以下、本発明にかかる実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明にかかる携帯型電子機器を移動体通信端末によって構成した場合を説明する。本実施形態にかかる移動体通信端末1は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)等といった移動体通信用の端末装置(電話機)であり、本実施形態では、デジタルテレビジョン放送の受信・録画機能を備えているとともに、他の装置で録画されたデジタルテレビジョン放送データの再生機能を有しているものとする。なお、本実施形態では、移動体通信端末1が受信・録画、および、再生するデジタルテレビジョン放送として、移動体向けの1セグメント放送を想定する。
このような移動体通信端末1の構成を、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る移動体通信端末1の構成例を示すブロック図である。図示するように、本実施形態にかかる移動体通信端末1は、通信機能部10、放送受信部20、操作部30、表示部40、データメモリ50、カードインタフェース(I/F)60、プログラムメモリ70、制御部100、などから構成されている。
通信機能部10は、移動体通信端末1の基本機能である通信機能にかかる動作をおこなうものであり、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)方式などの通信方式を用いた通信装置などで構成され、当該通信方式に対応したアンテナ11による無線送受信をおこなうことで、近傍の基地局と無線通信をおこなう。
通信機能部10はまた、例えば、音声処理をおこなうコーデック回路などを備え、音声通話にかかる音声処理をおこなう。すなわち、受信した音声データをアナログ信号に変換してスピーカ12から出力する他、マイクロフォン13から入力された送話音声をデジタルデータに変換して送信に供する。
放送受信部20は、例えば、地上デジタル放送用の受信装置などから構成され、1セグメント放送によって送信された放送電波を受信する。放送受信部20は、所定のチューナ回路や復調回路などを含んでおり、1セグメント放送受信用のアンテナ21によって受信される放送電波の復号処理などをおこなうことで、移動体通信端末1のデジタルテレビジョン受信機能が実現される。
1セグメント放送の場合、通常、MPEG-2システム(ISO/IEC 13818-1)で規定されるトランスポート・ストリーム(Transport Stream:TS)形式で映像データ、音声データ、付加データが多重化されたパケット(TSパケット)によって放送データが構成されている。よって、本実施形態では、このようなTSパケットシーケンスを放送受信部20が受信することで、移動体通信端末1のデジタルテレビジョン受信機能が実現される。
操作部30は、例えば、十字カーソルキーや、数字や文字を入力するための文字キー(テンキー)、種々の機能などを指定するための機能キー等から構成され、移動体通信端末1のユーザによって操作される。操作部30は、これらのキーが操作されることに応じた入力信号を生成して制御部100に入力する。
表示部40は、例えば、液晶表示装置などから構成された表示出力装置であり、制御部100の制御によって画像等を表示出力する。本実施形態では、移動体通信端末1のデジタルテレビジョン受信・録画機能によって受信・録画されたテレビ番組の動画像などが表示部40によって表示出力される。
なお、放送受信部20が受信したテレビジョン放送の音声については、上述した通信機能部10のコーデック回路にて処理されてスピーカ12から出力されるものとする。
データメモリ50は、例えば、フラッシュメモリやハードディスク装置などから構成され、種々のデータを格納する。本実施形態では、移動体通信端末1のデジタルテレビジョン録画機能によって録画された放送データを格納する他、外部メモリから複製もしくは移動された録画データを格納するための内蔵メモリとして機能する。
カードI/F60は、例えば、着脱式のメモリカードMC(外部メモリ)が装着されるメモリカードスロットなどによって構成される。本実施形態では、カードI/F60に装着されるメモリカードMC(外部メモリ)として、SD-Video規格(CPRM Specification, SD Memory Card Book, SD-Video Part, Revision 0.95, October 31, 2005)のフォーマットで映像データ等を記録可能なSDメモリカード(商標)を想定する。カードI/F60は、制御部100の制御により、装着されたメモリカードMC(外部メモリ)への読み書きをおこなう。本実施形態では、このような動作により、メモリカードMC(外部メモリ)に格納された録画データのデータメモリ50(内蔵メモリ)への複製や移動(転送)がおこなわれるものとする。
プログラムメモリ70は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどから構成され、制御部100が実行するプログラムを格納する。
