JP2008031562A - 繊維布帛の実用耐久撥水度試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維布帛からなる撥水加工品の実際の着用および使用した状態を想定し、布帛の摩擦や擦れに対する撥水性能あるいは汚れ付着に対する撥水性能を判別し得る撥水度試験方法を提供する。
【解決手段】平面板の上面に試験片を一定張力下で固定し、乾燥状態にある帆布、または含水率が10%以上150%以下の湿潤状態にある帆布を摩擦子に取り付け、上記試験片の上面に該摩擦子を一定の押圧荷重下で接触させた状態で摩擦処理させた後、該試験片の撥水度を判定することを特徴とする撥水度試験方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維布帛からなる撥水加工品の実際の着用および使用した状態を想定し、布帛の摩擦や擦れに対する撥水性能あるいは汚れ付着に対する撥水性能を判別し得る撥水度試験方法に関するものである。
従来、繊維布帛からなる撥水加工品は、フッ素系撥水剤やシリコーン系撥水剤などで繊維布帛を処理して撥水性が付与されており、加工直後の初期状態の撥水レベルを向上させ、さらには、撥水性能の耐久性を示す洗濯耐久性、磨耗耐久性を向上させる検討が実施されており、近年、撥水加工品の革新的な技術の進歩により、洗濯を100回以上実施しても撥水性を有する、極めて洗濯耐久性に優れた撥水加工品が提供されてきている。
これらの洗濯耐久性を有した撥水加工品の撥水度を評価するには、撥水加工品を所望する所定回数の洗濯処理を行った後、JIS L 1092(1998)スプレー試験あるいはJIS L 1092(1998)雨試験により、撥水度を判定する方法が適用されている。
スプレー試験とは水250mlをガラス漏斗に入れて試験片上に所要時間25〜30秒で散布し、試験片の余分な水滴を落とした後、試験片の濡れ性について評価する方法である。一方、JIS L 1092(1998)雨試験は、シャワー部と試験部とから構成されるブンデスマン雨試験装置を用い、シャワー部では約300個の水滴発生ノズルから約0.07mlの水滴を発生させ、人工雨を1.5mの高さから試験部へ降雨させ、試験片を取り付けた試験部は、試験片の裏側を往復回転運動する十字型ステンレス鋼製の摩擦子で摩耗させ、所定の時間を降雨させた後、試験片の表面の湿潤状態を評価する方法で、実際の降雨に対する撥水性を評価する方法である。
一般的に、撥水加工品の撥水性の低下は、実際の撥水加工品の使用および着用状態を想定した場合、洗濯処理による撥水性の低下の他に、着用時に発生する摩耗による撥水低下、撥水加工品の親水化による撥水性低下、また、日常生活で発生する粉塵、汚染による撥水性低下、皮脂、汗などによる撥水性低下があるとされている。
したがって、従来の評価は、撥水加工品の初期状態(未使用状態)における撥水性能を評価し、また、撥水加工品の初期状態(未使用状態)を洗濯し、洗濯耐久性に対する撥水性能を評価しており、初期状態における撥水加工本来の撥水性能を評価するのに好適であった。しかしながら、実際の着用状態あるいは使用状態を想定していないため、従来の撥水評価では合格レベルであった撥水加工品が実際に使用すると撥水不良になり、クレームとなって返却されるものが一部見られ、実使用状態および着用状態を想定した、実用的な撥水評価方法が望まれていた。
そこで、従来から磨耗に対する撥水性能を評価する手法として、湿潤させた綿布で試験片を摩耗処理した後、スプレー試験あるいはブンデスマン雨試験により撥水度を判定する試験方法があるが(例えば、特許文献1参照)、綿布は比較的、凹凸がなく表面が平坦であるため試験片に摩耗負荷が弱く、カバン、リュックなどの肩掛け部で受ける摩耗負荷などの実使用に見合った摩耗強度を付与できていなかった。また、綿布自体が摩耗強度も弱いため、摩耗処理を連続して実施した場合、綿布がダメージを受け、綿布から繊維カスが発生し、安定した摩耗処理を達成できていなかった。また、綿布の含水量が1.0g程度であるため、長期にわたる連続湿摩耗処理を実施した場合、徐々に湿摩耗から乾摩耗に変わり、湿潤状態での摩耗処理を安定して連続付与できていなかった。
