JP2008036049A - ビリヤード用のキュースティックの評価装置及び評価システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ビリヤード用のキュースティックの特性(いわゆる飛びの程度)を定量的に把握することを可能とする。
【解決手段】キュースティック1の評価装置31が、キュースティックを押し出すハンマー状部材32と、押し出されたキュースティックをその先端方向に導くガイド部材33,34と、キュースティックに打撃される手球Aを支持する手球支持部材35と、キュースティックに打撃された手球の移動方向を検出する移動方向検出用ボード36とを備えた構成とし、移動方向検出用ボードにより検出した手球の移動方向に基づき飛びの程度を定量的に把握可能とする。
【選択図】図4
【解決手段】キュースティック1の評価装置31が、キュースティックを押し出すハンマー状部材32と、押し出されたキュースティックをその先端方向に導くガイド部材33,34と、キュースティックに打撃される手球Aを支持する手球支持部材35と、キュースティックに打撃された手球の移動方向を検出する移動方向検出用ボード36とを備えた構成とし、移動方向検出用ボードにより検出した手球の移動方向に基づき飛びの程度を定量的に把握可能とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、ビリヤード用のキュースティックの評価装置及び評価システムに関する。
従来、ビリヤード用のキュースティックは、例えば、図11に示すように、球を撞くための細長いシャフト201と、使用者が把持するバット202とから構成されており、これらシャフト201及びバット202の端部には、互いに連結可能なねじを有するジョイント203,204がそれぞれ設けられている。また、シャフト201の先端部には、フェラル205及びタップ206が設けられている。このようなキュースティックは、素材(例えば、木材、ガラス繊維、及び炭素繊維等)、形状、重さ、及び内部構造などによって種々の特性(ショットに影響する性質)を有するものとなる。
この種のキュースティックを用いて手球の中心を外して撞く場合、手球は中心を撞いた場合のラインとは異なるラインを進むので、その手球が進むライン(より厳密には、手球が衝突する的球が進むラインを含む)を予め推測(以下、「見越し」という。)しておく必要がある。特に、撞かれた手球の初期の進行方向は、通常はキュースティックの撞き出し方向とは一致せず、この手球の初期の進行方向のずれ(以下、「飛び」という。)は、キュースティックの特性に大きく左右されることが知られている。この飛びは見越しにおける重要な要素の一つであり、飛びの程度が不明であると(例えば、通常使用しているものとは別のキュースティックを使用すると)、ビリヤードの競技者は、見越しの精度が低下してしまうことが知られている。そこで、見越しに対する飛びの影響を軽減するために、飛びの小さいキュースティックの開発がなされてきた。
例えば、シャフトの内部にジョイント側から先端側に向かって一部先端を残して半分以上の長さに穿設した中空穴を設け、この中空穴に補強部材を備えることで、シャフトの一部先端と補強部材を備えるジョイント側とに種々の強度を兼ね備えるようにしたビリヤードキューが知られている(特許文献1参照)。この従来技術は、シャフトが必要以上に硬くなることを防止し、球を突いたインパクトによってシャフトの初期湾曲変形を発生させ、球に与える打撃力をその初期湾曲変形により吸収し、飛びの角度を小さく抑えることを目的とするものである。
ところで、ビリヤードの競技者は、上述のような飛びの程度に限らず、デザイン、重さ、打感(球を撞いたときの打撃音や球を撞いたときに手に感じる振動等)などの様々な要素に基づき好みのキュースティックを選択するのが一般的である。また、同一の製品名が付されて市販されているキュースティックであっても、その飛びの程度には少なからず差があることが知られている。さらに、競技者(特に、上級者)は、多くの時間をかけて特定のキュースティックの飛びの程度を把握しつつ自らのプレースタイルを築き上げる傾向にある。