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やRAM(Random Access Memory)などから構成され、移動体通信端末1の各部の動作を制御する。本実施形態では、制御部100が、プログラムメモリ70に格納されている動作プログラムを実行することで、後述する各処理が実現される。なお、制御部100に構成されるRAMは、CPUが処理を実行する際にワークメモリとして機能する。
本実施形態では、制御部100がプログラムを実行することで、メモリカードMC(外部メモリ)に格納されている録画データをデータメモリ50(内蔵メモリ)に転送(複製または移動)させる際の処理をおこなうために必要な構成として機能する。より詳細には、図2の機能ブロック図に示すような各構成として機能する。すなわち、移動体通信端末1への録画データの転送をおこなう際、制御部100は、図示するような、ファイル操作処理部110、ファイル生成部120、制限情報取得部130、復号処理部140、制御情報生成部150、実行制限部160、などとして機能する。
ファイル操作処理部110は、操作部30との協働により、データメモリ50(内蔵メモリ)およびカードI/F60を介してアクセス可能なメモリカードMC(外部メモリ)内に格納されているデータファイルに対する操作指示を判別し指示に応じた操作を実行する。本実施形態では、メモリカードMC(外部メモリ)内に格納されている録画ファイルをデータメモリ50(内蔵メモリ)に転送(複製もしくは移動)させる操作や、データメモリ50(内蔵メモリ)内に転送された録画ファイルのデータメモリ50(内蔵メモリ)内での複製や移動にかかる操作をおこなうものとする。
ファイル生成部120は、メモリカードMC(外部メモリ)に格納されている録画ファイルをデータメモリ50(内蔵メモリ)に転送する際に、転送された録画データのファイルをデータメモリ50(内蔵メモリ)に生成する。
制限情報取得部130は、メモリカードMC(外部メモリ)に格納されている録画ファイルをデータメモリ50(内蔵メモリ)に転送する際に、当該録画ファイルに対して施されている制限を示す制限情報を取得する。本実施形態では、SD-Video規格に基づく録画ファイルがメモリカードMC(外部メモリ)に格納されているものとし、当該録画ファイルを構成するTODパケットシーケンスに周期的に挿入されているRDI(Real-Time Data Information)パケットから複製制限情報を取得する他、メモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアに格納されている移動制限情報を取得する。
復号処理部140は、制限情報取得部130がメモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアから制限情報を取得する際に必要となる復号動作をおこなう。本実施形態では、メモリカードMC(外部メモリ)にアクセスする装置との認証が成立しなければ読み書きすることができない保護エリアがメモリカードMC(外部メモリ)内に用意されているものとする。そして、この保護エリアには、当該メモリカードMC(外部メモリ)に格納されている録画ファイルについての移動制限を示した移動制限情報(Usage Rule)が暗号化されて格納されているものとする。復号処理部140は、この移動制限情報を取得するために、例えば、チャレンジ−レスポンス方式の鍵交換で認証をおこない、格納されている移動制限情報を復号して取得する。
制御情報生成部150は、制限情報取得部130が取得した制限情報に基づいて、データメモリ50(内蔵メモリ)に転送された録画ファイルについての制御情報を生成する。この制御情報は、転送された録画ファイルをデータメモリ50(内蔵メモリ)内で複製または移動させる際の制限を示すものである。
実行制限部160は、データメモリ50(内蔵メモリ)に転送された録画ファイルについての制御情報に基づいて、当該録画ファイルをデータメモリ50(内蔵メモリ)内で複製あるいは移動させる際の制限をおこなう。
本実施形態では、このような録画制御にかかる動作を、制御部100がプログラムを実行することで実現されるものとするが、これに限られず、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)などの専用ハードウェアによって制御部100による上記各構成を実現してもよい。
上記各構成は本発明を実現するために必要な構成であり、移動体通信端末としての基本機能や付加機能のために必要なその他の構成は必要に応じて備えられているものとする。
このような構成を有する移動体通信端末1の動作を以下説明する。まず、メモリカードMC(外部メモリ)に格納されている録画ファイル(録画データ)を移動体通信端末1のデータメモリ50(内蔵メモリ)に転送(複製もしくは移動)させる際に実行される録画データ転送処理を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。この録画データ転送処理は、移動体通信端末1のユーザが操作部30を操作し、カードI/F60に装着されているメモリカードMC(外部メモリ)内のファイル表示を指示したことを契機に開始されるものとする。
