JP5342639B2 - 遠心ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプ室内で羽根車を回転させ気体や液体等の流体を吸込み吐出する遠心ポンプに関する。
従来、水や油並びにエアー等の流体を吸込みポンプ室内で加圧して吐出するほか、液体中に吸込口側から供給される空気等を混合して吐出する加圧遠心ポンプは、特許文献1で示されるように既に公知である。
この加圧遠心ポンプは、吸込口と吐出口を有するポンプ室内で、羽根板の側面に羽根を放射状に突設した羽根車に、吸込口側から吐出口側に向けて近接するように傾斜させた加圧面(溝面)と、羽根の側面に近接して羽根室内の流体の漏出を防止する加圧仕切り壁(仕切壁)とを有する流路部(流路溝)を対向させている。これにより流体を羽根車と流路溝によって収束状に形成されるポンプ室内で加圧し吐出口から吐出する。そして、吸込口側に空気等をポンプ室内に供給する気体供給装置(混合供給部)を設置している。
特開2005−290999号公報
上記特許文献1で示される加圧遠心ポンプによれば、吐出口に向けて断面積を徐々に小さくしたポンプ室内で、流体は流路溝と各羽根室との間で羽根方向渦流となり吐出口側に運ばれる間に羽根の作用を何度も受ける。これにより流体は、在来の遠心ポンプや再生ポンプに比べ大きく昇圧される。また空気のように圧縮可能な流体(圧縮流体)を送る場合には、多段ポンプのように高い圧力で吐出させることができる。
然し、水や粘度の高い流体(非圧縮流体)を送る場合に、上記加圧遠心ポンプでは、吐出口及び吐出管部分においてキャビテーションや騒音の発生、並びにケース部の部分昇温が認められた。このことはポンプ室を吐出口側に向けて先細り状に狭めているため、前記羽根方向渦流が吐出口に至る収束流路によって、渦の形状が崩れたり渦が急速に小さくなることから、渦流運動が縮小するため圧力低下を生ずること、及びポンプの運転負荷も大きくなるものである。
さらに、回転する羽根の先端に対向する吐出口は、ポンプケースの周方向に羽根幅と同じ横幅によって長方形で開口し吐出管を接続している。このため、長方形の断面形状及びそのコーナ部が抵抗になり、流体自身が有する渦を弱め流圧を低下させる。
また吐出管の形状は、吐出口から流出方向に向けて大きく屈曲させているため、管路抵抗の差異によって流体中に速度差を生じ運動エネルギが損失すると共に、例えば水に空気を混合する場合に、気泡が屈曲部の内壁側に偏って流出する欠点がある。
従って、水等の液体に対し吸込口側から空気を混入したとき、吐出口近傍において乱流によって生ずる騒音の発生が著しく、またポンプ室中で均一的に混合された空気が吐出管の屈曲部で分離した状態で流出される等の課題がある。
本発明による遠心ポンプは係る課題を解決するために、第1に、複数の羽根21を羽根板23の側面に回転中心から放射状に突設した羽根車5を、羽根車室18内に回転自在に軸支した羽根車ケース4aと、羽根車5の羽根21に対向する仕切壁27と流路溝6を形成した流路ケース4bとを対設することにより、流路溝6と羽根車5と羽根車ケース4aとの間に流体を流通回転させるポンプ室9を形成し、上記仕切壁27の両側に、流体をポンプ室9内に供給する吸込口2と、ポンプ室9内の流体を流出させる吐出口3とを設けた遠心ポンプ1において、前記流路溝6を、吸込口2側から吐出口3側に至る溝面36の深さが、徐々に深くなるように形成するか、或いは略一定の深さで形成し、前記吐出口3の内径を、流路溝6の流路溝吐出口6aの深さと羽根21の断面高さとを合わせたポンプ室吐出幅Lと等しくするか、或いは該ポンプ室吐出幅Lよりも大きくすることにより、該吐出口3を上記ポンプ室吐出幅Lの全てを含む内径に形成し、前記流路溝6を円弧状方向に形成し、前記吐出口3を上記流路溝6の接線方向に形成したことを特徴とすることを特徴としている。
第2に、前記流路溝6における吸込口2側から吐出口3側に至る範囲の溝面36の断面形状を、円弧状に湾曲した形状に成形したことを特徴としている。
第3に、羽根車5を、羽根21の先端を羽根板23の外周から突出させて形成することを特徴としている。
第4に、前記流路溝6の溝面36の溝谷部に平坦面を形成し、該溝面36を、上記平坦面の幅が流路溝6の下流側に向かって次第に狭くなるように形成したことを特徴としている。
第5に、吸込口2には、ポンプ室9の流体の流通方向に沿わせて流体を供給する吸込流路2aを形成し、該吸込口流路2aは、羽根車5の回転方向に向かって鋭角に前傾する吸込角αを有し、該吸込口流路2aからの流体の供給方向が、羽根車5の羽根車軸8の軸方向視で、前記吐出口3からの流体の吐出方向に対して交差するように、該吸込口流路2aを、該羽根車軸8の軸方向視で流路溝6の接線方向に形成したことを特徴としている。
