JP2008026120A - ラインレーザー装置およびそれを用いたレーザー墨出し器 - Google Patents

ラインレーザー装置およびそれを用いたレーザー墨出し器 Download PDF

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Abstract

【課題】ライン光の視認性を向上する。
【解決手段】ラインレーザー装置100は、ライン光を出力するラインレーザー装置である。ラインレーザー装置100は、レーザー光を出力する半導体レーザー102と、半導体レーザー102からのレーザー光を平行光に変換するコリメータレンズ104と、並設された2つの第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111を有し、その2つのロッドレンズにコリメータレンズ104からの平行光を入射することによりライン光を出力するレンズユニット106と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、ライン光を出力するラインレーザー装置およびそれを用いたレーザー墨出し器に関する。
従来、建物の建築工事における水平・鉛直出し作業を行う際に、水平ラインや鉛直ラインなどの基準ラインをレーザー光で表示するレーザー墨出し器が用いられている。レーザー墨出し器を用いることにより、建具、照明器具、窓枠などの取付位置を正確に位置決めすることができる。
レーザー墨出し器は、その姿勢が傾いた場合でも水平ラインや垂直ラインが高い精度で表示されるように、ライン光を出力するラインレーザー装置が、ジンバル機構を介して支持されている(たとえば、特許文献1参照)。
ジンバル機構は、互いに直交する方向の2つの軸を有している。一方の軸は、レーザー墨出し器の基盤となるベース上に設けられた支持体によって水平に支持されるとともに、揺動体を回転可能に支持する。他方の軸は、上記一方の軸と直交する方向に向けて揺動体によって支持されるとともに、ラインレーザー装置が取り付けられた振り子を回転可能に支持する。このように構成されたジンバル機構により、振り子に取り付けられたラインレーザー装置は、支持体に対してあらゆる方向に揺動可能となり、常に所定の姿勢を保つことができる。
レーザー墨出し器に用いられるラインレーザー装置は、半導体レーザと、コリメータレンズと、ロッドレンズとを有している(たとえば、特許文献2参照)。半導体レーザーから出力されたレーザー光は、コリメータレンズによって平行光に変換される。そしてこの平行光をロッドレンズに透過させることにより、平行光が一方向にのみ拡散され、ライン光を出力することができる。ライン光の方向は、ロッドレンズの中心軸の向きによって決まる。たとえば、ロッドレンズの中心軸を水平方向に固定すれば、鉛直方向のライン光が出力され、ロッドレンズの中心軸を垂直方向に固定すれば、水平方向のライン光が出力される。
特開2005−300406号公報 特開2003−214854号公報
ところで、半導体レーザーから出力されるレーザー光は、光の強度分布がガウス分布となるガウシアンビームである。従って、上述のようなラインレーザー装置においては、コリメータレンズから出力される平行光の光強度は、中心付近において最も大きく、中心から離れるにしたがって小さくなる。このような光強度分布の平行光が、ロッドレンズに入射されると、中央部において最も光強度が大きく、両端部に向かうにしたがって光強度が小さくなるライン光が出力される。そのため、ライン光の中央部から離れるにしたがって、ライン光が暗くなり、ライン光の視認性は低下する。
本発明はこうした状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ライン光の視認性を向上したラインレーザー装置およびそれを用いたレーザー墨出し器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のラインレーザー装置は、ライン光を出力するラインレーザー装置であって、レーザー光を出力するレーザーと、レーザーからのレーザー光を平行光に変換する第1レンズと、並設された複数のシリンドリカルレンズを有し、その複数のシリンドリカルレンズに第1レンズからの平行光を入射することによりライン光を出力する第2レンズと、を備える。
ここで、シリンドリカルレンズとは、円柱形状の面もしくはその面の一部を屈折面として有するレンズであり、入射された平行光を一方向、すなわちレンズの曲率方向にのみ拡散するレンズである。シリンドリカルレンズは、ロッドレンズ、平凸シリンドリカルレンズ、平凹シリンドリカルレンズを含む。