また、日常生活における空気中の粉塵や、人体から発生する皮脂、汗や食物などの汚れ付着に対する撥水性の低下については、乾汚染剤や鉱物油などの油系汚れを直接、試験片へ付着させる方法が用いられている場合もあるが、試験片の表面に均一にバラツキなく付着させることができず、また、付着状態が実用とかけ離れた状態で実際の汚れ付着を想定したものとはいえなかった。
特開平9−158045号公報(第7頁)
本発明の課題は前記の現状に鑑み、繊維布帛からなる撥水加工品の実際の着用および使用した状態を想定し、布帛の摩擦や擦れに対する撥水性能あるいは汚れ付着に対する撥水性能を判別し得る撥水度試験方法を提供することにある。
本発明はかかる課題を解決するため、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)平面板の上面に試験片を無張力下で固定し、乾燥状態にある帆布、または含水率が10%以上150%以下の湿潤状態にある帆布を摩擦子に取り付け、上記試験片の上面に該摩擦子を一定の押圧荷重下で接触させた状態で摩擦処理させた後、該試験片の撥水度を判定することを特徴とする撥水度試験方法。
(2)前記帆布が、綿帆布、麻帆布、ポリエステル帆布、ポリエステル/綿混紡帆布のいずれかよりなるものであることを特徴とする前記(1)に記載の撥水度試験方法。
(3)前記試験片が予め人工汚染布を用いて汚染処理されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の撥水度試験方法。
(4)前記撥水度試験方法が、JIS L 1092(1998)に基づくスプレー試験により、またはJIS L 1092(1998)に基づく雨試験により撥水度を判定するものであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の撥水度試験方法。
本発明によれば、撥水加工を施した繊維製品の撥水性能について、実際の着用状態および使用状態を想定し、布帛の摩擦や擦れに対する撥水性能あるいは汚れ付着に対する撥水性能を安定して精度良く判別し得る撥水度試験方法を提供することができる。
本発明は前記課題、つまり実際の着用状態および使用状態を想定した撥水度試験方法について鋭意検討した結果、平面板の上面に試験片を無張力下で固定し、乾燥状態あるいは含水率が10%以上150%以下の範囲で湿潤状態にある帆布を摩擦子に取り付け、試験片の上面に該摩擦子を一定の押圧荷重下で接触させた状態のまま摩擦処理させた後、撥水度を判定する撥水度試験方法により、摩耗に対する撥水性を安定して精度良く評価することができ、また、前記試験片を人工汚染布で予め汚染処理させることにより、空気中に飛散している粉塵、人体から発生する皮脂や汗などの汚れ付着に対する撥水性能を判別でき、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
まず、本発明における摩耗に対する撥水性能を判別する撥水度試験方法について詳細を説明する。
撥水加工品の実着用状態および使用状態を考慮すると、撥水加工品は生地同士、手、カバン、生活環境を取り巻く全ての物体と、摩擦、磨耗され、撥水性が徐々に低下していく。これらを想定し平面板の上面に試験片を無張力状態で固定し、帆布で磨耗処理した後、撥水性を評価することが好ましい。また、実使用状態では雨等で濡れていない状態で撥水加工品が磨耗される場合もあり、乾燥状態である帆布を用いて磨耗処理することが好ましい。ここで言う乾燥状態とは含水率が0.5%未満である状態を指す。なお、含水率については後述する。また、撥水加工品の撥水面が雨、雪等で濡れた状態で摩耗される場合も多く、特に湿潤時において摩耗された場合、顕著に撥水性の低下が見られることから、湿潤状態である帆布を用いて摩耗処理することが好ましい。なお、湿潤状態とは帆布の含水率が0.5%以上である状態を指す。湿潤摩耗に対する撥水性を評価する場合、帆布の含水率は一定に保つ必要があるが、湿潤した状態で連続磨耗する場合において、帆布は含水量が高いため、湿潤状態を長くキープでき、長時間連続して摩耗処理しても安定して湿潤摩耗を施すことができる点からも摩擦子として帆布を用いることが好適である。
