JP2008038619A - 加圧遠心ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ効率を向上させると共に、内周壁と羽根の先端との間に形成される流体通過間隔から、流体中に混入する異物の通過を促し且つ騒音の発生を低減することができる加圧遠心ポンプを提供する。
【解決手段】吸込口2と送出口3を有するドラム状のケース4内で、羽根板14の側面でボス部15から複数の羽根12を回転方向に後退角を有し放射状に突出した羽根車5に、加圧部22を対設してポンプ室9を形成する加圧遠心ポンプであって、羽根12の先端を羽根板14の外周から中心方向に段差36を設けて低く形成し、ケース4の内周壁11に羽根板14の外周を近接させて、羽根裏側への流体の移動を規制する流体規制間隔hを形成すると共に、内周壁11と羽根12の先端との間に、流体中の異物の通過を促がす流体通過間隔Hを形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポンプケース内で羽根車を回転させ液体等を吸い込み送出する加圧遠心ポンプに関する。
従来、水又は油,エアー等の流体を吸い込み加圧して送出する加圧遠心ポンプは、本願出願人の提案に係わる特許文献1で示されるように既に公知である。
この加圧遠心ポンプは、吸込口と送出口を有するドラム状のケース内で、側面に羽根を放射状に突設した羽根車に、吸込口側から送出口側に向けて収束した加圧室を形成する加圧面と、羽根の側面に近接して羽根室内の流体の漏出を防止する加圧仕切り壁を形成した加圧部を対向させ、吸込口から吸い込んだ流体を羽根車と加圧部で形成されるポンプ室内で加圧し送出口から送出する。
特開2004−60470号公報
上記特許文献1で示される加圧遠心ポンプは、羽根板の側面にボス部から放射状に突設する羽根に羽根前傾角(掻込角)を設けているので、先行する羽根外側端が加圧室側から羽根室内への流体の掻き込みを促進する利点がある。然し、羽根前傾角を有し平坦状面で形成される羽根は、羽根室内に掻き込んだ流体の側方への漏出移動を自由にして加圧するので、羽根車の側面と加圧室の境界に激しい乱流を生ずる欠点がある。また羽根室は隣接する羽根の羽根前面と羽根背面を羽根板側の平坦な羽根谷面で接続しているので、羽根前面で掬い込まれ羽根室中心に渦流を形成しようとする流体が、羽根基部のコーナー部で乱流を生じポンプ効率を損なう欠点がある。
また羽根車は各羽根が羽根板の直径と同径にして突設されるので、該羽根板の外周面をポンプケースの内周壁に対し近接させ、羽根板の裏側に漏出しようとする流体を規制する例えば0.3ミリ程度の流体規制間隔を形成するとき、羽根先端も該流体規制間隔と同じ間隙を形成することになる。
従って、上記のように構成されるポンプは、流体中に例えば0.3ミリ程度以上の異物が混入した場合に、該異物は羽根に沿って先端側に移動し、内周壁に激しく接当したり流体規制間隔内で噛み込まれて移動するため、内周壁や送出口縁及び羽根等が損傷を受け易い欠点がある。また内周壁との小さな隙間で流体を移動させるので、羽根先端で生ずる激しいキャビテーション及び水切り音等の大きな騒音、並びにポンプ効率を低下させる等の問題がある。
上記従来の問題点を解消するために本発明による加圧遠心ポンプは、第1に、吸込口2と送出口3を有するドラム状のケース4内で、羽根板14の側面でボス部15から複数の羽根12を回転方向に後退角を有し放射状に突出した羽根車5に、羽根12に対向し吸込口2側から送出口3側に向けて収束する加圧室24を形成する加圧面27と、羽根12の側面に近接し羽根室16内の流体の漏出を防止する加圧仕切り壁25を有する加圧部22を対設してポンプ室9を形成する加圧遠心ポンプにおいて、羽根12の先端を羽根板14の外周から中心方向に段差36を設けて低く形成し、ケース4の内周壁11に羽根板14の外周を近接させて、羽根裏側への流体の移動を規制する流体規制間隔hを形成すると共に、内周壁11と羽根12の先端との間に、流体中の異物の通過を促がす流体通過間隔Hを形成することを特徴としている。