この態様によると、第1レンズからの平行光をライン光に変換する第2レンズとして、複数のシリンドリカルレンズが並設されたレンズを用いているので、光強度の大きい平行光の中央部付近の光が、ライン光の中央部だけでなく、中央部から離れた位置にも拡散される。その結果、ライン光の中央部から離れた位置での光強度が大きくなり、ライン光の長さ方向全体にわたって、ライン光の明るさのばらつきが小さくなるので、ライン光の視認性を向上できる。
本発明の別の態様は、レーザー墨出し器である。このレーザー墨出し器は、上述のラインレーザー装置と、ラインレーザー装置を支持する支持機構と、を備える。この態様によると、ライン光の視認性を向上したレーザー墨出し器を提供することができる。
本発明によれば、ライン光の視認性を向上したラインレーザー装置およびそれを用いたレーザー墨出し器を提供することができる。
図1は、本実施の形態に係るレーザー墨出し器10の斜視図である。図1に示すように、レーザー墨出し器10の基盤となるベース28の下面側には、3つの脚部30が取り付けられている。この3つの脚部30の先端部には、レーザー墨出し器10を設置したときの安定性を高めるために、ゴムで形成された脚が取り付けられている。また、脚部30は、伸縮可能に構成されており、レーザー墨出し器10を設置する環境に合わせて脚部30の長さを調整できるようになっている。
ベース28の上面側には、ターンテーブル26が設けられている。ターンテーブル26は、ベース28に設けられた調整つまみを操作することにより、ベース28上で回転させることができる。
ターンテーブル26上には、支持体14が鉛直方向に立設されている。支持体14の上端部には、2軸のジンバル機構24を介して、振り子12が揺動可能に支持されている。ジンバル機構24は、支持体14上端の支持部に水平に取り付けられた第1の軸20と、第1の軸20により回転可能に支持された揺動体18と、第1の軸20と直交する方向に向けて揺動体18に取り付けられた第2の軸22と、を有している。振り子12は、第2の軸22により回転可能に支持されている。このように構成されたジンバル機構24により、振り子12は、支持体14に対してあらゆる方向に揺動可能となっている。ジンバル機構24の詳細な構造については後述する。
図1に示すように、振り子12の側面部には、第1ラインレーザー装置16、第2ラインレーザー装置17が設けられている。第1ラインレーザー装置16、第2ラインレーザー装置17は、基本的に同様の構造であるが、ライン光を出力する方向が異なり、第1ラインレーザー装置16は、垂直方向にライン光を出力し、第2ラインレーザー装置17は、水平方向にライン光を出力する。以下では、第1ラインレーザー装置16、第2ラインレーザー装置17を総称する場合は、単にラインレーザー装置100と呼ぶ。ラインレーザー装置100の詳細な構造については後述する。
ラインレーザー装置100が取り付けられている振り子12は、ジンバル機構24を介して支持体14に支持されているので、レーザー墨出し器10を設置する設置面が水平面に対して傾斜していた場合であっても、振り子12は常に所定の姿勢を取ることができる。これにより、レーザー墨出し器10は、自身の姿勢が傾いた場合であっても、正確に垂直ライン光および水平ライン光を出射することができる。
次に、図2を用いて、本実施の形態に係るジンバル機構24の構造について詳細に説明する。図2は、図1に示すレーザー墨出し器10のA−A断面図である。ジンバル機構24は、互いに異なる方向に向いている2つの軸、第1の軸20と、第2の軸22と、を有する。第1の軸20と第2の軸22は、図2に示すように、互いに直交する向きに設けられることが好ましい。
第1の軸20は、支持体14の上端部に形成された支持部に水平に支持されている。第1の軸20は、揺動体18を回転可能に支持している。揺動体18は、金属で形成された直方体状のブロックであり、第1の軸20は、揺動体18の中央を貫通している。第1の軸20と揺動体18の間には、揺動体18の回転がスムーズとなるように、一対のボールベアリングが介在されることが好ましい。
第2の軸22は、同一線上に配置された一対の軸22a、22bからなる。軸22a、22bは、揺動体18に形成されたねじ穴にねじ込まれることにより、揺動体18の対向する側面から突出して形成される。上述したように、第2の軸22は、第1の軸20と異なる方向、望ましくは直交する方向に設けられる。このように、一対の軸22a、22bからなる第2の軸22を揺動体18の対向する側面から突出して形成することにより、第1の軸20と第2の軸22とを同一平面上に設けることができる。第1の軸20と第2の軸22を同一平面上に設けた場合、コンパクトにジンバル機構を構成することができる。
第2の軸22は、一対のボールベアリング32、40を介して、振り子12を回転可能に支持している。振り子12は、底面部12aと側面部12bを有する箱体であり、側面部12bには、ラインレーザー装置100が取り付けられている。また、底面部には、レーザー墨出し器10の下部に地墨ポイントを表示するためのレーザー装置56が取り付けられている。ボールベアリング32、40は、それぞれ相対回転可能な外輪36、42と、内輪38、44と、を有する。
