JP2008038746A - 循環式内圧機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料資源に起因する問題を起こさずに、従来の内燃機関によるのと同等程度以上のエネルギを効率よく取り出すこと
【解決手段】高圧状態で供給される炭酸ガス35aの体積膨張による力により作動子を駆動する原動機1と、上記原動機1から排出される炭酸ガス35bを回収するタンクと、上記炭酸ガスを吸引するポンプと、上記ポンプより送給される炭酸ガスと空気Aとからなる混合気体を冷却する冷却装置57と、該冷却装置より送給される冷却された冷却混合気体を高圧にて液化する炭酸ガス液化製造機59と、該液化製造機59より送給される液化混合気体から液化炭酸ガス成分を単離する炭酸ガス単離装置71と、上記単離装置71より送給される液化炭酸ガスを貯溜する循環タンク73とからなり、上記各部をパイプ33により連結して炭酸ガスが循環する循環回路34を構成する。
【選択図】図1

Description

本願発明は循環式内圧機関に関し、とくに炭酸ガスの物理的性状を最大限に活用した、燃料の燃焼を伴わずにエネルギを取り出す循環式内圧機関に関する。
内燃機関は機関の内部で燃料を燃焼させてその熱エネルギを利用する。使用する燃料のちがいによりガソリン機関、ガス機関、石油機関等種々のものがあり、世界中で広く普及し使用されている。
しかしながら、石油資源の枯渇が懸念されており、また燃焼の結果排出される排気ガスによる公害問題を惹起している。
外燃機関も燃料を燃焼させるという点で、上記した問題、即ち、資源の枯渇や排気ガスによる公害問題を惹起する。
これらを解消すべく、クリーンエネルギとして水素の利用が注目されているが、取扱いが至難のため、開発に行き詰まっているのが現状である。また原子力利用は公害乃至環境問題や安全性の点で懸念がある。
本願発明に関し、先行技術文献の調査をしたが、有効な特許文献を発見することができなかった。
本願発明は燃料の燃焼を伴わずにエネルギを取り出すことにより上記欠点を解消する全く新しい画期的な循環式内圧機関を提案する。
つまり本願発明の目的は、燃料資源に起因する問題を起こさずに、従来の内燃機関によるのと同等程度以上のエネルギを効率よく取り出すことができる循環式内圧機関を供することである。
また他の目的は、内燃機関使用による炭酸ガスの増加を防止することであり、ひいては温暖化現象の防止に寄与することである。
上記目的達成のため、本願発明による循環式内圧機関は、高圧状態で供給される炭酸ガスが大気圧になるときの体積膨張による力により作動子を駆動する原動機と、上記原動機から排出される空気の混入した炭酸ガスを回収するタンクと、該タンクに回収された炭酸ガスと空気の混合気体を吸引するポンプと、上記ポンプより送給される上記混合気体を冷却する冷却装置と、上記冷却装置より送給される冷却された混合気体を高圧にて液化する炭酸ガス液化製造機と、上記炭酸ガス液化製造機より送給される液化混合気体から液化されていない空気成分を大気中に放出し液化炭酸ガス成分を単離する炭酸ガス単離装置と、上記炭酸ガス単離装置より送給される液化炭酸ガスを貯溜する循環タンクとからなり、上記各部をパイプにより連結して炭酸ガスが循環する循環回路を構成することを特徴とする。
また、請求項1記載の循環式内圧機関において、上記循環回路の供給系経路と回収系経路との接点に三方切替弁を設け、該三方切替弁を介して初期タンクを連結し、供給系のパイプ及び回収系のパイプに送給されてくる液化炭酸ガスの液化純度を検知するセンサを設け、該センサは上記液化純度が設定範囲内に満たないときは初期切替信号を発し、設定範囲内であるときは循環切替信号を発することを特徴とする。
また、請求項1又は請求項2いずれか一記載の循環式内圧機関において、上記炭酸ガス液化製造機及び上記真空ポンプを同一の動力源たる上記原動機にて駆動することを特徴とする。
また、請求項1乃至請求項3いずれか一記載の循環式内圧機関において、上記原動機の加熱部に熱風を供給する圧縮機を設け、該圧縮機を上記原動機の動力により駆動することを特徴とする。
また、請求項1記載の循環式内圧機関において、上記原動機がレシプロ型原動機であることを特徴とする。
また、請求項1記載の循環式内圧機関において、上記原動機がロータリー型原動機であることを特徴とする。
本願発明は炭酸ガスの有する3つの優れた物理的性状、即ち、ガスの不活性、常温液化性及び高度の体積膨張性を利用し、高圧状態で内室に供給された炭酸ガスが常圧になるときの体積膨張による力により作動子を駆動させ、これにより発生するエネルギを取り出す。よって、燃料の燃焼を伴わずにエネルギを取り出すから、燃料資源に起因する問題、即ち、資源の枯渇や排気ガスによる公害問題を惹起することがない。よって完全なクリーンエネルギである。
上記エネルギの取出しにおいて、循環回路を構成することにより排出された炭酸ガスを回収して再利用するから、エネルギ効率を非常に増大することができる。
また、炭酸ガスを用いるものの炭酸ガスを生じることがないので、現在以上の炭酸ガスの増加を防止することができ、温暖化現象の防止に寄与することができる。
しかも取り出されるエネルギは後述するようにガソリンエンジンと同等程度以上であるから、エネルギの実行性の点でも問題はない。
