JP2008030983A - セメント混和剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメントペースト、モルタル、コンクリートなどのセメント組成物の分散性を高めながら流動性が保持されるようにするとともに、セメント組成物等を取り扱う現場において作業しやすくなるような粘性とすることができ、セメント組成物等の状態を良好にすることができるセメント混和剤である。
【解決手段】4級アンモニウム基を有するポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含んでなるセメント混和剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、セメント混和剤に関する。より詳しくは、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物等に好適に用いることができるセメント混和剤に関する。
セメント混和剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物等に対して減水剤等として広く用いられており、セメント組成物から土木・建築構造物等を構築するために欠かすことのできないものとなっている。このようなセメント混和剤は、セメント組成物の流動性を高めてセメント組成物を減水させることにより、硬化物の強度や耐久性等を向上させる作用を有することになる。このような減水剤の中でもポリカルボン酸系重合体を含むものは、従来のナフタレン系等の減水剤に比べて高い減水性能を発揮するため、高性能AE減水剤として多くの実績がある。
このようなセメント混和剤においては、セメント組成物に対する減水性能に加えて、セメント組成物を取り扱う現場において作業しやすくなるように、その粘性を良好にすることができるものが求められている。すなわち減水剤として用いられるセメント混和剤は、セメント組成物の粘性を低下させることによる減水性能を発揮することになるが、このような性能を発揮すると共に、それを取り扱う現場において作業しやすくなるような粘性とすることができるものが土木・建築構造物等の製造現場において求められている。セメント混和剤がこのような性能を発揮すると、土木・建築構造物等の構築における作業効率等が改善されることとなる。
ところで、無機粉体用分散剤に関し、オキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基とオキシエチレン基とのランダム重合鎖を導入した、水溶性共縮合体または水溶性重合体を必須成分として含有するものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ポリアルキレンポリアミンにアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレン系化合物が優れたセメント分散効果、セメント分散補助効果等を奏し、これにポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸からなる高性能AE減水剤を配合したセメント組成物が優れた減水効果を奏することが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、セメント組成物等に用いる場合、減水性があるだけでは不充分である。つまり、1)製造現場においてコンクリート等の流動性の保持性を向上させ、2)コンクリート等の状態がより作業しやすい状態となるようにすることにより、土木・建築構造物等の構築現場における作業効率等をさらに改善するなど、改良の余地があった。
特開平9−248438号公報(第2頁) 特開2000−109357号公報(第2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、分散性を高め、流動性が保持されるようにするとともに、セメント組成物等を取り扱う現場において作業しやすくなるような粘性とすることができることを目的とするものである。
本発明者らは、土木・建築構造物等の構築現場において求められているセメント混和剤に関し、流動性が保持されて作業性に優れたセメント組成物等を形成することができるものについて種々検討したところ、ポリカルボン酸系重合体がセメント組成物等に対して減水性能を発揮することができることにまず着目し、4級アンモニウム基を有するポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を用いると、セメント組成物等の流動性を改善するのに有効であることを見いだした。また、4級アンモニウム基を有するポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の中でも、オキシアルキレン基を有する構成単位及び4級アンモニウム基を有する構成単位を必須とし、特定の構造式で表されるものとすると、これまでの高性能AE減水剤を用いたセメント組成物とは異なり、分散性を向上させることができ、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、4級アンモニウム基を有するポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含んでなるセメント混和剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明のセメント混和剤は、(1)4級アンモニウム基を有するポリイミン系化合物を含む形態、(2)4級アンモニウム基を有するポリアミン系化合物を含む形態、(3)4級アンモニウム基を有するポリエーテル系化合物を含む形態、(4)(1)〜(3)の化合物を2種以上含む形態のうち、少なくともひとつの形態のものである。これらの形態において、4級アンモニウム基を有するポリイミン、ポリアミン、又は、ポリエーテルアミン系化合物は、それぞれ1種又は2種以上を用いてもよい。
上記ポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物は、一般式(1);
Figure 2008030983
で表される構成単位、
一般式(2);
Figure 2008030983
で表される構成単位、
一般式(3);
Figure 2008030983
で表される構成単位、
一般式(4);
Figure 2008030983
で表される構成単位、及び、
一般式(5);
Figure 2008030983
