JP2008038817A - 渦流ポンプ - Google Patents

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Chiyouken Hiradate
澄賢 平舘
Isato Shimizu
勇人 清水
Hironori Oikawa
洋典 及川
Masato Nakanishi
正人 中西
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Abstract

【課題】
薄型・小型の渦流ポンプにおいて、ポンプ性能を高く保つために羽根車に作用するラジアル方向荷重を低減させる手法を提供することを目的とする。
【解決手段】昇圧流路が形成されたケーシングと、昇圧流路の周方向の一端に連通する吸入口4と多端に連通する吐出口とを、インペラ中心点に対し点対称にそれぞれ2個有し、高圧吐出口からインペラ回転方向に沿って吸入口に至る区間に高圧領域と低圧領域を仕切る仕切部を2個有し、前記2つの吐出口から伸びる2本の流路を下流で1本に合流させ、前記負荷を通過した流体が流れる1本の流路を更にその下流側で再び2本の吸入流路へと分岐し、分岐した2本の流路は2つの吸入口に連結。
【選択図】図1

Description

本発明は、渦流ポンプに関するものである。
近年電子機器の電子部品を冷却する一手段として、冷媒液を循環させて冷却する冷媒式液冷システムがあるが、この液冷システムは小型機器用の燃料電池やバイオや医療などのナノテク分野からも注目を集めているが、この液冷システムに用いられるポンプは搭載スペースに制約が多いことから小型・薄型化の要求が高まりつつある。
小型・薄型化の要求に応えるポンプとして、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているような薄型渦流式ポンプがあるが、この渦流式ポンプは羽根車の内周側にローターマグネットが設けられ、このローターマグネットの内周側にはモーターステータが配置されて吸込口・吐出口が径方向へと向いた構造をとっている。従って、モーター部の軸方向厚みを薄く出来ることに加え、従来の遠心式ポンプのように羽根車中央の吸水口から流体を吸入する必要がなくポンプ高さを薄くする事が可能である。
この渦流ポンプは、円周方向に伸びる流路においてポンプ吸入口から吐出口に向かって徐々に流体を昇圧していく構造となっているため、高圧の吐出口側から低圧の吸込側へと向かう静的なラジアル方向不釣合い力が働く。この不釣合い力が加わっても軸心がずれない軸受け構造を構成することが出来なければ、渦流式ポンプの構造上必ず存在するインペラ外周部及び吸入・吐出口を仕切る仕切り壁の内周側との間の狭クリアランス部分が接触してしまってポンプは運転不能になってしまう。
しかしながら、小型・薄型化を目指した渦流ポンプでは羽根車を支承するための軸の軸受け部分に利用出来る領域が狭く、両持ちのボールベアリング構造といった軸構造を構成する事が難しい。
一方、前記狭クリアランス部においてクリアランス幅が大きい場合には、高圧の吐出口側から低圧の吸入口側へと漏れる漏れ流量が増大し、渦流式ポンプの性能が著しく低下する。薄型化と小型化を図った渦流式ポンプでは漏れ流量が性能へ与える影響は寸法が大きなポンプと比較し大きいため、薄型で小型の渦流式ポンプでは性能を高めるためには前記クリアランス部をなるべく狭く保つ必要がある。
以上のように、渦流式ポンプの性能を高く保ったまま薄型化・小型化しようとすると、前記クリアランス部の幅は狭めながら、同時に軸受け構造は簡単なものにせざるを得なくなり、ポンプを安定に運転出来ない問題がある。従って、前記の静的な不釣合力を低減することは重要となる。
この静的な不釣合力を相殺する効果を狙って、2組の吸入・吐出口を直径に沿って反対側に配置する特許文献3に記載の渦流式ポンプがある。
また、渦流式ポンプで前記の静的なラジアル方向不釣合力の他に、前記仕切り部付近における仕切り部壁端とインペラ羽根端面との相互干渉によって生ずる〔インペラ羽根の数〕×〔1秒当たりの回転数〕で表される非定常圧力変動も問題となる。この非定常圧力変動に対して特許文献4や特許文献5に示すような従来技術がある。
これは、羽根車の回転時に垂直な上下両面に形成された周方向に所定のピッチで並ぶ複数の羽根溝を有する羽根車とポンプ流路の始端及び終端に設けられ、軸方向上側へと伸びる第1のポンプ吸入・吐出口と、前記ポンプ流路の始端及び終端に設けられた軸方向下側へと伸びる第2のポンプ吸入・吐出口と、前記第1・第2の吸入口及び前記第1・第2の吐出口とを合流させる合流路とを備えている渦流式ポンプである。この渦流式ポンプの前記上下両面に形成された羽根溝と前記仕切り部端部との位相を調整する事で、羽根車上下面での非定常圧力変動の位相を180゜ずらす事で圧力変動を打ち消している。
特開2003−161284号公報 特開2003−172286号公報 特開2004−278989号公報 特開2003−336591号公報 特開2004−68645号公報
上記特許文献3の構造において、2組の吸入口及び吐出口における圧力は、吸入口と接続される吸入口上流側の流路及び吐出口と接続される吐出口下流側の流路における流路抵抗等の状況により異なる。従って、このままでは2つの吸入・吐出口の圧力が両者で異なってしまいラジアル方向の不釣合力を完全に相殺することは難しく、インペラ外周と仕切部との狭クリアランス部が接触してしまう恐れがある。従って、ポンプの安定的な作動が難しく、振動や騒音の原因となる可能性がある。ポンプを安定に動作させるためには、上記狭クリアランス部を広げる必要がある。しかし、前記の通り、これではポンプ性能が落ちる。
