JP2008025471A - 燃料フィルタと燃料フィルタユニット - Google Patents

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大介 伊藤
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英二 宮崎
Takeshi Enomoto
剛 榎本
Tomonori Nagase
智紀 長瀬
Kenji Mitsui
健司 三井
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Abstract

【課題】耐振性と濾過性の両立ができるフィルタを提供する。
【解決手段】本発明の燃料フィルタは燃料ポンプの吸入口に取り付けられるものである。そのフィルタ材30は少なくとも補強層70,78と不織布層72,74,76を含む。フィルタ材30によって囲われる空間に伸縮可能な弾性体60が配置されている。フィルタ材30の濾過領域の少なくとも一箇所では、不織布層72,74,76を介して補強層70,78が接合されている。弾性体60の弾性力に抗して不織布層72,74,76が引き伸ばされないようにし、濾過能力を維持することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料フィルタに関する。特に、自動車やオートバイ等の車両の燃料タンク内に配置されている燃料ポンプの吸込口に取り付けて用いる燃料フィルタに関する。
多くの車両では、燃料タンク内の燃料を燃料ポンプによって吸引、加圧された燃料を燃料噴射弁からエンジンに噴射する。燃料ポンプによって吸引される燃料から異物を除去するために、燃料ポンプの吸込口には、燃料フィルタが取り付けられる。
例えば、特許文献1に、補強層と不織布層が重ね合わされているフィルタ材を使用する燃料フィルタが開示されている。補強層と重ね合わせることによって、不織布層からの脱落繊維などの異物の発生を抑制する。
また特許文献2に、二重のメッシュ層で袋状の空間を形成するとともに、その空間内にスプリングが収容されている燃料フィルタが開示されている。この燃料フィルタは、スプリングの弾性力によって燃料フィルタの下面を燃料タンクの底面に押し付けておくことができる。そのために、燃料タンク内の燃料が少なくなっても、残り少なくなった燃料を燃料ポンプによって吸引し続けることができる。
特開2003−236321号公報 特開2004−324456号公報
燃料フィルタの下面を燃料タンクの底面に押し付けておくことによって残り少なくなった燃料を燃料ポンプによって吸引し続けられるようにするためには、フィルタ材で形成されている閉じた空間内に弾性体を収容し、内側からフィルタ材に付勢力を与えることによってフィルタ材を展開しておく構造が有利である。弾性体を利用すると、燃料タンクの振動が燃料ポンプに伝達しづらくすることもでき、また、その逆の場合においても有利である。
弾性体によってフィルタ材に内側から付勢力を与える構造を採用すると、フィルタ材に引っ張り応力が作用し、フィルタ材が引き伸ばされる。特許文献2の技術では、メッシュ層が二重に重ね合わされているフィルタ材を利用している。ここでいうメッシュ層は、糸状のフィルタ用繊維を織って形成した布状のものをいう。糸状のフィルタ用繊維を織って形成したメッシュ層は、後記する不織布に比べて伸びにくい。フィルタ材がメッシュ層で形成されていれば、弾性体によってフィルタ材に内側から付勢力を与えてフィルタ材を展開しておく構造を採用しても、フィルタ材は伸びにくく、異物の通過を阻止する目が粗くなってしまうことはない。しかし、メッシュ層で形成可能な異物の通過を阻止する目の細かさには限界があり、特に、粗悪燃料及び、低水準環境地域での使用には、粒径の細かな異物を濾過することができる不織布が必要不可欠となる。
極めて細かな異物まで濾過できるとともに、フィルタ材の下面を燃料タンクの底面に押し付けておくことによって残り少なくなった燃料を燃料ポンプによって吸引し続けることを可能とする燃料フィルタを実現するには、不織布で形成したフィルタ材の内側に弾性体を収容しておく構造が有利であろうと予想される。
しかしながら、実際にはそうは単純でない。不織布は、引っ張り応力が作用すると引き伸ばされやすい。不織布で形成したフィルタ材の内側に弾性体を収容して内側から不織布に付勢力を与える構造を採用すると、不織布の目が粗くなってしまい、粒径の細かな異物を濾過できなくなってしまう。
