JP2008027346A - 住宅用部材設計方法及び住宅用部材設計プログラム - Google Patents

住宅用部材設計方法及び住宅用部材設計プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】住宅用部材を設計する場合に、身体に対する負担を軽減するための設計を行うことができる住宅用部材設計方法を提供する。
【解決手段】身体情報と設計ルールデータが予め関係付けられて記憶されたルールデータベースを備えたコンピュータを使用して、立ち座り動作における身体の負担を低減するための住宅用部材を設計する設計方法であって、コンピュータに対して、身体の負担を低減するべき対象者の身体に関する情報を入力する対象者情報入力ステップと、コンピュータに対して、住宅用部材の設計条件情報を入力する条件入力ステップと、コンピュータが、身体情報と設計条件情報とに基づいて、対象者の身体の負担軽減するための住宅用部材の設計値を求める部材設計ステップとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅用部材を設計する場合に、身体に対する負担を軽減するための設計を行うことができる住宅用部材設計方法及び住宅用部材設計プログラムに関する。
現在の高齢社会が意味するところは、単に平均寿命が伸びたというだけではなく、高齢者が日々生活を過ごしていく能力、あるいは住まいや地域社会との係わり方などが様々な面で大きく変化していくことでもある。一方で、住宅は施設に代わる介護の場としても重要な役割を担ってきており、住宅介護の対応したリフォーム市場が拡大しつつある。これらの社会的背景の中で、これからの住まいの計画、供給には、経年によって将来直面するライフステージや身体能力の変化など、様々な課題に予め備えたユニバーサルデザインの発想が必須となっている。各場面で展開される生活行為を緻密観察していく人間生活工学的な観点を重視することにより個人個人の多様性や将来の変化を予め想定し、どのような特性を持つユーザにも柔軟かつ的確に提案することができる手法の確立、さらには安全性、機能性に配慮した住まいの仕様開発が急務となっている。
なお、住宅構成部材・住宅各所の性能に基準を設ける場合において、住宅を使用する人にとっての使いやすさ及び安全・安心の性能の向上を図ることと、障害者の生活における身体機能上の不具合をサポートすることを、住宅設計におけるユニバーサルデザインの指針として取り入れた住宅が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−206642号公報
ところで、ユニバーサルデザインを実現するための設計作業は、十分に経験を有している者により経験と勘によって行われていたため、必ずしも最適設計が行われているとは限らないという問題がある。特に、立ち座り動作を軽減するための手すり等は、最適と思われる位置に取り付けられているのが現状であり、立ち座り動作時の身体の負担を最適な状態で軽減されているとは限らないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、住宅用部材を設計する場合に、身体に対する負担を軽減するための設計を行うことができる住宅用部材設計方法及び住宅用部材設計プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、身体情報と設計ルールデータが予め関係付けられて記憶されたルールデータベースを備えたコンピュータを使用して、立ち座り動作における身体の負担を低減するための住宅用部材を設計する設計方法であって、前記コンピュータに対して、身体の負担を低減するべき対象者の身体に関する情報を入力する対象者情報入力ステップと、前記コンピュータに対して、前記住宅用部材の設計条件情報を入力する条件入力ステップと、前記コンピュータが、前記身体情報と前記設計条件情報とに基づいて、前記対象者の身体の負担軽減するための住宅用部材の設計値を求める部材設計ステップとを有することを特徴とする。
本発明は、前記住宅用部材は、便器であることを特徴とする。
本発明は、前記住宅用部材は、便器の近傍に取り付けられる手すりであることを特徴とする。
本発明は、前記住宅用部材は、便器の周辺の床に配置するすべり止めマットであることを特徴とする。