従って、多くの競技者にとって重要なのは飛びの程度であって、上記特許文献1に記載の従来技術のようにキュースティックの飛びを小さく抑えるだけでは、必ずしも個々の競技者に適したものとなるとは限らないという問題があった。即ち、上記のような従来技術では、キュースティックの飛びの程度を定量的に把握することができないので、競技者がキュースティックを選択する際の目安がなかった。そこで、そのようなキュースティックの特性について定量的な評価を可能とする技術が強く望まれる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、ビリヤード用のキュースティックの飛びの程度を定量的に把握することができる評価装置及び評価システムを提供することを主目的とする。
ビリヤード用のキュースティックの評価装置は、ビリヤード用のキュースティックの評価装置であって、キュースティックを押し出す駆動手段と、前記押し出されたキュースティックをその先端方向に導くガイド手段と、前記押し出されたキュースティックに打撃される手球を支持する手球支持手段と、前記キュースティックに打撃された手球の移動方向を検出する移動方向検出手段とを備えたことを特徴とする。
このように本発明によれば、ビリヤード用のキュースティックの飛びの程度を定量的に把握することができるという優れた効果を奏する。従って、競技者は自らに適したキュースティックを容易に選択することが可能となるという利点がある。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、ビリヤード用のキュースティックの評価装置であって、キュースティックを押し出す駆動手段と、前記押し出されたキュースティックをその先端方向に導くガイド手段と、前記押し出されたキュースティックに打撃される手球を支持する手球支持手段と、前記キュースティックに打撃された手球の移動方向を検出する移動方向検出手段とを備えた構成とする。
これによると、ビリヤード用のキュースティックの飛びの程度を、移動方向検出手段により検出した手球の移動方向に基づき定量的に把握することができる。従って、競技者は自らに適したキュースティックを容易に選択することが可能となる。
この場合、手球とその手球が移動する面との摩擦係数を極力小さくするように装置を構成することで、手球の回転がその手球の移動方向に及ぼす影響を排除してキュースティックの飛びの程度をより正確に評価することができる。
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、前記手球支持手段は、前記手球を吊り下げるように支持する構成とすることができる。これによると、簡易な構成により、手球の回転がその手球の移動方向に及ぼす影響を確実に排除して、ビリヤード用のキュースティックの飛びの程度をより正確に評価することができる。
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、前記手球支持手段は、前記手球を載置状態に支持し、前記キュースティックに打撃された手球が前記載置部位から離れて自由落下するように設けられた構成とすることができる。これによると、簡易な構成により、手球の回転がその手球の移動方向に及ぼす影響を確実に排除して、ビリヤード用のキュースティックの飛びの程度をより正確に評価することができる。
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、前記移動方向検出手段は、前記キュースティックの軸方向に対して垂直に設けられた壁面を有し、前記キュースティックに打撃された手球の前記壁面に対する衝突位置に基づき前記手球の移動方向を検出する構成とすることができる。これによると、簡易な構成により、手球の移動方向を確実に検出することができる。
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、ビリヤード用のキュースティックの評価装置であって、キュースティックを押し出す駆動手段と、前記押し出されたキュースティックをその先端方向に導くガイド手段と、前記押し出されたキュースティックに打撃される手球及び当該手球が衝突する的球が配置されるテーブルと、前記的球の前記手球との仮想の接触点における接平面を画定し、前記的球に略接する開口縁により画定される開口部を有する接平面指示手段とを備えた構成とする。