ポンプ性能を維持するには狭クリアランスを維持する必要があるが、小さいクリアランスを維持するには羽根車を回転軸の軸受で強固に固定しなくてはならない。そのためには軸受が大きくなってしまい、その分渦流ポンプ自体が大きくなり電子機器への搭載が困難となってしまうという問題がある。
本発明の目的は、ポンプ高さを小さく抑えながら高性能で安定動作が可能な渦流ポンプを提供することにある。
上記目的は、半径方向に伸びる複数枚の羽根を備えた円板状のインペラと、このインペラを回転可能に収納するケーシングと、このケーシングの内部に設けられ前記羽根が位置するポンプ昇圧流路と、前記ケーシングに設けられ前記流路と連通する第1と第2の吸込口・吐出口とを備えた渦流ポンプにおいて、前記第1の吸込口と第2の吸入口と連結する第1の流体通路と、前記第1の吐出口と第2の吐出口を連結する第2の流体通路とを備え、前記第1と第2の流体通路を連結した合流流路を設けたことにより達成される。
また上記目的は、前記第1と第2の流体通路と前記合流流路とを前記ケーシング内に形成したことにより達成される。
また上記目的は、前記合流流路の管径は前記第1と第2の流体通路の管径よりも小さいことにより達成される。
また上記目的は、前記合流流路は前記第1と第2の流体通路のいずれか一方の管を貫通して交差させたことにより達成される。
また上記目的は、前記第1と第2の流体通路を貫通する前記合流流路の管を流路方向に楕円となるように成形したことにより達成される。
本発明によれば、ポンプ高さを小さく抑えながら高性能で安定動作が可能な渦流ポンプを提供できる。
以下、本発明の一実施例を図面を使って説明する。
図1は本発明の一実施例を備えた渦流ポンプの概略構成を示す横断面図である。
図2は本発明の一実施例を備えた渦流ポンプの概略構成を示す縦断面図である。
図1,図2において、1は外周側に多数の羽根を有する円板状のインペラである。2はこのインペラ1を軸支する軸である。3は前記インペラ1の内周側に取り付けられたローターマグネットである。図2の7aは前記インペラ1を収納するとともに軸2を支承するための溝を中心部に備え吸入流路4a,4b及び吐出口5a,5bを備えた上側カバーである。7bはインペラ1を収納するとともに軸2を支承するための溝を中心部に備えるとともに、モーターステータ6を格納するスペースが中心に設けられた下側ケーシングである。7は上下両ケーシング7a,7bを含めケーシングを指す。
前記下側ケーシング7bの内面には、前記インペラ1を収納するための円形状の窪みが形成されている。前記下側ケーシング7b内面の円形状の窪みは前記インペラ1の円周外周部分に設けられた複数の羽根が回転移動すると共に流体が通流するポンプ昇圧流路8となる略半円形の溝が形成されている。一方、上側カバー7aの内面には前記下側ケーシング7bの内面に形成されているポンプ昇圧流路8となる略半円形の溝に対応する位置に、ポンプ昇圧流路8となる略半円形の溝が形成されている。この上側カバー7aと下側ケーシング7bとが重なり合うことによりケーシング7が形成されると同時に略半円形の溝が重なってポンプ昇圧流路8が形成される。
このような下側ケーシング7bの円形状の窪みに前記インペラ1を収納して前記上側カバー7aを被せることで前記インペラ1がケーシング7内に回転自由に収納される。また、前記インペラ1の円周外周部に設けられた複数の羽根が回転移動すると共に流体が通流する、断面が略楕円形状のポンプ昇圧流路8が形成される。
このように形成されたポンプ昇圧流路8は、図1に示すように有端円弧状に延在し、断面形状は円周方向にほぼ同一である。そして、前記ケーシング7に設けられた前記ポンプ昇圧流路8の一方の端部には、流体をケーシング7内に導入するための吸入流路4a,
4bが接続されている。また、下側ケーシング7b内のポンプ昇圧流路8において、吸入流路4a,4bが接続されている端部とは反対の昇圧流路端部には、流体をケーシング7から排出するための吐出口5a,5bが接続されている。この前記ポンプ昇圧流路8に連通された吸込・吐出口は、図1に示すように前記ケーシング7内に収納された前記インペラ1の回転中心に対して点対称となるように2個ずつ、それぞれケーシング7内に設けられている。そして、ポンプ昇圧流路8において吐出部及び吸入部との間を仕切るための仕切り部材9が2個、それぞれ設けられている。従って、ポンプ昇圧流路8は図1に示すように、左側半分の昇圧流路8aと右側半分の昇圧流路8bの2つに分離されている。
更に、前記ポンプ昇圧流路8とは別に前記ケーシング7内に形成された流体通路10a,10bが前記2つの吸入流路4a,4bとそれぞれ連通している。また、前記ポンプ昇圧流路8とは別に前記ケーシング7内に形成された流体通路11a,11bが前記2つの吐出口5a,5bと連通している。
前記流体通路10a,10bは上流側の10c部にて合流し、前記ケーシング7の外側へと開口しているポンプ全体の吸入口10dへと連通している。また、前記流体通路11a,11bは下流側の11c部にて合流し、前記ケーシング7の外側へと開口しているポンプ全体の吐出口11dへと連通している。そして、前記ポンプ全体の吸入口10d及び前記ポンプ全体の吐出口11dは、圧力損失を生じる負荷へと連通されている。また、以上の流体通路10a,10b,10c,10d及び流体通路11a,11b,11c,11dはケーシング7内に全て形成されている。12a,12bは流路交差部である。
このような渦流ポンプの動作を図3〜図11を用いて説明する。なお、図1と図2に示した番号と同一番号は同一物を示すのでその説明は省略する。
外部電源より電力を供給されると、渦流ポンプに設置された電流整流回路により制御された電流がモーターステータ6のコイルに流れ込んで回転磁界が発生する。この回転磁界がインペラ1と一体化されたローターマグネット3に作用することで、インペラ1は回転力を得て回転する。この時インペラ1は、前記ケーシング7に設けられた前記吸入流路
