JP2003345856A - 高齢者又は障害者の住環境整備支援方法 - Google Patents

高齢者又は障害者の住環境整備支援方法

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JP2003345856A
JP2003345856A JP2002153434A JP2002153434A JP2003345856A JP 2003345856 A JP2003345856 A JP 2003345856A JP 2002153434 A JP2002153434 A JP 2002153434A JP 2002153434 A JP2002153434 A JP 2002153434A JP 2003345856 A JP2003345856 A JP 2003345856A
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elderly
disabled
living environment
disease
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JP2002153434A
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Satomi Yoshida
早都美 吉田
Izumi Matsuoka
泉 松岡
Yoko Saito
陽子 齊藤
Asako Ogawa
麻子 小川
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高齢者又は障害者の疾病と身体能力に応じて、
高齢者又は障害者の介護又は自立支援のための適切な住
環境整備プランを提案できるようにする。 【解決手段】疾病選択画面Aで高齢者又は障害者の疾病
を選択し、身体能力回答画面Bで高齢者又は障害者の身
体能力に関する1つ以上の質問に回答していくことで、
介護又は自立の程度が判定される。その判定結果に応じ
て、高齢者又は障害者に適した福祉用具とその使用法、
あるいは、高齢者又は障害者に適したリフォーム案とリ
フォーム後の日常生活動作の説明などを住環境整備プラ
ン提案画面Cに表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高齢者又は障害者の
住環境整備支援方法に関するものであり、例えばインタ
ーネット上の介護支援専門サイトでケアマネジャー向け
に提供される介護ナビゲーションシステム、あるいはC
D−ROM化して介護に携わる人達に配布される電子介
護マニュアル、もしくは高齢者又は障害者がみずから自
立のための住環境整備プランを立案するための自立支援
マニュアルとして利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特許第3137067号には、高
齢者に配慮した住宅改造計画立案方法として、住宅の現
状と高齢者の動作能力に関する質問に対する回答に基づ
いて、住宅改造計画を提示する方法が開示されている。
このうち、高齢者の動作能力に関する質問では、高齢者
のかかえる疾病には関係なく、「駆け足ができる」、
「駆け足はできないが、手すり、杖には一切頼らず歩け
る」、「手すり、杖が必要だが自力で歩ける」、「歩く
のに困難があるが、這ったり車椅子を使用したりして自
力で動ける」、「寝たきり、又はそれに近い。」といっ
た、一律の質問に対する回答で高齢者の介護又は自立の
程度を判定している。
【0003】また、従来、介護保険の適用を受けるため
に必要となる要介護認定の一次判定にも、コンピュータ
のプログラムが用いられている。これは公的認証を受け
た調査員が予め用意された85項目の質問を高齢者また
はその家族にヒアリングして回答用紙に書き込み、その
回答用紙の情報をコンピュータにより処理することで、
要介護1〜5または要支援のいずれに該当するかを一次
判定するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このコンピュータを用
いた一次判定は疾病によって質問が簡略化されるもので
はなく、一律に同じ質問をしようとしたことに問題があ
ると考えられるものであり、このことが柔軟性に欠けた
判定結果しか出せない原因であると考えられる。
【0005】同様に、特許第3137067号の方法に
おいても、高齢者の動作能力を高齢者のかかえる疾病に
は関係なく、一律の質問に対する回答に基づいて評価し
ようとしているので、疾病によって特定の障害がある場