特許文献1に記載されているように、補強層と不織布層が重ね合わされているフィルタ材を使用すれば、フィルタ材の内側に弾性体を収容して内側からフィルタ材に付勢力を与える構造を採用しても、補強層によってフィルタ材が引き伸ばされることを阻止し、不織布に形成されている異物の通過を阻止する目が粗くなってしまうことを防止できるものと予想される。しかしながら、実際に検証してみると、補強層と重ね合わせてみても、不織布に形成されている異物の通過を阻止する目が粗くなってしまうことが避けられない。
本発明の一つの課題は、極めて細かな異物まで濾過できるとともに、弾性体によって内側からフィルタ材を展開して燃料フィルタの下面を燃料タンクの底面に押し付けておくことができる燃料フィルタを実現することである。
また、現在使われている燃料フィルタユニットでは、燃料フィルタを交換する場合には燃料フィルタを燃料ポンプへ取り付けている取付部材を含む燃料フィルタ全体を交換しなければならない。燃料フィルタと燃料ポンプの取り付けには、専用ツールが必要で、また、取り外しにおいても注意点が多数あり、燃料フィルタの交換作業は面倒なものとなっている。
本発明の他の課題は、燃料フィルタの交換作業が容易化される燃料フィルタユニットを実現することである。
本発明は、燃料ポンプの吸入口に取り付けられる燃料フィルタに関するものである。本発明の燃料フィルタは、少なくとも補強層と不織布層が重ね合わされた状態で閉じた空間を形成しているフィルタ材と、その空間内に収容された状態でフィルタ材に内側から付勢力を与えている弾性体を備えている。本発明の燃料フィルタは、フィルタ材の濾過領域の少なくとも一箇所に、重ね合わされている補強層と不織布層を接合する接合部が形成されていることを特徴とする。補強層には、糸状のフィルタ用繊維を織って形成したメッシュ層を利用することができる。燃料フィルタが形成する閉じた空間は、燃料ポンプの吸入口に対しては連通しており、それ以外に対しては閉じられている。弾性体の少なくとも一部が燃料フィルタで形成された閉じた空間に収容されていればよく、燃料フィルタで形成される閉じた空間と燃料ポンプの吸入口を連通する空間に弾性体が延出していてもよい。
上記の燃料フィルタによると、補強層と不織布層が重ね合わされているだけでなく、両者が接合部で接合されているために、弾性体によってフィルタ材に引っ張り応力が作用しても、不織布層の目が粗くなってしまうことがない。極めて細かな異物まで濾過することと、弾性体によってフィルタ材の下面を燃料タンクの底面に押し付けておくことを両立することができる。
不織布層の外側に位置する外側補強層と不織布層の内側に位置する内側補強層を備えており、接合部では、不織布層を介して外側補強層と内側補強層が接合されていることが好ましい。
不織布層を外側補強層と内側補強層の間に挟んだ状態で用い、不織布層を介して外側補強層と内側補強層が接合される状態で用いると、不織布の目が拡大することを確実に防止することができる。
複数の層を重ね合わせて不織布層を形成することが好ましい。この場合、各層を通過可能な粒子の径が、燃料の濾過方向に沿って順次に小さくなっていることが好ましい。すなわち、外側ほど粗く、内側ほど細かいことが好ましい。
上記の場合、目の粗い層で大きな異物を捕集し、目の細かな層で小さい異物を捕集することができる。フィルタ材の厚みの全体を濾過に有効に用いることができ、フィルタ材の寿命を長くすることができる。
フィルタ材を厚み方向に貫くドット溶着によって、接合部が形成されていることが好ましい。
ドット溶着を利用すると、不織布層と補強層を確実に接合しておくことができる。
複数の接合部が、フィルタ材の濾過領域において、略均等に分布していることが好ましい。
この場合、不織布層に応力集中箇所が発生することを抑制でき、不織布層の局所において細孔が局所的に拡大されることを抑制することができる。また、不織布層と補強層があることで離反することを防止し、フィルタ材の濾過性能を高いレベルに維持しやすい。
極めて細かな異物まで濾過でき、燃料フィルタの下面を燃料タンクの底面に押し付けておことができるだけでなく、交換作業が容易である燃料フィルタユニットを提供することも重要である。