4a,4bからそれぞれ前記吐出口5b,5aへと向かう方向に回転する。
このとき図3のように、インペラ1の各羽根間に形成された羽根溝13内の流体はインペラ1が回転することにより回転方向の速度成分を与えられると同時に、回転による遠心力を受けることでインペラ1の径方向外側に向かう速度成分を与えられ、羽根溝13の外に押し出される。羽根溝13から押し出された流体は、前記ポンプケーシング7c内に形成された昇圧流路8の内壁に衝突し、図4(a)のように断面略楕円形状のポンプ昇圧流路8の内壁に沿って流れて別の羽根溝13に流入する。
これを繰り返すことによりポンプ昇圧流路8内の流体は、図5(a)のように螺旋軌道を描きながら昇圧流路8の吸入流路4aから吐出口5b及び吸入流路4bから吐出口5aへと徐々に昇圧されながら送り出される。尚、図4(a)及び図5(a)は円周流式と呼ばれる形式であるが、図4(b)及び図5(b)のような側流式と呼ばれる形式でも良い。
ここで図1において、左右2つの吸入流路4a,4bから左右のポンプ昇圧流路8a,8bに流入する流体は、同一のポンプ全体の吸入口10dから分岐した流体通路10a,10bを通過したものである。ポンプ全体の吸入口10dの径と、前記流体通路10a及び10bの径とは等しくするのが好ましい。
図6は、図1に示した渦流ポンプの吸入流路部を簡略化した横断面図である。
図6において、2つの流体通路10a,10bの長さの差をそれぞれL10a及び
L10bとし、L10aとL10bとが等しくなるように流路長さをそれぞれ設定する。また、2つの流体通路10a,10bの流路曲率を両者で等しく設定する。このようにすれば、ポンプ全体の吸入口10dからそれぞれの吸入流路4a,4bへ至るまでの管路での圧力損失を両者で等しくする事が出来る。従って、吸入流路4aと4bにおける流速及び静圧を等しくする事が出来る。
また、2つの流体通路10a及び10bは両者の流路曲率が等しくなるように設定しているが、より厳密に吸入流路4aと4bにおける流速及び静圧を等しくしたい場合、例えば流路を前記のように曲率を有する滑らかな形状にするのではなく、直線部と90゜流路曲がり部にて形成すると良い。この場合、2つの吸入流路の流路長さ、及び流路の90゜曲がり部の数は、2つの流体通路10aと10bとで等しく設定する必要がある。
上記した構造をとれば2つの吸入流路4a,4bでの静圧を等しくする事が出来るため、前記2つの吐出口5a及び5bにおいても両者で静圧を完全に等しくする事が出来れば、ラジアル方向の静的な不釣合荷重を完全に打ち消す事が可能となる。従って、以下に吐出口5a及び5bにおいて両者で静圧を完全に等しくするためのポンプ構造を述べる。
図7は図1に示した渦流ポンプの吐出流路部を簡略化し横断面図である。なお、図6とは異なり図7では吸入流路及び吐出流路を両方とも記載している。
図7において、本実施例では流体通路10aと流体通路11bとが交差する部分12a及び吸入口10dと流体通路11bとが交差する部分12bというように、吸入流路と吐出流路が交差する部分12(12a,12b)が2箇所存在する。本発明はポンプの薄型化を目的としており、流路が交差する部分12(12a,12b)を単純に上下に配置すると流路管径2本分の厚みとなってしまので、本実施例では流路の交差部12を図8のように構成すると良い。
図8は流路の交差部を示す斜視図である。
図8において、流体通路11bの方が流体通路10aよりも管径がそれぞれ太くなっており、流体通路11b中を流体通路10aが貫通する構造とし、流体通路11bの管径が等しくなっている。
図9は、図8に示した交差部の断面図である。
図9において、流体通路11b中を流体通路10aが貫通する構造となっている。実際に製作をする際には、図10に示すように前記下側ケーシング7b中に形成された流体通路10aとなる略円弧状の溝、及び流体通路11bとなり前記流体通路10aとなる略円弧状の溝よりも大きな略円弧状の溝を予め形成しておき、後から中空の管状部材14を嵌め込めば良い。但し、管状部材14の肉厚分を考慮して、管状部材14を嵌め込む部分の溝は、流体通路10aのそれ以外の部分に形成された溝よりも管状部材14の肉厚分だけ深い溝を形成する。そうすれば、管状部材14の内周側面と、流体通路10aのそれ以外の部分に形成された略円弧状の溝の内周面との位置が一致し、更に10aの管路軸方向へも固定されるので、流体通路10aでの流路交差部12aにおける圧力損失を防止出来る。流路交差部12aの構造は、前記のように管状部材14を後から嵌め込む構造にしないで、予めケーシング7と一体で成形しても良い。一方、もうひとつの流路交差部12bに関しても前記流路交差部12aと同様な構成にする。
流路交差部12における流体通路11b内の液の流れは、図9に示したように円柱形状の流体通路10aの周りを流れる流れとなる。流体通路11b内の流れは、流体通路10aの貫通部に抗力を及ぼし、その分だけエネルギーを失い圧力損失を生じる。ここで、流体通路10a及び吸入口10dの管径を等しくし、また流体通路11a,11bの管径もそれぞれ等しくすれば二つの流路交差部12における圧力損失は等しくなる。更にここで、2つの流体通路11a及び11bの流路曲率及び流路長さを両者で等しくすれば、管路の曲がり及び管路摩擦に伴う圧力損失は、11aと11bの両者で等しくなる。
なお、図示していないが流体通路10aの管形状を液の流れ方向に対して楕円形に成形しておけば流路抵抗が小さくなる。
図6及び図7において、ポンプ全体の吸入口10dを図のようにL字型に曲げているのは流路の交差部12を2つの流体通路11a及び11bにおいてそれぞれ一箇所ずつ設けると同時に、11aと11bの流路長さをそれぞれ等しくするためである。
