JP2008039256A - レンジフード付着油脂の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レンジフードのフィルタに付着した油脂の洗浄及びレンジフードの清掃の負担を軽減することが可能なレンジフード付着油脂の処理方法を提供する。
【解決手段】 レンジフード10の下部に設けられたドレーン排出口20からレンジフード10に付着した油脂をレンジフード10の外部に設けられた回収容器22内に流入させ、回収容器22内に予め貯留している油脂再生剤と反応させて石鹸に変える。ここで、油脂再生剤は、非イオン系界面活性剤、ソルビタン系乳化剤、ヤシ油脂肪酸、及びアルカリ剤を有し、得られる石鹸は液状である。
【選択図】図1
【解決手段】 レンジフード10の下部に設けられたドレーン排出口20からレンジフード10に付着した油脂をレンジフード10の外部に設けられた回収容器22内に流入させ、回収容器22内に予め貯留している油脂再生剤と反応させて石鹸に変える。ここで、油脂再生剤は、非イオン系界面活性剤、ソルビタン系乳化剤、ヤシ油脂肪酸、及びアルカリ剤を有し、得られる石鹸は液状である。
【選択図】図1
Description
本発明は、外食産業等の厨房で使用するレンジフード内に付着する油脂の処理方法に関する。
従来、外食産業等の厨房で発生する煙(排ガス)中には多量の油脂が含まれているため、レンジフードの吸気口にフィルタを設けて煙中の油脂を捕獲して、油脂分の少ない煙をダクトを介して屋外に排出するようにしている。このとき、フィルタ、レンジフードの内面、及びダクトの内面にそれぞれ付着した油脂の一部は流れ出してレンジフードの底板上に溜まるので、例えば、レンジフードの下部にドレーン排出口を設けてこのドレーン排出口から外部に流出する油脂を缶で受けるようにしている。しかし、ドレーン排出口の周囲には流出する油脂の一部が付着し美観を損ねていた。また、フィルタは油脂の付着により徐々に目詰まりを起こすので、油脂の付着状況に応じて取り外し、付着した油脂を除去して再使用しているが、フィルタの洗浄時に発生する油脂と洗剤を多量に含んだ排水の処理が問題となっている。そこで、レンジフードの内部で油脂が比較的付着し難い部位に、例えば、紫外線光源を配置し、フィルタに紫外線を照射してフィルタで回収した油脂を分解し、ドレーン排出口から外部に流出する油脂及びフィルタに付着する油脂の減量を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、レンジフードの内部に紫外線光源が配置できる空間が必要となり、既存のレンジフードに直ちに適用できる場合は限られるという問題がある。また、紫外線光源はレンジフード内で油脂が付着し難い位置に配置するようにしているが、長期間に渡って使用した場合では紫外線光源にも油脂が付着し紫外線光源の洗浄を行なう必要が生じてくる。更に、紫外線が照射されるのはフィルタ及びその周辺部分に限られ、フィルタを通過してレンジフードの内壁に付着した油脂はドレーン排出口から外部に流出するので、ドレーン排出口の周囲に油脂が付着して美観を損なうという問題は依然存在する。更に、レンジフードの内壁に付着した油脂を除去するには別途清掃が必要になるという問題も依然存在する。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、既存のレンジフードに容易に適用可能で、レンジフード周りの美観を保つと共にフィルタに付着した油脂の洗浄及びレンジフードの清掃の負担を軽減することが可能なレンジフード付着油脂の処理方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るレンジフード付着油脂の処理方法は、レンジフードの下部に設けられたドレーン排出口から該レンジフードに付着した油脂を該レンジフードの外部に設けられた回収容器内に流入させ、前記回収容器内に予め貯留している油脂再生剤と反応させて石鹸に変える。
本発明に係るレンジフード付着油脂の処理方法において、前記油脂再生剤は、非イオン系界面活性剤、ソルビタン系乳化剤、ヤシ油脂肪酸、及びアルカリ剤を有し、得られた前記石鹸は液状とすることができる。