第2に、羽根板14に所定の隣接間隔を有して突設される羽根12によって形成される羽根室16を、回転方向上手側に向けて湾曲する半円弧状の羽根前面33と、該羽根前面33の形状に略沿う曲面からなる羽根背面35と、隣接する羽根12の羽根前面33と羽根背面35とを接続し羽根板14側に向けて湾曲する半円弧状の羽根谷面37とから形成することを特徴としている。
第3に、羽根室16の谷深さを底部側から先端側に向けて徐々に深く形成することを特徴としている。
第4に、羽根室16の谷深さを、底部側から先端側中途部に向けて徐々に深く形成し、中途部から先端側の谷深さ略一定に形成することを特徴としている。
第5に、吸込口2に連なる加圧面27の始端側に、羽根車5の側面に略平行する加圧案内面27bを形成することを特徴としている。
上記のように構成した本発明の加圧遠心ポンプは次のような効果を奏する。
羽根の先端を羽根板の外周から内側に段差を設けて低く形成することにより、羽根板の外周面を内周壁にできるだけ近接させることができ、流体規制間隔から流体の裏側への移動を規制しポンプ効率を向上させることができる。また内周壁と羽根の先端との間に形成される流体通過間隔から、流体中に混入する異物の通過を促すと共に、騒音の発生を低減することができる。
回転に伴い吸込口から供給される流体を、羽根前面の形状に沿って羽根室内に掬い入れるように導入し、且つ加圧面を介し加圧室から順次導入される流体を、羽根前面及び羽根谷面に沿わせ羽根室に渦流をスムーズに形成し送出口に至らせるので、羽根の遠心力とキック作用によってポンプ圧力を高めて勢いよく放出することができる。
流体を羽根室内の底部側から先端側に羽根前面及び羽根谷面に沿わせ、乱流の発生を防止し整然とした渦流を形成し羽根室圧力を上昇させる。そして、流体が送出口に至り羽根による遠心力とキック作用によって先端から放出される際に、羽根室の底部から送出口に向かう旋回流を整然と形成するので、流体を送出口から勢いよく送出することができる。
羽根室の谷深さを、底部側から先端側中途部に向けて徐々に深く形成し、中途部から先端側の谷深さ略一定に形成することにより、送出口に対し羽根室の底部側の谷深さを浅くすることなく谷面傾斜を形成し、流体を送出口に確実に指向させることができる。
吸込口から供給される流体を加圧案内面を介し羽根車側に指向させ、流体を吸い込み初期から羽根車に沿って平行状に案内するので、羽根車の吸い込みに対応した流体の供給を負圧の発生を防止して行うことができ、ポンプ効率を上げることができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1,図4において符号1は加圧遠心型のポンプであり、吸込口2と送出口3を有したドラム型のケース4と、該ケース4内で回転可能に軸支される羽根車5とからなり、必要によりケース4内にエアー等の気体を供給する気体供給部6が設置される。
このポンプ1は、羽根車5を備えたポンプ軸7の一側を原動機側から駆動し、羽根車5を図1で示す矢印方向に回転させ、水,油等の任意な流体と、エアー,ガス等任意な気体或いは薬剤等の粉体類を、吸込口2側からケース4内のポンプ室9に吸い込み、流体中に上記気体等を攪拌混合しながら加圧付勢し送出口3から送出する。