これによると、ビリヤード台またはこれと同等なテーブル上において、ビリヤード用のキュースティックの飛びの程度を、手球が的球に衝突する際の接平面指示手段の配置に基づき定量的に把握することができる。従って、競技者は自らに適したキュースティックを容易に選択することが可能となる。
この場合、衝突前の初期位置における手球と的球との距離を短く(例えば、50cm以下)設定することで、手球の回転がその手球の移動方向に及ぼす影響を排除してキュースティックの飛びの程度をより正確に評価することができる。
上記課題を解決するためになされた第6の発明は、前記接平面指示手段は、前記接平面に垂直な方向を示す標識を有する構成とすることができる。これによると、的球の理論的な進行方向を示す標識に基づき、接平面指示手段を的球に対して適切に配置することが可能となる。
上記課題を解決するためになされた第7の発明は、上記第1及び第5の発明のキュースティックの評価装置を備えたキュースティックの評価システムである。これによると、ビリヤード用のキュースティックの飛びの程度を、評価方法の異なる2つの評価装置を用いて確実に評価することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明のキュースティックの評価装置及び評価システムの詳細を説明するにあたり、まず、図1〜図3を参照して見越しの主要な要素(飛び、カーブ、スロウ)について説明する。
図1は、キュースティックの撞き出し方向と手球の初期の進行方向とのずれ(飛び)について説明するための図であり、図1(A)、(B)は、それぞれ平面図及び側面図である。ここでは、キュースティック1で手球Aの重心Agを外して撞く場合を例として示しており、説明の便宜上、キュースティック1の先端が接触する撞点Apは、手球Aの重心Agから水平方向右側に一定の距離をおいた位置(ここでは、いわゆる限界撞点)とする。
このとき、キュースティック1が手球Aに及ぼす力は、手球の重心Agに向かうベクトル2と、キュースティック1と手球Aとの摩擦によって接線方向に向かうベクトル3で示され、これらの合力がベクトル4で示されている。このベクトル4の方向は、実際の手球の初期の進行方向を示すベクトル5と一致するが、その方向は、上述の飛びが生じることによりキュースティック1の撞き出し方向と平行なベクトル6とは一致せず、手球Aは角度αだけ左側に撞き出されることになる。
この角度αの大きさ(即ち、飛びの程度)は、キュースティック1の固有振動数の影響を強く受けると考えられ、キュースティック1の構成(素材、形状、重さ、及び内部構造など)に応じて変化する。従って、この飛びの程度を定量的に把握することで、ビリヤードの競技者は自らに適したキュースティックを容易に選択することが可能となる。
図2は、手球の回転による手球の進行ラインの変化について説明するための図である。ここで、手球Aが、キュースティック1で図1に示した場合と同様に撞かれたとすると、手球Aの初期の進行方向は、キュースティック1の撞き出し方向から角度αだけ左側にずれる。しかしながら、このとき手球Aには図中の矢印で示すような左回転が加わり、その回転軸の角度が変化することで手球Aはカーブ(ここでは、右方向に進行)し、所定の距離移動をした後にはキュースティック1の撞き出し方向を示すベクトル6の延長線10上に戻る。
このような手球Aのカーブは、見越しにおける飛びの影響を打ち消すように(即ち、飛びの影響を見えにくくするように)作用する場合がある。また、手球Aのカーブは、上述のように回転軸の角度が変化することによって生じるので、キュースティック1の構造の影響よりもむしろ手球Aとビリヤード台のラシャとの摩擦の影響を受けやすいと考えられる。従って、キュースティック1の特性を評価する際には、カーブの影響を排除することが必要となる。
なお、キュースティックの飛びが著しく小さく(或いはゼロ)になると、上述のようなカーブの影響が大きくなり、必ずしも見越しに有利とは言えなくなる。従って、キュースティックにおいては適度な飛びを確保することが望ましい。
図3は、手球が的球に衝突した場合の的球の進行方向のずれ(スロウ)について説明するための図である。ここでは、ビリヤード台20上において手球Aを所定の角度で的球Bに対して衝突させ、ベクトル21で示すポケットPの方向に移動させようとする場合を例として示している。この場合、手球A及び的球Bが摩擦なしに弾性衝突したと仮定すると、的球Bの理論的な進行方向は手球Aとの接触点を含む接平面の法線方向となる。従って、このときのイメージボール(的球を目的とする方向へと導くための衝突位置にある仮想の手球)Iは、法線方向をベクトル21で示すポケットの方向とする接平面22に接触した状態となる。
