JP2008041271A - 車両前照灯 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源11と、上記光源付近を焦点としてこの光源の光を照射方向前方の第一の照射領域に反射する第一の反射面12と、上記第一の反射面が反射した上記光源の光の一部を遮光するように配置される遮光部材14と、上記光源付近を焦点としてこの光源からの光を反射する第二の反射面15と、上記第二の反射面からの光を上記第一の反射面による第一の照射領域とは異なる第二の照射領域に向けて反射する第三の反射面16と、上記遮光部材14の一部に設けられ、上記第三の反射面16が反射した光を上記第二の照射領域に導く導光部分と、を含むように、車両前照灯10を構成する。
【選択図】 図1
Description
即ち、図9において、車両前照灯1は、光源としてのバルブ2と、バルブ2からの光を光照射方向前方に向かって反射する反射面3と、バルブ2または反射面3から前方に向かって進む光を集束する投影レンズ4と、バルブ2から投影レンズ4への光路中にて上記反射面3の第二の焦点位置F2付近に配置されたカットオフを形成するための遮光部材5と、から構成されている。
ここで、上記バルブ2は、その発光部が光軸Oに沿って延びるように配置されている。
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
ここで、上記投影レンズ4は、レンズホルダー4aにより固定保持されている。
これにより、遮光部材5の上縁5aが投影レンズ4により前方に投影され、すれ違いビーム用の配光パターンにおけるカットオフラインが形成されるようになっている。
このオーバーヘッド配光Bは、配光規格によって、その範囲及び照度が定められている。
これにより、バルブ2から上側に出射した光が反射面3の上部で下方に向かって反射し、上記オーバーヘッド用リフレクタ6で反射した後、投影レンズ4を介して、やや上向きに前方に向かって照射される。これにより、この車両前照灯1によれば、前述したオーバーヘッド配光Bが形成され得る。
これは、例えばバルブ2としてハロゲン電球やHID(High Intensity Discharge)等の放電灯が使用される場合、その出射光に赤外光が多く含まれているためである。つまり、赤外光により副射による熱伝達が発生するため、遮光部材5やオーバーヘッド用リフレクタ6が高い耐熱性を備える必要があるからである。
このため、上述のオーバーヘッド用リフレクタ6は、材料コストが高くなり、車両前照灯1全体が重くなってしまう。
しかしながら、この散乱によって、車両前照灯1は投影レンズ4への入射光が低減することになり、オーバーヘッド配光Bにおける光利用効率が低下し、オーバーヘッド配光Bが比較的暗くなってしまう。
これに対して、オーバーヘッド配光Bの光度を制御するためには、塗装や蒸着等により反射コーティングを施して、オーバーヘッド用リフレクタ6の反射率を高めたり、反射面の面粗さを調整して、散乱特性を変更する等の反射率の調整が必要になる。このような加工等を行なうことで、車両前照灯1は工程数が増えて、コストが高くなってしまう。
しかしながら、特許文献1の車両用灯具は、光源からの光が直接にシェードの開口部を透過することから、この開口部を通って投影レンズによりオーバーヘッドサイン領域に導かれる光の光束が少なく、明るいオーバーヘッド配光を得ることは困難であった。
その際、遮光部材によりカットオフが形成されることにより、すれ違いビーム用の配光パターンのメイン配光が形成されることになる。
これにより、オーバーヘッド配光が、例えば自動車の進行方向に関して水平線よりやや上側に位置する道路標識等に照射されることにより、これらの道路標識等が明るく照明され、これらの道路標識等が確実に視認され得ることになる。
従って、メイン配光の最大光度が低下してしまうようなことはなく、また光源からの光の利用効率が向上することになる。
さらに、第二の反射面は、光源からの光を集束させるように反射する。このため、より多くの光束が第三の反射面を介してオーバーヘッドサイン領域に導かれる。また、高い精度で反射が行なわれることになり、より明るく高品質のオーバーヘッド配光が得られることになる。
その際、遮光部材によりカットオフが形成されることにより、すれ違いビーム用の配光パターンのメイン配光が形成されることになる。