この場合、ユーザ操作に応じた入力信号が操作部30から制御部100に入力され、ファイル操作処理部110によって指示内容が判別される。そして、メモリカードMC(外部メモリ)内のファイル表示が指示されたと判別した場合、ファイル操作処理部110はカードI/F60を制御し、装着されているメモリカードMC(外部メモリ)内のファイル情報を取得することで、メモリカードMC(外部メモリ)内のファイルを表示部40に一覧表示させる(ステップS101)。
すなわち、図6(a)に示すように、メモリカードMC(外部メモリ)内に格納されているファイルが表示部40に一覧表示される。本実施形態では、地上デジタルテレビジョン放送の1セグメント放送を録画した録画ファイル(録画データ)が、SD-Video規格のフォーマットでメモリカードMC(外部メモリ)内に格納されているものとする。よって、表示部40には、メモリカードMC(外部メモリ)に格納されている録画ファイルが一覧表示される。
この状態で、ユーザがさらに操作部30を操作することで、一覧表示されている録画ファイルから所望するファイルを選択し、選択したファイルに対する操作を指示する。例えば、所定のキーを操作することで、図6(b)に示すように、選択したファイルに対する指示を入力するためのサブメニューが表示される。ここで、所望する操作に対応する項目を選択することで、その内容を示す入力信号が操作部30から制御部100に入力される。
図示するように、録画ファイルに対する指示項目として、例えば、「再生」、「転送」、「削除」、などが用意されているものとする。本実施形態では、メモリカードMC(外部メモリ)内の録画ファイルを移動体通信端末1のデータメモリ50(内蔵メモリ)に複製もしくは移動させる操作である「転送」が選択されるものとする。
ユーザが操作部30を操作することにより、選択した録画ファイルの転送を選択すると、操作部30からの入力信号に基づき、録画ファイルの転送が指示されたとファイル操作処理部110が判別する(ステップS102:Yes)。
この場合、ファイル操作処理部110は、データメモリ50(内蔵メモリ)への録画ファイル転送を実行する旨をファイル生成部120に指示する。ファイル操作処理部110からの指示に応じて、ファイル生成部120は、データメモリ50(内蔵メモリ)にアクセスし、転送先となるファイルをオープン(新規作成)し(ステップS103)、当該ファイルにヘッダ領域を確保する(ステップS104)。このヘッダ領域は、転送した録画ファイルについての制御情報を格納するためのユーザ情報領域と、当該録画ファイル内での各データの結合状態を示す結合情報を格納するための結合情報領域とから構成されている。
ここで、転送先となるデータメモリ50(内蔵メモリ)での録画ファイルのデータ構成の例を図7に示す。図示するように、データメモリ50(内蔵メモリ)に生成される録画ファイルは、その先頭にヘッダ領域が構成され、ヘッダ領域に続いてTODブロック、MOIブロック、MAIブロックが構成されている。
本実施形態では、SD-Video規格のフォーマットでメモリカードMC(外部メモリ)内に録画ファイルが格納されているので、メモリカードMC(外部メモリ)には、図8に示すように、1回の録画につき、TOD、MOI、MAIの3つのファイルが作成されている。TOD(Transport Stream Object Data)は、録画した1セグメント放送の映像や音声などのコンテンツを示すデータである。MOI(Media Object Information)は、管理情報の一種であり、例えば、早送りや早戻りなどのシーク情報や録画時間情報などが含まれている。また、MAI(Media Object Additional Information)も管理情報の一種であり、例えば、欠落パケット情報などが含まれている。
本実施形態では、このようなファイル構成の録画ファイル取得されるTOD、MOI、MAIを図7に示すような順序で結合することで、転送先の録画ファイルがデータメモリ50(内蔵メモリ)内に生成される。
このようなデータ構成の先頭領域であるヘッダ領域をデータメモリ50(内蔵メモリ)内に確保すると、ファイル生成部120は、制限情報取得部130にその旨を通知する。ファイル生成部120からの通知に応じて、制限情報取得部130は、メモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアに格納されている移動制限情報(Usage Rule)の取得を復号処理部140に指示する。
復号処理部140は、カードI/F60を介してメモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアにアクセスし(ステップS105)、所定の認証動作をおこなう。そして、保護エリアに格納されている移動制限情報(Usage Rule)を復号して取得すると、ファイル生成部120に引き渡すことで、ステップS104で作成したユーザ情報領域に転記する(ステップS106)。