合には対応し切れない点が問題であり、必要な環境を提
供できない恐れがあった。例えば脳血管障害の場合、片
麻痺があるため、手すりを健側に付けるため、左右どち
らが健側かという質問が必要であり、片麻痺のないリウ
マチや脊髄損傷などではこの質問は不要である。
【0006】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、高齢者又は障害者の疾病に応じて質問を追加
したり、省いたり、質問を変えたり、同じ質問でも聞き
方を変えたりすることにより、精度の高い判定を可能と
すると共に、判定結果に応じて高齢者又は障害者の介護
又は自立支援のための適切な住環境整備プランを提案で
きるようにすることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の高齢者又は障
害者の住環境整備支援方法にあっては、上記の課題を解
決するために、高齢者又は障害者の疾病と身体能力に関
する質問事項と介護又は自立の程度に関する判定結果と
を対応させた第1のデータベースと、前記判定結果と住
環境整備プランとを対応させた第2のデータベースと、
を用いて高齢者又は障害者の疾病と身体能力に配慮した
住環境整備プランの立案を支援する方法であって、第1
のデータベースから読み出された高齢者又は障害者の疾
病を複数提示していずれかを選択させる疾病選択段階
と、前記疾病選択段階で選択された疾病に応じて第1の
データベースから読み出された高齢者又は障害者の身体
能力に関する質問を複数提示して回答させる身体能力回
答段階と、前記疾病選択段階で選択された疾病と前記身
体能力回答段階で回答された身体能力の情報に基づいて
第1のデータベースから介護又は自立の程度に関する判
定結果を読み出す段階と、前記判定結果に応じて第2の
データベースから高齢者又は障害者の住環境整備プラン
を読み出して提示する段階と、を有することを特徴とす
るものである。ここで、第2のデータベースに格納され
る住環境整備プランは、例えば、介護又は自立のための
住宅のリフォーム又は福祉用具の提案を含むものであっ
ても良く、また、この介護又は自立のための住宅のリフ
ォーム又は福祉用具の提案と関連付けして、リフォーム
後の日常生活の動作説明又は福祉用具を使用した日常生
活の動作説明を提示するための情報を格納した第3のデ
ータベースを用いて、前記住宅のリフォーム又は福祉用
具の提案を提示する段階の後に、第3のデータベースか
らリフォーム後の日常生活の動作説明又は福祉用具を使
用した日常生活の動作説明を読み出して提示する段階を
有することが好ましい。また、前記判定結果に応じて第
2のデータベースから読み出される高齢者又は障害者の
住環境整備プランは、高齢者又は障害者の疾病に応じて
異なるものとすることが好ましい。例えば、選択された
疾病が慢性関節リウマチである場合には、高齢者又は障
害者の住環境整備プランは、高齢者又は障害者の関節の
可動域を考慮した住宅のリフォーム又は福祉用具の提案
とすることが好ましい。
【0008】選択された疾病が脳血管障害である場合に
は、左右の麻痺の有無に関する質問、つまり、左半身麻
痺であるのか、右半身麻痺であるのか、四肢麻痺である
のかの質問を追加することが好ましい。これにより、麻
痺の無い健側に手すりを設けるといったリフォームの提
案が可能となる。また、選択された疾病が脊髄損傷であ
る場合には、高齢者又は障害者の歩行能力に関する質問
は省略することが好ましい。そもそも脊髄損傷があると
立つことさえ出来ないのであるから、車いすの使用を前
提として、車いすの駆動能力や車いすとベッドの間の移
乗能力に関する情報を重点的に収集することが好まし
い。また、選択された疾病が慢性関節リウマチである場
合には、手足を動かすことは出来ても動かせる範囲が制
限されるので、関節の可動域に関連する質問について
は、質問の聞き方を変えることが好ましい。これによ
り、例えば椅子に腰掛けることができても、深く腰掛け
ることが出来ない場合には、座面を高くするための福祉
用具を使用するように提案することができる。
【0009】これらの方法を実施するためのコンピュー
タプログラムは、インターネット上のサーバーに格納さ
れてインターネット端末からの操作により実行可能とさ
れても良いし、CD−ROM等の記録媒体に記録されて
配布されても良いし、オンラインで配信または更新され
ても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】図2は本発明の住環境整備プラン
