JP2008027524A - 磁気ディスク上にパターンを書き込む方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーボ・ライト・トラックのピッチ制御を正確に行う。
【解決手段】本発明の一形態のSSWは、プロダクト・サーボ・パターンを書き始める前に、プロパゲーション・ヘッドに対応する記録面上に形成されたマーク411を読み出して、基準APCを決定する。半径方向におけるマーク411の正確な寸法は予め知られている。基準APCはトラック・ピッチを決定するものであり、寸法が確定しているマーク411を使用することによって、所望の正確なトラック・ピッチでプロダクト・サーボ・パターンを書き進めることができる。
【選択図】図10
【解決手段】本発明の一形態のSSWは、プロダクト・サーボ・パターンを書き始める前に、プロパゲーション・ヘッドに対応する記録面上に形成されたマーク411を読み出して、基準APCを決定する。半径方向におけるマーク411の正確な寸法は予め知られている。基準APCはトラック・ピッチを決定するものであり、寸法が確定しているマーク411を使用することによって、所望の正確なトラック・ピッチでプロダクト・サーボ・パターンを書き進めることができる。
【選択図】図10
Description
本発明は磁気ディスク上にパターンを書き込む方法及びその装置に関し、特に、磁気ディスク半径方向におけるリード素子とライト素子の位置がことなる磁気ヘッドを使用したパターン書き込みに関する。
ディスク・ドライブ装置として、光ディスク、光磁気ディスクあるいはフレキシブル磁気ディスクなどの様々な態様の記録ディスクを使用する装置が知られている。その中で、ハードディスク・ドライブ(HDD)は、コンピュータの記憶装置として広く普及し、現在のコンピュータ・システムにおいて欠かすことができない記憶装置の一つとなっている。さらに、コンピュータ・システムにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システム、携帯電話、あるいはデジタル・カメラなどで使用されるリムーバブルメモリなど、HDDの用途は、その優れた特性により益々拡大している。
HDDで使用される磁気ディスクは、同心円状に形成された複数のデータ・トラックと、サーボ・トラックとを有している。サーボ・トラックは、円周方向において離間した複数のサーボ・データ(サーボ・パターン)を有する。各サーボ・セクタの間において、ユーザ・データが記録されている。薄膜素子としてのヘッド素子部がサーボ・データに従って所望の領域(アドレス)にアクセスすることによって、ユーザ・データの書き込みあるいはユーザ・データの読み取りを行うことができる。
各サーボ・パターン(本明細書ではこれをプロダクト・サーボ・パターンと呼ぶ)は、シリンダID、セクタ番号、バースト・パターンなどから構成されている。シリンダIDはトラックのアドレス、セクタ番号はトラック内のセクタ・アドレスを示す。バースト・パターンはトラックに対する磁気ヘッドの相対位置情報を有している。
上述のように、プロダクト・サーボ・パターンは各トラックにおいて円周方向に離間して複数セクタ形成されている。円周方向において同一位置にある、つまり、同一セクタ番号を有する各プロダクト・サーボ・パターンは、全トラックに渡り、円周方向において位置(位相)が揃っている。プロダクト・サーボ・パターンは、製品としてのHDDが出荷される前に工場内において磁気ディスクに書き込まれる。従来の典型的なプロダクト・サーボ・パターンの書き込みは、外部装置としてのサーボ・ライタを使用して行われている。HDDがサーボ・ライタにセットされ、サーボ・ライタはHDD内のヘッドをポジショナ(外部位置決め機構)によって位置決めし、プロダクト・サーボ・パターン生成回路が生成したプロダクト・サーボ・パターンを磁気ディスクに書き込む。
現在、プロダクト・サーボ・パターンの書き込み工程(Servo Track Write:STW)は、HDDの製造コストの中で主要な位置を占めている。特に近年、HDDは高容量化の競争が激化し、これに伴いTPI(Track Per Inch)の増加が進んでいる。TPIが増加する事により、トラック数は増え、トラック幅(トラック・ピッチ)が小さくなる、これらはSTW時間の増加及びサーボ・ライタの高精密化を進め、STWのコスト増加の要因となっている。このコストを削減する為に、サーボ・ライタのコスト削減、STW時間の短縮等が進められている。
上記問題を解決する一つの手法としてSSW(Self Servo Write)が提案されている。SSWは、それまでのSTWとは異なり、HDD本体の機械機構のみを使い、外部回路からHDD内のスピンドル・モータ(SPM)とボイス・コイル・モータ(VCM)をコントロールし、外部回路を用いてプロダクト・サーボ・パターンを書き込む。これによって、サーボ・ライタのコスト削減を図っている。
SSWは、ヘッド素子部のリード素子とライト素子の半径方向位置が異なる(本明細書においてリード・ライト・オフセットと呼ぶ)ことを利用して、内周側もしくは外周側にすでに書き込まれたパターンをリード素子が読み取りながらヘッド素子部の位置決めを行い、ライト素子が、リード・ライト・オフセット離れた所望のトラックに新たなパターンを書きこむ。SSWは、プロダクト・サーボ・パターンに加え、それ以外のパターンを記録面に書き込み、それらを使用してヘッド位置制御やタイミング制御を実行する。
典型的には、HDDは複数の記録面と、各記録面に対応した複数のヘッド素子部及び複数の素子部を支持するアクチュエータを有している。SSWは、複数のヘッド素子部の内から選択された一つのヘッド素子部(本明細書においてプロパゲーション・ヘッドと呼ぶ)を使用して記録面上のパターンを読み取り、その読み取ったパターンの信号を使用してアクチュエータを制御することで、複数のヘッド素子部の位置決めを行う。位置決めされた状態において、全ヘッド素子部によって、各記録面にパターンを同時に書き込む。
プロダクト・サーボ・パターンの書き込みにおいては、ヘッド素子部を正確に所望位置に位置決めすることが重要である。なお、SSWとは異なるが、例えば、特許文献1は、磁気ディスク媒体にサーボ情報を高い精度で書き込むため、磁気ディスク裏面に凹凸パターン形成し、そのパターンを読み出すことでヘッドの位置決めを行うことを開示している。
特開平11−45528号公報
