JP2008023439A - ハニカム構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタ触媒を形成したときに圧損が低く、パティキュレートの捕集性能および機械的強度にすぐれたハニカム構造体を提供すること。
【解決手段】本発明のハニカム構造体1は、隔壁2により区画された軸方向に伸びる多数のセル3をもつハニカム構造体において、ハニカム構造体1は、セル3ののびる方向に対して垂直な断面において、隔壁2が麻の葉模様をなすように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】本発明のハニカム構造体1は、隔壁2により区画された軸方向に伸びる多数のセル3をもつハニカム構造体において、ハニカム構造体1は、セル3ののびる方向に対して垂直な断面において、隔壁2が麻の葉模様をなすように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、ハニカム構造体に関し、詳しくは、パティキュレートの捕集能力に優れたフィルタ触媒を提供できるハニカム構造体の構造に関する。
内燃機関などの排気ガスの処理には、排ガス浄化用触媒が用いられている。排ガス浄化用触媒は、ハニカム構造体などの耐熱性の多孔質担体上に触媒成分を担持した構成を有している。そして、排ガス浄化用触媒のセルを排気ガスが通過するときに触媒成分と接触し、排気ガス中の有害成分が浄化される。
また、排気ガス中のパティキュレートの除去を行う排ガス浄化用触媒として、フィルタ触媒がある。フィルタ触媒は、隣接するセルの両端部が互い違いに封止材で封止された構造のハニカム構造体を用いる。そして、フィルタ触媒は、セルを区画する隔壁に形成された細孔を通って隣接するセルに排気ガスが流れる。排気ガスが、細孔を通過するときに細孔径よりも大きなパティキュレートが捕捉される。
フィルタ触媒に用いられるハニカム構造体は、例えば、特許文献1〜6に開示されている。各特許文献には、三角形、六角形、八角形、円形などさまざまな形状のセルをもつハニカム構造体が開示されている。
しかしながら、近年においては、さらなる触媒性能の向上が求められている。
特開昭56−124418号公報
特開昭56−124417号公報
特開昭62−96717号公報
特公平3−49608号公報
米国特許第4276071号公報
米国特許第4416676号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、フィルタ触媒を形成したときに圧損が低く、パティキュレートの捕集性能および機械的強度にすぐれたハニカム構造体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、ハニカム構造体のセルの形状について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
本発明のハニカム構造体は、隔壁により区画された軸方向に伸びる多数のセルをもつハニカム構造体において、ハニカム構造体は、セルののびる方向に対して垂直な断面において、隔壁が麻の葉模様をなすように形成されていることを特徴とする。
本発明のハニカム構造体は、多数のセルを区画する隔壁が麻の葉模様を呈するようにもうけられている。このような構造となることで、ハニカム構造体は、広い表面積と大きな強度をもつこととなった。この結果、本発明のハニカム構造体を用いて排ガス浄化用触媒を形成したときに、広い表面積とすぐれた浄化性能を発揮する。
本発明のハニカム構造体は、隔壁により区画された軸方向に伸びる多数のセルをもつハニカム構造体である。本発明のハニカム構造体において、多数のセルは、それぞれの軸方向が平行な状態で配置されている。
そして、本発明のハニカム構造体は、セルののびる方向に対して垂直な断面において、隔壁が麻の葉模様をなすように形成されている。麻の葉模様とは、図1に示した模様である。
本発明のハニカム構造体は、図1に示したように、多数のセルのそれぞれは、断面が三角形をなし、かつ隣接した二つのセルは、二つのセルを隔てる隔壁に対して対称な断面形状をもつ。ここで、セルの断面形状は、セルの伸びる軸方向にたいして垂直な断面におけるセルの形状である。本発明のハニカム構造体は、セルの形状が三角形をなすことで、隔壁の量が増加する。隔壁の量が増加することで、ハニカム構造体の表面積およびハニカム構造体を構成する物質の使用量が増加する。ハニカム構造体の表面積の増加は、触媒として使用したときの触媒担持量を増加し、触媒性能を向上する。また、隔壁の表面積の増加は、フィルタ触媒としてのフィルタ性能を向上する。ハニカム構造体を構成する物質の使用量の増加は、ハニカム構造体自身の強度を向上する。
また、本発明のハニカム構造体は、隣接した二つのセルは、二つのセルを隔てる隔壁に対して対称な断面形状をもつ。隣接する二つのセルが対称な形状をもつことで、フィルタ触媒を形成するためにセルの互いに異なる端部を封止しても、封止されたセルの全面積がハニカム構造体のそれぞれの端面で同じとなる。
ハニカム構造体は、ひとつのセルを区画する隔壁のうちの二つの隔壁が直角あるいは鋭角をなす状態で交わる部分に、面取りがなされていることが好ましい。直角あるいは鋭角をなす部分に面取りを行うことで、排ガス浄化用触媒を形成したときに熱応力や物理的な応力がこの隔壁の交差する部分に集中することを緩和できる。この集中の緩和により、クラックの発生などハニカム構造体の損傷が抑えられる。