この目的を達成するために、前記した燃料フィルタと、その燃料フィルタを燃料ポンプの吸込口に取り付ける取付部材とを備える燃料フィルタユニットにおいて、その取付部材を、燃料ポンプ側に固定されるポンプ側取付部材と、燃料フィルタ側に固定されるフィルタ側取付部材で構成し、ポンプ側取付部材とフィルタ側取付部材を分離可能とすることが好ましい。
上記の燃料フィルタユニットでは、ポンプ側取付部材を燃料ポンプに脱着する必要がなく、フィルタ側取付部材をポンプ側取付部材に脱着すればよい。前者の作業は面倒なのに対し、後者の作業は容易である。上記の燃料フィルタユニットを用いると、燃料フィルタユニットの交換作業(組み付けられた後でも)を容易化できる。
フィルタ材で形成されている閉じた空間内側からフィルタ材を展開している展開部材を備えていることが好ましい。この展開部材が用意されていれば、フィルタ材同士が密着してしまうことを防止できる。
展開部材が用意されている場合、フィルタ側取付部材と展開部材の間に弾性体が圧縮された状態で収容されていることが好ましい。
この場合、フィルタ側取付部材よりも先端側の部分(フィルタ材側)は、展開部材と弾性体を収容した状態で完成しており、完成している部材をポンプ側取付部材に脱着すればよい。脱着作業の際に、展開部材や弾性体が外れてしまうことがなく、注意を払う必要がない。燃料フィルタユニットの交換作業を一層に容易化できる。
下記に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1)燃料フィルタユニットは、燃料ポンプに固定するポンプ側取付部材と、フィルタ材が固定されているフィルタ側取付部材と、フィルタ材と、バネと、展開部材を備えている。フィルタ材は袋形状に形成されている。展開部材は、袋状の空間内に収容されている。バネの少なくとも一部は、袋状の空間内に収容されている。ポンプ側取付部材とフィルタ側取付部材は脱着可能であり、抜けとめ構造を用いている。
(形態2)ポンプ側取付部材とフィルタ側取付部材の間にオーリングを配置されており、組み付け状態において取付部の内部と外部で両者間を燃料が通過しないようになっている。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例に係る燃料フィルタ及び燃料フィルタユニットを説明する。
(実施例1)
図1は、実施例1に係る燃料フィルタユニット2の断面図を示す。図2は、燃料フィルタユニット2の平面図を示す。燃料フィルタユニット2は、例えば、オートバイの燃料タンク内に設けられるものである。燃料フィルタユニット2は、図1に示すように、取付部材10と、燃料フィルタ20で構成されている。燃料フィルタ20は、フィルタ材30と、バネ60と、展開部材40で構成されている。
図1、2を参照して燃料フィルタ20の構成を更に詳しく説明する。燃料フィルタ20は、上フィルタ材32と下フィルタ材34から構成される袋状のフィルタ材30を備えている。上フィルタ材32と下フィルタ材34は、折畳縁38(図2参照)で連続しているとともに、その折畳縁38以外の周縁が外周溶接部36によって接合されている。上フィルタ材32には、取付部材10の筒部14が通過する連通孔33(図4参照)が形成されている。上フィルタ材32の内面側には、その連通孔33を一巡する上ケース50が配置されている。上ケース50は、例えばプラスチック製のリング状のシートである。上ケース50と、取付部材10の鍔部18の間に、上フィルタ材32の連通孔33の周囲の部分が挟みこまれて固定されている。このようにして、上フィルタ材32は、燃料が漏れないように、上ケース50と取付部材10に接合されている。
展開部材40は、内骨部42a,42b,42c,42d,42e、接合部44、筒部45、底部46、バネ受け48等で形成されている。筒部45と底部46は、下フィルタ材34に形成されている孔35(図4参照)を通して下フィルタ材34の外面側に突出している。接合部44は、筒部45の上端からほぼ水平に延在するリング状のプラスチック製のシートである。内骨部42a,42b,42c,42d,42eは、接合部44から放射状に延伸する複数の骨状部である。内骨部42a,42b,42c,42d,42eは、上フィルタ材32と下フィルタ材34で形成されている袋状の空間内に挿入されており、上フィルタ材32と下フィルタ材34がくっついてフィルタ材30がつぶれるのを防止している。
