持プレート2よりも短いサイズに形成された帯状のスペーサプレート3と、カバープレート4と、が順に積層されている。
支持プレート2、スペーサプレート3、カバープレート4は、それぞれ絶縁性を有する基板である。これら3枚のプレートには、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、モノマーキャストナイロン、ポリブチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、ABS樹脂、ガラスなどを用いることができる。
スペーサプレート3の一端(図1の左下端:先端)には、他端(基端)に延びる切り欠き部3aが形成されている。切り欠き部3aは、前記支持プレート2とカバープレート4に囲まれて、先端側に開口部(導入口H)を有した空間(収容室S)を形成する。収容室Sは、試料液が導入口Hから導入されるとき、毛細管力などによって試料液を内部に収容する。すなわち、バイオセンサ1は、試料液が導入口Hから導入されるとき、収容室Sの先端側から基端側に向かって試料液を順に充填して試料液の容量を規格化する。なお、本実施形態では、先端から基端に向かう方向(図1の矢印方向)を、導入方向とする。
カバープレート4は、収容室Sと大気との間を連通する連通孔4aを有する。連通孔4aは、試料液が導入口Hから導入されるとき、収容室Sの内圧を大気圧にして試料液を円滑に収容させる。
図2において、支持プレート2の上面には、受容層2aが形成されている。受容層2aは、空孔を有する多孔性の層であって、受容層2aに着弾した液滴の液状成分を吸収して、液滴中の微粒子を受容層2aの上面に残存させる。受容層2aには、例えば、アルミナ、アルミナ水和物のうちの少なくとも1つと、シリカ粒子と、バインダーとの混合物を乾燥処理したものを用いることができる。
受容層2aの上面には、支持プレート2の長手方向略全幅にわたって延びる3つの配線層5が形成されている。配線層5は、作用電極配線層5w、対向電極配線層5c及び下地電極としての参照電極配線層5rによって構成されている。
作用電極配線層5w、対向電極配線層5c及び参照電極配線層5rは、それぞれ基端部が幅広の帯状に形成されている。また、作用電極配線層5w、対向電極配線層5c及び参照電極配線層5rは、それぞれ基端部と先端部との間の領域(中間部)が幅細の線状に形成されている。
作用電極配線層5wの先端部は、収容室Sよりも大きい略円板状に形成されて、収容室Sに対応する基端側に矩形の切り欠きが形成されている。対向電極配線層5cの先端部は、作用電極配線層5wの先端側を囲う円弧状に形成されて、円弧の一部が収容室Sの内部に位置する。参照電極配線層5rの先端部は、作用電極配線層5wの先端部の切り欠きに対応する櫛歯状に形成されている。参照電極配線層5rの櫛歯は、導入方向に沿って形成されて、収容室Sの基端側端部にまで延びるように配置されている。
本実施形態では、受容層2aの上側であって、これら作用電極配線層5w,対向電極配線層5c及び参照電極配線層5rの占有する領域を、それぞれ配線層形成領域とする。
各配線層5の材料(下地材料としての配線材料)には、銀、ニッケル、銅、パラジウム、白金、金、カーボンブラック、二酸化マンガンとカーボンブラックの混合物などを用いることができる。各配線層5は、それぞれインクジェット法によって形成されている。すなわち、各配線層5は、それぞれ配線材料のナノ微粒子を分散媒で分散させた液状体を受容層2aの配線層形成領域に吐出して、受容層2aに着弾した液滴を乾燥・焼成することによって形成されている。
各配線層5の中間部(幅細の線状部分)を除く領域には、それぞれ対応する配線層5の領域全体を覆う触媒層6が積層されている。各触媒層6は、それぞれ対応する配線層5の領域全体に無電解メッキを施すための層であって、配線材料と電極材料に応じて選択された触媒材料からなる層である。
本実施形態では、受容層2aの上側であって、触媒層6の占有する領域を、それぞれ電極層形成領域とする。
触媒材料には、例えば、カップリング剤と、カップリング剤によって固定される触媒金属と、からなる公知のメッキ触媒を用いることができる。カップリング剤は、例えば、アミノ系有機官能基を有して触媒金属と金属錯体を形成するものであって、該触媒金属を化学吸着によって配線層5の表面に保持させるものである。カップリング剤には、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミンなどを用いることができる。触媒金属は、無電