次に、実施の形態を示す図面に基づき本願発明による原動機をさらに詳しく説明する。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
1は原動機であり、気化後の高圧状態で供給される炭酸ガス35aの体積膨張による力により作動子を駆動せしめる。原動機1は具体的には、図3に例示するレシプロ型原動機又は図4及び図5に例示するロータリー型原動機である。前者の場合作動子はピストン7であり、後者の場合作動子はロータ105である。
原動機1の詳細は後述する。上記原動機1に圧料となる炭酸ガス35aを供給する供給経路34Aと、炭酸ガス35bを回収する回収経路34Bを閉回路に接続し、循環回路34を構成する。
上記供給経路34Aは、具体的には、バージン液化炭酸ガスを貯溜する圧力容器からなる初期タンク31と、該初期タンク31に切替弁51、三方切替弁54及び流量制御弁55を介してパイプ33a、33b、33cにより連結される冷却装置57と、該冷却装置57のパイプ33dに連結され原動機1の給気口13、107、117に接続されるパイプ33eとからなる。
上記回収経路34Bは、具体的には、原動機1の排気口11、109、119から排出される炭酸ガス35bを外部から混入してくる空気Aとともに回収する回収タンク67と、該排出炭酸ガス35b及び外部から混入してくる空気Aの混合気体よりエンジンオイル成分を分離するフィルタからなる分離装置68と、該分離装置68による上記分離処理を経た排出炭酸ガス35bと空気Aとからなる混合気体を混合タンク69に圧送する真空ポンプ61と、上記混合タンク69から送給されてくる上記混合気体を冷却する冷却装置57と、上記冷却装置57から送給されてくる上記混合気体を例えば70気圧に加圧・圧縮して液化する炭酸ガス液化製造機59と、上記炭酸ガス液化製造機59から送給されてくる液化混合気体より空気成分Aを放出して液化炭酸ガス成分35aのみ単離する逆止弁77を設けたタンクからなる単離装置71と、上記単離装置71から送給されてくる液化炭酸ガス35aを貯溜する圧力容器からなる循環タンク73とからなり、上記原動機1と上記回収タンク67とはパイプ33fにより、上記回収タンク67と上記分離装置68とはパイプ33gにより、上記分離装置68と上記真空ポンプ61とはパイプ33hにより、上記真空ポンプ61と上記混合タンク69とはパイプ33iにより、上記混合タンク69と上記冷却装置57とはパイプ33jにより、上記冷却装置57と上記炭酸ガス液化製造機59とはパイプ33lにより、上記炭酸ガス液化製造機59と上記単離装置71とはパイプ33mにより、上記上記単離装置71と上記循環タンク73とはパイプ33pにより、さらに上記循環タンク73と上記三方切替弁54とはパイプ33qにより、各連結されている。なお、上記パイプを総称するときは「パイプ33」と表わす。
上記供給経路34Aと上記回収経路34Bとの接点には上記した三方切替弁54を設けてあり、上記原動機1及び上記三方切替弁54を介して両経路34A、34Bが閉回路に接続され、循環回路34を構成する。また、供給経路34Aのパイプ33aと回収経路34Bのパイプ33qには液化炭酸ガス35aの液化純度を検知するセンサ53が接続されている。該センサ53はパイプ33a及びパイプ33q内を送給されてくる液化炭酸ガス35aの液化純度を常に検知し、上記純度が設定範囲内に満たないときは初期切替信号を発し、設定範囲内であるときは循環切替信号を発する。
上記回収タンク67にはパイプ33r、33sにより逆止弁63及び大気乾燥装置65が接続される。よって上記回収タンク67には、逆止弁63より取り入れられ大気乾燥装置65により水分を除去された常圧状態の空気Aが混入している。この回収タンク67に原動機1から排出される炭酸ガス35bが回収される際、上記空気Aが回収タンク67より原動機1内に一旦流入するが、上記真空ポンプ61による吸引により、上記排出炭酸ガス35bは上記空気Aを混合した状態で上記回収タンク67内に回収される。また上記分離装置68には逆止弁75が設けられ、分離されたエンジンオイルが該逆止弁75を介して原動機1に戻される。77は炭酸ガス以外の空気を大気中に放出するため単離装置71に設けられた逆止弁である。
上記冷却装置57は、上記パイプ33dと上記パイプ33kとが相互に巻き着くような状態で内蔵され、パイプ33dを流れてくる炭酸ガス35aの気化熱によりパイプ33k内を流れる炭酸ガス35bを冷却する。この冷却ステップを経ることにより、次の炭酸ガス液化製造機59による炭酸ガス35bの液化のためのエネルギを小とすることが可能となる。ちなみに、例えば水素ガスの場合、常温液化性を有しないから、この程度の冷却では液化しない。しかしながら、本願発明においては炭酸ガスの有する常温液化性を活用するため、この冷却と次の加圧・圧縮により、回収された炭酸ガス35bの液化を容易にするのである。
初期タンク31及び循環タンク73内に貯蔵されている炭酸ガス35aは大部分液体状態であるが、一部がタンク内において気体状態となっている場合がある。この場合は液体の炭酸ガス35aはタンクの下部に、また気体の炭酸ガス35aはタンクの上部に存在する。