SSWによるプロダクト・サーボ・パターンの書き込みにおいては、所望のトラック・ピッチで、各トラックのパターンを書き込むことが重要である。その一つの手法は、書き込んだパターンを実際に読み取り、その読み取り値と予め設定された基準値とを比較する。測定値と基準値が一致するようにヘッドの位置制御を行うことで、トラック・ピッチを制御する。これによって、各トラック・ピッチを所望の値に一致させることができる。
具体的には、SSWは、隣接する3つのトラックのパターンの読み取り振幅の関数値を計算し、その関数値が予め設定された基準値と一致するようにヘッドを移動する。この基準値は、ロータリ・ポジショナを使用して理想的なパターンを同一設計のHDDにおいて書き込み、そのパターンの関数値を実際に計測することで決定することができる。
トラック・ピッチは、ヘッド素子部毎に異なる値となる。これは、トラック・ピッチは、基準値のほかに、そのリード幅やライト幅によって変化するからである。サーボ・ライトにおいては、設計によって、ヘッドに関わらず特定のピッチでプロダクト・サーボ・パターンを書き込むことが望ましいことがある。また、実際のSSWにおいては、製品毎のばらつきが存在する。そのため、製品によってプロダクト・サーボ・パターンのトラック・ピッチが所望の値から大きくずれる場合がある。
本発明の一態様は、磁気ディスクの半径方向における位置が異なるリード素子とライト素子とを有する磁気ヘッドを使用して、前記磁気ディスクの記録面にパターンを書き込む方法である。この方法は、前記磁気ディスクに予め形成されており前記磁気ディスクの半径方向における寸法が予め知られているマークを含む領域を、前記リード素子で読み出す。さらに、前記リード素子によって前記領域を読み出して得られる磁気信号に基づいて、基準量で表される前記マークの寸法を特定する。そして、前記特定されたマークの寸法に基づいて、トラック・ピッチを決定する。さらに、前記決定したトラック・ピッチに従って、前記ライト素子によって書き込んだパターンを前記リード素子で読み出して位置決めを行い前記ライト素子によって新たなパターンを書き込む。特定されたマークの寸法に基づいて、トラック・ピッチを決定することで、所望の正確なピッチでパターンを書くことができる。
好ましくは、前記ライト素子によって初期トラック・ピッチでパターンを書き込み、前記基準量で表される前記初期トラック・ピッチと前記特定されたマークの寸法とに基づいて、その初期トラック・ピッチを補正して前記新たなパターンを書き込むためのトラック・ピッチを決定する。さらに、前記リード素子によって前記初期トラック・ピッチのパターンを読み出して位置決めした状態において前記リード素子によって前記領域を読み出し、前記初期トラック・ピッチのパターンの読み出し信号から特定される前記基準量を使用して前記マークの寸法を特定することが好ましい。あるいは、前記初期トラック・ピッチにおける隣接パターンの半径方向における重なりを示して前記初期トラック・ピッチを規定する値を、前記特定されたマークの寸法に基づいて補正し、前記新たなパターンのトラック・ピッチを決定することが好ましい。これらによって、容易かつ正確に新たなパターンを書き込むためのトラック・ピッチを決定することができる。
前記マークは前記磁気ディスク上の凹凸形状によって画定され、前記マークと重なる領域に前記ライト素子によってパターンを書き込み、前記マークと重なる領域におけるパターンを前記リード素子によって読み出して得られる磁気信号に基づいて基準量で表される前記マークの寸法を特定する。これによって、容易かつ正確にマークの寸法を特定することができる。また、前記マークは一つの連続領域からなり、前記磁気ディスクの半径方向におけるその寸法はリード幅よりも大きいことが好ましい。これによって、リード素子によって寸法をより正確に測定することができる。
本発明の他の態様は、磁気ディスクの記録面にパターンを書き込む装置である。この装置は、磁気ディスクの半径方向における位置が異なるリード素子とライト素子とを有する磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを支持しその磁気ヘッドを移動する移動機構と、前記移動機構と前記磁気ヘッドの動作を制御するコントローラを備える。前記リード素子は、前記磁気ディスクに予め形成されており前記磁気ディスクの半径方向における寸法が予め知られているマークを含む領域を読み出す。前記コントローラは、前記リード素子によって前記領域を読み出して得られる磁気信号に基づいて基準量で表される前記マークの寸法を特定し、前記特定されたマークの寸法に基づいてトラック・ピッチを決定する。前記移動機構は、前記決定したトラック・ピッチに従って、前記ライト素子が書き込んだパターンを前記リード素子で読み出して前記磁気ヘッドの位置決めを行う。前記ライト素子は、位置決めされた状態において新たなパターンを前記磁気ディスクに書き込む。特定されたマークの寸法に基づいて、トラック・ピッチを決定することで、所望の正確なピッチでパターンを書くことができる。
前記ライト素子は初期トラック・ピッチでパターンを書き込み、前記コントローラは、前記基準量で表される前記初期トラック・ピッチと前記特定されたマークの寸法とに基づいて、その初期トラック・ピッチを補正して前記新たなパターンを書き込むためのトラック・ピッチを決定することが好ましい。さらに、前記リード素子は、前記初期トラック・ピッチのパターンを読み出して位置決めした状態において、前記リード素子によって前記領域を読み出し、前記コントローラは、前記初期トラック・ピッチのパターンの読み出し信号から特定される前記基準量を使用して、前記マークの寸法を特定することが好ましい。あるいは、前記コントローラは、前記初期トラック・ピッチにおける隣接パターンの半径方向における重なりを示して前記初期トラック・ピッチを規定する値を、前記特定されたマークの寸法に基づいて補正し、前記新たなパターンのトラック・ピッチを決定することが好ましい。
好ましくは、前記マークは前記磁気ディスク上の凹凸形状によって画定され、前記ライト素子は前記マークと重なる領域にパターンを書き込み、前記前記リード素子は前記マークと重なる領域におけるパターンを読み出し、前記コントローラは、前記リード素子の前記パターンの読み出しにおいて得られる磁気信号に基づいて、基準量で表される前記マークの寸法を特定する。