解メッキにおける還元剤の酸化作用に対する触媒活性を有して、電極材料を無電解析出させることができる金属である。触媒金属には、パラジウム、白金、金、ニッケル、銅、銀などを用いることができる。
また、触媒層6には、シリカ微粒子やアルミナ微粒子を触媒金属の担体とする公知のメッキ触媒を用いることができる。例えば、触媒層6には、該微粒子の表面に上記カップリング剤を吸着させて、カップリング剤の吸着した微粒子を触媒金属の化合物からなる溶液に浸漬し、微粒子表面に固定された触媒金属を還元させたものを用いることができる。触媒金属の化合物には、パラジウム、白金、金、ニッケル、銅、銀などの塩化物、水酸化物又は酸化物を用いることができ、その還元剤には、次亜燐酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウムなどを用いることができる。
各触媒層6は、それぞれインクジェット法によって形成されている。すなわち、各触媒層6は、それぞれ上記触媒材料を含む液滴を電極層形成領域に吐出して乾燥することにより形成されている。
各触媒層6の上側には、それぞれ対応する触媒層6の全体を覆う電極層7が積層されている。電極層7は、各配線層5の基端部(幅広部)を被覆する3つの端子電極層7Tと、作用電極配線層5wの先端部を被覆する作用電極層7Wと、対向電極配線層5cの先端部を被覆する対向電極層7Cと、参照電極配線層5rの先端部を被覆する被覆電極としての参照電極層7Rと、によって構成されている。
すなわち、バイオセンサ1の基端部には、各配線層5の基端部に対応し、幅広の帯状に形成された3つの端子電極層7Tが備えられている。この端子電極層7Tと、対応する触媒層6と、配線層5と、によって端子電極が構成されている。
また、バイオセンサ1の先端部には、作用電極配線層5wの先端部に対応した作用電極層7Wが形成されている。作用電極層7Wは、収容室Sよりも大きい略円板状に形成されて収容室Sに対応する基端側に矩形の切り欠きを有している。この作用電極層7Wと、作用電極配線層5wと、対応する触媒層6と、によって作用電極が構成されている。
また、バイオセンサ1の先端部には、対向電極配線層5cの先端部に対応した対向電極層7Cが形成されている。対向電極層7Cは、作用電極層7Wの先端側を囲う円弧状に形成されて、円弧の一部が収容室Sの内部に位置する。この対向電極層7Cと、対向電極配線層5cと、対応する触媒層6と、によって対向電極が構成されている。
また、バイオセンサ1の先端部には、参照電極配線層5rの先端部に対応した参照電極層7Rが形成されている。参照電極層7Rは、作用電極層7Wの切り欠きに対応する櫛歯状に形成されて、櫛歯が収容室Sの基端側から先端側に延びるように配置されている。この参照電極層7Rと、参照電極配線層5rと、触媒層6と、によって参照電極が構成されている。
各端子電極層7T、作用電極層7W、対向電極層7C及び参照電極層7Rは、それぞれ耐腐食性を有した電極材料(例えば、パラジウム、白金、金など)からなる層であって、無電解メッキによって形成されている。
作用電極層7W、対向電極層7C及び参照電極層7Rは、試料液が収容室Sに収容されるとき、各配線層5を試料液から保護する。参照電極に接続された端子電極は、試料液が収容室Sに収容されるとき、外部測定装置に接続されて、試料液が収容室Sに収容されたか否かを検出する。作用電極と対向電極に接続された一対の端子電極は、試料液が収容室
Sに収容されるとき、それぞれ外部測定装置に接続されて、作用電極と対向電極との間に所定の電圧を印加する。
作用電極層7Wと参照電極層7Rの表面であって、収容室Sの内部に位置する表面には、それぞれ共通する試薬層Eが積層されている(図2において濃いグラデーションを付した領域)。試薬層Eには、酸化還元酵素やメディエータなどが含まれている。メディエータは、電極と酵素との間の電子移動媒体として機能するものでる。メディエータには、例えば、フェリシアン化アルカリ金属(フェリシアン化カリウム、フェリシアン化リチウム、フェリシアン化ナトリウムなど)p−ベンゾキノン、メチレンブルー、フェナジンエトサルフェートなどの酸化還元性の有機又は無機化合物の1種あるいは2種以上の組み合わせて用いることができる。酸化還元酵素は、対象成分(例えば、グルコース、乳酸、尿酸、ビリルビン、コレステロールなど)の酸化還元酵素であって、グルコースオキシターゼ、ラクテートオキシターゼ、コレステロールオキシターゼ、ビリルビンオキシターゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼなどを用いることができる。