本発明の摩擦子として使用する帆布は、タテ糸、ヨコ糸に繊度が5番手以上60番手以下の紡績糸を1本以上の撚り糸または引き揃え糸を使用し、タテ密度及びヨコ密度が30本/5cm以上120本/5cm以下であり、目付が120g/m以上1200g/m以下であるものが好ましい。これらの範囲で構成された帆布は、いずれも耐摩耗性に優れ、摩擦子を帆布として、試験片を連続磨耗処理しても帆布自体は磨耗による損傷はほとんど見られず、評価の精度の点から好適である。なお、さらに好ましくは、帆布の湿潤状態を長時間に渡り保持させるには、帆布の目付が重要であり、目付が120g/m以上1200g/m以下であるものが好ましく、また、その他、目付が上記範囲であればそれに類する生地であれば良い。より好ましくは帆布の目付が300g/m以上800g/m以下であり、さらに好ましくは400g/m以上700g/m以下である。目付が120g/m未満である場合、帆布に保持可能な水分量が少なく、連続した湿摩耗を安定的に施すことができにくくなる。一方、目付が1200g/mを超えると、帆布の生地の厚みがあるため、摩擦子への取り付けが難しくなる。なお、帆布としては、綿帆布、麻帆布、ポリエステル帆布、ポリエステル/綿混紡帆布が好ましい。さらに好ましくは、保水性、耐摩耗性の点から綿帆布、麻帆布であることが好ましい。なお、綿帆布は例えばJIS L 3102(1978)で規定されたもの、麻帆布は例えばJIS L 3402(1999)に規定されたものを用いることができる。特に押圧荷重が高ければ高いほど、その効果は見られ、高荷重下においても帆布から繊維カスが発生しにくく好適である。
また、湿潤状態で磨耗する場合、帆布の含水率は10%以上150%以下であるものが好ましい。ここで言う含水率とは帆布の乾燥重量(単位:g)に対する水が占める割合のことで下記式(1)により求められる。(有効数字4桁)なお、n数はn=3とし、その平均値で求めた。
含水率(%)={(湿潤状態の帆布重量−乾燥状態の帆布重量)/乾燥状態の帆布重量}×100 ・・・(式1)
なお、帆布の含水率は、より好ましくは20%以上120%以下であり、この範囲の含水率であれば、摩擦子である帆布に充分な水分が含水しているため、湿潤摩耗状態を継続して負荷できる。なお、含水率が20%以下とは、綿帆布6号を用いて測定した場合、含水量は約1.5g以下で、含水率が120%以上とは含水量が約9.0g以上である。なお、さらに好ましくは、40%以上90%以下である。また、湿潤状態で磨耗する場合、吸水特性に優れ比較的含水量が多い、綿帆布あるいは麻帆布を用いることが好ましい。さらに好ましくは綿帆布である。使用する帆布の号数は特に限定しないが、摩擦子ホルダーへの取り付けの容易さ、また、帆布の強度の点から、JIS L 3102(1978)の付表に規定された綿帆布6〜11号、JIS L 3402(1999)に規定された純麻帆布1〜7号、交織交撚帆布1〜5号を用いることが好ましい。また、湿潤状態の帆布にて摩耗処理するため、安定して水分を保持できる点からも綿帆布6号〜11号、麻帆布1号〜5であることが好ましい。
繊維布帛を摩耗処理する装置については、特に限定されるものではないが、試験片を上面に取り付けられる平面板を有し、試験片にかかる張力が実質的にゼロである無張力下で試験片を固定でき、帆布を摩擦子として固定する摩擦子ホルダーを有し、一定荷重下で繊維布帛の表面を摩擦子で摩耗処理できれば良い。磨耗処理としては、摩擦子ホルダー自体が往復運動、回転運動しても良く、あるいは、試験片取り付け台が往復運動あるいは回転運動しても良く、摩擦子ホルダーと試験片取り付け台が共に往復運動あるいは回転運動しても良く、特にこれらに限定されるものではない。