このような第二の照射領域としてオーバーヘッド配光を形成することにより、例えば自動車の進行方向に関して水平線よりやや上側に位置する道路標識等に照射される。このため、これらの道路標識等が明るく照明され、確実に視認されうることになる。
従って、メイン配光の最大光度が低下してしまうことはなく、また光源からの光の利用効率が向上することになる。
また、上記遮光部材が、一部の光を反射させ且つ一部の光を透過させる材料から構成されている場合には、第二の反射面で反射した光の一部が遮光部材に入射したとき、この一部の光が遮光部材を透過する。この遮光部材を透過した光は、投影レンズを介してオーバーヘッドサイン領域に導かれる。これにより、車両前照灯は、適正な光度のオーバーヘッド配光を得る。
また、光源からの光を第二の反射面及び第三の反射面により集束させることにより、より多くの光束をオーバーヘッドサイン領域に導くことによって、より明るいオーバーヘッド配光が得られることになる。
従って、従来のように遮光部材に反射面を一体に設ける必要がないので、簡単な構成により、コストが低減され得ることになる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明による車両前照灯の第一の実施形態の構成を示している。
図1において、車両前照灯10は、LED光源11と、上記LED光源11からの光を光照射方向前方に向かって反射させる第一の反射面12と、上記LED光源11または第一の反射面12から前方に向かって進む光を集束する投影レンズ13と、上記LED光源11から第一の反射面12への光路中に配置された遮光部材14と、さらに上記第一の反射面12の前側の上下にそれぞれ配置された第二の反射面15,第三の反射面16と、から構成されている。
ここで、各LEDチップ11bは、それぞれ基板11aに対して垂直方向上向きに配置されており、上方に向かって光を出射するように配置されている。
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
そして、上記第一の反射面12は、図示の場合、光軸Oの上側のみに配置されている。
ここで、上記投影レンズ13は、レンズホルダー13aにより固定保持されている。
これにより、遮光部材14の上縁14aが投影レンズ13により光照射方向前方に投影されることとなり、すれ違いビーム用の配光パターンにおけるカットオフラインが形成されるようになっている。
即ち、車両前照灯10においては、上記遮光部材14は、その光軸Oより下側にて、オーバーヘッド配光のための導光部分としての開口部14bを備えている。
さらに、上記車両前照灯10は、オーバーヘッド配光のための第二の反射面15,第三の反射面16を備えている。
これにより、上記第二の反射面15は、LED光源11から前側上方に向かって出射する光を反射し、その第二の焦点位置F3に向かって集束させる。
これにより、上記第三の反射面16は、上記第二の反射面15で反射した光を反射して、光照射方向前方やや上側に向かって集束させる。
上記開口部14bは、この開口部14bを透過した光が、所定の大きさ及び形状のオーバーヘッド配光を形成するように、その大きさ及び形状が選定されている。
LED光源11から出射した光のうち、発光中心から後方に向かって進む光が、第一の反射面12により反射される。また、この光はその第二の焦点位置F2付近に向かって集束し、さらに投影レンズ13を介して集束しながら、光照射方向前方に向かって照射される。
その際、上記遮光部材14の上縁14aによりカットオフを形成されることにより、図3に示すように、すれ違いビーム用の配光パターンのメイン配光Aが形成されることになる。
開口部14bを透過し投影レンズ14から照射された光により、図3に示すように、光照射方向前方の水平線より僅かに上方のオーバーヘッド配光Bが形成される。
つまり、オーバーヘッド配光B部分に照射された光は、例えば自動車の進行方向に関して水平線よりやや上側に位置する道路標識等に照射される。これにより、これらの道路標識等が明るく照明され、これらの道路標識等が確実に視認され得ることになる。
従って、車両前照灯10では、メイン配光の光束低減によってすれ違いビームの配光規格が満たされなくなってしまうようなことはなく、配光規格を満たす高い光度のメイン配光が保持され得ることになる。
従って、このオーバーヘッド配光によって、例えば自動車の進行方向に関して水平線よりやや上側に位置する道路標識等が明るく照明される。これにより、車両前照灯10によればこれらの道路標識等が確実に視認され得ることになる。