本発明によれば、所望のトラック・ピッチで正確にサーボ・パターンを書き込むことができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。以下において、ディスク・ドライブ装置の一例であるハードディスク・ドライブ(HDD)におけるサーボ・パターンの書き込みを例として、本発明の実施形態を説明する。
図1は、ヘッド・ディスク・アセンブリ(HDA)1及びHDA1のサーボ・ライトを制御するサーボ・ライト制御装置2の論理構成を模式的に示すブロック図である。HDA1は、ハードディスク・ドライブ(HDD)の構成要素であって、ベース及びベースの上部開口を塞ぐトップ・カバーを有する筐体10を有している。HDA1は、この筐体内に、その中に収容された磁気ディスク11、ヘッド・スライダ12、プリアンプIC13、ボイス・コイル・モータ(VCM)15及びアクチュエータ16を有している。アクチュエータ16は、先端部においてヘッド・スライダ12を支持している。また、プリアンプIC13は、アクチュエータ16の回動軸165の近くに固定されている。
HDDは、HDA1に加えて、筐体10の外側に固定された回路基板を備える。回路基板上には、信号処理及び制御処理を実行するICが実装される。本形態のサーボ・ライトはこの制御回路基板上の回路を使用せず、サーボ・ライト制御装置2が、サーボ・ライトを制御する。本形態のサーボ・ライトは、HDA1の機械機構を直接に制御して磁気ディスク11にサーボ・データ(サーボ・パターン)を書き込む。磁気ディスク11は、磁性層が磁化されることによってデータを記憶する不揮発性の記憶ディスクである。このようなサーボ・ライトを、セルフ・サーボ・ライト(SSW)と呼ぶ。
磁気ディスク11は、スピンドル・モータ(不図示)の回転軸に固定され、所定の角速度で回転する。典型的には、磁気ディスク11の両面が記録面であり、HDA1は各記録面に対応した複数のヘッド・スライダ12を有している。アクチュエータ16はVCM15に連結され、回動軸165を中心に回動することによって、ヘッド・スライダ12を磁気ディスク11の各記録面上において半径方向に移動する。ヘッド・スライダ12は、スライダとそこに形成された薄膜素子としてのヘッド素子部(図1において不図示)とを有している。ヘッドの一例であるヘッド素子部は、ライト・データに応じて電気信号を磁界に変換するライト素子及び磁気ディスク11からの磁界を電気信号に変換するリード素子を備えている。
プリアンプIC13は、複数のヘッド・スライダ12の中からデータを読み取る1つのヘッド・スライダを選択し、選択されたヘッド・スライダにより再生される再生信号を一定のゲインで増幅しサーボ・ライト制御装置2に出力する。また、プリアンプIC13は、サーボ・ライト制御装置2からの信号を増幅して選択されたヘッド・スライダに出力する。典型的には、プロダクト・サーボ・パターンの書き込みにおいては、全ヘッド・スライダ12が同時に選択される。なお、その一部を選択して書き込みを順次行ってもよい。
SSWは、筐体10内の各構成要素を使用して、磁気ディスク11にユーザ・データの書き込み及び読み取りにおいて使用するサーボ・データを書き込む。以下において、このサーボ・データをプロダクト・サーボ・パターンと呼ぶ。なお、HDDに実装される制御回路を使用して本形態のサーボ・ライトを実行することも可能である。
サーボ・ライト制御装置2は、本形態のSSWを制御、実行する。サーボ・ライト制御装置2は、SSWコントローラ22を有する。このSSWコントローラ22は、SSW全体を制御する。SSWコントローラ22は、ヘッド・スライダ12の位置決め制御及びパターン生成の制御などを実行する。SSWコントローラ22は、予め記憶されたマイクロ・コードに従って動作するプロセッサによって構成することができる。SSWコントローラ22は、外部の情報処理装置からの要求に応じて制御処理を実行し、エラー情報などの必要な情報を情報処理装置に送信する。
磁気ディスク11へのパターンの書き込みにおいて、SSWコントローラ22がパターン生成器21に指示を行い、パターン生成器21が所定のパターンを生成する。リード・ライト・インターフェース23が、パターン生成器21が生成したパターンの変換処理を行い、パターン信号をプリアンプIC13に転送する。プリアンプIC13は信号を増幅してヘッド・スライダ12に転送し、ヘッド・スライダ12が磁気ディスク11にパターンを書き込む。
SSWコントローラ22は、ヘッド・スライダ12が読み取った信号を使用してアクチュエータ16を制御し、ヘッド・スライダ12の移動及び位置決めを行う。具体的には、ヘッド・スライダ12が読み取った信号は、RWインターフェース23を介して、振幅復調器27に入力される。振幅復調器27が復調処理した読み取り信号は、ADコンバータ26によってAD変換され、SSWコントローラ22に入力される。SSWコントローラ22は、得られたデジタル信号を分析し、数値制御信号を計算する。
SSWコントローラ22は、その値をDAコンバータ25に送る。DAコンバータ25は、取得したデータをDA変換し、制御信号をVCMドライバ24に与える。VCMドライバ24は制御信号に基づき制御電流をVCM15に供給し、ヘッド・スライダ12を移動及び位置決めする。本明細書において、サーボ・ライト制御装置2及びHDA1の磁気ディスク11以外の構成要素を含む装置を、セルフ・サーボ・トラック・ライタ(SSTW)と呼ぶ。つまり、SSTWが、磁気ディスク11の記録面にサーボ・パターンを書き込む。
SSWによって、磁気ディスク11の記録面には、磁気ディスク11の中心から半径方向に放射状に延び、所定の角度毎に形成された複数のサーボ領域111が形成される。図1は、8つのサーボ領域を例示している。各サーボ領域111は、ユーザ・データの読み取り/書き込みにおいてヘッド・スライダの位置決め制御を行うためのプロダクト・サーボ・パターンが記録される。隣り合う2つのサーボ領域111の間の領域がデータ領域112であって、そこにユーザ・データが記録される。サーボ領域111とデータ領域112は、所定の角度で交互に設けられる。