例えば、アピアランス・リテンション形試験機、ユニフォーム形磨耗試験機、テーパ形摩耗試験機、マーチンデール磨耗試験機、シーファー型試験機などがあるが、それらに限定されるものではない。また、帆布を取り付けた摩擦子の押圧荷重は所望する負荷により適宜決定すれば良く、特に限定しないが、乾燥状態あるいは湿潤状態である帆布を一定荷重下で繊維布帛を摩擦できれば良く、安定して水分を付与するには、押圧荷重が2.0N以上20.0N以下であることが好ましい。さらに好ましくは3N以上15N以下である。また、磨耗回数は目的に応じ所定の回数を磨耗させれば良く、好ましくは1回以上2000回以下である。なお、より好ましくは10回以上1000回以下である。
また、湿潤状態である帆布にて摩耗処理した場合、撥水度を評価するにあたって湿潤状態で摩耗処理された試験片を風乾せずに撥水度を評価しても良く、あるいは風乾を実施してから撥水度を評価しても良い。また、試験片を予め洗濯処理を施した後、上記、磨耗処理を加えても良く、洗濯耐久性と磨耗に対する撥水性を同時に評価することも好適で、通常の家庭洗濯、ドライクリーニングなどにより予め洗濯処理を施せば良い。
以上の方法により、撥水度を評価する前処理として試験片に乾燥状態あるいは湿潤状態の帆布で磨耗処理を加え、JIS L 1092(1998)スプレー試験あるいはJIS L 1092(1998)雨試験により撥水評価すれば良い。なお、撥水度判定方法についてもこれらに限定されるものではなく、接触角による撥水度の評価などでも良い。
次に、本発明における人工汚染布による汚染処理について説明する。本発明において、試験片が人工汚染布を用いて予め汚染処理されていることが好ましい。人工汚染布に使用される繊維の種類は、綿、ポリエステル、ナイロン、綿混紡、羊毛、アクリルなどいずれでも良く特に限定されるものではない。また、組織についても特に限定されるものではないが、生地表面が平坦である平織物が安定して汚染成分を付与できる点で好適である。また、人工汚染布の汚垢成分としては、カーボンブラック、酸化鉄、硫化鉄などの空気中の粉塵、オリーブ油、鉱油など、植物油の油系汚れ、日常の生活で汚れ付着する可能性のある口紅、ムースなどの化粧品汚れ、ココア粉、コーヒー、紅茶、マヨネーズ、ブルーベリージュース、唐唐辛子、ケチャップ、カレー、赤カブ、ミルク、赤ワイン、鶏卵砂糖、チョコレートミルクなどの食物汚れ、人体から発生する汗、皮脂などの汚れである遊離脂肪酸、オレイン酸、トリオレイン酸、コレステロール、スクワランなど、その他、ゼラチン、トリグリセライド、ラノリン、黒色硫化染料、ラノリン、カオリン、牛脂、炭化水素、IXチン、緑色硫化染料、葉緑素などが挙げられるが、特に限定されるものではなく、撥水加工品の用途あるいは目的によって汚染成分を指定すれば良い。また、これらの汚染成分が複数個含まれていることも好適である。これら汚垢成分の布への付着状態は、布帛内に含浸していても良く、布帛表面に塗布あるいはスプレーなどにより付着されていても良いが特に限定されない。
繊維布帛からなる試験片を人工汚染布により汚染処理する方法は特に限定されるものではないが、平面板の上面に試験片を無張力下で固定し、乾燥状態あるいは湿潤状態の人工汚染布を摩擦子に取り付け、試験片の上面に該摩擦子を一定の押圧荷重下で接触させた状態のまま摩擦処理させれば良い。人工汚染布は乾燥状態あるいは湿潤状態のどちらでも良いが、湿潤状態である方が汚垢成分が試験片へ移動しやすく好適である。なお、湿潤状態については、人工汚染布の含水率が50%以上150%以下の範囲で湿潤させてから汚染処理すると、水系汚垢成分、粒子汚垢成分の流動性が向上し、より精度良く汚垢成分を試験片へ移行可能となるため好ましい。