回収容器内に油脂再生剤を予め貯留しておくことにより、回収容器内に流入する油脂を非イオン系界面活性剤及びソルビタン系乳化剤の作用により均一な分散状態にすることができる。また、油脂再生剤中では、非イオン系界面活性剤及びソルビタン系乳化剤の作用によりヤシ油脂肪酸も均一な分散状態で存在しているので、アルカリ剤と油脂及びヤシ油脂肪酸は容易に鹸化反応を起し易い混合状態で存在させることができる。なお、生成した石鹸中にはヤシ油脂肪酸に由来する石鹸分が分散するため、油脂に由来する石鹸の溶解性及び起泡性を大きくすることができる。
回収容器内に油脂再生剤を予め貯留しておくことにより、回収容器内に流入する油脂を非イオン系界面活性剤及びソルビタン系乳化剤の作用により均一な分散状態にすることができる。また、油脂再生剤中では、非イオン系界面活性剤及びソルビタン系乳化剤の作用によりヤシ油脂肪酸も均一な分散状態で存在しているので、アルカリ剤と油脂及びヤシ油脂肪酸は容易に鹸化反応を起し易い混合状態で存在させることができる。なお、生成した石鹸中にはヤシ油脂肪酸に由来する石鹸分が分散するため、油脂に由来する石鹸の溶解性及び起泡性を大きくすることができる。
ここで、油脂再生剤中には、流入させる油脂に対して、非イオン系界面活性剤を4〜6重量%、ソルビタン系乳化剤を1.2〜1.7重量%、及びヤシ油脂肪酸を3.1〜3.9重量%含有することが好ましい。また、アルカリ剤は、流入した油脂及びヤシ油脂肪酸をそれぞれ鹸化する量だけ含有させる必要がある。このため、例えば、一定期間に渡ってレンジフードを使用した場合にレンジフードから流出する油脂の回収重量を事前に把握しておき、油脂再生剤中には、この回収重量分の油脂と含有するヤシ油脂肪酸を共に鹸化するのに必要な量のアルカリ剤を含有させるようにして、回収容器に油脂を流入させる期間を上記の一定期間とする。これによって、アルカリ剤との鹸化反応に見合う量の油脂を回収容器内に流入させることができる。
本発明に係るレンジフード付着油脂の処理方法において、前記回収容器内に流入した前記油脂は該回収容器内で前記油脂再生剤と共に撹拌されることが好ましい。
これによって、回収容器内に順次流入する油脂と油脂再生剤の反応を促進することができる。
これによって、回収容器内に順次流入する油脂と油脂再生剤の反応を促進することができる。
本発明に係るレンジフード付着油脂の処理方法において、前記回収容器内に所定量の前記油脂を流入させた後、前記回収容器から前記油脂及び前記油脂再生剤を撹拌容器内に移し換えて撹拌してもよい。
これによって、回収した油脂と油脂再生剤の反応を撹拌容器内で促進することができる。
これによって、回収した油脂と油脂再生剤の反応を撹拌容器内で促進することができる。
本発明に係るレンジフード付着油脂の処理方法において、前記レンジフードの使用を開始する都度、事前に該レンジフード内に油脂洗浄剤を噴霧することが好ましい。
これによって、レンジフード内に油脂洗浄剤の被膜を事前に形成することができ、油脂は被膜を介してレンジフードの内面に付着するので、油脂の付着力は低減する。
これによって、レンジフード内に油脂洗浄剤の被膜を事前に形成することができ、油脂は被膜を介してレンジフードの内面に付着するので、油脂の付着力は低減する。
ここで、前記油脂洗浄剤には、非イオン系界面活性剤を1.8〜2.2重量%、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミドを4.5〜5.5重量%、ソルビタン脂肪酸エステルを1.8〜2.2重量%、水酸化ナトリウムを0.02〜0.03重量%、エタノールを1.2〜1.7重量%を含有させることができる。