ここで、メモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアに格納されている移動制限情報(Usage Rule)を、図9を参照して説明する。図9(a)に示すように、移動制限情報(Usage Rule)は、少なくとも、移動制限初期値(Initial Move Control Information)と移動制限現在値(Current Move Control Information)から構成されており、それぞれに、図9(c)に示すような、「移動禁止」、「1世代のみ移動可」、「無条件に移動可」を示す値が記録されている。
移動制限初期値は、録画ファイルが最初に作成された時点で規定され、その後、当該録画ファイルが移動されても変化しない。一方、移動制限現在値は、当該録画ファイルが移動される毎に書き換えられる。例えば、録画ファイルのコンテンツに施されている移動制限が「1世代のみ移動可」である場合、当該録画ファイルが作成された時点では、移動制限初期値と移動制限現在値の双方が「1世代のみ移動可」を示す値であるが、当該録画ファイルが1度移動されると、移動制限現在値は「移動禁止」を示す値に書き換えられる。
メモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアに格納されているこのような移動制限情報は、そのまま転送先ファイルのユーザ情報領域に転記される(以下、転記された移動制限情報を「移動制御情報」とする)。移動制限情報をデータメモリ50(内蔵メモリ)に転記すると、ファイル生成部120は、カードI/F60を介してメモリカードMC(外部メモリ)にアクセスし、転送が指定された録画ファイルのコンテンツデータであるTODパケットシーケンスの取得を開始する(ステップS107)。
ファイル生成部120は、TODパケットシーケンスの取得を開始すると、その旨を制御情報生成部150に通知する。ファイル生成部120からの通知に応じて、制御情報生成部150は、転送されるTODパケットシーケンスに挿入されている複製制限情報に応じた制御情報を生成するための制御情報生成処理を開始する(ステップS200)。この制御情報生成処理を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
処理が開始されると、制御情報生成部150は、ファイル生成部120が取得しているTODパケットシーケンスに挿入されているRDIパケットを取得する(ステップS201)。ここで、TODパケットシーケンスのデータ構造例を図10(a)に示す。上述したように、TODパケットは録画データのコンテンツ部分を示すデータであり、そのパケットシーケンスには、図示するように、RDIパケットが所定周期で挿入されている。RDIパケットは、コピー制御種別を示すCPF(Copy Permission Flag:コピー制御フラグ)を含んでいる。このCPFは、例えば、図10(b)に示すような対応関係に基づき、コピー制御の種別を示す値が示されている。
制御情報生成部150は、取得したRDIパケットに記述されているCPF値を参照し(ステップS202)、当該CPF値の示すコピー制御種別が「コピーフリー(Copy Freely)」であるか否かを判別する(ステップS203)。すなわち、図10(b)に示すようなCPF値とコピー制御種別との対応を示す対応表が、例えば、データメモリ50などに予め格納されているものとし、制御情報生成部150は、この対応表を参照することで、取得したRDIパケットが示すコピー制御種別を判別する。
図10(b)に示すように、CPFによって示されるコピー制御種別は、例えば、「無条件にコピー可+出力保護なし」、「無条件にコピー可+出力保護あり」、「1世代コピー可」、「コピー禁止」、などである。制御情報生成部150は、取得したCPF値に基づいて、「無条件にコピー可」(つまり、コピーフリー(Copy Freely))が含まれるものであるか否かを判別する。
取得したRDIパケットがコピーフリーを示している場合(ステップS203:Yes)、制御情報生成部150は、次に現れるRDIを取得し(ステップS204:No、S201)、記述されているCPFの示すコピー制御種別が「コピーフリー」であるか判別する。
つまり、TODパケットシーケンスに挿入されているすべてのRDIパケットが、「コピーフリー」を示している場合、制御情報生成部150は、すべてのRDIパケットを順次取得することになる。この場合(ステップS204:Yes)、制御情報生成部150は、図9(b)に例示するような、「複製可能」を示す値となる複製制御情報(複製可否情報)を生成する(ステップS205)。
一方、このようにして順次取得されるRDIパケットに、「コピーフリー」以外のコピー制御種別を示すCPFが含まれていると(ステップS203:No)、制御情報生成部150は、そこでRDIパケットの取得を止め、図9(b)に例示するような、「複製禁止」を示す値となる複製制御情報(複製可否情報)を生成する(ステップS206)。
すなわち、取得しているTODパケットシーケンスに挿入されているすべてのRDIパケットが「コピーフリー」を示しているのであれば、転送後の録画ファイルの複製を制御するための複製制御情報(複製可否情報)は「複製可能」を示し、1つでも「コピーフリー」でないRDIパケットが含まれていれば、「複製禁止」を示す複製制御情報(複製可否情報)が生成されることになる。