上記構成によれば、吐出口を流路溝の流路溝吐出口の深さと羽根の幅とを合わせたポンプ室吐出幅と略等しい大きさに形成したことにより、吐出口はポンプ室終端で流路溝の流路溝吐出口と羽根に跨って開口されるため、ポンプ室の流路溝側と羽根室側から流出される流体を、そのまま吐出口から吐出管に向けて直接的に吐出することができるので、流体吐出時の抵抗を少なくした状態で流体を吐出管側に向けてスムーズに流出させることができる。また吐出抵抗を抑制し水の吐出を速やかに行うことができるため、吸込口から多量の水をスムーズに吸込むことが容易になり、ポンプ室内の水の流通を促進しポンプ効率を向上させることができる。
また、流路溝を、吸込口2側から吐出口側に至る溝面の深さを、徐々に深くなるように形成するか、或いは略一定の深さで形成するものによれば、ポンプ室の吐出口側の断面を従来のもののように狭くさせないため、羽根車によって吸込まれて加速される流体に、溝面による大きな絞り抵抗を生じさせることなく、吐出口側への流通をスムーズに行わせることができる。また吸込口側から吐出口側に至る溝面を徐々に深くなるように形成した流路溝は、吐出口側に至るに従いポンプ室の断面を大きくするので、絞り抵抗を減少させ且つ羽根車の遠心力により加速されていく流体の回転渦流の生成を効率よく増大させることができる。
また、流路溝における吸込口側から吐出口側に至る間を円弧状に湾曲させた断面よりなる溝面によって形成するものによれば、羽根室から遠心方向に流出する流体を、円弧状に湾曲させた溝面によってコーナ渦を生じさせることなく滑らかに回転移動させ、流路溝内に羽根方向渦流を形成して羽根車のトルクを流体にスムーズに伝えることができる。またポンプ室の横断面形状を、全体として円形状又は楕円形状に形成することができるので、羽根車で加速される回転渦流れを増幅させながら吐出させることができる。従って、キャビテーションや騒音等を抑制することができる。
さらに、羽根の先端が羽根板の外周から突出するように羽根車を形成したものによれば、羽根板を大径にすることなく羽根を長くすることができ、羽根車の軽量化を図ることができる。また長く突出させる羽根は、水を遠心方向に強く押し出すとともに羽根外周側でも回転方向への強力な押し出しを行うことができ、羽根先端を所望の形状に容易に加工することができる利点がある。
なお、ポンプ室の外側内面の断面形状を、流路溝と羽根先端の形状に沿う羽根車室の羽根対向面とにより、半円状の湾曲面に形成するものによれば、円形又は楕円形をなす湾曲面に形成することにより、ポンプ室の断面形状を円形又は楕円形状にすることができるので、流体をポンプ室内でコーナ渦の発生を抑制しながら、羽根による遠心方向の回転渦流の生成をスムーズにさせることができる。
また、羽根車における隣接する羽根間の溝内面である羽根板面を、円弧状に湾曲させて形成するものによれば、羽根板面を湾曲面からなる流路溝に連ならせてポンプ室の断面形状を円形又は楕円形状にするので、流体をポンプ室内でコーナ渦の発生を防止しながら遠心方向の流出をスムーズにさせることができる。
また、吸込口に、羽根車に対し流体の流通方向に沿わせて流体を供給するように羽根車の回転方向に向かって鋭角に前傾する吸込角を有する吸込口流路を形成するものによれば、流体をポンプ室内に流通方向に沿うようにスムーズに供給することができる。また吸込口流路に接続する吸込接続管を、吸込角による配管角度によって流路ケース側に沿わせて設けることができるので、ポンプのコンパクト化を図ることができる。
本発明に関わる遠心ポンプの正面図である。 図1のA−A線断面図である。 遠心ポンプの分解斜視図である。 ポンプ室の構成を展開して示す展開断面図である。 流路ケースの構造を示す正面図である。 図5のA−A線断面図である。 図5のB−B線断面図である。 図5のC−C線断面図である。 図5のD−D線断面図である。 図5のE−E線断面図である。 羽根車の正面図である。 羽根車の側面図である。 図11のA−A線断面図である。 羽根車の作用を示す斜視図である。 別実施形態に関わる流路溝を備えた遠心ポンプの断面図である。 別実施形態に関わる流路溝を備えた流路ケースの構造を示す正面図である。 図16のA−A線断面図である。 図16のB−B線断面図である。 本発明を適用した遠心ポンプ1と、従来公知の遠心ポンプとを性能比較する実験の際に用いる実験装置の説明図である。 第1ポンプの実験結果を示すものであって、流体圧力に対する吐出量の一覧表である。 第2ポンプの実験結果を示すものであって、流体圧力に対する吐出量の一覧表である。 第3ポンプの実験結果を示すものであって、流体圧力に対する吐出量の一覧表である。 加圧遠心ポンプの実験結果を示すものであって、流体圧力に対する吐出量の一覧表である。 第1〜3のポンプ及び加圧遠心ポンプのそれぞれに関する流体圧力−吐出量の特性グラフである。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1,図2において符号1は遠心型のポンプであり、このポンプ(遠心ポンプ)1は、吸込口2と吐出口3を有するドラム型のケース4を、羽根車5を回転自在に軸支する羽根車ケース4aと、羽根車5に対向する流路溝6を形成した流路ケース(ポンプカバー)4bとを対設して構成される。また必要により上記吸込口2側には、ケース4内に空気やガス等の気体又は粘性状流体或いは粉体等の混合物を混合供給する混合供給部7が設置される。