試薬層Eは、試薬層Eの構成成分(例えば、酸化還元酵素やメディエータ)を溶解させた水溶液を調製し、該水溶液を作用電極層7W及び参照電極層7Rの表面に滴下して乾燥させることにより形成されている。試薬層Eは、試料液が収容室Sに導入されるとき、試料液中に溶解して測定対象としての測定溶液を生成する。測定溶液は、試料液の基質と酸化還元酵素との間で酵素反応を進行させてメディエータを還元させる。還元されたメディエータを電気化学的に酸化するとき、試料液の基質濃度に応じた電流値が検出される。
図3において、導入口Hから試料液L(グラデーションを付した領域)が導入されるとき、試料液Lは、毛細管力によって収容室Sの導入方向に引き込まれる。連通孔4aは、収容室Sの内圧を大気圧にして収容室Sの内圧上昇を回避させる。
この際、参照電極層7Rに到達する試料液L(測定溶液)の見せかけの接触角は、櫛歯に対して並行な方向と垂直な方向で異方性を持つ。つまり、材質が同じで表面エネルギーが連続的な並行方向には接触角が低く液体がぬれ易くなり、垂直方向には表面エネルギーが非連続であるため、接触角が相対的に高くぬれにくくなる。この結果、測定溶液は櫛歯の並行方向と垂直方向でひずみ、導入口Hから試料液Lの導入方向(図3の矢印方向)に沿って引き込まれる。よって、導入口Hから試料液Lが導入されるとき、試料液Lは、毛細管力と、収容室Sの内圧維持と、参照電極層7Rの引き込みと、によって、収容室Sの基端にまで到達し、やがて櫛歯の間の空間を充填して収容室Sの全体にわたって充填される。
したがって、導入口Hから試料液Lが導入されるとき、収容室Sの内部には、常に、収容室Sの容積分の測定溶液が生成される。この結果、バイオセンサ1の検出精度を向上することができる。
次に、上記バイオセンサ1の製造方法について図4〜図7に従って説明する。図4は、バイオセンサ1の製造工程を示すフローチャートであり、図5〜図7は、各製造工程を説明する説明図である。
図4において、まず、インクジェット法を利用して配線層5を描画する(第1描画工程としての配線層描画工程:ステップS11)。図5において、マザープレート2Mは、複数の支持プレート2を切り出し可能にしたマザー基板であって、矢印方向に搬送される。液滴吐出ヘッド20は、例えば、圧電素子や抵抗加熱素子を駆動して、粒径がマイクロメートルオーダの微小な液滴を吐出させるものである。
液滴吐出ヘッド20は、配線材料を含む液状体(例えば、銀インク)を配線用液滴D1(第1液滴)にしてノズルNから吐出する。液滴吐出ヘッド20は、マザープレート2Mの受容層2aに規定された各配線層形成領域に配線用液滴D1の合一した配線層液状パターン5Lを描画する。
図4において、配線層描画工程を終了すると、配線層液状パターン5Lを乾燥・焼成する(配線層焼成工程:ステップ12)。すなわち、配線層液状パターン5Lを加熱して配線層液状パターン5Lに含まれる分散媒や溶媒を蒸発させて乾燥し、乾燥した配線層液状パターン5Lをさらに加熱あるいは加圧して焼成し、作用電極配線層5w、対向電極配線層5c及び参照電極配線層5rを形成する。
これによって、マイクロメートルオーダの微細な櫛歯を形成することができ、試料液Lの流動を、より高い精度で制御させることができる。しかも、配線材料を配線層形成領域のみで使用するため、無駄な配線材料の使用を回避させることができる。さらには、配線層5を形成するための、マスキング工程、露光工程、エッチング工程などを必要としないため、生産工程数を削減できてバイオセンサの生産性を向上させることができる。
図4において、配線層焼成工程を終了すると、インクジェット法を利用して触媒層6を描画する(第2描画工程としての触媒層描画工程:ステップS13)。図6において、液滴吐出ヘッド20は、触媒材料を含む液状体を触媒用液滴D2(第2液滴)にしてノズルNから吐出し、予め規定された各電極層形成領域に触媒用液滴D2の合一した触媒層パターン6Lを描画して乾燥する。例えば、各電極層形成領域にカップリング剤からなるパターンを描画して120℃のオーブン中で加熱乾燥し、配線層5にカップリング剤を固定する。さらに、固定したカップリング剤の上側(電極層形成領域)に、金属触媒の微粒子を分散させた液状体のパターンを描画して乾燥し、カップリング剤に金属触媒の微粒子を固定して触媒層パターン6Lを形成する。