また、人工汚染布を取り付けた摩擦子の押圧荷重は0.5N以上10N以下の範囲で磨耗させることが好ましい。より好ましくは2.0N以上5.0N以下であることが好適である。磨耗処理方法としては、摩擦子ホルダー自体が往復運動、回転運動しても良く、あるいは、試験片取り付け台が往復運動あるいは回転運動しても良く、摩擦子ホルダーと試験片取り付け台が共に往復運動あるいは回転運動しても良く、特にこれらに限定されるものではない。例えば、アピアランス・リテンション形試験機、ユニフォーム形磨耗試験機、テーパ形摩耗試験機、マーチンデール磨耗試験機、シーファー型試験機などがあるが、それらに限定されるものではない。また、目的に応じ所定回数を増加させれば良く、特に限定されるものではないが、磨耗回数は1回以上1000回以下であれば良く、より好ましくは10回以上200回以下であることが好ましい。
これら人工汚染布を用いて予め試験片に汚染処理した後、乾燥状態あるいは湿潤状態である帆布で試験片を摩耗処理し、スプレー試験あるいはブンデスマン雨試験にて撥水度を評価することが好ましい。
以下、実施例によって本発明をされに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の撥水評価方法はブンデスマン雨試験を用いたがスプレー試験においても同様の傾向が得られている。
[帆布の含水率測定]
摩擦子に用いる帆布を11cm×11cmの大きさに切り取り、乾燥時の重量を有効数字4桁まで計測する。また、該帆布を水に3分間浸せきさせた後、濾紙で軽く余分な水を拭き取り、湿潤状態における帆布の重量を計測し、含水率を求めた。
[スプレー試験]
JIS L 1092(1998)スプレー試験に準拠して測定した。
[ブンデスマン雨試験]
JIS L 1092(1998)雨試験に準拠して測定した。なお、降雨量は600mmHO/h、降雨時間は30分とした。
[撥水加工品の実使用簡易テスト]
撥水加工生地の実使用状態での撥水性能を簡易評価するため、次の通り試験を実施した。任意の撥水加工生地8水準(A〜H)を選定し、骨数8本の傘の傘地用にサンプルをカットし、次いで、生地8水準を張り合わせた1本の雨傘を作成し、計10本準備した。該傘を10人の方が3日に1回、傘地を手で擦りながら汚れおよび磨耗負荷を加え、1ヶ月間、屋根がない場所で、1ヶ月間、放置し、降雨中あるいは降雨後の撥水状態を観察した。傘を1ヶ月間放置後、傘地を分解し、各水準の生地の撥水状態をスプレー法で確認した。
<実施例1>
撥水加工布8水準(A〜H)を直径17.5cmに4枚採取し、試験片を得、アピアランス・リテンション形磨耗試験器の試験片取り付け台に試験片を取り付けた。一方、摩擦子として綿帆布6号(トスコ株式会社製)生機に通常の方法で精練・晒し加工を行い、11cm×11cmに採取し、乾燥時の綿帆布の重量を測定した。なお、乾燥時の綿帆布重量は7.601gであった。採取した綿帆布を蒸留水500ml中に3分間浸せきし、その後、濾紙で綿帆布の両面の水分を軽く除去した。含水率が80%となるように、濾紙にて余分な水分を除去した。この時の綿帆布の重量は13.538gであり、すなわち綿帆布の含水率は78%であった。次に、アピアランス・リテンション形試験機の平面板の上面に張力がかからないように試験片を固定し、次いで摩擦子ホルダーに湿潤した綿帆布を取り付け、ゴムバンドで固定した。摩擦子ホルダーを押圧荷重7.36Nで摩擦子ホルダーを押しつけ、試験片側を88rpmの回転速度で50回摩耗処理した。12時間室温で風乾した後、ブンデスマン雨試験に準拠し、撥水度を判定した。以上の作業を1水準につき4回実施し、4回の平均値で撥水度を求めた。傘による実使用簡易テスト結果と比較すると、やや撥水レベルは良いが相関関係があることを確認した。また、繰り返し精度も問題なく、バラツキも小さかった。
<実施例2>
実施例1と同様の手順で含水率が78%である綿帆布を得、磨耗回数を90回に変更した以外は、実施例1と同様に撥水度を評価した。傘による簡易テスト結果に近似し、相関関係があることを確認した。また、繰り返し精度も問題なく、バラツキも小さかった。
<実施例3>
実施例2の含水率を100%とした以外は、実施例2と同様の処理を行い、ブンデスマン雨試験により撥水度を判定した。やや、傘による簡易テスト結果に比べ、やや、撥水度が低く出ているものの、相関関係があることを確認した。
<実施例4>