図2は、1サーボ・セクタのプロダクト・サーボ・パターン115のデータ・フォーマットの一例を示している。1サーボ領域111において、円周方向において一サーボ・セクタのプロダクト・サーボ・パターン115が形成され、半径方向に複数サーボ・セクタのプロダクト・サーボ・パターン115が形成されている。プロダクト・サーボ・パターン115は、プリアンブル(PREAMBLE)、サーボ・アドレス・マーク(SAM)、グレイ・コードからなるトラックID(GRAY)、サーボ・セクタ・ナンバ(PHSN)及びバースト・パターン(BURST)から構成されている。SAMは、トラックID等の実際の情報が始まることを示す部分で、通常SAMが見つかったときに出てくるタイミング信号であるSAM信号が磁気ディスク11上に書き込まれた位置と正確な相関をもっている。
また、バースト・パターン(BURST)は、トラックIDで示されるサーボ・トラックの更に精密な位置を示す信号である。バースト・パターンは、典型的には、サーボ・トラックごとに周回上に位置を少し違えたところに千鳥状に書かれたA、B、C、Dの4つの振幅信号を備える(図5参照)。これらの各バーストはプリアンブル(PREAMBLE)と同じ周期の単一周波数信号である。
図3は、本形態のSSTWが記録面上に書き込むパターン及びその書き込み方法を模式的に示している。図3は、1サーボ・セクタに対応するパターンを示している。SSTWは、プロダクト・サーボ・パターン115の他に、タイミング・パターン116とラディアル・パターン117とを書き込む。タイミング・パターン116はパルス状のパターンであり、ラディアル・パターン117は所定周波数のバーストである。ラディアル・パターン117の幅(磁気ディスク半径方向の寸法)は、ライト幅と同一となる。従って、本形態のSSWにおける一つのセクタは、プロダクト・サーボ・パターン115を書き込む領域151、1スロットのタイミング・パターン116を書き込む領域161及び1スロットのラディアル・パターン117を書き込む領域171を有している。タイミング・パターン116及びラディアル・パターン117は、ユーザ・データを記憶するデータ領域112に書き込まれる。
SSTWは、自分で磁気ディスク11に書き込んだパターンを参照し、その信号から得られる時間的、空間的情報を使用して、ヘッド素子部120の時間的(周方向におけるタイミング制御)、空間的(半径方向における位置制御)な制御を行いながら、リード・ライト・オフセットだけ半径方向にずれた位置に、次のパターンを書き込む。リード・ライト・オフセット(RWO)は、ヘッド素子部120における、ライト素子121とリード素子との間の半径方向における間隔であり、具体的には、リード素子122とライト素子121の各センター間の、磁気ディスク11の半径方向における距離である。リード・ライト・オフセットは、磁気ディスク11上の半径位置によって変化する。
本形態のSSTWは、複数のヘッド素子部120から一つを選択し、その選択したヘッド素子部120によって記録面上のパターンを読み取る。このヘッド素子部120を、本明細書においてプロパゲーション・ヘッドと呼ぶ。そして、SSTWは、プロパゲーション・ヘッドが読み取った信号を使用してアクチュエータ16を制御し、全ヘッド・スライダ12によって各記録面に同時に各パターンを書き込む。
本形態においては、図3に示すように、リード素子122がライト素子121よりも磁気ディスク11の内周(ID)側に配置されている。パターンは、内周側から外周側に書き進められる。内周側からパターンを書き込むことによって、ライト素子121により先に書き込まれたパターンをリード素子122が読み取ることができる。これによって、リード素子122が読み取ったパターンによってヘッド素子部120の位置合わせを行いながら、ライト素子121は新たなパターンの書き込みを行うことができる。尚、ライト素子121、リード122の位置を変更することによって、磁気ディスク11の外側からSSWを開始することも可能である。
具体的には、SSTWは、ラディアル・パターン117を使用してヘッド素子部120の位置決めを行い、タイミング・パターン116を基準として、パターン書き込みのタイミングを測定する。プロパゲーション・ヘッドのリード素子122がタイミング・パターンを読み取ったタイミングから予め定められた時間経過後に、各ヘッド素子部120のライト素子121が、プロダクト・サーボ・パターン115(の一部)を書き込む。また、次のセクタのタイミング・パターン116は、一つ前のセクタのタイミング・パターン116の読み取りを基準にして書き込まれる。
図3に示すように、ライト素子121は、各プロダクト・サーボ・パターン115を、半径方向において一部が重なるように書き込む。つまり、各プロダクト・サーボ・パターンの形成において、各パターンの一部は外周側のパターンに上書きされる。図3においては、3つのすでに書き込まれたプロダクト・サーボ・パターン115が示されており、ライト素子121は内周側から4つ目のプロダクト・サーボ・パターンを形成している途中である。
ライト素子121は磁気ディスク1周でプロダクト・サーボ・パターンの半分を書き込む。本明細書において、このプロダクト・サーボ・パターンの半分に相当するトラックを、サーボ・ライト・トラックと呼ぶ。また、プロダクト・サーボ・パターンのトラックをサーボ・トラックと呼ぶ。サーボ・ライト・トラックのトラック・ピッチは、サーボ・トラック・ピッチの半分となる。図3の例においては、7サーボ・ライト・トラックが既に書き込まれており、ライト素子121は、内周側から8つ目のサーボ・ライト・トラックを書き込んでいる途中である。
同一のセクタにおけるタイミング・パターン116は、円周方向における実質的に同一の位置に形成される。一方、各ラディアル・パターン117は、半径方向において隣接するラディアル・パターン117と、異なる円周方向位置に形成される。つまり、各隣接するラディアル・パターン117は、円周方向位置がずれている。また、半径方向において、各隣接するラディアル・パターン117は重なるように形成される。
SSWコントローラ22は、ラディアル・パターン117の読み取り信号を使用してヘッド・ポジショニングを行う。具体的に、図4を参照して、リード素子122を、ターゲット位置118に位置決めする例を説明する。図4におけるリード素子122の半径方向の寸法がリード幅、ライト素子121の寸法がライト幅に相当する。磁気ディスク11は図の右から左に回転し、リード素子122は図の左から右に向かって移動する。ライト素子121は、ターゲット位置119において対応するサーボ・ライト・トラックを書き込む。