で表される構成単位(一般式(1)〜(5)中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数3〜22のアルケニル基、炭素数7〜22のアリールアルキル基、炭素数2〜22のヒドロキシアルキル基、−(CH)p−CO、−(CH)p−SO、−(CH)p−PO、及び、−CH(CHCO)COからなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。pは、1〜6の数を表す。Mは、同一又は異なって、水素原子、金属原子、アンモニウム基、及び、有機アミン基(有機アンモニウム基)からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子又は基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のアルケニレン基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキレン基、炭素数2〜12のジヒドロキシアルキル基、炭素数8〜12のジルキルアリレン基、及び、−(R−O)mからなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキレン基を表す。mは、1〜500の数を表す。Rは、同一又は異なって、−(R−O)m−Hを表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキレン基を表す。Xは、同一又は異なって、水溶性アニオンを表す。)で表される構成単位のうち、1種又は2種以上を有することが好ましい。
上記ポリアルキレンイミン系化合物としては、4級アンモニウム基を有することを必須とし、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等の炭素数2〜8アルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる、これらのアルキレンイミンの単独重合体や共重合体を含むものであることが好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このようなポリアルキレンイミン系重合体により、ポリアルキレンイミン鎖が形成されることになるが、該ポリアルキレンイミン鎖は、直鎖状の構造、分枝状の構造、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよい。更に、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等を含むものであってもよい。このようなポリアルキレンイミンでは、通常、構造中に第3級アミノ基の他、活性水素原子をもつ第1級アミノ基や第2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。
上記ポリアルキレンアミン化合物としては、例えば、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ビス(オクタメチレン)トリアミン等が挙げられる。ポリアルキレンアミン系化合物は、骨格中に4級化可能なアミノ基を含むという点でポリアルキレンイミン系化合物の構造と類似することから、同様の化学的特性を有するものである。
上記ポリエーテルアミン化合物としては、例えば、(1)ハンツマン社製のジェファーミン類や、(2)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオールにホルムアルデヒド及びシアン化水素を反応させた後、引き続きアンモニアの存在下で付加生成物を水素化することによって得られるジアミン類や、(3)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオールにアクリロニトリルを付加させた後に、アンモニアの存在下で水素化することによって得られるジアミン類などが挙げられる。これらのポリエーテルアミン系化合物も、骨格中に4級化可能なアミノ基を含むという点でポリアルキレンイミン系化合物の構造と類似することから、同様の化学的特性を有するものである。
上記ポリアルキレンイミン系化合物、ポリアルキレンアミン系化合物やポリエーテルアミン系化合物は、上述したアミン系化合物を化学的に修飾したものも含んでもよい。例えば、アルキル化、アシル化やアジピン酸等のようなジカルボン酸との縮合などによって修飾されたアミン系化合物も含む。
上記一般式(1)〜(5)におけるRのアルキル基は、炭素数1〜22のアルキル基であれば、特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。炭素数が22を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基である。より好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基である。
上記Rのアルケニル基は、炭素数3〜22のアルケニル基であれば、特に限定されず、例えば、アリル基、メタリル基等が挙げられる。炭素数が22を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数3〜12のアルケニル基である。より好ましくは、炭素数3〜8のアルケニル基である。
上記Rのアリールアルキル基は、炭素数7〜22のアリールアルキル基であれば、特に限定されず、例えば、ベンジル基等が挙げられる。炭素数が22を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数7〜12のアリールアルキル基である。より好ましくは、炭素数7〜8のアリールアルキル基である。
上記Rのヒドロキシアルキル基は、炭素数2〜22のヒドロキシアルキル基であれば、特に限定されず、例えば、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。炭素数が22を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数2〜12のヒドロキシアルキル基である。より好ましくは、炭素数2〜8のヒドロキシアルキル基である。
上記一般式Mの金属原子は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等が挙げられる。好ましくは、ナトリウム原子である。また、有機アミン基としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基等が挙げられる。更にアンモニウム基も例として挙げられる。