被膜上に付着した油脂は、非イオン系界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、及びソルビタン脂肪酸エステルの作用で細分化されると共に、その表面が非イオン系界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、及びソルビタン脂肪酸エステルで覆われる状態になる。このため、レンジフード内に更に付着する油脂は、レンジフードの内面に直接付着することができないため油脂の付着力は低減する。また、エタノールが存在することで、付着した油脂の一部では水酸化ナトリウムとの間で鹸化反応が促進され石鹸を形成する。これによって、レンジフード内に付着する油脂の付着力を効果的に弱めることができる。
被膜上に付着した油脂は、非イオン系界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、及びソルビタン脂肪酸エステルの作用で細分化されると共に、その表面が非イオン系界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、及びソルビタン脂肪酸エステルで覆われる状態になる。このため、レンジフード内に更に付着する油脂は、レンジフードの内面に直接付着することができないため油脂の付着力は低減する。また、エタノールが存在することで、付着した油脂の一部では水酸化ナトリウムとの間で鹸化反応が促進され石鹸を形成する。これによって、レンジフード内に付着する油脂の付着力を効果的に弱めることができる。
請求項1〜6記載のレンジフード付着油脂の処理方法においては、レンジフードのドレーン排出口を介して流出してくる油脂を直接回収するので、既存のレンジフードに容易に適用してレンジフード周りの美観を保つことが可能になる。更に、得られた石鹸は油脂から作製されたものなので、調理器具や食器等の厨房で使用する機器の洗浄に使用することができ、経済的である。
特に、請求項2記載のレンジフード付着油脂の処理方法においては、石鹸が液状であるため、使用が容易となる。また、ヤシ油脂肪酸に由来する石鹸分が分散しているため石鹸自体の溶解性及び起泡性を大きくすることができ、製造した石鹸の洗浄力を強くすることが可能になる。
特に、請求項2記載のレンジフード付着油脂の処理方法においては、石鹸が液状であるため、使用が容易となる。また、ヤシ油脂肪酸に由来する石鹸分が分散しているため石鹸自体の溶解性及び起泡性を大きくすることができ、製造した石鹸の洗浄力を強くすることが可能になる。
請求項3記載のレンジフード付着油脂の処理方法においては、回収容器内に流入する油脂を順次鹸化反応させることができ、油脂の回収を行ないながら回収した油脂を順次石鹸にすることが可能になる。その結果、所定量の油脂が流入して撹拌が行なわれた後には回収容器内には石鹸が存在する状態になり、製造された石鹸を直ちに使用することができる。また、請求項4記載のレンジフード付着油脂の処理方法においては、複数の回収容器から得られる油脂及び油脂再生剤の混合物を1つの撹拌容器内にまとめて、多量の石鹸を効率的に製造することが可能になる。
請求項5及び6記載のレンジフード付着油脂の処理方法においては、レンジフード内に付着した油脂の流動性を大きくし効率的に回収容器内に油脂を流入させることが可能になる。更に、付着した油脂の流動性が大きくなるため、例えば、レンジフードのフィルタ、レンジフードの内壁、及びダクト内壁に残留する油脂の量を少なくすることができ、レンジフードのフィルタ、レンジフードの内壁、及びダクト内壁の清掃が容易になると共に、清掃時に発生する排水量を低減することが可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1(A)は本発明の一実施の形態に係るレンジフード付着油脂の処理方法に適用されるレンジフードの正面図、(B)は(A)のP−P矢視断面図である。
ここで、図1(A)は本発明の一実施の形態に係るレンジフード付着油脂の処理方法に適用されるレンジフードの正面図、(B)は(A)のP−P矢視断面図である。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係るレンジフード10は、例えば、レストラン等の外食産業の厨房で使用されるレンジ(図示せず)の上方に取付けられるもので、一端部に取付けた縁板部材11で外枠が形成された吸気口12を有し、他端部に封止板13が取付けられた筒状のレンジフードケース14と、レンジフードケース14の吸気口側の内部に設けられた取付け部材15を介して着脱可能に取付けられたアルミニウム製のフィルタ16と、レンジフードケース14の他側の一部に形成された排気口17に取付けられたダクト18と、封止板13の内側に取付けられて、レンジの上方に配置された吸気口12から厨房内の煙を吸引してダクト18内に排出するファンを備えた排気装置19とを有している。