ライト素子121をターゲット位置119に位置決めするために、SSWコントローラ22は、ターゲット位置119からリード・ライト・オフセット(RWO)内周側のターゲット位置118にリード素子122を位置決めする。リード素子122は、ラディアル・パターン117a、117b及び117cを読み取る。SSWコントローラ22は、各ラディアル・パターン117a、117b、117cの振幅(A、B及びCとする)の関数値(本明細書においてPES値と呼ぶ)を求め、その値がターゲット値となるようにリード素子122を位置決めする。例えば、(A−C)/(2B−A−C)をPES値として使用することができる。
リード素子122がターゲット位置118に位置決めされた状態で、ライト素子122はラディアル・パターン117dを書き込む。なお、各パターンを書き込む工程において、典型的には、リード素子122のターゲット位置は各ラディアル・パターン117の中心に一致せず、半径方向においてずれている。
このように、本形態のSSWは、内周側のサーボ・ライト・トラックから、パターンを順次書き込んでいく。ライト素子121がターゲットのサーボ・ライト・トラックにパターンを書き込むためには、リード素子122をライト素子121のターゲット位置からリード・ライト・オフセット内周側の位置に位置決めする。また、リード・ライト・オフセットは、半径位置に従って変化する。従って、各サーボ・ライト・トラックにおけるパターンの書き込みにおいて、SSWコントローラ22は、そのサーボ・ライト・トラックに対応したリード・ライト・オフセットを特定し、それに従ってリード素子122のターゲット位置の算出及びその移動、位置決めを行う。
また、SSWコントローラ22は、APCと呼ぶ値が予め定められた規定値に一致する(近づく)ようにヘッド・スライダ12を順次移動する。これによって、所望のピッチのプロダクト・サーボ・パターンを各記録面に書き込む。APCは、図5に例示するように、隣接する3つのサーボ・ライト・トラックのラディアル・パターン117a−117cの読み取り振幅A、B及びCから算出される。具他的には、プロパゲーション・ヘッドを各ラディアル・パターン117a−117cの中心に位置決めした状態において、各ラディアル・パターン117の読み取り振幅A、B及びCを取得する。APCは、(A+C/B)によって算出される。APCは隣接パターンの半径方向における重なりを示しており、サーボ・ライト・トラック・ピッチを規定する。
ターゲットとなる基準APCは、プロダクト・サーボ・パターンを書き始める前に、各サーボ・ライト・トラックに対して予め設定されている。図6に例示するように、基準APCは一定ではなく、サーボ・ライト・トラック(半径位置)に従って変化する。SSTWは、この基準APCをターゲットとして各サーボ・ライト・トラックのパターンを書き込むことで、サーボ・ライト・トラック・ピッチ、つまり、サーボ・トラックのトラック・ピッチ(図5を参照)が所望の値となるようにコントロールする。
具体的には、SSWコントローラ22は、数百サーボ・ライト・トラック毎にAPCを測定する。SSTWは、リード素子122によってラディアル・パターン117を読み取り、その読み出し値からAPCを算出する。SSWコントローラ22は、そのAPC実測値が規定値としての基準APCに一致するように(近づくように)、ターゲットのPES値を決定する。
本形態のSSTWは、プロダクト・サーボ・パターンを書き始める前に、プロパゲーション・ヘッドに対応する記録面上に形成されたマークを読み出して、基準APCを決定する。半径方向におけるマークの正確な寸法は予め知られている。上述のように、基準APCはトラック・ピッチを決定するものであり、寸法が確定しているマークを使用することによって、所望の正確なトラック・ピッチでプロダクト・サーボ・パターンを書き進めることができる。
具体的には、SSTWは、マークの半径方向における寸法を実際に測定し、その測定値によって予め設定登録されている基準APCを補正する。以下では、この補正前の基準APCを初期基準APCと呼ぶ。初期基準APCは、開発段階において予め決定される。具体的には、ロータリ・ポジショナを使用して同一ピッチの理想的なラディアル・パターン117を同一タイプのHDAにおいて書き込み、異なるサーボ・ライト・トラックにおいてそのラディアル・パターン117のAPCを計測することで決定することができる。以下において、マークを使用した基準APCの決定方法について具体的に説明する。
サーボ・トラックのトラック・ピッチP、つまりサーボ・ライト・トラック・ピッチの2倍の数値は、
P=Ww+Wr(1−APC) (数式1)
と表すことができる。ここで、Wwはライト幅、Wrはリード幅である。SSWコントローラ22は、ライト素子121が書き込んだバースト・パターンをリード素子122で読み出すことによって、ライト幅Ww及びリード幅Wrを特定することができる。なお、ライト幅Ww及びリード幅Wrはスキューのために、半径位置によって変化する。
P=Ww+Wr(1−APC) (数式1)
と表すことができる。ここで、Wwはライト幅、Wrはリード幅である。SSWコントローラ22は、ライト素子121が書き込んだバースト・パターンをリード素子122で読み出すことによって、ライト幅Ww及びリード幅Wrを特定することができる。なお、ライト幅Ww及びリード幅Wrはスキューのために、半径位置によって変化する。
具体的に、ライト幅Ww及びリード幅Wrの特定方法を、図7を参照して説明する。まず、ライト素子121がバースト・パターン451を記録面上に書き込む。SSWコントローラ22は、リード素子122を使用して、バースト・パターン451を読み出す。リード素子122は、内周側から小さいピッチで半径方向に移動し、各半径位置においてバースト・パターン451を読み出す。
SSWコントローラ22は、は、リード素子122の位置決めのために、ラディアル・パターン117を使用する。SSWコントローラ22は、ヘッド素子部120を制御して、図3及び4に示したラディアル・パターン117を書き込む。このラディアル・パターンは、初期基準APCに従って書き込まれる。SSWコントローラ22は、プロパゲーション・ヘッドのライト素子121を使用して上記バースト・パターン451を書き込み、リード素子122でそのバースト・パターン451を読み出す。
SSWコントローラ22は、リード素子122の位置決めのためにラディアル・パターン117を読み出し、そのPES値を算出する。図7に示すように、小さいピッチで半径方向にリード素子122を移動し、各位置でバースト・パターン451を読み出すことによって、SSWコントローラ22は、バースト・パターン451の読み出し振幅とPES値の間の関係を特定することができる。この波形から、PESを基準量として表されたライト幅Ww及びリード幅Wrを特定することができる。