以下各部の詳細な構成及び作用等について詳述する。尚、この実施形態では流体は水とし、混入する気体はエアーとして説明する。また図示例のケース4は、吸込口2を有する加圧ケース4aと、送出口3を有する羽根車ケース4bとを左右一対とし、分解可能に接合し気密状のポンプ室9を構成している。
分割形成される。
上記羽根車ケース4bは、羽根車5と後述する加圧ケース4aの加圧部22を内嵌する椀型に形成し、円筒状の内周壁11に送出口3を、羽根車5の側面に突出形成される複数枚の羽根12に跨がる所定長さで、羽根巾に対向する送出位置に穿設している。また送出口3には流体の送出方向に湾曲した送出管13が一体的に接続される。
また羽根車ケース4bは、内周壁11の他方にポンプ軸7をポンプ室9の中心部に軸支する支持部を一体的に設けている。
ポンプ軸7はポンプ室9内の軸端に、複数の羽根12を突設した羽根車5を、取付ネジ及びナット等によって分解可能に取付固定している。そして、羽根車5は羽根12を突設する羽根板14の他側面を羽根車ケース4bの側壁に接近させ、且つ羽根12を内周壁11に対し図8で後述する流体通過間隔Hを有して設けられる。
図2で示すように羽根車5は、羽根側壁となる円盤状の羽根板14の中心部から、ポンプ軸7への取付け部を兼ねる円筒状のボス部15が一体的に形成される。また羽根車5はボス部15及び羽根12の側端を略同高さに形成し、羽根車ケース4bに装着した際に、ボス部15の端面は加圧ケース4aの中心部に形成した、後述する平坦面状の加圧仕切り壁25の端面と近接させている。
これにより羽根車5は、羽根板14とボス部15から各羽根12を所定間隔を有して放射状に突出させ、各隣接する羽根12と羽根板14とボス部15で形成される空間部を流体を内包させる羽根室16にしている。そして、羽根室16は図7〜図11で後述するように羽根12を形成することにより、ポンプ効率を向上させるようにしている。
次に加圧ケース4aについて図3〜図6を参照し説明する。加圧ケース4aは、吸込管19を有するケース蓋部21と加圧部22とを一体的に形成しており、羽根車5を組付けた状態の羽根車ケース4bの内周壁11開口部に加圧部22を嵌挿し、加圧ケース4aと羽根車ケース4bをボルトで固定し、ケース4を閉鎖状に構成することができる。これにより加圧部22と羽根車5との間に、吸込口2から込んだ流体を羽根車5を介して加圧し送出口3から送出するポンプ室(加圧室)9を形成する。
上記ポンプ室9は図3で示すように、流体の吸い込みを促進させる吸込室23と、これに連通し流体の加圧を行う加圧室24とからなる。また加圧室24の終端と吸込口2との間には、複数の羽根12の側面に近接し羽根室16内の流体漏出を規制する加圧仕切り壁25が、中心仕切壁26から面一な平坦面状に形成される。
これにより羽根車5のボス部15の端面に対向する中心仕切壁26周りに、吸込室23と加圧室24及び加圧仕切り壁25が一連に形成される。
また吸込口2側から加圧仕切り壁25に至る範囲に滑らかな傾斜面で形成される加圧面27は、吸込室23側から羽根12に徐々に近接する加圧室24を収束状に形成する。これにより吸込口2からポンプ室9内に吸い込まれる流体は、羽根車5の回転によって順次各羽根室16内に掻き込み保持された状態で、長い通路の加圧室24を介し複数の羽根12によって徐々に加圧される。
前記加圧面27は加圧仕切り壁25の始端部に位置する加圧終了点29まで形成され、吸込室23から下手側に移動する流体を加圧面27の傾斜に沿わせ羽根室16内に加圧誘導する。またポンプ室9内で流体に急激な圧力変動を生じさせることなく加圧し、加圧終了点29部分において最高圧力に加圧された流体を送出口3から効率よく押し出すことができる。