図2に本願発明による循環式内圧機関の動作のステップを示す。初期始動は、まず切替弁51を「開」とし、初期タンク31よりバージン液化炭酸ガス35aをパイプ33aに流す(S1)。パイプ33aを流れてくるバージン液化炭酸ガス35aの液化純度はセンサ53により検知され(S2)、初期切替信号が発せられる(S3)。これにより三方切替弁54が作動し、パイプ33aとパイプ33bを「開」としパイプ33bとパイプ33qを「閉」とする「第1開」の状態にする(S4)。次いでエンジンスロットル用の流量制御弁55が「開」とされ(S5)、液化炭酸ガス35aはパイプ33cより冷却装置57のパイプ33d内を通って(S6)、パイプ33eより原動機1内に供給される(S7)。
原動機1が炭酸ガス35aの体積膨張による力により駆動されると、その動力により例えば自動車が駆動される(図示省略)。このとき同時に上記動力がベルト58aにより炭酸ガス液化製造機59に伝動され、該炭酸ガス液化製造機59を駆動する(S8)。また上記動力はベルト58bにより圧縮機49に伝動され、該圧縮機49を駆動する(S9)。さらに上記動力はベルト58cにより真空ポンプ61に伝動され、該真空ポンプ61を駆動する(S10)。
上記真空ポンプ61は、原動機1から排出される炭酸ガス35bと、逆止弁63より取り込まれ大気乾燥装置65により水分を除去された空気Aとの混合気体を吸引し、回収タンク67内に回収する(S11〜S13)。次いで上記混合気体とオイルとを分離した後(S14)、上記混合気体を混合タンク69に圧送する(S15)。混合タンク69に送給された混合気体は、パイプ33jより上記冷却装置57のパイプ33kに送られ、ここで冷却される(S16)。冷却された炭酸ガス35bは炭酸ガス液化製造機59に送られ、ここで例えばステップ8で述べた駆動力により70気圧に加圧され液化炭酸ガス35aとされる(S8)。次いでこの液化炭酸ガス35aはパイプ33mより炭酸ガス単離装置71に送られ(S18)、ここで炭酸ガス以外の空気を放出する(S19)。ステップ19における液化炭酸ガスの単離は比重差を利用し、比重の大なる液化炭酸ガスがタンクの下部へ、比重の小なる空気Aはタンクの上部に分かれるので、逆止弁77を「開」とすることにより空気Aを放出する。かくして高純度となった液化炭酸ガス35aはパイプ33pより循環タンク73に送られ、該循環タンク73に貯溜される(S20)。
始動後においては、センサ53はパイプ33qとパイプ33aを流れる炭酸ガス35aの濃度を検知している(S2)。この炭酸ガス35aの濃度が設定範囲内であるときは、循環切替信号を発する(S3)。この循環切替信号により三方切替弁54が作動し、パイプ33qとパイプ33bを「開」としパイプ33aとパイプ33bを「閉」とする「第2開」の状態にする(S4)。以降は上記した一連のステップが繰返され、エンジンが連続的に作動する。
ステップ9にて駆動される上記圧縮機49は、熱風供給パイプ45、熱風排出パイプ47より原動機1に熱風40a、40bを循環供給し(S17)、原動機1に供給される高圧状態の炭酸ガス35aの体積膨張を効率的に行わせる。追って、図3に基づいて詳述する。
炭酸ガスはパイプ33を通って開弁された給気口13、107、117より密室内に高圧状態35aで供給され、常圧状態で排出・回収される。炭酸ガス35につき、高圧状態の炭酸ガスを「35a」で表わし、常圧状態のものを「35b」で表わす。
次に本願発明に用いられる原動機1について説明する。図3は原動機1たるレシプロ型原動機を示す。原動機1を構成するシリンダ2はアルミニウム合金製のシリンダヘッド3とアルミニウム合金製のシリンダ本体5とからなり、シリンダヘッド3がシリンダ本体5に分解可能に固着される。該シリンダ本体5内にはアルミニウム合金製ピストン7が往復動可能に摺接される。上記シリンダ本体5の上部には上記シリンダヘッド3と上記ピストン7とによって密閉構造とされる内室9が形成される。上記シリンダ本体5の側壁にはピストン7の下死点D時に開口する排気口11が設けられる。上記シリンダヘッド3には給気口13が開口され、該給気口13に上下動自在の給気弁15を設ける。該給気弁15の弁軸17には上記給気口13を閉塞する方向に付勢されるスプリング19を巻着する。21は上記ピストン7に連動するカムであり、該カム21により上記給気弁15の開閉をする。23はコネクティングロッドであり、上記ピストン7とクランクシャフト25とを連結する。該クランクシャフト25の一端にはフライホイール27が取り付けられている。26は該クランクシャフト25のバランスウェイトを示す。20はスプリングカバーである。29aは圧力リングであり、上記内室9を密閉するため上記ピストン7の上部に取り付けられる。29bはオイルリングである。
上記シリンダ2はアルミニウム合金製のシリンダカバー39にて一体に被覆され、シリンダ本体5の側壁の外側に中空体からなる加熱部37を設ける。上記シリンダカバー39の側壁には熱風供給口41が開口され、該熱風供給口41に熱風供給パイプ45が連結される。上記熱風供給口41の下方には熱風排出口43が開口され、該熱風排出口43に熱風排出パイプ47が連結される。上記熱風供給パイプ45、上記熱風排出パイプ47は圧縮機49に循環可能に連結される。