下フィルタ材34の外面側には、孔35を一巡する下ケース52が固定されている。下ケース52は、例えばプラスチック製のリング状のシートである。下フィルタ材34の孔35の周囲は、下ケース52と接合部44の間に挟みこまれている。下ケース52を接合部44に固定することによって、底部46が下フィルタ材34の孔35を密封している。
フィルタ材30の内部には、弾性体であるコイルスプリング60が配置されている。コイルスプリング60の上端は、取付部材10に形成されているバネ受け16によって支持され、下端は底部46の内面に当接している。
取付部材10は、燃料フィルタユニット2を燃料ポンプの吸込口(図示されていない)及び、燃料ポンプが搭載されるハウジングへ取り付けるためのものである。取付部材10には、燃料フィルタ20の内部と燃料ポンプの吸込口を連通する筒部14が形成されている。筒部14の下端に、燃料フィルタ20が接着される鍔部18が形成されており、筒部14の上端に、燃料ポンプが搭載されるハウジングへ取り付けるポンプ取付部12が形成されている。ここで、ポンプ取付部12は通常な構造を有するものであるので、その構成についての詳細な説明を省略する。
燃料フィルタユニット2は、燃料ポンプが動作するときに、燃料ポンプに吸い込む燃料から異物を除去する。それによって、燃料ポンプの磨耗及び、エンジンまでの通路間にあるプレッシャレギュレータや、インジェクタなどの磨耗を抑制することができる。
燃料フィルタユニット2が燃料ポンプに取り付けられる状態では、フィルタ材30がコイルスプリング60によって下方に向けて付勢されているため、底部46が燃料タンクの底面に当接するように支持されている。内骨部42a,42b,42c,42d,42eによって上下フィルタ材32,34が互いに接触することを防止している。このために膨らんだ状態のフィルタ材30が常に燃料に浸されており、燃料タンク内の燃料が残り少なくなっても、残った最後の燃料をある一定量残すまで燃料ポンプに吸引することが可能なっている。しかも、フィルタ材30が直接燃料タンクに接触しないことによって、フィルタ材30の磨耗を抑制することができる。コイルスプリング60に底部46を燃料タンクの底面に当接させているために、燃料タンクが振動しても、燃料フィルタユニット2や燃料ポンプには振動が伝わりにくい。
次に、図3を参照してフィルタ材30の構成について詳しく説明する。図3は、実施例1のフィルタ材30の局部断面図を示す。フィルタ材30は、図3に示すように、外側(上側)から内側(下側)に向けて順に、外メッシュ層70、第1濾過布72、第2濾過布74、第3濾過布76、内メッシュ層78が重ね合わせられて構成されている。濾過する際には、燃料は、外メッシュ層70、第1濾過布72、第2濾過布74、第3濾過布76、内メッシュ層78を順に通過して燃料フィルタ20の内部に吸い込まれる。
第1、第2、第3濾過布72,74,76は、不織布を採用している。不織布の優良な濾過性能によって、燃料中の小さな異物を十分に除去することができる。第1、第2、第3濾過布72,74,76には、例えば、スパンボンド法(スパン結合法)やメルトブローン法(溶融吹込成形法)などの各種の方法によって、樹脂繊維をマット状ないしはシート状をなすように構成したものを用いることができる。メルトブローン法により製造される不織布は、スパンボンド法により製造される不織布よりもその細孔(通過可能粒径)を細かくすることができ、一方、スパンボンド法により製造される不織布は構成繊維の径を比較的太く、繊維強度を強くできる。したがって、第1、第2、第3濾過布72,74,76のそれぞれに要求される性能に応じて、スパンボンド法かメルトブローン法かを適宜選択することができる。
例えば、第1濾過布72をスパンボンド法により、第2濾過布74をメルトブローン法により、第3濾過布76をメルトブローン法によって形成することができる。このように形成することで、第1濾過布72から第3濾過布76に向かって徐々にその細孔を細かくすることができる。例えば、第1濾過布72の細孔を20〜80μmとし、第2濾過布74の細孔を10〜30μmとし、第3濾過布76の細孔を5〜20μmとすることができる。このようにして、燃料が第1濾過布72から第3濾過布76に向かって流れる際に、第1濾過布72で除去されなかった異物が第2濾過布74で除去され、第2濾過布74で除去されなかった異物が第3濾過布76で除去されることとなる。