また図3〜図6で示すように本実施形態の加圧面27は、加圧終了点29の上手側で送出口3の始端部に対向する近傍位置に、加圧流体の流れを羽根室16に向けて変向を促進させる変向加圧面31を段部状に形成し、該変向加圧面31と加圧終了点29の間に第2加圧面27aを形成している。
上記変向加圧面31は加圧終了点29の上手側で送出口3の始端部の下手側近傍から形成することが望ましく、加圧室24内の流体を第2加圧面27aの直前から羽根室16を介して送出口3側に変向させる。これによりポンプ室9内で送出口3が位置する部位で、流体の加圧を促進し送出に伴う圧力低下を防止する。
この構成により、流体は収束する加圧室24内で羽根12に掻き回されながら加圧面27に沿って順次加圧され激しい渦流を形成するが、エアーを混入するポンプの場合に、混入エアーは加圧された渦流中で気泡の微細化が促進される。そして、下手側に移行する流体及びエアー気泡は、変向加圧面31の形状によって加圧面27の中途部で衝撃的な接当抵抗を生じないで羽根室16内に変向移行され、エアー気泡の加圧排出も速やかに行うことがでる。尚、ポンプ室9内へのエアー等気体の供給は、従来のものと同様な構成からなる気体供給装置6によって、吸込口2内の流体中に気体を混入することができる。
また実施形態のポンプ1の吸込室23は図3に点線で示すように、吸込口2に連なる加圧面27の始端側に、羽根車5の側面に略平行する加圧案内面27bを形成している。これにより後述する羽根室16の形状改良に伴う吸い込み能力に対応し、吸込室23内で流体の負圧を生じさせることなく、吸込口2から流体の供給を促進し吸い込み性能を向上させることができる。
即ち、加圧案内面27bは図3の実線で示す加圧面27の始端部から形成された従来の形状からなる傾斜面に対し、吸込口2の終端を絞るように滑らかに突出形成したコーナ部の曲面から、羽根車5の羽根12側面に略平行する平坦面となし加圧面27の傾斜面に連ならせている。
これによりポンプ1は吸込口2から供給される流体を加圧案内面27bの始端コーナ部を介し羽根車5側に勢いよく指向させ、且つ加圧案内面27bによって流体を吸い込み初期から羽根車5側に案内することができる。そして、羽根車5の吸い込みに対応した流体の供給を、吸込室23の始端側で負圧の発生を防止することができるので、従来のものよりポンプ効率を上げることができると共に、キャビテーションを抑制し静穏性の高いポンプにすることができる。
一方、羽根車ケース4bに形成される送出口3は、加圧室24の終端部側で第2加圧面27a及び加圧仕切り壁25に対向する部位で、羽根車ケース4bの内周壁11に羽根巾に対向させ長孔形状で開口される。また送出口3の長さ方向の中途部には、流体の送出案内を行う板状のガイド部材32が所定の流体誘導角を有して設置される。
次に上記羽根車5の羽根12及び羽根室16の構成について説明する。図1,図7,図8で示すように、羽根12は円盤状の羽根板14の一側面にボス部15から羽根車回転方向上手側(以下単に上手側という)に向けて放射方向に突設され、正面視で羽根片を長さの中途部から滑らかに屈曲し後退傾斜させている。
この羽根形状により、羽根車5は回転に伴い吸込口2から流体を掻き込み、且つ羽根室16内で流体を保持する。そして、各羽根12は送出口3部位に至るとき、羽根室16内の流体を後退傾斜させた羽根形状によって遠心力を加えながら、あたかもキックさせるように押し出し付勢し遠心方向への流圧を高める。
さらに、図7,図8に示すように羽根車5は、羽根12の先端回転奇跡の直径を羽根板14の直径より小径にし、両者がなす内周壁11との間隙を異ならせること、及び隣接する羽根12間で形成される羽根室16を、平面視で円形又は楕円形の形状をなすように形成することによって、ポンプ効率を向上させると共に、静音性の改善及び羽根耐久性の向上を図っている。