提案方法をインターネット上の介護支援専門サイトでケ
アマネジャー向けに提供される介護ナビゲーションシス
テムとして実施する場合のシステム構成図である。図
中、1はパソコン等のインターネット端末、2はインタ
ーネット上のサーバー、3はプライバシー保護のための
個人認証手段、4は個人認証された会員に対して介護ナ
ビゲーションのサービスを提供するためのプログラム、
5は高齢者又は障害者の疾病と身体能力に関する質問事
項と介護又は自立の程度に関する判定結果とを対応させ
た第1のデータベース、6は前記判定結果と住環境整備
プランとを対応させた第2のデータベース、7は介護又
は自立のための住宅のリフォーム又は福祉用具の提案と
関連付けして、リフォーム後の日常生活の動作説明又は
福祉用具を使用した日常生活の動作説明を提示するため
の情報を格納した第3のデータベースである。個人認証
手段3は会員名簿やユーザーID、パスワード等を格納
したデータベースを備え、インターネット端末1から介
護支援専門サイトのサーバー2にログインしてきたケア
マネジャーが入力するユーザーID、パスワードを照合
して、会員以外の利用を拒否するものである。ケアマネ
ジャーが入力した高齢者又は障害者の個人情報は外部か
らアクセスできないようにしてプライバシーが保護され
るようにしている。
【0011】図3は第1〜第3のデータベース5〜7の
データ構造を示す。第1のデータベース5は、高齢者又
は障害者の疾病名をツリー状のデータ構造のルートに配
置し、ルートから複数のブランチに分岐する各分岐点に
疾病毎に設定された身体能力に関する質問項目の情報を
配置し、それぞれのブランチの末端に介護又は自立の程
度に関する判定結果の情報を配置した構造を有してい
る。第2のデータベース6は、介護又は自立の程度に関
する判定結果と住環境整備プランとを対応させた構造を
有しており、その対応関係は1つの判定結果が1つの住
環境整備プラン(例えばリフォーム案)に対応する場
合と、1つの判定結果に2つ以上の住環境整備プラン
(例えば福祉用具Xとリフォーム案)に対応する場合
と、1つの住環境整備ランプ(例えばリフォーム案)
が複数の判定結果に対応する場合などがある。第3のデ
ータベース7は、それぞれのリフォーム案,,,
…と、福祉用具X,Y,…について、リフォーム後の日
常生活の動作説明や福祉用具の使用法を含めた日常生活
の動作説明を1:1に対応させて格納している。
【0012】表1は判定結果が「自立」の場合の「便器
への立ち座り」に関する住環境整備プランが疾病により
相違することを示している。この表1に示すように、疾
病が違えば、それに応じて提案するリフォームや福祉用
具が異なる。表1の例では、脊髄損傷の場合、リフォー
ム案として手すりと移乗台を提案しており、リウマチま
たは脳血管障害の場合、リフォーム案として手すりと昇
降便座を提案している。しかし、同じ手すりを付けるに
しても、疾病によって形状が異なる。例えば、脳血管障
害や脊髄損傷の場合は、手で掴みやすい丸いものとする
が、リウマチの場合、手すりの形状はひじで支えられる
ような平たいものを使用する。また、同じ昇降便座を用
いるにしても、疾病によって使用目的が異なる。リウマ
チの場合は、ひざ関節や股関節を曲げにくいため、便座
の高さを上げられるようにしているが、脳血管障害の場
合は、筋力の衰えもあるので、昇降便座を使用する。ま
た、リウマチの場合は、便器自体の高さを上げるかさ上
げ工事をする方法もある。同じ便器のかさ上げでも、脊
髄損傷では車いすの座面の高さと合わせる為に行う場合
がある。また、福祉用具としては、リウマチの場合、便
座に腰掛けることができても、ひざ関節・股関節が曲が
りにくい場合、座面を高くするために補高便座を使用す
るが、脊髄損傷や脳血管障害の場合は、このような事情
が無いので、補高便座は使用しない。表1では、判定結
果が「自立」の場合について住環境整備プランを例示し
たが、判定結果が「軽介助」、「全介助」の場合につい
てもリフォーム案や福祉用具の提案が用意されている。
また、表1では「便器への立ち座り」の場合について住
環境整備プランを例示したが、他の日常動作についても
同様にリフォーム案や福祉用具の提案が用意されてい
る。
【表1】
【0013】図4は住環境整備プラン提示プログラム4
の処理内容を示す。まず、第1のデータベース5に格納
されたツリー状のデータ構造のルートから高齢者又は障
害者の疾病名を読み出して、図1に示すように、ユーザ
ーのインターネット端末1に疾病選択画面Aを表示し
て、疾病名を選択させる。次に、第1のデータベース5