図7において、2つの流体通路11a及び11bは両者の流路曲率が等しくなるように設定しているが、より厳密に吐出口5aと5bにおける流速及び静圧を等しくしたい場合、例えば流路を前記のように曲率を有する滑らかな形状にするのではなく、直線部と90゜流路曲がり部にて形成すると良い。この場合、2つの吐出流路の流路長さ、及び流路の
90゜曲がり部の数は、2つの流体通路11aと11bとで等しく設定する必要がある。
以上述べて来た構造をとれば、2つのポンプ吸入流路4aと4b、及び2つの吐出口
5aと5bにおける液の流速及び静圧をそれぞれ等しくする事が可能となる。故に、渦流ポンプにおける、高圧の吐出口側から低圧の吸入口側へと向かうラジアル方向の静的不釣合い力を打ち消す事が可能になる。
本実施形態の渦流ポンプにおいて、インペラの回転方向を逆にすると、吸入・吐出口位置が反転した渦流ポンプにする事が可能となる。また渦流ポンプでは図11に示すように、吐出口において羽根溝13が仕切り部に突入する際、羽根溝13に出入りする燃料流れが急変する事によって、回転数と羽根枚数の積の周波数を有する圧力変動及びインペラ振動が起こる。
ここで、本実施形態の渦流ポンプにて使用されるインペラの羽根枚数を偶数枚にしておけば、対向する2つの吐出口に面する仕切り部の端面15と前記インペラの羽根溝13との相対的な位置関係が一致する。従って、仕切り部にて発生する前記圧力変動及びインペラを振動させる加振力の変動状態が対向する2つの仕切り部でそれぞれ一致する。一致した位相状態にある圧力変動が対向しているため、仕切り部での圧力変動及び加振力変動が釣り合い、インペラの振動を抑制することが可能となる。従って、ポンプの振動や振動に起因する騒音を抑制することが出来る。
本発明の実施例2における渦流ポンプについて、図2〜図5、及び図12〜図16を用いて説明する。
図12は本発明を適用してなる渦流ポンプの概略構成を示す横断面図である。図2は本発明を適用してなる渦流ポンプの概略構成を示す縦断面図である。
図12において、外周側に多数の羽根を有する円板状のインペラ101と、インペラ
101を軸支する回転軸102と、前記インペラ101の内周側に取り付けられたローターマグネット103と、前記インペラ101を収納するとともに回転軸102を支承するための溝を中心部に備え、吸入及び吐出口104,105を備えた上側カバー7aと、インペラ101を収納するとともに回転軸102を支承するための溝を中心部に備えるとともに、モーターステータ106を格納するスペースが中心に設けられた下側ケーシング
107bとから構成される。
前記下側ケーシング107bの内面には、前記インペラ101を収納するための円形状の窪みが形成されている。前記下側ケーシング107b内面の円形状の窪みは、前記インペラ101の円周外周部分に設けられた複数の羽根が回転移動すると共に流体が通流するポンプ流路108となる略半円形の溝が形成されている。一方、前記上側カバー107aの内面には前記下側ケーシング107bの内面に形成されているポンプ流路108となる略半円形の溝に対応する位置に、ポンプ昇圧流路108となる略半円形の溝が形成されている。
このような下側ケーシング107bの円形状の窪みに前記インペラ101を収納し、前記上側カバー107aを取り付けることで前記インペラ101がケーシング107a,
107bを合わせたケーシング107内に回転自由に収納され、また、前記インペラ101の円周外周部に設けられた複数の羽根が回転移動すると共に流体が通流する、断面が略楕円形状のポンプ昇圧流路108が形成される。このように形成されたポンプ昇圧流路108は、図12に示すように有端円弧状に延在し、断面形状は円周方向にほぼ同一である。そして、下側ケーシング107bに設けられたポンプ昇圧流路108の一方の端部には、流体をケーシング内に導入するための吸入流路104a,104bが接続されている。また、下側ケーシング内の昇圧流路108において、吸入流路104a,104bが接続されている端部とは反対の昇圧流路端部には、流体をケーシングから排出するための吐出口
105a,105bが接続されている。
この前記ポンプ昇圧流路108に連通された吸込・吐出口は、図12に示すように前記ケーシング107内に収納された前記インペラ101の回転中心に対して点対称となるように2個ずつ、それぞれケーシング107内に設けられている。そして、ポンプ流路108において吐出部及び吸入部との間を仕切るための仕切り部材109が2個、それぞれ設けられている。従って、ポンプ昇圧流路108は図12に示すように、左側半分の昇圧流路108aと右側半分の昇圧流路108bの2つに分離されている。
更に、前記ポンプ昇圧流路108とは別に前記ケーシング107内に形成された流体通路110a,110bが、前記2つの吸入流路104a,104bとそれぞれ連通している。また、前記ポンプ昇圧流路108とは別に前記ケーシング107内に形成された流体通路111a,111bが、前記2つの吐出口105a,105bと連通している。
前記流体通路110a,110bは上流側の110c部にて合流し、前記ケーシング
107の外側へと開口しているポンプ全体の吸入口110dへと連通している。また、前記流体通路111a,111bは下流側の111c部にて合流し、前記ケーシング107の外側へと開口しているポンプ全体の吐出口111dへと連通している。そして、前記ポンプ全体の吸入口110d及び前記ポンプ全体の吐出口111dは、圧力損失を生じる負荷へと連通されている。
このような構成の渦流ポンプの動作と本発明の特徴について図12を用いて説明する。外部電源より電力を供給されると、渦流ポンプに設置された電流整流回路により制御された電流がモーターステータ106のコイルに流れ込み、回転磁界が発生する。この回転磁界が、インペラ101と一体化されたローターマグネット103に作用することで、インペラ101は回転力を得て回転する。