上記加熱部37を加熱するための炭酸ガス40a、40b(以下総称するときは「炭酸ガス40」という)は空気との混合気体からなり、ピストン7を駆動せしめる炭酸ガス35とは別系統にて供給される。即ち、この炭酸ガス40aは図示しないタンクに貯溜され、上記圧縮機49により上記熱風供給パイプ45を経て上記熱風供給口41より上記加熱部37に供給される。上記加熱部37への加熱を終了した炭酸ガス40bは上記熱風排出口43より排出され熱風排出パイプ47を通って圧縮機49に戻される。このように上記炭酸ガス40は上記炭酸ガス35とは別系統に循環供給される。
図3において原動機1は次のように作動する。
まず、図示しないスタータモータにより、カム21を回転させる。するとカム21に連動してピストン7が図3(A)に示すように下降するとともに、カム21により給気弁15が押圧される。
すると図3(B)に示すように、スプリング19の付勢力に抗して給気弁15が「開」となる。このときピストン7は上死点Uに位置している。
次いでカム21がさらに回転すると、回転後すぐに給気弁15の押圧が解除されるから、給気弁15はスプリング19の付勢力により「閉」となる。図3(C)はピストン7が下死点Dまで下降した状態を示す。
この上死点Uから下死点Dに移行する過程を詳しくみる。給気弁15が「閉」となると、高圧状態(例えば70気圧)で給気口13より供給される炭酸ガス35a(気体)は、内室9内において1気圧の常圧下に曝されるから、一気にその体積を膨張させる。この体積膨張による力はピストン7に伝動され、ピストン7を下降させるとともに、この力はクランクシャフト25の一端に固着されているフライホイール27にも伝動する。ピストン7が下死点Dに達すると、フライホイール27に伝動している上記力に起因する慣性力によりピストン7は上昇過程に移行する。
下死点D時において内室9の排気口11は「開」となるので、ピストン7の押下げに与り常圧状態となった炭酸ガス35bは排気口11より外部に排出される。正確には、この常圧状態となるとき排気口11より内室9内に空気Aが大気中より混入してくるので、炭酸ガス35bはこの空気Aとともに外部に排出されることになる。次いで上昇過程に移行したピストン7の上死点U時においてはすべての炭酸ガス35bが排気される。
かくして、炭酸ガス35aの体積膨張力と上記慣性力とにより、ピストン7は上記した下降過程及び上昇過程を連続的に繰り返す。
よって、原動機のピストン7は連続的に往復動するから、これによるエネルギを適宜手段により取り出す。
図4は原動機1をロータリ型原動機とする場合である。原動機1を構成するハウジング101はアルミニウム合金製の密閉された円筒と、該ハウジング101の内室103に回転可能に設けられるアルミニウム合金製のロータ105とからなる。上記ハウジング101は密閉に形成された円筒が横設され、内部に断面円形に形成される内室103を有する。また上記ハウジング101は周壁に給気口107を設け、対向する側の周壁に排気口109を開口する。該排気口109は上記給気口107より下方に位置するように設けるのが望ましい。なお、ここで「対向」とは給気口107と排気口109のこのような段差のある設置も含むものとする。
上記ロータ105は丸みを帯びた正三角形状の板体からなり、上記ハウジング101の内室103の中央部に回転可能に設けたロータ軸106に複数個固設される。上記ロータ105の輪郭には、図4に示すように、圧力保持のための圧力シール105aを設ける。該圧力シール105aはオイルシールも兼ねる。
上記ハウジング101はアルミニウム合金製のハウジングカバー139にて一体に被覆され、シリンダ本体5の側壁の外側に中空体からなる加熱部137を設ける。上記ハウジングカバー139の側壁には熱風供給口141が開口され、該熱風供給口141に熱風供給パイプ45が連結される。上記熱風供給口141の下方には熱風排出口143が開口され、該熱風排出口143に熱風排出パイプ47が連結される。上記熱風供給パイプ45、上記熱風排出パイプ47は圧縮機49に循環可能に連結される。
上記内室103には気化後の高圧状態の炭酸ガス35aが供給され、該炭酸ガス35aが常圧になるときの体積膨張による力により上記ロータ105がロータ軸106を中心にして矢示する一方向に回転する。上記内室103は上記ロータ105の回転に伴ない、1次作動室111、2次作動室112及び3次作動室113に区画・形成される。上記各作動室111、112、113は上記ロータ105の作動面a,b,cとの関係で、吸入膨張行程、膨張排出行程又は大気圧保持行程のいずれかを担う。
吸入膨張行程は炭酸ガス35aが1次作動室111内に供給され、上記ロータ105のいずれかの作動面を押圧する。膨張排出行程はロータ105の回転に与り常圧状態となった炭酸ガス35bが排気口109より外部に排出される。大気圧保持行程は、給気口107及び排気口109が上記ロータ105の他の作動面によりブロックされるため、常圧状態の炭酸ガス35bと空気Aとからなる混合気体を保持する行程であり、これによりロータ105の回転に円滑性を付与する。
図4において原動機1は次のように作動する。
図4(A)に示すように、ロータ105の作動面aが吸入膨張行程をする位置にあるとき、気化後の高圧状態(例えば70気圧)の炭酸ガス35a(気体)が給気口107より1次作動室111内に供給される。上記炭酸ガス35aは1次作動室111内に供給されると、1気圧の常圧下に曝されるから、一気にその体積を膨張させる。