対をなすボールベアリング32、40のうち一方のボールベアリング32(図2において右側のボールベアリング)は、その外輪36が、振り子12側面に形成された嵌合孔に嵌められている。この嵌合孔の外側にはねじ部が形成されており、このねじ部に外ナット52がねじ込まれる。ボールベアリング32の外輪36は、外ナット52と、嵌合孔の段部との間に挟み込まれて、振り子12に固定される。ボールベアリング32の内輪38には、軸22aが嵌められている。揺動体18と内輪38の間には、揺動体18と内輪38の位置を一定に保つために、スペーサ48が介装される。
同じように、他方のボールベアリング40(図2において左側のボールベアリング)は、その外輪42が、振り子12側面に形成された嵌合孔に嵌められている。この嵌合孔の外側にはねじ部が形成されており、このねじ部に外ナット54がねじ込まれる。ボールベアリング40の外輪42は、外ナット54と、嵌合孔の段部との間に挟み込まれて、振り子12に固定される。ボールベアリング40の内輪44には、軸22bが嵌められている。揺動体18と内輪44の間には、揺動体18と内輪44の位置を一定に保つために、スペーサ50が介装される。
このように、本実施の形態に係るジンバル機構24においては、揺動体18は、第1の軸20を中心に揺動可能である。さらに、振り子12は、揺動体18に支持された第2の軸22を中心に揺動可能である。従って、振り子12は、支持体14に対してあらゆる方向に揺動可能であり、結果として、振り子12に取り付けられたラインレーザー装置100は、所定の姿勢をとることができる。
本実施の形態に係るレーザー墨出し器10においては、図2に示すように、第2の軸22は、ボールベアリング32、42により、水平方向に対して傾斜して設けられる。第2の軸22を水平方向に対して傾斜して支持するために、ボールベアリング32、40は、振り子12の側面において、鉛直方向に異なる高さ、すなわち、振り子12の底面部12aから異なる高さにそれぞれ設けられる。
図3は、ボールベアリング32周辺部を示す図である。図3において、破線Hは、水平方向を表す。図3に示すように、第2の軸22は、水平方向Hに対して角度θだけ傾斜している。
本実施の形態に係るレーザー墨出し器10においては、第2の軸22が水平方向に対して傾斜しているので、振り子12の自重により、ボールベアリング32の外輪36、内輪38が、図3に示すような位置関係となる。すなわち、外輪36と内輪38とが第2の軸22方向に相対的にずれた位置関係をとる。従って、ボールベアリング32のボール34は、内輪38の溝38aの外側と、外輪36の溝36aの内側に当接することとなる。これにより、確実に位置決めがなされ、ボールベアリング32のがたつきを小さくすることができる。もう一方のボールベアリング40についても同様に、ボールベアリング40の外輪42と内輪44とが第2の軸22方向に相対的にずれた位置関係をとるので、ボールベアリング40のがたつきを小さくすることができる。
以上のように、本実施の形態に係るレーザー墨出し器10においては、第2の軸22を水平方向に対して傾斜して設けることにより、ボールベアリング32、40のがたつきを小さくすることができるので、支持体14に対する振り子12のがたつきを小さくすることができる。振り子12のがたつきが小さくなることにより、振り子12が安定して所定の姿勢を取ることができるようになるので、振り子12に取り付けられた第1ラインレーザー装置16、第2ラインレーザー装置17が出射する垂直ライン、水平ラインの表示精度を向上することができる。
図4は、本実施の形態に係るラインレーザー装置100を示す図である。上述したように、ラインレーザー装置100は、ライン光を出力する機能を有する。図4に示すように、ラインレーザー装置100は、半導体レーザー102と、コリメータレンズ104と、レンズユニット106と、ハウジング116と、を備える。
半導体レーザー102は、レーザー光を出力する。レーザー光の波長は、人間の目に見える可視光線の波長、すなわち、380nm〜780nm程度であればよい。レーザー墨出し器10は、円筒形状のハウジング116の一端部に収容される。半導体レーザー102は、ハウジング116の外部方向に向けて延びるリード112を有する。半導体レーザー102は、リード112を介して、図示しないレーザー制御回路から電流の供給を受け、発光する。半導体レーザー102からのレーザー光は、光の強度分布がガウス分布となるガウシアンビームである。すなわち、レーザー光の光強度は、レーザー光の横断面において、中心部が最も高く、中心から離れるにしたがって低い。