この時インペラ101は、前記ケーシング107に設けられた前記吸入流路104aから前記吐出流路105b,104bから前記吐出口105aへと向かう方向に回転する。すると図3のように、インペラ101の各羽根間に形成された羽根溝113内の流体はインペラ101が回転することにより回転方向の速度成分を与えられると同時に、回転による遠心力を受けることでインペラ101の径方向外側に向かう速度成分を与えられ、羽根溝113の外に押し出される。羽根溝113から押し出された流体は、前記ポンプケーシング107内に形成された昇圧流路108の内壁に衝突し、図4(a)のように断面略楕円形状のポンプ昇圧流路108の内壁に沿って流れることで、別の羽根溝に流入する。これを繰り返すことにより昇圧流路108内の流体は、図5(a)のように螺旋軌道を描きながら昇圧流路108の吸入流路104a,104bから吐出口105a,105bへと徐々に昇圧されながら送り出される。尚、図4(a)及び図5(a)は円周流式と呼ばれる形式であるが、図4(b)及び図5(b)のような側流式と呼ばれる形式でも良い。
ここで図12において、左右2つの吸入流路104a,104bから左右のポンプ昇圧流路108a,108bに流入する流体は、同一のポンプ全体の吸入口110dから分岐した流体通路110a,110bを通過したものである。ポンプ全体の吸入口110dの径は、前記流体通路110a及び110bの総断面積と110dの断面積とが等しくなるようにするのが好ましい。
図13は、図12のポンプ全体吸入口110dから、2つの吸入流路104a,104bまでの吸入流路部を簡略化して描いたものであるが、図13に示される通り2つの流体通路110a,110bの長さの差をLaとし、図13の流路曲がり部110eから110fまでの流路長さをLbとした時に、合流部110cから前記流路曲がり部110eまでの流路長さを(Lb−La)/2とし、合流部110cからもう一つの前記流路曲がり部
110fまでの流路長さを(Lb+La)/2とすれば、ポンプ全体の吸入口110dから2つの吸入流路104a及び104bまでの分岐流路の長さは両者とも(Lb+La)/2となり等しくなる。また、2つの流体通路110a及び110bが合流部110cからそれぞれの吸入流路104a及び104bに至るまでに、本実施例では流路の曲がり部を2箇所ずつ設けている。以上より、2つの流体通路110a,110bは流路長さが等しく流路の曲がり部の数も等しいため、ポンプ全体の吸入口110dからそれぞれの吸入流路104a,104bへ至るまでの管路での圧力損失を両者で等しくする事が出来る。従って、吸入流路104aと104bにおける流速及び静圧を等しくする事が出来る。
図13において2つの流体通路110a及び110bは、全体の吸入口110dから吸入流路104a及び104bに至るまでの流路配置を、90゜の流路曲がり部3箇所を組み合わせる事で実現しているが必ずしもそのような流路構造をとる必要はなく、例えばポンプ昇圧流路108bの外周側に108bに沿うような曲がり部のない流路を形成しても良い。この場合にも、流体通路110a及び110bの、合流部110cから吸入流路
104a及び104bまでの長さ、及び流路での圧力損失を等しくするため管径と曲率を両者で等しくなるようにする必要がある。
上記の構造をとれば2つの吸入口での静圧を等しくする事が出来るため、前記2つの吐出口105a及び105bにおいても両者で静圧を完全に等しくする事が出来れば、ラジアル方向の静的な不釣合荷重を完全に打ち消す事が可能となる。従って、以下に吐出口
105a及び105bにおいて両者で静圧を完全に等しくするためのポンプ構造を述べる。
図14は図12の2つの吐出口105a,105bから、ポンプ全体の吐出口111dまでの吐出流路部を簡略化して描いたものである。ポンプ全体の吐出口111dの径は、前記流体通路111a及び111bの総断面積と111dの断面積とが等しくなるようにするのが好ましい。また図14から分かる通り、本実施例では流体通路110aと流体通路111bとは交差する部分112が存在する。本発明はポンプの薄型化を目指しているものであるから、このような流路の交差部112を単純に上下に流路を配置させるように設置してしまうと、交差部112は流路管径2本分の厚みとなってしまう。従って、本実施例では流路の交差部112を図8のように構成する。図8は流路の交差部112を斜め上方から見た図である。図8から分かる通り、流体通路111bの方が流体通路110aよりも管径が太くなっており、流体通路111b中を流体通路110aが貫通している構造となっている。そして、流体通路111bの管径ともう一方の吐出流路111aの管径は等しくするのが好ましい。
図9は、図8において流体通路111bの中心に位置する平面bで流路交差部112付近を切断した図である。流体通路111b中を流体通路110aが貫通している。実際に製作をする際には、図10に示すように前記下側ケーシング107b中に形成された流体通路110aとなる略円弧状の溝、及び流体通路111bとなり前記流体通路110aとなる略円弧状の溝よりも大きな略円弧状の溝を予め形成しておき、後から中空の管状部材114を嵌め込めば良い。但し、管状部材114の肉厚分を考慮して、管状部材114を嵌め込む部分の溝は、流体通路110aのそれ以外の部分に形成された溝よりも管状部材114の肉厚分だけ深い溝を形成する。そうすれば、管状部材114の内周側面と、流体通路110aのそれ以外の部分に形成された略円弧状の溝の内周面との位置が一致し、更に110aの管路軸方向へも固定されるので、流体通路110aでの流路交差部112における圧力損失を防止出来る。流路交差部112の構造は、前記のように管状部材114を後から嵌め込む構造にしないで、予めケーシング107と一体で成形しても良い。