この体積膨張による力によりロータ105は押圧されて図4(B)に示す位置に回転する。これにより作動面aは2次作動室112に位置し、排気口109が「開」となるため膨張排出行程となり、ロータ105の回転に与り常圧状態となった炭酸ガス35bはこの排出口より外部に排出される。正確には、膨張排出行程のとき2次作動室112内に空気Aが混入してくるが、炭酸ガス35bはこの空気Aとともに外部に排出されることになる。
さらにロータ105が図4(C)に示す位置に回転すると、給気口107と排気口109とがともに「閉」となるので大気圧保持行程となり、上記混合気体を常圧状態で保持する。
ロータ105はさらに回転し図4(A)に示す位置となる。
上記一連のロータ105の回転において、作動面aが2次作動室112に位置するとき、作動面bは吸入膨張行程の状態にある(図4(B))。よってこの状態において高圧状態の炭酸ガス35aが供給されると、作動面bは上記炭酸ガス35aの体積膨張による力により押圧されてロータ105が回転する。
同様に、作動面bが2次作動室112に位置するとき作動面cは吸入膨張行程の状態にある。よってこの状態において高圧状態の炭酸ガス35aが供給されると、作動面cが上記炭酸ガス35aの体積膨張による力により押圧されてロータ105が回転する(図4(C))。
このようにロータ105の各作動面a,b,cには給気口107より高圧状態の炭酸ガス35aが連続的に供給されるから、ロータ105は連続回転することになる。
かくして炭酸ガス35aの体積膨張力と慣性力によりハウジング内をロータが連続的に回転するから、これによるエネルギを適宜手段により取り出す。
図5はロータ115を2面ロータとしたロータリ型原動機の他の実施例を示す。この場合ロータ115は略楕円形状の板体からなり、ハウジング101の内室103の中央部に回転可能に設けたロータ軸116に複数個固設される。上記ハウジング101の上部周壁には給気口117を被覆するバルブ室124を設け、該バルブ室124に上下動自在の給気弁125を設ける。該給気弁125の弁軸127には上記バルブ室124を閉塞する方向に付勢されるスプリング129を巻着する。131は上記ロータ115に連動するカムであり、該カム131により上記給気弁125を開閉する。119は排気口、130はスプリングカバーである。なお、本実施例の場合、該排気口119は上記給気口117の対向部f(図5(A)に示す)よりやや2次作動室122側に位置するように設ける。本願発明においてはこのような場合も「対向」の概念に含めるものとする。
図5において原動機1は次のように作動する。
図5(A)に示すように、ロータ115が給気弁125の直下即ち給気口117の直前の位置にくると、給気弁125が「開」となり吸入膨張行程となる。この行程において、気化後の高圧状態(例えば70気圧)の炭酸ガス35a(気体)が給気口117より1次作動室121内に供給される。上記炭酸ガス35aは1次作動室121内に供給されると、1気圧の常圧下に曝されるから、一気にその体積を膨張させる。
この体積膨張による力によりロータ115は押圧されて図5(B)に示す位置に回転する。これにより排気口119が「開」となるため膨張排出行程となり、ロータ115の回転に与り常圧状態となった炭酸ガス35bはこの排出口より外部に排出される。なお、ロータ115が給気口117の位置より回転した直後に給気弁125はスプリング129の付勢力により「閉」となる。
さらにロータ115が図5(C)に示す位置に回転すると、給気弁125が「閉」のため給気口117より炭酸ガス35aの供給がない。一方排気口119より常圧状態になった炭酸ガス35bが外部に排出される。よって内室103内は1次作動室121及び2次作動室122ともに常圧状態となる大気圧保持行程となり、上記混合気体を常圧状態で保持する。よって、ロータ115は慣性力で回転することになる。なお、正確には、排気口119より2次作動室122内に空気Aが混入してくるので、常圧となった炭酸ガス35bはこの空気Aとともに外部に排出されることになる。
ロータ115はさらに回転し図5(D)に示す位置となり、反対の面「b」が作動面となる。
この状態において高圧状態の炭酸ガス35aが供給されると、作動面bは上記炭酸ガス35aの体積膨張による力により押圧され、作業面aについて述べたステップを経てロータ115が回転する。
このようにロータ115の各作動面a,bには給気口117より高圧状態の炭酸ガス35aが連続的に供給されるから、ロータ115は連続回転することになる。
かくして炭酸ガス35aの体積膨張力と慣性力によりハウジング内をロータが連続的に回転するから、これによるエネルギを適宜手段により取り出す。
ここで炭酸ガス35について詳しく説明する。炭酸ガス(二酸化炭素 CO2)は次のような物理的性状を有する。
空気との比重 1.529
毒性 無
臭 無臭
性状 不燃性
分子量 44.01
三重点(0.53MPa) −56.6℃
沸点(昇華) −78.5℃
臨界温度 31.1℃
臨界圧 7.38MPa
熱力学的性質 図6の通り
また炭酸ガスは物の燃焼や動物の呼吸、有機物の腐敗、発酵等に伴って発生し、空気中に普通に存在する。一方で植物は炭酸ガスを吸収し炭素同化作用を営む。