本発明は、身体情報と設計ルールデータが予め関係付けられて記憶されたルールデータベースを備えたコンピュータを使用して、立ち座り動作における身体の負担を低減するための住宅用部材を設計する住宅用部材設計プログラであって、身体の負担を低減するべき対象者の身体に関する情報を入力する対象者情報入力ステップと、前記住宅用部材の設計条件情報を入力する条件入力ステップと、前記コンピュータが、前記身体情報と前記設計条件情報とに基づいて、前記対象者の身体の負担軽減するための住宅用部材の設計値を求める部材設計ステップとをコンピュータに行わせることを特徴とする。
本発明によれば、身体情報と設計ルールデータが予め関係付けられて記憶されたルールデータベースを備え、身体の負担を低減するべき対象者の身体に関する情報を入力し、入力した身体情報と設計ルールに基づいて、対象者の身体の負担軽減するための住宅用部材の設計値を求めるようにしたため、立ち座り動作における身体の負担を低減するための住宅用部材を最適に設計することが可能になるという効果が得られる。
以下、本発明の一実施形態による住宅用部材設計方法を図面を参照して説明する。ここでは、立ち座り動作を行う場所としてトイレを例にして説明することとし、本発明による住宅用部材設計方法の対象をトイレ内で使用する部材として説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、住宅用部材の設計を支援するコンピュータである。符号2は、キーボードやマウス等から構成する入力部である。符号3は、ディスプレイ装置等から構成する表示部である。符号11は、設計対象の住宅用部材を使用する者の身体情報を入力する身体情報入力部である。符号12は、入力した身体情報を記憶する身体情報記憶部である。符号13は、設計対象の部材の条件を入力する部材条件入力部である。符号14は、入力した部材条件情報を記憶する部材条件記憶部である。符号15は、設計対象の部材の設計処理を実行する設計処理部である。符号16は、設計対象の部材を設置する住宅の設計データが記憶される住宅設計データ記憶部である。符号17は、住宅用の部材の仕様データが記憶された部材データベースである。符号18は、設計対象の住宅用部材を設計する場合に参照される設計ルールが予め記憶された設計ルールデータベースである。この設計ルールデータベース17は、立ち座り動作における各関節にかかる力をセンサによって計測した結果に基づくルールが定義されているデータであり、立ち座り動作時に各関節(腰や膝等)にかかる力が低減されるように設計ルールが記憶されている。
ここで、図10〜図16を参照して、トイレ等における立ち座り動作時に各関節(腰や膝等)にかかる力が低減されるように設計を行う設計ルールの基になるデータについて説明する。
初めに、手すりの取付けに関して、手すりを取り付けない場合と比較した結果を説明する。図10に示すように、「側方水平手すり」を取付けた場合、右足股関節で30%前後の高い負担減少率を得ることができる。また、「側方垂直手すり」を取付けた場合、左右両足の股関節で概ね15%前後の高い負担減少率を得ることができる。また、「前方水平手すり」を取付けた場合、左右両足の股関節で概ね20%前後の高い負担減少率を得ることができる。また、「肘掛手すり」を取付けた場合、左右両足の股関節で概ね40%前後の、左右両足の膝関節で概ね20%前後の高い負担減少率を得ることができる。ただし、「側方水平手すり」「側方垂直手すり」「前方水平手すり」を取付けた場合は、膝関節では減少率がマイナスとなる。また、これらの各手すりは取付ける位置によっても差が大きくなるため、使用者ごとの詳細な設計ルールを定義しておく必要である。
次に、便座の高さ変化に関して説明する。図11に示すように、便座の高さが「座面高×1.0倍」の場合と比較して、「座面高×1.2」にした場合、左右両足の股関節、膝関節ともに概ね20%前後の高い負担減少率を得ることができる。
次に、床材のすべり変化に関して説明する。図12に示すように、床材のすべりが「C.S.R=0.3」の場合と比較して、「C.S.R=0.7」にした場合、左右両足の股関節で概ね10%前後の高い負担減少率が得られ、「C.S.R=0.9」にした場合、左右両足の股関節で概ね10%前後の高い負担減少率を得ることができる。