しかしながら、実際の手球A及び的球Bの間には摩擦が生じるので、手球AをイメージボールIの位置で的球Bに衝突させると、的球Bの進行方向は、ベクトル21から角度βだけ左側にずれたベクトル23で示す方向となる(この現象を「スロウ」という。)。
このようなスロウは、見越しにおける飛びの影響を打ち消すように作用する場合がある。また、スロウは、キュースティック1の構造の影響よりもむしろ手球Aと的球Bとの摩擦の影響を受けやすいと考えられる。従って、キュースティック1の特性を評価する際には、スロウの影響を排除することが必要となる。なお、同様のスロウが、手球Aに回転を加えた場合にも生じ得る。例えば、手球Aに右回転を加えると、的球Bの進行方向はベクトル21で示すポケットPの方向から左方向へずれ、一方、手球Aに左回転を加えると、的球Bの進行方向はベクトル21で示すポケットPの方向から右方向へずれる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るキュースティックの評価装置の概略構成を示す図である。この評価装置31は、上述のカーブ及びスロウの影響を排除して評価対象となるキュースティック1の飛びの程度を定量的に評価するものであって、キュースティック1を押し出すハンマー状部材(駆動手段)32と、押し出されたキュースティック1をその先端方向に導く2つのガイド部材(ガイド手段)33,34と、押し出されたキュースティック1に撞かれる(打撃される)手球Aを支持する手球支持部材(手球支持手段)35と、キュースティック1に打撃された手球Aの移動方向を検出するための移動方向検出用ボード(移動方向検出手段)36とを主として備えている。ここで、押し出されたキュースティック1が手球Aを撞く位置は、手球Aの重心Agから左右に一定の距離をおいた位置(例えば、図1の場合と同様)とする。
ハンマー状部材32は、枢軸41によって回動自在に支持されるアーム部32aの先端に打撃部32bが連結された構成を有している。この打撃部32bを、例えば、図4に示すような水平の位置から落下させると、アーム部32aの回動により打撃部32bがキュースティック1の後端部に衝突し、所望の運動量をキュースティック1に付与することができる。この場合、キュースティック1に対する運動量は、飛びの程度を評価可能な範囲で付与すればよく、必ずしも競技者がキュースティック1を撞く場合と同様の運動量を付与する必要はない。打撃部32bは、例えば、樹脂や金属等の任意の材料で構成することができ、その重量やその落下開始位置を変更することで、キュースティック1に付与する運動量の大きさを定量的に調節することができる。
なお、ハンマー状部材32の構成(形状及び材質等)は、キュースティック1に適切な運動量を付与可能な限りにおいて種々の変更が可能である。また、キュースティック1を押し出すための駆動手段は、キュースティック1を適切に押し出すことが可能な構成であれば、ここに示したもの限らず種々の動力(電力、加圧流体等)を用いて構成することができる。
ガイド部材33,34は、図5に示すように、キュースティック1を摺動可能に支持するクランプ部51を有している。このクランプ部51には、その内張りとしてゴムやスポンジ等からなる弾性部材51aが取り付けられ、適度な押圧力でキュースティック1の周面を保持することが可能となっている。ガイド部材33,34の設置位置は、例えば、競技者がキュースティック1を使用する場合のブリッジ及びグリップの位置を想定してそれぞれ決定することができる。また、一般に、キュースティックは、後端側のバットから先端側のシャフトに向けてその外径が徐々に細くなるようにテーパ状をなすので、クランプ部51のサイズは、その設置位置の外径に応じて構成することができる。なお、キュースティック1をガイドするための手段としては、ここに示したもの限らず種々の変更が可能である。