図4において、触媒層描画工程を終了すると、触媒層6を活性化する(触媒層活性化工程:ステップS14を実行して)。すなわち、電極材料を析出させるための表面処理を触媒層パターン6Lの表面に施す。例えば、カップリング剤に固定された金属触媒に紫外領域の光(例えば、波長が172nmのエキシマ光)を照射して金属触媒を活性化する。あるいは、金属触媒の微粒子を保護するための有機分子に紫外領域の光を照射し、該有機分子を分解除去して金属触媒を活性化する。
これによって、無電解メッキの反応性を向上させることができ、電極層7を形成するとき、電極層7の膜厚均一性と、触媒層6(配線層5)と電極層7との間の密着性を向上させることができる。
図4において、触媒活性化工程を終了すると、触媒層6に無電解メッキを施して電極層7を形成する(電極層メッキ工程:ステップS15)。図7において、活性化された触媒層6は、無電解メッキ液に浸漬されて、触媒層6のある領域にのみ、すなわち電極層形成領域にのみ、触媒層6の全体を覆うように電極材料を析出させる。無電解メッキ液は、電極材料(例えば、パラジウム、白金、金)を析出させるための公知のメッキ液であって、例えばパラジウムのメッキ液には、パラジウム化合物と、次亜燐酸化合物と、アンモニア及び飽和アルキルアミン化合物の少なくとも1種と、高分子ポリエチレンイミンと、不飽和アルキルアミンと、からなる混合液を用いることができる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、試料液Lを収容する収容室Sが、試料液Lの導入方向に沿った櫛歯状の参照電極を有する。したがって、バイオセンサ1は、収容室Sに導入され
た試料液Lを、参照電極の櫛歯上面7Raに沿って、すなわち導入方向に沿って、収容室Sの内部に引き込むことができる。そのため、バイオセンサ1は、収容室Sに収容する試料液Lの容量を、参照電極層7Rの引き込み分だけ、より正確に規定させることができる。この結果、バイオセンサ1は、試料液Lの容量のバラツキを抑制させることができ、検出精度を向上させることができる。
(2)しかも、電極層7が櫛歯状に形成されているため、櫛歯状の別部材を、別途収容室Sの内部に形成する必要がない。よって、バイオセンサ1は、部材点数の増加や生産工程の増加などを招くことなく検出精度を向上させることができる。
(3)上記実施形態によれば、参照電極の櫛歯が、収容室Sの導入方向の端部にまで延びるように形成される。したがって、バイオセンサ1は、収容室Sに導入された試料液Lを、収容室Sの基端にまで、より確実に引き込むことができる。この結果、バイオセンサ1は、試料液Lによって収容室Sを充填させることができ、常に収容室Sの容積分の測定溶液を生成させることができる。よって、バイオセンサ1は、検出精度をさらに向上させることができる。
(4)上記実施形態によれば、配線用液滴D1と触媒用液滴D2によって、それぞれ試料液Lの導入方向に延びる櫛歯状の配線層5(参照電極配線層5r)と触媒層6を描画する。したがって、配線用液滴D1や触媒用液滴D2の吐出位置や吐出量を変更するだけで、櫛歯のサイズや形状を変更させることができる。よって、櫛歯を有した電極を、より簡便な方法で形成させることができる。
(5)上記実施形態によれば、無電解メッキによって、櫛歯状の参照電極層7Rを形成する。したがって、参照電極層7Rの表面を、均一かつ緻密に形成させることができ、耐腐食性、耐摩耗性に優れた櫛歯状の電極を形成させることができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、参照電極の櫛歯を、収容室Sの基端にまで延びるように構成した。これに限らず、例えば、図8に示すように、参照電極の櫛歯を、収容室Sの端部にまで延ばさない構成であってもよい。すなわち、電極の櫛歯は、その配置位置やサイズに限定されるものではない。
・上記実施形態では、配線層5を単層構造で構成にした。これに限らず、配線層5を多層構造で構成してもよい。あるいは、図8に示すように、配線層5、触媒層6、電極層7を単一の電極層7で構成してもよい。すなわち、本発明は、導入方向の櫛歯を有した電極を備える構成であればよく、電極の構成層数に限定されるものではない。