上記ポンプ1は、羽根車ケース4aに軸支される羽根車軸8の軸側を、原動機側から駆動して羽根車5を図1,図4,図14の矢印方向に回転させることができる。これにより吸込口2から水,油等の流体を吸込むと共に、混合供給部7から供給される混合物を、ケース4内に形成されるポンプ室9に同時に吸い込むことができる。これによりポンプ1は、吸込口2から供給される流体中に混合物を均一に攪拌混合しながら、吐出口3から混合流体として吐出することができる。
図示例のケース4は、吐出口3が形成される羽根車ケース4aと吸込口2が形成される流路ケース4bとを、両者の接合部或いは対向部にリング状のシール部材11を設けて、外周の複数箇所をボルト等の固定具12で締着することにより、吸込口2と吐出口3に通ずる気密構造のポンプ室9を形成している。
以下各部の詳細な構成及び作用について説明する。尚、この実施形態で使用する流体は水とし、混入する流体はエアーとして説明する。
羽根車ケース4aは、円筒状の内部に円形の皿状面で形成される側壁14の外周に、羽根車5と流路ケース4bの流路本体部16を内嵌する巾の周壁17を一体的に設け、図2,図3で示す形状の羽根車室18を形成している。
上記周壁17は、羽根車5と流路本体部16とに対向する位置にポンプ室9の終端(下流側)に通ずる吐出口3を設けている。この吐出口3には、流体の吐出方向に向けて吐出管3aを設けており、該吐出管3aには流体の流出を誘導する流体誘導パイプ3bが接続される。
また羽根車ケース4aは、羽根車軸8を回転可能に軸支する支持部19を、側壁14の他側に一体的に形成している。そして、支持部19に軸支される羽根車軸8は、羽根車室18内に突出する軸端に、複数の羽根21を有する羽根車5をナット等の取付手段22によって着脱自在に取付けている。
これにより羽根車5は、羽根21をポンプ室9側に向けてフランジ状に突設する円盤状の羽根板23を側壁14に接近させ、且つ周壁17に対し羽根21と羽根板23の外周を小隙を有して軸支される。
羽根車5は図3,図4,図11〜図14で示すように、円盤状の羽根板23に形成する複数の羽根21を、羽根板23の中心部で羽根車軸8を挿入する円筒状のボス部24の外周に所定間隔を有して放射状に突出している。これにより隣接する羽根21と羽根板23及びボス部24とで形成される谷状空間部を、流体を収容する羽根室26にしている。また羽根車5は、各羽根21とボス部24の側端を同一平面に形成しており、羽根車ケース4aに装着した際に、ボス部24の端面を流路ケース4bの中心部から半径方向に形成される仕切壁27及びその仕切壁基部27aの側面に平面接触させている。
さらに、羽根21は羽根先端21eを羽根板23の外周から突出する長さにしており、羽根先端21eの形状を羽根板23側から側端に向けて順次径大となるように半円弧状に形成している。また各羽根21は、半径方向に沿う羽根面21aを全体として羽根回転方向上手側(流体の流通方向上流側)に向けた後退角を有して傾斜させ、且つ羽根面21aの中途部からさらに大きな後退角を有して傾斜させている。
上記のように、羽根21の先端部を羽根板23の外周から突出させる羽根車5は、羽根21を長くしながら羽根板23を小径にすることができ、羽根車5の軽量化を図ることができる。また長く突出させる羽根21は、水を遠心方向に強く押し出すことができると共に、羽根先端21eを所望の形状に加工することができる等の特徴がある。
また隣接する羽根21は図4で示すように、各羽根面を滑らかな円弧面で連ならせた断面形状にすることにより羽根室26を形成している。即ち、羽根室26は、羽根車5の回転方向上手側(以下単に上手側と言う)の羽根21の羽根面21aと、隣接する下手側の羽根21の羽根裏面21bと、両者間で羽根板23側に形成される羽根板面21cとを滑らかな湾曲面で連ならせている。また羽根21の外側端面(板厚端)21dは羽根面21aの凹面部から掬い角θを有して先行させている。そして、羽根21の肉厚は、基端部側を厚くし先端部側に至るほど薄くし、羽根耐久性を保持しながら羽根室26の容積を大きくしている。
これにより羽根車5は回転に伴い、各羽根21がその羽根形状により吸込口2から流体を掻き込んで羽根室26内に収容保持し、後退傾斜させた羽根形状によって羽根室26内の流体に遠心力を加えながら吐出口3に至らせる。次いで、流体を羽根板23の外周に突出する羽根面21aの羽根先端21eから、遠心方向へあたかもキックをして押し出すようにして吐出口3から吐出させる。