から各疾病毎に設定された身体能力に関する質問項目を
読み出して、図1に示すように、ユーザーのインターネ
ット端末1に身体能力回答画面Bを表示して、回答させ
る。複数の身体能力に関する質問項目について、同じ処
理を繰り返し、すべての質問項目に対する回答が得られ
れば、第1のデータベース5から介護又は自立の程度に
関する判定結果が得られるので、この判定結果に応じ
て、第2のデータベース6からリフォーム案や福祉用具
の提案を住環境整備プランとして読み出す。また、第3
のデータベース7からリフォーム後の日常生活の動作説
明や福祉用具の使用法を含めた日常生活の動作説明を読
み出す。読み出された住環境整備プランと日常動作の説
明は、図1に示すように、ユーザーのインターネット端
末1に住環境整備プラン表示画面Cとして表示する。な
お、図3の判定結果bのように、1つの判定結果に複数
の住環境整備プランが対応している場合には、福祉用具
Xに関する提案とリフォーム案ならびにそれぞれの提
案を採用した場合の日常動作の説明が並べて表示され、
どちらを選択するかを比較検討できるようになってい
る。
【0014】図1は介護ナビゲーションシステムにログ
インした後に、ユーザーのインターネット端末1に表示
される画面を概念的に示している。まず、疾病選択画面
Aでは高齢者又は障害者の疾病が脳血管障害、慢性関節
リウマチ、脊髄損傷のいずれであるかを選択し、「決
定」のボタンをマウスでクリックすると、身体能力回答
画面Bが現れる。この身体能力回答画面Bでは、高齢者
又は障害者の身体能力に関する質問が複数表示されて、
それぞれに回答していくことにより、高齢者又は障害者
の疾病と身体能力に関する情報が住環境整備プラン提案
プログラム4に取り込まれて、介護又は自立の程度が判
定され、その判定結果に応じて、高齢者又は障害者に適
した福祉用具とその使用法、あるいは、高齢者又は障害
者に適したリフォーム案とリフォーム後の日常生活動作
の説明などを住環境整備プラン提案画面Cとして提示す
る。
【0015】この住環境整備プラン提案画面Cは電子介
護マニュアルとしても使用できるように構成されてお
り、介護に携わる人達が高齢者又は障害者に対してどの
ようにかかわれば良いのかを、動画、静止画、音声、文
字等を用いて分かりやすく解説した内容となっており、
介護のための研修にも利用できるようになっている。ま
た、一般の高齢者又は障害者がみずから自立するための
住環境整備プランを立案するためのツールとしても利用
できるようになっている。
【0016】図5には住環境整備プラン提案画面Cとし
て表示されたリフォーム案の一例を示す。図示された例
では、疾病選択画面Aで「脳血管障害」が選択され、身
体能力回答画面Bで「右片麻痺」「車いすを使わない」
「歩ける・立ち座りができる(杖・器具の利用も含
む)」と回答された場合について、トイレのリフォーム
案を示したものである。この例では、右片麻痺であるか
ら、健側である左側にL型手すり12、緊急呼出スイッ
チ15、ワンハンドカット紙巻器16、杖フック17、
温水洗浄便座リモコン・便器洗浄リモコン14、手洗い
器18を配置している。同じ脳血管障害であっても、身
体能力回答画面Bで「左片麻痺」と回答された場合に
は、図5とは左右が逆の配置となる。
【0017】このリフォーム案と共に、リフォーム後の
日常生活動作の説明が図6に示すように表示される。図
6はリフォーム後の日常生活動作として、図5の構成の
トイレを用いた排泄動作パターンの一部を示したもので
ある。排泄動作パターンは、(1)扉を開けてトイレに
入る→(2)便器の前まで来たら杖を杖フックに置く→
(3)健側の手で縦手すりにつかまって便器に近づく→
(4)縦手すりで身体を支えながら健側の手で衣服を下
ろす→(5)縦手すりにつかまりながら便器に腰掛ける
→(6)座位姿勢を保持できるよう横手すりにつかまり
直し排泄する→(7)健側の手でトイレットペーパーを
取って後始末する(患側を壁面で支えると安定する)→
(8)縦手すりにつかまり直し、便器から立ち上がる→
(9)健側の手で衣服を元に戻す→(10)立った姿勢
で手を洗う→(11)杖フックから杖を取る→(12)
扉を開けてトイレから出る、といった複数の段階から成
るものであるが、このうち、(4)の衣服を下ろす段階
と、(5)の便器に腰掛ける段階について、イラストと
説明文で動作を説明している様子を図6に示している。
なお、図示はしないが、上述の(1)〜(3)、(6)
〜(12)の各段階についてもそれぞれイラストと説明
文で動作を説明する画面が表示される。このような住環