上記一般式(1)〜(5)におけるRのアルキレン基は、炭素数1〜12のアルキレン基であれば、特に限定されず、例えば、エチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。炭素数が12を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数2〜8のアルキレン基である。より好ましくは、炭素数2〜6のアルキレン基である。
上記Rのアルケニレン基は、炭素数2〜12のアルケニレン基であれば、特に限定されず、例えば、エテニレン基、プロペニレン基等が挙げられる。炭素数が12を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数2〜8のアルケニレン基である。より好ましくは、炭素数2〜6のアルケニレン基である。
上記Rのヒドロキシアルキレン基は、炭素数1〜12のヒドロキシアルキレン基であれば、特に限定されず、例えば、ヒドロキシエチレン基等が挙げられる。炭素数が12を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数2〜8のヒドロキシアルキレン基である。より好ましくは、炭素数2〜6のヒドロキシアルキレン基である。
上記Rのジヒドロキシアルキレン基は、炭素数2〜12のジヒドロキシアルキレン基であれば、特に限定されず、例えば、1,2−ジヒドロキシエチレン基等が挙げられる。炭素数が12を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数2〜8のジヒドロキシアルキレン基である。より好ましくは、炭素数2〜6のジヒドロキシアルキレン基である。
上記Rのジアルキルアリレン基は、炭素数8〜12のジアルキルアリレン基であれば、特に限定されず、例えば、−CH−C−CH−等が挙げられる。炭素数が12を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数8〜10のジアルキルアリレン基である。
上記−(R−O)mのRは、炭素数2〜6のアルキレン基であれば、特に限定されず、例えば、エチレン基やプロピレン基等が挙げられる。炭素数が6を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数2〜5のアルキレン基である。より好ましくは、炭素数2〜3のアルキレン基である。
上記−(R−O)mのRは、炭素数2〜6のアルキレン基であれば、特に限定されず、例えば、エチレン基やプロピレン基等が挙げられる。炭素数が6を超えると、化合物の水溶性が低くなるので、セメント混和剤としての効果が発揮できなくなるおそれがある。好ましくは、炭素数2〜5のアルキレン基である。より好ましくは、炭素数2〜3のアルキレン基である。
上記水溶性アニオンとしては、例えば、Cl、Br及びIのようなハロゲンアニオン、又はSO 2−や炭素数1〜5のアルキルサルフェートアニオン(CHSO 、CSO 、CSO 等)が挙げられる。好ましくは、CHSO である。
上記化合物、すなわち、ポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物は、オキシアルキレン基を有する構成単位を必須とすることが好ましい。
上記オキシアルキレン基は、少なくとも1種が炭素数3以上のオキシアルキレン基であればよい。なお、同一の付加物にオキシアルキレン基が2種以上存在する場合には、オキシアルキレン基が、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態をとってもよいが、ブロック付加してなる形態がより好ましい。このようなオキシアルキレン基を有する構成単位は、炭素数3以上のオキシアルキレン基が少なくとも1種以上付加してなるものであればよく、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、オクチレンオキシド等の炭素数2〜8のアルキレンオキシドの他、ジペンタンエチレンオキシド、ジヘキサンエチレンオキシド等の脂肪族エポキシド;トリメチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オクチレンオキシド等の脂環エポキシド;スチレンオキシド、1,1−ジフェニルエチレンオキシド等の芳香族エポキシド等の1種又は2種以上により形成される構造を有することが好適である。
上記4級アンモニウム基を有するポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、ポリーエーテル系化合物の製造方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、アミノ基を有するポリアルキレンイミン系化合物やポリアルキレンアミン系化合物に対して、アルキル化剤を反応させることで得られる。アルキル化剤としては、アルキルハロゲン化合物(塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化メチル等)、芳香族ハロゲン化合物(塩化ベンジル等)、ジアルキル硫酸(ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等)が挙げられる。
上記4級化は、無溶媒で行ってもよいし、適宜、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、エタノールやイソプロパノールのような低級アルコール溶媒、アセトンのようなケトン系溶媒、アセトニトリルのようなニトリル系溶媒、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒等が挙げられる。
反応温度に関しても特に制限はないが、例えば、20〜120℃で行う。反応温度が低いと目的の4級化反応が遅くなるおそれがあり、また逆に反応温度が高いと、4級アンモニウム塩の分解反応が副反応として起こる恐れがある。好ましくは、40〜100℃、更に好ましくは、50〜90℃で行う。
反応圧力は、大気圧下で行ってもよいし、オートクレーブのような容器中で加圧下で行ってもよい。
ポリアルキレンイミンやポリアルキレンアミンに対して、アルキル化剤を滴下してもよいし、逆にアルキル化剤に対して、アミン系化合物を滴下してもよい。好ましくは、アミン系化合物に対して、アルキル化剤を滴下する方法である。
上記セメント混和剤においては、上記ポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を、セメント混和剤の固形分100質量%に対して、0.1質量%以上、80質量%以下含有してなることが適当である。0.1質量%未満であると、セメント組成物の流動性を充分に向上させることができないおそれがあり、80質量%を超えると、セメント組成物等に充分な強度を付与することができず、また、分散性を充分に向上させることができないおそれがあり、更に、経済的に不利となるおそれもある。より好ましくは、1質量%以上であり、また、45質量%以下であり、更に好ましくは、2質量%以上であり、また、50質量%以下であり、特に好ましくは、4質量%以上であり、また、35質量%以下であり、最も好ましくは、5質量%以上であり、また、30質量%以下である。