また、レンジフード10は、レンジフードケース14の吸気口側の下部の中央に設けられたドレーン排出口20と、ドレーン排出口20の先部が装入される受入れ口21が中央に形成された回収容器22とを有している。ドレーン排出口20の先部が受入れ口21に装入されることにより、レンジフード10の内部と回収容器22の内部とが連通状態になる。回収容器22の両端部はレンジフードケース14の下側左右にそれぞれ取付けられた一対の連結部材23によってそれぞれ掛止され、これにより回収容器22をレンジフードケース14に固定することができる。
また、レンジフードケース14は、先端(吸気口側)の高さ位置が基端の高さ位置より低くなるように(例えば、下方に2〜3度傾斜させて)設けられている。更に、レンジフードケース14を正面視して、レンジフードケース14の底板24の中央の高さ位置は、左右両端の高さ位置より低くなるように形成されている。これによって、レンジフードケース14の底板24上に流れて来た油脂は、更に底板24の中央側に集まりながら吸気口側に向かって移動する。その結果、油脂はドレーン排出口20に容易に到達することができ、ドレーン排出口20に到達した油脂は、受入れ口21から回収容器22内に流入することができる。
ここで、回収容器22内には予め、非イオン系界面活性剤、ソルビタン系乳化剤、ヤシ油脂肪酸、及びアルカリ剤を含有する油脂再生剤が注入されている。このため、回収容器22内に流入した油脂は非イオン系界面活性剤及びソルビタン系乳化剤の作用により微細で均一な分散状態になって回収容器22内に存在させることができる。このため、回収容器22の内壁に油脂が付着するのが防止でき、回収容器22内に所定量の油脂を流入させた後、回収容器22から油脂を油脂再生剤と共に撹拌容器内に容易に移し換えることができる。
次に、本発明の一実施の形態に係るレンジフード付着油脂の処理方法について説明する。先ず、レンジフード付着油脂の処理方法を適用しようとするレンジフード10を、通常の使用方法で一定期間、例えば、1か月間連続使用して、レンジフード10から流出する油脂の回収重量を測定する。そして、このレンジフード10からは、1カ月間に回収重量に相当する油脂が回収できるとして、例えば、回収重量の3倍の重量に対して、非イオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)が4〜6重量%、ソルビタン系乳化剤(例えば、ソルビタン脂肪酸エステル)が1.2〜1.7重量%、及びヤシ油脂肪酸が3.1〜3.9重量%それぞれ含有されるように各成分を秤量し、更に、回収重量の3倍分の油脂及び秤量した重量のヤシ油脂肪酸をそれぞれ鹸化するのに必要な分量のアルカリ剤(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び珪酸ナトリウムのいずれか1)を秤量し、これらを混合して油脂再生剤原液を調製する。
そして、総重量が、例えば、回収重量の3倍の重量と実質的に同一となるまで油脂再生剤原液を水で希釈して油脂再生剤とした。水で希釈することにより、油脂再生剤としての嵩を大きくすることができ、回収容器22内に油脂再生剤を一様に存在させることができる。これにより、回収容器22内に流入する油脂と油脂再生剤との接触を容易にした。
なお、3カ月連続使用に適用する油脂再生剤を調製する際に、1カ月間の油脂の回収重量を求めて3倍にしたのは、3カ月連続使用を行なうと、使用期間の増加と共に油脂の付着が多くなり、それに伴って油脂の付着量が増大して流出する油脂量が過小に評価されるためである。
