JP2008035493A - 圧電共振器を用いた圧電フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器 - Google Patents

圧電共振器を用いた圧電フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2008035493A
JP2008035493A JP2007160274A JP2007160274A JP2008035493A JP 2008035493 A JP2008035493 A JP 2008035493A JP 2007160274 A JP2007160274 A JP 2007160274A JP 2007160274 A JP2007160274 A JP 2007160274A JP 2008035493 A JP2008035493 A JP 2008035493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
substrate
filter
cavity
resonator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007160274A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiko Yamakawa
岳彦 山川
Tomohide Kamiyama
智英 神山
Toshihiro Iwasaki
智弘 岩崎
Hiroshi Nakatsuka
宏 中塚
Keiji Onishi
慶治 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2007160274A priority Critical patent/JP2008035493A/ja
Publication of JP2008035493A publication Critical patent/JP2008035493A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】周波数調整層の厚みを削減し、高いQ値を実現し、挿入損失を少なくしつつ、高インピーダンスの圧電共振器と低インピーダンスの圧電共振器とを同一基板に形成した圧電フィルタを実現する。
【解決手段】基板に形成されたキャビティと、キャビティを覆うように基板の上に形成される下部電極と、下部電極の上に形成される圧電体層と、圧電体層の上に形成される上部電極とで構成される圧電共振器を、同一基板に複数の備えた圧電フィルタにおいて、複数の圧電共振器の少なくとも1つのキャビティを、複数のセルから構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話や無線LAN等の移動体通信の無線回路に用いられる、圧電共振器を用いた圧電フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器に関する。
携帯機器等の電子機器に内蔵される部品は、より小型化及び軽量化されることが要求されている。例えば、携帯機器に使われているフィルタやアンテナ共用器には、小型であり、かつ周波数特性が精密に調整され、挿入損失が小さいことが要求される。これらの要求を満たすフィルタの1つとして、圧電共振器を用いた圧電フィルタが知られている。
図10に、従来の圧電共振器を用いた圧電フィルタ500の構造例を示す。図10(a)は圧電フィルタ500の上面図を、図10(b)は圧電フィルタ500のE−E断面図を、図10(c)は圧電フィルタ500の下面図を、それぞれ示している。
図10において、第1の圧電共振器501及び第2の圧電共振器502は、同一の基板503上に形成されている。第1の圧電共振器501は、基板503に設けられた第1のキャビティ504a上に、絶縁層505を介して、下電極層506a、圧電体層507a、上電極層508a、及び周波数調整層509aの順に配置されて形成される。同様に、第2の圧電共振器502は、基板503に設けられた第1のキャビティ504aより大きい径の第2のキャビティ504b上に、絶縁層505を介して、下電極層506b、圧電体層507b、上電極層508b、及び周波数調整層509bの順に配置されて形成される。