上記セメント混和剤は、ポリカルボン酸系重合体を含んでなることが好ましい。
上記ポリカルボン酸系重合体を形成する単量体成分は、更に必要に応じて、その他の単量体を含んでもよい。その他の単量体としては、以下のものが好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのジエステル、上記不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのジアミド、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのジエステル。
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩。
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;アリルアルコール等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチルエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物類。
上記ポリカルボン酸系重合体は、1種又は2種以上を用いてもよいが、2種以上であることが好ましい。なお、2種以上のポリカルボン酸系重合体とは、例えば、平均分子量、アルキレンオキシド平均付加モル数等の特性が異なるポリカルボン酸系重合体が2種以上であることを意味する。
上記ポリカルボン酸系重合体は、一般式(6);
Figure 2008030983
(式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。xは、0〜2の数を表す。yは、0又は1を表す。ROは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素を表す。mは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。)で表される構成単位及び一般式(7);
Figure 2008030983
(式中、R10、R11、及びR12は、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基、又は−(CHZ1COOMを表し、Z1は、0〜2の数を表す。−(CHZ1COOMは、−COOM又は他の−(CHZ1COOMと無水物を形成してもよい。M及びMは、同一若しくは異なって、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基(有機アンモニウム基)を表す。)で表される構成単位を有するものであることが好ましい。
上記ROで表されるオキシアルキレン基は、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表すが、このようなオキシアルキレン基の構造は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド等のアルキレンオキシドの1種又は2種以上により形成される構造である。このようなオキシアルキレン基の中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド基であることが好ましい。更にエチレンオキシドが主体であるものが更に好ましい。
上記ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数であるmは、1〜300の数である。mが300を超えると、単量体の重合性が低下することになる。mの好ましい範囲としては、2以上であり、また、−(RO)m−の中で、オキシエチレン基の平均付加モル数としては、2以上であることが好ましい。mが2未満であったり、オキシエチレン基の平均付加モル数が2未満であったりすると、セメント粒子等を分散させるために充分な親水性、立体障害が得られないおそれがあるため、優れた流動性を得ることができないおそれがある。優れた流動性を得るには、mの範囲としては、3以上が好ましく、また、280以下が好ましい。より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上、特に好ましくは20以上である。また、より好ましくは250以下、特に好ましくは150以下である。また、オキシエチレン基の平均付加モル数としては、3以上が好ましく、また、280以下が好ましい。より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上である。また、より好ましくは250以下、更に好ましくは200以下、特に好ましくは150以下である。また、粘性の低いコンクリートを得るためには、mの範囲としては、3以上が好ましく、また、100以下が好ましい。より好ましくは、4以上であり、また、50以下であり、更に好ましくは、4以上であり、また、30以下であり、特に好ましくは、5以上であり、また、25以下である。
なお、上記平均付加モル数とは、単量体1モル中において付加している当該有機基のモル数の平均値を意味する。
上記Rは、炭素数が30を超えると、ポリカルボン酸系重合体の疎水性が強くなりすぎるために、良好な分散性を得ることができなくなるおそれがある。Rの好ましい形態としては、分散性の点から、炭素数1〜20の炭化水素基又は水素である。より好ましくは炭素数10以下、更に好ましくは炭素数3以下、特に好ましくは炭素数2以下の炭化水素基である。炭化水素基の中でも、飽和アルキル基、不飽和アルキル基が好ましい。これらのアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。また、優れた材料分離防止性能の発現や、セメント組成物中に連行される空気量を適度なものとするためには、炭素数5以上の炭化水素基とすることが好ましく、また、炭素数20以下の炭化水素基とすることが好ましい。より好ましくは、炭素数5〜10の炭化水素基である。炭化水素基の中でも、飽和アルキル基、不飽和アルキル基が好ましい。これらのアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