具体的には、測定されたバースト・パターン451の読み出し信号は、図8に示すような波形を示す。図8のグラフにおいて、Y軸はリード素子122の読み出し信号振幅、X軸は複数サーボ・ライト・トラックのラディアル・パターン117を読み出して得られるPES値である。SSWコントローラ22は、図8の読み出し信号から、ライト幅Ww及びリード幅Wrを決定することができる。具体的には、読み出し信号の半値幅をライト幅Wwと定義することができる。また、読み出し信号の半値の位置における傾きの絶対値を、リード幅Wrと定義することができる。好ましくは、読み出し信号の半値となる二つの点における傾きの絶対値の平均を使用する。従って、ライト幅Ww及びリード幅Wrは、PESを単位として表される。
図9は、基準APCの決定に使用するマークの好ましい一例を示している。図9の物理マーク411は、磁気ディスク11の基板に凹部412を形成することによって構成されている。例えば、基板上に下地層や磁性層をスパッタにより形成する前に、レーザを使用して基板に凹部412を形成する。凹部412内には、磁性層や保護層など他の領域と同様の各層を形成してよい。凹部412は、レーザによって形成することによって、正確な寸法で形成することができる。本例における物理マーク411の半径方向寸法は、Lで表されている。物理マーク411は、記録面の法線方向から見た形状が矩形状であって、凹部412は直方体の空間を形成している。
SSWコントローラ22は、ライト素子121によって、物理マーク411を含む領域421にバースト信号を書き込む。領域421においては、凹部412内の磁性層にも信号が書き込まれる。SSWコントローラ22は、物理マーク411の半径方向寸法の測定を、リード素子122が領域421の信号を読み出すことによって行う。なお、好ましくは、物理マーク411の半径方向中心位置は、バースト・パターン451の半径方向中心位置と同一である。これは、ライト幅Ww及びリード幅Wrが、半径位置によって変化するからである。また、物理マーク411の寸法を正確に測定するため、その半径方向の寸法は、リード幅よりも大きいことが好ましく、数サーボ・ライト・トラック・ピッチであることが好ましい。
図10は、リード素子122が物理マーク411を含む領域421の磁気信号を読み出す様子を模式的に示している。本例において、SSWコントローラ22は、リード素子122の読み出し信号を使用して、PESによって表される物理マーク411の半径方向寸法を特定する。具体的には、SSWコントローラ22は、各セクタのラディアル・パターン117をリード素子122で読み出してリード素子122をターゲットの位置に位置決めし、領域421の各半径位置における磁気信号を読み出す。各ラディアル・パターン117は、設計段階で決定された初期基準APCに従って形成されている。
図10に示すように、リード素子122の読み出し信号の振幅は、物理マーク411に対応する領域で小さくなる。これは、凹部412内の磁性層とヘッド素子部120との間の距離がその周囲よりも大きいため、ライト素子121が書き込む磁気信号が小さいと共に、リード素子122が読み出す信号も小さくなるからである。なお、図10の波形は、振幅信号を模式的に示すに過ぎず、実際の波形を正確に示すものではない。
物理マーク411の寸法を正確に測定するため、ライト幅Ww及びリード幅Wrの測定と同様に、SSWコントローラ22は、リード素子122を半径方向に小さいピッチで順次移動し、多くの各半径位置において領域421の信号を読み出す。例えば、ピッチは、物理マーク411の半径方向寸法Lの数十分の1程度でよい。
物理マーク411の半径方向寸法Lは、信号振幅の半値幅と定義することができる。ラディアル・パターン117により位置決めした状態で物理マーク411の寸法を測定することで、SSWコントローラ22は、物理マーク411の半径方向寸法Lを、PESを基準量として特定することができる。
ここで、初期基準APCの値をAPC_iniとする。本形態のSSWコントローラ22は、設計において決定され、同一タイプのHDDに対して同一の関数としてSSWの開始前に予め設定されているAPC_iniを、物理マーク411の寸法の測定結果を使用して校正し、実際のプロダクト・サーボ・パターンの書き込みにおいて使用するAPC_tarを算出する。
図10に示したラディアル・パターン117のサーボ・トラック・ピッチP_ ini(サーボ・ライト・トラック・ピッチの2倍)は、
P_ ini=Ww+Wr(1−APC_ini) (数式2)
と表すことができる。ピッチP_ini、ライト幅Ww及びリード幅Wrは、PES値で定義された値である。
P_ ini=Ww+Wr(1−APC_ini) (数式2)
と表すことができる。ピッチP_ini、ライト幅Ww及びリード幅Wrは、PES値で定義された値である。
プロダクト・サーボ・パターンの書き込みのために新たに設定すべきピッチP_tarは、物理マーク411の半径方向寸法Lによって定義される。以下では、目標となるピッチP_tarは、kLで定義されているものとする。つまり、
P_tar=kL (数式3)
の関係が成立する。なお、kは正の数であり、図9の例においては、1未満である。
P_tar=kL (数式3)
の関係が成立する。なお、kは正の数であり、図9の例においては、1未満である。
また、プロダクト・サーボ・パターンの書き込みにおいて使用する基準APCは、設定すべきピッチP_tarに対応しており、このAPCをAPC_tarと表す。APC_tarとP_tarとの間において、次の関係が成立する。
P_ tar=Ww+Wr(1−APC_ tar) (数式4)
P_ tar=Ww+Wr(1−APC_ tar) (数式4)
このライト幅Ww及びリード幅Wrは、数式2の値と同一である。図10に示したように、ラディアル・パターン117と領域421とをリード素子122が共に読み出すことによって、SSWコントローラ22は、物理マーク411の半径方向寸法LとPESとの間の関係を特定することができる。ここで、実際の測定結果から、
L=x [PES] (数式5)
と表すことができるとする。
L=x [PES] (数式5)
と表すことができるとする。
数式3及び数式4から、以下の関係が成立する。