第1の圧電共振器501及び第2の圧電共振器502は、それぞれ上電極層508と下電極層506との間に電界をかけることにより、圧電体層507が分極して歪むことで機械的な共振を生み、これを電気的に取り出すことによって共振器として機能する。第1の圧電共振器501及び第2の圧電共振器502の共振周波数は、主に周波数調整層509、上電極層508、圧電体層507、下電極層506、及び絶縁層505により構成される振動部の材質、膜厚、及びその質量負荷効果により決定される。第1の圧電共振器に対応する周波数調整層509aの厚さと、第2の圧電共振器に対応する周波数調整層509bの厚さとを異ならせ、一方の周波数調整層509を薄くすることにより、同一の基板503上に異なる共振周波数を有した2つの圧電共振器を形成することが可能となる。
なお、このように周波数調整層509の厚みを異ならせるには、通常削り取りたい部分と残したい部分とに対応したマスクを設計して、レジスト塗布、設計したマスクを用いた露光、現像、エッチング、及びレジスト除去という工程を行う、フォトリソグラフィ技術を用いる(特許文献1を参照)。
図11は、従来の圧電共振器を用いた圧電フィルタ回路900の一例を示す図である。
図11において、従来の圧電フィルタ回路900は、直列圧電共振器904a〜cと、並列圧電共振器903a〜dと、並列インダクタ905a〜dと、直列インダクタ906a〜bとで構成される。直列圧電共振器904a〜cは、入力端子902aと出力端子902bとの間に、直列インダクタ906a〜bを介して直列接続される。並列圧電共振器903a〜dの一方電極は、直列接続された直列インダクタ906a〜b及び直列圧電共振器904a〜cの各々の接続点に、それぞれ接続されている。並列圧電共振器903a〜dの他方電極は、並列インダクタ905a〜dを介してそれぞれ接地されている。
図12(a)は、従来の圧電共振器の単体特性を、図12(b)は、従来の圧電フィルタの通過特性を示す図である。並列圧電共振器903a〜d及び直列圧電共振器904a〜cは、それぞれ、理論的にはインピーダンスが0となる共振点1003及び1005とインピーダンスが無限大になる反共振点1004及び1006とを有した特性である。図10(a)の実線が並列圧電共振器903a〜dの単体特性を示し、破線が直列圧電共振器904a〜cの単体特性を示す。この共振点の共振周波数と反共振点の反共振周波数との差を示すΔfは、通常圧電共振器を構成する圧電体の材料により概ね決定される。並列
圧電共振器903a〜dの反共振点1004と直列圧電共振器904a〜cの共振点1005とをほぼ一致させ、それぞれの圧電共振器を梯子型構成とし、寄生インダクタや外付け回路により接続される並列インダクタ905及び直列インダクタ906を配置することで、圧電フィルタ回路900が構成される。
これにより、圧電フィルタ回路900は、通過帯域1008の低域側に並列圧電共振器903a〜dの共振点1003に対応する周波数に低域側減衰極1009を有し、通過帯域1008の高域側に直列圧電共振器904a〜cの反共振点1006に対応する周波数に高域側減衰極1010を有する特性を持つフィルタとして動作する(特許文献2を参照)。
なお、図10に示した共振周波数の高い第1の圧電共振器501は、図11における直列圧電共振器904a〜cに対応し、共振周波数の低い第2の圧電共振器502は、図11における並列圧電共振器903a〜dに対応している。
特開2002−359534号公報 特許第2800905号明細書
しかしながら、上記従来のフィルタ構造では、低インピーダンスの第2の圧電共振器502のキャビティ504bの開口面積が、高インピーダンスの第1の圧電共振器501のキャビティ504aの開口面積より大きい。このため、基板503のエッチング工程において、開口面積が大きいキャビティ504bでの反応性ガスの循環がよくなり、キャビティ504aよりもキャビティ504bの方が速くエッチングが進む。よって、第1の圧電共振器501の共振周波数を確保するまでエッチングを行うと、第2の圧電共振器502のキャビティ504bが基板503を貫通して絶縁層505までオーバーエッチングしてしまうことになる。この結果、第2の圧電共振器502の共振周波数が、所望する共振周波数よりも高くなる(図13を参照)。
従って、第2の圧電共振器502において所望の共振周波数を確保するためには、オーバーエッチングの影響分だけ周波数調整層509bを厚く形成しておく必要がある(図10(b)を参照)。しかし、この周波数調整層509bの厚みの増大は、圧電共振器の性能を表すQ値の劣化を引き起こし、ひいては圧電フィルタの挿入損失を劣化させる。
それ故に、本発明の目的は、周波数調整層の厚みを削減し、高いQ値を実現し、挿入損失を少なくしつつ、高インピーダンスの圧電共振器と低インピーダンスの圧電共振器とを同一基板に形成した圧電フィルタ、及びこの圧電フィルタを用いたアンテナ共用器及び通信機器を提供することである。