コリメータレンズ104は、拡散光である半導体レーザー102からのレーザー光を、平行光に変換する。ラインレーザー装置100は、ハウジング116の内部に、半導体レーザー102の光軸とコリメータレンズ104の光軸が一致するようにして収容される。上述したように、半導体レーザー102からのレーザー光は、ガウシアンビームであるので、コリメータレンズ104からの平行光もまた、ガウシアンビームとなる。すなわち、平行光の光強度は、平行光の横断面において、中心部が最も高く、中心から離れるにしたがって低い。
レンズユニット106は、コリメータレンズ104からの平行光を一方向、すなわちレンズ屈折面の曲率方向にのみ拡散し、ライン光を出力する。図4に示すように、レンズユニット106は、第1ロッドレンズ110と、第2ロッドレンズ111と、レンズホルダ108と、を有する。レンズユニット106は、ハウジング116の半導体レーザー102が設けられた側と反対側の端部に取り付けられる。
第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111は、同一形状のロッドレンズであり、それぞれの中心軸110a、111aが平行で、かつ外周面が互いに接触するようにして並設される。第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111は、レンズホルダ108によって保持される。レンズホルダ108は、円形に形成されたホルダ底面部108aと、ホルダ底面部108a上に突設されたレンズ保持部108bと、を有する。ホルダ底面部108aには、コリメータレンズ104からの平行光を第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111に入射するための平行光透過孔108cが設けられる。ホルダ底面部108aとレンズ保持部108bとに挟まれることにより、第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111は、並列された状態で保持される。
レンズユニット106は、コリメータレンズ104からの平行光が、平行光透過孔108cを通って第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111の屈折面に入射されるように、ハウジング116に取り付けられる。第1ロッドレンズ110と第2ロッドレンズ111は、それぞれの中心軸110a、111a同士を結んだ直線と、コリメータレンズ104らの平行光の光軸が直交するように配設される。
さらに、第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111は、コリメータレンズ104からの平行光の光軸が、第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111のそれぞれの光軸とずれる位置に配設される。第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111は、接触した状態で並設されており、コリメータレンズ104からの平行光の光軸が、2つのロッドレンズの接触位置を通過してもよい。第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111は、コリメータレンズ104からの平行光の光軸が、第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111のそれぞれの光軸間の中央を通過するように配設されてもよい。
以上、本実施の形態に係るラインレーザー装置100の構成について説明した。ライン光は、第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111の中心軸110a、111aと直交した方向に出力される。従って、垂直ラインを出力する第1ラインレーザー装置16は、中心軸110a、111aが水平になるように振り子12に取り付けられる。また、水平ラインを出力する第2ラインレーザー装置17は、中心軸110a、111aが、垂直になるように振り子12に取り付けられる。
次に、本実施の形態に係るラインレーザー装置100の特性について説明する。比較のため、まず、単一のロッドレンズを用いてライン光を生成した場合について説明する。図5は、単一のロッドレンズを用いてライン光を生成した場合の光線追跡シミュレーションを示す図である。