第1、第2、第3濾過布72,74,76の材料としては、例えば、ナイロン、ポリエステル、アセタール、4フッ化エチレン樹脂などの耐燃料油性や燃料不浸透性を有する材料を用いることができる。なお、第1、第2、第3濾過布72,74,76の材料は、同一材料あるいは略同一融点の材料を用いることが好ましい。これらの濾過布72,74,76を同一材料や略同一融点の材料を用いることで、これらの濾過布72,74,76を適宜の位置で確実に溶着して結合することができる。
外メッシュ層70と内メッシュ層78は、第1、第2、第3濾過布72,74,76と異なり、耐燃料油性や燃料不浸透性材料のメッシュシートであって、例えばナイロン、ポリエステル、アセタール又は4フッ化エチレン樹脂などで形成することができる。ここで、外、内メッシュ層70,78の材料も、第1、第2、第3濾過布72,74,76と同一材料あるいは略同一融点の材料を用いることが好ましい。
外メッシュ層70と内メッシュ層78は、縦糸フィラメントと横糸フィラメントがそれぞれの交差箇所において接続されるように形成されており、織布の外観を呈している。フィラメントの間隔は、例えば0.1〜10mmであって、第1から第3濾過布72,74,76の細孔のサイズよりも大幅に大きい。そのために、外メッシュ層70と内メッシュ層78は、実質的に燃料の濾過に殆ど寄与しない。その代わりに、外メッシュ層70と内メッシュ層78は、高い強度と優れた耐磨耗性を有すると共に、伸縮に対して強く抵抗する。フィルタ材30の寸法を長期にわたって安定させる。
フィルタ材30の濾過領域に、接合部39a〜39vが形成されている。図3に示すように、各接合部39は、フィルタ材30を形成する各層70〜78の局所的範囲を溶融してから硬化させることによって形成されている。ドット溶着で形成されている各接合部30は、フィルタ材30の厚みを貫通し、第1、第2、第3濾過布72,74,76を介して、外メッシュ層70と内メッシュ層78を接合している。
図2と図4に示すように、複数個の接合部39a〜39vが、フィルタ材30の濾過範囲において略均等に分布している。このようにして、フィルタ材30を形成する層70〜78同士は、接合部39a〜39vによってところどころで接合されている。ここで、外、内メッシュ層70,78の材料は、第1、第2、第3濾過布72,74,76と同一材料あるいは略同一融点の材料を用いるため、各層同士を適宜の位置で確実に溶着して結合することができる。
上述したフィルタ材30では、濾過性能に優れる不織布を採用することによって、燃料中の小さな異物を十分に除去することができる。さらに、濾過布72,74,76が燃料の濾過方向に沿って細孔のサイズ(通過可能粒径)の勾配を有するために、粗の構成層では大きい異物を捕集し、密の構成層では小さい異物を捕集することができる。つまり、各濾過布72,74,76の全部が濾過に貢献する。従って、フィルタ材30の高寿命化を図ることができる。また、単位面積当たりの濾過性能が向上するため、燃料フィルタユニット2を小型化することが可能となり、燃料タンクへの搭載性を向上することができる。
上述したフィルタ材30では、補強層であるメッシュ層70,78が濾過布72,74,76を挟むように配置されている。メッシュ層70,78は、不織布である濾過布72,74,76と比較して耐摩耗性に優れている。このため、メッシュ層70,78は、各濾過布72,74,76の保護膜として機能し、フィルタ材30が燃料タンクの底面等と接触してフィルタ材30に破れ等が発生することを防止している。しかも、フィルタ材30にコイルスプリング60の付勢力が印加されても、濾過布72,74,76が全体的に延びることを抑制することができ、濾過布72,74,76の細孔を所定の大きさに維持することができる。また、フィルタ材30を構成する層70〜78が、接合部39a〜39vによってところどころで接合されているために、フィルタ材30に印加される引っ張り応力をメッシュ層70,78で負担させることができる。各濾過布72,74,76に応力集中が発生することを抑制することができる。それより、各濾過布72,74,76の細孔をより均一に維持することができる。
以下、図4を照らして燃料フィルタ20の製造方法について簡単に説明する。図4は燃料フィルタ20を展開した状態を示す図である。図4に示したのは、コイルスプリング60を外した燃料フィルタ20の外側(外メッシュ層70側)である。