境整備プラン提案画面を参考にして、ケアマネジャーは
高齢者又は障害者やその家族にリフォーム後の日常生活
動作を説明するものである。また、この画面を高齢者又
は障害者に見てもらって、みずから自立するための方法
を学習してもらうようにしても構わない。
【0018】なお、図示されたリフォーム案は例示に過
ぎず、例えばトイレの場合、手すり以外にも、リフタ
ー、かさ上げ便器、移乗台の設置等、様々な工事を提案
できることは言うまでもない。また、工事を伴わないも
のとして、例えば、杖のほか、車いす、シャワーキャリ
ー、補高便座等の福祉用具を提案しても良い。また、こ
こでは、トイレの場合について説明したが、このほかに
も、浴室、台所、寝室、リビングルーム、玄関、廊下、
階段等についても、それぞれリフォーム案や福祉用具の
提案が可能であることは言うまでもない。
【0019】図7は本発明の作用説明図であり、同じ人
でも疾病に応じて質問を変えることにより判定結果が異
なることを示している。図示された例では、脊髄損傷の
人であって、身体能力として、車いすを駆動できる→床
上移動ができる→水平方向へ移乗できる→側方移乗がで
きる→垂直方向へ移乗ができる、と回答した人は、「車
いす(自立)」と判定される。ところが、全く同じ人で
あっても、仮に慢性関節リウマチの人を想定して設定さ
れた質問に対して回答して行くと、車いすを使う→車い
すを駆動できる→杖や手すりを利用しても殆ど歩けない
→車いすからの立ち座りと移乗ができない、と回答する
であろうから、「車いす(全介助)」と判定される。こ
れは脊髄損傷の人はそもそも「立つことができない」の
であるから、車いすからの移乗はできても、車いすから
の立ち座りはできないからである。つまり、間違った判
定結果が出たのは、聞き方が悪かったからであり、高齢
者又は障害者の疾病を考慮に入れて適切に質問すれば、
正しい判定結果を出せるのである。
【0020】より具体的に説明すると、脊髄損傷の人に
対して「杖や手すりを利用しても殆ど歩けない」と聞く
のは、「立つことができない人」に「歩けるか」と質問
していることになるから無意味な質問であり、削除すべ
きである。脊髄損傷の人は、車いすの使用を前提として
いるから、車いすの駆動能力の有無、車いすとベッドの
間の移乗能力の有無を詳細に質問すべきである。質問の
順番としては、まず、車いすの駆動能力の有無を確認す
る。車いすを駆動できない場合には、移乗能力の有無を
確認するまでもなく、「車いす(全介助)」と判定す
る。なぜなら、車いすに移乗できても、自分で駆動でき
ないのであれば、車いすを押す人か電動車いすが必要と
なるからである。車いすを駆動できる場合には、移乗能
力について詳細に質問し、独りで移乗できると判定でき
れば、「車いす(自立)」と判定し、独りでは移乗でき
ないと判定すれば、「車いす(軽介助)」と判定し、移
乗の際に家族またはヘルパーが介助するか電動車いすが
必要になる。
【0021】なお、自立できる人を軽介助と判定した
り、軽介助で済む人を全介助と判定したりすることは、
支援される人の身体能力を日常生活の中で使用させる機
会を奪うことになり、廃用症候群の原因となるので避け
るべきである。残された身体能力は日常生活の中で最大
限に活用することにより、身体能力の衰えを防止するこ
とが好ましい介護のあり方であり、したがって、判定結
果は重過ぎても軽過ぎても良くない。
【0022】ここでは、高齢者又は障害者の介助を要す
る程度を「自立」、「軽介助」、「全介助」の3段階で
判定することを想定しているが、上述のように、慢性関
節リウマチの人を想定して設定された質問では、脊髄損
傷の人の身体能力を精度良く判定することができず、そ
の結果、本来ならば「自立」と判定すべき人を「全介
助」と判定してしまうことになる。本発明はこのような
不都合を防止するために、まず最初に疾病に関する情報
を取得し、この情報に基づいて、その後の質問を追加し
たり、削除したり、同じ質問でも聞き方を変えたりする
ことにより、精度の良い判定を可能としたものである。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、高齢者又は障
害者の疾病に関する情報を最初に取得するようにしたの
で、その後の身体能力に関する質問を高齢者又は障害者
の疾病に応じた適切な内容のものに設定することがで
き、これにより精度の高い判定が可能となるから、高齢
者又は障害者の介護又は自立のための適切な住環境整備
プランを提案することが可能となる。請求項3、4の発
明によれば、住環境整備プランとして、介護又は自立の