図5では、計算の簡略化のため、コリメータレンズからの平行光のうち、半分の平行光200についての光線追跡シミュレーションを示している。図5に示す平行光200の光線のうち、一番下側の光線202は、平行光の光軸に一致した光線を表す。平行光は、ガウシアンビームなので、光線202の光強度は大きい。また、一番上側の光線204は、光強度が中心の1/eとなる位置(以下、ビーム径位置と呼ぶ)の光線を表す。光線202と光線204の間にある複数の光線は、それぞれガウス分布に応じた光強度を有する光線である。コリメータレンズからの平行光は、ガウシアンビームなので、平行光が入射するレンズの屈折面が平行光の光軸に対して対称であれば、図示を省略した半分の平行光の光線追跡シミュレーションの結果も、平行光の光軸に対して対称となる。
図5においては、図面の左側から、ロッドレンズの直径Raとほぼ同じビーム直径Rbの平行光が、ロッドレンズに入射している。図5に示す平行光200は、コリメータレンズからの平行光の半分を表すので、光線202から光線204までの距離は、Rb/2である。図5に示すように、コリメータレンズからの平行光は、平行光の光軸が、ロッドレンズ114の光軸に一致するようにして入射されている。
ロッドレンズは、その光軸に一致して入射された光は、屈折されずに真っ直ぐに出力されるが、光軸から離れて入射された光は、ロッドレンズによって屈折されて出力される。光の屈折角度は、ロッドレンズの光軸から離れるほど大きくなる。従って、図5に示すように、ロッドレンズ114の光軸に一致して入射された光線202は、屈折されずに光線203として真っ直ぐに出力される。また、ロッドレンズ114の光軸からRb/2だけ離れた位置に入射された光線204は、光線205のように大きく屈折されて出力される。光線202と光線204の間に位置する複数の光線も、それぞれロッドレンズ114によって屈折されて出力される。光線の屈折角度は、ロッドレンズ114の光軸から離れるほど大きくなる。このようにして、平行光200は、ライン光220に変換される。図5において図示を省略した半分の平行光についても同様である。
図6は、図5に示す光線追跡シミュレーションの光強度分布について示す図である。図6の横軸は、ロッドレンズ114に入射する平行光の光軸における光強度を100%としたときの相対的な光強度を表す。図6の縦軸は、ロッドレンズ114からの光の放射角度を表す。たとえば、図5において、光線203は、0°方向、光線205は、ほぼ−90°方向に放射された光である。
図6に示すように、単一のロッドレンズを用いて平行光をライン光に変換した場合、光の放射角度が0°、すなわち、ライン光の中心部は、約90%と非常に高い光強度であるが、光の放射角度が大きくなるにつれて、たとえば−45°の放射角度で約18%、−60°の放射角度で約8%と、急激に光強度が小さくなっている。このように、単一のロッドレンズを用いてライン光を生成した場合、ライン光の中央部には平行光の光軸付近の光がほとんど屈折せずに出力されるため、光強度が大きく、明るいライン光になる。一方、ライン光の中央部から離れた部分では、元来光強度が弱い光が屈折されて出力されるため、非常に光強度が小さく、暗いライン光となる。すなわち、単一のロッドレンズを用いてライン光を生成した場合、ライン光を視認できる角度が狭い。
図7は、本実施の形態に係るラインレーザー装置100の光線追跡シミュレーションを示す図である。図7に示すように、並設された第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111に、コリメータレンズからの平行光が入射される。第1ロッドレンズ110、第2ロッドレンズ111の直径はRa、平行光のビーム直径は、Rbである。なお、図7においても、図5と同じように、コリメータレンズからの平行光の半分の平行光200を用いて光線追跡シミュレーションを行っている。
本実施の形態に係るラインレーザー装置100では、平行光の光軸が、第1ロッドレンズ110と第2ロッドレンズ111のそれぞれの光軸間の中央に位置するように平行光が入射されるので、平行光200は、ラインレーザー装置100に入射され、図示を省略した半分の平行光は、第2ロッドレンズ111に入射される。図7のように第1ロッドレンズ110の直径Raを平行光のビーム直径Rbと等しく設定した場合、ビーム径位置の光線204は、第1ロッドレンズ110の光軸に一致して第1ロッドレンズ110に入射される。
図7に示すように、第1ロッドレンズ110と第2ロッドレンズ111の中央に入射された光線202は、第1ロッドレンズ110において大きく屈折され、光線206として出力される。第1ロッドレンズ110の光軸に一致して第1ロッドレンズ110に入射された光線204は、屈折されずに光線208として真っ直ぐに出力される。光線202と光線204の間の複数の光線も、それぞれ屈折されて第1ロッドレンズ110から出力される。このようにして、平行光200は、ライン光222に変換される。図7において図示を省略した半分の平行光についても同様であり、第2ロッドレンズ111によってライン光に変換される。