ハニカム構造体に施される面取りは、二つの隔壁が交わる部分において直角あるいは鋭角を緩和する面取り方法であれば特に限定されるものではなく、R面取りやC面取りを施すことができる。ここで、R面取りとは角部をR形状に成形する面取りであり、C面取りとは角部を構成する辺(面)の数を増やしてそれぞれの辺(面)が鈍角を形成する面取りである。
本発明のハニカム構造体は、排ガス浄化用触媒の触媒担体基材に用いることが好ましい。排ガス浄化用触媒には、セルの両端部が開口しセル内を排気ガスが通過するストレートフロー型と、セルを区画する隔壁が多数の細孔をもちかつこの細孔を通過する排気ガスを浄化するウォールフロー型の二つのタイプがある。本発明のハニカム構造体は、特にウォールフロー型の触媒に用いることが好ましい。
ウォールフロー型の触媒は、隔壁内を排気ガスが通過するように、隣接するセル同士が互いに異なる端部が封止されている。すなわち、本発明のハニカム構造体は、隣接する二つのセルのうちの一方のセルの一方の端部が封止材で封止され、隣接する二つのセルのうちの他方のセルの他方の端部が封止材で封止されたことが好ましい。
本発明のハニカム構造体を形成する材質は、特に限定されるものではなく、従来公知の材質を用いることが好ましい。たとえば、ステンレス鋼などの耐熱性金属、炭化ケイ素、窒化ケイ素、コーディエライト、チタン酸アルミニウム、アルミナ、ジルコニア、チタニア等よりなる耐熱性セラミックスをあげることができる。本発明のハニカム構造体は、ウォールフロー型の触媒に用いることが好ましいことから、その隔壁に微細な細孔をもつことが好ましい。つまり、ハニカム構造体は、多孔質セラミックスより形成されることが好ましい。また、ハニカム構造体は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、コーディエライト、チタン酸アルミニウムより選ばれるセラミックスを主成分として形成されることが好ましい。
本発明のハニカム構造体において、隔壁に形成された多数の細孔の細孔径や気孔率等の条件は、ハニカム構造体の使用条件により異なるため一概に決定できるものではない。
本発明のハニカム構造体は、セルが所定の形状に形成されていればよく、一体に製造されても、複数部の分体を接合して製造してもよい。複数部の分体を接合して形成されたことが好ましい。
ハニカム構造体は、複数部のハニカム分体と、二つのハニカム分体の間にもうけられた接合材層と、接合材に接合された複数部のハニカム分体の接合体の周方向の外周面にもうけられた外周材層と、を有することが好ましい。つまり、接合体の外周面に外周材層をもつことが好ましい。外周材層をもつことで、排ガス浄化用触媒に使用したときに接合体が熱膨張を生じることによる損傷の発生を抑えられる。ハニカム分体を接合する接合材および接合体の外周面に形成される外周材層を形成する材質は、特に限定されるものではなく、従来公知の材質を用いることができる。このような構成のハニカム構造体は、複数部のハニカム分体を製造し、そのハニカム分体を接合材で接合した後に、所望の外周形状に成形し、外周材層を形成することで製造することができる。
本発明のハニカム構造体は、その外周形状が特に限定されるものではない。軸方向にセルがのびる円柱状、角柱状などの形状とすることができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例としてハニカム構造体を製造した。
(実施例1)
本実施例は、多孔質のチタン酸アルミニウムにより形成され、隔壁により軸方向に多数のセルが区画されたハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体は、全体の形状が円柱状をなすように形成されている。本実施例のハニカム構造体を図2に示した。
本実施例は、多孔質のチタン酸アルミニウムにより形成され、隔壁により軸方向に多数のセルが区画されたハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体は、全体の形状が円柱状をなすように形成されている。本実施例のハニカム構造体を図2に示した。
本実施例のハニカム構造体1は、軸方向に垂直な平面での断面において、隔壁が麻の葉模様を呈するように形成されている。麻の葉模様とは、上記したように、図1に示した模様である。本実施例においてては、図1の実線部分に隔壁2が位置している。
そして、各セルの両端部に形成された2つの開口部のうち1つは、封止材によって交互に封止されている。つまり、多数あるセル3のうち、約半数のものは一方の端面において開口し、残りのものは他方の端面において開口している。本実施例のハニカム構造体の端面において、封止されたセル30と開口したセル31とが交互に並んでいる。本実施例のハニカム構造体の封止のパターンを図3に示した。
本実施例のハニカム構造体1は、複数部のハニカム分体10,10を接合材4で接合して形成されている。このような構成となることで、大きなハニカム構造体を一体に形成するよりも簡単に製造することができる。また、ハニカム分体の材質をハニカム構造体の部分ごとに変更することも可能となる。
さらに、本実施例のハニカム構造体1は、その周方向の外周面部に外周材層5が形成されている。この外周材層5には、ハニカム構造体1を構成するハニカム分体と同じ材質のチタン酸アルミニウムが用いられた。外周材層5を形成したことで、ハニカム構造体1の熱膨張を抑えることができる。また、外周材層5によりハニカム構造体1の外周面がなめらかな形状となり、取り扱い時に破損が生じにくくなった。
本実施例のハニカム構造体は、例えば、以下の方法により製造された。