手球支持部材35は、手球Aの上方から垂下された紐状をなし、その上端がフック52に固定される一方、その下端が手球Aの上端に接続されている。この手球支持部材35により、手球Aは、ハンマー状部材32の打撃によって押し出されたキュースティック1で撞くことが可能な位置に宙吊り状態とされる。これにより、通常のビリヤード台における手球とラシャとの間にみられるような摩擦の影響はなくなり、従って、図2に示したような手球Aのカーブの影響を排除することが可能となる。なお、手球支持部材35は、柔軟性に富む合成繊維等、種々の材料で形成することができるが、キュースティック1で撞かれた手球Aの移動を阻害しないようにその材料及び形状を選択することが好ましい。
ボード36は、キュースティック1の移動方向に対して垂直に設けられた壁面36aを有しており、キュースティック1に撞かれた手球Aが衝突可能な位置に配置される。キュースティック1に撞かれた手球Aは、例えば、図6に示すように、ボード36に向かって移動して壁面36aに衝突する。そこで、その衝突位置と手球Aの初期位置とから手球Aの移動方向(ベクトル61)を検出することができ、これにより、キュースティック1の撞き出し方向と平行なライン62を基準とした角度γの大きさ(即ち、飛びの程度)を計測することができる。
なお、壁面36aにおける衝突位置は、種々の方法を用いて検出することが可能である。例えば、ボード36の壁面36aに感圧センサを設けることで手球Aの衝突位置を検出することが可能となる。或いは、壁面36aを撮影可能な高速度ビデオカメラを設置することで、その記録映像により手球Aの壁面36aにおける衝突位置を検出することもできる。
図7は、図4及び図5に示したガイド部材の変更例を示す図である。このガイド部材71は、キュースティック1の周方向に概ね均等に配置された同様の構成を有する3つの支持機構72から構成され、各支持機構72は、キュースティック1の周面に当接するローラ73と、そのローラ軸74を回転可能な状態で支持する支持部材75とを有している。支持部材75の棒状部75aの周囲には、ばね76が取り付けられており、このばね76の付勢力により、ローラ73がキュースティック1の周面を適切な圧力で押圧する。このような構成により、キュースティックが、後端側のバットから先端側のシャフトに向けてテーパ状をなす場合であっても、キュースティック1を摺動可能に支持することができる。
図8は、図4に示した手球支持部材の変更例を示す図である。この手球支持部材81は、ハンマー状部材32の打撃によって押し出されるキュースティック1で撞くことが可能な位置で手球Aを支持する。手球Aが載置される支持面81aは、手球Aの移動方向において懸崖状をなしており、手球Aがキュースティック1に打撃されるとその載置部位から離れて自由落下するように設けられている。これにより、簡易な構成により、手球Aの回転がその手球Aの移動方向に及ぼす影響を確実に排除して、キュースティック1の飛びの程度をより正確に評価することができる。
なお、図4に示した評価装置における手球支持部材は、図4及び図8に示したものに限らず、キュースティック1に打撃された手球Aが通常のビリヤード台のようなテーブルを転がる構成も可能である。その場合、手球Aとその手球が移動するテーブルとの摩擦係数を極力小さくするようにそのテーブル表面の構造及び材質を選択することで、手球Aの回転がその手球Aの移動方向に及ぼす影響を排除してキュースティック1の飛びの程度をより正確に評価することが可能となる。
図9は、本発明の第2の実施形態に係るキュースティックの評価装置の主要部の構成を示す図であり、図9(A)、(B)は、それぞれ斜視図及び側面図である。第2の実施形態に係る評価装置は、図9に示す接平面指示部材91に加え、第1の実施形態について図4で示したものと同様のハンマー状部材及びガイド部材を備えている。
接平面指示部材91は、垂直方向に延在するプレート状をなすゲート部92と、このゲート部92を支持する支持部93とを有している。ゲート部92は、その中央に開口部92aが設けられており、接平面指示部材91を使用する際には、図9に示すように、的球Bの一部をその開口部92aに挿入する。このとき、開口部92aの開口縁の少なくとも一部が、的球Bに略接触した状態となる。また、ゲート部92の手球側に位置する側面92bが、手球が的球Bに衝突する際に接触すべき仮想の接触点Bcを含む的球Bの接平面を画定する。この場合、ゲート部92の側面92bは、接触点Bcを含む的球Bの接平面を必ずしも厳密に画定する必要はなく、当該接平面に近似の平面を画定するものであればよい。例えば、的球Bの接触点Bcは、図9(B)に示すように、ゲート部92の開口部92aから僅かに側方(手球側)に突出した状態とすることができる。但し、ゲート部92は、手球Aがその側面92bに接触することなく接触点Bcで的球Bに衝突することを可能とする一方、手球Aが接触点Bcに接触しない場合には、手球Aは、側面92bに阻まれて的球と衝突することはできないように構成する必要がある。