図8は、図7に示す光線追跡シミュレーションの光強度分布について示す図である。図8の横軸は、第1ロッドレンズ110に入射する平行光の光軸における光強度を100%としたときの相対的な光強度を表す。図8の縦軸は、第1ロッドレンズ110からの光の放射角度を表す。
図8に示す本実施の形態に係るラインレーザー装置100の光強度分布を、図6に示す単一のロッドレンズを用いて平行光をライン光に変換した場合の光強度分布と比較すると、光の放射角度が0°のときは光強度が約90%から約15%に減少しているものの、放射角度が45°のときに約18%から約40%に、放射角度が80°のときに約8%から約20%に増加している。つまり、本実施の形態に係るラインレーザー装置100では、単一のロッドレンズを用いてライン光を生成した場合よりも、ライン光を視認できる角度が広くなっている。本実施の形態に係るラインレーザー装置100では、平行光のうち、光強度が大きい光軸付近の光が大きく屈折されて中央部から離れた位置に出力される。一方、光強度が小さい光軸から離れた部分の光は、ほとんど屈折されずに出力される。その結果、ライン光の中央部から離れた位置での光強度を視認可能なレベルに維持でき、ライン光の長さ方向全体にわたって、ライン光の明るさのばらつきが小さくなるので、ライン光の視認性を向上できる。
図7においては、第1ロッドレンズ110の直径Raを平行光のビーム直径Rbと等しく設定したが、平行光のビーム直径Rbを、第1ロッドレンズ110の直径Raよりも大きく設定してもよい。この場合、第1ロッドレンズ110の光軸より外側(図面では上側)に入射された光は、第1ロッドレンズ110の光軸より内側(図面では下側)に屈折されるので、ライン光の中央部付近の光強度を、図8に示した光強度分布よりも大きくすることができる。
図9は、3つのロッドレンズを並設してライン光を生成した様子を示す図である。上記の実施の形態では、2つのロッドレンズを並設してレンズユニットを構成したが、並設するロットレンズの数は、2つに限られず、3つ以上であってもよい。図9に示すように、3つのロッドレンズ120、122、124を並設した場合、平行光230のうち、光強度の大きい中心付近の光は、真ん中のロッドレンズ122によって、ライン光の中央部だけでなく、中央部から離れた位置にも拡散される。その結果、ライン光の中央部から離れた位置での光強度が大きくなり、ライン光の長さ方向全体にわたって、ライン光の明るさのばらつきが小さくなるので、ライン光の視認性を向上できる。
図10は、2つの平凸シリンドリカルレンズを並設してライン光を生成した様子を示す図である。上記においては、シリンドリカルレンズの例として、ロッドレンズを示したが、他のシリンドリカルレンズを利用することもできる。ここで、シリンドリカルレンズとは、円柱形状の面もしくはその面の一部を屈折面として有するレンズであり、入射された平行光を一方向、すなわちレンズの曲率方向にのみ拡散するレンズである。
図10では、シリンドリカルレンズの他の例として、2つの平凸シリンドリカルレンズ130、132を並設している。この場合、2つの平凸シリンドリカルレンズ130、132に入射される平行光232のうち、光強度の大きい中央付近の光が、ライン光の中央部から離れた位置に拡散される。その結果、ライン光の中央部から離れた位置での光強度が大きくなり、ライン光の長さ方向全体にわたって、ライン光の明るさのばらつきが小さくなるので、ライン光の視認性を向上できる。図10では、平凸シリンドリカルレンズを並設する例を示したが、平凹シリンドリカルレンズを並設してもよい。
図11は、水平ラインと垂直ラインのラインレーザー装置を一体化して構成したレーザー墨出し器10を示す図である。図11に示すレーザー墨出し器10において、ラインレーザー装置150以外の構成要素は、図2に示すレーザー墨出し器と同様である。なお、図11では、ラインレーザー装置150を構成する光学部品についてのみ図示し、それらを収容するハウジング等については図示を省略する。
ラインレーザー装置150は、図11に示すように、箱体である振り子12の内部に設けられる。ラインレーザー装置150は、半導体レーザ152と、コリメータレンズ154と、ハーフミラー156と、全反射ミラー160と、第1レンズユニット158と、第2レンズユニット162と、を備える。
半導体レーザ152から出力されたレーザー光は、コリメータレンズ154によって平行光に変換される。コリメータレンズ154からの平行光は、ハーフミラー156に入射され、第1レンズユニット158側に向かう平行光と、全反射ミラー160側に向かう平行光とに分岐される。ハーフミラー156は、ビームスプリッタであってもよい。
第1レンズユニット158側に出力された平行光は、第1レンズユニット158によってライン光に変換される。第1レンズユニット158は、図4のように、2つのロッドレンズが並設されたレンズユニットであってよい。第1レンズユニット158のロッドレンズは、垂直ラインを出力するために、その中心軸が水平になるように設けられる。