本発明は、同一基板に複数の圧電共振器を備えた圧電フィルタに向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明の圧電フィルタは、複数の圧電共振器をそれぞれ、基板に形成されたキャビティと、キャビティを覆うように基板の上に形成される下部電極と、下部電極の上に形成される圧電体層と、圧電体層の上に形成される上部電極とで構成し、複数の圧電共振器の少なくとも1つが複数のセルからなるキャビティを有しているように形成する。
好ましくは、複数のセルは、基板の表面の開口部の形状及び寸法が全て同一である。特に、複数のセルのそれぞれは、他の圧電共振器のキャビティと基板の表面の開口部の形状及び寸法が全て同一であるとよい。また、複数のセルからなるキャビティを有する圧電共振器は、他の圧電共振器よりも低インピーダンスであることが望ましい。また、典型的には、それぞれのキャビティは、基板を貫通している。この場合、複数のセルからなるキャビティは、基板の裏面ではn個のセルに分割され、下部電極側ではn個未満のセルに分割される形状で形成されてもよい。
上述した圧電フィルタは、アンテナ共用器を構成する送信フィルタ及び受信フィルタの少なくとも一方に用いることができる。また、この圧電フィルタを用いたアンテナ共用器を、アンテナと送信装置及び受信装置との間に設けることで、通信機器を実現することができる。
上記本発明によれば、周波数調整層の厚みを削減し、高いQ値を実現し、挿入損失を少なくしつつ、高インピーダンスの圧電共振器と低インピーダンスの圧電共振器とを同一基板に形成した圧電フィルタ、及びこの圧電フィルタを用いたアンテナ共用器及び通信機器を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る圧電共振器を用いた圧電フィルタ100の構造を示す図である。図1(a)は圧電フィルタ100の上面図を、図1(b)は圧電フィルタ100のA−A断面図を、図1(c)は圧電フィルタ100の下面図を、それぞれ示している。図2A及びBは、本発明の第1の実施形態に係る圧電共振器を用いた圧電フィルタ100の製造方法を概略的に示した図である。
第1の実施形態の圧電フィルタ100の構造を、製造手順と共に詳細に説明する。
まず、シリコン(Si)からなる基板103を準備する(図2A(a))。なお、基板103の材料は、シリコン以外にもガラスやサファイア等を用いてもよい。次に、この基板103上に、酸化珪素(SiO2)や窒化珪素(Si24)等からなる平坦な絶縁層105を形成し、さらにこの絶縁層105上にモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、タングステン(W)、又は白金(Pt)等からなる下電極層106を形成する(図2A(b))。
次に、一般的なフォトリソグラフィー手法を用いて、下電極層106を所定の形状にパターニングして、下電極層106a及び106bを形成する(図2A(c))。例えば、硝酸系のエッチャント(硝酸−硫酸−水)を用いたウエットエッチング手法や、ドライエッチング手法等により、不要部分のモリブデンを溶解除去することで下電極層106a及び106bを形成できる。
次に、絶縁層105、下電極層106a及び106b上に、窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電体層107、モリブデンからなる上電極層108、及び窒化アルミニウムからなる周波数調整層109を、順に形成する(図2A(d))。例えば、2GHz帯向けの圧電共振器を形成する場合には、圧電体層107の厚みを約1100nmに、上電極層108の厚みを約300nmにすればよい。なお、圧電体層107の材料は、窒化アルミニウム以外にも、酸化亜鉛(ZnO)、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、又はニオブ酸カリウム(KNbO3)等を用いてもよい。更には、周波数調整層109の材料は、窒化アルミニウム以外にも、酸化珪素や窒化珪素等を用いてもよい。
次に、下電極層106の場合と同様に、一般的なフォトリソグラフィー手法を用いて、周波数調整層109、上電極層108、及び圧電体層107を、所定の形状に順にパターニングし、最後に所望の膜厚になるように周波数調整層109をエッチングする(図2B(e))。これにより、下電極層106a、圧電体層107a、上電極層108a、及び周波数調整層109aからなる第1振動部と、下電極層106b、圧電体層107b、上電極層108b、及び周波数調整層109bからなる第2振動部とが形成される。最後に、ドライエッチングを用いて、キャビティ104a及び104bを基板103の裏面に形成する(図2B(f))。