上記一般式(7)のM又はMにおける金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子が好適である。また、有機アミン基としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が好適である。更に、アンモニウム基であってもよい。
本発明のセメント混和剤を製造する方法としては、ポリアルキレンイミン(アミン)系化合物と、ポリカルボン酸系重合体を含んでなるセメント混和剤を製造するものであり、これらの製造方法は特に限定されるものではない。
上記ポリカルボン酸系重合体の製造方法において、単量体成分の共重合方法を以下に説明する。
上記共重合方法としては、例えば、単量体成分と重合開始剤とを用いて、溶液重合や塊状重合等の通常の重合方法により行うことができる。重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができ、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシドが好適である。また、促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明におけるポリカルボン酸系重合体の製造方法において、単量体成分の共重合方法を以下に説明する。
上記共重合方法としては、例えば、単量体成分と重合開始剤とを用いて、溶液重合や塊状重合等の通常の重合方法により行うことができる。重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができ、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシドが好適である。また、促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合方法においては、連鎖移動剤も必要に応じて使用することができる。このような連鎖移動剤としては、通常使用されるものを1種又は2種以上使用できるが、疎水性連鎖移動剤を用いることもできる。
上記共重合方法においてはまた、単量体成分が、オキシアルキレン基を有する単量体、すなわちポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)の1種又は2種以上を含む場合、疎水性連鎖移動剤を用いることもできる。
上記疎水性連鎖移動剤とは、炭素数3以上の炭化水素基をもつチオール化合物又は25℃の水に対する溶解度が10%以下の化合物が好適であり、上述した連鎖移動剤や、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、ターピノーレン等の不飽和炭化水素化合物が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。
上記疎水性連鎖移動剤は、必要に応じて親水性連鎖移動剤1種又は2種と併用してもよい。このような親水性連鎖移動剤としては、通常用いられるものを使用することができ、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;2−アミノプロパン−1−オール等の1級アルコール;イソプロパノール等の2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸及びその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物及びその塩が好適である。
上記連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよく、単量体成分を構成するオキシアルキレン基を有する単量体、溶媒等とあらかじめ混同しておいてもよい。
上記共重合方法は、回分式でも連続式でも行うことができる。また、共重合の際、必要に応じて使用される溶媒としては、通常用いられるものを使用でき、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、単量体成分及び得られるポリカルボン酸系重合体の溶解性の点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることが好ましい。
上記共重合方法において、単量体成分や重合開始剤等の反応容器への添加方法としては、反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体と重合開始剤の全量を添加する方法等が好適である。このような方法の中でも、得られる重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ、セメント組成物等の流動性を高める作用であるセメント分散性を向上することができることから、重合開始剤と単量体を反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。また、単量体成分の共重合性が向上して得られる重合体の保存安定性がより向上することから、共重合中の反応容器内の水の濃度を50%以下に維持して共重合反応を行うことが好ましい。より好ましくは40%以下であり、更に好ましくは30%以下である。
上記共重合方法において、共重合温度等の共重合条件としては、用いられる共重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤により適宜定められるが、共重合温度としては、通常0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは40℃以上であり、更に好ましくは50℃以上であり、特に好ましくは60℃以上である。また、より好ましくは120℃以下であり、更に好ましくは100℃以下であり、特に好ましくは85℃以下である。
上記共重合方法により得られる重合体は、そのままでもセメント添加剤の主成分として用いられるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミンを用いることが好ましい。
上記ポリカルボン酸系重合体は、上述したように単量体成分を共重合してなるが、このような重合体の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算での重量平均分子量(Mw)が、500以上であることが好ましく、また、500000以下であることが好ましい。500未満であると、これらのポリカルボン酸系重合体の減水性能が低下するおそれがあり、500000を超えると、ポリカルボン酸系重合体の減水性能、スランプロス防止能が低下するおそれがある。より好ましくは5000以上であり、最も好ましくは8000以上である。また、より好ましくは300000以下であり、最も好ましくは100000以下である。