人工汚染布(EMPA101)を11cm×11cmのサイズにカットし、300ml中の蒸留水で1分間浸漬させた。人工汚染布の含水率が100%となるよう、濾紙にて余分な水分を除去した後、アピアランス・リテンション形試験機の摩擦子ホルダーに湿潤した人工汚染布を取り付け、ゴムバンドで固定した。摩擦子ホルダーを押圧荷重3.92Nで試験片に押し付け、88rpmの回転速度で50回回転させることで汚染処理を実施した。汚染処理済みの試験片を実施例2と同様の手順で磨耗処理した後、ブンデスマン雨試験により撥水度を判定した。傘による簡易テスト結果に近似し、高い相関関係を得ることできることを確認した。また、繰り返し精度も問題なく、バラツキも小さかった。
[人工汚染布:EMPA101の成分]
販売者:Swiss Federal Laboratories for Materials Testing and Research)
繊維の種類:綿
布重量:90g/m
汚垢の成分:カーボンブラック、オリーブ油、安定化剤、乳化剤
分散媒:水
汚染方式:浸漬。
<比較例1>
試験片を前処理せずに、ブンデスマン雨試験で撥水度を判定した。初期状態の撥水度であり、前水準ともに撥水度は良好であった。
<比較例2>
実施例1の綿帆布を綿布(かなきん3号)とし、含水率を100%とした以外は、実施例1と同様に撥水性を評価した。なお、含水率が100%の時の含水量は1.008gであった。しかし、湿潤磨耗による撥水性の低下はあまりみられず、実使用簡易テスト結果とはかけ離れた結果であった。
<比較例3>
実施例1の摩擦子に綿布(かなきん3号)を使用し、含水率を150%とした以外は、実施例1と同様の磨耗処理を試験片へ施し、撥水性を評価した。なお、綿布の含水量は1.633gであった。しかし、撥水性の低下はわずかであり、実使用簡易テスト結果と相関がみられなかった。また、含水量のバラツキが大きく、撥水度のバラツキが大きかった。
<比較例4>
実施例3の綿帆布を綿布(かなきん3号)に変更し、磨耗回数を450回とした以外は、実施例3と同様の磨耗処理を実施し、ブンデスマン雨試験により撥水性を評価した。しかし、湿潤させた綿布は磨耗回数が200回以上となると綿布の表層にピリングが発生し、繊維カスとなって磨耗面上に発生した。これより、磨耗回数を増加させた場合、測定精度が下がり、バラツキ無く撥水性を評価できなかった。
<比較例5>
実施例4と同様に試験片を人工汚染布(EMPA101)で汚染処理した後、含水率が100%である綿布(かなきん3号)にて、実施例1と同様の磨耗処理を施した後、撥水性を評価した。しかし、撥水性の低下はわずかであり、実使用簡易テスト結果と相関がみられなかった。
Figure 2008031562
Figure 2008031562
実施例で用いたアピアランス・リテンション形磨耗試験器の概略図である。
符号の説明
1:平面板
2:摩擦子ホルダー
3:綿帆布
4:ゴムバンド
5:荷重
6:回転手段
7:試験片

Claims (4)

  1. 平面板の上面に試験片を無張力下で固定し、乾燥状態にある帆布、または含水率が10%以上150%以下の湿潤状態にある帆布を摩擦子に取り付け、上記試験片の上面に該摩擦子を一定の押圧荷重下で接触させた状態で摩擦処理させた後、該試験片の撥水度を判定することを特徴とする撥水度試験方法。
  2. 前記帆布が、綿帆布、麻帆布、ポリエステル帆布、ポリエステル/綿混紡帆布のいずれかよりなるものであることを特徴とする請求項1に記載の撥水度試験方法。
  3. 前記試験片が予め人工汚染布を用いて汚染処理されていることを特徴とする請求項1または2に記載の撥水度試験方法。
  4. 前記撥水度試験方法が、JIS L 1092(1998)に基づくスプレー試験により、またはJIS L 1092(1998)に基づく雨試験により撥水度を判定するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撥水度試験方法。
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