一方、全反射ミラー160側に出力された平行光は、全反射ミラー160によって反射され、第2レンズユニット162に入射される。第2レンズユニット162もまた、図4のように、2つのロッドレンズが並設されたレンズユニットであってよい。第2レンズユニット162のロッドレンズは、水平ラインを出力するために、その中心軸が垂直になるように設けられる。
このように形成されたラインレーザー装置150においても、2つのロッドレンズを並設したレンズユニットを用いて平行光をライン光に変換することにより、水平方向のライン光および垂直方向のライン光の視認性を向上することができる。また、ラインレーザー装置150は、単一の半導体レーザ152で水平ラインと垂直ラインを出力できるので、部品点数が削減され、ラインレーザー装置、ひいてはレーザー墨出し器を小型化できる。また、半導体レーザーの数が1つであるから、消費電力や、コストの面からも有利である。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能である。また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施の形態に係るレーザー墨出し器の斜視図である。 図1に示すレーザー墨出し器のA−A断面図である。 ボールベアリング周辺部を示す図である。 本実施の形態に係るラインレーザー装置を示す図である。 単一のロッドレンズを用いてライン光を生成した場合の光線追跡シミュレーションを示す図である。 図5に示す光線追跡シミュレーションの光強度分布について示す図である。 本実施の形態に係るラインレーザー装置の光線追跡シミュレーションを示す図である。 図7に示す光線追跡シミュレーションの光強度分布について示す図である。 3つのロッドレンズを並設してライン光を生成した様子を示す図である。 2つの平凸シリンドリカルレンズを並設してライン光を生成した様子を示す図である。 水平ラインと垂直ラインのラインレーザー装置を一体化して構成したレーザー墨出し器を示す図である。
符号の説明
10 レーザー墨出し器、 12 振り子、 14 支持体、 16 第1ラインレーザー装置、 17 第2ラインレーザー装置、 24 ジンバル機構、 100 ラインレーザー装置、 102 半導体レーザー、 104 コリメータレンズ、 106 レンズユニット、 108 レンズホルダ、 110 第1ロッドレンズ、 111 第2ロッドレンズ、 116 ハウジング。

Claims (6)

  1. ライン光を出力するラインレーザー装置であって、
    レーザー光を出力するレーザーと、
    前記レーザーからのレーザー光を平行光に変換する第1レンズと、
    並設された複数のシリンドリカルレンズを有し、その複数のシリンドリカルレンズに前記第1レンズからの平行光を入射することによりライン光を出力する第2レンズと、
    を備えることを特徴とするラインレーザー装置。
  2. 前記第2レンズは、並設された2つのシリンドリカルレンズを有し、前記第1レンズからの平行光の光軸が、前記2つのシリンドリカルレンズのそれぞれの光軸とずれる位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載のラインレーザー装置。
  3. 前記2つのシリンドリカルレンズは、接触した状態で並設されており、前記第1レンズからの平行光の光軸が、前記2つのシリンドリカルレンズの接触位置を通過することを特徴とする請求項2に記載のラインレーザー装置。
  4. 前記2つのシリンドリカルレンズは、前記第1レンズからの平行光の光軸が、前記2つのシリンドリカルレンズのそれぞれの光軸間の中央を通過するように配設されることを特徴とする請求項2または3に記載のラインレーザー装置。
  5. 前記シリンドリカルレンズは、ロッドレンズであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のラインレーザー装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のラインレーザー装置と、前記ラインレーザー装置を支持する支持機構と、を備えることを特徴とするレーザー墨出し器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014517262A (ja) * 2011-04-15 2014-07-17 ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド 予配置型且つ可換型の光学ベンチを有するジンバル式装置

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