即ち、図示例のポンプ1の羽根12は、例えば羽根板14の外周直径が125ミリで且つ直径55ミリのボス部15に、先端板厚が3ミリ程度となる羽根12を12枚分だけ等間隔に立設した場合に、隣接する羽根12と羽根12との基部間隔を略10ミリ程度としている。また各羽根12は基部間隔を狭くしないように羽根基部側の屈曲を規制することにより、羽根室16の流体収容量を大きくし基部側の流体の流入を妨げないようにしている。
さらに羽根12は図9で示すように、羽根外側端の厚さ内に、円弧面で形成される羽根前面33側から前記加圧仕切り壁25に平行状に近接する平坦面5aと、羽根背面35に至る面取り状の傾斜面5bを形成している。平坦面5aの巾は例えば、羽根12の板厚が3ミリ程度である場合に、1ミリ程度として傾斜面5bを形成することが望ましく、該傾斜面5bは羽根前面33の形状に略沿う形状の羽根背面35を湾曲させて形成することもできる。尚、羽根12は必要により、チタン等の耐磨耗性材,表面滑動性部材による表面処理が行われる。
そして、図示例のポンプ1の羽根車5は、羽根先端の回転直径を羽根板14の直径より数ミリ程度小さくするように、各羽根12の先端を羽根板14の外周から中心方向に段差36を設けて低く形成している。この段差36は清水(通常の水)用のポンプである場合に、内周壁11の筒状面と羽根板14の外周とにより形成される0.05ミリ程度の流体規制間隔hに対し、上記内周壁11と羽根12の先端とがなす流体通過間隔Hは0.35ミリ程度に設定することが望ましい。
これによりポンプ1は、羽根板14の外周をできるだけ内周壁11に近接させながら、段差36によって羽根12の先端と内周壁11の間に流体通過間隔Hを形成することができ、ポンプ室9内の圧力によって流体規制間隔hから漏出しようとする流体の漏れ出しを規制し圧力損出を抑制することができる。
また流体規制間隔hより大きく形成した流体通過間隔Hは、流体中に混入した砂等の鉱物や有機物等の0.3ミリ程度の小さい粒体(異物)を流体通過間隔Hを介して簡単に通過させることができる。
従って、従来のもののように異物を内周壁11に激しく接当させたり、また羽根先端と送出口3の開口端との間で異物を噛み込み又は噛んだ状態で回転する等の不具合を解消することができる。これにより羽根車5は流体通過間隔Hを介しポンプ室9内での異物の持ち回し移動をスムーズに行い、内周壁11及び羽根12等の損傷を防止し送出口3から排出することができ、また流体通過間隔Hは異物を通過させる程度の隙間にしているので、ポンプ効率を大きく損なうことがない等の特徴がある。このような機能を発揮させれば段差36は必ずしも厳密な意味で「段差」である必要はない。
また高速回転をする羽根12は段差36を介して低く形成した流体通過間隔Hによって、全周に多量の流体を収容してスムーズに移動させ送出口3から送出することができる。このとき先端と内周壁11との間で生じ易いキャビテーションを抑制し、また内周壁11との大きな隙間で流体を移動させるので、羽根先端の水切り音等の騒音を同時に低減することができる。
尚、上記流体通過間隔Hは清水ポンプの他に大粒の異物を流体と共に送るポンプの場合には、該異物の大きさに対応した隙間にすることができる。
次に図7〜図11を参照し、本実施形態の羽根12及び羽根室16について説明する。羽根板14に所定の羽根ピッチと羽根幅を有して突設される各羽根12は、その前面に回転方向上手側(上流側)に向けて湾曲する半円弧状の羽根前面33と、背面に該羽根前面33の形状に略沿う曲面からなる羽根背面35と、隣接する羽根12の羽根前面33と羽根背面35とを滑らかに接続し羽根板14側に向けて湾曲する半円弧の羽根谷面37とからなる。