なお、本明細書中、重合体の重量平均分子量は、下記GPC測定条件により測定される値である。
(GPC分子量測定条件)
使用カラム:東ソー社製TSK guard column αとTSKge1 α−5000とα−4000とα−3000をこの順で連結させたもの。
溶離液:アセトニトリル2000.0g、水7934.5gの溶液にホウ酸49.5g、NaOH16.0gを溶かしたもの。
サンプル打込み量:100μL
流速:0.6ml/分
カラム温度:40℃
検出器:日本Water社製 2414 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Water社製 Empower Software
硬正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール、[ピックトップピーク分子量(Mp)685000、272500、219300、107000、50000,26840、11840、7100、4250、1470。
硬正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と検出時間を基にして3次式で作成した。
重合体(水溶液)を上記溶離液にて重合体濃度が0.5質量%となるように溶解させたものをサンプルとした。
本発明のセメント混和剤を製造する方法としては、上記ポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(ポリアルキレンイミン(アミン)系化合物)を必須とした単量体成分を共重合してポリカルボン酸系重合体を得る工程を含むことが好ましい。共重合の方法としては、上述した方法が好適であるが、所定の物性を得ることができるように、単量体成分中の単量体の種類や量、共重合の条件等を適宜設定することになる。
本発明のセメント混和剤は、上記ポリアルキレンイミン(アミン)系単量体を必須とする単量体成分を共重合して得られるポリアルキレンイミン(アミン)系化合物を必須成分とするものである。このようなセメント混和剤は、セメント組成物等に混和することができる剤、すなわちセメント添加剤等を含んでなる剤を意味する。上記必須成分を主成分として含むセメント混和剤は、本発明の好ましい形態の一つである。
上記ポリアルキレンイミン(アミン)系化合物及びポリカルボン酸系重合体は、セメント添加剤の主成分として好適なものであり、これらにより、本発明のセメント混和剤を構成することもできる。このようなセメント添加剤について以下に説明する。
上記セメント添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができる。また、超高強度コンクリートにも用いることができる。
上記セメント組成物としては、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含む通常用いられるものが好適である。また、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム、石灰石等の微粉体を添加したものであってもよい。
なお、超高強度コンクリートとは、セメント組成物の分野で一般的にそのように称されているもの、すなわち従来のコンクリートに比べて水/セメント比を小さくしてもその硬化物が従来と同等又はより高い強度となるようなコンクリートを意味し、例えば、水/セメント比が25質量%以下、更に20質量%以下、特に18質量%以下、特に14質量%以下、特に12質量%程度であっても通常の使用に支障をきたすことのない作業性を有するコンクリートとなり、その硬化物が60N/mm以上、更に80N/mm以上、より更に100N/mm以上、特に120N/mm以上、特に160N/mm以上、特に200N/mm以上の圧縮強度を示すことになるものである。
上記セメントとしては、普通、早強、超早強、中庸熱、白色等のポルトランドセメント;アルミナセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント等の混合ポルトランドセメントが好適である。上記セメントのコンクリート1m当たりの配合量及び単位水量としては、例えば、高耐久性・高強度のコンクリートを製造するためには、単位水量100〜185kg/m、水/セメント比=10〜70%とすることが好ましい。より好ましくは、単位水量120〜175kg/m、水/セメント比=20〜65%である。
上記セメント添加剤のセメント組成物への添加量としては、上記付加物(I)及びポリカルボン酸系重合体(A)が、又は、上記付加物(II)が、セメント質量の総量100質量%に対して、0.01質量%以上となるようにすることが好ましく、また、10質量%以下となるようにすることが好ましい。0.01質量%未満であると、性能的に不充分となるおそれがあり、10質量%を超えると、経済性が劣ることとなる。より好ましくは、0.05質量%以上であり、また、8質量%以下であり、更に好ましくは、0.1質量%以上であり、また、5質量%以下である。
なお、上記質量%は、固形分換算の値である。
上記セメント添加剤は、通常用いられるセメント分散剤と併用することができる。セメント分散剤としては、以下のものが好適である。
リグニンスルホン酸塩;ポリオール誘導体;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリスチレンスルホン酸塩;特開平1−113419号公報に記載の如くアミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系;特開平7−267705号公報に記載の如く(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物との共重合体及び/又はその塩と、(b)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体及び/若しくはその加水分解物、並びに/又は、その塩と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と、ポリアルキレングリコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及び/又はその塩とを含むセメント分散剤;特許第2508113号明細書に記載の如くA成分として、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メタ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコンクリート混和剤;特開昭62−216950号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル若しくはポリエチレン(プロピレン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体。