以上の処理により、第1振動部とキャビティ104aとからなる第1の圧電共振器101と、第2振動部とキャビティ104bとからなる第2の圧電共振器102とが形成される。
本発明では、この低インピーダンスの第2の圧電共振器102を構成する開口面積が大きいキャビティ104bの形状に、次のような工夫を施している。
第2の圧電共振器102のキャビティ104bを、複数のセルで構成する。図1の例では、円形を2分割した同一形状及び同一寸法の半月形状のセルを、2つ用いて構成している。このように、キャビティ104bを複数のセルで構成すると、1セル当たりの開口面積が小さくなる。よって、基板103のエッチング工程において、各セルでの反応性ガスの循環速度を抑えることができ、高インピーダンスの第1の圧電共振器101の共振周波数を確保するために、キャビティ104b側の絶縁層105がオーバーエッチングされる量を無くす又は低減することができる。オーバーエッチングされる量が無くなるか少なくなるため、周波数調整層109bの厚みの薄くすることができる。従って、第2の圧電共振器102の性能を表すQ値を高め、かつ第2の圧電共振器102を用いた圧電フィルタ100の挿入損失を低減できる。図3は、この圧電フィルタ100の基板103の厚み及び共振周波数の変化を示す図である。
なお、上述した半月形状のセルは一例であり、四角形、多角形、楕円等の様々な形状を用いることが可能である。但し、複数のセルは、基板の表面の開口部の形状及び寸法を全て同一とすることが望ましい。こうすれば、エッチング速度及び量が各セルで同じとなるので、複数の異なる共振周波数が発生してしまうことを防止できる。また、キャビティ形状が左右・上下対称の円ではなくなるので、不要な共振であるスプリアスを低減する効果も有する。
また、第2の圧電共振器102のキャビティ104bは、その壁が垂直になるように、基板103の裏面からドライエッチングされる場合を説明した。しかし、図4に示す圧電フィルタ110のように、圧電共振器112のキャビティ114bが、その壁が開口部から徐々に広がっていく逆テーパで形成されるように、基板103の裏面からドライエッチングしてもよい。この構造にすると、基板103の裏面側から見ると半月形状が2つあるが、絶縁層105側から見ると1つの円形状キャビティとなる。なお、図4(a)は圧電フィルタ110の上面図を、図4(b)は圧電フィルタ110のB−B断面図を、図4(c)は圧電フィルタ110の下面図を、それぞれ示している。
さらに、図5Aに示す圧電フィルタ120のように、第2の圧電共振器122のキャビティ124bとして、第1の圧電共振器101のキャビティ104aと同一寸法の円形セルを複数個配置することも考えられる。この構造により、オーバーエッチングの速度及び量が、全てのキャビティで同じになる。従って、周波数調整層を用いた周波数調整をしない状態で設計したインピーダンスによらず、つまり電極面積によらず同一の共振周波数の圧電共振器を実現できる。これにより、周波数調整層の調整が厳密に可能となり共振周波数精度の高い圧電共振器を実現できる。なお、図5A(a)は圧電フィルタ120の上面図を、図5A(b)は圧電フィルタ120のC−C断面図を、図5A(c)は圧電フィルタ120の下面図を、それぞれ示している。図6は、この圧電フィルタ120の基板103の厚み及び共振周波数の変化を示す図である。なお、同一寸法であれば、円以外の形状のセルを用いても同様の効果を得られる(図5B〜図5D)。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る圧電共振器を用いた圧電フィルタ200の断面構造を示す図である。図7(a)は圧電フィルタ200の上面図を、図7(b)は圧電フィルタ200のD−D断面図を、図7(c)は圧電フィルタ200の下面図を、それぞれ示している。図8A及びBは、本発明の第2の実施形態に係る圧電共振器を用いた圧電フィルタ200の製造方法を概略的に示したものである。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態で説明した基板103を貫通させたキャビティ104a及び104bを、空洞キャビティ204a及び204bに代えた構造である。よって、低インピーダンスの圧電共振器202を構成する空洞キャビティ204bは、上記第1の実施形態で述べた通り複数のセルで構成される。
第2の実施形態にの圧電フィルタ200の構造を、製造手順と共に詳細に説明する。