本願発明はこのような物理的性状を有する炭酸ガスの不活性、常温液化性及び高度の体積膨張性に着目し、これを最大限に活用する。
ここで炭酸ガス35aの膨張率、即ち炭酸ガス35aにより取り出されるエネルギの大きさについてみる。密室たる内室9、1次作動室111、121内に供給される炭酸ガス35aが常温(25℃)の場合、該炭酸ガス35aの圧力は図6より6.432MPa(64.32気圧)であるから、常圧(1気圧)の内室9、1次作動室111、121内にあるピストン7、ロータ105、115には64.32倍の圧力がかかる。よって理論上約64倍の運動エネルギを取り出すことが可能となる。
このエネルギと従来の内燃機関の代表としてガソリンエンジンから取り出されるエネルギとを比較する。
(オープン条件化でのガソリン燃焼)
ガソリンの分子表記は難しいため、ガソリンの平均分子量に比較的近い炭化水素であるオクタン(C818)をガソリンの組成と見なして計算する。オクタンの物理的性状は次の通りである。
化学式 C818
比重 d=0.7
分子量 M=114.0
燃焼熱 10200kcal/kg=10200×114/1000×4.186≒4868kJ/mol
オクタンの燃焼反応式は(1)式の通りである。
Figure 2008038746
(1)式よりオクタン1molが燃焼すると空気中の酸素を取り込みながら17molのガスが発生する。
(ガス比容V0の計算)
生成ガスを理想気体として仮定しているので、標準状態で1molの占める容積は22.4lとなる。従って、ガス比容V0は(1)式から
Figure 2008038746
となる。
(燃焼温度T1の計算)
爆発温度T1を求めるには、生成ガスのモル数、発熱量、生成ガスの定容比熱が必要となる。ここでは、定容比熱のみ不明であるが、TNTのような火薬類と同じとしてみる。
爆発温度T1は(2)式によって求めることができる。
Figure 2008038746
なお、生成ガスの平均定容比熱が約40J/℃として知られていることについては、日本火薬工業会、「一般火薬学新改訂第2版」、P18(2005)参照。
(2)式より爆発温度T1
Figure 2008038746
従って
Figure 2008038746
つまり、1kgのオクタンは、爆発すると7430(K)(約7100℃)で、90900(l)を占める。反応前の容積は1000/0.7=1430(ml)であるから、反応前の温度を0℃とした場合の膨張率は
Figure 2008038746
となる。
しかしながら上記値は、火薬と同じ爆発状態を想定しているため現実以上に爆発温度が高くなっている。現実的には、爆発温度が1500K程度であり、また燃焼に空気が十分ないと反応が進まない。よって、現実には酸素が不足するためTNT火薬のようには反応が起きないのである。
(空気を考慮したガス比容)
そこで空気を考慮したオクタンの燃焼反応式を考える。(1)式で必要な酸素は12.5molであり、空気の組成を酸素21%、窒素79%とすると、それに伴う窒素は
12.5mol×(79/21)=47.0mol
となる。したがって、燃焼反応式は
Figure 2008038746
となる。
オクタン1molが燃焼すると空気中の酸素を取り込みながら合計17molのガスが発生し、燃焼に与らない窒素47.0molが存在する。
生成ガスを理想気体と仮定しているので、標準状態で1molの占める容積は22.4lとなる。したがって、ガス比容V0は(3)式から、
Figure 2008038746
となる。
(空気を考慮した燃焼温度T1の計算)
燃焼温度T1を求めるには、生成ガスのモル数、発熱量、生成ガスの定容比熱が必要となる。ここでは、定容比熱のみ不明であるが、TNTのような火薬類と同じとしてみる。燃焼温度T1は次式によって求めることができる。
Figure 2008038746
(4)式より爆発温度T1
Figure 2008038746
従って、
Figure 2008038746
つまり1kgのオクタンは空気の初期体積を考慮すると、瞬間的に燃焼したとして、2175(K)(約1900℃)で100185(l)を占める。反応前の容積は
(12.5+47)×22.4+1/0.7=1334(l)であるから、反応前の温度を0℃とした場合の膨張率は100185/1334≒75倍となる。ただし上記値は実際上は燃焼中に熱が周囲に逸散するので、燃焼温度はさらに低くなる筈である。
(ガソリンエンジン内の燃焼)
燃費10km/l、排気量2000cc、平均速度40km/h、平均回転数2000rpm/minの自動車のガソリンエンジンを考える。上記ガソリンエンジンは1時間あたりでは4(l)のガソリンを消費する。また、上記ガソリンエンジンは2000rpm/minであるので、2000×2×60(ストローク/h)となる。また、上記エンジンのボアストロークが直径86mm、ストローク86mmよりシリンダ室内の容積は
S=(8.6)×(4.3)2×π=500(cm3
となる。
これは1ストロークあたりでは
4000(ml)/(2000×2×60)=1/60(ml)
のガソリンを消費し、そのときの燃焼ガスは500(cm3)になる。
次に、圧縮比からこのエンジンの行程を解析してみる。
圧縮比は一般的な乗用車エンジンでは「9」前後である。燃焼室容積をVb(ml)とすると、圧縮比=(Vb+500)/Vbであるので、9Vb=Vb+500となり、これを解くと