特開平1−226757号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、及び、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特公平5−36377号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)若しくはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特開平4−149056号公報に記載の如くポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルとマレイン酸(塩)との共重合体;特開平5−170501号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、(メタ)アクリル酸(塩)、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及び、分子中にアミド基を有するα,β−不飽和単量体からなる共重合体;特開平6−191918号公報に記載の如くポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(塩)、並びに、(メタ)アリルスルホン酸(塩)若しくはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)からなる共重合体;特開平5−43288号公報に記載の如くアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、若しくは、その加水分解物、又は、その塩;特公昭58−38380号公報に記載の如くポリエチレングリコールモノアリルエーテル、マレイン酸、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、若しくは、その塩、又は、そのエステル。
特公昭59−18338号公報に記載の如くポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体;特開昭62−119147号公報に記載の如くスルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び必要によりこれと共重合可能な単量体からなる共重合体、又は、その塩;特開平6−271347号公報に記載の如くアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニル基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物;特開平6−298555号公報に記載の如くアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物;特開昭62−68806号公報に記載の如く3−メチル−3ブテン−1−オール等の特定の不飽和アルコールにエチレンオキシド等を付加したアルケニルエーテル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、又は、その塩等のポリカルボン酸(塩)。これらセメント分散剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セメント分散剤を併用する場合には、使用するセメント分散剤の種類、配合及び試験条件等の違いにより一義的に決められないが、上記セメント添加剤と上記セメント分散剤との配合質量の割合は、5〜95:95〜5であることが好ましい。より好ましくは、10〜90:90〜10である。
上記セメント添加剤はまた、他のセメント添加剤と組み合わせて用いることもできる。他のセメント添加剤としては、以下に示すような通常使用されるセメント添加剤(材)等が挙げられる。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンのポリマー又はそれらのコポリマー;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状の何れでも良く、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシル基を置換基として有してもよい、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
その他の通常使用されるセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等を挙げることができる。これらのセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セメント添加剤は、上述した通常使用されるセメント分散剤やセメント添加剤(材)の他に、セメント組成物の分散性、抑泡制等を向上させるものと併用させてもよい。
上記セメント添加剤や上記セメント分散剤をセメント組成物に加える方法としては、これらのセメント添加剤やセメント分散剤を混合してセメント混和剤とし、セメント組成物への混入を容易として行うことが好ましい。
本発明のセメント混和剤は、上述の構成よりなるので、セメントペースト、モルタル、コンクリートなどのセメント組成物の分散性を高めながら流動性が保持されるようにするとともに、セメント組成物等を取り扱う現場において作業しやすくなるような粘性とすることができ、セメント組成物等の状態を良好にすることができるものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
製造例1
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置にポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物(Mw600のポリエチレンイミンの活性水素にエチレンオキシドを平均付加モル数3で付加した化合物)100部を仕込み、攪拌下、60℃に加熱した。反応系内を60℃に保ち、ヨウ化メチル72.26部を1時間で添加した。添加終了後、60℃で1時間攪拌を続け、4級アンモニウム塩(1)を得た。
製造例2