まず、シリコンからなる基板203を準備し、一般的なフォトリソグラフィー手法を用いてシリコンを溶解除去することにより、空洞キャビティ204a及び204bを形成する(図8A(a))。次に、空洞キャビティ204a及び204bを埋めるために、リン珪酸ガラス(PSG)や有機レジスト等の易溶性材料からなる犠牲層214a及び214bを基板203上に形成し、その後CMP等により空洞キャビティ204a及び204bからはみ出た犠牲層214a及び214bの余分な部分を除去して平坦化する(図8A(b))。次に、この基板203上に、酸化珪素や窒化珪素等からなる平坦な絶縁層205を形成し、さらにこの絶縁層205上にモリブデン、アルミニウム、銀、タングステン、又は白金等からなる下電極層206を形成する(図8A(c))。
次に、一般的なフォトリソグラフィー手法を用いて、下電極層206を所定の形状にパターニングして、下電極層206a及び206bを形成する(図8A(d))。次に、絶縁層205、下電極層206a及び206b上に、窒化アルミニウムからなる圧電体層207、モリブデンからなる上電極層208、及び窒化アルミニウムからなる周波数調整層209を、順に形成する(図8A(e))。次に、下電極層206の場合と同様に、一般的なフォトリソグラフィー手法を用いて、周波数調整層209、上電極層208、及び圧電体層207を、所定の形状に順にパターニングし、犠牲層214a及び214bを一部露出させ、さらに所望の膜厚になるように周波数調整層209をエッチングする(図8B(f))。最後に、空洞キャビティ204a及び204bに形成した犠牲層214a及び214bをフッ酸や有機溶剤等の溶剤によりエッチング除去し、空洞キャビティ204a及び204bを再形成し、圧電共振器201及び202を形成する(図8B(g))。
以上の処理により、下電極層206a、圧電体層207a、上電極層208a、及び周波数調整層209aからなる第1振動部と、下電極層206b、圧電体層207b、上電極層208b、及び周波数調整層209bからなる第2振動部とが形成される。
低インピーダンスの第2の圧電共振器202を構成する開口面積が大きい空洞キャビティ204bの形状を、複数のセル構成にしているので、犠牲層214a及び214bをエッチングする工程において、各セルでの反応性ガスの循環速度を抑えることができ、高インピーダンスの第1の圧電共振器201の共振周波数を確保するために、空洞キャビティ204b側の絶縁層205がオーバーエッチングされる量を無くす又は低減することができる。オーバーエッチングされる量が無くなるか少なくなるため、周波数調整層209bの厚みの薄くすることができる。従って、第2の圧電共振器202の性能を表すQ値を高め、かつ第2の圧電共振器202を用いた圧電フィルタ200の挿入損失を低減できる。
(圧電フィルタを用いた通信機器の例)
図9は、上記第1又は第2の実施形態で説明した圧電フィルタ100又は200を用いた通信機器の構成例を示す図である。この通信機器は、ベースバンド部302と、パワーアンプ(PA)303と、アンテナ共用器304と、アンテナ305と、低雑音増幅器(LNA)306とで構成される。
送信端子301に入力された信号は、ベースバンド部302を通り、パワーアンプ303で増幅され、アンテナ共用器304でフィルタリングされ、アンテナ305から電波送信される。アンテナ305から受信された信号は、アンテナ共用器304でフィルタリングされ、低雑音増幅器306で増幅され、ベースバンド部302を通って受信端子307に伝達される。このアンテナ共用器304に、第1から第2の実施形態で説明した圧電フィルタ100又は200を用いることにより、本発明の有用な効果を発揮できる通信機器を実現することができる。なお、圧電フィルタ100又は200は、アンテナ共用器を構成する送信フィルタ又は受信フィルタの少なくとも一方に用いることで、挿入損失が低減されたアンテナ共用器を実現できる。
本発明の圧電共振器を用いた圧電フィルタは、携帯電話や無線LAN等の移動体通信の無線回路等に利用可能であり、特に、小型化、低損失化、かつ低コスト化を実現したい場合等に適している。
本発明の第1の実施形態に係る圧電共振器を用いた圧電フィルタ100の構造を示す図 圧電フィルタ100の製造方法を概略的に示した図 圧電フィルタ100の製造方法を概略的に示した図 圧電フィルタ100の基板103の厚み及び共振周波数の変化を示す図 本発明の第1の実施形態に係る圧電共振器を用いた他の圧電フィルタ110の構造を示す図 本発明の第1の実施形態に係る圧電共振器を用いた他の圧電フィルタ120の構造を示す図 本発明の第1の実施形態に係る圧電共振器を用いた他の圧電フィルタ130の構造を示す図 本発明の第1の実施形態に係る圧電共振器を用いた他の圧電フィルタ140の構造を示す図 本発明の第1の実施形態に係る圧電共振器を用いた他の圧電フィルタ150の構造を示す図 圧電フィルタ120の基板103の厚み及び共振周波数の変化を示す図 本発明の第2の実施形態に係る圧電共振器を用いた圧電フィルタ200の構造を示す図 圧電フィルタ200の製造方法を概略的に示した図 圧電フィルタ200の製造方法を概略的に示した図 圧電フィルタ100又は200を用いた通信機器の構成例を示す図 従来の圧電共振器を用いた圧電フィルタ500の構造を示す図 従来の圧電共振器を用いた圧電フィルタ回路900の一例を示す図 従来の圧電共振器の単体特性及び従来の圧電フィルタの通過特性を示す図 圧電フィルタ500の基板503の厚み及び共振周波数の変化を示す図