なお、3カ月連続使用に適用する油脂再生剤を調製する際に、1カ月間の油脂の回収重量を求めて3倍にしたのは、3カ月連続使用を行なうと、使用期間の増加と共に油脂の付着が多くなり、それに伴って油脂の付着量が増大して流出する油脂量が過小に評価されるためである。
ここで、非イオン系界面活性剤の量が4重量%未満では流入する油脂及びヤシ油脂肪酸を水中に均一に分散させることができず、6重量%を超えて使用しても分散効果は変わらず非イオン系界面活性剤が過剰になり油脂再生剤のコストが高くなるため好ましくない。そして、ソルビタン系乳化剤が1.2重量%未満では油脂及びヤシ油脂肪酸が水中に分散する状態を安定化することが困難で、1.7重量%を超えて使用しても安定化効果は変わらずソルビタン系乳化剤が過剰になり油脂再生剤のコストが高くなるため好ましくない。ヤシ油脂肪酸が3.1重量%未満では製造する石鹸の溶解性及び起泡性を大きくすることができず、ヤシ油脂肪酸を3.9重量%を超えて使用すると鹸化に必要なアルカリ剤の分量が多くなって好ましくない。
また、非イオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)が1.8〜2.2重量%、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミドが4.5〜5.5重量%、ソルビタン脂肪酸エステルが1.8〜2.2重量%、水酸化ナトリウムが0.02〜0.03重量%、エタノールが1.2〜1.7重量%、残部が抗菌剤含有する水からなる油脂洗浄剤を調製する。なお、調製した油脂洗浄剤は、例えば、手動式の噴霧器内に充填する。ここで、非イオン系界面活性剤の量が1.8重量%未満ではレンジフード10の使用を始めて最初にレンジフード10内に付着する油脂を細分化してその表面を覆うことができず、2.2重量%を超えて使用しても効果は変わらず非イオン系界面活性剤が過剰になりコストが高くなるため好ましくない。
このとき、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミドを存在させることにより、非イオン系界面活性剤が油脂を細分化してその表面を覆う作用を促進することができる。なお、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミドが4.5重量%未満では促進効果が小さく、5.5重量%を超えるとヤシ油脂肪酸アルカノールアミドが過剰になってコストが増大するので好ましくない。また、ソルビタン脂肪酸エステルを存在させることにより、非イオン系界面活性剤が油脂を細分化してその表面を覆う状態を安定化させることができる。なお、ソルビタン脂肪酸エステルが1.8重量%未満では安定化作用が小さく、2.2重量%を超えて使用しても安定化効果は変わらずソルビタン脂肪酸エステルが過剰になりコストが高くなるため好ましくない。
更に、水酸化ナトリウムが存在することで、例えば、非イオン系界面活性剤で細分化されにくい油脂を鹸化して石鹸にすることができる。このとき、エタノールが存在することで鹸化反応が促進される。水酸化ナトリウムが0.02重量%未満では細分化されにくい油脂を鹸化する作用が弱く、0.03重量%を超えて使用すると油脂洗浄剤のpH値が高くなって好ましくない。また、エタノールが1.2重量%未満では鹸化反応の促進作用が小さく、1.7重量%を超えて使用しても促進効果は変わらず、エタノールが過剰になりコストが高くなるため好ましくない。
更に、水酸化ナトリウムが存在することで、例えば、非イオン系界面活性剤で細分化されにくい油脂を鹸化して石鹸にすることができる。このとき、エタノールが存在することで鹸化反応が促進される。水酸化ナトリウムが0.02重量%未満では細分化されにくい油脂を鹸化する作用が弱く、0.03重量%を超えて使用すると油脂洗浄剤のpH値が高くなって好ましくない。また、エタノールが1.2重量%未満では鹸化反応の促進作用が小さく、1.7重量%を超えて使用しても促進効果は変わらず、エタノールが過剰になりコストが高くなるため好ましくない。