流体通路111b内の液の流れは、図9に示したように円柱形状の流体通路110aの周りを流れる流れとなる。流体通路111b内の流れは、流体通路110aの貫通部に抗力を及ぼし、その分だけエネルギーを失い圧力損失を生じる。一方、図12においてもう一方の吐出口105bから続く流体通路111aには、前記流体通路111bにあるような流路の交差部が存在しない。故に吐出口105a及び105bにおける吐出圧を両者で等しくするためには、流体通路111a及び流体通路111bの流路長さや、2つの吐出口105a及び105bから合流部111cまでの間の流体通路111a,111bにおける流路曲がり部の個数等を調節する必要がある。
図15は、本実施例の渦流ポンプにおいて流量を0.4(L/min)とした時に、流体通路111bの管径をd、流体通路110aの管径をd′とした時に管径の比d′/dに対して、流路交差部112を通過する際に流体通路111bの液体に生じる圧力損失を求める際の抵抗係数と、管径5(mm)で曲率半径が1.0(mm) の90゜の流路曲がり部1箇所につき、流路の曲がりに伴う圧力損失を求める際の抵抗係数を同時にプロットしたものである。一方、同流量時における管路摩擦損失を求める際の抵抗係数は、凡そ0.038 である。流体通路110aの管径d′を小さくとると、流速が増大し管摩擦が増大するため好ましくない。従って、前記管径比d′/dの値を0.6 以上とすると、図15に示される抵抗係数の大きさは、管路摩擦の抵抗係数の大きさと比較し1桁大きい。故に、吐出口105a及び105bにおける吐出圧を両者で等しくするためには、図15の損失ヘッドの大きさがほぼ等しくなる条件にすれば良い。以下の各構成が、前記条件を満たす。
(1)流体通路111bに対して流体通路111a部に90゜の流路曲がり部が1箇所余分にある際に、管径比d′/dを凡そ0.6にした場合。
(2)流体通路111bに対して流体通路111a部に90゜の流路曲がり部が2箇所余分にある際に、管径比d′/dを凡そ0.8にした場合。
この条件を満たすように流路構造を形成すれば、2つの吐出口105a及び105bにおける液の流速及び静圧は等しくなる。
図14において2つの流体通路111a及び111bは、全体の吐出口111dから吐出口105a及び105bに至るまでの流路配置を、90゜の流路曲がりと直線流路部を組み合わせる事で実現しているが、必ずしもそのような流路構造をとる必要はなく、例えばポンプ昇圧流路108aの外周側に108aに沿うような曲がり部のない流路を形成しても良い。この場合にも、流体通路111a及び111bについて、合流部111cから吐出口105a及び105bまでの長さと管径比、及び90゜の流路曲がり部の個数差を、2つの吐出口105a及び105bにおける静圧が等しくなるように形成する必要がある。
以上述べて来た構造をとれば、2つのポンプ吸入流路104aと104b、及び2つの吐出口105aと105bにおける液の流速及び静圧をそれぞれ等しくする事が可能となる。故に、渦流ポンプにおける、高圧の吐出口側から低圧の吸入口側へと向かうラジアル方向の静的不釣合い力を完全に打ち消す事が可能になる。
また渦流ポンプでは図11に示すように、吐出口において羽根溝113が仕切り部に突入する際、羽根溝113に出入りする燃料流れが急変する事によって、回転数と羽根枚数の積の周波数を有する圧力変動、及びインペラ振動が起こる。ここで、本実施形態の渦流ポンプにて使用されるインペラの羽根枚数を偶数枚にしておけば、対向する2つの吐出口に面する仕切り部の端面115と前記インペラの羽根溝113との相対的な位置関係が一致する。従って、仕切り部にて発生する前記圧力変動及びインペラを振動させる加振力の変動状態が対向する2つの仕切り部でそれぞれ一致する。一致した位相状態にある圧力変動が対向しているため、仕切り部での圧力変動及び加振力変動が釣り合い、インペラの振動を抑制することが可能となる。従って、ポンプの振動や振動に起因する騒音を抑制することが出来る。
本発明の実施例3における渦流ポンプについて、図3〜図5、及び図16〜図18を用いて説明する。図16は本発明を適用してなる渦流ポンプの概略構成を示す横断面図である。図17は本発明を適用してなる渦流ポンプの概略構成を示す縦断面図である。図18は本実施例における渦流ポンプの斜視図である。
本実施例の渦流ポンプは、図16〜図18に示すように外周側に多数の羽根を有する円板状のインペラ201と、インペラ201を軸支する回転軸202と、前記インペラ201の内周側に取り付けられたローターマグネット203と、前記インペラ201を収納するとともに回転軸202を支承するための溝を中心部に備え、吸入口204a,204b、及び吐出口205a,205bを備えた中間部ケーシング207b及び、インペラ201を収納するとともに回転軸202を支承するための溝を中心部に備えるとともに、モーターステータ206を格納するスペースが中心に設けられた下側ケーシング207c、そして前記中間部ケーシングの軸方向情報に更に被せる上側ケーシング207aとからなる。前記各ケーシング207a,207b,207cを組み合わせたものをケーシング207とする。
前記下側ケーシング207cの内面には、前記インペラ201を収納するための円形状の窪みが形成されている。前記下側ケーシング207c内面の円形状の窪みは、前記インペラ201の円周外周部分に設けられた複数の羽根が回転移動すると共に流体が通流するポンプ流路208となる略半円形の溝が形成されている。一方、前記中間部ケーシング
207bの内面には前記下側ケーシング207cの内面に形成されているポンプ流路208となる略半円形の溝に対応する位置に、ポンプ昇圧流路208となる略半円形の溝が形成されている。
