JP2008025907A - 加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体を効率良く加熱することができる加熱装置を提供する。
【解決手段】第1の流入口3に連通する第2の流入口7、第1の流出口4に連通する第2の流出口8、第2の流入口7から第2の流出口8へ流体を案内する流路9及び流路9に配設されたシーズヒータ10を有する加熱部5を、相互に並列配置して設けた。これにより、第1の流入口3に流入した流体を、複数の加熱部5に分岐させて、それぞれの加熱部5で加熱できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シーズヒータを備える加熱装置に関する。
従来、例えば電気自動車の暖房装置の熱源として、タンク内にシーズヒータが配設された構成の加熱装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このような加熱装置として、タンク内に形成された流路に沿ってシーズヒータが配設された構造のものが知られている。この加熱装置では、タンクに供給される流体をシーズヒータによって加熱し、その加熱した流体を排出する。そして、暖房装置では、その加熱された流体によって空気を暖め、暖めた空気を車室内に供給するようになっている。
このようなシーズヒータを備える加熱装置の発熱量を上げるには、シーズヒータの長さを長くするという方法がある。
特開平11−245655号公報
しかしながら、加熱装置の発熱量を上げるためにシーズヒータの長さを長くした場合、タンク内の流路の下流部においては、流路の上流部で既に加熱されて温度上昇した流体を加熱することになるので、流体の温度上昇が低く加熱効率が低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、流体を効率良く加熱することができる加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の加熱装置は、単一の第1の流入口と、単一の第1の流出口と、前記第1の流入口に連通する第2の流入口、前記第1の流出口に連通する第2の流出口、前記第2の流入口から前記第2の流出口へ流体を案内する流路及び前記流路に配設されたシーズヒータを有し、相互に並列配置された複数の加熱部と、を備えることを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、第1の流入口に流入した流体を複数の加熱部に分岐させて、それぞれの加熱部で加熱できるので、流体を効率良く加熱することができる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1ないし図3に基づいて説明する。図1は、本実施形態の加熱装置を示す縦断正面図、図2は、本実施形態の一方の加熱部の流路が閉じられた状態の加熱装置を説明するための縦断正面図である。なお、図中の矢印は、流体の流れを概略的に示している。
図1及び図2に示すように、加熱装置1は、相互に並列配置された2つの加熱部5と、これら加熱部5の下端に連設された単一の第1の流入口3と、加熱部5の上端に連設された単一の第1の流出口4と、を備えている。この加熱装置1は、概略的には、第1の流入口3から加熱部5に流入した流体を、複数の加熱部5に分岐させて、それら加熱部5によって加熱した後、第2の排出口から排出するものである。加熱装置1は、例えば自動車の暖房装置に熱源として設けられる。
ここで、自動車の暖房装置は、加熱装置1で暖めた流体をポンプの動作によってヒータコア(いずれも図示せず)に供給し、ヒータコアにおいて流体の熱によって空気を暖め、その暖めた空気を車室内に供給する構成のものである。空気を暖めた後の流体は、ポンプの動作によって再び加熱装置1に供給されるようになっている。流体としては、液体である例えばLLC(ロングライフクーラント)が用いられる。このような暖房装置は、例えば、電気自動車のメイン暖房用や、ディーゼルエンジン車などの補助暖房用等として用いられる。
次に、加熱装置1の各部を詳細に説明する。
第1の流入口3と第1の流出口4とは、共にパイプ状に形成されている。
加熱部5同士は、左右対称に形成されている。加熱部5は、中空状の収納ケース6を備えている。ここで、本実施形態では、単一の中空状のケース2にその内部を左右二つの空間に区画する隔壁2aが設けられることで、ケース2に2つの収納ケース6が形成されている。収納ケース6の下端部には、収納ケース6と第1の流入口3とを連通する第2の流入口7が設けられている一方、収納ケース6の上端部には、収納ケース6と第1の流出口4とを連通する第2の流出口8が設けられている。これら第2の流入口7と第2の流出口8とは、共にL字パイプ状に形成されている。
収納ケース6の内部には、第2の流入口7から第2の流出口8へ流体を案内する流路9が形成されている。この流路9は、上流から下流に向うにしたがい位置が高くなる直線状の上昇流路である。本実施形態では、流路9同士が相互に平行になる配置で加熱部5同士が並列配置されている。
収納ケース6の内部、即ち、流路9には、シーズヒータ10が配設されている。シーズヒータ10は、コイル状に形成されていると共に、その両端部には、リード端子11が接続されている。このリード端子11は、収納ケース6の壁を貫通している。シーズヒータ10同士は、同一外径、同一巻回ピッチである。シーズヒータ10は、詳しくは、コイル状のニクロム線等の発熱体が保護管の内部に挿入されると共に、それら発熱体と保護管との間に耐熱性絶縁体が充填された構成となっている。シーズヒータ10では、リード端子11を介して車両電源(図示せず)から供給される電力により発熱体が発熱する。