続いて、調製した油脂再生剤を受入れ口21から回収容器22内に注入し、油脂再生剤が注入された回収容器22をレンジフード10の下方から持ち上げ、回収容器22の受入れ口21にレンジフードケース14に設けられたドレーン排出口20の先部を装入する。次いで、レンジフードケース14の下側左右に取付けられている連結部材23の先部を回収容器22の両端部にそれぞれ掛止する。これによって、油脂再生剤が注入された回収容器22のレンジフードケース14への取付けが完了する。
そして、レンジフード10のスイッチを入れて排気装置19を運転して吸気口12からの吸気を開始し、手動式の噴霧器を操作して油脂洗浄剤をフィルタ16の前方からレンジフード10内に噴霧する。レンジフード10内には、吸気口12から排気装置19を経由してダクト18内に向かう空気の流れが形成されているため、噴霧された油脂洗浄剤はフィルタ16に付着するが、一部はフィルタ16を通過してレンジフードケース14の内面、排気装置19のファンや通気路内面、及びダクト18の内面にそれぞれ付着し、油脂洗浄剤の被膜を形成する。
レンジを使用して調理を行なうと、調理に使用した油脂や料理の素材中に含まれる油脂の一部は蒸発し煙と共にレンジフード10内に向けて吸引される。そして、レンジフード10の吸気口12から進入した油脂は、フィルタ16を通過する際に一部がフィルタ16に付着し、フィルタ16を通過した油脂は、レンジフードケース14内、排気装置19内、及びダクト18内を通過する際に更に一部が付着し、残部は大気中に放出される。
ここで、フィルタ16(レンジフードケース14内面、排気装置19のファンや通気路内面、及びダクト18内面も同様)に最初に付着する油脂は、油脂洗浄剤の被膜上に付着するので、付着した油脂は、その表面が非イオン系界面活性剤及びヤシ油脂肪酸アルカノールアミドで覆われて細分化され、更にソルビタン脂肪酸エステルで覆われて乳化状態になり、フィルタ16の表面には乳化油脂層が形成される。また、油脂洗浄剤の被膜上に付着した油脂の一部では水酸化ナトリウムとの間で鹸化反応が起こり石鹸が形成される。
ここで、フィルタ16(レンジフードケース14内面、排気装置19のファンや通気路内面、及びダクト18内面も同様)に最初に付着する油脂は、油脂洗浄剤の被膜上に付着するので、付着した油脂は、その表面が非イオン系界面活性剤及びヤシ油脂肪酸アルカノールアミドで覆われて細分化され、更にソルビタン脂肪酸エステルで覆われて乳化状態になり、フィルタ16の表面には乳化油脂層が形成される。また、油脂洗浄剤の被膜上に付着した油脂の一部では水酸化ナトリウムとの間で鹸化反応が起こり石鹸が形成される。
このため、次に付着する油脂は、フィルタ16の表面に直接付着することができないためフィルタ16に対する油脂の付着力は低減する。そして、フィルタ16の表面に付着する油脂はフィルタ16上に留まり難く下方に向かって流動し、レンジフードケース14の底板24に到達し、底板24上に到達した油脂は更に中央部に寄りながらレンジフードケース14の吸気口側の中央部に設けられたドレーン排気口20に向かって移動する。その結果、ドレーン排気口20から油脂が回収容器22内に流入する。フィルタ16に付着する油脂のこのような回収容器22内への流動はレンジを使用した調理中に継続して起こる。
なお、レンジフード10を使用する都度、排気装置19の運転を開始した際に油脂洗浄剤をフィルタ16の前方からレンジフード10内に噴霧して、フィルタ16、レンジフードケース14の内面、排気装置19のファンや通気路内面、及びダクト18の内面にそれぞれ油脂洗浄剤の被膜を形成するようにする。これによって、油脂は油脂洗浄剤の被膜を介してレンジフード10内に付着することになり、付着する油脂の流動性を大きくして、常に回収容器22内に油脂を流入させるようにすることができる。