先ず、所定形状のフィルタ材30を用意する。ここで、このフィルタ材30は、上記のような五層構造を有する。しかも、フィルタ材30には、複数の接合部39a〜39vが既に略均等に形成されている。
その後、フィルタ材30に、プレス加工によって連通孔33及び孔35を形成する。折畳縁38は所定形状のフィルタ材30の対称線に位置する。なお、折畳縁38によって、フィルタ材30は切り離れることがなく、折畳縁38で折り畳むことができる。
次に、下ケース52と展開部材40の接合部44が、また、取付部材10の鍔部18と上ケース50がフィルタ材30を挟むように接着される。その後、折畳縁38に沿ってフィルタ材30を折り畳み、連通孔33にコイルスプリング60を挿入し、バネ受け48に押し当てる。このとき、コイルスプリング60の上端はバネ受け16で支えられ、コイルスプリング60によってフィルタ材30にフィルタ材30を展開しておく付勢力が与えられる。超音波溶着や高周波溶着等によって、上フィルタ材32と下フィルタ材34が開放する全周を溶着する。このようにして、外周溶接部36が形成される。ここで、フィルタ材30の各層が同一材料または略同一融点の材料で形成されているために、上フィルタ材32と下フィルタ材34を適宜の位置で確実に溶着して結合することができる。なお、折畳縁38では外周溶接部36が形成されなくてもよい。これは、フィルタ材30の原材料の節約や、加工の簡易化などに有利なことである。
実施例1に開示した各要件の全てが本発明に限定するものではない。例えば、不織布層は三層に限定されなくてもよい。少なくとも一層があればよく、また三層以上あってもよい。また、補強層は、メッシュに限定されなくてもよい。伸び難く、通過可能粒径が不織布より大きいなものであればよい。その補強層の数も少なくとも一層でもよい。また、コイルスプリング以外の弾性手段を用いることもできる。そのほかの構成についても、用途や設計などに応じて変更することができる。また、接合部39a〜39vはドット溶着に限定されない。その配置位置や配置密度は、実施例のものに限定されない。十分な濾過面積を確保できる範囲内で、任意なサイズまたは任意な配置位置を採用することができる。
(実施例2)
以下、図5を参照しながら実施例2の燃料フィルタユニット102を説明する。実施例2の燃料フィルタユニット102は、取付部材を除き、実施例1と同じように構成している。ここで、実施例1と共通する部分に対しては、それに100を加えた番号を付することによって、その重複説明を省略する。
実施例2の燃料フィルタユニット102では、実施例1の燃料フィルタユニット2では一体であった取付部材10が、ポンプ側の取付部材80と、フィルタ側の取付部材90に分離されている。
ポンプ側取付部材8の上端には、ポンプ取付部82が固定されており、下端には、拡径部86が形成されている。
フィルタ側取付部材90は、小径部92と、筒部94と、バネ受け96と、鍔部98を有する。鍔部98は、実施例1の取付部材10の鍔部18と同じように、上フィルタ材132の一部を挟んだ状態で、上フィルタ材132に固定されている上ケース150に固定されている。筒部94の上端には小径部92が形成されている。
筒部94の外径は、拡径部86の内径にほぼ等しい。小径部92の外周にはめられたオーリング102とともに筒部94を拡径部86に挿入されることによって、フィルタ側の取付部材90がポンプ側の取付部材80に接合される。オーリング102によって、両者の間隔を燃料が通過することはない。
筒部94が拡径部86に挿入された状態で、クリップ104が固定される。クリップ104によって、フィルタ側の取付部材90がポンプ側の取付部材80から脱落することが防止される。
筒部94の外周の少なくとも一部に、円周方向に延在する溝97が形成されている。拡径部86の溝の一部にスリット87が形成されている。クリップ104をスリット87から溝97に挿入すると、フィルタ側の取付部材90がポンプ側の取付部材80から脱落することはない。なおクリップ104は、例えば弾性を有するC型樹脂部材やリング状金属部材などで形成される。