kL=P_ tar=Ww+Wr(1−APC_ tar) (数式6)
さらに、数式5及び数式6から以下の関係が成立する。
kx=Ww+Wr(1−APC_ tar) (数式7)
kL=P_ tar=Ww+Wr(1−APC_ tar) (数式6)
さらに、数式5及び数式6から以下の関係が成立する。
kx=Ww+Wr(1−APC_ tar) (数式7)
ここで、係数kは設定値としてすでに知られている。さらに、物理マーク411の半径方向寸法x、ライト幅Ww及びリード幅Wrは、測定値としてすでに知られている。従って、数式7から、APC_ tarを算出することができる。つまり、
APC_ tar=(Ww+Wr−kx)/Wr (数式8)
と表すことができる。
APC_ tar=(Ww+Wr−kx)/Wr (数式8)
と表すことができる。
数式8及び数式2が表すように、物理マーク411の半径位置において、APC_tarとAPC_iniのそれぞれの値が特定されている。これらから、SSWコントローラ22は、APC_ tarのAPC_iniに対する比
α=APC_ tar/APC_ini (数式9)
を算出する。
α=APC_ tar/APC_ini (数式9)
を算出する。
さらに、SSWコントローラ22は、記録面全体におけるAPC_iniにαを掛けてその値を校正し、各サーボ・ライト・トラックにおける基準APC(APC_ tar)を決定する。SSWコントローラ22は、算出された基準APC(APC_tar)を使用して、ラディアル・パターン117及びプロダクト・サーボ・パターン115を順次書き込んでいく。これによって、ヘッド素子部120の寸法のばらつきに関わらず、所望のトラック・ピッチでプロダクト・サーボ・パターン115を形成することができる。
上述のように、リード素子122が、物理マーク411を含む領域421の磁気信号を読み出すことによって、物理マーク411の半径方向寸法Lを測定する。SSWコントローラ22は、測定した寸法から、予め設定されている基準APCを校正する。上記例は、PESを使用してライト幅Ww及びリード幅Wrを特定するが、SSWコントローラ22がVCM15を制御する制御信号であるDACOUTを使用して、これらの値を特定してもよい。
典型的には、SSWコントローラ22は、アクチュエータ16を内周側クラッシュ・ストップ(不図示)に押し当てた状態において、バースト・パターン451の読み出し処理を行う。HDA1は、内周側クラッシュ・ストップと外周側クラッシュ・ストップを有しており、アクチュエータ16の内周側の回動範囲を規定する。内周側クラッシュ・ストップがアクチュエータ16の内周側の回動限界を規定し、外周側クラッシュ・ストップがアクチュエータ16の外周側の回動限界を規定する。
アクチュエータ16は、内周側クラッシュ・ストップの弾性力とVCM15による駆動力とがバランスする位置において停止する。図7に示した例と同様に、VCM15の駆動力を徐々に小さくすることで、アクチュエータ16が小さいピッチで徐々に外周側に移動する。物理マーク411については、上述のように、PESを使用してその寸法を特定する。なお、この場合、バースト・パターン451と物理マーク411の半径位置は一致しないことがあるが、その差が小さい場合は、実質的な影響を無視することができる。
上記数式2及び数式7において示したように、初期基準APC(APC_ini)及び最終的に設定すべき基準APC(APC_ tar)は、それぞれ以下のようになる。
P_ ini=Ww+Wr(1−APC_ini) (数式2)
kx=Ww+Wr(1−APC_ tar) (数式7)
さらに、これらから、以下の関係が成立する。
kx/P_ini
=(Ww+Wr(1−APC_tar))/(Ww+Wr(1−APC_ini)) (数式10)
P_ ini=Ww+Wr(1−APC_ini) (数式2)
kx=Ww+Wr(1−APC_ tar) (数式7)
さらに、これらから、以下の関係が成立する。
kx/P_ini
=(Ww+Wr(1−APC_tar))/(Ww+Wr(1−APC_ini)) (数式10)
ここで、xとP_iniはPESで表され、WwとWrとはDACOUTで表される。数式10から、APC_tarとAPC_iniとの関係が特定される。つまり、
APC_tar
=1+Ww/Wr−kx(Ww+Wr(1−APC_ini))/(Wr P_ini) (数式11)
が成立する。
APC_tar
=1+Ww/Wr−kx(Ww+Wr(1−APC_ini))/(Wr P_ini) (数式11)
が成立する。
SSWコントローラ22は、数式11に従って、各半径位置におけるAPC_iniから新たな基準APC_tarを決定することができる。あるいは、数式11において、APC_tar以外の値は、設定もしくは測定によって知られた値であり、APC_tarが数値として特定される。数式9で示したように、この値とAPC_iniの値との比を算出し、その比を各半径位置におけるAPC_iniにかけることによって、各半径位置における新たな基準APC(APC_tar)を決定してもよい。
以上、本発明を好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。例えば、本発明はHDDに限らず、他のタイプのディスクを使用する装置に適用することができる。本形態のサーボ・ライト制御装置はHDDとは別の装置であるが、HDDに実装される制御回路にサーボ・ライト制御機能を組み込むことも可能である。
上記SSWは、内周側から外周側にパターンを書き進めるが、設計によって外周側から内周側にパターンを書き進めてもよい。また、本発明は、APCとは異なる基準によってピッチを特定するサーボ・ライトに適用することができる。また、PESを基準量としてマークの寸法を特定することが好ましいが、DACOUTなど他の基準量を使用してしてもよい。上述の例は、トラック・ピッチを決定するためのマークとして、矩形状の連続した一つのマークを使用するが、円や楕円など、他の形状のマークを使用してもよい。また、離間した複数の部分からなるマークを使用してもよい。例えば、半径方向に離間した小さい二つの部分からなるマークを使用することができる。また、物理マークの形成方法は、上述の例に限定されるものではない。
1 ハードディスク・ドライブ、2 サーボ・ライト制御装置、10 筐体
11 磁気ディスク、12 ヘッド・スライダ、13 プリアンプIC