次に、「側方水平手すり」を取付けた場合の床材のすべり変化に関して説明する。図13に示すように、床材のすべりが「C.S.R=0.3」の場合と比較して、「C.S.R=0.7」にした場合、右足股関節で概ね10%前後の高い負担減少率が得られ、「C.S.R=0.9」にした場合、右足股関節で概ね15%前後の高い負担減少率が得られる。「側方水平手すり」を取付けた場合、床材をすべりにくくすることによって負担減少効果をさらに大きくすることができる。また、「側方垂直手すり」を取付けた場合、図14に示すように、床材のすべりが「C.S.R=0.3」の場合と比較して、「C.S.R=0.7」及び「C.S.R=0.9」は、ともに関節負担に有意差はない。また、「前方水平手すり」を取付けた場合、図15に示すように、床材のすべりが「C.S.R=0.3」の場合と比較して、「C.S.R=0.7」にした場合、右足股関節で概ね7%前後の高い負担減少率を得ることができ、「C.S.R=0.9」にした場合も左足膝関節で概ね10%前後の高い負担減少率を得ることができる。「前方水平手すり」を取付けた場合、床材をすべりにくくすることによって負担減少効果をさらに大きくできる。また、「肘掛手すり」を取付けた場合、図16に示すように、床材のすべりが「C.S.R=0.3」の場合と比較して、「C.S.R=0.7」及び「C.S.R=0.9」は、ともに関節負担に有意差はない。
このように、図1に示す設計ルールデータベース18には、図10〜図16に示す計測データに基づいて、設計ルールが予め定義されて記憶されているため、この設計ルールに基づいて設計した住宅用部材を使用すれば、トイレ等における立ち座り動作時に各関節(腰や膝等)にかかる力が低減されるように設計を行うことが可能となる。
次に、図2を参照して、図1に示すコンピュータ1を使用して、便器の便座高さを設計する動作を説明する。まず、身体情報入力部11は、立ち座り動作時の身体の負担を低減するべき使用者の身体情報の入力を指示するメッセージを表示部3に表示する。このメッセージに対して、設計者は、入力部2より使用者の座面高(図5参照)を入力する(ステップS1)。例えば、座面高380mmと入力したものとする。これを受けて、身体情報入力部11は、入力された身体情報(座面高)を身体情報記憶部12へ記憶する。
次に、設計処理部15は、身体情報記憶部12から座面高の値を読み込み、設計ルールデータベース18に記憶されている設計ルールを参照して、便座高を算出する(ステップS2)。設計ルールデータベース18には、座面高に対して、係数1.2を乗算することにより便座高を算出することが定義されている。例えば、座面高が380mmである場合、380×1.2から便座高を456mmとする。
次に、設計処理部15は、部材データベース17を参照して、便器を選択する(ステップS3)。部材データベース17には、設置可能な便器名と便座高の値が関係付けられて記憶されているともに、便座の高さを調節する(高さを高くする)ためのスペーサ名とサイズが関係付けられて記憶されている。設計処理部15は、算出した便座高(456mm)に基づいて、設置する便器の便座高が算出した便座高に近くなるように便器とスペーサを選択する。このとき設計処理部15は、座面高(380mm)と算出した便座高(456mm)の範囲で、最も高い便座高になるように、便器とスペーサを選択する。したがって、この例では、便座高が400mmの便器とサイズが+50mmのスペーサが選択されることになる。
次に、設計処理部15は、設計結果を表示部3へ表示する(ステップS4)。これにより、表示部3には、選択された便器名(メーカの型番等)とスペーサ名(メーカの型番等)が表示されることになる。また、設計処理部15は、選択した便器名とスペーサ名に基づいて、住宅設計データ記憶部16に記憶されている設計データに便器とスペーサのデータを追加する。このように、使用者の身体情報と設計ルールに基づいて、便器の便座高を算出するようにしたため、使用者の身体状況に応じて適切な便器の設計を行うことが可能となる。図6に便座高を設計ルールに基づいて設計し、住宅設計データ記憶部16に便器及びスペーサを追加した一例を示す。
このように、便座高を座面高の1.2倍とするようにしたため、便器に座ったり、便器から立ち上がる動作を行う場合において、腰や膝に対する負担を低減することが可能となる。便座高は、座面高と同じ高さである方が踵が床に接するため、用を足すときに都合がよい。一方、ある高さの便座に立ち座りをする場合、座ることができる高さのうち、便座高が高いほど立ち座り動作時の腰や膝の負担を低減される。人間の足は、便座高を座面高の1.2倍にしても踵を床につけた状態を保つことができる余裕を有しているが、便座高を座面高の1.2倍より大きい値にしてしまうと踵が浮いてしまい用を足しにくくなる。したがって、用の足し易さを悪くすることなく、最大限便座高を高くするには、座面高の1.2倍の高さの便座高とするのが適している。