そして、羽根前面33と羽根背面35と羽根谷面37を一連に形成してなる羽根室16は、送出口3の開口幅と略等しい羽根先端幅から底部に至るに従い、羽根12の幅(突出代)を徐々に短くすることにより、羽根室16の谷深さを底部側から先端側に向けて徐々に深くなるように形成している。また図9,図10,図11で示すように、羽根室16の各位置における断面形状を略等しい相似形となるように形成している。
上記構成による羽根車5は、回転に伴い吸込口2から供給される流体を羽根前面33の形状に沿って羽根室16内に掬い入れるように導入する。そして、加圧面27を介し加圧室24から順次導入される流体によって、図9に矢印で示すように羽根前面33及び羽根谷面37に沿って羽根室断面の中心部周りの渦流を、乱流の発生を防止し整然と加速的に形成し羽根室圧力を上昇させることができる。
次いで羽根室16内で加圧された流体は送出口3に至ると、羽根12による遠心力とキック作用によって先端から放出される際に、羽根室16の谷深さを底部側から先端側に向けて徐々に深くなるように形成しているので、羽根室16の底部から送出口3に向かう旋回流を整然と形成することができ、加圧エネルギを高めた状態で送出口3から勢いよくスムーズに送出する。
また上記のように形成される羽根12は、外側端を薄肉で先鋭にすることなく平坦面5aによって厚肉にすることができ、また基部側は羽根谷面37の湾曲によって肉厚になるので、強度及び耐久性を備え加圧仕切り壁25に近接させることができる。これにより、羽根12の外側端を加圧仕切り壁25に近接でき、両者の間から流体及び気泡等の漏出を抑制する。またこの間隙から少量ながら勢いよく流出する流体は、次位の羽根室16内に流入し傾斜面5b及び羽根背面35に沿って渦流を形成しながら羽根前面33で掬われるので、大きな乱流を生じさせることなく加圧を促進させる。
また図7に点線で示すように羽根背面35と羽根前面33を前記実線で示す曲面より大きな湾曲面で一連に接続形成することができる。この場合も段差36は羽根室16の谷部に対する接線上に形成することが望ましいものである。
また図8で示すように、羽根室16の谷面に底部から先端部側に傾斜状に形成される谷面傾斜は、図示例のものに限定されることなく、谷長さの略2分の1あたりの中途部から先端部側を送出口3に向けて傾斜させない構成にすることもできる。
この場合には、羽根車ケース4bの所定位置に設置される任意口径の送出口3に対し、羽根室16の底部側の谷深さを浅くすることなく谷面傾斜を形成し流体を送出口3に確実に指向させることができる。従って、ポンプ1の用途に対応させて上記のような羽根室16を選択することにより、多様なポンプ仕様に簡単に適応させることができる等の利点がある。
以上のように構成されるポンプ1は羽根車5が回転駆動されると、各羽根12が吸込口2から吸込室23を介して流体を羽根室16内に掻き込み吸い込むと共に、各羽根室16に収容した流体をポンプ室9内を持ち回り送出口3に連続的に至らせ送出管13から送出する。
このとき羽根車5は羽根12の先端を羽根板14の外周から内側に段差36を設けて低く形成しているので、流体中に混入する異物を内周壁11と羽根12の先端との間に大きく形成される流通過間隔Hを介し、周方向に逃がすように通過を促し内周壁11に対する異物の接当を緩衝する。また羽根12の先端による異物の齧り移動が防止されるので、耐久性に優れたポンプにすることができ、且つ流体通過間隔Hによって羽根先端で生ずるキャビテーションや水切り音等も低減することができる。
そして、羽根車5は流体通過間隔Hを確保した状態で流体規制間隔hを許容加工精度の略限界まで小さくすることができるので、加圧室24内の流体圧力を高めた場合でも、羽根板14の裏側への流体の移動を規制しポンプ効率を向上させることができる等の利点がある。