図4は、本発明による車両前照灯の第二の実施形態の構成を示している。
図4において、車両前照灯20は、図1に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯20は、上記遮光部材14の開口部14b内に、光学部材としての光拡散部材21が備えられている点で、図1に示した車両前照灯10とは異なる構成になっている。
ここで、上記光拡散部材21は、例えば二色成形により、あるいは開口部14b内への嵌め込みにより、遮光部材14と一体に構成されている。
従って、実施例2の車両前照灯10によれば、明暗境界線の外側、即ち暗い部分に存在する標識等が見えにくくなってしまうようなことが防止され得ることになる。
図5は、本発明による車両前照灯の第三の実施形態の構成を示している。
図5において、車両前照灯30は、図4に示した車両前照灯20とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯30は、上記光拡散部材21の代わりに、光拡散部材31が備えられている点で、図4に示した車両前照灯20とは異なる構成になっている。
従って、明暗境界線の外側、即ち暗い部分に存在する標識等が見えにくくなってしまうようなことが防止され得ることになる。
図6は、本発明による車両前照灯の第四の実施形態の構成を示している。
図6において、車両前照灯40は、図1に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯40は、上記遮光部材14の開口部14bが、光軸O方向に関して前方にずれて配置されている点で、図1に示した車両前照灯10とは異なる構成になっている。
従って、実施例3の車両前照灯10によれば、明暗境界線の外側、即ち暗い部分に存在する標識等が見えにくくなってしまうようなことが防止され得ることになる。
図7は、本発明による車両前照灯の第五の実施形態の構成を示している。
図7において、車両前照灯50は、図1に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯50は、上記遮光部材14の開口部14b内に、光透過率制御部材としての減光フィルタ51が備えられている点で、図1に示した車両前照灯10とは異なる構成になっている。
ここで、上記減光フィルタ51は、開口部14b内への嵌め込みにより、遮光部材14と一体に構成されている。
従って、実施例5の車両前照灯10によれば、開口部14bを透過するオーバーヘッド配光Bが明る過ぎる場合には、適宜の光透過率を有する減光フィルタ51を開口部14b内に設けることにより、適正な明るさのオーバーヘッド配光Bが得られることになる。
図8は、本発明による車両前照灯の第六の実施の形態を示している。
図8において、車両前照灯60は、図1に示した車両前照灯10と共通する構成要素については同じ符号を付して、その説明を省略する。
例えば実施例1における車両前照灯10は、第二の反射面15と第三の反射面16とを用いて遮光部材14の導光部分に光を透過してオーバーヘッド配光を形成していた。これに対して、上記車両前照灯60は、第二の反射面15によって光源の光を反射し、その光が遮光部材61の導光部分を透過することでオーバーヘッド配光を形成する。
ここで、上記遮光部材61は、所望の反射率(透過率)を持つ反射型減光部材フィルタのような部材である。このため、上記遮光部材61は、例えば光源11からの入射光の一部を透過させ、他の一部の入射光を反射面61bによって反射させる。また、遮光部材61の入射光を透過させる部分には、遮光コーティングがされている。
また、反射面61bで反射されなかった光は、遮光部材61を透過して投影レンズ13を介してオーバーヘッドサイン領域に導かれ、オーバーヘッド配光Bを形成する。
以上の構成を有する車両前照灯60によれば、図1に示した車両前照灯10と同様の作用を得られる。
従って、オーバーヘッド配光Bとして用いられる光は、メイン配光Aに用いられる分だけ減光される。そのため、オーバーヘッド配光Bの明るさは、適宜に制御されることになる。
つまり、遮光部材61を透過するオーバーヘッド配光Bが明るすぎる場合には、遮光部材61を構成する反射型減光フィルタの反射率,透過率を適宜に選定することにより、適正な明るさのオーバーヘッド配光Bが得られることになる。