次に、図3を参照して、図1に示すコンピュータ1を使用して、トイレ内に立ち座り動作時の身体への負担を低減するための手すりを設置位置を設計する動作を説明する。まず、身体情報入力部11は、立ち座り動作時の身体の負担を低減するべき使用者の身体情報の入力を指示するメッセージを表示部3に表示する。このメッセージに対して、設計者は、入力部2より使用者の座高、背指節点距離(図5参照)を入力する(ステップS11)。例えば、座高870mm、背指節点距離710mmと入力したものとする。また、このとき設計者は、必要に応じて、部材条件の入力を行う。ここでいう部材条件とは、設計処理部15が設計を行う場合に、予め条件を設定しておく場合に入力する情報であり、例えば、手すりを左右のいずれかに取りつけるか、使用者の希望により手すりの形式が決まっている等の条件である。これを受けて、身体情報入力部11は、入力された身体情報(座高、背指節点距離)を身体情報記憶部12へ記憶する。また、部材条件が入力された場合、部材条件入力部13は、入力された部材条件の情報を部材条件記憶部14へ記憶する。
次に、設計処理部15は、設計済みの便器の設計データを住宅設計データ記憶部16から読み込む(ステップS12)。そして、設計処理部15は、読み込んだ便器の設計データと部材条件記憶部14に記憶されている部材条件の情報とに基づいて、部材データベース17に記憶されている手すりの中から手すりのタイプを選択する(ステップS13)。ここでは、手すりのタイプとして、前方水平手すりが選択されたものとする。
次に、設計処理部15は、設計ルールデータベース18を参照して、選択した手すりを取り付ける位置を求める(ステップS14)。設計ルールデータベース18には、取り付け位置を算出するための式である(1)、(2)式が記憶されている。
取り付け高さ(床からの高さ)=座高×0.25+便器の便座高+スペーサ高…(1)
便座先端からの水平距離=((背指節点距離)+(便座長))×0.5 …(2)
設計処理部15は、(1)、(2)式によって取り付け位置を算出し、この算出結果を表示部3へ表示する(ステップS15)。これにより、表示部3には、選択された手すりのタイプ及び取り付け位置が表示されることになる。また、設計処理部15は、選択した手すりタイプと取り付け位置情報に基づいて、住宅設計データ記憶部16に記憶されている設計データに手すりのデータを追加する。このように、使用者の身体情報と設計ルールに基づいて、手すり取り付け位置を算出するようにしたため、使用者の身体状況に応じて適切な手すりの設計を行うことが可能となる。図7に手すりの取り付け位置を設計ルールに基づいて設計し、住宅設計データ記憶部16に前方水平手すりを追加した一例を示す。
次に、ステップS13において、肘掛手すりが選択された場合に参照される設計ルールデータについて説明する。
肘掛手すりの手すりの前方先端は、使用者の肘を直角に曲げた際の指節点に当たるのが最も好ましいため、便座長が標準的な430mmと仮定すると、背・指節点距離(図5参照)が455mmであれば、便座先端から25mm前方の位置が手すりの前方先端となる。また、背・指節点距離が410mmの場合は便座先端から20mm後方の位置となり、背・指節点距離が520mmの場合は便座先端から90mmの位置に取り付けが行われるように設計ルールに定義されている。
また、手すりの長さは、使用者の肘頭・指節点距離以上あればよいので、1割程度余裕をみて、使用者の肘頭・指節点距離×1.1以上あれば最低条件は満たせるため、肘頭・指節点距離(図5参照)が345mmの場合は380mm以上、肘頭・指節点距離が310mmの場合は約341mm以上、肘頭・指節点距離が370mmの場合は、407mm以上となるように設計ルールに定義されている。
また、リウマチや疾患、事故などで指関節に力が入らない人、指関節動きの巧みさ、円滑さに機能障害のある、指先を無くしている使用者などは、手のひら全体による支えが必要となるため、肘掛手すりの幅は、使用者の掌の幅(手幅)程度あることが好ましい。したがって、設計ルールには、手すりの幅が、掌の幅と同じになるように定義されている。図8に手すりの取り付け位置を設計ルールに基づいて設計し、住宅設計データ記憶部16に肘掛け手すりを追加した一例を示す。