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に水87.66部を仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)128.33部、メタクリル酸46.45部、水65.52部及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸4.94部を混合したモノマー水溶液を4時間で滴下し並びに15%過硫酸ナトリウム水溶液67部を5時間で滴下した。滴下終了後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量19700の共重合体(1)水溶液を得た。
実施例1
<モルタルの配合と混練方法>
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50、ホバート社製)に、太平洋セメント社製普通ポルトランドセメント535.0g及びセメント強さ試験用標準砂(JIS R 5201−1997附属書2の5.1.3に規定)1350gを入れ、低速回転で30秒間空練りし、攪拌を停止する。再度低速回転で混練を開始すると同時に、表1に示す所定量の分散剤、4級アンモニウム化合物および消泡剤(NMB社製の商品名「MA404」の1%水溶液を6.8g)を秤量して水で希釈したもの235.5gを、30秒間かけてミキサーに投入する。そのままの混練速度で180秒間混練した後、回転を停止する。回転を停止してから15秒間で壁面に付着したモルタルを掻き落とし、回転を停止してから180秒後に再度低速回転で混練を再開し、120秒間混練し、回転を停止した。ミニスランプコーン(JIS A 1173に記載)に2層に分けて練りあがったモルタルを詰め、モルタルのスランプ値とフロー値を測定した。スランプ(mm)、フロー値(mm)は、日本工業規格(JIS A1101(1998)、1128(1999)、6204(2000))に準拠して行った。なお、モルタルのスランプ値やフロー値は、数値が大きい程、分散性が高いことを示す。モルタル試験の結果を表1に示す。
Figure 2008030983
表1中の「アミン化合物(1)」は、Mw600のポリエチレンイミンの活性水素にエチレンオキシドを平均付加モル数3で付加した化合物である。
比較例1及び2
表1に示すセメント混和剤の成分とした他は、実施例1と同様に行い、スランプ値及びフロー値を測定した。結果を表1に示す。

Claims (5)

  1. 4級アンモニウム基を有するポリアルキレンイミン、ポリアルキレンアミン、及び、ポリエーテルアミン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含んでなることを特徴とするセメント混和剤。
  2. 前記化合物は、一般式(1);
    Figure 2008030983
    で表される構成単位、
    一般式(2);
    Figure 2008030983
    で表される構成単位、
    一般式(3);
    Figure 2008030983
    で表される構成単位、
    一般式(4);
    Figure 2008030983
    で表される構成単位、及び、
    一般式(5);
    Figure 2008030983
    で表される構成単位(一般式(1)〜(5)中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数3〜22のアルケニル基、炭素数7〜22のアリールアルキル基、炭素数2〜22のヒドロキシアルキル基、−(CH)p−CO、−(CH)p−SO、−(CH)p−PO、及び、−CH(CHCO)COからなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。pは、1〜6の数を表す。Mは、同一又は異なって、水素原子、金属原子、アンモニウム基、及び、有機アミン基(有機アンモニウム基)からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子又は基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のアルケニレン基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキレン基、炭素数2〜12のジヒドロキシアルキル基、炭素数8〜12のジアルキルアリレン基、及び、−(R−O)mからなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキレン基を表す。mは、1〜500の数を表す。Rは、同一又は異なって、−(R−O)m−Hを表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキレン基を表す。Xは、同一又は異なって、水溶性アニオンを表す。)で表される構成単位のうち、1種又は2種以上を有することを特徴とする請求項1記載のセメント混和剤。
  3. 前記化合物は、オキシアルキレン基を有する構成単位を必須とすることを特徴とする請求項1又は2記載のセメント混和剤。
  4. 前記セメント混和剤は、ポリカルボン酸系重合体を含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセメント混和剤。
  5. 前記ポリカルボン酸系重合体は、一般式(6);
    Figure 2008030983
    (式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。xは、0〜2の数を表す。yは、0又は1を表す。ROは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素を表す。mは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。)で表される構成単位及び一般式(7);
    Figure 2008030983
    (式中、R10、R11、及びR12は、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基、又は−(CHZ1COOMを表し、Z1は、0〜2の数を表す。−(CHZ1COOMは、−COOM又は他の−(CHZ1COOMと無水物を形成してもよい。M及びMは、同一若しくは異なって、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基(有機アンモニウム基)を表す。)で表される構成単位を有するものであることを特徴とする請求項4記載のセメント混和剤。
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