これらシーズヒータ10は、相互に発熱能力が同じであっても、異なっていても良いが、相互のシーズヒータ10の発熱能力が異なる方が、流体に対しての加熱制御をより細かく行なうことができる。例えば、両方のシーズヒータ10の発熱能力の総計を10kwとする場合、両方のシーズヒータ10の発熱能力が共に5kwの場合には、各シーズヒータ10のON,OFFの組み合わせによる加熱装置1全体の発熱量は、5kw,10kwの2通りである。これに対して、一方のシーズヒータ10の発熱能力が例えば7kwで他方のシーズヒータ10の発熱能力が3kwである場合には、各シーズヒータ10のON,OFFの組み合わせによる加熱装置1全体の発熱量は、3kw,7kw,10kwの3通りになり、選択できる発熱量の種類が増える。
また、加熱装置1には、シーズヒータ10よりも下流に弁装置12が設けられている。具体的には、弁装置12は、一対の第2の流出口8の下流端部に亘って設けられている。弁装置12は、例えば周知の電磁弁であり、第2の流出口8毎に設けられた弁体(図示せず)を駆動して、各第2の流出口8を個別に開閉する構成となっている。
また、加熱装置1には、温度センサ13が設けられている。温度センサ13は、第1の流出口4に配設されており、第2の流出口8から流出した流体の温度を計測し、その温度を出力する。
図3は、加熱装置1の電装系を示すブロック図である。図3に示すように、加熱装置1は、制御部14を備えている。制御部14には、シーズヒータ10、温度センサ13が接続されている。これにより、制御部14は、シーズヒータ10を個別に制御可能であると共に、温度センサ13から送信される温度データを受信可能となっている。また、制御部14は、暖房装置に設けられた主制御部(図示せず)に接続されており、その主制御部から流体の目標温度を含む加熱命令を受信可能となっている。即ち、制御部14は、流体の目標温度を取得する取得手段として機能する。
このような構成において、弁装置12が各加熱部5の流路9を開いている場合、第1の流入口3に流入した流体は、第1の流入口3から各加熱部5の第2の流入口7を介して各収納ケース6内へ分岐する。そして、流体は、それぞれ流路9、第2の流出口8を経て、第1の流出口4で再び合流し、流出口4から流出する。そして、この流れの過程で、制御部14に駆動制御される各加熱部5のシーズヒータ10によって流体が加熱される。
制御部14は、暖房装置の主制御部から加熱命令を受信すると、その加熱命令に応じて、温度センサ13が計測する流体の温度が目標温度になるように各シーズヒータ10を個別にON,OFFによる駆動制御をする。
詳しくは、制御部14は、当該装置1の始動時においては、温度センサ13が計測する流体の温度が規定温度に達成するまで全てのシーズヒータ10を駆動する。ここで、規定温度は、流体の目標温度と同じであっても良いし、予め設定された温度であっても良い。規定温度が予め設定されている場合には、目標温度が規定温度よりも高いときにのみ上記制御がなされる。そして、流体の温度が規定温度を超えると、制御部14は、目標温度に応じてシーズヒータ10を個別に駆動制御する(能力制御運転)。このとき、制御部14は、一方の加熱部5のシーズヒータ10のみを駆動する場合には、シーズヒータ10を駆動しない他方の加熱部5の流路9を、弁装置12を駆動して閉じる(図2)。なお、図2は、右側の加熱部5の流路9が開かれ左側の加熱部5の流路9が閉じられた状態が示されている。
以上説明したように、本実施形態では、第1の流入口3に流入した流体を2つの加熱部5に分岐させて、それぞれの加熱部5のシーズヒータ10で加熱できるので、例えば複数の加熱部5を直列に連設した場合に比べて、流体を効率良く加熱することができる。
また、本実施形態では、シーズヒータ10よりも下流に配設され各流路9を個別に開閉する弁装置12を備えることにより、図2に示すように、弁装置12によって流路9が閉じられても、その流路9の上流部では、第1の流入口3との間で流体の出入りがある。したがって、ヒータコアから第1の流入口3に流入する流体が暖かい場合、弁装置12によって閉じられた流路9内の温度が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態では、制御部14は、温度センサ13が計測する流体の温度が目標温度に基づく目標温度になるように各シーズヒータ10を個別に駆動制御し、当該装置1の始動時においては、温度センサ13が計測する流体の温度が規定温度に達成するまで全てのシーズヒータ10を駆動する。したがって、加熱装置1の始動時に流体が冷えている場合、その流体の温度を効率良く上昇させることができる。
また、本実施形態では、流路9は、上流から下流に向うにしたがい位置が高くなる上昇流路である。したがって、加熱装置1の加熱対象流体が液体の場合、流路9に空気が混入しても、その空気は、流路9に沿って上昇するので、流路9内に空気が停留することを抑制することができる。即ち、流路9内のエア抜きが自動的になされる。
また、2つのシーズヒータ10の発熱能力が相互に異なるようにすることにより、2つのシーズヒータ10の発熱能力が相互に同じ場合に比べて、より、選択できる発熱量の種類が増えるので、より細かな加熱制御を行なうことができる。