また図4で示すように羽根車5は、羽根室26を滑らかな半円形状にしているため、流体を各羽根面形状に沿って羽根室26の矢印周方向に移動させながら、羽根室26内で周方向渦流Aを形成する。さらに、上記構成からなる羽根室26は、その半径方向に沿って形成される羽根方向渦流Bの流通移動をスムーズにする。これによりポンプ室9内で後述するような竜巻状に旋回しながら移動する螺旋状渦流Cを、抵抗の少ない状態で生成させることができる。
尚、以上のように構成される羽根車5は、例えば羽根21の外周直径を125mm程度、ボス部24の直径を55mm程度とし、羽根先端の板厚を3mm程度にして、羽根板23に12枚の羽根21を等間隔に突設した場合に、相隣る羽根21の基部間隔を略10mm程度にする。隣接する羽根21,21間の溝深さは羽根車5の中心側で13mm、外周側で19mm程度に設定されている。
また羽根室26は図13に点線Xで示すように、羽根板面21cを羽根板23に湾曲させて入り込ませて形成することもでき、この場合には、羽根室26の流体収容量をより増大させることができる。
次に流路ケース4bについて図3,図5〜図10を参照し説明する。この流路ケース4bは、前記流路本体部16の外周に鍔状のケース蓋部31を一体的に突出形成している。 これにより流路ケース4bは、流路本体部16を羽根車ケース4aの開口部に嵌挿し、ケース蓋部31を周壁17に固定することにより、ケース4を構成し内部にポンプ室9を形成する。上記流路ケース4bは、流路本体部16の内壁側に形成される流路溝6の上流側に吸込口2を設け、該吸込口2の吸込口流路2aを仕切壁27の下部側を通して外部と連通するように形成している。吸込口流路2aはその口端部に吸込接続管2bを着脱可能に固設している。吸込接続管2bは水源等に通ずる吸込管32を着脱可能に接続することができる。尚、吸込接続管2bは流路ケース4bに対し、吸込口流路2aから一体的に形成してもよい。
上記吸込口流路2aは図1,図4で示すように、ポンプ室9内で回転する羽根車5に対し、周面視で鋭角状に交差する吸込角αを有して形成している。これにより吸込口2は、吸込口流路2aを介し吸込接続管2bから送られる流体を、羽根車5に直交状に衝突する直交流体を低減させて、ポンプ室9内の流体流通方向に沿わせスムーズに供給することができる。従って、羽根車5に対し吸込口流路2aを図4に点線で示すように直交状に設けた従来型のポンプに比較し、ポンプ室9内への流体の吸込み抵抗が少なく動力損失を低減するので、吸込効率を向上させることができる。
また吸込接続管2bは、上記吸込角αの配管角度を有して吸込口流路2aに接続し、流路ケース4bに沿わせることができるため、ポンプ1をコンパクトな設置構造にすることができる。また吸込管32をポンプ1と直交させることなく配管することができるので、ポンプ設置時の取扱い性及び利便性を向上させることができる等の特徴がある。
また混合供給部7は、吸込接続管2bの中途部の上部又は下部に設けることが望ましく、この場合には混合供給部7をポンプ1に近接させて設置することができる。
次に、ポンプ室9及び流路ケース4bに形成される流路溝6について説明する。先ず、羽根車ケース4aと流路ケース4bとを接合したケース4は、ポンプ室9を流路溝6と羽根車5と羽根車ケース4aの周壁17とによって形成している。ポンプ室9には、その上流側と下流側とを仕切る仕切壁27の両側に吸込口2と吐出口3とが配設される。
仕切壁27は図3〜図5に示すように、流路本体部16の厚さを有し複数の羽根21の外側端面21dに跨って近接する平坦面を中心側に有し、前記羽根車5のボス部24に対向して円形状に形成される仕切壁基部27aから外周に向かって形成される。
流路溝6は流路ケース4bに対し図5で示すように、吸込口2の直径と同等の溝幅として羽根車5の羽根21に対向させ、所定の溝深さを有して吐出口3と連なるようにケースと同芯の円弧状方向に凹設されている。流路溝6の外周には、仕切壁27と同高さの溝外壁33が形成される。
また流路溝6は吐出口3に通ずる流路溝吐出口6aを、仕切壁27の一側で仕切壁基部27aの接線方向に直線的に形成される溝吐出壁34と、前記溝外壁33終端との間に半円状の断面をなすように形成してる。
吐出口3は、羽根車ケース4aの周壁17に円形孔として開口しており、その直径(横幅)を上記流路溝吐出口6aの深さと羽根21の高さとを合わせたポンプ室吐出幅(横幅)Lと等しいか又はやや大きくするように内径を形成している。即ち、ポンプ室9終端において吐出口3は、流路溝吐出口6aと羽根21とに跨って開口されている。これによりポンプ1は、ポンプ室9の流路溝6側と羽根室26側から流出される流体に、吐出口3側で絞り抵抗を生じさせることのない状態で、そのまま吐出口3から吐出管3aに向けて直接的に吐出させることができる。また吐出口3は、流路溝6の接線方向延長上で溝面36の形状に沿って形成していることにより、ポンプ室9内に生成される前記螺旋状渦流Cを維持させながらスムーズに送り出すことができる。