このような下側ケーシング207cの円形状の窪みに前記インペラ201を収納し、前記中間部ケーシング207bを取り付けることで前記インペラ201がケーシング207内に回転自由に収納され、また、前記インペラ201の円周外周部に設けられた複数の羽根が回転移動すると共に流体が通流する、断面が略楕円形状のポンプ昇圧流路208が形成される。
このように形成されたポンプ昇圧流路208は、図16に示すように有端円弧状に延在し、断面形状は円周方向にほぼ同一である。そして、前記下側ケーシング207cの羽根車回転軸方向上側の面214と、前記中間部ケーシング207bの羽根車回転軸方向下側の面215が合致する位置に設けられたポンプ昇圧流路208の一方の端部には、流体をケーシング内に導入するための吸入流路204a,204bが接続されている。
また、前記昇圧流路208において、吸入流路204a,204bが接続されている端部とは反対の昇圧流路端部には、流体をケーシングから排出するための吐出口205a,
205bが接続されている。この前記ポンプ昇圧流路208に連通された吸込・吐出口は、図16に示すように前記ケーシング207内に収納された前記インペラ201の回転中心に対して点対称となるように2個ずつ、それぞれケーシング207内に設けられている。そして、ポンプ流路208において吐出部及び吸入部との間を仕切るための仕切り部材209が2個、それぞれ設けられている。従って、ポンプ昇圧流路208は図16に示すように、左側半分の昇圧流路208aと右側半分の昇圧流路208bの2つに分離されている。
更に、前記ポンプ昇圧流路208とは別に前記下側ケーシング207c及び前記中間部ケーシング207bとの間に形成された流体通路210a,210bが、前記2つの吸入流路204a,204bとそれぞれ連通している。また、前記ポンプ昇圧流路208とは別に前記下側ケーシング207c及び前記中間部ケーシング207bとの間に形成された流体通路211a,211bが、前記2つの吐出口205a,205bと連通している。
前記流体通路210a,210bは上流側の210c部にて合流し、前記ケーシング
207の外側へと開口しているポンプ全体の吸入口210dへと連通する。
一方、前記下側ケーシング207c及び前記中間部ケーシング207bとの間に形成された前記流体通路211a及び211bは、図16及び図18に示す流路の行き止まり部212a,212bへと達した後、進路を羽根車回転軸上方へと向かう方向、つまり前記中間部ケーシング207bの面215から216へと向かう方向へと変え、前記中間部ケーシング207bを羽根車回転軸方向へと貫通し、面216へと達する。
ここで上側ケーシング207aの羽根車回転軸方向下方の面217には、前記流体通路211a及び211bの一部なる溝が形成されている。従って、今度は面216及び面
217が流体通路211aと211bを形成することになる。面216へと達した前記流体通路211a及び211bは、進路を面216に沿う方向へと変え、合流地点211cにて一本の吐出流路となる。合流した吐出流路は、その後流路の行き止まり部212fへと達すると進路を羽根車回転軸方向下方へと変え、前記中間部ケーシング207bを貫通して再び面214及び面215の接する部分に達する。そして、進路を面214,215に沿う方向へと変え、最終的に前記ケーシング207の外側へと開口しているポンプ全体の吸入口210dへと連通している。吐出流路構造を以上のようにすると、シールをするためのo−リング溝を前記上側ケーシング207a及び前記中間部ケーシング207bとの間に容易に作成する事が出来るため、都合が良い。
前記ポンプ全体の吸入口210d及び前記ポンプ全体の吐出口211dは、圧力損失を生じる負荷の両端へと連通される。
このような構成の渦流ポンプの動作と本発明の特徴について図3〜図5、及び図16〜図18を用いて説明する。外部電源より電力を供給されると、渦流ポンプに設置された電流整流回路により制御された電流がモーターステータ206のコイルに流れ込み、回転磁界が発生する。この回転磁界が、インペラ201と一体化されたローターマグネット203に作用することで、インペラ201は回転力を得て回転する。
この時インペラ201は、前記ケーシング207に設けられた前記吸入流路204から前記吐出口205へと向かう方向に回転する。すると図3のように、インペラ201の各羽根間に形成された羽根溝213内の流体はインペラ201が回転することにより回転方向の速度成分を与えられると同時に、回転による遠心力を受けることでインペラ201の径方向外側に向かう速度成分を与えられ、羽根溝213の外に押し出される。羽根溝213から押し出された流体は、前記ポンプケーシング207内に形成された昇圧流路208の内壁に衝突し、図4(a)のように断面略楕円形状のポンプ昇圧流路208の内壁に沿って流れることで、別の羽根溝に流入する。これを繰り返すことにより昇圧流路208内の流体は、図5(a)のように螺旋軌道を描きながら昇圧流路208の吸入流路204から吐出口205へと徐々に昇圧されながら送り出される。尚、図4(a)及び図5(a)は円周流式と呼ばれる形式であるが、図4(b)及び図5(b)のような側流式と呼ばれる形式でも良い。
ここで、図16に示す流入通路210a及び210bの流路の曲がり部の個数と流路の曲率、そして流路長さを両者で等しくすれば、管路の曲がりによる圧力損失や管路摩擦に伴う圧力損失は210a及び210bで等しくなる。従って、前記吸入流路204a及び
204bにおける液の流量と静圧を両者で等しくする事が出来る。
また、図16に示す流体通路211a及び211bの流路の曲がり部の個数と流路の曲率、そして流路長さを両者で等しくすれば、管路の曲がりによる圧力損失や管路摩擦に伴う圧力損失は211a及び211bで等しくなる。従って、前記吐出口205a及び205bにおける液の流量と静圧を両者で等しくする事が出来る。