ための住宅のリフォーム又は福祉用具の提案を含めると
共に、リフォーム後の日常生活の動作説明又は福祉用具
を使用した日常生活の動作説明を提示するようにしたの
で、提案を採用した後の介護又は自立の様子が容易に把
握できるという利点がある。請求項5〜7の発明によれ
ば、選択された疾病が脳血管障害である場合には、左右
の麻痺の有無に関する質問を追加するとか、選択された
疾病が脊髄損傷である場合には、高齢者又は障害者の歩
行能力に関する質問を省略する、というように、疾病に
応じて質問を追加したり、省略したり、同じ質問でも聞
き方を変えることにより、より精度の高い判定が可能と
なる。請求項2、8の発明によれば、判定された介護ま
たは自立の程度が同じであっても、例えば疾病が慢性関
節リウマチである場合には、高齢者又は障害者の関節の
可動域を考慮した住宅のリフォーム又は福祉用具を提案
する等、高齢者又は障害者の疾病に応じて提案内容を変
えることで、より適切な住環境整備プランを提案するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による基本的な処理の流れを示す
説明図である。
【図2】本発明の方法を実施するためのシステムの一例
を示す概略構成図である。
【図3】図2のシステムに用いる各データベースのデー
タ構造を示す説明図である。
【図4】図2のシステムに用いる住環境整備プラン提案
プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の住環境整備プラン提案画面の一例とし
てのリフォーム案を示す説明図である。
【図6】本発明の住環境整備プラン提案画面の一例とし
てのリフォーム案を用いた日常生活動作の一部を示す説
明図である。
【図7】本発明の作用説明図である。
【符号の説明】
1 インターネット端末 2 サーバー 3 個人認証手段 4 住環境整備プラン提案プログラム 5 第1のデータベース 6 第2のデータベース 7 第3のデータベース A 疾病選択画面 B 身体能力回答画面 C 住環境整備プラン提案画面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齊藤 陽子 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 小川 麻子 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 4C341 LL30 5B046 AA03 KA05 KA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高齢者又は障害者の疾病と身体能力に
    関する質問事項と介護又は自立の程度に関する判定結果
    とを対応させた第1のデータベースと、前記判定結果と
    住環境整備プランとを対応させた第2のデータベース
    と、を用いて高齢者又は障害者の疾病と身体能力に配慮
    した住環境整備プランの立案を支援する方法であって、 第1のデータベースから読み出された高齢者又は障害者
    の疾病を複数提示していずれかを選択させる疾病選択段
    階と、 前記疾病選択段階で選択された疾病に応じて第1のデー
    タベースから読み出された高齢者又は障害者の身体能力
    に関する質問を複数提示して回答させる身体能力回答段
    階と、 前記疾病選択段階で選択された疾病と前記身体能力回答
    段階で回答された身体能力の情報に基づいて第1のデー
    タベースから介護又は自立の程度に関する判定結果を読
    み出す段階と、 前記判定結果に応じて第2のデータベースから高齢者又
    は障害者の住環境整備プランを読み出して提示する段階
    と、を有することを特徴とする高齢者又は障害者の住環
    境整備支援方法。
  2. 【請求項2】 前記判定結果に応じて第2のデータベ
    ースから読み出される高齢者又は障害者の住環境整備プ
    ランは、高齢者又は障害者の疾病に応じて異なることを
    特徴とする請求項1記載の高齢者又は障害者の住環境整
    備支援方法。
  3. 【請求項3】 第2のデータベースに格納される住環
    境整備プランは、介護又は自立のための住宅のリフォー
    ム又は福祉用具の提案を含むことを特徴とする請求項1
    又は2記載の高齢者又は障害者の住環境整備支援方法。
  4. 【請求項4】 介護又は自立のための住宅のリフォー
    ム又は福祉用具の提案と関連付けして、リフォーム後の