次に、流路ケース4bに形成する流路溝6の第1実施形態について、図4,図5〜図10を参照し説明する。羽根車5に対向して仕切壁27を介し吸込口2と吐出口3とをリング状に繋ぐ流路溝6は、仕切壁27,27aと溝外壁33との間で、円弧状に凹設される溝面36により形成される。そして、溝面36の溝底部の深さ(溝深さ)を、吸込口2側から吐出口3側に至るほど順次深くなるように形成するか、或いは吸込口2側から吐出口3側に至る全範囲で略一定になるように形成(図示する例では、吸込口2側から吐出口3側に至るほど順次深くなるように形成)している。
これによりポンプ1は、ポンプ室9の横幅を吸込口2側を最小幅にしながら徐々に広くし、吐出口3側が最大横幅(ポンプ室吐出幅L)となるように構成している。
即ち、図6で示すように、吸込口2側で浅い流路溝6を形成する溝面36は、前記吸込口流路2aの流路面と滑らかな曲面により接続している。この溝面36は図7で示すように、溝谷部が平坦面状に形成されて両側に円弧面を連続させて、仕切壁基部27aと溝外壁33との間に形成している。そして、図8〜図10で示すように流路溝6は、下流側に至るに従い上記平坦面の幅を狭くしながら溝深さを徐々に深くしている。さらに図6〜図8に示すように、流路溝6は下流側に至るに従い、徐々に半円弧状となるように湾曲させて溝深さを深くしており、図8で示す流路溝吐出口6aにおいて最大深さとなるようにしている。
次に、以上のように構成されるポンプ1の運転態様並びに作用について説明する。先ず、水源と吸込管32によって接続されるポンプ1は、羽根車5の回転により吸込角αを有する吸込口流路2aを介して吸込口2から、各羽根21が水を羽根室26内に掻き込むように吸い込み、羽根室26に水を収容した状態で持ち回りポンプ室9内に充満させる。次いで、新たな水が連続的に供給されることにより、ポンプ室9内で圧力を高められた水は、流路溝吐出口6a及び吐出口3を介して吐出され、吐出管3a及び流体誘導パイプ3bを介して適所に流出される。
この運転初期においてポンプ1は、ポンプ室9内の空気を各羽根21の遠心力によって排出するので、呼び水を必要とすることなく通常運転を速やかに行うことができる。
そして、ポンプ1は、ポンプ室9の終端に開口される吐出口3を、前記ポンプ室吐出幅Lと略等しい大きさ(内径)とし、且つ吸込口2側から吐出口3側に至る流路溝6の溝面36が徐々に深くなるように形成したポンプ室9を構成しているため、以下のような作用と特徴を有する運転を行うことができる。
即ち、ポンプ室9は流路溝6の形状によって断面積を、吐出口3側に至るほど大きくしているので、水の収容量を増大させ水の移動を自由にして吐出口3側に至らせる。つまり、従来の加圧遠心ポンプのように、流路溝6によってポンプ室9を収束させないので、吐出口3側で流体に大きな絞り抵抗を生じさせることがない。
さらに、ポンプ室9の終端においてポンプ室吐出口幅Lを有する吐出口3は、流路溝6の 流路溝吐出口6aと羽根21に跨って開口しているため、ポンプ室9の流路溝6内と羽根室26内にある水を、そのまま吐出管3aに向けて直接的に吐出する。
これによれば、ポンプ1は羽根車5によって連続的に供給される水を、ポンプ室9内で絞り抵抗を加えることなく昇圧することができ、且つ昇圧した水を吐出口3で大きな抵抗を生じさせることなく吐出する。また吐出抵抗を低減したポンプ1は、水の吐出を速やかに行うことができるため、吸込口2から水をスムーズに吸込むことができ、ポンプ室9内の水の流通を促進しポンプ能率を上げることができる。
また吸込管32を接続する吸込口流路2aを、羽根車5に対し鋭角状の吸込角αを有して設けたポンプ1は、ポンプ室9内への水の吸込み抵抗を低減することができ、吸込効率を向上させる。従って、ポンプ1の駆動負荷を低減し羽根車5の高速回転化を容易にすることができ、作業能率の高いポンプ運転を行うことができる等の特徴がある。
さらに、上記ポンプ1は、羽根車5の羽根先端21eを羽根板23の外周側から外側端面21dの先端に向けて円弧状に形成し、且つ同じ円弧面で形成される羽根車室18の羽根対向面18aに近接させている。そして、羽根対向面18aは流路ケース4bの流路溝6と接続し、且つ該流路溝6は羽根室26の下部と接続させることにより、ポンプ室9の断面形状を円形又は楕円形状にしている。