ここで、回収容器22内に流入した油脂は、回収容器22内に貯留されている油脂再生剤中の非イオン系界面活性剤によりその表面が覆われて細分化され、更にソルビタン系乳化剤で覆われて乳化状態になるので、水中に均一に安定して分散する。また、油脂再生剤中のヤシ油脂肪酸も非イオン系界面活性剤によりその表面が覆われて細分化され、更にソルビタン系乳化剤で覆われて乳化状態になり、水中に均一に安定して分散する状態になる。そして、レンジフード10の使用期間が長くなるのに応じて、回収容器22内に分散する油脂量は徐々に増加し、レンジフード10の使用期間が3カ月に達したときに、レンジフード10の運転を停止し、フィルタ16を交換すると共に、回収容器22を取り外して回収容器22内の油脂と油脂再生剤との混合物を撹拌容器内に移し換え、未使用の油脂再生剤を注入する。
そして、撹拌容器内に移し換えた油脂と油脂再生剤との混合物を、例えば、撹拌容器内に撹拌羽根を入れて撹拌して、水中に分散している油脂及びヤシ油脂肪酸とアルカリ剤とを鹸化反応させて石鹸を生成する。なお、生成した石鹸は水中に溶解する。また、油脂及びヤシ油脂肪酸を水中に分散させていた非イオン系界面活性剤及びソルビタン系乳化剤も石鹸と共に水中に溶解する。従って、油脂及びヤシ油脂肪酸に由来する石鹸分と非イオン系界面活性剤が洗浄成分として共存するため相乗効果で洗浄力が大きくなる。更に、ソルビタン系乳化剤が存在するため、一度水中に分散させた油脂の分散性を安定することができ、油脂の再凝縮が防止できる。
使用済みの食用油50gを処理するために、非イオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを2.5g、ソルビタン系乳化剤としてソルビタン脂肪酸エステルを0.75g、ヤシ油脂肪酸を1.75g、アルカリ剤として使用済みの食用油50g及びヤシ油脂肪酸1.75gを鹸化する量の珪酸ナトリウムを加えて油脂再生剤原液を調製した。そして、この油脂再生剤原液を水で希釈して総重量を50gとした。次いで、使用済みの食用油50gと油脂再生剤をミキサーに入れて十分に撹拌し液状の石鹸を調製した。得られた液状の石鹸は、やや粘調で、乳白色を呈していた。
得られた液状の石鹸を100倍に希釈した石鹸液を50ミリリットルだけ試験管にサンプリングし、希釈石鹸液の安定性を確認した。7時間放置後では変化は認められなかった。一方、24時間放置すると、試験管に注入した希釈石鹸液の上層約2mmの範囲に油状の分離層が認められたが、この油状の分離層は、撹拌により容易に再分散させることができた。従って、食用油と油脂再生剤の反応により調製した状態の液状の石鹸の安定性は高いものと解される。
また、得られた液状の石鹸を少量使用して、食用油の容器の洗浄を行なった。使用中、若干油臭さが存在するが、濯ぎを十分に行なうと、容器への食用油の残留及び臭いの残留は認められなかった。また、洗浄排水を回収して24時間放置したが、油の分離は認められなかった。
また、得られた液状の石鹸を少量使用して、食用油の容器の洗浄を行なった。使用中、若干油臭さが存在するが、濯ぎを十分に行なうと、容器への食用油の残留及び臭いの残留は認められなかった。また、洗浄排水を回収して24時間放置したが、油の分離は認められなかった。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のレンジフード付着油脂の処理方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、レンジフードケースの下部に設けられたドレーン排出口の先部を回収容器の受入れ口内に装入することによりレンジフードケースと回収容器とを連結したが、回収容器をレンジ台上の作業に支障を来さない場所や床上に設置してドレーン排出口と受入れ口を管で接続するようにしてもよい。レンジ台や床の上に回収容器を設置する場合、回収容器を大きくすることができ多量の油脂を一括して石鹸にすることができたり、回収容器内に撹拌羽根を設けて流入する油脂を順次石鹸にすることができる。
また、レンジフードの使用を開始する都度、レンジフードの排気装置を運転して手動の噴霧器を用いて事前に吸気口の前方からレンジフード内に向かって油脂洗浄剤を噴霧するようにしたが、例えば、吸気口の周りの縁板部材に油脂洗浄剤を噴出するノズルを複数設け、レンジフードのスイッチを入れた際に自動でノズルから油脂洗浄剤が噴出されるようにしてもよい。