このように、手すりの取り付け位置を使用者の身体情報に基づいて決定するようにしたため、便器に座ったり、便器から立ち上がる動作を行う場合において、腰や膝に対する負担を低減することが可能な手すりを取り付けることが可能となる。
次に、図4を参照して、図1に示すコンピュータ1を使用して、トイレ内に立ち座り動作時の身体への負担を低減するためのすべり止めマットの設置位置を設計する動作を説明する。まず、身体情報入力部11は、立ち座り動作時の身体の負担を低減するべき使用者の身体情報の入力を指示するメッセージを表示部3に表示する。このメッセージに対して、設計者は、入力部2より使用者の足長(踵からつま先までの長さ)と肩幅を入力する(ステップS21)。例えば、足長250mm、肩幅450mmと入力したものとする。また、このとき設計者は、必要に応じて、部材条件の入力を行う。ここでいう部材条件とは、設計処理部15が設計を行う場合に、予め条件を設定しておく場合に入力する情報であり、例えば、使用者の希望によりすべり抵抗係数(CSR)が決まっている等の条件である。これを受けて、身体情報入力部11は、入力された身体情報(足長)を身体情報記憶部12へ記憶する。また、部材条件が入力された場合、部材条件入力部13は、入力された部材条件の情報を部材条件記憶部14へ記憶する。
次に、設計処理部15は、設計済みの便器の設計データを住宅設計データ記憶部16から読み込む(ステップS22)。そして、設計処理部15は、読み込んだ便器の設計データと部材条件記憶部14に記憶されている部材条件の情報とに基づいて、部材データベース17に記憶されているすべり止めマットの中からマットのタイプを選択する(ステップS33)。ここでは、マットタイプとして、すべり抵抗係数(CSR)が0.7であるマットが選択されたものとする。
次に、設計処理部15は、設計ルールデータベース18を参照して、選択したすべり止めマットのサイズ(奥行き及び幅)を求める(ステップS14)。人間が自然に便器から立ち座りするときには、足裏の位置を便器先端から便器側(内側)に寄せることはあっても、前方(外側)に出すことはないので、すべり止めマット前方端〜便座先端の距離は、前方に1割程度余裕をみて、便座先端から、使用者の足長×1.1とする係数が設計ルールデータベース18に定義されている。例えば、足長が250mmであれば、すべり止めマット前方端〜便座先端の距離は250×1.1=275mmとなる。また、人が自然に便器から立ち上がるときには、足裏の位置を便器側(内側)に引き寄せるが、この場合、体重心よりも後方には移動させないので、便座先端〜すべり止めマット後方端の距離は、便座先端から便座の中心までの距離があれば充分である。例えば、便座長430mmの便器であれば、便座先端〜すべり止めマット後方端の距離は430÷2=215mmとなる。
一方、幅(左右方向)のサイズは、人間が自然に便器から立ち座りするときの足の幅は肩幅程度なので、すべり止めマットの横幅は、左右に1割程度ずつ余裕をみて、全幅で、使用者の肩幅×1.2とする。例えば、肩幅が450mmであれば、すべり止めマットの幅は、540mmとなる。
設計処理部15は、設計ルールによって算出したサイズを表示部3へ表示する(ステップS25)。これにより、表示部3には、選択されたすべり止めマットのタイプ及び配置位置が表示されることになる。また、設計処理部15は、選択したすべり止めマットと配置位置情報に基づいて、住宅設計データ記憶部16に記憶されている設計データにすべり止めマットのデータを追加する。これにより、使用者の身体情報と設計ルールに基づいて、手すり取り付け位置を算出するようにしたため、使用者の身体状況に応じて適切な手すりの設計を行うことが可能となる。図9にすべり止めマットの配置位置を設計ルールに基づいて設計し、住宅設計データ記憶部16にすべり止めマットを追加した一例を示す。
このように、すべり止めマットの配置を必要最小限にしたため、便器に座ったり、便器から立ち上がる動作を行う場合において、腰や膝に対する負担を低減することが可能なすべり止めマットを配置することが可能となる。高齢者のように、膝を高く上げずにすり足で歩くような場合においては、床はある程度すべり易い方が歩きやすい場合がある。トイレ内全てにすべり止めマットを敷いてしまうと、トイレ内の移動が困難になるため、すべり止めマットは、立ち座り動作において足を付く位置のみに敷かれていることが望ましい。したがって、立ち座り動作時に足を付く位置のみがすべりにくくなっている床が適している。