また上記断面形状を有し仕切壁27で区画されるポンプ室9は図2,図4で示すように、その一側(左側)に羽根車5を備えて水を強制回転させる羽根流路と、他側(右側)に円弧状に湾曲させた溝面36からなる流路溝6の断面形状による広い溝流路を形成している。このため、ポンプ1はポンプ室9内において、吸込んだ水をコーナ渦を生じさせることなく滑らかに回転移動させ、流路溝6内に羽根方向渦流Bを形成して羽根車のトルクを流体にスムーズに伝えるので、効率よく昇圧しスムーズな吐出を行いポンプ性能を向上させることができる。
即ち、ポンプ室9の羽根流路側において充満する水は、羽根車5の高速回転(3500〜3600rpm)により羽根室26内に渦流Aを生じながら、羽根21の形状及び遠心力によって半径方向に蹴り出されるように移動し強い羽根方向渦流Bを発生させる。
この羽根方向渦流Bは図4,図14で示すように、ポンプ室9内で主として羽根先端21eから流出する水が、羽根車室18の周壁に沿って流路溝6側に移動し、流路溝6の半径方向に沿って流動し再び羽根室26内に至り循環する作用によって形成される。
このとき羽根方向渦流Bは、羽根室26と流路溝6との間で渦を描きながら流通方向に移動する間に、新たな水が供給され何度も羽根21作用を受けるので、羽根車5によるトルクが供給されて角運動量を増大し、大きく昇圧されて吐出口3に至る。そして、吐出口3側では、羽根先端21eが臨む側から羽根21によって水の吐出が強制的に速やかに行われる。またこれにより各羽根室26に生ずる羽根方向渦流Bは、流路溝6内の回転渦流を誘導して合流させながら、図14で示すような竜巻状に旋回する強い螺旋渦運動エネルギを有する螺旋状渦流Cを形成する。
即ち、上記螺旋状渦流Cは、水の吸込み初期では小さく下流側に至るほど、羽根車の遠心力により加速される水の回転渦流の生成が増大されて仕切壁27の直前で最大になるため、吐出口3に至る水は螺旋渦運動が加速されて大きく強い渦流になる。そして、螺旋状渦流Cは吐出口3に臨むとき、羽根21によってさらに旋回力が付加されながら流路溝6の接線方向に向けて流出される。
これにより、吐出口3から吐出される水は、吐出管3aに送り込まれても強い螺旋状渦流Cを維持するので、その回転渦流れ運動(螺旋渦運動)によるエネルギが流体誘導パイプ3b内で水の流出を促進するエネルギに変換される。従って、このポンプ1は、水等の流体を効率よく吸込んで吐出することができ、キャビテーションや騒音等を低減することができる等の特徴がある。
また上記ポンプ1に混合供給部7を設置した場合には、混合供給部7から吸込管路2aの水中に大きな空気気泡となって入り込み、吸込口2から羽根車5によって掻き込まれる。そして、空気気泡は羽根車5の回転に伴い各羽根室26の羽根方向渦流B中に分散しながら、流通方向に移動する間に羽根21で掻き回される。これにより空気は微細な気泡となって水中に均一に混合され、空気混合水となって螺旋状渦流Cを形成しながら吐出口3に至る。
このとき、吸込口2側から吐出口3側に至る溝面36を徐々に深くなるように形成した流路溝6を有するポンプ1は、ポンプ室9の断面を流路溝6によって流通方向に順次拡大しているため、空気混合水の流通を促進すると共に溝面36に対する気泡付着及び付着気泡の堆積を生じない等の特徴がある。
また吐出管3aは流路溝6の接線方向に沿ったストレート管にしているので、従来の吐出管3aを屈曲させたもののように、屈曲壁面への気泡付着を抑制した空気混合水の排出をすることができる。従って、ポンプ1による空気混合流出性能を向上させることができる。
次に、図15〜図18を参照し第2実施形態の流路溝6を備えるポンプ1について説明する。尚、前記実施形態のものと同様な構成及び作用については説明を省略する。このポンプ1の流路ケース4bは前記したものと同様の構成において、図15〜図18及び図4に点線Dで示すように流路溝6を形成している。即ち、流路溝6は流路ケース4bに対し、吸込口2側から吐出口3側に至る溝面36を略一定の溝深さにしていると共に、同一半径による円弧面によって形成している。これによりポンプ1は、羽根車5と羽根車室18と流路溝6からなるポンプ室9を、図15で示すように円形状の断面にしている。
即ち、このポンプ1も従来のもののようにポンプ室9を収束させることなく、溝面36が水に絞り抵抗を生じさせないので、水を円形状面に沿わせ滑らかに回転移動させることができる。従って、流路溝6内でコーナ渦の発生を防止しながら羽根方向渦流Bを形成し、羽根車5のトルクを水にスムーズに伝え螺旋状渦流Cの生成も助長することができる。 さらに、流路溝6の深さをより大きくすることにより、吸込口2側のポンプ室9の断面を大きくし、水の吸込みをより行い易くすることができる。
また流路溝6は一定深さの半円形状の断面によって形成するため、溝成形を切削加工等によっても容易に行うことができる等の特徴がある。
尚、上記構成からなるポンプ1は、流通方向の溝面36の傾斜角度並びに断面の形状を変化させると、流量や吐出圧を調節することができるものであり、その変化量は流体の性状や目的とされる吐出態様の条件及び混合される混合物の特性等によって選択される。従って、例えば軽油及び水からなる混合液体(流体)に空気を混ぜ合わせたエマルジョン燃料を製造する場合に、混合液体に対し空気を短時間で均質に混合することができるので、省エネ型のエマルジョン燃料を容易に得ることができる。