このような構造によれば、燃料フィルタ120を交換する場合、クリップ104を解除してから、フィルタ側の取付部材90をポンプ側の取付部材80から外す。そして、新しいオーリング102と新しい燃料フィルタ120のフィルタ側の取付部材90を再びポンプ側の取付部材80に取り付けばよい。つまり、ポンプ側の取付部材80にフィルタ側の取付部材90を取り付けられた後でも、ポンプ側の取付部材80からフィルタ側の取付部材90を外すことができるために、ポンプ側の取付部材80を交換する必要がない。このために、燃料フィルタユニットのメンテナンスのコストを削減することができる。また、フィルタ側の取付部材90を、ポンプ側の取付部材80へ脱着する作業は、ポンプ側の取付部材90を燃料ポンプの吸込口へ脱着する作業と比較して簡単であるために、燃料フィルタユニットのメンテナンスは簡易化されることができる。
フィルタ側の取付部材90をポンプ側の取付部材80に取り付ける構造は、実施例2の構造に限定されるものではない。例えば、クリップ104の代わりに、スナップフィットを採用してもよい。スナップフィットはよく知られるものであるので、その係止構造についての説明を省略する。
コイルスプリング160は、フィルタ側の取付部材90と、展開部材140の間に圧縮された状態で収容されている。すなわち、フィルタ側の取付部材90よりも先端側の部分(フィルタ材側)は、展開部材140と弾性体160を収容した状態で完成しており、完成している部材をポンプ側の取付部材80に脱着すればよい。脱着作業の際に、展開部材や弾性体に注意を払う必要がないため、燃料フィルタユニットの交換作業を一層に容易化できる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例1の燃料フィルタユニットを示す断面図である。 実施例1の燃料フィルタユニットを示す平面図である。 実施例1の燃料フィルタユニットのフィルタ材の断面図である。 実施例1の燃料フィルタユニットの展開図である。 実施例2の燃料フィルタユニットを示す断面図である。
符号の説明
2 :燃料フィルタユニット
10 :取付部材
20 :燃料フィルタ
30 :フィルタ部材
39a〜39v:接合部
40 :展開部材
50 :上ケース
52 :下ケース
60 :コイルスプリング
70 :外メッシュ層
72 :不織布層
74 :不織布層
76 :不織布層
78 :内メッシュ層
102:燃料フィルタユニット
80 :ポンプ側取付部材
90 :フィルタ側取付部材

Claims (7)

  1. 燃料ポンプの吸入口に取り付けられる燃料フィルタであって、
    少なくとも補強層と不織布層が重ね合わされた状態で燃料ポンプの吸入口以外に対して閉じた空間を形成しているフィルタ材と、
    その空間内に収容された状態で前記フィルタ材に内側から付勢力を与えている弾性体を備えており、
    前記フィルタ材の濾過領域の少なくとも一箇所に、重ね合わされている補強層と不織布層を接合する接合部が形成されていることを特徴とする燃料フィルタ。
  2. 前記補強層が、不織布層の外側に位置する外側補強層と、不織布層の内側に位置する内側補強層を備えており、
    前記接合部では、不織布層を介して外側補強層と内側補強層が接合されていることを特徴とする請求項1の燃料フィルタ。
  3. 前記不織布層が、重ね合わされた複数の層で形成されており、
    各層を通過可能な粒子の径が、燃料の濾過方向に沿って順次に小さくなっていることを特徴とする請求項1又は2の燃料フィルタ。
  4. 前記フィルタ材を厚み方向に貫くドット溶着によって、前記接合部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかの燃料フィルタ。
  5. 複数の接合部が、フィルタ材の濾過領域において、略均等に分布していることを特徴とする請求項1から4のいずれかの燃料フィルタ。
  6. 請求項1から5のいずれかの燃料フィルタと、その燃料フィルタを燃料ポンプの吸込口に取り付ける取付部材とを備える燃料フィルタユニットであって、
    その取付部材は、燃料ポンプ側に固定されるポンプ側取付部材と、燃料フィルタ側に固定されるフィルタ側取付部材で構成されており、ポンプ側取付部材とフィルタ側取付部材が分離可能であることを特徴とする燃料フィルタユニット。
  7. 前記フィルタ材で形成されている閉じた空間側からフィルタ材を展開している展開部材を備えており、
    前記弾性体は、フィルタ側取付部材と展開部材の間に圧縮された状態で収容されていることを特徴とする請求項6の燃料フィルタユニット。
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