つまり、図10(b)に示すように、CPFによって示される「コピーフリー」以外のコピー制御種別は、「1世代コピー可」、「コピー禁止」であるため、「コピーフリー」以外のコピー制御が録画ファイルに施されていれば、当該録画ファイルをデータメモリ50(内蔵メモリ)に複製できないか、データメモリ50(内蔵メモリ)には複製できても、そこからさらなる複製はできないことになる。よって、このような場合、データメモリ50(内蔵メモリ)に転送された録画ファイルについてのコピー制御として「複製禁止」が該当するので、制御情報生成部150は、その旨を示す複製制御情報(複製可否情報)を生成する。
このようにして複製制御情報(複製可否情報)が生成されると、制御情報生成部150は、生成した複製制御情報(複製可否情報)をファイル生成部120に引き渡す。ファイル生成部120は、複製制御情報(複製可否情報)を転送先ファイルのユーザ情報領域に記録して(ステップS207)、録画データ転送処理(図3)のフローに戻る。これにより、転送先ファイルのユーザ情報領域には、図9に示すように、転送後の録画ファイルの移動と複製を制御するための制御情報(移動制御情報と複製制御情報(複製可否情報))が格納されることになる。なお、本実施形態では、制御情報生成部150が取得したRDIパケットを、すべての処理が終了するまでワークメモリに保持しておくものとする。
制御情報生成処理によって制御情報が生成・記録されると、録画データ転送処理のフローでは、ファイル生成部120が、取得したTODパケットシーケンスを、転送先ファイルのヘッダ領域に続けて格納する(ステップS108)。すなわち、図7に示すように、ユーザ情報領域に続けてTODブロックが作成され、実質的な録画データがメモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)に転送される。
TODパケットがデータメモリ50(内蔵メモリ)に格納されると、ファイル生成部120は、指定された録画ファイルのメモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)への転送可否を判別するための転送可否判別処理を実行する(ステップS300)。この転送可否判別処理を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
処理が開始されると、ファイル生成部120は、データメモリ50(内蔵メモリ)にアクセスし、作成した転送先ファイルのユーザ情報領域にアクセスし、設定された複製制御情報(複製可否情報)が「複製禁止」を示しているか否かを判別する(ステップS301)。
複製制御情報(複製可否情報)が「複製禁止」である場合(ステップS301:Yes)、ファイル生成部120は、ワークメモリに保持してあるRDIパケットのうち、コピー制御種別が「コピーフリー」でなかったRDIパケットを参照し(ステップS302)、そのCPF値に基づいてコピー制御種別を判別する(ステップS303)。
ここでは、コピー回数に制限があるか否かを判別する(ステップS303)。上述したように、CPFによって示されるコピー制御種別は、コピーフリー以外では、「1世代コピー可」か「コピー禁止」である。よって、CPFが「1世代コピー可」を示しているのであれば、コピー回数に制限があることになり、「コピー禁止」であれば、コピー回数に制限がないことになる。
よって、CPFが示すコピー制御種別が「1世代コピー可」(コピーワンス)である場合、ファイル生成部120は、コピー回数制限ありと判別し(ステップS303:Yes)、回数制限に基づいて、メモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)へのコピーが可能であるか否かを判別する(ステップS304)。
つまり、録画ファイルに設定されているコピー制限がコピーワンスの場合、メモリカードMC(外部メモリ)内の録画ファイルが、放送の録画により直接作成されたものであれば、そこからデータメモリ50(内蔵メモリ)へのコピーは可能であるが、当該録画ファイルがメモリカードMC(外部メモリ)にコピーされたものであれば、データメモリ50(内蔵メモリ)へのコピーはできないことになる。このような判別は、コピー回数を示す情報(Copy Count Control Information)に基づいておこなわれるものとし、本実施形態では、メモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアに格納されている移動制限情報に付随して用意されているものとする。
ファイル生成部120は、録画ファイルのデータメモリ50(内蔵メモリ)へのコピーが可能であると判別した場合(ステップS304:Yes)、もしくは、複製制御情報(複製可否情報)が「複製可能」である場合(ステップS301:No)、指定された録画ファイルのデータメモリ50(内蔵メモリ)の複製について「複製可能」と判別する(ステップS305)。