また図示するポンプ1とは別に本発明は、従来のもと同様に溝面36を吸込口2側を深くしながら吐出口3側を浅くするように傾斜させた場合でも、吐出口3を羽根室26と流路溝6に跨るポンプ室吐出幅Lにすることにより使用することができる。この場合には、例えば、ヨーグルトや食用油等の粘性を有する主流体にブルーベリや野菜等の副資材を混合する際に好適化することができる。
この場合には、収束するポンプ室9での乱流を利用して両者の均一な混合をより促進させながら、混合流体の吐出は吐出抵抗を低減させながらスムーズに能率よく行わせることができる。従って、ジュースやドレッシング等の食品類や他の混合流体の製造を容易にすることができる。尚、ポンプ1は羽根車5の好適回転数を各用途や使用条件により任意に調整することができる。
次に、図19乃至図24に基づき、本発明を適用した遠心ポンプ1と、従来公知の遠心ポンプとについて行った性能比較実験について説明する。
まず、遠心ポンプPとしては、ケース4及び羽根車5をアルミ製とした本発明の遠心ポンプ(第1ポンプ)1と、ケース4をアルミ製とし且つ羽根車5を鉄製とした本発明の遠心ポンプ(第2ポンプ)1と、ケース4をアルミ製とし且つ羽根車5をステンレス製とした本発明の遠心ポンプ(第3ポンプ)1と、特開2005−290999号公報に示す従来公知の遠心ポンプ(加圧遠心ポンプ)とを用いる。
また、第1〜3のポンプ1は、流路溝6(溝面36)の深さが、吸込口2から吐出口3に至る全範囲で略一定に形成され、第1〜3のポンプ1に設けられた羽根21の外周直径は125mmに設定され、且つ各羽根21とポンプカバー4bとのクリアランスは0.2mmに設定される。この他、第1ポンプ1及び第2ポンプ1は、羽根21を11枚設け、第3ポンプ1は、羽根21を12枚設けている。
さらに、第1〜3のポンプ1の吸込口2及び吐出口3の直径は何れも40mmに設定される。
一方、加圧遠心ポンプには、第1〜3のポンプ1に設けたものと略同一構成の吸込管32及び流体誘導パイプ3bが備付けられている。また、羽根の外周直径は、第1〜3のポンプ1と同様に125mmに設定されている。また、各羽根とポンプカバーとのクリアランスは、本発明を適用したものと同様に0.2mmに設定される他、羽根も同様に11枚設けられている。
なお、上記4つの各遠心ポンプPの駆動用の電動モータは、出力が5.5kwに設定され、60Hzの交流電源を用い、羽根の回転数が3600rmpに設定される。
図19は、本発明を適用した遠心ポンプ1と、従来公知の遠心ポンプとを性能比較する実験の際に用いる実験装置の説明図である。同図に示す実験装置51の構成を説明すると、上記4種類の各遠心ポンプPにおける吸込管32が水平方向に一直線状に延設されるとともに、流体誘導パイプ3bが真上側に一直線状に突出している。
上記吸込管32の始端部には、フランジ状の継手32a,52aを介して、吸込管32と一直線状をなす接続管52の終端部が接続されており、この接続管52を介して、流体である水が遠心ポンプPに導入される他、この接続管52の中途部には、コック付の開閉バルブ53が配設されている。この開閉バルブ53によって、流体供給の有無及び開度(具体的には、流体の圧力)が調整される。
上記流体誘導パイプ3bの終端側である上端側には、L字状の接続管54を介して、水平方向に延びる排出管56の始端部が接続されており、この排出管56の中途部には、コック付の開閉バルブ57が配設され、この開閉バルブ57によって、流体排出の有無及び開度(具体的には、流体の圧力)が調整される。この他、この排出管56における開閉バルブ57の上流側には、所定値を測定する測定装置であるPゲージ58が設置されている。
今回の実験では、流体吸込側に配置された吸込管32及び接続管52の直径を40mmに設定するとともに、流体吐出側に配置された流体誘導パイプ3b及び排出管56の直径を50mmに設定しており、吸込管32及び接続管52が流体誘導パイプ3b及び排出管56の径よりも小さくなるように設定されている。
同図に示す例では、遠心ポンプPの下端から中心までの高さh1が270mmに設定され、吸込管32と接続管52との接続部分から遠心ポンプPの中心までの長さL1が200mmに設定され、流体誘導パイプ3bの始端(下端)から排出管56の軸心までの長さL2は200mmに設定される。
また、排出管56の軸心からの流体誘導パイプ3bの上方突出高さh2は55mmに設定され、流体誘導パイプ3bの軸心から開閉バルブ7までの長さL3は315mmに設定され、排出管56の軸心からのPゲージ58の中心までの高さh3は130mmに設定され、遠心ポンプPの下端に対する排出管56の軸心まで相対高さh4は585mmに設定される。