14 スピンドル・モータ、15 ボイス・コイル・モータ、16 アクチュエータ
21 パターン生成器、22 SSWコントローラ
23 リード・ライト・インターフェース、24 VCMドライバ
25 DAコンバータ、26 ADコンバータ、27 振幅復調器
111 サーボ領域、112 データ領域、115 プロダクト・サーボ・パターン
116 タイミング・パターン、117 ラディアル・パターン、
118 リード素子のターゲット位置、119 ライト素子のターゲット位置
121 ライト素子、122 リード素子、165 回動軸
11 磁気ディスク、12 ヘッド・スライダ、13 プリアンプIC
14 スピンドル・モータ、15 ボイス・コイル・モータ、16 アクチュエータ
21 パターン生成器、22 SSWコントローラ
23 リード・ライト・インターフェース、24 VCMドライバ
25 DAコンバータ、26 ADコンバータ、27 振幅復調器
111 サーボ領域、112 データ領域、115 プロダクト・サーボ・パターン
116 タイミング・パターン、117 ラディアル・パターン、
118 リード素子のターゲット位置、119 ライト素子のターゲット位置
121 ライト素子、122 リード素子、165 回動軸
Claims (12)
- 磁気ディスクの半径方向における位置が異なるリード素子とライト素子とを有する磁気ヘッドを使用して、前記磁気ディスクの記録面にパターンを書き込む方法であって、
前記磁気ディスクに予め形成されており前記磁気ディスクの半径方向における寸法が予め知られているマークを含む領域を、前記リード素子で読み出し、
前記リード素子によって前記領域を読み出して得られる磁気信号に基づいて、基準量で表される前記マークの寸法を特定し、
前記特定されたマークの寸法に基づいて、トラック・ピッチを決定し、
前記決定したトラック・ピッチに従って、前記ライト素子によって書き込んだパターンを前記リード素子で読み出して位置決めを行い前記ライト素子によって新たなパターンを書き込む、方法。 - 前記ライト素子によって、初期トラック・ピッチでパターンを書き込み、
前記基準量で表される前記初期トラック・ピッチと前記特定されたマークの寸法とに基づいて、その初期トラック・ピッチを補正して前記新たなパターンを書き込むためのトラック・ピッチを決定する、
請求項1に記載の方法。 - 前記リード素子によって前記初期トラック・ピッチのパターンを読み出して位置決めした状態において、前記リード素子によって前記領域を読み出し、
前記初期トラック・ピッチのパターンの読み出し信号から特定される前記基準量を使用して、前記マークの寸法を特定する、
請求項2に記載の方法。 - 前記マークは前記磁気ディスク上の凹凸形状によって画定され、
前記マークと重なる領域に前記ライト素子によってパターンを書き込み、
前記マークと重なる領域におけるパターンを前記リード素子によって読み出して得られる磁気信号に基づいて、基準量で表される前記マークの寸法を特定する、
請求項1に記載の方法。 - 前記マークは一つの連続領域からなり、前記磁気ディスクの半径方向におけるその寸法はリード幅よりも大きい、
請求項1に記載の方法。 - 前記初期トラック・ピッチにおける隣接パターンの半径方向における重なりを示して前記初期トラック・ピッチを規定する値を、前記特定されたマークの寸法に基づいて補正し、前記新たなパターンのトラック・ピッチを決定する、
請求項2に記載の方法。 - 磁気ディスクの記録面にパターンを書き込む装置であって、
磁気ディスクの半径方向における位置が異なるリード素子とライト素子とを有する磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを支持し、その磁気ヘッドを移動する移動機構と、
前記移動機構と前記磁気ヘッドの動作を制御するコントローラと、を備え、
前記リード素子は、前記磁気ディスクに予め形成されており前記磁気ディスクの半径方向における寸法が予め知られているマークを含む領域を読み出し、
前記コントローラは、前記リード素子によって前記領域を読み出して得られる磁気信号に基づいて基準量で表される前記マークの寸法を特定し、前記特定されたマークの寸法に基づいてトラック・ピッチを決定し、
前記移動機構は、前記決定したトラック・ピッチに従って、前記ライト素子が書き込んだパターンを前記リード素子で読み出して前記磁気ヘッドの位置決めを行い、
前記ライト素子は、位置決めされた状態において新たなパターンを前記磁気ディスクに書き込む、装置。 - 前記ライト素子は、初期トラック・ピッチでパターンを書き込み、
前記コントローラは、前記基準量で表される前記初期トラック・ピッチと前記特定されたマークの寸法とに基づいて、その初期トラック・ピッチを補正して前記新たなパターンを書き込むためのトラック・ピッチを決定する、
請求項7に記載の装置。 - 前記リード素子は、前記初期トラック・ピッチのパターンを読み出して位置決めした状態において、前記リード素子によって前記領域を読み出し、
前記コントローラは、前記初期トラック・ピッチのパターンの読み出し信号から特定される前記基準量を使用して、前記マークの寸法を特定する、
請求項8に記載の装置。 - 前記コントローラは、前記初期トラック・ピッチにおける隣接パターンの半径方向における重なりを示して前記初期トラック・ピッチを規定する値を、前記特定されたマークの寸法に基づいて補正し、前記新たなパターンのトラック・ピッチを決定する、
請求項8に記載の装置。 - 前記マークは一つの連続領域からなり、前記磁気ディスクの半径方向におけるその寸法はリード幅よりも大きい、
請求項7に記載の装置。 - 前記マークは前記磁気ディスク上の凹凸形状によって画定され、
前記ライト素子は前記マークと重なる領域にパターンを書き込み、
前記前記リード素子は前記マークと重なる領域におけるパターンを読み出し、
前記コントローラは、前記リード素子の前記パターンの読み出しにおいて得られる磁気信号に基づいて、基準量で表される前記マークの寸法を特定する、
請求項7に記載の装置。
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- 2006-07-21 JP JP2006199638A patent/JP2008027524A/ja active Pending
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