また、ゲート部92の上端中央部には、接平面に垂直な方向(即ち、的球Bの理論的な進行方向)を示す矢印を表示した標識94が設けられており、この標識により、評価装置の使用者は、接平面指示部材91を的球Bに対して適切に配置することが可能となる。
なお、開口部92aの形状及び大きさは種々の変更が可能であるが、上述のように、的球Bに対して接平面指示部材91を配置した際に、手球Aが接触点Bcに接触する場合にのみ的球Bに対して衝突可能なように構成する必要がある。また、ゲート部92は、その少なくとも一部を透明または半透明の樹脂やガラス材料等で形成することで、的球Bの外形をゲート部92の手球側から容易に認識することが可能となり、接平面指示部材91の配置作業が容易となる。
図10は、第2の実施形態に係る評価装置によるキュースティックの評価方法の概要を示す図である。ここでは、図2に示した場合と同様に、ビリヤード台またはそれに準ずるテーブル上でにおいて手球Aを所定の角度で的球Bに対して衝突させることで、キュースティック1の飛びの程度を定量的に評価することができる。
図10(A)は、所定位置に配置された的球Bに対する接平面指示部材91及び手球Aの基準位置を示すものである。このとき、イメージボールIの位置で的球Bと衝突させるようにその重心Ag付近を撞いて(より詳細には、キュースティック1の中心軸が手球Aの重心Agからやや下方の位置に重なるようにキュースティック1を概ね水平に撞き出す)、手球Aをベクトル101の方向に直進させると、手球Aは的球Bと衝突し、例えば、スロウを考慮しない場合には的球Bはベクトル102の方向に移動する。
図10(B)は、キュースティックの飛びの程度を評価する際の接平面指示部材の配置を示すものである。このとき、手球Aの位置は図10(A)と同一であるが、キュースティック1が手球Aを撞く位置は、手球Aの重心Agから右側に一定の距離をおいた位置(ここでは、図1の場合と同様)とする。これにより、手球Aはベクトル102で示すように、ベクトル101に対して角度δだけ左側に進むので、手球Aは、図10(A)に示したイメージボールIとは異なる位置で的球Bに衝突することになる。そこで、的球Bの重心Bgを軸として、図10(A)に示した状態から接平面指示部材91を回転させるように適宜移動してその配置(即ち、イメージボールIの位置)を変更し、手球Aを的球Bに衝突させるための動作を繰り返し実行する。最終的に、手球Aが変更後のイメージボールIの位置で適切に的球Bと衝突すると、このときの接平面指示部材91の基準位置からの回転角εによってキュースティック1の飛びの程度を判定することが可能となる。このとき、評価装置の使用者は、例えば、手球A及び的球Bの挙動を高速度ビデオカメラにより観察することで、手球AがイメージボールIの位置で適切に的球Bと衝突したか否かを容易に判断することができる。或いは、評価装置の使用者は、一定条件の下、手球Aが接平面指示部材91に接触したか否か(例えば、手球Aとの接触により接平面指示部材91が基準位置からずれたか否か)を観察することで、手球AがイメージボールIの位置で適切に的球Bと衝突したか否かを容易に判断することができる。この場合、手球Aと的球Bとの距離を短く設定(好ましくは、50cm以下)することで、図2で説明したような手球Aの回転によるカーブの影響を抑制することができる。