Vb=62.5(ml)となる。
以上を詳細を省いて簡単にまとめると、
62.5(ml)の燃焼室と500(ml)のシリンダ室に1/60(ml)(=16.7×10-3(ml)=1.025×10-4(mol)のガソリンが空気約560(ml)(酸素5.25×10-3(mol)と窒素19.75×10-3(mol))と一緒に吸い込まれ(1気圧)、9倍に圧縮されたガソリンと空気(9気圧)に点火される。(3)式から消費される酸素は
1.025×10-4×12.5=1.281×10-3
である。したがって、残りの酸素と窒素は、それぞれ
(5.25−1.28)×10-3=1.97×10-3(mol)、19.75×10-3(mol)
となる。
また、発生するガスと熱量は、
2O:1.025×10-4×9=9.225×10-4(mol)
CO2:1.025×10-4×8=8.200×10-4(mol)
Q=1.025×10-4×4868=0.499kJ
である。
燃焼温度T1を求めるには、前記のように生成ガスのモル数、発熱量、生成ガスの定容比熱が必要となる。ここでは、定容比熱のみ不明であるが、TNTのような火薬類と同じとしてみる。燃焼温度T1は前記のように次式によって求めることができる。
Figure 2008038746
(4’)より燃焼温度T1
Figure 2008038746
つまり、2000ccのエンジンでは瞬間的に燃焼したとして、805(K)(約532℃)で23.5×10-3(mol)(=9.225×10-4+8.200×10-4+19.7×10-4+197.5×10-4)のガスが、62.5(ml)を占める。
このときの、圧力P1を計算してみると、理想気体として状態方程式から
Figure 2008038746
である。
最後に、この高温高圧のガスがシリンダを押し下げる膨張行程で9倍に膨張すると、
10=一定であるから、9倍に膨張したときの圧力P2
2=P1/9=24.8/9=2.7(atm)
となる。
このように従来のガソリンエンジンより取り出すエネルギの大きさは、この場合約25倍程度である。
よって本願発明による原動機から取り出されるエネルギは従来の内燃機関から取り出されるエネルギと比較し、同程度以上である。とくに、上記実施例(25℃のとき64倍の例)及び上記比較例(25倍の例)に限って言えば、従来に比し2.5倍のエネルギを得ることができる。
このように本願発明によるエネルギの発生は燃料の燃焼を伴わないから、燃料資源に起因する資源の枯渇や排気ガスによる公害問題を惹起することがなく安全であり、完全なクリーンエネルギを得ることができる。また、炭酸ガスを生じることがないので、炭酸ガスの増加を防止することができ、温暖化現象の防止に寄与することができる。しかも取り出されるエネルギは上記のようにガソリンエンジンと同等程度以上であるから、エネルギの実行性も担保される。
本願発明による循環式内圧機関によれば、密室(内室9、103)の圧縮比に影響されず、供給される炭酸ガス35aの圧力は一定(例えば常温(25℃)の場合約64倍)である。またタンク乃至ボンベに収納される炭酸ガス35aは最後の1molまで有効に使用可能である。よって、エネルギの取出効率が大変よい。
上記エネルギの取出しにおいて、循環回路を構成することにより排出された炭酸ガスを回収して再利用するから、エネルギ効率を非常に増大することができる。
また、炭酸ガス35aの常温液化性及び高度の体積膨張性により、密室(内室9)の設計が容易となる。さらに炭酸ガス35aの不活性により、例えば水素ガスや酸素ガスより遙かに扱い易く、制御性が大である。よって高度の実用性を有する。
炭酸ガス35の体積膨張率と温度とは相関関係にあり、内室9、1次作動室111、121内に供給されている高圧状態の炭酸ガス35aは上記加熱部37、137による加熱により一層体積が膨張するから、原動機の仕事率は一層向上する。
この点につき、図6及びボイル・シャルルの法則により内室9、1次作動室111、121内に供給される炭酸ガス35aの圧力を具体的に算出してみる。
ボイル・シャルルの法則は一定量の気体ではPV/Tは常に一定の値となるという法則で、
Figure 2008038746
の式により表わす。炭酸ガス35aは初期タンク31からパイプ33を経由して常圧(25℃)・気体状態にて上記内室9に供給されるから、内室9の内圧は内室9が50℃に加熱される場合次の如く算出される。ただし、内室9の容量を20ccとする。
Figure 2008038746
また内室9、1次作動室111、121が100℃に加熱される場合、内室9、1次作動室111、121の内圧は次の算出値となる。
Figure 2008038746
よって内室9、1次作動室111、121が加熱部37、137により加熱されると原動機1の仕事率は一層向上する。
本願発明は上記した実施の形態に限定されない。例えば、炭酸ガス単離装置71と循環タンク73の間に他の循環タンクを設け、循環タンクを1次と2次に分けると、原動機1制御のための炭酸ガス35aの流量調整が円滑になることが期待され望ましい。
初期始動を循環タンク73の残溜分より取り出し、初期タンク31を設けないこととしてもよい。
炭酸ガスを液化するための炭酸ガス液化製造機59による加圧は、例えば、40気圧位でも可能である。