以上述べて来た構造をとれば、2つのポンプ吸入流路204aと204b、及び2つの吐出口205aと205bにおける液の流速及び静圧をそれぞれ等しくする事が可能となる。故に、渦流ポンプにおける、高圧の吐出口側から低圧の吸入口側へと向かうラジアル方向の静的不釣合い力を完全に打ち消す事が可能になる。
本実施例においては図18に示す通り、ポンプ全体の吸入口210d及びポンプ全体の吐出口211dは下側ケーシング207cの対辺上に設置されているが、必ずしも対辺状に設置する必要はなく、前記2つの流体通路210aと210b、及び前記2つの流体通路211aと211bとで圧力損失が等しくなるように形成してあれば良い。但し、ポンプ厚みを薄くする必要性から、ポンプ全体の吸入口210d及びポンプ全体の吐出口211dが羽根車軸方向に上下に重なりさえしなければ良い。
本実施形態の渦流ポンプにおいて、インペラの回転方向を逆にすると、吸入・吐出口位置が反転した渦流ポンプにする事が可能となる。
また渦流ポンプでは図10に示すように、吐出口において羽根溝213が仕切り部に突入する際、羽根溝213に出入りする燃料流れが急変する事によって、回転数と羽根枚数の積の周波数を有する圧力変動、及びインペラ振動が起こる。ここで、本実施形態の渦流ポンプにて使用されるインペラの羽根枚数を偶数枚にしておけば、対向する2つの吐出口に面する仕切り部の端面と前記インペラの羽根溝213との相対的な位置関係が一致する。従って、仕切り部にて発生する前記圧力変動及びインペラを振動させる加振力の変動状態が対向する2つの仕切り部でそれぞれ一致する。一致した位相状態にある圧力変動が対向しているため、仕切り部での圧力変動及び加振力変動が釣り合い、インペラの振動を抑制することが可能となる。従って、ポンプの振動や振動に起因する騒音を抑制することが出来る。
本発明の一実施例を備えた渦流ポンプの横断面図である。 本発明の一実施例を備えた渦流ポンプの縦断面図である。 本発明の一実施例を説明するための羽根車における速度三角形を示す図である。 本発明の一実施例の原理を説明するための図である。 本発明の一実施例の原理を説明するための図である。 本発明の一実施例における吸入流路を示す図である。 本発明の一実施例における吸入流路及び吐出流路を説明する図である。 本発明の一実施例を備えた流路交差部を説明する図である。 本発明の一実施例を備えた流路交差部を説明する図である。 本発明の一実施例を備えた流路交差部の構造を説明する図である。 本発明の一実施例を備えた羽根溝と仕切り部端相対位置を示す図である。 本発明の実施例2を備えた渦流ポンプの横断面図である。 本発明の実施例2を備えた吸入流路を示す図である。 本発明の実施例2を備えた吐出流路を示す図である。 本発明の実施例2を備えた各種抵抗係数を示すグラフ図である。 本発明の実施例3を備えた渦流ポンプの横断面図である。 本発明の実施例3を備えた渦流ポンプの縦断面図である。 本発明の実施例3を備えた渦流ポンプの斜視図である。
符号の説明
1,101,201…インペラ、2,102,202…回転軸、3,103,203…ローターマグネット、4a,4b,104a,104b,204a,204b…吸入流路、5a,5b,105a,105b,205a,205b…吐出口、6…モーターステータ、7…ケーシング、7a…上側カバー、7b…下側ケーシング,7c…ポンプケーシング、8a,8b…昇圧流路、9…仕切り部材、10a,10b,11a,11b,110a,110b,111a,111b,210a,210b,211a,211b…流体通路、10c,11c,110c,111c,210c,211c…合流部、10d,110d,210d…吸入口、11d,111d,211d…全体の吐出口、12,112…流路交差部、13,113,213…羽根溝、14,114…管状部材、15,115…仕切り部端、212a,212b,212c,212d,212e,212f…流路行き止まり部、214,215,216,217…面。

Claims (6)

  1. 半径方向に伸びる複数枚の羽根を備えた円板状のインペラと、このインペラを回転可能に収納するケーシングと、このケーシングの内部に設けられ前記羽根が位置するポンプ昇圧流路と、前記ケーシングに設けられ前記流路と連通する第1と第2の吸込口・吐出口とを備えた渦流ポンプにおいて、
    前記第1の吸込口と第2の吸入口と連結する第1の流体通路と、前記第1の吐出口と第2の吐出口を連結する第2の流体通路とを備え、前記第1と第2の流体通路を連結した合流流路を設けたことを特徴とする渦流ポンプ。
  2. 請求項1記載の渦流ポンプにおいて、
    前記第1と第2の流体通路と前記合流流路とを前記ケーシング内に形成したことを特徴とする渦流ポンプ。
  3. 請求項1記載の渦流ポンプにおいて、
    前記合流流路の管径は前記第1と第2の流体通路の管径よりも小さいことを特徴とする渦流ポンプ。
  4. 請求項1記載の渦流ポンプにおいて、
    前記合流流路は前記第1と第2の流体通路のいずれか一方の管を貫通して交差させたことを特徴とする渦流ポンプ。
  5. 請求項4記載の渦流ポンプにおいて、
    前記第1と第2の流体通路を貫通する前記合流流路の管を流路方向に楕円となるように成形したことを特徴とする渦流ポンプ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の渦流ポンプにおいて、
    前記インペラ羽根枚数が偶数であることを特徴とする渦流ポンプ。
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