さらに、上述した実施形態においては、光源としてLED光源11が使用されているが、これに限らず、ハロゲン電球,HID等の放電灯が使用されていてもよい。この場合、光源からの出射光の出射範囲に応じて、第一の反射面12は、光軸Oから下方の領域にも設けられることになる。
また、実施例6に示した車両前照灯60の遮光部材には、実施例1から5に示した開口部14bを有する遮光部材14を設けてもよい。即ち、第二の反射面15が反射した光源からの光を、第一の反射面12の第二焦点付近にほぼ垂直に設けられた遮光部材14の開口部14bから透過して、オーバーヘッド配光Bを形成するような構成をとることも可能である。この場合、第一の反射面12と第二の反射面15という二つの反射面によって、メイン配光Aとオーバーヘッド配光Bを形成することができる。
また、実施例1に示した車両前照灯10の遮光部材には、実施例6に示した遮光部材61を光軸に水平に設けた構成をとることも可能である。この場合においても、遮光部材61の透過率を適宜調整することにより、第三の反射面16から照射されるオーバーヘッド配光Bの明るさを適宜に制御することが可能となる。
11 LED光源(光源)
12 第一の反射面
13 投影レンズ
14 遮光部材
14a 上縁
14b 開口部
15 第二の反射面
16 第三の反射面
21,31 光拡散部材
51 吸収型減光フィルタ
61 遮光部材(反射型減光フィルタ)
61a 前縁
61b 反射面(第三の反射面)
Claims (11)
- 光源と、
上記光源付近を焦点としてこの光源の光を照射方向前方の第一の照射領域に反射する第一の反射面と、
上記第一の反射面が反射した上記光源の光の一部を遮光するように配置される遮光部材と、
上記光源付近を焦点としてこの光源からの光を反射する第二の反射面と、
上記第二の反射面からの光を上記第一の反射面による第一の照射領域とは異なる第二の照射領域に向けて反射する第三の反射面と、
上記遮光部材の一部に設けられ、上記第三の反射面が反射した光を上記第二の照射領域に導く導光部分と、
を含んでいることを特徴とする、車両前照灯。 - 光源と、
上記光源付近を焦点としてこの光源の光を照射方向前方の第一の照射領域に反射する第一の反射面と、
上記第一の反射面が反射した上記光源の光の一部を遮光するように配置される遮光部材と、
上記光源からの光を上記第一の反射面によって照射される第一の照射領域とは異なる第二の照射領域に照射する第二の反射面と、
上記遮光部材の一部に、上記第二の反射面から反射された光を上記第二の照射領域に導く導光部分と、
を含んでいることを特徴とする、車両前照灯。 - 上記遮光部材が、
光軸の下方にて、ほぼ垂直に配置されており、
上記導光部分が、
開口部として形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯。 - 第一の反射面が、
上記光源付近に第一の焦点位置を光照射方向前方に第二の焦点位置を有する楕円系反射面であり、
上記第一反射面の第二の焦点位置付近を光源側の焦点位置とするようにされた投影レンズをさらに含んでいることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯。 - 上記遮光部材が、
その前縁が上記投影レンズの光源側の焦点位置付近に位置するように、ほぼ光軸に沿って水平に配置されている、請求項4に記載の車両前照灯。 - 上記開口部が、
上記投影レンズの光源側の焦点位置より光軸方向前後にずれて配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の車両前照灯。 - 上記開口部に、光学部材が設けられていることを特徴とする、請求項1から6に記載の車両前照灯。
- 上記光学部材が、光拡散部材であることを特徴とする、請求項7に記載の車両前照灯。
- 上記光学部材が、光透過率制御部材であることを特徴とする、請求項7に記載の車両前照灯。
- 上記遮光部材が、一部の光を反射させ且つ一部の光を透過させる材料から構成されていることを特徴とする、請求項1から5に記載の車両前照灯。
- それぞれ光源を備えた複数個の光学ユニットを含んでいる車両前照灯であって、
各光学ユニットのうち、少なくとも一つの光学ユニットが、上述した請求項1から10の何れかの車両前照灯と同じ構成であることを特徴とする、車両前照灯。
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