加熱部37、137による加熱システムは任意であり、加熱しなくても本願発明の目的を達成することができる。
供給系のパイプの中を流れる炭酸ガスは、気体と粉体としてのドライアイスの混合又は液体の状態での送給もあり得る。どの相をとるかは現場の気圧、温度等の条件による。
内室9に設ける給気弁15は、図示例とは反対に、内室9を外側から給気弁15の弁蓋により閉塞または開放するようにしてもよい。また給気弁15の設置はシリンダ本体5の側壁であってもよい。
カム機構は他の公知のものも適用可能であり、例えばスプリングを要しないカム機構も考えられる。
原動機1の種類は任意であり、原動機1を構成する素材も鉄その他適宜に選択することができる。
取り出したエネルギの適用は任意であり、例えば自動車、航空機、船舶等の駆動、モータの駆動、発電機の駆動等をすることができる。
本願発明において「高圧」とは、原動機を作動せしめるに十分な圧力の程度を指称し、例えば40気圧とか70気圧である。
本願発明は例えば自動車、航空機、船舶等の駆動、モータの駆動、発電機の駆動に活用することができる。
本願発明による循環式内圧機関の回路構成図を示す。 本願発明による循環式内圧機関の動作ステップを示すフローチャートである。 本願発明に使用する内圧機関の実施例を示す。 本願発明に使用する内圧機関の他の実施例を示す。 本願発明に使用する内圧機関のさらに他の実施例を示す。 炭酸ガスの熱力学的性質を示す表である。
符号の説明
1 原動機
2 シリンダ
3 シリンダヘッド
5 シリンダ本体
7 ピストン
内室
11 排気口
13 給気口
15 給気弁
17 弁軸
19 スプリング
20 スプリングカバー
21 カム
23 コネクティングロッド
25 クランクシャフト
26 バランスウェイト
27 フライホイール
29a 圧力リング
29b オイルリング
31 初期タンク
33 パイプ
34 循環回路
34A 供給経路
34B 回収経路
35 炭酸ガス
35a 炭酸ガス
35b 炭酸ガス
37 加熱部
39 シリンダカバー
40 熱風
41 熱風供給口
43 熱風排出口
45 熱風供給パイプ
47 熱風排出パイプ
49 圧縮機
51 切替弁
53 センサ
54 三方切替弁
55 流量制御弁
57 冷却装置
58a ベルト
58b ベルト
58c ベルト
59 炭酸ガス液化製造機
61 真空ポンプ
63 逆止弁
65 大気乾燥装置
67 回収タンク
68 分離装置
69 混合タンク
71 炭酸ガス単離装置
73 循環タンク
75 逆止弁
77 逆止弁
101 ハウジング
103 内室
105 ロータ
105a オイルシール兼用圧力シール
106 ロータ軸
107 給気口
109 排気口
111 1次作動室
112 2次作動室
113 3次作動室
115 ロータ
115a オイルシール兼用圧力シール
116 ロータ軸
117 給気口
119 排気口
121 1次作動室
122 2次作動室
124 バルブ室
125 給気弁
127 弁軸
129 スプリング
130 スプリングカバー
131 カム
137 加熱部
139 ハウジングカバー
141 熱風供給口
143 熱風排出口
a 作動面
b 作動面
c 作動面
A 空気

Claims (6)

  1. 高圧状態で供給される炭酸ガスの体積膨張による力により作動子を駆動する原動機と、上記原動機から排出される炭酸ガスを回収するタンクと、該タンクに混入してくる空気とともに上記炭酸ガスを吸引するポンプと、上記ポンプより送給される上記炭酸ガスと空気とからなる混合気体を冷却する冷却装置と、上記冷却装置より送給される冷却された冷却混合気体を高圧にて液化する炭酸ガス液化製造機と、上記炭酸ガス液化製造機より送給される液化混合気体から液化炭酸ガス成分を単離する炭酸ガス単離装置と、上記炭酸ガス単離装置より送給される液化炭酸ガスを貯溜する循環タンクとからなり、上記各部をパイプにより連結して炭酸ガスが循環する循環回路を構成することを特徴とする循環式内圧機関。
  2. 請求項1記載の循環式内圧機関において、上記循環回路の供給系経路と回収系経路との接点に三方切替弁を設け、該三方切替弁を介して初期タンクを連結し、供給系のパイプ及び回収系のパイプに送給されてくる液化炭酸ガスの液化純度を検知するセンサを設け、該センサは上記液化純度が設定範囲内に満たないときは初期切替信号を発し、設定範囲内であるときは循環切替信号を発することを特徴とする循環式内圧機関。
  3. 請求項1又は請求項2いずれか一記載の循環式内圧機関において、上記炭酸ガス液化製造機及び上記真空ポンプを同一の動力源たる上記原動機にて駆動することを特徴とする循環式内圧機関。
  4. 請求項1乃至請求項3いずれか一記載の循環式内圧機関において、上記原動機の加熱部に熱風を供給する圧縮機を設け、該圧縮機を上記原動機の動力により駆動することを特徴とする循環式内圧機関。
  5. 請求項1記載の循環式内圧機関において、上記原動機がレシプロ型原動機であることを特徴とする循環式内圧機関。
  6. 請求項1記載の循環式内圧機関において、上記原動機がロータリー型原動機であることを特徴とする循環式内圧機関。
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