・上記実施形態では、参照電極のみが櫛歯を有する構成にした。これに限らず、例えば、図9に示すように、作用電極層7Wが、参照電極層7Rに対応する櫛歯を有する構成であってもよい。さらには、図10に示すように、作用電極層7W、対向電極層7C及び参照電極層7Rが、それぞれ導入方向に沿った櫛歯を有する構成であってもよい。これによれば、導入方向に沿う櫛歯を収容室Sの略全域にわたって形成させることができ、収容室Sを、より確実に試料液Lで満たすことができる。
また、この際、櫛歯のサイズや本数は、試料液Lの容量に基づいて規定される構成にしてもよい。すなわち、酵素反応にともなう電流密度が低い場合には、櫛歯のサイズを拡大したり櫛歯の本数を増加させたりして、検出感度を向上させる構成にしてもよい。これによれば、櫛歯のサイズや本数を電流値の検出下限に基づいて規定させる分だけ、バイオセンサ1の検出精度を、より確実に向上させることができる。
・上記実施形態では、バイオセンサ1が、作用電極、対向電極、参照電極を有する構成にした。これに限らず、例えば、図11に示すように、作用電極と対向電極のみを有する構成であってもよい。すなわち、本発明のバイオセンサ1は、試料液Lの導入方向に沿った櫛歯状の電極を備える構成であればよく、電極の種別や本数に限定されるものではない。
・上記実施形態では、触媒層6がカップリング剤を有する構成にした。これに限らず、例えば、触媒層6は、単に触媒金属化合物を還元剤で還元させたものであってもよい。
・上記実施形態では、支持プレート2が、受容層2aを有する構成にした。これに限らず、例えば、支持プレート2の上面に紫外線照射処理やプラズマ照射処理などの表面処理を施して液滴に対する所望の濡れ性を付与する構成であってもよい。すなわち、吐出した液滴が所望するサイズのパターンを形成できる場合、支持プレート2は、受容層2aを有しない構成であってもよい。
・上記実施形態では、電極層7を無電解メッキによって形成する構成にした。これに限らず、例えば、電極層7をインクジェット法によって形成する構成にしてもよい。
本実施形態のバイオセンサを説明する分解斜視図。 同じく、バイオセンサを説明する図。 同じく、バイオセンサを説明する図。 同じく、バイオセンサの製造工程を説明するフローチャート。 同じく、バイオセンサの製造工程を説明する図。 同じく、バイオセンサの製造工程を説明する図。 同じく、バイオセンサの製造工程を説明する図。 変更例のバイオセンサを説明する図。 変更例のバイオセンサを説明する図。 変更例のバイオセンサを説明する図。 変更例のバイオセンサを説明する図。
符号の説明
D1…第1液滴としての配線用液滴、D2…第2液滴としての触媒用液滴、H…導入口、L…試料液、S…収容室、1…バイオセンサ、2…基板としての支持プレート、5…下地電極としての配線層、6…触媒層、7…被覆電極としての電極層、7C…対向電極を構成する対向電極層、7R…参照電極を構成する参照電極層、7W…作用電極を構成する作用電極層。

Claims (5)

  1. 導入口と、
    前記導入口から導入した試験液を収容する収容室と、
    前記収容室に設けられて前記試験液の導入方向に延びる櫛歯を有した電極と、
    を備えたことを特徴とするバイオセンサ。
  2. 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、
    前記電極は、
    前記収容室の前記導入方向の端部に延びる櫛歯を有したことを特徴とするバイオセンサ。
  3. 請求項1又は2に記載のバイオセンサにおいて、
    前記電極は、
    少なくとも作用電極、対向電極、参照電極のいずれか1つであることを特徴とするバイオセンサ。
  4. 下地材料を含む第1液滴を基板に吐出して試験液の導入方向に延びる櫛歯を有した下地電極を描画する第1描画工程を備えたことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  5. 請求項4に記載のバイオセンサの製造方法において、
    触媒材料を含む第2液滴を前記下地電極の領域に吐出して前記試験液の前記導入方向に延びる櫛歯を有した触媒層を描画する第2描画工程と、
    被覆材料を含むメッキ液を前記触媒層に接触させて前記試験液の前記導入方向に延びる櫛歯を有した被覆電極をメッキするメッキ工程と、
    を備えたことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
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