なお、図9に示した接平面指示部材91は、ビリヤード競技者の練習用器具として用いることもできる。例えば、競技者は、図10(A)に示したように的球Bに対して接平面指示部材91を配置した後、イメージボールIの位置で的球Bと衝突させるように手球Aを撞き、上述のキュースティック1の評価の場合と同様の要領で自らのショット(見越し)の正確性を判断することができる。この場合、競技者は、ゲート部92の側面92bを、手球が的球Bに衝突する際に接触すべき仮想の接触点Bcを含む的球Bの接平面とみなして狙いを定めることができる。また、図9に示した接平面指示部材91の横方向(標識94の矢印と垂直な方向)の長さを比較的大きく構成する(例えば、全長50cmとする)ことで、手球Aが接触点Bcに接触しない場合に、手球Aを側面92bのみに確実に接触させる(即ち、手球Aが側面92bに確実に阻まれて的球と衝突できないようにする)ことができる。
上述の第1及び第2の実施形態に係る2つの評価装置によってキュースティックの評価システムを構成することができる。これにより、評価方法の異なる2つの評価装置を用いてキュースティックの飛びの程度を確実に評価することが可能となる。
本発明に係るビリヤード用のキュースティックの評価装置及び評価システムは、キュースティックの飛びの程度を定量的に把握することができ、ビリヤード用のキュースティックの評価装置及び評価システムとして有用である。
1 キュースティック
31 キュースティックの評価装置
32 ハンマー状部材
33,34,71 ガイド部材
35,81 手球支持部材
36 移動方向検出用ボード
91 接平面指示部材
93 標識
A 手球
B 的球B
I イメージボール
31 キュースティックの評価装置
32 ハンマー状部材
33,34,71 ガイド部材
35,81 手球支持部材
36 移動方向検出用ボード
91 接平面指示部材
93 標識
A 手球
B 的球B
I イメージボール
Claims (7)
- ビリヤード用のキュースティックの評価装置であって、
キュースティックを押し出す駆動手段と、
前記押し出されたキュースティックをその先端方向に導くガイド手段と、
前記押し出されたキュースティックに打撃される手球を支持する手球支持手段と、
前記キュースティックに打撃された手球の移動方向を検出する移動方向検出手段と
を備えたことを特徴とするキュースティックの評価装置。 - 前記手球支持手段は、前記手球を吊り下げるように支持することを特徴とする請求項1に記載のキュースティックの評価装置。
- 前記手球支持手段は、前記手球を載置状態に支持し、前記キュースティックに打撃された手球が前記載置部位から離れて自由落下するように設けられたことを特徴とする請求項1に記載のキュースティックの評価装置。
- 前記移動方向検出手段は、前記キュースティックの軸方向に対して垂直に設けられた壁面を有し、前記キュースティックに打撃された手球の前記壁面に対する衝突位置に基づき前記手球の移動方向を検出することを特徴とする請求項1に記載のキュースティックの評価装置。
- ビリヤード用のキュースティックの評価装置であって、
キュースティックを押し出す駆動手段と、
前記押し出されたキュースティックをその先端方向に導くガイド手段と、
前記押し出されたキュースティックに打撃される手球及び当該手球が衝突する的球が配置されるテーブルと、
前記的球の前記手球との仮想の接触点における接平面を画定し、前記的球に略接する開口縁により画定される開口部を有する接平面指示手段と
を備えたことを特徴とするキュースティックの評価装置。 - 前記接平面指示手段は、前記接平面に垂直な方向を示す標識を有することを特徴とする請求項5に記載のキュースティックの評価装置。
- 請求項1及び請求項5に記載のキュースティックの評価装置を備えたことを特徴とするキュースティックの評価システム。
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CN111442914A (zh) * | 2020-03-31 | 2020-07-24 | 中山大学 | 一种台球杆性能检测方法及检测系统 |
KR20200119178A (ko) * | 2019-04-09 | 2020-10-19 | 황규선 | 당구 연습장치 |
KR102654267B1 (ko) * | 2023-06-12 | 2024-04-02 | 박태영 | 당구 스트로크 연습기 |
-
2006
- 2006-08-04 JP JP2006212766A patent/JP2008036049A/ja active Pending
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