符号の説明
100、110〜150、200 圧電フィルタ
101、102、112、122、201、202 圧電共振器
103、203 基板
104a〜b、114b、124b、204a〜b キャビティ
105、205 絶縁層
106a〜b、206a〜b 下電極層
107a〜b、207a〜b 圧電体層
108a〜b、208a〜b 上電極層
109a〜b、209a〜b 周波数調整層
214a〜b 犠牲層
302 ベースバンド部
303 パワーアンプ
304 アンテナ共用器
305 アンテナ
306 LNA
900 圧電フィルタ回路
903a〜d 並列圧電共振器
904a〜c 直列圧電共振器
905a〜d 並列インダクタ
906a〜b 直列インダクタ

Claims (8)

  1. 同一基板に複数の圧電共振器を備えた圧電フィルタであって、
    前記複数の圧電共振器は、それぞれ
    前記基板に形成されたキャビティと、
    前記キャビティを覆うように前記基板の上に形成される下部電極と、
    前記下部電極の上に形成される圧電体層と、
    前記圧電体層の上に形成される上部電極とで構成され、
    前記複数の圧電共振器の少なくとも1つは、複数のセルからなるキャビティを有していることを特徴とする、圧電フィルタ。
  2. 前記複数のセルは、前記基板の表面の開口部の形状及び寸法が全て同一であることを特徴とする、請求項1に記載の圧電フィルタ。
  3. 前記複数のセルのそれぞれは、他の圧電共振器のキャビティと前記基板の表面の開口部の形状及び寸法が全て同一であることを特徴とする、請求項2に記載の圧電フィルタ。
  4. 前記複数のセルからなるキャビティを有する圧電共振器は、他の圧電共振器よりも低インピーダンスであることを特徴とする、請求項1に記載の圧電フィルタ。
  5. それぞれの前記キャビティは、前記基板を貫通していることを特徴とする、請求項1に記載の圧電フィルタ。
  6. 前記複数のセルからなるキャビティは、前記基板の裏面ではn個のセルに分割され、前記下部電極側ではn個未満のセルに分割される形状で、形成されることを特徴とする、請求項5に記載の圧電フィルタ。
  7. 請求項1に記載の圧電フィルタを、送信フィルタ及び受信フィルタの少なくとも一方に用いた、アンテナ共用器。
  8. アンテナと、
    送信装置と、
    受信装置と、
    前記アンテナと前記送信装置及び前記受信装置との間に設けられる、請求項7に記載のアンテナ共用器とを備える、通信機器。
JP2007160274A 2006-06-26 2007-06-18 圧電共振器を用いた圧電フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器 Pending JP2008035493A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007160274A JP2008035493A (ja) 2006-06-26 2007-06-18 圧電共振器を用いた圧電フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006175771 2006-06-26
JP2007160274A JP2008035493A (ja) 2006-06-26 2007-06-18 圧電共振器を用いた圧電フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008035493A true JP2008035493A (ja) 2008-02-14

Family