以上説明したように、身体情報と設計ルールデータが予め関係付けられて記憶されたルールデータベースを備え、身体の負担を低減するべき対象者の身体に関する情報を入力し、入力した身体情報と設計ルールに基づいて、対象者の身体の負担軽減するための住宅用部材の設計値を求めるようにしたため、立ち座り動作における身体の負担を低減するための住宅用部材を最適に設計することが可能となる。
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより住宅用部材設計処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。 図1に示すコンピュータ1の動作を示すフローチャートである。 図1に示すコンピュータ1の動作を示すフローチャートである。 図1に示すコンピュータ1の動作を示すフローチャートである。 身体情報の名称と身体位置との関係を示す説明図である。 図2に示す動作によって設計した便器の一例を示す説明図である。 図3に示す動作によって設計した手すりの一例を示す説明図である。 図3に示す動作によって設計した手すりの一例を示す説明図である。 図4に示す動作によって設計したすべり止めマットの一例を示す説明図である。 図1に示す設計ルールデータベース18の基になるデータを示す図である。 図1に示す設計ルールデータベース18の基になるデータを示す図である。 図1に示す設計ルールデータベース18の基になるデータを示す図である。 図1に示す設計ルールデータベース18の基になるデータを示す図である。 図1に示す設計ルールデータベース18の基になるデータを示す図である。 図1に示す設計ルールデータベース18の基になるデータを示す図である。 図1に示す設計ルールデータベース18の基になるデータを示す図である。
符号の説明
1・・・コンピュータ、2・・・入力部、3・・・表示部、11・・・身体情報入力部、12・・・身体情報記憶部、13・・・部材条件入力部、14・・・部材条件記憶部、15・・・設計処理部、16・・・住宅設計データ記憶部、17・・・部材データベース、18・・・設計ルールデータベース

Claims (5)

  1. 身体情報と設計ルールデータが予め関係付けられて記憶されたルールデータベースを備えたコンピュータを使用して、立ち座り動作における身体の負担を低減するための住宅用部材を設計する設計方法であって、
    前記コンピュータに対して、身体の負担を低減するべき対象者の身体に関する情報を入力する対象者情報入力ステップと、
    前記コンピュータに対して、前記住宅用部材の設計条件情報を入力する条件入力ステップと、
    前記コンピュータが、前記身体情報と前記設計条件情報とに基づいて、前記対象者の身体の負担軽減するための住宅用部材の設計値を求める部材設計ステップと
    を有することを特徴とする住宅用部材設計方法。
  2. 前記住宅用部材は、便器であることを特徴とする請求項1に記載の住宅用部材設計方法。
  3. 前記住宅用部材は、便器の近傍に取り付けられる手すりであることを特徴とする請求項1に記載の住宅用部材設計方法。
  4. 前記住宅用部材は、便器の周辺の床に配置するすべり止めマットであることを特徴とする請求項1に記載の住宅用部材設計方法。
  5. 身体情報と設計ルールデータが予め関係付けられて記憶されたルールデータベースを備えたコンピュータを使用して、立ち座り動作における身体の負担を低減するための住宅用部材を設計する住宅用部材設計プログラムであって、
    身体の負担を低減するべき対象者の身体に関する情報を入力する対象者情報入力ステップと、
    前記住宅用部材の設計条件情報を入力する条件入力ステップと、
    前記コンピュータが、前記身体情報と前記設計条件情報とに基づいて、前記対象者の身体の負担軽減するための住宅用部材の設計値を求める部材設計ステップと
    をコンピュータに行わせることを特徴とする住宅用部材設計プログラム。
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