以上のように構成される実験装置51を用いて、4つの各遠心ポンプPについて、流体の圧力(具体的には、吐出側の流圧)を変化させ、吐出される流体の量(吐出量)をその圧力ごとに測定し、各測定の際に安定的に得られた1分当りの吐出量の値を、その圧力値での吐出量の測定値として記録した。その際の測定値の一覧を図20〜図23に示し、これらをグラフ化したものを図24に示す。
図20は、第1ポンプの実験結果を示すものであって、流体圧力に対する吐出量の一覧表であり、図21は、第2ポンプの実験結果を示すものであって、流体圧力に対する吐出量の一覧表であり、図22は、第3ポンプの実験結果を示すものであって、流体圧力に対する吐出量の一覧表であり、図23は、加圧遠心ポンプの実験結果を示すものであって、流体圧力に対する吐出量の一覧表であり、図24は、第1〜3のポンプ及び加圧遠心ポンプのそれぞれに関する流体圧力−吐出量の特性グラフである。
図24に示す通り、4つの遠心ポンプは、共に吐出量の増加に伴って流体の圧力(同図では全揚程[m])が単調減少し、吐出量が所定値に達すると、圧力が0になるが、本発明の第1〜3ポンプ1は、従来公知の加圧遠心ポンプに比べて、吐出量の増加に伴う流体の圧力減少割合が低く、さらに流体の圧力が0になる際の吐出量の値も、第1〜3ポンプの方が、加圧遠心ポンプよりも2倍程度大きな値になっており、第1〜3ポンプ1の性能が、加圧遠心ポンプよりも高いことを示す実験結果になった。
しかも、第1〜第3ポンプ1は、羽根車5の材質に関係無く、加圧遠心ポンプに対して、優位な結果になっており、羽根車5の材質に殆ど影響されないことも実証された。
なお、本発明の遠心ポンプ1として、流路溝6(溝面36)の深さが、吸込口2から吐出口3に向かって徐々に深くなるものを用いて同一の実験を行った場合でも、吐出口3等の機能は略同一であるため、図20〜24に示す結果と同様の結果が得られるものと思われる。
1 ポンプ(遠心ポンプ)
2 吸込口
2a 吸込口流路
3 吐出口
4 ケース
4a 羽根車ケース
4b 流路ケース
5 羽根車
6 流路溝
6a 流路溝吐出口
9 ポンプ室
18 羽根車室
18a 羽根対向面
21 羽根
21c 羽根板面
23 羽根板
26 羽根室
27 仕切壁
21e 羽根先端
36 溝面
α 吸込角

Claims (5)

  1. 複数の羽根(21)を羽根板(23)の側面に回転中心から放射状に突設した羽根車(5)を、羽根車室(18)内に回転自在に軸支した羽根車ケース(4a)と、羽根車(5)の羽根(21)に対向する仕切壁(27)と流路溝(6)を形成した流路ケース(4b)とを対設することにより、流路溝(6)と羽根車(5)と羽根車ケース(4a)との間に流体を流通回転させるポンプ室(9)を形成し、上記仕切壁(27)の両側に、流体をポンプ室(9)内に供給する吸込口(2)と、ポンプ室(9)内の流体を流出させる吐出口(3)とを設けた遠心ポンプにおいて、前記流路溝(6)を、吸込口(2)側から吐出口(3)側に至る溝面(36)の深さが、徐々に深くなるように形成するか、或いは略一定の深さで形成し、前記吐出口(3)の内径を、流路溝(6)の流路溝吐出口(6a)の深さと羽根(21)の断面高さとを合わせたポンプ室吐出幅(L)と等しくするか、或いは該ポンプ室吐出幅(L)よりも大きくすることにより、該吐出口(3)を上記ポンプ室吐出幅(L)の全てを含む内径に形成し、前記流路溝(6)を円弧状方向に形成し、前記吐出口(3)を上記流路溝(6)の接線方向に形成したことを特徴とする遠心ポンプ。
  2. 前記流路溝(6)における吸込口(2)側から吐出口(3)側に至る範囲の溝面(36)の断面形状を、円弧状に湾曲した形状に成形した請求項1に記載の遠心ポンプ。
  3. 羽根(21)の先端が羽根板(23)の外周から突出するように羽根車(5)を形成した請求項1又は2の何れかに記載の遠心ポンプ。
  4. 前記流路溝(6)の溝面(36)の溝谷部に平坦面を形成し、該溝面(36)を、上記平坦面の幅が流路溝(6)の下流側に向かって次第に狭くなるように形成した請求項1乃至3の何れかに記載の遠心ポンプ。
  5. 吸込口(2)には、ポンプ室(9)の流体の流通方向に沿わせて流体を供給する吸込流路(2a)を形成し、該吸込口流路(2a)は、羽根車(5)の回転方向に向かって鋭角に前傾する吸込角(α)を有し、該吸込口流路(2a)からの流体の供給方向が、羽根車(5)の羽根車軸(8)の軸方向視で、前記吐出口(3)からの流体の吐出方向に対して交差するように、該吸込口流路(2a)を、該羽根車軸(8)の軸方向視で流路溝(6)の接線方向に形成した請求項1乃至4の何れかに記載の遠心ポンプ。
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