また、本実施形態では、流路9が並列に複数設けられているので、流路9が直列に設けられている場合に比べて、流路抵抗を低減することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図4に基づいて説明する。図4は、本実施形態の加熱装置1を示す縦断正面図である。
本実施形態では、加熱装置21の第2の流入口27と第2の流出口28とが第1の実施形態に対して異なる。
本実施形態では、各第2の流入口27同士は、相互にケース22内で連通した状態で第1の流入口3に連通している。また、第2の流出口28同士は、相互にケース22内で連通した状態で第1の流出口4に連通している。かかる構造は、ケース22の隔壁22aの上下端がケース22の上下壁から離間して形成されていることと、第1の流入口3がケース22の下壁を貫通して隔壁22aの下端に対向して設けられていることと、第1の流出口4がケース22の上壁を貫通して隔壁22aの上端に対向して設けられていることとにより実現されている。
また、本実施形態では、第1の実施形態で説明した弁装置12(図1参照)が設けられておらず、第1の流入口3、第1の流出口4、第2の流入口27、第2の流出口28及び流路9は、常に開放状態となっている。
以上の構成により、第1の流入口3に流入した流体は、各流路9に同じ量づつ分岐し、各流路9に同量の流体が流れる。そして、各流路9を流れた流体は、第1の流出口4で再び合流する。
以上説明した本実施形態では、第2の流入口27同士は、相互にケース22内で連通した状態で第1の流入口3に連通している一方、第2の流出口28同士は、相互にケース22内で連通した状態で第1の流出口4に連通していることにより、各流入口3,27、流出口4,28の構造を簡素化することができる。
また、本実施形態では、第1の流入口3、第1の流出口4、第2の流入口27、第2の流出口28及び流路9が常に開放状態となっていることにより、弁装置12(図1参照)が不要であるので、加熱装置21を簡素な構成とすることができる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。例えば、上記各実施形態では、加熱部5が2つ設けられた例を説明したが、加熱部5は、3つ以上であっても良い。
また、上記各実施形態では、温度センサ13が第1の流出口4に配設された例を説明したが、温度センサ13は、例えばヒータコアに設けられていても良い。
本発明の第1の実施形態の加熱装置を示す縦断正面図である。 本発明の第1の実施形態の一方の加熱部の流路が閉じられた状態の加熱装置を説明するための縦断正面図である。 本発明の第1の実施形態の加熱装置の電装系を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の加熱装置を示す縦断正面図である。
符号の説明
1 加熱装置
3 第1の流入口
4 第1の流出口
5 加熱部
7 第2の流入口
8 第2の流出口
9 流路
10 シーズヒータ
12 弁装置
13 温度センサ
14 制御部(取得手段)
21 加熱装置
22 ケース
27 第2の流入口
28 第2の流出口

Claims (7)

  1. 単一の第1の流入口(3)と、
    単一の第1の流出口(4)と、
    前記第1の流入口(3)に連通する第2の流入口(7,27)、前記第1の流出口(4)に連通する第2の流出口(8,28)、前記第2の流入口(7,27)から前記第2の流出口(8,28)へ流体を案内する流路(9)及び前記流路(9)に配設されたシーズヒータ(10)を有し、相互に並列配置された複数の加熱部(5)と、
    を備える加熱装置。
  2. 前記シーズヒータ(10)よりも下流に配設され各前記流路(9)を個別に開閉する弁装置(12)を備える請求項1に記載の加熱装置。
  3. 全ての前記流路(9)が形成されると共に前記第1の流入口(3)及び前記第1の流出口(4)が連設されたケース(22)を備え、
    前記第2の流入口(27)同士は、相互に前記ケース(22)内で連通した状態で前記第1の流入口(3)に連通しており、
    前記第2の流出口(28)同士は、相互に前記ケース(22)内で連通した状態で前記第1の流出口(4)に連通している請求項1に記載の加熱装置。
  4. 前記第1の流入口(3)、前記第1の流出口(4)、前記第2の流入口(27)、前記第2の流出口(28)及び前記流路(9)は、常に開放状態である請求項1又は3に記載の加熱装置。
  5. 前記第2の流出口(8,28)から流出した流体の温度を計測する温度センサ(13)と、
    流体の目標温度を取得する取得手段(14)と、
    前記温度センサ(13)が計測する流体の温度が前記目標温度になるように各前記シーズヒータ(10)を個別に駆動制御する制御部(14)と、
    を備え、
    前記制御部(14)は、当該装置の始動時においては、前記温度センサ(13)が計測する流体の温度が規定温度に達成するまで全ての前記シーズヒータ(10)を駆動する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の加熱装置。
  6. 前記流路(9)は、上流から下流に向うにしたがい位置が高くなる上昇流路である請求項1ないし5のいずれか一項に記載の加熱装置。
  7. 各前記シーズヒータ(10)は、相互に発熱能力が異なる請求項1ないし6のいずれか一項に記載の加熱装置。
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