まず、押出成形等の方法により、多孔質のチタン酸アルミニウムで断面正方形状の角柱状のハニカム分体10を製造した。そして、ハニカム分体1を接合材をその外周面に塗布し、別のハニカム分体10を塗布面に押しつけて接合した。これにより、二つのハニカム分体10,10が接合材層4に接合された状態となった。複数のハニカム分体10,10の接合を繰り返して、図4に示したように、複数のハニカム分体10,10が接合材層4に接合された、全体の断面(端面)が正方形状のハニカム接合体11を製造した。
その後、ハニカム接合体11を円柱状に切り出した。円柱状に切り出された接合体11の周方向の外周面に外周材層5を形成した。外周材層5の形成は、チタン酸アルミニウムを主成分とするスラリーを接合体11の外周面に所定の厚さで塗布し、焼成することでなされた。
そして、図3に示したように、多数のセル3のそれぞれの端面を封止材で封止した。
以上により、本実施例のハニカム構造体1が製造できた。
(実施例2)
本実施例は、封止材によるセル3の封止のパターンが異なる以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の端面を図5に示した。
本実施例は、封止材によるセル3の封止のパターンが異なる以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の端面を図5に示した。
本実施例は、セル3の封止のパターンが異なる以外は、実施例1と同様な構成であり、実施例1の時と同様な効果を発揮する。
(実施例3)
本実施例は、二つの隔壁2,2が交わる部分にR面取りがなされている以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の隔壁2が交わる部分を拡大図で図6に示した。
本実施例は、二つの隔壁2,2が交わる部分にR面取りがなされている以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の隔壁2が交わる部分を拡大図で図6に示した。
本実施例は、フィルタ触媒などの排ガス浄化用触媒を形成したときに熱応力や物理的な応力がこの隔壁の交差する部分に集中することを緩和できる効果を発揮する。この集中の緩和により、クラックの発生などハニカム構造体1の損傷が抑えられる。
また、この効果以外は、実施例1の時と同様な効果を発揮する。
(実施例4)
本実施例は、二つの隔壁2,2が交わる部分にC面取りがなされている以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の隔壁2が交わる部分を拡大図で図7に示した。
本実施例は、二つの隔壁2,2が交わる部分にC面取りがなされている以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の隔壁2が交わる部分を拡大図で図7に示した。
本実施例は、フィルタ触媒などの排ガス浄化用触媒を形成したときに熱応力や物理的な応力がこの隔壁の交差する部分に集中することを緩和できる効果を発揮する。この集中の緩和により、クラックの発生などハニカム構造体1の損傷が抑えられる。
また、この効果以外は、実施例1の時と同様な効果を発揮する。
1:ハニカム構造体 10:ハニカム分体
11:接合体
2:隔壁
3,30,31:セル
4:接合材層
5:外周材層
11:接合体
2:隔壁
3,30,31:セル
4:接合材層
5:外周材層
Claims (6)
- 隔壁により区画された軸方向に伸びる多数のセルをもつハニカム構造体において、
該ハニカム構造体は、該セルののびる方向に対して垂直な断面において、該隔壁が麻の葉模様をなすように形成されていることを特徴とするハニカム構造体。 - 前記ハニカム構造体は、ひとつのセルを区画する前記隔壁のうちの二つの該隔壁が直角あるいは鋭角をなす状態で交わる部分に、面取りがなされている請求項1記載のハニカム構造体。
- 前記ハニカム構造体は、隣接する二つのセルのうちの一方のセルの一方の端部が封止材で封止され、隣接する二つのセルのうちの他方のセルの他方の端部が封止材で封止された請求項1記載のハニカム構造体。
- 前記ハニカム構造体は、多孔質セラミックスより形成される請求項1記載のハニカム構造体。
- 前記ハニカム構造体は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、コーディエライト、チタン酸アルミニウムより選ばれるセラミックスを主成分として形成される請求項4記載のハニカム構造体。
- 前記ハニカム構造体は、
複数部のハニカム分体と、
二つのハニカム分体の間にもうけられた接合材層と、
該接合材に接合された複数部の該ハニカム分体の接合体の周方向の外周面にもうけられた外周材層と、
を有する請求項1記載のハニカム構造体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006197994A JP2008023439A (ja) | 2006-07-20 | 2006-07-20 | ハニカム構造体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017064608A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 日本碍子株式会社 | ハニカム構造体 |
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2006
- 2006-07-20 JP JP2006197994A patent/JP2008023439A/ja active Pending
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