一方、複製に関する制限が「コピー禁止」である場合(ステップS303:No)や、回数制限によりデータメモリ50(内蔵メモリ)へのコピーはおこなえない場合(ステップS304:No)、ファイル生成部120は、指定された録画ファイルのデータメモリ50(内蔵メモリ)への複製について「複製不可」と判別する(ステップS306)。
この場合、ファイル生成部120は、当該録画ファイルのデータメモリ50(内蔵メモリ)への移動は可能であるか否かをさらに判別する。ここでは、ステップS106でデータメモリ50(内蔵メモリ)に転記した移動制御情報にアクセスし(ステップS307)、記録されている移動制限初期値を参照して(ステップS308)、移動が許可されているか否かを判別する(ステップS309)。
ここで、録画ファイルが生成された時に設定され、その後書き換えられることのない移動制限初期値が、「無条件に移動可」あるいは「1世代のみ移動可」を示していれば、当該録画ファイルの移動は許可されていると判別し、移動制限初期値が「移動禁止」を示していれば、移動は許可されていないと判別する。
移動が許可されている場合(ステップS309:Yes)、ファイル生成部120は、移動制御情報の移動制限現在値を参照し(ステップS310)、メモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)への移動が可能であるか否かを判別する(ステップS311)。ここで、移動制限現在値が「無条件に移動可」を示しているのであれば、録画ファイルのメモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)への移動は可能であると判別することになる(ステップS311:Yes、ステップS312)。
一方、当初設定されている移動制限が「1世代のみ移動可」であり、移動によってメモリカードMC(外部メモリ)に録画ファイルが格納されているのであれば、移動制限現在値は「移動禁止」を示す値となっている。この場合、ファイル生成部120は、録画ファイルのメモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)への移動は不可であると判別することになる(ステップS311:No)。
この場合、転送が指定されたメモリカードMC(外部メモリ)内の録画ファイルは、データメモリ50(内蔵メモリ)へ複製することも移動することもできないので、ファイル生成部120は、指定された録画ファイルの転送について「転送不可」と判別する(ステップS313)。
このようにして、指定されたメモリカードMC(外部メモリ)内の録画ファイルのデータメモリ50(内蔵メモリ)への転送可否が判別されると、録画データ転送処理(図3)のフローに戻る。
録画データ転送処理では、転送可否判別処理での判別結果に応じて、転送元ファイルおよび転送先ファイルを操作する。ここでは、複製はできないが(ステップS109:Yes)、移動は可能(ステップS110:Yes)なのであれば、カードI/F60を介してメモリカードMC(外部メモリ)にアクセスし、転送元の録画データを削除することで(ステップS111)、録画ファイルがメモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)に移動される。
この場合、ファイル生成部120は、データメモリ50(内蔵メモリ)に移動された録画ファイルのユーザ情報領域にアクセスし、今回の移動に伴う移動制限現在値の更新をおこなう(ステップS112)。
一方、複製も移動も不可である場合(ステップS109:Yes、S110:No)、ファイル生成部120は、ステップS108でデータメモリ50(内蔵メモリ)に格納したTODなどの録画データを削除して(ステップS113)、処理を終了する。これにより、設定されている制限に基づいて、メモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)への録画ファイルの転送はなされないことになる。この場合、ファイル操作処理部110は、例えば、コピー制限により転送できない旨のエラーメッセージを表示部40に表示するなどしてユーザに通知する。
また、複製が可能である場合(ステップS109:No)は、今回の複製に応じた複製制御情報(複製可否情報)の更新をおこなって(ステップS112)、処理を終了する。ここでは、例えば、コピー回数の制限がある場合に、今回の複製動作に応じて複製可能回数の減算などをおこなう。
以上説明したように、メモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)に録画ファイルを転送する際、メモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアに格納されている移動制限情報を転記した移動制御情報と、録画データのTODパケットシーケンスに挿入されている複数の複製制限情報に基づく複製制御情報(複製可否情報)とが、転送先ファイルのヘッダとしてまとめて格納される。
よって、データメモリ50(内蔵メモリ)に転送された録画ファイルを、データメモリ50(内蔵メモリ)内で複製もしくは移動させる場合は、実行制限部160が当該録画ファイルのユーザ情報領域を参照することで、複製もしくは移動にかかる制限を実行することができる。