    日常生活の動作説明又は福祉用具を使用した日常生活の
    動作説明を提示するための情報を格納した第3のデータ
    ベースを用いて、前記住宅のリフォーム又は福祉用具の
    提案を提示する段階の後に、第3のデータベースからリ
    フォーム後の日常生活の動作説明又は福祉用具を使用し
    た日常生活の動作説明を読み出して提示する段階を有す
    ることを特徴とする請求項3記載の高齢者又は障害者の
    住環境整備支援方法。
  5. 【請求項5】 選択された疾病が特定の疾病である場
    合には、高齢者又は障害者の身体能力に関する質問を1
    つ以上追加するか、または省略するか、もしくは同じ質
    問でも聞き方を変えることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の高齢者又は障害者の住環境整備支援方
    法。
  6. 【請求項6】 特定の疾病は脳血管障害であり、追加
    される質問は左半身と右半身の麻痺の有無に関する質問
    であることを特徴とする請求項5記載の高齢者又は障害
    者の住環境整備支援方法。
  7. 【請求項7】 特定の疾病は脊髄損傷であり、省かれ
    る質問は高齢者又は障害者の歩行能力に関する質問であ
    ることを特徴とする請求項5記載の高齢者又は障害者の
    住環境整備支援方法。
  8. 【請求項8】 選択された疾病が慢性関節リウマチで
    ある場合には、高齢者又は障害者の住環境整備プラン
    は、高齢者又は障害者の関節の可動域を考慮した住宅の
    リフォーム又は福祉用具の提案とすることを特徴とする
    請求項2又は3に記載の高齢者又は障害者の住環境整備
    支援方法。
  9. 【請求項9】 高齢者又は障害者の疾病と身体能力に
    関する質問事項と介護又は自立の程度に関する判定結果
    とを対応させた第1のデータベースと、 前記判定結果と住環境整備プランとを対応させた第2の
    データベースと、 第1および第2のデータベースを用いて高齢者又は障害
    者の疾病と身体能力を入力して住環境整備プランを出力
    する住環境整備プラン提案プログラムと、から構成され
    るシステムであって、 前記住環境整備プラン提案プログラムは、 第1のデータベースから読み出された高齢者又は障害者
    の疾病を複数提示していずれかを選択させる疾病選択処
    理部と、 前記疾病選択処理部で選択された疾病に応じて第1のデ
    ータベースから読み出された高齢者又は障害者の身体能
    力に関する質問を複数提示して回答させる身体能力回答
    処理部と、 前記疾病選択段階で選択された疾病と前記身体能力回答
    段階で回答された身体能力の情報に基づいて第1のデー
    タベースから介護又は自立の程度に関する判定結果を読
    み出す処理部と、 前記判定結果に応じて第2のデータベースから高齢者又
    は障害者の住環境整備プランを読み出して提示する処理
    部と、 を有することを特徴とする高齢者又は障害者の住環境整
    備支援システム。
  10. 【請求項10】 高齢者又は障害者の疾病と身体能力
    に関する質問事項と介護又は自立の程度に関する判定結
    果とを対応させた第1のデータと、 前記判定結果と住環境整備プランとを対応させた第2の
    データと、 第1および第2のデータに基づいて高齢者又は障害者の
    疾病と身体能力を入力して住環境整備プランを出力する
    住環境整備プラン提案プログラムとを格納した記録媒体
    であって、 前記住環境整備プラン提案プログラムは、 第1のデータを参照して高齢者又は障害者の疾病を複数
    提示していずれかを選択させる疾病選択処理部と、 前記疾病選択処理部で選択された疾病に応じて第1のデ
    ータを参照して高齢者又は障害者の身体能力に関する質
    問を複数提示して回答させる身体能力回答処理部と、 前記疾病選択段階で選択された疾病と前記身体能力回答
    段階で回答された身体能力の情報に基づいて第1のデー
    タを参照して介護又は自立の程度に関する判定結果を読
    み出す処理部と、 前記判定結果に応じて第2のデータを参照して高齢者又
    は障害者の住環境整備プランを提示する処理部と、を有
    することを特徴とする記録媒体。
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