例えば、レンジフードケースの下部に設けられたドレーン排出口の先部を回収容器の受入れ口内に装入することによりレンジフードケースと回収容器とを連結したが、回収容器をレンジ台上の作業に支障を来さない場所や床上に設置してドレーン排出口と受入れ口を管で接続するようにしてもよい。レンジ台や床の上に回収容器を設置する場合、回収容器を大きくすることができ多量の油脂を一括して石鹸にすることができたり、回収容器内に撹拌羽根を設けて流入する油脂を順次石鹸にすることができる。
また、レンジフードの使用を開始する都度、レンジフードの排気装置を運転して手動の噴霧器を用いて事前に吸気口の前方からレンジフード内に向かって油脂洗浄剤を噴霧するようにしたが、例えば、吸気口の周りの縁板部材に油脂洗浄剤を噴出するノズルを複数設け、レンジフードのスイッチを入れた際に自動でノズルから油脂洗浄剤が噴出されるようにしてもよい。
10:レンジフード、11:縁板部材、12:吸気口、13:封止板、14:レンジフードケース、15:取付け部材、16:フィルタ、17:排気口、18:ダクト、19:排気装置、20:ドレーン排出口、21:受入れ口、22:回収容器、23:連結部材、24:底板
Claims (6)
- レンジフードの下部に設けられたドレーン排出口から該レンジフードに付着した油脂を該レンジフードの外部に設けられた回収容器内に流入させ、前記回収容器内に予め貯留している油脂再生剤と反応させて石鹸に変えることを特徴とするレンジフード付着油脂の処理方法。
- 請求項1記載のレンジフード付着油脂の処理方法において、前記油脂再生剤は、非イオン系界面活性剤、ソルビタン系乳化剤、ヤシ油脂肪酸、及びアルカリ剤を有し、得られた前記石鹸は液状であることを特徴とするレンジフード付着油脂の処理方法。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載のレンジフード付着油脂の処理方法において、前記回収容器内に流入した前記油脂は該回収容器内で前記油脂再生剤と共に撹拌されることを特徴とするレンジフード付着油脂の処理方法。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載のレンジフード付着油脂の処理方法において、前記回収容器内に所定量の前記油脂を流入させた後、前記回収容器から前記油脂及び前記油脂再生剤を撹拌容器内に移し換えて撹拌することを特徴とするレンジフード付着油脂の処理方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンジフード付着油脂の処理方法において、前記レンジフードの使用を開始する都度、事前に該レンジフード内に油脂洗浄剤を噴霧することを特徴とするレンジフード付着油脂の処理方法。
- 請求項5記載のレンジフード付着油脂の処理方法において、前記油脂洗浄剤は、非イオン系界面活性剤を1.8〜2.2重量%、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミドを4.5〜5.5重量%、ソルビタン脂肪酸エステルを1.8〜2.2重量%、水酸化ナトリウムを0.02〜0.03重量%、エタノールを1.2〜1.7重量%含有することを特徴とするレンジフード付着油脂の処理方法。
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JP2006212340A JP2008039256A (ja) | 2006-08-03 | 2006-08-03 | レンジフード付着油脂の処理方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107432078A (zh) * | 2015-03-27 | 2017-12-01 | 韩国水力原子力株式会社 | 具有能够反极性/正极性操作的结构的等离子体喷枪 |
-
2006
- 2006-08-03 JP JP2006212340A patent/JP2008039256A/ja not_active Withdrawn
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