例えば、データメモリ50(内蔵メモリ)に転送された録画ファイルの複製が指示された場合、実行制限部160は当該録画ファイルの複製制御情報(複製可否情報)を参照し、「複製可能」であれば、指定された場所への複製をおこない、複製制御情報(複製可否情報)が「複製禁止」であれば、複製をおこなわず、コピー制御により複製できない旨のエラーメッセージなどを表示部40に表示する。
上述したように、複製制限情報は、本来的には、TODパケットシーケンスにRDIパケットとして複数挿入されたものであるが、メモリカードMC(外部メモリ)からデータメモリ50(内蔵メモリ)に録画ファイルを転送した際に、複製制限情報に基づく複製制御情報(複製可否情報)を生成してヘッダとして格納しているので、データメモリ50(内蔵メモリ)内で録画ファイルを複製するときには、TODパケットシーケンスを再度走査する必要がなく、ヘッダに格納されている複製制御情報(複製可否情報)を参照するだけで、適切な複製制限をおこなうことができる。これにより、複製にかかる処理時間を短縮させることができる。
同様に、データメモリ50(内蔵メモリ)に転送された録画ファイルを、例えば、データメモリ50(内蔵メモリ)内の別のフォルダへの移動が指示された場合、実行制限部160は、当該録画ファイルの移動制御情報を参照し、移動可能であれば、指定された場所への移動をおこない、移動制御情報が移動禁止を示しているのであれば、移動をおこなわず、移動制御により移動できない旨のエラーメッセージなどを表示部40に表示する。
本実施形態では、メモリカードMC(外部メモリ)の保護エリアに格納されている移動制限情報を転送先の録画ファイルのヘッダに転記し、データメモリ50(内蔵メモリ)への移動に応じて移動制御現在値を更新しているので、データメモリ50(内蔵メモリ)に転送された録画ファイルを移動させる際にも適切な移動制限をおこなうことができる。
すなわち、本発明を上記実施形態の如く適用することで、メモリカードなどの外部メモリに格納されている録画ファイルを内蔵メモリに転送する際に、外部の保護エリアに格納されている制限情報や複数の情報によって構成されている制限情報などに基づく制御情報を生成し、転送した録画データと対応づけて内蔵メモリに格納するので、転送後の録画ファイルの複製や移動にかかる制限を適切かつ効率的におこなうことができる。
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、メモリカードへの録画フォーマットの例としてSD-Video規格を例示したが、複数種類のデータファイルが生成されるような録画フォーマットであれば、本発明の適用がSD-Video規格に限られるものではない。同様に、メモリカードMCもSDメモリカード(商標)に限られるものではなく、任意の外部メモリ媒体とすることができる。
また、上記実施形態では、デジタルテレビジョン放送による放送番組(映像)を録画する場合を例示したが、これに限られず、例えば、地上デジタル音声放送(いわゆる、デジタル・ラジオ)の録音などに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、複製や移動にかかる制限として、コピーワンスなどといった1回のみ複製や移動を可能とする制限を例示したが、例えば、複数回の任意回数を指定して制限するものであってもよい。
なお、上記実施形態では、本発明を移動体通信端末に適用した場合を例示したが、デジタルテレビジョン放送の受信・録画機能を有しているものであれば、移動体通信端末に限られず、種々の携帯型電子機器(例えば、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、など)に本発明を適用することができる。
このような携帯型電子機器は、上記実施形態で示した移動体通信端末1のように、予め本発明を適用した形で提供可能であることはもとより、上記実施形態の制御部100が実行したプログラムと同様のプログラムを適用することで、既存の携帯型電子機器を、本発明にかかる携帯型電子機器として機能させることができる。このようなプログラムを提供する形態は任意であり、プログラムをDVD(Digital Versatile Disk)やメモリカードなどの記録媒体に格納して提供可能である他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することで提供することもできる。このようにして提供されたプログラムを装置に適用し、当該装置のコンピュータ(CPUなど)が実行することで、上述した各機能や動作が実現されることになる。
1…移動体通信端末、10…通信機能部、11…アンテナ、12…スピーカ、13…マイクロフォン、20…放送受信部、21…アンテナ、30…操作部、40…表示部、50…データメモリ(内蔵メモリ)、60…カードI/F、MC…メモリカード(外部メモリ)、70…プログラムメモリ、100…制御部、110…ファイル操作処理部、120…ファイル生成部、130…制限情報取得部、140…復号処理部、150…制御情報生成部、160…実行制限部