この際、加圧室24内の流体と用途によって混入されるエアーは、加圧面27に沿って加圧されながら、羽根12によって微細気泡化され流体通過間隔H内で均一に分散され加圧仕切り壁25に至り、最加圧状態になって送出口3から羽根12の回転による押し出し力と遠心力が付加されてスムーズに送り出される。
これによりエアー混入流体による洗浄処理や曝気作用を伴うような浄水処理他各種の処理を高性能に行うことができる。尚、ポンプ1に混入する気体はエアーに限定することなく各種のガス体や粉粒体を混入することができる。また薬液や消火液,養液等の任意な液体を供給混入することもでき、利便性を高めポンプ用途を拡大することができる。
本発明の加圧遠心ポンプを一部破断して示す左側面図である。 図1のポンプ室内の構成を示す断面図である。 図1のポンプ室の構成を展開して示す展開断面図である。 加圧ケースの構成を示す正面図である。 図4のA−A線断面図である。 図4のB−B線断面図である。 羽根車の部分正面図である。 図7の羽根車の構成を示す側断面図である。 図7の羽根車の羽根及び羽根室の形状を示す平面図である。 図7のA−A線断面図である。 図7のB−B線断面図である。
符号の説明
1 ポンプ(加圧遠心ポンプ)
2 吸込口
3 送出口
4 ケース
4a 加圧ケース
4b 羽根車ケース
5 羽根車
11 内周壁
14 羽根板
15 ボス部
12 羽根
24 加圧室
27 加圧面
16 羽根室
22 加圧部
33 羽根前面
35 羽根背面
36 段差
37 羽根谷面
H 流体通過間隔
h 流体規制間隔
27b 加圧案内面

Claims (5)

  1. 吸込口(2)と送出口(3)を有するドラム状のケース(4)内で、羽根板(14)の側面でボス部(15)から複数の羽根(12)を回転方向に後退角を有し放射状に突出した羽根車(5)に、羽根(12)に対向し吸込口(2)側から送出口(3)側に向けて収束する加圧室(24)を形成する加圧面(27)と、羽根(12)の側面に近接し羽根室(16)内の流体の漏出を防止する加圧仕切り壁(25)を有する加圧部(22)を対設してポンプ室(9)を形成する加圧遠心ポンプにおいて、羽根(12)の先端を羽根板(14)の外周から中心方向に段差(36)を設けて低く形成し、ケース(4)の内周壁(11)に羽根板(14)の外周を近接させて、羽根裏側への流体の移動を規制する流体規制間隔(h)を形成すると共に、内周壁(11)と羽根(12)の先端との間に、流体中の異物の通過を促がす流体通過間隔(H)を形成する加圧遠心ポンプ。
  2. 羽根板(14)に所定の隣接間隔を有して突設される羽根(12)によって形成される羽根室(16)を、回転方向上手側に向けて湾曲する半円弧状の羽根前面(33)と、該羽根前面(33)の形状に略沿う曲面からなる羽根背面(35)と、隣接する羽根(12)の羽根前面(33)と羽根背面(35)とを接続し羽根板(14)側に向けて湾曲する半円弧状の羽根谷面(37)とから形成する請求項1の加圧遠心ポンプ。
  3. 羽根室(16)の谷深さを底部側から先端側に向けて徐々に深く形成する請求項1又は2の加圧遠心ポンプ。
  4. 羽根室(16)の谷深さを、底部側から先端側中途部に向けて徐々に深く形成し、中途部から先端側の谷深さ略一定に形成する請求項1又は2又は3の加圧遠心ポンプ。
  5. 吸込口(2)に連なる加圧面(27)の始端側に、羽根車(5)の側面に略平行する加圧案内面(27b)を形成する請求項1又は2又は3又は4の加圧遠心ポンプ。
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