ID=39124376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007160274A Pending JP2008035493A (ja) 2006-06-26 2007-06-18 圧電共振器を用いた圧電フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008035493A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012124648A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Murata Mfg Co Ltd 圧電デバイス及びその製造方法
CN112994654A (zh) * 2021-02-08 2021-06-18 中芯集成电路制造(绍兴)有限公司 双工器及其形成方法
WO2022230723A1 (ja) * 2021-04-30 2022-11-03 株式会社村田製作所 弾性波装置
WO2023191070A1 (ja) * 2022-04-01 2023-10-05 株式会社村田製作所 弾性波装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012124648A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Murata Mfg Co Ltd 圧電デバイス及びその製造方法
CN112994654A (zh) * 2021-02-08 2021-06-18 中芯集成电路制造(绍兴)有限公司 双工器及其形成方法
WO2022230723A1 (ja) * 2021-04-30 2022-11-03 株式会社村田製作所 弾性波装置
WO2023191070A1 (ja) * 2022-04-01 2023-10-05 株式会社村田製作所 弾性波装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4944145B2 (ja) 圧電薄膜共振子、フィルタ、通信モジュール、通信装置
US7675389B2 (en) Piezoelectric resonator, piezoelectric filter, and duplexer and communication device using the same
US8531087B2 (en) Piezoelectric thin-film resonator with distributed concave or convex patterns
US9450563B2 (en) Acoustic wave bandpass filter comprising integrated acoustic guiding
JP5279068B2 (ja) 圧電薄膜共振子、フィルタ、通信モジュール、および通信装置
JP5229945B2 (ja) フィルタ、デュープレクサ、および通信装置
WO2007119556A1 (ja) 圧電共振子及び圧電フィルタ
JP2009213037A (ja) 圧電薄膜共振器、フィルタ、および通信装置
JP2006345170A (ja) 薄膜圧電共振器
JP4836748B2 (ja) バルク音響波共振子及びフィルタ装置並びに通信装置
US7639103B2 (en) Piezoelectric filter, antenna duplexer, and communications apparatus employing piezoelectric resonator
CN115085688A (zh) 声表面波谐振装置及形成方法、滤波装置、射频前端装置
JP4327009B2 (ja) 基板からフローティングされたエアギャップを有する薄膜のバルク音響共振器及びその製造方法
JP2008244653A (ja) 薄膜バルク波共振器の製造方法
JP2008035493A (ja) 圧電共振器を用いた圧電フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器
JPWO2009066380A1 (ja) フィルタ、それを用いたデュプレクサおよびそのデュプレクサを用いた通信機
CN114362712B (zh) 体声波谐振装置及其形成方法
JP2009207075A (ja) 共振子フィルタの製造方法
JP2009290591A (ja) Bawフィルタ
JP2009290367A (ja) Baw共振装置およびその製造方法
JP2009290364A (ja) Baw共振装置およびその製造方法
JP2009124696A (ja) 共振装置
JP2010147869A (ja) Baw共振装置およびその製造方法
JP2010147870A (ja) Baw共振装置の製造方法
JP5340876B2 (ja) 弾性波デバイス、フィルタ、通信モジュール、通信装置